JP3701164B2 - 携帯型通信機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は携帯型通信機器、特に自国以外の緊急連絡先電話番号を知らなくても自国以外の緊急連絡先へ電話をかけることのできる携帯型通信機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話機や電話通信機能を有する携帯情報端末などの通信機器は、メモリダイヤル機能を通常有している。メモリダイヤル機能というのは、相手先名と電話番号とを組にして電子電話帳又はアドレス帳と呼ばれる内部メモリに予め登録しておき、ユーザが電話をかける際には、携帯電話機の液晶画面に表示した相手先名リストの中から通話をしたい相手先をユーザに選択させるだけで、その相手先の電話番号をダイヤルすることなく電話をかけさせることのできる機能である。
【0003】
ところで、無線電話の通信方式は全世界において統一されていないため、例えば日本で使用できる携帯電話機を日本と通信方式の異なる米国でそのまま使用することはできない。しかし、最近では、携帯電話機の本体に取り付けるRF(Radio Frequency)モジュールを交換できる機種が検討されており、日本で使用している携帯電話機のRFモジュールを米国仕様のRFモジュールに交換することで、その携帯電話機の本体部分を米国でも使用できるようになっている。また、従来からある一体型の携帯電話機に複数の無線方式を組み込んだ機種もある。また、次世代の携帯電話機の世界共通標準方式として規格化されているW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)等が実用化されると1台の携帯電話機で複数の国において使用できることになる。
【0004】
このように、1台の携帯電話機の本体を複数の国において使用できるようになれば、本体部分の内部メモリに記憶されたアドレス帳を外国でも利用できることになる。
【0005】
ところで、例えば、日本人が米国内において何らかの理由により警察署に通報したい場合が発生したとする。このとき、日本人は、日本における警察署への緊急電話番号“110”を知っているが、米国における警察署への緊急電話番号“911”を知っているとは限らない。また、とっさの場合にあわてて米国内においても“110”をダイヤル発信してしまうかもしれない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の携帯型通信機器では、入力した緊急連絡先を他国の緊急連絡先の電話番号に自動変換して発信してくれるような機能がなかったため、ユーザは、移動先の外国における緊急連絡先電話番号を知らなければ緊急連絡先へ電話をかけることができなかった。
【0007】
本発明は以上のような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、自国以外の緊急連絡先電話番号を知らなくても自国以外の緊急連絡先へ電話をかけることのできる携帯型通信機器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上のような目的を達成するために、本発明に係る携帯型通信機器は、電話回線を接続して通信を行う携帯型通信機器において、自国の緊急連絡先毎に各国の緊急連絡先電話番号及び国識別情報を対応づけして記憶する緊急連絡先記憶手段と、前記携帯型通信機器が回線接続されている国を認識する使用国情報認識手段と、前記緊急連絡先記憶手段を参照することによって、ユーザにより入力された自国の緊急連絡先電話番号を、当該自国の緊急連絡先電話番号に対応づけされている前記使用国情報認識手段が認識した国の緊急連絡先電話番号に自動変換してからダイヤル発信を行う発信処理手段とを有するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0012】
実施の形態1.
図1は、本発明に係る携帯型通信機器の一実施の形態である携帯電話機を示した概略的な全体構成図であり、図2は、この携帯電話機のブロック構成図である。本実施の形態における携帯電話機1は、無線により回線接続を行う無線通信モジュール(以下、「RFモジュール」)2と、RFモジュール2を接続する電話機本体3とで構成されている。RFモジュール2には、図示しない基地局との間でアンテナ4を介してメッセージの送受信を行う送受信部5と、各国所定の通信方式に従い無線による通信制御を行う無線通信制御部6と、電話機本体3に接続するためのコネクタ7とが設けられている。RFモジュール2は、電話機本体3から着脱可能に形成されており、図1には、日本仕様と米国仕様の2つのRFモジュール2が示されている。
【0013】
電話機本体3には、スピーカ8、マイク9、操作ボタン10及び液晶表示パネル11を有する入出力手段12、アドレス帳等を記憶する内部メモリ13、携帯電話機1としての機能全般の制御を行う本体制御部14及びRFモジュール2を接続するためのコネクタ15が設けられている。本体制御部14には、液晶表示パネル11に表示されたものの中から選択された通信相手先にダイヤル発信を行う発信処理部16と、液晶表示パネル11に表示されたガイダンスに従い操作ボタン10の操作により入力された通信相手先、加入者番号及び通信相手先の所在国に基づき通信相手先情報を生成して内部メモリ13に登録する通信相手先情報登録手段として通信相手先情報更新処理部17が含まれている。更に、通信相手先情報更新処理部17は、通信相手先情報の登録のみならず更新、削除を行う。
【0014】
ユーザが携帯電話機1からメモリダイヤル機能を利用して電話をかけるとき、所定の操作ボタン10を押下して相手先名をリスト表示し、その中から通話をしたい相手を選択する。このとき、発信処理部16は、ユーザによる入力操作に応じて内部メモリ13から通信相手先名を取り出して液晶表示パネル11にリスト表示し、その中から選択された相手先の電話番号を内部メモリ13から取り出して呼設定要求を生成してRFモジュール2へ送る。この呼設定要求の送出がダイヤル発信に相当する。RFモジュール2は、本体制御部14で生成された呼設定要求を基地局へ送信し、所定の手順に従い無線回線を確立する。
【0015】
図3は、本実施の形態における内部メモリ13の内部データの構成を示した概念図である。内部メモリ13は、通信相手先に関する情報を記憶する通信相手先情報記憶手段として、更に携帯電話機1を使用する各国の緊急電話番号を対応付けして記憶する緊急用番号記憶手段として設けられている。図3に示したアドレス帳テーブル18は、通信相手先情報記憶手段に相当し、通信相手先の名前と電話番号、更に本実施の形態において特徴的な国別フラグが対応付けして登録される。国別フラグは、通信相手先の所在国を識別するための国識別フラグ情報、すなわちアドレス帳テーブル18に登録された通信相手先の電話番号をそのままダイヤルしたときに回線接続が可能な国を識別するための情報である。図3には、“0”を日本、“1”を米国、“2”をその他とした例が示されている。本実施の形態では、日本と米国とその他の3グループに分けた例を示しているが、それ以外の国にも固有の識別フラグを割り当てたり、各国に割り当てるフラグ値を変えたりすることは当然ながら可能である。また、本実施の形態では、通信相手先識別情報として「太郎」や「トム」などアドレス帳に通常登録するであろう名前を例にして説明するが、氏名、企業名、ニックネームあるいは何らかの記号など携帯電話機1のユーザが通信相手先を識別できるような情報は、全て通信相手先識別情報に該当する。
【0016】
また、緊急電話番号テーブル19は、警察署や消防署など各国における緊急用の電話番号を対応付けしたテーブルである。
【0017】
本実施の形態において特徴的なことは、アドレス帳テーブル18に登録する電話番号に、その登録された電話番号をそのままダイヤルしたときに回線接続が可能な国を識別するための国別フラグを付加して登録するようにし、メモリダイヤル機能を用いて電話をかける際、携帯電話機1が使用される国を自動判別し、携帯電話機1が使用される国と通信相手先の所在国との異同によってアドレス帳テーブル18に登録された電話番号でそのままダイヤル発信したり、あるいはその電話番号に国番号等を自動付加するようにしたことである。これにより、ユーザは、携帯電話機1を使用する国に関係なく常に同じダイヤル発信操作でメモリダイヤル機能を利用することができる。
【0018】
次に、本実施の形態における動作について、アドレス帳への登録操作、発信操作に分けて説明する。
【0019】
通信相手先情報更新処理部17は、所定のボタン操作により図4に示したようなアドレス帳への登録画面(a)を液晶表示パネル11へ表示する。ここで、「1.登録」が選択されると、通信相手先情報更新処理部17は、入力画面(b),(c)を順番に表示し、各画面から入力された通信相手先名と電話番号を受け付ける。更に、通信相手先情報更新処理部17は、続けて選択画面(d)を表示し、この選択画面から選択された国別フラグを受け付ける。通信相手先情報更新処理部17は、このようにして入力及び選択された通信相手先名、電話番号及び国別フラグを対応付けして通信相手先情報を生成し、アドレス帳テーブル18に登録する。なお、このアドレス帳への登録操作処理では、通信相手先情報を登録するために通信相手先名、電話番号及び国別フラグを得ることが目的であり、通信相手先情報を登録するための処理手順は、上述した手順に限られたものではない。
【0020】
次に、本実施の形態における発信処理について図5に示したフローチャートを用いて説明する。まず最初に、携帯電話機1のユーザが日本にいて、日本にいる「太郎」と通話をする、同一国内の相手先への発信をする場合について説明する。なお、同一国内に所在する相手先への発信を国内宛電話あるいは国内電話と称することにする。
【0021】
ユーザは、メモリダイヤル機能を用いて所定のボタン操作を行うことでアドレス帳テーブル18に登録された名前を図6に示したようにリスト表示させる(ステップ101)。発信処理部16は、リスト表示した中から“太郎”が選択された後、通話ボタンの押下という発信操作がされると、アドレス帳テーブル18から“太郎”の国別フラグ“0”を取得する(ステップ102)。そして、発信処理部16は、その取得した国別フラグとRFモジュール2から取得したモジュール使用国情報とを比較する(ステップ103)。
【0022】
モジュール使用国情報というのは、電話機本体3に取り付けられたRFモジュール2が無線通信可能な通信方式を採用している国を識別する情報である。本実施の形態において使用するRFモジュール2の無線通信制御部6は、電話機本体3の本体制御部14からの問合せに応じてモジュール使用国情報を返答する。本実施の形態においては、電話機本体3に接続されたRFモジュール2が日本仕様であれば“0”を、米国仕様であれば“1”を出力する。本体制御部14は、RFモジュール2が接続された時点でRFモジュール2に問合せをし、その結果を内部に保持しておく。なお、本実施の形態では、携帯電話機1を持ち込んだ国において使用できるRFモジュール2がユーザにより電話機本体3に正しく接続されていることを前提としている。
【0023】
ステップ103における比較処理において、“太郎”の国別フラグ“0”とRFモジュール2から返信されたモジュール使用国情報“0”は一致するので、発信処理部16は、アドレス帳テーブル18に登録された電話番号をそのままダイヤル発信をする(ステップ104,105)。
【0024】
次に、携帯電話機1のユーザが日本にいて、米国にいる「トム」と通話をする場合について説明する。なお、、国外に所在する相手先への発信を外国宛発信あるいは国際電話と称することにする。
【0025】
ユーザは、メモリダイヤル機能を用いて所定のボタン操作を行うことでアドレス帳テーブル18に登録された名前を図6に示したようにリスト表示させる(ステップ101)。発信処理部16は、リスト表示した中から“トム”が選択された後、通話ボタンの押下という発信操作がされると、アドレス帳テーブル18から“トム”の国別フラグ“1”を取得する(ステップ102)。そして、発信処理部16は、その取得した国別フラグとRFモジュール2から取得したモジュール使用国情報とを比較する(ステップ103)。ここまでの処理は、国内宛電話のときと同じである。
【0026】
ここでは、電話機本体3に日本仕様のRFモジュール2が接続されているので、“トム”の国別フラグ“1”とモジュール使用国情報“0”は一致しない。従って、発信処理部16は、アドレス帳テーブル18に登録された電話番号の前に国際電話業者を識別する国際番号及び国番号を付加してダイヤル発信をする(ステップ104,105,106)。なお、本実施の形態では、国際番号が携帯電話機1の使用前に初期設定され内部メモリ13に保持されているので、国際番号の指定を不要としている。
【0027】
携帯電話機1のユーザが米国にいて、日本にいる「太郎」に国際電話をかける場合も同様で国際番号と国番号がアドレス帳テーブル18に登録された電話番号に自動付加されダイヤル発信されることになる。ただ、この場合は市外局番の先頭の“0”を削除することになる。
【0028】
以上の説明から明らかなように、本実施の形態によれば、メモリダイヤル機能を利用してある特定の通信相手先に対して電話をかけようとした場合、その発信が国際電話のときには国際番号及び国番号を自動付加するようにしたので、その通信相手先が国内にいようと国外にいようと、その所在国に関係なく図6に示した統一された発信操作で電話をかけることができる。
【0029】
一方、携帯電話機1のユーザが日本にいて、日本及び米国以外の国に所在する「アラン」へ国際電話をする場合、ユーザは、図7に示したように液晶表示パネル11にリスト表示された中から“アラン”を選択した後、通話ボタンを押下する。この操作によりアドレス帳テーブル18から得られる“アラン”の国別フラグは“2”である(ステップ101,102)。そして、発信処理部16は、その取得した国別フラグとRFモジュール2から取得したモジュール使用国情報とを比較すると一致しておらず、また、“アラン”の国別フラグはその他を示す“2”である(ステップ103,104,106)。このとき、国際電話をかける際に必要な国番号が不明なので、発信処理部16は、国際電話業者及び通信相手国を選択するための画面を液晶表示パネル11に表示する。そして、発信処理部16は、各画面から選択された国際電話業者及び通信相手国を受け付け(ステップ108)、それぞれを内部において国際番号及び国番号に変換した後、アドレス帳テーブル18に登録された“アラン”の電話番号の前に変換した国際番号及び国番号を付加し、また、市外局番の先頭の“0”を削除するなど必要に応じて通信相手国に適応した国際電話番号を形成してダイヤル発信をする(ステップ109)。
【0030】
なお、本実施の形態では、図7に示したように液晶表示パネル11に表示した画面から国際電話業者及び通信相手国を選択させるようにしたが、これは国際番号及び国番号を特定するための一手法を示したにすぎず、国際番号及び国番号を直接入力できるようにしたり、相手先毎あるいは相手国毎に国際電話業者を固定的に設定しておいたりしてもよい。また、前述した日本にいるユーザが米国にいる「トム」へ国際電話をかける場合では、国際番号を初期設定しているものとしたが、図7に示したような選択画面を表示して国際電話をかける度に国際番号が選択できるようにしてもよい。通常は、前述したいずれか一方の国際番号選択方式を採用するのではなく国際番号を特定するためのモード設定機能を携帯電話機1に持たせておくことになるであろう。
【0031】
ところで、本実施の形態では、図3に示したように緊急電話番号テーブル19を内部メモリ13に設けている。これは、次のようにして利用される。
【0032】
例えば、日本人が米国内において何らかの理由により警察署に通報したい場合が発生したとする。このとき、日本人は、日本における警察署への緊急電話番号“110”を知っているが、米国における警察署への緊急電話番号“911”を知っているとは限らない。また、とっさの場合にあわてて米国内においても“110”をダイヤル発信してしまうかもしれない。そこで、米国内において米国以外の国に緊急電話番号がユーザによりダイヤルされたとき、発信処理部16は、ダイヤルされた緊急電話番号がRFモジュール2から取得したモジュール使用国情報と同じ国別フラグの緊急電話番号として緊急電話番号テーブル19に登録されている場合は、ダイヤルされた緊急電話番号のまま発信する。一方、発信処理部16は、その緊急電話番号が登録されていない場合、今度はモジュール使用国情報と異なる国別フラグの緊急電話番号として緊急電話番号テーブル19に登録されている緊急電話番号を検索して特定する。そして、異なる国の緊急電話番号を、当該緊急電話番号に対応させて緊急電話番号テーブル19に登録されているモジュール使用国情報と同じ国別フラグの緊急電話番号に変換する。具体的に言うと、米国内において日本における緊急電話番号“110”がダイヤルされたとき、発信処理部16は、RFモジュール2から取得したモジュール使用国情報“1”と同じ国別フラグ“1”の緊急電話番号のリストの中には“110”が登録されていないので、続いてモジュール使用国情報“1”と異なる国別フラグ“0”の緊急電話番号“110”を特定し、この緊急電話番号“110”を、“110”に対応したモジュール使用国情報“1”と同じ国別フラグ“1”の緊急電話番号“911”に変換する。
【0033】
本実施の形態によれば、自国以外の緊急電話番号を知らなくても自国における緊急電話番号をダイヤルすることで、携帯電話機1を使用している自国以外の国の緊急通報先へ電話をかけることができる。なお、米国など警察署と消防署との電話番号が同じである国に居住するユーザが日本に滞在中に緊急通報先へ通報するために“911”とダイヤルした場合、発信処理部16は、“911”を“110”又は“119”のいずれかに変換しなければならないが、この場合は発信処理部16がいずれかを自動選択したり、警察署か消防署か問合せのメッセージを画面表示して再度入力を促したりするような処理にしておけばよい。
【0034】
なお、本実施の形態においては、RFモジュール2の無線通信制御部6が本体制御部14からの問合せに応じてモジュール使用国情報を返答するように構成したことで、いずれの国の仕様のRFモジュール2が電話機本体3に接続されたかを電話機本体3に知らせることができるようにした。本実施の形態における本体制御部14は、このようにモジュール使用国情報をソフトウェア的にRFモジュール2からの返答により認識するようにしたが、ハードウェア的に認識するようにしてもよい。例えば、RFモジュール2の電話機本体3との当接部分をモジュール使用国毎に異なる形状で形成し、また、電話機本体3に取り付けられたRFモジュール2の当接部分の形状を認識できるハードウェア構成をモジュール使用国情報認識手段として電話機本体3に設けることで、モジュール使用国情報を認識できるようにしてもよい。例えば、図1に示したようにRFモジュール2の電話機本体3との当接部分2aに溝、切欠きなどの凹部の配置、深さ、長さ、本数等が国毎に異なるように形成して、電話機本体3に設けたモジュール使用国情報認識手段は、その溝の深さ等の凹部の特徴を検出することでモジュール使用国情報を認識する。また、複数の通信方式により無線通信可能な一体型のRFモジュールが存在するが、この場合、RFモジュール2の無線通信制御部6は、基地局と無線通信をした結果、特定された通信方式に対応するモジュール使用国情報を本体制御部14に返答するようにすればよい。また、世界共通の通信方式により無線通信可能なRFモジュールが規格化されているが、この場合、RFモジュール2の無線通信制御部6は、基地局と無線通信をした結果、特定された国情報、位置情報に対応するモジュール使用国情報を本体制御部14に返答するようにすればよい。また、携帯電話機1を使用する国が特定されている場合、例えば、日本と米国のみでの使用と限定されている場合には、電話番号の先頭に“0”があるか否かによって日本又は米国の判断ができるので、この場合は電話番号の先頭の数字が国別フラグに相当することになるので、アドレス帳テーブル18に国別フラグを別個に登録する必要はない。
【0035】
実施の形態2.
図8は、本実施の形態における内部メモリ13の内部データの構成を示した概念図である。上記実施の形態1では、電話番号毎に国別フラグを対応付けして内部メモリ13に登録するようにした。本実施の形態では、図8に示したように内部メモリ13上において国毎にまとめて登録できるようなエントリ領域を設けておいて、登録する通信相手先を所在する国に該当するエントリ領域に追加していくようにしてもよい。これは、例えばNTT移動通信網(株)が提供する携帯電話機にはグルーピングという機能が搭載されているが、グループ番号を国別フラグとみなすことで上記会社が提供するグルーピング機能を有効に利用することができる。
【0036】
なお、上記各実施の形態では、内部メモリ13に通信相手先に対応させて各国の電話番号を登録するようにしたが、国際電話番号を登録し、国内宛電話のときに国際番号及び国番号を削除するようにしてもよい。
【0037】
また、上記各実施の形態では、携帯型通信機器として無線通信を行う携帯電話機を例にして説明したが、電話機能が搭載されたモバイルコンピュータなども本発明に含まれる。また、携帯型通信機器が無線ではなく有線により電話回線に接続される場合にも適用することができる。この場合の通信モジュールは、モバイルコンピュータに装着可能なPCカードにより実現することができる。更に、携帯型でない通信機器にも図5に示した発信処理を適用することは可能である。
【0038】
ところで、上記各実施の形態では、説明の簡略化のために国際電話番号として各国の電話番号の前に国際番号及び国番号を付加してダイヤルするように説明した。しかしながら、現時点においてはまだ携帯電話機1から直接外国に発信することはできないことになっており、実際には、登録した電話番号を上記のように国際電話番号に変換しても回線を確立することはできない。ただ、本実施の形態は、国内電話か国際電話かを自動判別して、国内電話であれば登録した電話番号のままダイヤル発信をし、国際電話であれば外国に電話がかけられるように登録した電話番号に対して国番号等の何らかの必要な情報を自動的に付加しあるいは削除するようにしたことを特徴とするものである。従って、例えばNTT移動通信網(株)が提供するWORLD CALLというサービスを利用する場合は、前述した国際番号及び国番号に代えて「0091−30」を自動的にダイヤルし、回線接続後トーン信号(DTMFトーン、プッシュトーン)、国番号、登録した電話番号、更に“#”キー音を発信する処理手順として対応することになる。また、上記説明は、今後、携帯電話機1から直接外国へ電話がかけられるようになった場合には上記説明した処理をそのまま利用することができる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、自国以外の緊急連絡先電話番号を知らなくても自国における緊急連絡先電話番号をダイヤルすれば、移動先の自国以外の国における緊急連絡先へ電話をかけることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る携帯型通信機器の一実施の形態である携帯電話機を示した概略的な全体構成図である。
【図2】 図1に示した携帯電話機のブロック構成図である。
【図3】 実施の形態1における内部メモリの内部データの構成を示した概念図である。
【図4】 実施の形態1においてアドレス帳への登録操作時における画面遷移を示した図である。
【図5】 実施の形態1における発信処理を示したフローチャートである。
【図6】 実施の形態1においてメモリダイヤル機能を利用して発信するときの操作手順を示した図である。
【図7】 実施の形態1においてメモリダイヤル機能を利用して発信するときの操作手順を示した図である。
【図8】 実施の形態2における内部メモリの内部データの構成を示した概念図である。
【符号の説明】
1 携帯電話機、2 無線通信モジュール(RFモジュール)、3 電話機本体、4 アンテナ、5 送受信部、6 無線通信制御部、7,15 コネクタ、8 スピーカ、9 マイク、10 操作ボタン、11 液晶表示パネル、12 入出力手段、13 内部メモリ、14 本体制御部、16 発信処理部、17 通信相手先情報更新処理部、18 アドレス帳テーブル、19 緊急電話番号テーブル。
Claims (1)
- 電話回線を接続して通信を行う携帯型通信機器において、
自国の緊急連絡先毎に各国の緊急連絡先電話番号及び国識別情報を対応づけして記憶する緊急連絡先記憶手段と、
前記携帯型通信機器が回線接続されている国を認識する使用国情報認識手段と、
前記緊急連絡先記憶手段を参照することによって、ユーザにより入力された自国の緊急連絡先電話番号を、当該自国の緊急連絡先電話番号に対応づけされている前記使用国情報認識手段が認識した国の緊急連絡先電話番号に自動変換してからダイヤル発信を行う発信処理手段と、
を有することを特徴とする携帯型通信機器。
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