JP3701215B2 - コンバインの刈取部下降ロック装置 - Google Patents

コンバインの刈取部下降ロック装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脱穀部を搭載した走行本機の前部に、植立穀稈を刈り取って前記脱穀部に搬送供給する刈取部を揺動昇降自在に連結し、この刈取部を駆動昇降するリフトシリンダを設けてあるコンバインの刈取部下降ロック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のコンバインでは、刈取部を設定対地浮上位置に昇降位置させて刈取部などに対するメンテナンスを行うが、そのような場合、刈取部が設定対地浮上位置から不測に下降しないようにする上で、刈取部を設定対地浮上位置にロックする必要がある。
【0003】
そのような刈取部の下降ロックを行うに、従来では、リフトシリンダのシリンダチューブと刈取部との間にロック部材を介在位置させることにより、刈取部の設定対地浮上位置からの下降を阻止し、ロック部材を離脱させることにより、刈取部の設定対地浮上位置からの下降を許容するようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の技術によるときは、ロック部材が大きなものとなってロック部材の取り扱い面で下降ロック及びロック解除の操作性が悪かった。
【0005】
本発明の目的は、下降ロック及びロック解除の操作性を向上する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本発明によるコンバインの刈取部下降ロック装置の特徴・作用・効果は次の通りである。
【0007】
〔特徴〕
脱穀部を搭載した走行本機の前部に、植立穀稈を刈り取って前記脱穀部に搬送供給する刈取部を横向き揺動軸芯周りでの上下揺動により昇降するよう揺動昇降自在に連結し、この刈取部を駆動昇降するリフトシリンダを設けてあるコンバインにおいて、前記刈取部の前記横向き揺動軸芯近くで走行本機側の固定部と刈取部との間に介在位置して刈取部の設定対地浮上位置からの下降を阻止する下降ロック位置と固定部と刈取部との間から離脱して刈取部の下降を許容するロック解除位置とに揺動切り換え操作自在なロック部材を設け、前記下降ロック位置に位置させたロック部材を下降ロック位置に保持し、前記ロック解除位置に位置させたロック部材をロック解除位置に保持する位置保持手段を設けてある点にある。
【0008】
〔作用〕
固定部と刈取部との間にロック部材を介在位置させることにより刈取部の設定対地浮上位置からの下降を阻止し、ロック部材を離脱させることにより刈取部の設定対地浮上位置からの下降を許容するようにしてあって、ロック部材を刈取部の揺動軸芯近くに設置してあるから、ロック部材が取り扱い容易な小型のもので済む。
【0009】
しかも、位置保持手段を設けて下降ロック位置に位置させたロック部材を下降ロック位置に保持し、ロック解除位置に位置させたロック部材をロック解除位置に保持するようにしてあるから、ロック部材を下降ロック位置とロック解除位置とに操作できながらも、ロック部材を下降ロック位置に位置させた状態のときに刈取部を設定対地浮上位置まで下降させて刈取部がロック部材に当接したしたときにロック部材がロック解除位置に移動することがないから、刈取部を下降させたときに設定対地浮上位置より下降することがなく、又、ロック部材をロック解除位置に移動させた状態では刈取部を設定対地浮上位置よりも上昇させての枕地旋回時における機体振動などでロック部材が不用意にロック解除位置から下降ロック位置に揺動位置変更することを抑制して、旋回後の刈取作業のための刈取部の設定対地浮上位置よりも下方への下降を阻害することを抑制することができる。
【0010】
〔効果〕
従って、下降ロックとロック解除との操作性に優れ、しかも、それでいて、ロック部材を下降ロック位置に位置させた状態では刈取部が設定対地浮上位置より下がることがないとともに、ロック部材をロック解除位置に位置させた状態でロック部材が枕地での旋回時に不用意に下降ロック位置に揺動変更することを抑制して所期の刈取作業への移行阻害を抑制することができるようになった。
【0011】
請求項2に係る本発明によるコンバインの刈取部下降ロック装置の特徴・作用・効果は次の通りである。
【0012】
〔特徴〕
上記請求項1に係る本発明によるコンバインの刈取部下降ロック装置において、前記走行本機が、前方に突出する搭乗運転部を備えており、前記刈取部が、その搭乗運転部の左右一側に配置されているとともに、左右のうち前記搭乗運転部とは反対側に位置する縦向き軸芯周りでの揺動により前記走行本機の前方部に位置する刈取作業姿勢と走行本機の前方を開放する開放姿勢とに切り換え自在に構成されている点にある。
【0013】
〔作用〕
刈取部を刈取作業姿勢と開放姿勢とに揺動切り換え自在に構成してあって、刈取部を開放姿勢に揺動切り換えすることにより、搭乗運転部の横・走行本機の前部・刈取部の後部を開放することができるから、搭乗運転部の横・走行本機の前部・刈取部の後部に対するメンテナンスを行いやすい。
【0014】
〔効果〕
従って、より一層、刈取部周りのメンテナンス性を向上できるようになった。
【0015】
【発明の実施の形態】
コンバインは、図1、図2に示すように、脱穀部1と前方に突出する搭乗運転部2とを搭載し、かつ、クローラ走行装置3を備えた走行本機4の前部に、刈取部5を前記搭乗運転部2の左右一側に位置する状態で昇降自在に連結し、この刈取部5を昇降操作するための昇降駆動機構を設けて構成されている。
【0016】
前記搭乗運転部2の運転座席2aの下方にはエンジンが配置搭載されている。
【0017】
前記刈取部5は、植立穀稈を引起し装置6で引き起こしたのち株元を切断装置7で切断して搬送装置8で前記脱穀部1のフィードチェーン1aに搬送供給するものであって、構成構造部材9の一部は伝動ケースを兼用している。
【0018】
また、前記刈取部5は、横向き軸芯X周りでの上下揺動により昇降するものであって、この刈取部5を走行本機4に昇降自在に取り付ける手段は、図4に示すように、走行本機4の本機フレーム4Fに立設した左右の構造物10L,10Rの上端にわたる状態で構成構造部材9のうち伝動ケースを兼用する横向き筒状フレーム9Aを横向き軸芯X周りに回転自在に取り付ける手段である。つまり、横向き筒状フレーム9Aが、構造物10L,10Rに上下揺動自在に支持される軸となっている。
【0019】
前記昇降駆動機構は、図1に示すように、前記本機フレーム4Fと、前記構成構造部材9のうち前方への伝動ケースを兼用する前後向き筒状フレーム9Bとの間に介在させたリフトシリンダであるところの油圧シリンダ11への圧油供給に伴い刈取部5をその重量に抗して上昇させ、油圧シリンダ11からの排油に伴い刈取部5をその重量で下降させる機構である。
【0020】
そして、前記刈取部5は、図2、図3に示すように、前記油圧シリンダ11の構成構造部材9(前後向き筒状フレーム9B)へのピン12を介する連結を解除した状態で、かつ、ミッションケースからの動力を伝動ベルトを介して受け取る入力プーリIPから伝動ベルトを外した状態で、左右のうち前記搭乗運転部2とは反対側に位置する縦向き軸芯P周りでの揺動により前記走行本機4の前方部に位置する刈取作業姿勢と走行本機4の前方を開放する開放姿勢とに切り換え自在に構成されている。
【0021】
前記ピン12は、図5、図6に示すように、油圧シリンダ11のピン12による取付部11Aと前記前後向き筒状フレーム9Bに固着のブラケット13とにわたって一連に挿通することで両者を連結するものであって、ピン12に固着のストッパー12aを前記ブラケット13とそれにネジ止めした板バネ製のキャッチャー14とで弾性挟持されることで抜け止めされており、その軸芯周りに揺動操作されることにより、前記キャッチャー14を弾性変形させる状態でストッパー12aをキャッチャー14とブラケット13との間から離脱させて抜け止めを解除されるようになっている。前記ピン12には、挿抜・揺動用のハンドル12Aが固着されている。
【0022】
前記刈取部5を縦向き軸芯P周りに揺動自在に走行本機4に支持させる手段は、図4、図7〜図12に示すように、前記構造物10L,10Rのうち前記搭乗運転部2から遠い側の構造物10Lを、本機フレーム4F上に構築した櫓状構造物15と、この櫓状構造物15及び本機フレーム4Fに縦向き軸芯P周りに自転自在に支持させた縦向き軸芯構成用の削り出し丸パイプ品の支軸16とから構成し、この支軸16の上端に、前記横向き筒状フレーム9Aの左右一端部から形成される取付対象部位9bを着脱自在に装着するための鋳造製のブラケット17を圧入嵌着させる手段である。
【0023】
前記支軸16を縦向き軸芯周りに自転自在に支持させる手段は、本機フレーム4Fに支軸16の下端面を載置支持させて荷重を支持させ、支軸16の小径下端部を本機フレーム4Fに自転自在に挿入させ、前記ブラケット17下端近くを櫓状構造物15の天板15Aに自転自在に挿通させて支軸16を倒れ止めする手段であって、前記ブラケット17には、天板15Aの下面にスライド自在に接当して支軸16の浮き上がりを防止する止め輪16aが装着されている。
【0024】
また、前記ブラケット17は、前記刈取部5の相対的な後方への移動に伴い前記取付対象部位9bを受け止め支持する刈取部ホルダ18と、この刈取部ホルダ18に受け止め支持された取付対象部位9bをボルト19の締め付けに伴い刈取部ホルダ18に押し付け固定する締付具20とを備えている。
前記ブラケット17のうち刈取部ホルダ18の前部に連なる上面部分は、後方移動する取付対象部位9bを刈取部ホルダ18にスライド案内するガイド面Gとなっている。
【0025】
前記締付具20は、ボルト19を緩めて外すことで刈取部ホルダ18から離脱させることができるものである。また、締付具20は、図17に詳しく示すように、刈取部ホルダ18への取付状態でその軸芯(横向き軸芯X)に沿った方向の両端面を取付対象部位9bに形成の左右の段部40に接当させることにより取付対象部位9bのブラケット17に対する横向き軸芯Xに沿った方向の位置を規制するものである。もちろん、ブラケット17は、締付具20で取付対象部位9bを刈取部ホルダ18に押し付け固定した状態で取付対象部位9b、つまり、横向き筒状フレーム9Aの横向き軸芯X周りでの揺動を許容するものである。
【0026】
前記刈取部5を刈取作業姿勢に固定する手段は、図4、図7〜図10、図15の(イ)(ロ)に示すように、前記構造物10L,10Rのうち搭乗運転部2に近い側の構造物10Rに刈取部5を連結することで刈取作業姿勢に固定する第1固定手段と、前記ブラケット17を回り止めすることで刈取作業姿勢に固定する第2固定手段とを備えている。
【0027】
前記第1固定手段は、図16の(イ)(ロ)にも示すように、搭乗運転部2に近い側の構造物10Rの上部に、前記横向き筒状フレーム9Aのうち前記縦向き軸芯Pから設定距離を隔てた固定対象部位9aを刈取部5の開放姿勢への揺動及び前方への相対的移動を許容する状態で載置支持するホルダ21を一体物として形成し、このホルダ21に対する固定対象部位9aの載置・離脱を許容する開放姿勢と、前記ホルダ21の設定箇所に固定対象部位9aを位置させて押し付け固定する閉塞姿勢とに揺動開閉自在に締付具22をホルダ21に装着し、この締付具22が閉塞姿勢にある状態において、締付具22に形成の固定用孔23とホルダ21に形成の固定用孔24とにわたって一連に挿通することで締付具22を閉塞姿勢に固定する固定用ピン25を設けて構成されている。なお、搭乗運転部2側の構造物10Rは支柱状のものであって、これの上部と前記櫓状構造物15の上部とは補強フレームFで連結されている。もちろん、締付具22で固定対象部位9aをホルダ21に押し付け固定した状態では、固定対象部位9a、つまり、横向き筒状フレーム9Aの横向き軸芯X周りでの揺動を許容するものである。
【0028】
前記締付具22は、図16の(イ)に示すように、閉塞姿勢においてホルダ21に固定用ピン挿抜方向で接当してホルダ21に対して固定用ピン挿抜方向で位置規制される一対の規制部22aを備え、開閉用の操作部22bを一体に備えている。
【0029】
前記固定用ピン25は、図16の(イ)(ロ)に示すように、差し込みに伴い締付具22を揺動させて両固定用孔23,24を心合わせする先細りテーパー部25aと、差込状態で両固定用孔23,24に密着嵌合する位置規制部25bと、一方の規制部22aの固定用孔23に形成の雌ネジ部26に螺合して抜け止めされる雄ネジ部25cとを形成している。また、この固定用ピン25には、挿抜・螺合用のハンドル27が装着されている。つまり、雄ネジ部25cを雌ネジ部26に螺合させることにより、固定用ピン25の全体を差し込み移動させるようになっており、先細りテーパー部25aの挿入により心合わせする形式を採用しながらも、固定用ピン25を回転操作する操作力が小さなものですむようになっている。
【0030】
前記第2固定手段は、前記ブラケット17における刈取部ホルダ18と固定部の一例である天板15Aとの間にロック機構を設けて構成されている。
前記ロック機構は、図7〜図10に示すように、刈取部ホルダ18に一体的に形成した上下一対のピンブラケット50にロックピン31を上下に移動自在に保持させ、前記天板15Aのうち刈取部5が刈取作業姿勢にあるときに前記ロックピン31に対応する箇所に、ロックピン31を自重で落とし込ませて挿入係合させるロック孔32を形成して、ロックピン31のロック孔32への挿入係合で刈取部ホルダ18、つまり、ブラケット17を回り止めして刈取部5を刈取作業姿勢に固定するように構成されている。
【0031】
かつ、前記天板15Aのうち刈取部5が開放姿勢にあるときに前記ロックピン31に対応する箇所には、図8に示すように、ロックピン31を自重で落とし込ませて挿入係合させることにより、ブラケット17を回り止めして図11に示すように刈取部5を開放姿勢に固定する開放ロック孔32aが形成されている。
【0032】
また、前記ロックピン31には、下方のピンブラケット50上面に接当することにより天板15Aから上方に設定距離を隔てた箇所に位置する状態でロックピン31の下降を阻止してロックピン31の挿入量を規制するストッパーピン51が挿通保持されている。つまり、このストッパーピン51は、上方のピンブラケット50の下面に接当することでロックピン31が上方に抜けることを防止する抜け止めピンを兼用している。
【0033】
かつ、前記ロックピン31の上端部は、L字形に折り曲げられて操作部31aに形成されており、ロックピン31をロック孔32や開放ロック孔32aから離脱するように引き上げた状態で操作部31aを刈取部ホルダ18に形成の保持孔54に係合させることでその離脱状態を保持できるようになっている。
【0034】
かつ、コンバインは、前記刈取部5を設定対地浮上位置に位置させた状態で前記昇降駆動機構、つまり、油圧シリンダ11に代わって刈取部5の重量を支持する下降ロック手段を備えている。
【0035】
前記下降ロック手段は、図13の(イ)(ロ)に示すように、前記刈取部5における取付対象部位9bと走行本機4側の固定部である刈取部ホルダ18とのうち昇降(揺動)方向で対向する部位a,b間に対して刈取部5を設定対地浮上位置よりも上昇させた状態で挿抜自在で、挿入状態において前記設定対地浮上位置に下降(揺動)してきた取付対象部位9b側の部位aと刈取部ホルダ18側の部位bとで挟持されて刈取部5の重量を刈取部ホルダ18に支持させることで刈取部5の下降を阻止するとともに抜出状態において刈取部5の下降を許容するブロック状のロック部材28を設けて構成されている。
前記ロック部材28は、部位a,b間に介在した下降ロック位置と離脱したロック解除位置とに揺動自在に刈取部ホルダ18に装着されており、下降ロック位置で刈取部ホルダ18に安定載置支持されるものである。
【0036】
かつ、下降ロック手段は、図14に示すように、ロック部材28の刈取部ホルダ18への取付軸を兼用する操作レバー29付きの遠隔操作用の操作軸30と、ロック部材28を下降ロック位置及びロック解除位置で保持する位置保持手段とを備えている。
前記位置保持手段は、前記操作軸30に作用してロック部材28を揺動軸芯方向で刈取部ホルダ18の側面に接当する設定位置に移動付勢するスプリング52と、前記ロック部材28が付勢力に抗して軸芯方向で刈取部ホルダ18の側面から離間した状態でのロック部材28の乗り越えは許容する状態でロック部材28が設定位置に位置する状態でのロック部材28の下降ロック位置とロック解除位置との間での揺動位置変更を接当阻止するストッパー53とを設けて構成されている。前記ストッパー53は刈取部ホルダ18の側面に一体形成されている。つまり、ロック部材28をスプリング52で設定位置に移動付勢することで付勢に抗してロック部材28を設定位置から退避操作しないかぎりストッパー53を乗り越えて下降ロック位置とロック解除位置との間での揺動を阻止するようにしてあるから、ロック部材28をロック解除位置に位置させての刈取作業における刈取部5を設定対地浮上位置よりも高く上昇位置させての枕地での旋回において走行振動などでロック部材28に揺動力が作用しても、ロック部材28が下降ロック位置に不用意に揺動することがなく、旋回後、刈取部5を設定対地浮上位置よりも下方に下降させた状態の所期の刈取作業への移行を阻害することを抑制することができる。
【0037】
そして、このコンバインでは、図13の(ロ)に示すように、刈取部5を刈取作業姿勢に位置させた状態で刈取部5を設定対地浮上位置よりも上方に上昇させ、図13の(イ)に示すように、この状態で下降ロック手段のロック部材28をロック解除位置から下降ロック位置に揺動操作したのち刈取部5を下降させて刈取部5を設定対地浮上位置に位置させた状態での刈取部5の荷重支持を油圧シリンダ11から下降ロック手段に移行し、その状態でピン12を抜いて刈取部5と油圧シリンダ11との連結を解除する一方、固定用ピン25を抜くことで締付具22を開放姿勢に揺動操作するとともにロックピン31をロック孔32から離脱させて、刈取作業姿勢でのロックを解除し、その状態で刈取部5を縦向き軸芯P周りで開放姿勢に揺動させた後ロックピン31を開放ロック孔32aに挿入係合させてその開放姿勢にロックする。これにより、搭乗運転部2下方の原動部の側部及び走行本機4の前部を開放できるとともに、刈取部5の後部を開放して、穀稈搬送詰りの解除などの各種メンテナンスを行えるのである。もちろん、開放姿勢でのロック状態において誤操作などにより刈取部5に縦向き軸芯P周りでの揺動力が作用した場合、ロックピン31には、非常に大きなせん断力が作用するが、ストッパーピン51を上方に位置させてせん断力が作用する部位にはピン孔形成による低強度部分を位置させないようにしてあるから、ロックピン31のせん断を効果的に抑制することができる。
【0038】
また、このコンバインでは、刈取部5を接地支持させた状態で両締付具20,22を開放するとともに、油圧シリンダ11の刈取部5への連結を解除し、その状態で走行本機4を相対的に後方に移動させることにより、刈取部5を走行本機4から離脱させることができるのである。つまり、このコンバインでは、刈取作業姿勢では、取付対象部位9bと固定対象部位9aとの2点で刈取部5を走行本機4に連結し、開放姿勢では、取付対象部位9bの1点で刈取部5を走行本機4に連結するようになっている。
【0039】
〔別実施形態〕
上記実施の形態では、位置保持手段として、ロック部材28のロック解除位置から下降ロック位置への移動をストッパー53で規制する手段を示したが、位置保持手段は、ロック部材28をロック解除位置と下降ロック位置とで弾性係合により保持するボールデテント機構などのデテント機構、ロック部材28をロック解除位置と下降ロック位置とで摩擦力で保持する摩擦保持手段であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コンバインの側面図
【図2】 コンバインの平面図
【図3】 刈取部を開放姿勢に揺動させた状態でのコンバインの平面図
【図4】 要部の正面図
【図5】 要部の側面図
【図6】 要部の断面図
【図7】 要部の側面図
【図8】 刈取作業姿勢での要部の平面図
【図9】 開放姿勢での要部の平面図
【図10】 刈取作業姿勢での要部の横断平面図
【図11】 開放姿勢での要部の横断平面図
【図12】 要部の横断平面図
【図13】 昇降ロック手段の動作を示す要部の縦断側面図
【図14】 昇降ロック手段の横断平面図
【図15】 刈取作業姿勢に固定する動作を示す要部の縦断側面図
【図16】 締付具の開閉動作を示す要部の縦断正面図
【図17】 要部の縦断正面図

Claims (2)

  1. 脱穀部(1)を搭載した走行本機(4)の前部に、植立穀稈を刈り取って前記脱穀部(1)に搬送供給する刈取部(5)を横向き揺動軸芯(X)周りでの上下揺動により昇降するよう揺動昇降自在に連結し、この刈取部(5)を駆動昇降するリフトシリンダ(11)を設けてあるコンバインにおいて、前記刈取部(5)の前記横向き揺動軸芯(X)近くで走行本機(4)側の固定部と刈取部(5)との間に介在位置して刈取部(5)の設定対地浮上位置からの下降を阻止する下降ロック位置と固定部と刈取部(5)との間から離脱して刈取部(5)の下降を許容するロック解除位置とに揺動切り換え操作自在なロック部材(28)を設け、前記下降ロック位置に位置させたロック部材(28)を下降ロック位置に保持し、前記ロック解除位置に位置させたロック部材(28)をロック解除位置に保持する位置保持手段(53)を設けてあるコンバインの刈取部下降ロック装置。
  2. 前記走行本機(4)が、前方に突出する搭乗運転部(2)を備えており、前記刈取部(5)が、その搭乗運転部(2)の左右一側に配置されているとともに、左右のうち前記搭乗運転部(2)とは反対側に位置する縦向き軸芯(P)周りでの揺動により前記走行本機(4)の前方部に位置する刈取作業姿勢と走行本機(4)の前方を開放する開放姿勢とに切り換え自在に構成されている請求項1記載のコンバインの刈取部下降ロック装置。
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