JP3700143B2 - 樹脂加硫ゴム組成物 - Google Patents
樹脂加硫ゴム組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3700143B2 JP3700143B2 JP35606397A JP35606397A JP3700143B2 JP 3700143 B2 JP3700143 B2 JP 3700143B2 JP 35606397 A JP35606397 A JP 35606397A JP 35606397 A JP35606397 A JP 35606397A JP 3700143 B2 JP3700143 B2 JP 3700143B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rubber
- resin
- rubber composition
- weight
- parts
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は天然ゴム又は合成ゴムとアルキルフェノール樹脂とからなる樹脂加硫ゴム組成物の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
天然ゴム又は合成ゴムをアルキルフェノール樹脂を用いて樹脂加硫する際に、加硫促進剤として、従来から、例えば塩化第一錫、塩化第二鉄や塩化亜鉛等の金属ハロゲン化物、クロロプレンゴム(CR)、クロルスルホン化ポリエチレン、塩素化パラフィン等の有機ハロゲン化物、p−トルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸が用いられている。
【0003】
しかるに、このようにしてアルキルフェノール樹脂加硫されたゴム製品は、ホース、防振材、各種パッキング材、シール材等に使用された時に、各種金属、金属部品と接触している部分において金属の腐食を促進し、表面外観の悪化、強度の低下、電気抵抗の増大等の問題を引き起こす場合がある。また樹脂加硫ゴム組成物を混練加工する際においても、ロール、金型等の腐食が問題となっている。
【0004】
これらの原因については、必ずしも明らかでないが、おそらく加硫促進剤に含まれるハロゲン化合物に由来するものと考えられる。この対策として、金属部分に防錆剤を塗布することにより金属の腐食を防止したり、または加硫促進剤を使用せずに加硫を行う方法が採られている。しかしながら、混練加工機の種類、ゴム製品の使用部分によっては防錆剤の使用ができない場合もあり、また加硫促進剤を使用しない場合はゴムの加硫に時間がかかり、生産効率が劣るという状態であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、アルキルフェノール樹脂を用いる樹脂加硫ゴム組成物において、接触する金属部分への防錆剤塗布が不用で、かつ加硫速度の速い樹脂加硫ゴム組成物を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、アルキルフェノール樹脂でゴムを加硫するに際し、従来の加硫促進剤又は加硫触媒に替え、特定の置換基を有する芳香族スルホン酸類を用いることにより、加硫速度を速いままに維持しながら金属腐食作用を示さない樹脂加硫ゴム組成物が得られることを見い出し、本発明を完成するに到った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、天然ゴム又は合成ゴムとアルキルフェノール樹脂とからなる樹脂加硫ゴム組成物において、加硫促進剤として炭素数2〜30のアルキル基を有する芳香族スルホン酸類を含有してなることを特徴とする樹脂加硫ゴム組成物である。
【0007】
本発明の好ましい実施の態様は、天然ゴム又は合成ゴム100重量部に対して、加硫剤としてのアルキルフェノール樹脂1〜25重量部及び加硫促進剤として炭素数2〜30のアルキル基を有する芳香族スルホン酸類0.01〜50重量部とを含有してなることを特徴とする樹脂加硫ゴム組成物である。
【0008】
本発明の樹脂加硫ゴム組成物は、そのままゴム製品とすることができるが、更にアルキルフェノール樹脂に、汎用ゴムを予め添加し、必要により充填剤、軟化剤その他の添加剤を加え、混練していわゆるマスターバッチとして用いることもできる。
【0009】
本発明に用いられる天然ゴム又は合成ゴムとしては、具体的には、例えば、天然ゴム(NR)、スチレンーブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン−ターポリマー(EPDM)等を上げることができる。これらのうちでも、特にブチルゴム(IIR)が好ましく用いられる。
【0010】
本発明にいうアルキルフェノール樹脂としては、具体的には、炭素数1〜18のアルキル基基を有するフェノール類(メター及び/又はパラーアルキル基置換)とホルムアルデヒド類との縮合によって得られるアルキルフェノール樹脂が好ましく挙げられる。
【0011】
ここで、アルキルフェノール樹脂の原料となる炭素数1〜18のアルキル基基を有するフェノール類としては、具体的には例えば、p−クレゾール、i−プロピルフェノール、p−t−ブチルフェノール、アミルフェノール、p−t−オクチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、アリルフェノール、シクロヘキシルフェノール、4,6−ジオクチルレゾルシン等を上げることができる。これらのうちでも、特にp−t−ブチルフェノール、アミルフェノール、p−t−オクチルフェノールが好適に用いられる。このようなアルキルフェノール樹脂は、例えば、タッキロール(田岡化学工業株式会社製、登録商標名)201等として市販されているものが使用される。
【0012】
本発明に用いられる加硫促進剤としての炭素数2〜30のアルキル基を有する芳香族スルホン酸類としては、好ましくは炭素数5〜20のアルキル基を有する芳香族スルホン酸であり、具体的にはp−エチルベンゼンスルホン酸、p−n−プロピルベンゼンスルホン酸、p−イソプロピルベンゼンスルホン酸、p−t−ブチルベンゼンスルホン酸、p−アミルベンゼンスルホン酸、p−t−オクチルベンゼンスルホン酸、p−ドデシルベンゼンスルホン酸等が挙げられ、これらは単独又は混合して使用される。これらの芳香族スルホン酸としては、例えばネオペレックスFS(花王株式会社商品名)として市販されているアルキルベンゼンスルホン酸が好適に用いられる。
【0013】
本発明の樹脂加硫ゴム組成物において、天然ゴム又は合成ゴムに対するアルキルフェノール樹脂、加硫促進剤の添加量については、目的とする加硫度、使用目的に応じて適宜決められるが、該樹脂加硫ゴム組成物をそのまま加硫してゴム製品として使用するときは、天然ゴム又は合成ゴム100重量部に対して、加硫剤としてのアルキルフェノール樹脂1〜25重量部、好ましくは5〜20重量部及び加硫促進剤としての炭素数2〜30のアルキル基を有する芳香族スルホン酸類0.01〜50重量部、好ましくは0.1〜20重量部である。
【0014】
本発明の樹脂加硫ゴム組成物は、更に充填剤或いは軟化剤が必要により添加される。通常は、コンパウンド化を容易にするため、その他の目的で充填剤又は軟化剤を併用使用することが好ましい。
【0015】
本発明の使用される充填剤としては例えば、カーボンブラック、炭酸カルシウム、クレー、シリカ、硅酸カルシウム、珪酸マグネシウム、タルク、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、チタン白等を上げることができる。これら充填剤の混合割合は、天然ゴム又は合成ゴム100重量部に対して、1〜200重量部、好ましくは10〜150重量部であり、これらは単独又は混合して使用される。
【0016】
また、本発明に使用される軟化剤としては、脂肪酸類、ナフテン系プロセスオイル、パラフィン系プロセスオイル、アロマチック系プロセスオイル、ワックス類等が挙げられる。ここで、脂肪酸類としては例えば、ステアリン酸、オレイン酸を、ナフテン系プロセスオイルとしては例えば、コーモレックス2号、PW−90等を、更にパラフィン系プロセスオイルとしては、例えばサンパー107、−115、−150、ワックス類としてはパラフィンワックス等を挙げることができる。これら軟化剤の混合割合は、天然ゴム又は合成ゴム100重量部に対して0〜150重量部、好ましくは1〜80重量部である。
【0017】
本発明の樹脂加硫ゴム組成物の製造方法としては、ゴム成分、アルキルフェノール樹脂、加硫促進剤、その他の配合剤を同時に混練してもよいし、あらかじめ特定の成分と混合又は混練してから他の成分と混合又は混練してもよい。例えば、アルキルフェノール樹脂と加硫促進剤との混合物、ゴム成分、アルキルフェノール樹脂、加硫促進剤の三成分の混合物等をあらかじめ作成した後に、最終組成物として上記本発明の組成物を得ても良い。加硫促進剤と他の成分との、混合又は混練温度は0〜150℃が好ましい範囲である。温度が低すぎると均一混合が困難である場合があり、一方温度が高すぎるとゴムの加硫を行う前に反応が進行して、ゴムの加硫成型に不具合を生じる傾向を示す。
【0018】
また、いわゆる加硫促進剤を含むマスターバッチとしては、例えば、前記加硫促進剤、アルキルフェノール樹脂及び前記天然ゴム又は合成ゴム及び必要により充填剤、軟化剤等を加熱および冷却可能な密閉式ニーダーに投入し、内温を30〜100℃、好ましくは60〜80℃に保持しながら混合均一化し、用途に応じてシート出し、あるいはペレット状にすることにより、容易に得られる。
【0019】
【発明の効果】
本発明は樹脂加硫ゴム組成物は、好ましい加硫速度を維持し、かつ加硫後に加硫促進触媒が表面へのブリードが起りにくく金属に対する腐食性の著しい改善が認められる。
【0020】
【実施例】
実施例1〜3及び比較例1〜2
以下に示した配合処方により、6インチ・ロールを用いて混練し、ベースゴムを調整した。
【0021】
ベースゴムを分割し、6インチ・ロールに投入し、アルキルフェノール樹脂(タッキロール201、田岡化学工業株式会社製)13重量部及び表−1に記載の所定量の加硫促進剤を投入し、混練し樹脂加硫ゴム組成物を調整した。得られた樹脂加硫ゴム組成物を、オシレーティングディスクレオメーター(東洋精機製作所製ASTM−100型)を用いて、ASTM D−2084に準じて加硫特性を測定した。結果を表−1に示す。
【0022】
また、各試料のブリード性のテストを行い、結果を表−1に示した。
ブリード性のテストは次の方法によって行った。
各試料のゴムを加硫し(温度180℃、45分間)、1週間放置後目視にてゴム表面を観察した。次に加硫ゴム20gを切断し(約40個)水100gに投入し50℃で36時間保温し、20℃に冷却後、水のPHを測定した。
【0023】
【表−1】
Claims (3)
- 天然ゴム又は合成ゴムとアルキルフェノール樹脂とからなる樹脂加硫ゴム組成物において、加硫促進剤として炭素数2〜30のアルキル基を有する芳香族スルホン酸類を含有してなることを特徴とする樹脂加硫ゴム組成物。
- 天然ゴム又は合成ゴム100重量部に対して、アルキルフェノール樹脂1〜25重量部及び加硫促進剤として炭素数2〜30のアルキル基を有する芳香族スルホン酸類0.01〜50重量部とを含有してなることを特徴とする樹脂加硫ゴム組成物。
- 天然ゴム又は合成ゴムが、ブチルゴムを50重量%以上含有するゴムである請求項1および請求項2のいずれかに記載の樹脂加硫ゴム組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35606397A JP3700143B2 (ja) | 1997-12-08 | 1997-12-08 | 樹脂加硫ゴム組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35606397A JP3700143B2 (ja) | 1997-12-08 | 1997-12-08 | 樹脂加硫ゴム組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11172041A JPH11172041A (ja) | 1999-06-29 |
JP3700143B2 true JP3700143B2 (ja) | 2005-09-28 |
Family
ID=18447141
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35606397A Expired - Fee Related JP3700143B2 (ja) | 1997-12-08 | 1997-12-08 | 樹脂加硫ゴム組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3700143B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6467520B2 (en) | 2000-12-19 | 2002-10-22 | The Goodyear Tire & Rubber Company | Tire with apex rubber containing in-situ resin |
JP5143605B2 (ja) * | 2008-03-28 | 2013-02-13 | 東海ゴム工業株式会社 | 高減衰ゴム組成物およびそれを用いてなる制震ダンパー |
-
1997
- 1997-12-08 JP JP35606397A patent/JP3700143B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11172041A (ja) | 1999-06-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4926066B2 (ja) | アスファルトおよびポリマーの組成物の調製方法及び調製方法によって調製されたポリマー改質アスファルト、骨材、調製方法によって調製されたポリマー改質アスファルトと骨材とから製造される道路、調製方法によって調製されたポリマー改質アスファルトで封止された屋根、屋根をポリマー改質アスファルトで封止する方法、道路構築方法、アスファルトをリサイクルする方法、そしてアスファルトをリサイクルする方法によって製造されたリサイクルアスファルト | |
JP5388585B2 (ja) | ゴム組成物に配合される金属石鹸及びかかる石鹸をゴム組成物に配合する方法 | |
JP3700143B2 (ja) | 樹脂加硫ゴム組成物 | |
TWI551629B (zh) | 用於不飽和聚合物之硫化劑 | |
JP3608378B2 (ja) | Nbr組成物 | |
JP3690890B2 (ja) | 低発熱性ゴム組成物 | |
JPS6317097B2 (ja) | ||
JPH1192570A (ja) | ゴム用薬品マスターバッチ、そのマスターバッチを使用したゴム組成物の混練方法及びその方法により得られたゴム組成物 | |
JP3521948B2 (ja) | ゴム用樹脂加硫剤及びその製造法 | |
JPH0912839A (ja) | ゴム配合用樹脂組成物 | |
JP2003238744A (ja) | ゴム組成物の製造方法 | |
JP2016183262A (ja) | スチールコード被覆用ゴム組成物 | |
JPH1017722A (ja) | ゴム組成物 | |
JPH1017721A (ja) | 樹脂加硫ゴム組成物 | |
JPH10182885A (ja) | シリカ配合ゴム組成物 | |
JP2016199695A (ja) | タイヤ用ゴム組成物 | |
JP6870367B2 (ja) | ゴム組成物、コンパウンド、加硫物及びゴムロール | |
CA1045804A (en) | Processing aids for natural and synthetic rubber compounds | |
JP2004300362A (ja) | タイヤ用未加硫ゴム組成物及びタイヤ | |
JP7355677B2 (ja) | 架橋ゴム発泡成形体の製造方法 | |
JP2003238736A (ja) | ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ | |
JP2006188598A (ja) | ゴム組成物 | |
JPH11323004A (ja) | 加硫ゴムの脱硫剤、それを用いた加硫ゴムの脱硫方法および脱硫ゴム | |
JP2016190925A (ja) | タイヤ用ゴム組成物 | |
JP2006307044A (ja) | タイヤ用ゴム組成物およびその製造方法、ならびに該タイヤ用ゴム組成物を用いたタイヤ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040927 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050628 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050630 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Effective date: 20050630 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080722 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 4 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090722 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090722 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 5 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100722 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 6 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110722 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |