JP3691137B2 - 不揮発性メモリ内蔵マイクロコンピュータ - Google Patents
不揮発性メモリ内蔵マイクロコンピュータ Download PDFInfo
- Publication number
- JP3691137B2 JP3691137B2 JP30765395A JP30765395A JP3691137B2 JP 3691137 B2 JP3691137 B2 JP 3691137B2 JP 30765395 A JP30765395 A JP 30765395A JP 30765395 A JP30765395 A JP 30765395A JP 3691137 B2 JP3691137 B2 JP 3691137B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nonvolatile memory
- data
- microcomputer
- memory
- eeprom
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Read Only Memory (AREA)
- For Increasing The Reliability Of Semiconductor Memories (AREA)
- Techniques For Improving Reliability Of Storages (AREA)
- Test And Diagnosis Of Digital Computers (AREA)
- Microcomputers (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラッシュメモリ(EEPROM)を内蔵するマイクロコンピュータにおいて、前記フラッシュメモリのデータ書き換え回数を知るのに好適な、不揮発性メモリの書き換え回数測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の1チップマイクロコンピュータの中には、プログラムメモリ又はデータメモリとして、データの電気的消去が可能であり且つデータの書き込み及び読み出しが可能なフラッシュメモリ(EEPROM)を内蔵したものが存在する。前記EEPROMの各メモリセルは各々コントロールゲート及びフローティングゲートを有するMOSトランジスタで構成されている。前記EEPROMの各メモリセルは、ドレイン−ソース間に高電圧を印加してフローティングゲートに負の電荷を帯電させた時、ドレインソース間にチャンネルが形成されなくなり、出力電流が流れ難くなる。このメモリセルの状態が論理「0」である。一方、前記EEPROMの各メモリセルのコントロールゲートに高電圧を印加すれば、フローティングゲートに帯電していた負の電荷はコントロールゲートを介して消失し、ドレインソース間にチャンネルが形成されて最大100μA程度の出力電流が流れる。このメモリセルの状態が論理「1」である。前記EEPROMの各メモリセルは、こうして「1」及び「0」のデータが書き込まれた状態となる。
【0003】
ところで、前記EEPROMのデータ書き換えを行う場合、特に各メモリセルの状態を論理「0」から論理「1」に変更する場合、フローティングゲートに帯電された負の電荷を抜き取る必要がある。ところが、フローティングゲート付MOSトランジスタの構造上、フローティングゲートから帯電済みの電荷を完全に抜き取ることは物理的に不可能である。その為、各メモリセルに対して、論理「0」から論理「1」へのデータ書き換えを繰り返し何度も実行すると、フローティングゲートに徐々に負の電荷が蓄積され、最後には各メモリセルを論理「1」とする処理を行っているにも関わらず、フローティングゲートは負の電荷が蓄積されたままとなってしまい、誤って論理「0」を書き込んだ状態と等価となる。その為、EEPROM内蔵マイクロコンピュータの使用者は、前記EEPROMの正常なデータ書き換えが最大何回まで可能であるのかを事前に確認しておく必要がある。
【0004】
そこで、従来は、前記EEPROM内蔵マイクロコンピュータを製造する半導体製造業者が、前記EEPROM内蔵マイクロコンピュータの為の半導体素子を集積化したICを任意に複数個抽出し、これら複数のICに対して内蔵EEPROMの書き換え試験を行っていた。具体的には、前記ICに設けられたEEPROMの為のアドレスデータ入力端子とデータ入出力端子とにデータ書き換え専用の測定器を結合し、EEPROM全体のデータの書き換えを行った結果、各メモリセルの出力電流がどれだけ流れているのかを測定してEEPROMの書き換え回数の限界を検出していた。詳しくは、各メモリセルの出力電流に共通の閾値を設定しており、出力電流が前記閾値より大きい時は論理「1」と判断し、出力電流が前記閾値より小さい時は論理「0」と判断する。従って、論理「1」をメモりセルに書き込む処理を実行しているにも関わらず、出力電流が前記閾値より小さくなった場合には、フローティングゲートに多くの負の電荷が蓄積されていることを意味し、もうこれ以上の正常なデータ書き換えは不可能となる。この時点の書き換え回数を、半導体製造業者は、EEPROM内蔵マイクロコンピュータの使用者に事前に報告している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、EEPROMのデータの正常な最大書き換え回数を評価する為に、わざわざ専用の前記測定器を購入しなければならない問題があった。
そこで、本発明は、前記測定器を不要とできる不揮発性メモリの書き換え回数測定装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記問題点を解決する為に成されたものであり、その特徴とするところは、データの書き込み及び読み出しが可能であり且つデータの電気的消去が可能な第1の不揮発性メモリをプログラムメモリ又はデータメモリとして内蔵した不揮発性メモリ内蔵マイクロコンピュータにおいて、前記マイクロコンピュータが初期化された際に、前記マイクロコンピュータが所定状態に設定されているか否かを検出する手段と、前記第1の不揮発性メモリが正常にデータの書き換え動作を行える回数を確認するためのプログラムが予め書き込まれた第2の不揮発性メモリと、前記マイクロコンピュータの初期化時に前記第2の不揮発性メモリをイネーブル状態とし、前記マイクロコンピュータが前記所定状態に設定されていない時、前記手段の検出出力に応じて前記第1の不揮発性メモリをイネーブル状態とするとともに前記第2の不揮発性メモリをディセーブル状態とし、前記第1の不揮発性メモリのルーチンを実行するためのフラグ手段と、前記第1及び第2の不揮発性メモリから読み出されたプログラム命令を解読するデコード手段と、前記第2の不揮発性メモリから読み出されたプログラム命令の解読結果に基づき、前記第1の不揮発性メモリに対するデータの書き換え動作を実行する時、前記デコード手段の出力により、前記第1の不揮発性メモリをイネーブル状態とする手段と、を備え、前記第2の不揮発性メモリから読み出されたプログラム命令を実行することにより、前記第1の不揮発性メモリの内容を所定回数書き換える毎に、該第1の不揮発性メモリの内容を読み出して正常か否かを判断し、該第1の不揮発性メモリから読み出した内容が正常の時は、さらに該第1の不揮発性メモリの内容を所定回数書き換える毎に該第1の不揮発性メモリの内容を読み出して正常か否かを判断する動作を繰り返し、該第1の不揮発性メモリから読み出した内容が異常の時は、所定回数までの書き換えは正常であった旨のデータを出力ポートから出力させ、前記第1の不揮発性メモリが正常に書き換え動作を行える回数を確認可能とした点である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の詳細を図面に従って具体的に説明する。
図1は本発明の不揮発性メモリの書き換え回数測定装置を示す回路ブロック図であり、全て1チップマイクロコンピュータ内部に内蔵されている。
図1において、(1)はEEPROM(第1の不揮発性メモリ)であり、電気的にデータ消去が可能であり、データの書き込み及び読み出しが可能なものである。該EEPROM(1)の記憶領域は、特定アドレス(破線)を境にプログラム領域とデータ領域とに分割されている。
【0008】
(2)はマスクROM(第2の不揮発性メモリ)であり、該マスクROM(2)には、EEPROM(1)に対する正常なデータ書き換えの最大回数を評価する為のプログラムデータが記憶されている。ここで、本発明の実施の形態においては、EEPROM(1)及びマスクROM(2)は別アドレス空間に割り振られ、EEPROM(1)及びマスクROM(2)は各々「0000」H〜[FFFF」Hのアドレスを有するものとする。但し、上記Hはヘキサデシマルである。
【0009】
(3)はプログラムカウンタPCであり、EEPROM(1)及びマスクROM(2)のアドレスをアクセスするものであり、前記1チップマイクロコンピュータが初期化された時には、「0000」Hとなっている。
(4)はインストラクションレジスタIRであり、EEPROM(1)及びマスクROM(2)から読み出されたデータを内部バス(5)を介して保持するものである。(6)はインストラクションデコーダIDECであり、インストラクションレジスタ(4)の内容を解読し、前記1チップマイクロコンピュータを制御する為の各種制御信号を出力するものである。
【0010】
(7)は16ビット構成のアドレスレジスタであり、マスクROM(2)から読み出されたプログラム命令に基づき、EEPROM(1)のデータ書き換えを行う際の該EEPROM(1)のアドレスデータがセットされるものである。
(8)は8ビットの入力ポートであり、EEPROM(1)のデータ書き換えモードを実行する時に「00」Hが前記1チップマイクロコンピュータ外部で設定される。
【0011】
(9)は8ビット構成のスタティックRAMであり、各種データの書き込み及び読み出しが行われるものである。(10)はアキュムレータACCであり、データの一時格納を行うものである。(11)(12)は各々テンポラリレジスタTMP1、TMP2であり、アキュムレータ(10)と同様にデータの一時保持を行うものである。(13)は演算論理ユニットALUであり、テンポラリレジスタ(11)(12)に一時保持されたデータに対して、EEPROM(1)又はマスクROM(2)の読み出しプログラムに基づく論理演算を行い、この結果に基づき、プログラムカウンタ(3)の値を制御するものである。
【0012】
(14)は出力ポートであり、EEPROM(1)に対する正常なデータ書き換えの最大回数を表すデータを出力するものである。
(15)(16)はANDゲート且つ(17)はORゲートであり、マルチプレクサを構成する。尚、該マルチプレクサは、プログラムカウンタ(3)のビット数16に対応して16個パラレルに設けられている。ANDゲート(15)の一方の入力にはプログラムカウンタ(3)の値が印加され、ANDゲート(16)の一方の入力にはアドレスレジスタ(7)の値ADDが印加される。更に、ANDゲート(15)(16)の他方の入力には、各々、インストラクションデコーダ(6)から出力される切換制御信号が反転及びそのまま共通印加される。
【0013】
(18)はマスクROM(2)のチップイネーブル端子*CEと接続されたフラグであり、前記1チップマイクロコンピュータの初期化時にイニシャル信号INTによりリセットされて「0」となり、マスクROM(2)のチップイネーブル端子*CEを「0」としてマスクROM(2)を読み出し可能状態とするものである。一方、EEPROM(1)のチップイネーブル端子*CEにはNORゲート(19)が接続されており、その一方の入力はフラグ(18)と接続され、他方の入力にはインストラクションデコーダ(6)から出力される切換制御信号が印加される。前記1チップマイクロコンピュータの初期化時は、前記切換制御信号もフラグ(18)出力も共に「0」となっている為、EEPROM(1)のチップイネーブル端子*CEは「1」となり、EEPROM(1)はディセーブル状態となっている。尚、後述するが、マスクROM(2)のプログラム命令には、入力ポート(8)のデータをアキュムレータ(10)に保持し該アキュムレータ(10)の内容が「00」Hであるか否かの判断があるが、アキュムレータ(10)の内容が「00」Hでない時は、演算論理ユニット(13)の論理出力によりフラグ(18)はセットされる。すると、EEPROM(1)がイネーブル状態となり、マスクROM(2)がディセーブル状態となる。また、EEPROM(1)のデータの書き換え動作を実行する時は、マスクROM(2)のプログラム命令に基づき、前記切換制御信号が「1」となってマスクROM(2)と共にEEPROM(1)もイネーブル状態となる。
【0014】
以下、図2のフローチャートを用いて図1の動作を説明する。
まず、EEPROM(1)の書き換え回数の評価を行う為に、入力ポート(8)を「00」Hの状態としておく。即ち、8ビットの入力ポート(8)全てを外部端子を介して接地した状態としておく。そして、前記1チップマイクロコンピュータに電源を投入し、該1チップマイクロコンピュータを初期化する。この時、前記切換制御信号は「0」であり、プログラムカウンタ(3)の値は「0000」Hとなる。更に、イニシャル信号INTによりフラグ(18)がリセットされ、マスクROM(2)がイネーブル状態になると共にEEPROM(1)がディセーブル状態となり、これよりマスクROM(2)がプログラムカウンタ(3)により「0000」H番地からアクセスされ、以下の動作が実行される。
【0015】
初めに、マスクROM(2)のプログラムデータをインストラクションデコーダ(6)で解読した結果に基づき、入力ポート(8)の「00」Hが内部バス(5)を介してアキュムレータ(10)に一時保持される(ステップ1)。その後、アキュムレータ(10)の内容が「00」Hであるか否かの判断が行われる(ステップ2)。具体的には、アキュムレータ(10)の内容が内部バス(5)を介してテンポラリレジスタ(11)に一時保持され、且つ、マスクROM(2)から読み出されてインストラクションレジスタ(4)に保持された比較データが内部バス(5)を介してテンポラリレジスタ(12)にセットされる。そして、テンポラリレジスタ(11)(12)の保持データが演算論理ユニット(13)に印加されて所定の論理演算が実行される。この結果、演算論理ユニット(13)からアキュムレータ(10)の内容が「00」Hである旨の演算結果が得られると(ステップ2:YES)、これ以降、マスクROM(2)から読み出されるプログラム命令に基づき、以下に説明するEEPROM(1)のデータ書き換え動作が実行される。一方、アキュムレータ(10)の内容が「00」Hでない旨の演算結果が演算論理ユニット(13)から得られると(ステップ2:NO)、フラグ(18)が演算論理ユニット(13)の論理出力に基づきセットされる(ステップ3)。即ち、EEPROM(1)がイネーブル状態になると共にマスクROM(2)がディセーブル状態となり、プログラムカウンタ(3)の値も「0000」Hとなる。よって、EEPROM(1)のアドレスがプログラムカウンタ(3)により「0000」H番地から順次アクセスされて通常ルーチンが実行される。
【0016】
前記ステップ2:YES後、マスクROM(2)がプログラムカウンタ(3)により特定アドレスを順次アクセスされる訳であるが、初めに、マスクROM(2)の読み出しプログラムがインストラクションデコーダ(6)で解読されることにより、マスクROM(2)からデータ「0000」Hが読み出され、上位8ビット「00」H及び下位8ビット「00」Hが各々RAM(9)の所定の2アドレス(A領域)に書き込まれ、その後、アキュムレータ(10)に一時格納された後にアドレスレジスタ(7)に順次セットされる。こうして、アドレスレジスタ(7)の値は「0000」Hとなる(ステップ4)。そして、マスクROM(2)の次のプログラム命令の解読結果に基づき、前記切換制御信号が「1」となり、EEPROM(1)がイネーブル状態となって該EEPROM(1)のアクセスがアドレスレジスタ(7)側に切り換えられ、EEPROM(1)の「0000」H番地にマスクROM(2)から読み出された「FF」Hが書き込まれる。即ち、EEPROM(1)の「0000」H番地を構成する全メモリセルのフローティングゲートの蓄積電荷の抜き取りが行われる(ステップ5)。その後、EEPROM(1)の「0000」H番地にマスクROM(2)から読み出された「00」Hが書き込まれる。即ち、EEPROM(1)の「0000」H番地の全メモリセルのフローティングゲートに対して電荷の帯電が行われる(ステップ6)。これより、EEPROM(1)の「0000」H番地に対して「FF」H及び「00」Hの1回の書き換えが終了したことになる。
【0017】
次に、EEPROM(1)の「0000」H〜「FFFF」H番地に対する「FF」H及び「00」Hの書き換えが100回終了したか否かを判断する(ステップ7)。現段階では、EEPROM(1)の「0000」H番地への1回のデータ書き換えが終了しただけの為(ステップ7:NO)、マスクROM(2)の次の読み出しプログラムを解読した結果、アドレスレジスタ(7)のインクリメント命令が実行される。具体的には、マスクROM(2)から読み出された「01」Hが内部バス(5)を介してテンポラリレジスタ(11)にセットされ、且つ、アドレスレジスタ(7)の下位8ビット「00」Hがテンポラリレジスタ(12)にセットされ、演算論理ユニット(13)で両テンポラリレジスタ(11)(12)の論理和演算が実行され、この値が再び内部バス(5)を介してアドレスレジスタ(7)の下位8ビットにセットされる。これより、アドレスレジスタ(7)の値は「0001」Hとなり、+1インクリメントされたことになる(ステップ8)。尚、演算論理ユニット(13)の論理和演算の結果がキャリーを発生する場合、そのキャリーとアドレスレジスタ(7)の上位8ビットが再び演算論理ユニット(13)で論理和演算され、再びアドレスレジスタ(7)の上位8ビットにセットされる。
【0018】
次に、アドレスレジスタ(7)の値が再び「0000」Hに戻ったか否かが判断される(ステップ9)。現段階では、アドレスレジスタ(7)の値が「0001」Hになったばかりの為(ステップ9:NO)、上記動作と同様にして、EEPROM(1)の「0001」H番地に対して「FF」H及び「00」Hの1回の書き換えが実行される(ステップ5,6)。こうして、ステップ5,6,7:NO,8,9:NOを繰り返し、EEPROM(1)の「FFFF」H番地に対する「FF」H及び「00」Hの1回の書き換えまでが終了すると、アドレスレジスタ(7)の値は「0000」Hとなる(ステップ9:YES)。この状態は、EEPROM(1)の「0000」H〜「FFFF」Hの全アドレスに対して「FF」H及び「00」Hの1回の書き換えが完了したことを意味する。すると、RAM(9)の所定の1アドレス(B領域)に、EEPROM(1)の全アドレスのデータ書き換えが1回終了したことを表す「01」Hが書き込まれる(ステップ10)。以後、ステップ5,6,7:NO,8,9,10を繰り返し、RAM(9)のB領域のデータがインクリメント命令に伴い100に対応するバイナリデータとなった時、EEPROM(1)の全アドレスに対するデータ書き換えが100回終了したことになる(ステップ7:YES)。すると、RAM(9)の所定の1アドレス(C領域)に対して、EEPROM(1)の全アドレスのデータ書き換えが100回終了したことを表す「01」Hが書き込まれる(ステップ11)。
【0019】
その後、EEPROM(1)の全アドレスに100回目に書き換えられた本来「00」Hであろうデータが読み出され、各アドレスの読み出しデータが「00」Hになっているか否かの判断が行われる(ステップ12,13)。具体的には、マスクROM(2)のプログラム命令の解読結果に基づき、前記切換制御信号を「1」とすると共にアドレスレジスタ(7)に「0000」Hをセットし、まずEEPROM(1)の「0000」H番地のデータを読み出す。そして、このデータをテンポラリレジスタ(11)にセットすると共にマスクROM(2)からの比較データをテンポラリレジスタ(12)にセットし、演算論理ユニット(13)で所定の論理演算を行う。この結果、演算論理ユニット(13)からEEPROM(1)の「0000」H番地のデータが「00」Hでない旨の演算結果が得られた時(ステップ13:NO)、RAM(9)のC領域に書き込まれたデータを出力ポート(14)から出力する(ステップ14)。これより、EEPROM(1)は100回以下で正常にデータの書き換えが可能であることを使用者に知らせることが可能となる。一方、EEPROM(1)の「0000」H番地から読み出されたデータが、演算論理ユニット(13)の演算結果により、「00」Hであった場合は、上記動作と同様にしてインクリメント命令が実行され、アドレスレジスタ(7)の値が「0001」Hとなる。そして、EEPROM(1)の「0001」H番地から読み出されたデータが「00」Hであるか否か判断され、「00」Hである時は上記アドレスレジスタ(7)のインクリメント動作が行われる。EEPROM(1)の何れか1つのアドレスの読み出しデータが「00」Hでないと、ステップ14に進み、プログラムは終了してしまう。ところで、アドレスレジスタ(7)の値が再び「0000」Hになるということは、EEPROM(1)の「0000」H〜「FFFF」Hから読み出されたデータは全て「00」Hで正常であったことを意味する(ステップ13:YES)。
【0020】
次は、EEPROM(1)の「00」Hデータのチェックが完了した為、ステップ5と同様にしてEEPROM(1)の全アドレスに「FF」Hを書き込む(ステップ15)。その後、ステップ12,13と同様にして、EEPROM(1)の全アドレスからデータを読み出し、そのデータが「FF」Hであるか否かを判断する(ステップ16,17)。EEPROM(1)からの読み出しデータが「FF」Hでない場合は(ステップ17:NO)、ステップ14へ進み、EEPROM(1)が100回以下で正常なデータ書き換えをできる旨のRAM(9)のC領域のデータを出力ポート(14)から出力する。一方、EEPROM(1)の読み出しデータが全て「FF」Hであった場合(ステップ17:YES)、再びステップ4に戻り、上記動作を繰り返す。
【0021】
以上より、EEPROM(1)に前記1チップマイクロコンピュータの初期化時の状態判断を行う為のプログラムを事前に外部から書き込むことなく、前記1チップマイクロコンピュータの初期化時にマスクROM(2)の先頭番地をアクセスできる様にした。更に、マスクROM(2)のプログラムを実行することにより、EEPROM(1)の正常なデータ書き換え回数を100回単位で確認することができ、従来必要とされていたEEPROM(1)の書き換え回数評価の為の専用の測定器を不要とできる。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、第1の不揮発性メモリに1チップマイクロコンピュータの初期化時の状態判断を行う為のプログラムを事前に外部から書き込むことなく、前記1チップマイクロコンピュータの初期化時に第2の不揮発性メモリの所定番地をアクセスできる構成とした。これより、第1の不揮発性メモリへの書き換え回数測定の為のプログラムをわざわざ書き込む必要が無くなる。そして、第2の不揮発性メモリのプログラムを実行することにより、第1の不揮発性メモリの正常なデータ書き換え回数を所定回数単位で確認することができ、従来必要とされていた第1の不揮発性メモリの書き換え回数評価の為の専用の測定器を不要とできる利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の不揮発性メモリの書き換え回数測定装置を示す回路ブロック図である。
【図2】図1の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
(1) EEPROM
(2) マスクROM
(3) プログラムカウンタ
(7) アドレスレジスタ
(8) 入力ポート
(14) 出力ポート
(18) フラグ
(19) NORゲート
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラッシュメモリ(EEPROM)を内蔵するマイクロコンピュータにおいて、前記フラッシュメモリのデータ書き換え回数を知るのに好適な、不揮発性メモリの書き換え回数測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の1チップマイクロコンピュータの中には、プログラムメモリ又はデータメモリとして、データの電気的消去が可能であり且つデータの書き込み及び読み出しが可能なフラッシュメモリ(EEPROM)を内蔵したものが存在する。前記EEPROMの各メモリセルは各々コントロールゲート及びフローティングゲートを有するMOSトランジスタで構成されている。前記EEPROMの各メモリセルは、ドレイン−ソース間に高電圧を印加してフローティングゲートに負の電荷を帯電させた時、ドレインソース間にチャンネルが形成されなくなり、出力電流が流れ難くなる。このメモリセルの状態が論理「0」である。一方、前記EEPROMの各メモリセルのコントロールゲートに高電圧を印加すれば、フローティングゲートに帯電していた負の電荷はコントロールゲートを介して消失し、ドレインソース間にチャンネルが形成されて最大100μA程度の出力電流が流れる。このメモリセルの状態が論理「1」である。前記EEPROMの各メモリセルは、こうして「1」及び「0」のデータが書き込まれた状態となる。
【0003】
ところで、前記EEPROMのデータ書き換えを行う場合、特に各メモリセルの状態を論理「0」から論理「1」に変更する場合、フローティングゲートに帯電された負の電荷を抜き取る必要がある。ところが、フローティングゲート付MOSトランジスタの構造上、フローティングゲートから帯電済みの電荷を完全に抜き取ることは物理的に不可能である。その為、各メモリセルに対して、論理「0」から論理「1」へのデータ書き換えを繰り返し何度も実行すると、フローティングゲートに徐々に負の電荷が蓄積され、最後には各メモリセルを論理「1」とする処理を行っているにも関わらず、フローティングゲートは負の電荷が蓄積されたままとなってしまい、誤って論理「0」を書き込んだ状態と等価となる。その為、EEPROM内蔵マイクロコンピュータの使用者は、前記EEPROMの正常なデータ書き換えが最大何回まで可能であるのかを事前に確認しておく必要がある。
【0004】
そこで、従来は、前記EEPROM内蔵マイクロコンピュータを製造する半導体製造業者が、前記EEPROM内蔵マイクロコンピュータの為の半導体素子を集積化したICを任意に複数個抽出し、これら複数のICに対して内蔵EEPROMの書き換え試験を行っていた。具体的には、前記ICに設けられたEEPROMの為のアドレスデータ入力端子とデータ入出力端子とにデータ書き換え専用の測定器を結合し、EEPROM全体のデータの書き換えを行った結果、各メモリセルの出力電流がどれだけ流れているのかを測定してEEPROMの書き換え回数の限界を検出していた。詳しくは、各メモリセルの出力電流に共通の閾値を設定しており、出力電流が前記閾値より大きい時は論理「1」と判断し、出力電流が前記閾値より小さい時は論理「0」と判断する。従って、論理「1」をメモりセルに書き込む処理を実行しているにも関わらず、出力電流が前記閾値より小さくなった場合には、フローティングゲートに多くの負の電荷が蓄積されていることを意味し、もうこれ以上の正常なデータ書き換えは不可能となる。この時点の書き換え回数を、半導体製造業者は、EEPROM内蔵マイクロコンピュータの使用者に事前に報告している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、EEPROMのデータの正常な最大書き換え回数を評価する為に、わざわざ専用の前記測定器を購入しなければならない問題があった。
そこで、本発明は、前記測定器を不要とできる不揮発性メモリの書き換え回数測定装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記問題点を解決する為に成されたものであり、その特徴とするところは、データの書き込み及び読み出しが可能であり且つデータの電気的消去が可能な第1の不揮発性メモリをプログラムメモリ又はデータメモリとして内蔵した不揮発性メモリ内蔵マイクロコンピュータにおいて、前記マイクロコンピュータが初期化された際に、前記マイクロコンピュータが所定状態に設定されているか否かを検出する手段と、前記第1の不揮発性メモリが正常にデータの書き換え動作を行える回数を確認するためのプログラムが予め書き込まれた第2の不揮発性メモリと、前記マイクロコンピュータの初期化時に前記第2の不揮発性メモリをイネーブル状態とし、前記マイクロコンピュータが前記所定状態に設定されていない時、前記手段の検出出力に応じて前記第1の不揮発性メモリをイネーブル状態とするとともに前記第2の不揮発性メモリをディセーブル状態とし、前記第1の不揮発性メモリのルーチンを実行するためのフラグ手段と、前記第1及び第2の不揮発性メモリから読み出されたプログラム命令を解読するデコード手段と、前記第2の不揮発性メモリから読み出されたプログラム命令の解読結果に基づき、前記第1の不揮発性メモリに対するデータの書き換え動作を実行する時、前記デコード手段の出力により、前記第1の不揮発性メモリをイネーブル状態とする手段と、を備え、前記第2の不揮発性メモリから読み出されたプログラム命令を実行することにより、前記第1の不揮発性メモリの内容を所定回数書き換える毎に、該第1の不揮発性メモリの内容を読み出して正常か否かを判断し、該第1の不揮発性メモリから読み出した内容が正常の時は、さらに該第1の不揮発性メモリの内容を所定回数書き換える毎に該第1の不揮発性メモリの内容を読み出して正常か否かを判断する動作を繰り返し、該第1の不揮発性メモリから読み出した内容が異常の時は、所定回数までの書き換えは正常であった旨のデータを出力ポートから出力させ、前記第1の不揮発性メモリが正常に書き換え動作を行える回数を確認可能とした点である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の詳細を図面に従って具体的に説明する。
図1は本発明の不揮発性メモリの書き換え回数測定装置を示す回路ブロック図であり、全て1チップマイクロコンピュータ内部に内蔵されている。
図1において、(1)はEEPROM(第1の不揮発性メモリ)であり、電気的にデータ消去が可能であり、データの書き込み及び読み出しが可能なものである。該EEPROM(1)の記憶領域は、特定アドレス(破線)を境にプログラム領域とデータ領域とに分割されている。
【0008】
(2)はマスクROM(第2の不揮発性メモリ)であり、該マスクROM(2)には、EEPROM(1)に対する正常なデータ書き換えの最大回数を評価する為のプログラムデータが記憶されている。ここで、本発明の実施の形態においては、EEPROM(1)及びマスクROM(2)は別アドレス空間に割り振られ、EEPROM(1)及びマスクROM(2)は各々「0000」H〜[FFFF」Hのアドレスを有するものとする。但し、上記Hはヘキサデシマルである。
【0009】
(3)はプログラムカウンタPCであり、EEPROM(1)及びマスクROM(2)のアドレスをアクセスするものであり、前記1チップマイクロコンピュータが初期化された時には、「0000」Hとなっている。
(4)はインストラクションレジスタIRであり、EEPROM(1)及びマスクROM(2)から読み出されたデータを内部バス(5)を介して保持するものである。(6)はインストラクションデコーダIDECであり、インストラクションレジスタ(4)の内容を解読し、前記1チップマイクロコンピュータを制御する為の各種制御信号を出力するものである。
【0010】
(7)は16ビット構成のアドレスレジスタであり、マスクROM(2)から読み出されたプログラム命令に基づき、EEPROM(1)のデータ書き換えを行う際の該EEPROM(1)のアドレスデータがセットされるものである。
(8)は8ビットの入力ポートであり、EEPROM(1)のデータ書き換えモードを実行する時に「00」Hが前記1チップマイクロコンピュータ外部で設定される。
【0011】
(9)は8ビット構成のスタティックRAMであり、各種データの書き込み及び読み出しが行われるものである。(10)はアキュムレータACCであり、データの一時格納を行うものである。(11)(12)は各々テンポラリレジスタTMP1、TMP2であり、アキュムレータ(10)と同様にデータの一時保持を行うものである。(13)は演算論理ユニットALUであり、テンポラリレジスタ(11)(12)に一時保持されたデータに対して、EEPROM(1)又はマスクROM(2)の読み出しプログラムに基づく論理演算を行い、この結果に基づき、プログラムカウンタ(3)の値を制御するものである。
【0012】
(14)は出力ポートであり、EEPROM(1)に対する正常なデータ書き換えの最大回数を表すデータを出力するものである。
(15)(16)はANDゲート且つ(17)はORゲートであり、マルチプレクサを構成する。尚、該マルチプレクサは、プログラムカウンタ(3)のビット数16に対応して16個パラレルに設けられている。ANDゲート(15)の一方の入力にはプログラムカウンタ(3)の値が印加され、ANDゲート(16)の一方の入力にはアドレスレジスタ(7)の値ADDが印加される。更に、ANDゲート(15)(16)の他方の入力には、各々、インストラクションデコーダ(6)から出力される切換制御信号が反転及びそのまま共通印加される。
【0013】
(18)はマスクROM(2)のチップイネーブル端子*CEと接続されたフラグであり、前記1チップマイクロコンピュータの初期化時にイニシャル信号INTによりリセットされて「0」となり、マスクROM(2)のチップイネーブル端子*CEを「0」としてマスクROM(2)を読み出し可能状態とするものである。一方、EEPROM(1)のチップイネーブル端子*CEにはNORゲート(19)が接続されており、その一方の入力はフラグ(18)と接続され、他方の入力にはインストラクションデコーダ(6)から出力される切換制御信号が印加される。前記1チップマイクロコンピュータの初期化時は、前記切換制御信号もフラグ(18)出力も共に「0」となっている為、EEPROM(1)のチップイネーブル端子*CEは「1」となり、EEPROM(1)はディセーブル状態となっている。尚、後述するが、マスクROM(2)のプログラム命令には、入力ポート(8)のデータをアキュムレータ(10)に保持し該アキュムレータ(10)の内容が「00」Hであるか否かの判断があるが、アキュムレータ(10)の内容が「00」Hでない時は、演算論理ユニット(13)の論理出力によりフラグ(18)はセットされる。すると、EEPROM(1)がイネーブル状態となり、マスクROM(2)がディセーブル状態となる。また、EEPROM(1)のデータの書き換え動作を実行する時は、マスクROM(2)のプログラム命令に基づき、前記切換制御信号が「1」となってマスクROM(2)と共にEEPROM(1)もイネーブル状態となる。
【0014】
以下、図2のフローチャートを用いて図1の動作を説明する。
まず、EEPROM(1)の書き換え回数の評価を行う為に、入力ポート(8)を「00」Hの状態としておく。即ち、8ビットの入力ポート(8)全てを外部端子を介して接地した状態としておく。そして、前記1チップマイクロコンピュータに電源を投入し、該1チップマイクロコンピュータを初期化する。この時、前記切換制御信号は「0」であり、プログラムカウンタ(3)の値は「0000」Hとなる。更に、イニシャル信号INTによりフラグ(18)がリセットされ、マスクROM(2)がイネーブル状態になると共にEEPROM(1)がディセーブル状態となり、これよりマスクROM(2)がプログラムカウンタ(3)により「0000」H番地からアクセスされ、以下の動作が実行される。
【0015】
初めに、マスクROM(2)のプログラムデータをインストラクションデコーダ(6)で解読した結果に基づき、入力ポート(8)の「00」Hが内部バス(5)を介してアキュムレータ(10)に一時保持される(ステップ1)。その後、アキュムレータ(10)の内容が「00」Hであるか否かの判断が行われる(ステップ2)。具体的には、アキュムレータ(10)の内容が内部バス(5)を介してテンポラリレジスタ(11)に一時保持され、且つ、マスクROM(2)から読み出されてインストラクションレジスタ(4)に保持された比較データが内部バス(5)を介してテンポラリレジスタ(12)にセットされる。そして、テンポラリレジスタ(11)(12)の保持データが演算論理ユニット(13)に印加されて所定の論理演算が実行される。この結果、演算論理ユニット(13)からアキュムレータ(10)の内容が「00」Hである旨の演算結果が得られると(ステップ2:YES)、これ以降、マスクROM(2)から読み出されるプログラム命令に基づき、以下に説明するEEPROM(1)のデータ書き換え動作が実行される。一方、アキュムレータ(10)の内容が「00」Hでない旨の演算結果が演算論理ユニット(13)から得られると(ステップ2:NO)、フラグ(18)が演算論理ユニット(13)の論理出力に基づきセットされる(ステップ3)。即ち、EEPROM(1)がイネーブル状態になると共にマスクROM(2)がディセーブル状態となり、プログラムカウンタ(3)の値も「0000」Hとなる。よって、EEPROM(1)のアドレスがプログラムカウンタ(3)により「0000」H番地から順次アクセスされて通常ルーチンが実行される。
【0016】
前記ステップ2:YES後、マスクROM(2)がプログラムカウンタ(3)により特定アドレスを順次アクセスされる訳であるが、初めに、マスクROM(2)の読み出しプログラムがインストラクションデコーダ(6)で解読されることにより、マスクROM(2)からデータ「0000」Hが読み出され、上位8ビット「00」H及び下位8ビット「00」Hが各々RAM(9)の所定の2アドレス(A領域)に書き込まれ、その後、アキュムレータ(10)に一時格納された後にアドレスレジスタ(7)に順次セットされる。こうして、アドレスレジスタ(7)の値は「0000」Hとなる(ステップ4)。そして、マスクROM(2)の次のプログラム命令の解読結果に基づき、前記切換制御信号が「1」となり、EEPROM(1)がイネーブル状態となって該EEPROM(1)のアクセスがアドレスレジスタ(7)側に切り換えられ、EEPROM(1)の「0000」H番地にマスクROM(2)から読み出された「FF」Hが書き込まれる。即ち、EEPROM(1)の「0000」H番地を構成する全メモリセルのフローティングゲートの蓄積電荷の抜き取りが行われる(ステップ5)。その後、EEPROM(1)の「0000」H番地にマスクROM(2)から読み出された「00」Hが書き込まれる。即ち、EEPROM(1)の「0000」H番地の全メモリセルのフローティングゲートに対して電荷の帯電が行われる(ステップ6)。これより、EEPROM(1)の「0000」H番地に対して「FF」H及び「00」Hの1回の書き換えが終了したことになる。
【0017】
次に、EEPROM(1)の「0000」H〜「FFFF」H番地に対する「FF」H及び「00」Hの書き換えが100回終了したか否かを判断する(ステップ7)。現段階では、EEPROM(1)の「0000」H番地への1回のデータ書き換えが終了しただけの為(ステップ7:NO)、マスクROM(2)の次の読み出しプログラムを解読した結果、アドレスレジスタ(7)のインクリメント命令が実行される。具体的には、マスクROM(2)から読み出された「01」Hが内部バス(5)を介してテンポラリレジスタ(11)にセットされ、且つ、アドレスレジスタ(7)の下位8ビット「00」Hがテンポラリレジスタ(12)にセットされ、演算論理ユニット(13)で両テンポラリレジスタ(11)(12)の論理和演算が実行され、この値が再び内部バス(5)を介してアドレスレジスタ(7)の下位8ビットにセットされる。これより、アドレスレジスタ(7)の値は「0001」Hとなり、+1インクリメントされたことになる(ステップ8)。尚、演算論理ユニット(13)の論理和演算の結果がキャリーを発生する場合、そのキャリーとアドレスレジスタ(7)の上位8ビットが再び演算論理ユニット(13)で論理和演算され、再びアドレスレジスタ(7)の上位8ビットにセットされる。
【0018】
次に、アドレスレジスタ(7)の値が再び「0000」Hに戻ったか否かが判断される(ステップ9)。現段階では、アドレスレジスタ(7)の値が「0001」Hになったばかりの為(ステップ9:NO)、上記動作と同様にして、EEPROM(1)の「0001」H番地に対して「FF」H及び「00」Hの1回の書き換えが実行される(ステップ5,6)。こうして、ステップ5,6,7:NO,8,9:NOを繰り返し、EEPROM(1)の「FFFF」H番地に対する「FF」H及び「00」Hの1回の書き換えまでが終了すると、アドレスレジスタ(7)の値は「0000」Hとなる(ステップ9:YES)。この状態は、EEPROM(1)の「0000」H〜「FFFF」Hの全アドレスに対して「FF」H及び「00」Hの1回の書き換えが完了したことを意味する。すると、RAM(9)の所定の1アドレス(B領域)に、EEPROM(1)の全アドレスのデータ書き換えが1回終了したことを表す「01」Hが書き込まれる(ステップ10)。以後、ステップ5,6,7:NO,8,9,10を繰り返し、RAM(9)のB領域のデータがインクリメント命令に伴い100に対応するバイナリデータとなった時、EEPROM(1)の全アドレスに対するデータ書き換えが100回終了したことになる(ステップ7:YES)。すると、RAM(9)の所定の1アドレス(C領域)に対して、EEPROM(1)の全アドレスのデータ書き換えが100回終了したことを表す「01」Hが書き込まれる(ステップ11)。
【0019】
その後、EEPROM(1)の全アドレスに100回目に書き換えられた本来「00」Hであろうデータが読み出され、各アドレスの読み出しデータが「00」Hになっているか否かの判断が行われる(ステップ12,13)。具体的には、マスクROM(2)のプログラム命令の解読結果に基づき、前記切換制御信号を「1」とすると共にアドレスレジスタ(7)に「0000」Hをセットし、まずEEPROM(1)の「0000」H番地のデータを読み出す。そして、このデータをテンポラリレジスタ(11)にセットすると共にマスクROM(2)からの比較データをテンポラリレジスタ(12)にセットし、演算論理ユニット(13)で所定の論理演算を行う。この結果、演算論理ユニット(13)からEEPROM(1)の「0000」H番地のデータが「00」Hでない旨の演算結果が得られた時(ステップ13:NO)、RAM(9)のC領域に書き込まれたデータを出力ポート(14)から出力する(ステップ14)。これより、EEPROM(1)は100回以下で正常にデータの書き換えが可能であることを使用者に知らせることが可能となる。一方、EEPROM(1)の「0000」H番地から読み出されたデータが、演算論理ユニット(13)の演算結果により、「00」Hであった場合は、上記動作と同様にしてインクリメント命令が実行され、アドレスレジスタ(7)の値が「0001」Hとなる。そして、EEPROM(1)の「0001」H番地から読み出されたデータが「00」Hであるか否か判断され、「00」Hである時は上記アドレスレジスタ(7)のインクリメント動作が行われる。EEPROM(1)の何れか1つのアドレスの読み出しデータが「00」Hでないと、ステップ14に進み、プログラムは終了してしまう。ところで、アドレスレジスタ(7)の値が再び「0000」Hになるということは、EEPROM(1)の「0000」H〜「FFFF」Hから読み出されたデータは全て「00」Hで正常であったことを意味する(ステップ13:YES)。
【0020】
次は、EEPROM(1)の「00」Hデータのチェックが完了した為、ステップ5と同様にしてEEPROM(1)の全アドレスに「FF」Hを書き込む(ステップ15)。その後、ステップ12,13と同様にして、EEPROM(1)の全アドレスからデータを読み出し、そのデータが「FF」Hであるか否かを判断する(ステップ16,17)。EEPROM(1)からの読み出しデータが「FF」Hでない場合は(ステップ17:NO)、ステップ14へ進み、EEPROM(1)が100回以下で正常なデータ書き換えをできる旨のRAM(9)のC領域のデータを出力ポート(14)から出力する。一方、EEPROM(1)の読み出しデータが全て「FF」Hであった場合(ステップ17:YES)、再びステップ4に戻り、上記動作を繰り返す。
【0021】
以上より、EEPROM(1)に前記1チップマイクロコンピュータの初期化時の状態判断を行う為のプログラムを事前に外部から書き込むことなく、前記1チップマイクロコンピュータの初期化時にマスクROM(2)の先頭番地をアクセスできる様にした。更に、マスクROM(2)のプログラムを実行することにより、EEPROM(1)の正常なデータ書き換え回数を100回単位で確認することができ、従来必要とされていたEEPROM(1)の書き換え回数評価の為の専用の測定器を不要とできる。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、第1の不揮発性メモリに1チップマイクロコンピュータの初期化時の状態判断を行う為のプログラムを事前に外部から書き込むことなく、前記1チップマイクロコンピュータの初期化時に第2の不揮発性メモリの所定番地をアクセスできる構成とした。これより、第1の不揮発性メモリへの書き換え回数測定の為のプログラムをわざわざ書き込む必要が無くなる。そして、第2の不揮発性メモリのプログラムを実行することにより、第1の不揮発性メモリの正常なデータ書き換え回数を所定回数単位で確認することができ、従来必要とされていた第1の不揮発性メモリの書き換え回数評価の為の専用の測定器を不要とできる利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の不揮発性メモリの書き換え回数測定装置を示す回路ブロック図である。
【図2】図1の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
(1) EEPROM
(2) マスクROM
(3) プログラムカウンタ
(7) アドレスレジスタ
(8) 入力ポート
(14) 出力ポート
(18) フラグ
(19) NORゲート
Claims (4)
- データの書き込み及び読み出しが可能であり且つデータの電気的消去が可能な第1の不揮発性メモリをプログラムメモリ又はデータメモリとして内蔵した不揮発性メモリ内蔵マイクロコンピュータにおいて、
前記マイクロコンピュータが初期化された際に、前記マイクロコンピュータが所定状態に設定されているか否かを検出する手段と、
前記第1の不揮発性メモリが正常にデータの書き換え動作を行える回数を確認するためのプログラムが予め書き込まれた第2の不揮発性メモリと、
前記マイクロコンピュータの初期化時に前記第2の不揮発性メモリをイネーブル状態とし、前記マイクロコンピュータが前記所定状態に設定されていない時、前記手段の検出出力に応じて前記第1の不揮発性メモリをイネーブル状態とするとともに前記第2の不揮発性メモリをディセーブル状態とし、前記第1の不揮発性メモリのルーチンを実行するためのフラグ手段と、
前記第1及び第2の不揮発性メモリから読み出されたプログラム命令を解読するデコード手段と、
前記第2の不揮発性メモリから読み出されたプログラム命令の解読結果に基づき、前記第1の不揮発性メモリに対するデータの書き換え動作を実行する時、前記デコード手段の出力により、前記第1の不揮発性メモリをイネーブル状態とする手段と、を備え、
前記第2の不揮発性メモリから読み出されたプログラム命令を実行することにより、前記第1の不揮発性メモリの内容を所定回数書き換える毎に、該第1の不揮発性メモリの内容を読み出して正常か否かを判断し、該第1の不揮発性メモリから読み出した内容が正常の時は、さらに該第1の不揮発性メモリの内容を所定回数書き換える毎に該第1の不揮発性メモリの内容を読み出して正常か否かを判断する動作を繰り返し、
該第1の不揮発性メモリから読み出した内容が異常の時は、所定回数までの書き換えは正常であった旨のデータを出力ポートから出力させ、前記第1の不揮発性メモリが正常に書き換え動作を行える回数を確認可能としたことを特徴とする不揮発性メモリ内蔵マイクロコンピュータ。 - 前記第2の不揮発性メモリから読み出されるプログラム命令に基づき、前記第1の不揮発性メモリのデータ書き換えを行う際のアドレスデータがセットされるアドレスレジスタを備えたことを特徴とする請求項1記載の不揮発性メモリ内蔵マイクロコンピュータ。
- 前記マイクロコンピュータの所定の状態とは、ポートの状態であることを特徴とする請求項1記載の不揮発性メモリ内蔵マイクロコンピュータ。
- 前記第1及び第2の不揮発性メモリは同一アドレス空間に割り振られていることを特徴とする請求項1記載の不揮発性メモリ内蔵マイクロコンピュータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30765395A JP3691137B2 (ja) | 1995-11-27 | 1995-11-27 | 不揮発性メモリ内蔵マイクロコンピュータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30765395A JP3691137B2 (ja) | 1995-11-27 | 1995-11-27 | 不揮発性メモリ内蔵マイクロコンピュータ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09146912A JPH09146912A (ja) | 1997-06-06 |
JP3691137B2 true JP3691137B2 (ja) | 2005-08-31 |
Family
ID=17971639
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30765395A Expired - Fee Related JP3691137B2 (ja) | 1995-11-27 | 1995-11-27 | 不揮発性メモリ内蔵マイクロコンピュータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3691137B2 (ja) |
-
1995
- 1995-11-27 JP JP30765395A patent/JP3691137B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09146912A (ja) | 1997-06-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100375217B1 (ko) | 전기적으로 재기입 가능한 불휘발성 메모리를 구비하는마이크로컨트롤러 | |
EP0991081B1 (en) | Emulated EEPROM memory device and corresponding method | |
KR0172366B1 (ko) | 불휘발성 반도체 메모리 장치의 독출 및 프로그램 방법과 그 회로 | |
US7692984B2 (en) | System and method for initiating a bad block disable process in a non-volatile memory | |
US20030151955A1 (en) | Semiconductor memory device including page latch circuit | |
JPH1050078A (ja) | 電気的に消去およびプログラムが可能なリード・オンリ・メモリの消去およびプログラミング保護方法および装置 | |
US20080282119A1 (en) | Memory device and built in self-test method of the same | |
JP3542637B2 (ja) | 電流測定方法及びマイクロコントローラシステム | |
US7046536B2 (en) | Programable identification circuitry | |
US5093909A (en) | Single-chip microcomputer including an eprom capable of accommodating different memory capacities by address boundary discrimination | |
JP3691137B2 (ja) | 不揮発性メモリ内蔵マイクロコンピュータ | |
JP3702016B2 (ja) | 不揮発性メモリ内蔵マイクロコンピュータ | |
JP3193810B2 (ja) | 不揮発性半導体記憶装置及びその試験方法 | |
JP4873526B2 (ja) | 半導体集積回路及びマイクロコンピュータ | |
JPH10125100A (ja) | 不揮発性半導体メモリ | |
US6842371B2 (en) | Permanent master block lock in a memory device | |
JPH09146910A (ja) | 不揮発性メモリの書き換え回数測定装置 | |
EP0582991B1 (en) | Data processing apparatus having a flash memory built-in which is rewritable by use of external device | |
KR100499851B1 (ko) | 마이크로컴퓨터의 기입 종료 판별 방법 | |
US6662279B2 (en) | DQ mask to force internal data to mask external data in a flash memory | |
JPS646489B2 (ja) | ||
EP0714060B1 (en) | One chip microcomputer with built-in non-volatile memory | |
JP4324149B2 (ja) | エミュレータ及びそれを用いた開発支援システム | |
JP4121594B2 (ja) | 不揮発メモリ内蔵マイクロコンピュータ | |
JP4848126B2 (ja) | マイクロコンピュータ、マイクロコンピュータにおける不揮発性メモリのデータ保護方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050615 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080624 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090624 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |