JP3701319B2 - Ni含有酸性廃液から有価金属を回収する方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、研削屑や未燃焼式の排ガス処理設備から得られた製鉄ダスト等の鉄材を使用してNi含有酸性廃液から有価金属を回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
製鋼工場,めっき工場等から排出される廃液は、苛性ソーダや消石灰等で中和し、廃液中に含まれている金属イオンを沈澱させ、濾過後にスラッジとして回収し、埋立て用等に利用している。また、廃液から沈澱分離されたNi等の有価金属は、製鋼原料として再使用されている。
廃液からNiのみを回収する場合には、薄膜透過法,溶媒抽出法,硫化析出沈澱法,電解析出法等がある。しかし、多様な廃液から有価金属を回収する実用的な方法としては、何れも不十分である。たとえば、薄膜透過法は、希薄な水溶液にのみ有効であり、汎用性に乏しい。溶媒抽出法は、抽出剤の費用負担が大きく、回収率も低い。硫化析出沈澱法では、危険なH2 Sを使用することが必要とされ、しかも回収された二硫化三ニッケルが鋼に有害な硫黄を多量に含有している。また、電解析出法では、コストや設備面での問題がある。
【0003】
したがって、工場で多量に発生している廃液に対しては、中和処理が通常施されている。この場合にも、廃液中に硫酸やリン酸等が含まれていると、鉄鋼に有害なSやPが硫酸カルシウム,リン酸カルシウム等の沈澱物となる。この沈澱物が混入したスラッジは、製鋼原料として使用することはできない。
スラッジを製鋼原料として使用可能にするため、本発明者等は、S含有量が少ないスラッジを得る方法を特願平4−296557号で提案した。しかし、この方法によっても、大量のゲル状沈澱物が生成することは依然として避けられない。スラッジの処理には、一般的には高分子凝集剤の使用,沈澱物の高密度化等によって沈降分離性を向上させている。しかし、薬剤等の消費によってランニングコストが高くなる欠点がある。
【0004】
特開昭51−98725号公報は、石灰乳,生石灰等の添加方法を改良し透過性の良好なNi系沈澱物を得ることを紹介している。しかし、液中に多量の鉄が含まれていると、生成する沈澱物が透過性の非常に悪い赤泥状になる。また、設備的にも大掛かりになり、実用的な廃液処理方法ではない。また、特開昭51−104437号公報では、廃液を先ず炭酸カルシウムで中和し、鉄分を分離した後で再び中和してNiの水酸化物を沈澱回収している。この方法は、複雑な工程を必要とし、中和剤や凝集剤等の薬剤費が大きくなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
液中のNiイオンを除去する方法として、たとえばエッチング液である塩化第二鉄溶液に鉄粉を投入することが特開平2−247335号公報,特開平3−253584号公報,特公平3−2233号公報等で紹介されている。これらの方法は、塩化鉄水溶液を対象としたNi除去方法であり、使用する鉄粉も比表面積1m2 /g以上の特定されたものである。
そのため、硫酸,塩酸,硝酸,フッ酸等の多様な酸根を含有する液からNi等の有価金属を回収することには適用できない。また、ステンレス製鋼の一貫工場のように大量に発生する廃液を処理するために比表面積が1m2 /g以上の特定された鉄粉を使用することは、コスト的にも問題があり、より一般的で入手容易な鉄分の使用が望まれる。
【0006】
一方、製鋼工場で発生する転炉ダスト,表面研磨工程で発生するスケール等の比較的鉄含有量の多い鉄材は、処理コストの問題から産業廃棄物として埋立て用に使用され、或いは鉄鋼原料として単に再利用されているに過ぎない。しかし、環境問題が重要視されている昨今、環境保護のために産業廃棄物としての処分は極力回避し、処理コストを犠牲にしてでも全量を再資源化する傾向が強まっている。すなわち、環境保護のためにも、鉄材等の半廃棄物の経済的な再資源化が要求されている。
本発明は、このような要求に応えるべく案出されたものであり、Ni含有酸性廃液の処理と製鋼工場から排出される各種鉄材とを組み合わせることにより、製鉄ダスト,スケール等の廃棄物を有効利用し、且つNi含有酸性廃液から有価金属を効率よく回収することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の有価金属回収方法は、鉄製の塊状メディアと共に金属Fe含有率:10〜100%の粉状,粒状及び/又は薄片状の鉄材をNi含有酸性廃液に添加し、式(1)で定義される振動強さK値が2.0〜20の範囲に維持される条件下で前記Ni含有酸性廃液に振動を加え、前記Ni含有酸性廃液から前記鉄材の表面に有価金属を析出させ、析出反応後に固液分離することを特徴とする。
K=1/2・aω2/g(≒an2/90000) ・・・・(1)
(ただし、a:振幅 ω:加速度 n:振動数 g:重力加速度)
Ni含有酸性廃液としては、ステンレス鋼製造工場から排出される酸性廃液や混酸廃液、めっき工場から排出されるリン酸類含有廃液等がある。
【0008】
Ni含有酸性廃液に添加される鉄材としては、金属Fe含有量が10〜100%である限り、形状,粒度,純度等に拘らずどのようなものでも使用可能である。たとえば、鉄粉,研削屑,溶解原料として回収している鉄スクラップ,未燃焼式の排ガス処理設備から得られた製鉄ダスト,製鋼スラグから回収される粒鉄,廃酸処理で得られる酸化鉄等を還元して製造した還元鉄,水アトマイズ法やガスアトマイズ法によって製造した鉄粉等がある。また、Znめっき鋼板等の鉄スクラップは、Feよりも電気化学的に卑な金属であるZn等を含んでいるため、より好ましい鉄材として使用される。
鉄材は、酸化度の低いものほど、すなわち酸素含有量の低いものほど反応性が良好である。金属Fe含有量10%以上の鉄材は、一般に表面が酸化している。しかし、処理方法の如何,廃液中の酸による酸化皮膜の破壊等によって活性な金属表面が露出するとき、廃液から金属イオンを回収するに十分な還元剤として作用する。たとえば、鉄製のロッド,ボール,塊状スクラップ等のメディアと共にNi含有酸性廃液に鉄材を添加するとき、鉄材表面の酸化皮膜がメディアにより機械的に破壊される。また、新鮮な表面が得られるように、鉄材の研磨や研削等を取り込んだ循環システムを構築し、鉄材を研磨又は研削しながらNi含有酸性廃液との反応を行わせることも可能である。
【0009】
Ni含有酸性廃液と鉄材との反応は、既存の廃液処理槽にNi含有酸性廃液及び鉄材を入れて撹拌することによっても行うことができる。しかし、反応速度を上げるため、シェーカ,アトライター等の振盪機,湿式ミル等によって鉄材を破砕,粉砕しながら反応させることが好ましい。このとき、鉄材と共に投入された鉄製のロッド,ボール,塊状スクラップ等のメディアは、鉄材の破砕,粉砕を促進させ、新鮮な金属表面を露呈させる。
シェーカ,振盪機,湿式ミル等にNi含有酸性廃液と共に投入された鉄材に、式(1)で定義される振動強さKの値が2.0〜20の範囲に維持されるように振動付与するとき、Ni含有酸性廃液と鉄材との反応が促進され、有価金属が効率よく且つ迅速に析出する。
K=1/2・aω2 /g(an2 /90000) ・・・・(1)
(ただし、a:振幅 ω:加速度 n:振動数 g:重力加速度)
【0010】
式(1)は、Ni含有酸性廃液と鉄材との反応速度に重要な影響を与える関係式である。振動強さK2.0未満では、Ni含有酸性廃液との反応に十分な活性表面を作り出すことが難しい。しかし、20を超える振動強さKでは、Ni含有酸性廃液と鉄材との反応は促進されるものの、装置の摩耗が急激に進行することは勿論、鉄材が過度に微細に粉砕される。その結果、濾過等の後工程でスラッジの分離が困難になる。
鉄材とNi含有酸性廃液との反応は、イオン化傾向の差を利用してNi含有酸性廃液から金属Mを鉄材表面に析出させる反応である。この反応によって析出する金属には、Feよりもイオン化傾向の小さなNi,Cu,Sn,Pt等がある。析出反応は、液温が高いほど活発に進行する。この点で、Ni含有酸性廃液を50℃以上に加熱保持した状態で鉄材と反応させることが好ましい。しかし、常温のNi含有酸性廃液をそのまま使用した場合でも、鉄材を破砕,粉砕しながら反応させるとき、摩擦熱等の発生によって液温が自然に上昇し、反応が促進されることもある。
【0011】
反応が進行するに伴って、Ni含有酸性廃液のpHが上昇する。そこで、pHが一定値に落ち着いたところで反応が終了したものと見做し、反応後の廃液から生成したスラッジを分離する。廃液に含まれていたNi,Cu等の有価金属イオンは、Feとの置換反応によって鉄材の表面に析出する。Cr等の重金属イオンは、pHの上昇に伴って沈澱を生成し、スラッジ成分となる。廃液から分離されたスラッジは、脱水・乾燥後にS及びP分の少ない有用な鉄鋼原料となる。
鉄材から廃液に溶出した鉄は、大部分が二価のFeイオンとして廃液中に存在する。Fe2-は、曝気等の酸化処理によってFe3-に酸化された後、水酸化Feとして沈澱除去することができる。また、若干の中和剤を使用して、沈澱を促進させることも可能である。場合によっては、処理後の廃液に含まれているイオン類を完全に除去するため、一般に使用されている中和剤を添加して廃液のpHを8〜9に上昇させる手段も採用される。
【0012】
【作用】
製鋼工場で発生しているダスト,スケール等は、これまで単に原料としてのみ利用されているに過ぎない。本発明においては、このような鉄分を経済的に処理可能なNi含有酸性廃液の置換析出材として使用することにより、Ni,Cu,Cr等の有価金属を後工程での処理が容易な状態でNi含有酸性廃液から回収している。
Ni含有酸性廃液に含まれている酸類は、鉄材の溶解及び不純物として含まれている塩基性成分の溶解によって消費され、たとえばpH2以下のNi含有酸性廃液のpHが4〜6の酸性付近まで変化する。pHの上昇に伴って、Ni含有酸性廃液から重金属類が沈澱する。また、反応系に付与されている振動により鉄材が相互にぶつかり合い、活性度の高い新たな金属表面が露出する。そのため、Ni含有酸性廃液から有価金属を析出させる置換反応は、良好な状態に維持される。
得られた金属含有スラッジは、中和処理のみによって沈澱させたものでない。そのため、廃液に含まれている製鋼に有害なSやPが中和剤と反応して沈澱を生成し、スラッジに混入することがない。また、スラッジは、全量が加水分解反応によって生成したものでないことから含水率が低く、後続する脱水・乾燥工程等において少ないエネルギー消費量での処理が可能となる。このようにして、多量の中和剤等を必要とせず、製鋼原料として有用な金属含有スラッジを安価に得ることができる。
【0013】
【実施例】
実施例1:
ステンレス鋼の焼鈍酸洗工場から排出されたNi含有酸性廃液は、全SO4 2- :10.4g/l,全NO3 -:46.3g/l,全Cl- :12.5g/l,Ni:3.6g/l及びCr:5.3g/lを含み。pHが1.8の酸性溶液であった。Ni含有酸性廃液を振動容器に入れ、金属Fe含有量99.8%のガスアトマイズ鉄粉を添加しながら振動強さK=6で撹拌した。
反応に伴って、Ni含有酸性廃液のpHが上昇した。pHの上昇が穏やかになり、pH4に達した時点で鉄粉の添加を停止した。その後、撹拌を継続させ、最終的にはpHが4.5で上昇が止まったので反応終了と見做し、生成したスラッジを濾別した。
得られたスラッジを、脱水・乾燥後に製鋼原料とした。このスラッジは、S含有率が0.1%以下であり、Ni,Cr等の有価金属を含有する有用な製鋼原料であった。他方、スラッジを除去した廃液は、曝気槽で酸化処理を施した後、消石灰で中和する従来の排水処理に供した。
【0014】
実施例2:
実施例1と同様なNi含有酸性廃液を湿式ミルに入れ、OG式転炉排ガス処理設備で得られた金属Fe含有量15%のダストを添加し、振動強さK=10で撹拌することによりダストを粉砕しながら反応を行わせた。反応は緩慢でpHの上昇も反応初期から穏やかであったが、最終的にはpHは4.0まで上昇した。
反応終了後、廃液からスラッジを濾別した。回収されたスラッジは、S含有率が0.2%以下であり、Ni,Cr等の有価金属を含有する有用な製鋼原料であった。他方、スラッジを除去した廃液は、実施例1と同様に処理した。
【0015】
実施例3:
実施例1と同様なNi含有酸性廃液を振動容器に入れ、Znめっき鋼板から得られた金属Fe含有量94.3%の鉄スクラップを添加しながら振動強さK=3で撹拌することにより鉄スクラップを粉砕しながら反応を行わせた。反応は激しく進行し、最終的にはpHは5.0まで上昇した。
反応終了後、廃液から鉄スクラップ及び生成したスラッジを回収し、それぞれ洗浄及び乾燥を経て製鋼原料とした。この鉄スクラップ及びスラッジは、S含有率が0.1%以下であり、Ni,Cr等の有価金属を含有する有用な製鋼原料であった。他方、濾液は、実施例1と同様に処理し、Zn原料として使用可能なZn含有スラッジを得た。
【0016】
実施例4:
主としてNiめっき工場から排出されたNi含有酸性廃液は、pHが5.4で、全PO3 3- :3.9g/l,全SO4 2- :15.5g/l及びNi:5.6g/lを含んでいた。Ni含有酸性廃液を湿式ミルに入れ、金属鉄含有量95%の研削屑を添加しながら振動強さK=15で研削屑を粉砕しながら反応を行わせた。反応は緩慢であったが、最終的にはpHが5.6まで上昇した。
反応終了後、廃液からスラッジを濾別した。回収されたスラッジは、P含有率が0.2%以下であり、Ni,Cr等の有価金属を含有する有用な製鋼原料であった。他方、濾液は、実施例1と同様に処理した。
【0017】
比較例1:
実施例1と同様なNi含有酸性廃液を湿式ミルに入れ、金属Fe含有量5%の鉄材を添加し、振動強さK=10で撹拌することによりダストを粉砕しながら反応を行わせた。反応は緩慢でpHの上昇も反応初期から穏やかであったが、最終的にはpHは3.0まで上昇した。
反応終了後、廃液からスラッジを濾別し乾燥処理した。回収されたスラッジは、S含有率が0.1%以下であったが、Niの析出量が実施例1に比較して大幅に少なかった。そこで、処理後の廃液に金属Fe含有量5%の鉄材を再び添加し、同様の処理を繰り返した。しかし、処理前の廃液に含まれていたNi分の約6割が依然として濾液側に残存し、スラッジ成分として回収された割合が非常に低いものであった。
【0018】
比較例2:
実施例4と同様なNi含有酸性廃液を、従来の廃液処理に従って石灰乳により中和した。得られた沈澱物は、ゲル状の物質を多量に含んでおり、脱水処理が困難なものであった。また、この沈澱物は、多量の水分を含んでいることから、実施例4に比較して乾燥に多量の燃料を必要とした。しかも、得られたスラッジは、P濃度が2.5%と高く、製鋼原料として使用することはできなかった。
【0019】
比較例3:
実施例1と同様なNi含有酸性廃液をアトライターに入れ、金属Fe含有量16%の鉄材を添加し、振動強さK=1.8で撹拌することにより鉄材を粉砕しながら反応を行わせた。反応は緩慢でpHの上昇も反応初期から穏やかであったが、最終的にはpHは2.5まで上昇した。
反応終了後、廃液からスラッジを濾別し乾燥処理した。回収されたスラッジのNi含有量は実施例1に比較して相当に低く、濾液中のNi濃度は依然として2.0g/lの高レベルにあった。すなわち、Niの回収率は、60%に過ぎなかった。これは、鉄材に付与する振動の振動強さKが弱く、Niの置換析出に必要な活性表面が形成されなかったことに由来するものと考えられる。
【0020】
比較例4:
実施例1と同様なNi含有酸性廃液を振動ミルに入れ、金属Fe含有量16%の転炉ダストを添加し、振動強さK=25で撹拌することにより転炉ダストを粉砕しながら反応を行わせた。反応は急速に進行し、ほぼ100%近い回収率で廃液からNiが回収された。しかし、振動ミル内部の摩耗が激しく、振動ミルの内壁から削り落とされた多量の削り粉が回収されたスラッジに混入していた。
【0021】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明においては、金属の置換析出反応を利用してNi含有酸性廃液から有価金属を回収すると共に、従来単なる原料として利用されていた製鋼ダスト,スクラップ等の鉄材を置換析出反応に有効利用している。Ni含有酸性廃液から回収された有価金属を含むスラッジは、含水量が低いため後続工程における脱水・乾燥等が容易になるばかりでなく、鉄鋼に有害なS,P等の混入がないため有用な製鋼原料として使用される。また、置換析出材として使用される鉄材は、特殊なものは必要とされず、鉄粉,研削屑,溶解原料として回収している鉄スクラップ,未燃焼式の排ガス処理設備から得られた製鉄ダスト,製鋼スラグから回収される粒鉄,廃酸処理で得られる酸化鉄等を還元して製造した還元鉄,水アトマイズ法やガスアトマイズ法によって製造した鉄粉等が使用される。そして、反応系に加える振動の振動強さを規制することにより、常に鉄材の活性表面が確保され、置換析出反応を効率よく行わせることができる。
Claims (2)
- 鉄製の塊状メディアと共に金属Fe含有率:10〜100%の粉状,粒状及び/又は薄片状の鉄材をNi含有酸性廃液に添加し、式(1)で定義される振動強さK値が2.0〜20の範囲に維持される条件下で前記Ni含有酸性廃液に振動を加え、前記Ni含有酸性廃液から前記鉄材の表面に有価金属を析出させ、析出反応後に固液分離することを特徴とするNi含有酸性廃液から有価金属を回収する方法。
K=1/2・aω2/g(≒an2/90000) ・・・・(1)
(ただし、a:振幅 ω:加速度 n:振動数 g:重力加速度) - 請求項1記載のNi含有酸性廃液は、ステンレス鋼製造工場から排出される酸性廃液又は混酸廃液、又はめっき工場から排出されるリン酸類含有廃液である有価金属の回収方法。
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JPH06279875A JPH06279875A (ja) | 1994-10-04 |
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