JP3699879B2 - 挿入式遠隔点検システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は挿入式遠隔点検システムに関し、特に原子力施設などの通常人間の入ることのできない部屋の狭隘部に位置する機器の点検に適したシステムである。
【0002】
【従来の技術】
従来、特開平10−336828号公報にあるように先端部にCCDカメラとライトガイドを組み合わせた配管内面の点検装置の概念は示されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、放射線レベルが高い場所で人間が容易に近づけない場所で、また、点検対象の機器が複数分散している広い空間で挿入するパイプから離れた機器を点検する場合にも適用でき、小型軽量で狭隘部にも容易に適用でき、操作性及び保守性がよく、また安全に放射線環境下の機器の点検を遠隔で行えるようにすることについては、あまり考慮されていなかった。
【0004】
従って、放射線レベルが高い場所で人間が容易に近づけない場所で、また、点検対象の機器が複数分散している広い空間で挿入するパイプから離れた機器を点検する場合にも適用でき、小型軽量で狭隘部にも容易に適用でき、操作性及び保守性がよく、また安全に放射線環境下の機器の点検を遠隔で行うことを可能とする遠隔点検検査システムが要望されていた。
【0005】
従って、本発明の目的は、狭隘部でも容易に挿入して機器の点検を遠隔で行うことを可能とする挿入式遠隔点検システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の手段は、挿入場所から点検対象部位周囲に点検を妨げることのないガイドパイプを布設し、挿入場所からガイドパイプに沿って点検ヘッドを挿入するケーブルを設け、点検のための検出情報は点検ヘッドからケーブルを介してモニタ部へ出力し、点検ヘッドには挿入ケーブルの挿入方向軸周りに回転可能な機構を設け、操作部から回転角度を遠隔にて制御できるようにすることである。
【0007】
第2の手段は、前記挿入式遠隔点検システムにおいて、ガイドパイプはコイル状の軌道を有することである。
【0008】
第3の手段は、前記挿入式遠隔点検システムにおいて、点検ヘッドは高分解能,高感度CCDカメラとすることである。
【0009】
第4の手段は、前記挿入式遠隔点検システムにおいて、点検ヘッドはレンズとイメージファイバとで構成することである。
【0010】
第5の手段は、前記挿入式遠隔点検システムにおいて、ガイドパイプは内面に低摩擦係数となる部材をコーティングすることである。
【0011】
第6の手段は、前記挿入式遠隔点検システムにおいて、ケーブル外表面に低摩擦係数となる部材をコーティングすることである。
【0012】
第7の手段は、前記挿入式遠隔点検システムにおいて、挿入ケーブルの挿入方向軸周りに回転可能に設けた機構の回転量と検出するセンサを設け操作部にその回転量を表示する装置を設けることである。
【0013】
第8の手段は、前記挿入式遠隔点検システムにおいて、ケーブルの挿入及び引き抜きのドライブユニットを設けて遠隔にて制御可能とし、ドライブユニットの挿入及び引き抜きと連動して回転するようにしたケーブルドラムを設けることである。
【0014】
第9の手段は、前記挿入式遠隔点検システムにおいて、ケーブルの挿入,引抜き量を検出して、挿入ケーブルの挿入方向軸周りに回転可能に設けた機構の回転量とともに操作部に表示することである。
【0015】
第10の手段は、前記第8の手段において、ドライブユニットはケーブル内部に埋め込んだ磁性部材を磁力により駆動するようにすることである。
【0016】
第11の手段は、前記第8の手段において、ドライブユニットはケーブル表面にも受けた凹凸部に凸凹部を引っ掛けて駆動するようにすることである。
【0017】
第12の手段は、前記第8の手段において、ガイドパイプ端部に着脱可能な接続機構を設け、ドライブユニットの挿入出力出口部と着脱可能とすることである。
【0018】
第13の手段は、前記第12の手段において、ガイドパイプ端部に隔離弁を介して着脱可能な接続機構を設け、ドライブユニットとケーブルドラムを密閉容器に収納して容器に接続機構と密閉着脱可能な挿入出力出口部を設けることである。
【0019】
第14の手段は、前記第13の手段において、密閉容器に内部空気の置換バルブを設けることである。
【0020】
第15の手段は、前記第11の手段において、凸部が低摩擦係数の部材で凹部が高摩擦係数部材とすることである。
【0021】
第16の手段は、前記第2の手段の挿入式遠隔点検システムにおいて、コイル状軌道の曲がりR部には補強部材を設けることである。
【0022】
第17の手段は、前記第1の手段において、点検ヘッドを2個以上に分割連結することである。
【0023】
第18の手段は、前記第1の手段において、点検ヘッドを着脱コネクタ付きとすることである。
【0024】
第19の手段は、前記第17の手段において、分割された点検ヘッドの先頭に照明ユニットを配置することである。
【0025】
第1手段では、挿入場所から点検対象部位周囲に点検を妨げることのないガイドパイプを布設しておくので、挿入場所から点検対象部位まではガイドパイプに沿って点検ヘッドは遠隔にて安全,確実に挿入・引き出しができ、点検ヘッドに接続されている挿入ケーブルについても同様に絡まることなく安全,確実に挿入・引き出しができる。
【0026】
また、ガイドパイプを点検を妨げることのない部材とすることで、ガイドパイプ上の任意の位置で点検可能となる。さらに、点検ヘッドに接続されているケーブルを介して点検のための検出情報をモニタへ出力することができる。
【0027】
そのため、遠隔にてモニタTVによる点検対象部位の観察が可能となる。また、点検ヘッドに設けられた挿入ケーブルの挿入方向軸周りに回転可能な機構により、操作部から回転角度を遠隔にて制御できる。そのため、手挿入により挿入ケーブルが捩じれて、点検したい方向を向かない場合でも、回転機構により角度を調整し任意の点検対象部位を点検することができる。
【0028】
また、この回転機構により、点検対象部位周辺を広範囲で点検可能となるため、人が近寄らなくても点検対象部位について、その周辺を含め点検することのできる遠隔点検システムを提供することが可能となる。
【0029】
第2の手段では、前記遠隔点検システムにおいて、ガイドパイプをコイル状とすることにより、CCDカメラ等の点検視野を妨げないため、任意の点検対象部位を点検することが可能となる。
【0030】
また、単純構造のため製造性も良く製造コストを低く抑えることが可能である。さらに、取扱いも容易であり手で容易に曲げることも可能なことから、現場で設置したい場所に現場合せ的に設置したい布設ルートでコイル状ガイドパイプを据え付けることが可能である。
【0031】
ここで、点検ヘッドを抵抗なく挿入するためには、挿入方向に対してコイルが圧縮・引張りによる変形を伴わないようにする必要があり、コイルの素線径,平均径,有効巻き数は、以下の条件を満足することとする。
【0032】
W×μ<G×d4×δ/(2×D3×Ne)
ここで、W:挿入された点検装置重量
μ:静摩擦係数
G:線材の横弾性係数
d:線材の素線径
D:コイルの平均径
Ne:有効巻数
δ〜0
第3の手段では、前記遠隔点検システムにおいて、高分解能,高感度CCDカメラとすることにより、布設したガイドパイプから離れた部位を点検する必要性が生じた場合でも、高感度のために遠くの点検対象部位について点検が可能である。
【0033】
さらに、高分解能のため大きなズームレンズがなくても電子ズームができるので、小型の点検ヘッドとすることが可能であり、ガイドパイプの径を小さくして狭隘部にも容易に布設することが可能とできる。
【0034】
また、さらにファイバのライトガイドと組み合わせることにより、照明電球を先端に取付けるよりも点検ヘッドを小型,軽量とすることが可能となる。
【0035】
第4の手段では、第1手段の遠隔点検システムにおいて、点検ヘッドをレンズとイメージファイバで構成することにより、CCDカメラと異なり、耐放射線仕様の石英ファイバ,石英レンズが使用できるため、高放射線環境下での点検が可能となる。
【0036】
第5の手段では、前記遠隔点検システムにおいて、ガイドパイプの内面で点検ヘッドやケーブルと接触する部位の表面に、フッ素コーティングを施し摩擦係数を低減することができる。
【0037】
それによって挿入ケーブルへの負荷が軽減されるため、より長い布設ルートでも点検ヘッドを奥まで挿入することが可能となる。さらに、ガイドパイプへの負荷も軽減され、かつ、前第2の手段における条件式左辺の摩擦係数が低下することから、コイル状ガイドパイプの設計裕度も増加する。
【0038】
第6の手段では、前記遠隔点検システムにおいて、点検ヘッド及び挿入ケーブルにフッ素コーティングを施すことにより、第5の手段と同一の効果があり、かつ、コーティングする部分が、ガイドパイプと比較した場合には少なく、コーティングがはがれても引き出して補修・交換が容易である。
【0039】
さらに、第5の手段と組み合わせることにより、より一層摩擦係数を低減することができ、一段と長い布設ルートで対応可能で、コイル状ガイドパイプの設計裕度もさらに増加することになる。
【0040】
第7の手段では、第1の手段の前記遠隔点検システムにおいて、回転機構による点検ヘッドの回転量を知ることにより、対象点検部位の空間における位置関係を知る情報を得ることができ、回転量を見ながら、見たい方向を容易に遠隔から操作・制御することが可能となる。また、点検部位が2箇所にまたがる場合でも、回転量の情報から2箇所の位置関係をある程度推定することが可能となる。
【0041】
第8の手段では、第1の手段の遠隔監視システムにおいて、ドライブユニットを設けることにより、ケーブルの挿入及び引抜きを人が現場で実施しないで遠隔で制御可能となる。原子力発電所においては、本手段により、高放射線環境下にある対象点検部位から遠く離れた位置、もしくは中操等から制御することができ、被曝線量の低減にも貢献できる。
【0042】
また、ケーブルドラムをドライブユニットの動作と連動させることにより、ドライブユニットとケーブルドラム間のケーブルにたるみ及び緊張を発生させることなくスムーズにケーブル操作が実施でき、また、ケーブルに与える過負荷を防止することが可能となる。
【0043】
第9の手段では、第8の手段の遠隔監視システムにおいて、ケーブルの挿入,引抜き量を検出して操作部に表示することにより、点検ヘッドがどの程度進入したかを把握することが可能であり、人が立ち入れない場所における状況を距離感を持って把握でき、さらに、点検ヘッド及びケーブルの操作性を向上させることができる。
【0044】
また、点検ヘッドの進入位置を把握可能であるため、途中の異常状況の把握も容易に行うことができる。さらに、点検ヘッドの回転量およびミラーの角度も合わせて表示することにより、点検の作業性を一層向上させることができる。
【0045】
第10の手段では、第8の手段の遠隔監視システムにおいて、ドライブユニットを電磁石とし、ケーブルの外皮下に鉄線コイル、もしくは鉄網等の磁性部材を埋め込み、ドライブユニットの回転にともなってケーブルが磁力によって挿入,引抜きを行うことにより、ケーブルの表面状態、特にフッ素コーティングを施し滑りやすくなった状態においても挿入力のロスなしに効率よくケーブルを動作させることができる。
【0046】
さらに、非接触でケーブルに負荷をかけることなく動作させることも可能なため、ケーブルの品質維持にも有効である。
【0047】
第11の手段では、第8の手段の遠隔監視システムにおいて、ケーブル全長にわたり外表面を波状とする、または凹穴を設け、ケーブルと接触するドライブユニット部分に、ケーブルの波状、または凹穴に嵌合する凸部を設け、ドライブユニットの回転にともなって凸部が波状または凹穴と嵌まりケーブルの挿入,引抜き動作を行うことにより、ケーブルの表面状態、特にフッ素コーティングを施し滑りやすくなった状態においても挿入力のロスなしに効率よくケーブルを動作させることができる。
【0048】
第12の手段では、第8の手段の前記遠隔監視システムにおいて、ケーブル挿入側のガイドパイプ端部にフランジ等の着脱可能な接続機構を設け、ドライブユニットの点検ヘッド,ケーブル出入口にも同様の着脱可能な接続機構を設け、これら接続部をつなげて一体となし、点検対象部位に点検ヘッドを挿入することにより、ドライブユニット及びケーブルドラムを可搬式とすることができるため、点検区画が離れた複数区画に分散している場合でも、ドライブユニット及びケーブルドラムを1式で共用することができる。
【0049】
第13の手段では、第12の手段の遠隔監視システムにおいて、ケーブル挿入側のガイドパイプ端部に隔離弁を介してフランジ等の着脱可能な接続機構を設け、ドライブユニット及びケーブルドラムを密閉容器に収納し、点検ヘッド,ケーブル出入口に着脱可能な接続機構を設け、これら接続部をつなげた後、隔離弁を開いて点検対象部位に点検ヘッドを挿入することにより、特殊気体の充満している、もしくは特殊物質の浮遊している区画に点検ヘッドを挿入する場合でも、これら特殊気体及び物質は通常環境区画に放出されることなく、安全を確保して点検を実施することができる。
【0050】
また、可搬式とすることができるため、複数区画で共用して使用することができる。
【0051】
第14の手段では、第13手段の遠隔監視システムにおいて、第13の手段の密閉容器に内部空気の置換バルブを設けることにより、ガイドパイプ側の隔離弁を開いたあとでも、特殊空気及び物質は密閉容器内に充満することがなく、環境の異なる複数区画に点検区画が分散している場合でも共用して使用することができ、密閉容器を開放して点検ヘッド,ケーブルの保守,点検,交換が容易に行うことができる。
【0052】
第15の手段では、前記第11の手段において、凸部が低摩擦係数の部材で凹部が高摩擦係数部材とすることにより、ガイドパイプ内を挿入ケーブルが入る時にはガイドパイプと接する部分は凸部の低摩擦係数の部材であり、滑らかに挿入することが可能となり、一方、駆動ユニットの凸部分と挿入ケーブルの凹部分の接触は高摩擦係数となるため、容易に大きな駆動力(挿入力)を得ることができる。
【0053】
第16の手段では、前記第2の手段の挿入式遠隔点検システムにおいて、コイル状軌道の曲がりR部には補強部材を設けることにより、曲がり部で大きな挿入,引き抜き力がコイル状軌道に作用してもコイル状軌道が異常な変形をしないようにすることができる。従って、挿入,引き抜き力は挿入する長さが増せば、曲がり回数が増えれば増えるほど大きな力を必要とするが、その力に耐える軌道を容易に得ることができるので、長い複雑な軌道ルートの点検装置とすることが可能となる。
【0054】
第17の手段では、前記第1の手段において、点検ヘッドを2個以上に分割連結するようにしたので、たとえば照明ユニットなどを縦につなげてたくさんの照明を中に入れてCCDカメラの点検ヘッドで点検する個所をいっしょに照らすことが可能となる。これによって高感度CCDカメラでも暗い場所、たとえばガイドパイプから離れた遠方の点検を容易に可能とすることができる。また、大きなセンサヘッドを分割収納することで、点検ヘッドの長さは長くなるが、直径は小さくすることができ、それにともないガイドパイプの直径も小さくでき、狭隘な場所に適用可能なものともできる。
【0055】
第18の手段では、前記第1の手段において、点検ヘッドを着脱コネクタ付きとすることで、点検ヘッドの交換が可能となる。それによって、複数種類、たとえば、可視カメラヘッド、温度測定ヘッド、放射線測定用ヘッドなどの各種点検ヘッドを1式の挿入ケーブルと挿入装置と付け替えて使用することが可能となる。
【0056】
第19の手段では、前記第17の手段において、分割された点検ヘッドの先頭に照明ユニットを配置するので、発熱する照明の場合、先頭のセンサヘッドからの信号ケーブルなどを断熱保護して通過させる必要がなくなる。すなわち、発熱する照明ユニットをある程度離して先端部に設けることで、その手前にある点検ヘッド部を通過するのは照明用のケーブルであり、点検ヘッドが発熱するようなものでなければ、一般にはそうであるが、容易に照明ケーブルをセンサ部でも通過させることができる。照明を先頭に配置せず、センサヘッドを先頭にして照明を次に配置する場合には、照明の容量を小さくして発熱量を小さく抑えて、センサケーブルなどを断熱したりして、照明部を通過させる必要が生じる。それで、照明ヘッドを先頭に配置すれば、照明の発熱量とか断熱構造の制限を受けることなく容量の大きな照明を適用することが可能となり、従って、ガイドパイプから離れた遠方の点検も容量の大きな照明の光がとどくようになるので、広い空間の点検対象機器の点検が実現可能とすることができる。
【0057】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を図面を用いて説明する。図1は本発明を適用した場合の基本的な一実施例のシステム構成の一例を示す。本システムの構成は点検対象部位4のある区画の挿入場所から点検対象部位4までガイドパイプ1aを布設し、区画外の挿入場所から手動により、ガイドパイプ1aの内部に点検ヘッド2を先端に備えたケーブル3を点検対象部位4まで挿入し、点検のための検出情報を点検ヘッド2からケーブル3を介してモニタTV5に出力するようにしたものである。
【0058】
ここで、ガイドパイプ1aの内部に点検ヘッド2が挿入されるため、ガイドパイプ1aは点検を妨げることのない構造を有し、区画内の配管や機器などの障害物を回避しながら布設できるように、本実施例ではガイドパイプ1aをコイル状としている。
【0059】
また、点検ヘッドにはケーブル3の挿入方向軸周りに回転可能な機構を設け、ケーブル3の挿入時、挿入方向に対して点検ヘッド2が回転した場合においても、点検対象部位4が確実に点検できるようにしている。
【0060】
また、本実施例の点検ヘッド2は、点検対象部位4以外で必要に応じ他の部位について点検してもかまわない。
【0061】
なお、以下を含めて点検ヘッド2はCCDカメラを想定して記述しているが、点検ヘッドはCCDカメラに限定するものではなく、温度計,湿度計,放射線線量計など他のセンサを組み込んでそのセンサの出力結果をモニタ部5にて確認するようにしてよいものである。
【0062】
一つの点検ヘッドに複数のセンサを組み込んでもよいし、また、点検ヘッドを数種類に分割して、点検ヘッド2の挿入,点検を複数回に分けて各種センサに対する点検を行ってもよい。
【0063】
図2は前記システムの点検ヘッド2の基本的な実施例の一つを示す。高分解能,高感度CCDカメラ8を採用し、ミラー7を介して点検対象部位4を点検可能とし、点検対象部位4を確実に点検可能とするようにミラー回転用の回転モータ6にて構成されている。また、点検対象部位4が暗くて点検困難な場合を考慮し、ライト9及び照明装置10を設けている。
【0064】
これらの配線は、ケーブル3の内部に収納され、引っ掛かりなどによる配線損傷を防止している。高分解能,高感度CCDカメラ8を採用することで、点検ヘッド2から離れた部位についても点検が可能となるとともに、電子ズームにより大型のズームレンズを搭載しなくて済むので点検ヘッド2を小型にすることができる。
【0065】
これにより、ガイドパイプ1aの径も小さくすることができ狭隘部に対応した挿入式遠隔点検システムを提供することができる。
【0066】
図3は前記システムのガイドパイプ1aの軌道をサポートする基本的な実施例の一つを示す。機器,配管,床及び壁など既設箇所にガイドパイプ1aをはさみこむ部材12b及びガイドパイプ1aを溶接13により固定する部材12aで軌道をサポートする。ガイドパイプ1aは、障害物を回避しながら曲がりくねって布設されるように柔軟性をもっているため、ケーブル3挿入にともなってガイドパイプ1aが布設軌道を外れ障害物と干渉することが考えられる。
【0067】
布設軌道の必要箇所にガイドパイプ1aの軌道サポート12aもしくは12bを設けることにより、障害物との干渉を防止でき、より安全,確実にケーブル3を挿入することができる。
【0068】
また、コイル状軌道は大きな温度変化に対しても、熱膨張による延びを吸収するので、大きな温度変化のある個所へも安全に適用でき、熱応力解析も容易に行うことが可能となる。
【0069】
図4は前記システムのガイドパイプ1aの軌道を延長する場合の基本的な実施例の一つを示す。ガイドパイプ1aを継手溶接14によりつなぎ合せ、継手部を継手補強部材15で覆い溶接13にて固定することにより補強している。
【0070】
布設軌道が長い場合、障害物が多く現場で調整しながら布設する必要のある場合等に、ガイドパイプ1aを短くして取扱性を良くし、色々な現場の状況に対応することが可能となる。また、円筒部材15aの内面に溝を設けて、その溝にコイル状の軌道をねじ込むことで、接続する構造としてもよい。
【0071】
図5は前記システムでガイドパイプ1aのもう一つの基本的な実施例である。ガイドパイプ1bは、ガイドパイプ1aと同様の機能を持ち、透明パイプとすることにより点検を妨げることがない。
【0072】
図6は前記システムでガイドパイプ1aのもう一つの基本的な実施例である。ガイドパイプ1cに設けられた開口窓16により、点検ヘッドから点検することが可能であり点検を妨げることがない。
【0073】
図7は前記システムで点検ヘッド2のもう一つの基本的な実施例の一つを示す。CCDカメラ8にレンズ18を附属し、ミラー2を回転する回転モータ6と角度を調整するミラー角度制御用モータをもち、光源20と接続されたライトガイド19により導かれた照明とその前面にあるレンズで構成されている。レンズ18による集光により、さらに遠くのものについて点検でき、ミラー角度の調整により、点検対象部位4をより確実に点検することが可能となる。
【0074】
また、ライトガイド19により導かれた照明をレンズ18にて集光することで、さらに照明の効果をあげることができ、暗い箇所の点検をより確実に行うことが可能となる。
【0075】
図8は前記システムで点検ヘッド2のもう一つの基本的な実施例の一つを示す。点検ヘッドにイメージファイバ21を採用した一例である。イメージファイバ21は、CCDカメラ8と異なり耐放射線仕様の石英ファイバ及び石英レンズで構成できるので、高放射線下の環境で使用可能な点検システムを得ることができる。
【0076】
図9は前記システムのガイドパイプ1aの低摩擦係数となる部材をコーティングする基本的な実施例の一つである。ガイドパイプ1aにフッ素コーティング22を施し、点検ヘッド2及びケーブル3の挿入,引抜き時の摩擦係数を低減する一例である。
【0077】
摩擦係数を低減することにより、点検ヘッド2及びケーブル3を挿入する際の抵抗を低減でき、ガイドパイプ1aと点検ヘッド2及びケーブル3にかかる負荷が低下することから、これらをより健全に取扱うことが可能となる。また、本実施例のフッ素コーティング22は、点検ヘッド2及びケーブル3と接触するガイドパイプ1aの内側にのみ施してもかまわない。
【0078】
図10は低摩擦係数となる部材をコーティングするもう一つの基本的な実施例の一つである。ガイドパイプ1cの内面にフッ素コーティング22を施し、点検ヘッド2及びケーブル3の挿入,引抜き時の摩擦係数を低減する一例であり、図9と同一の効果がある。また、本実施例のフッ素コーティング22は、ガイドパイプ1cの全面に施してもかまわない。
【0079】
図11は低摩擦係数となる部材をコーティングするもう一つの基本的な実施例の一つである。点検ヘッド2及びケーブル3にフッ素コーティング22を施し、挿入,引抜き時の摩擦抵抗を低減する一例であり、図9と同一の効果がある。
【0080】
また、本実施例のフッ素コーティング22は、点検ヘッド2に施してもかまわない。さらに、点検ヘッド2,ケーブル3及びガイドパイプ1a,1cにフッ素コーティングを施すことにより、さらに摩擦抵抗を低減することができ、これらをより健全に取扱うことが可能となる。
【0081】
図12は前記システムで点検ヘッド2のミラー7の回転量を操作部に表示する基本的な実施例の一つである。点検ヘッド2のミラー7を回転させる回転モータ6に減速機23,ギア25を介して回転量を検出するポテンショメータ24を取付け、操作部26のミラー回転量表示窓27に回転量を表示可能としたものである。
【0082】
点検対象部位4をモニタTV5に映し出すために、操作部26の回転ジョイスティック28でミラー7を回転する時、回転量表示窓27に表示されるミラー回転量を知ることにより、回転量の調整が容易となり操作性が向上する。
【0083】
また、このとき点検ヘッド2に傾斜センサも組み込んで点検ヘッドの鉛直方向に対するねじり度合いを直接検出して表示するようにしてもよい。この場合、点検ヘッド2のねじれの絶対値情報が分かるのでよりいっそう操作性がよくなる。また、特に点検ヘッドに放射温度計など測定方向が必要なセンサを搭載して、しかも、その方向を目視確認できるCCDカメラを搭載しない場合には絶対的ねじれ量の表示は特に有効な手段となる。
【0084】
さらにはガイドパイプが鉛直方向に布設されているような場合には傾斜センサではねじれ量を検出できないため、ガイドパイプの所定の側に磁性体とか極性を定めた磁石を設置しておき磁気センサでその方向を検出することで、ガイドパイプに対する点検ヘッド2の絶対ねじれ量を検出するようにしてもよい。
【0085】
ガイドパイプの所定の側にマーキングして、それを光センサで検出してもよいし、金属を所定の側にのみ取り付けて、超音波センサとかECTセンサを設けるようにしてもよい。ガイドパイプに施す手段とその絶対方向の検出手段はその他何でもよい。あるいはガイドパイプの内側に溝を設けて、点検ヘッドがそこをガイドされ挿入されるようにしてもよい。この場合には絶対値量のねじれ検出センサは不要となる。
【0086】
図13は本発明を適用した場合のもう一つの基本的な一実施例のシステム構成の一例を示す。本システムは、前記システムでケーブル3の挿入,引抜きのドライブユニット29、及びこれと連動して回転するケーブルドラム31を設け、ドライブユニット29に回転量検出用エンコーダ30を取付け、操作部26に、この回転量とケーブル3の挿入,引抜き量を表示するものである。
【0087】
ドライブユニット29とケーブルドラム31を設けることにより、挿入場所で人が操作する必要がなくなり、さらに離れた場所から挿入,引き出し操作を行うことが可能となるため、安全性が一層向上する。さらに、ドライブユニット29とケーブルドラム31を同期させていることから、ケーブル3の挿入,引抜きが安全かつ確実に行うことができる。
【0088】
また、ドライブユニット29の回転量を検出することにより、ケーブル3の挿入,引抜き量を知ることができ、これら情報を操作部26に表示することで、挿入区画内のどこに点検ヘッドが位置しているのかを確実に把握することが可能である。また、本実施例の操作部26には、ミラー回転量及びミラー角度調整量を表示するようにしてもかまわない。
【0089】
図14は前記システムで操作部26にミラー回転量表示窓27,ケーブル挿入,引抜き量表示窓33,モニタTV5及び回転ジョイスティックを設けた基本的な一実施例の一つである。
【0090】
図15は前記システムでケーブル3の挿入,引抜き量を検出するもう一つの基本的な実施例の一つである。ケーブル3に位置を示すマーキングを施し、これを読み取って挿入,引抜き量を検出するもので、本実施例は、マーキングとしてバーコード35を、読み取り装置としてバーコードリーダ36を用いた一例である。
【0091】
図16は前記システムのドライブユニット31の基本的な一実施例の一つである。ドライブユニット31で外周上に電磁石38を取付けたドライブ機構39と、鉄コイル37を内包したケーブル3で構成される。
【0092】
電磁石38が鉄コイル37に近づくと、電磁石38はONとなり、鉄コイル37に磁力が働く。従って、ドライブ機構39を回転させることにより、ケーブル3及び点検ヘッド2の挿入,引抜きを行うことができる。
【0093】
本実施例によると、ケーブル3の表面に低摩擦係数なる部材をコーティングした場合でも、ケーブル3を滑ることなく確実に動作させることが可能となる。また、すべりなくケーブル3を動作させることが可能であるため、ケーブル3の健全性が向上し、耐用期間を延長することができる。また、本実施例の電磁石38は、常時ONとしても良く、永久磁石としてもかまわない。
【0094】
図17は前記システムの磁力による挿入,引抜きを行うケーブル3のもう一つの基本的な実施例の一つである。ケーブル3は、鉄網40が内包されており、ドライブ機構の回転に従い磁力によって、挿入,引抜きされる。その他は、図15と同一である。
【0095】
図18は前記システムのドライブユニット29によるケーブル3の挿入,引抜きのもう一つの基本的な実施例の一つである。ドライブ機構39が回転する時に外周上に設けた凸ピンが、波状ケーブル42の凸凹部を引っかけて、波状ケーブル42を挿入,引抜きするドライブ機構39はナット状のものにしてもよい。図16と同様に、波状ケーブル42の表面に低摩擦係数なる部材をコーティングした場合でも、波状ケーブル42を滑ることなく確実に動作させることが可能となる。
【0096】
図19は前記システムのドライブユニット29によるケーブル3の挿入,引抜きのもう一つの基本的な実施例の一つである。ドライブ機構39が回転する時に外周上に設けた凸ピンが、凹穴付ケーブル44の凹穴43を引っかけて、凹穴付ケーブル44を挿入,引抜きする。図16と同様に、凹穴付ケーブル44の表面に低摩擦係数なる部材をコーティングした場合でも、凹穴付ケーブル44を滑ることなく確実に動作させることが可能となる。
【0097】
図20は前記システムのガイドパイプ1a,1b,1cとドライブユニット29を接続可能とした基本的な実施例の一つである。ガイドパイプ1a,1b,1cの端部をアクセスパイプ45で覆い、これにフランジ46を取付け、一方ドライブユニット29の挿入,引抜き口に同様にフランジ47を取付け、これらフランジにより、接続,脱着可能としている。
【0098】
本実施例によると、点検対象が複数の部屋に分散している場合でもドライブユニット29及びケーブルドラム31は共用することができるため、一式準備すれば良く、コストを低減することが可能となる。ここで、アクセスパイプ45は下向きのエルボ形状としているが、ストレート形状として点検ヘッド2を水平に挿入してもよいし、その向き方向は設置現場のスペース条件に合わせて設計すればよいもので、下向きエルボ形状を限定するものではない。
【0099】
図21は前記システムでドライブユニット29とケーブルドラム31を一体型密閉容器48とした基本的な一実施例の一つである。
【0100】
図22は前記システムでアクセスパイプ45に電磁弁49を取付けた基本的な一実施例の一つである。本実施例では、アクセスパイプ45に電磁弁49を介してフランジ46を取付け、一体型密閉容器48の挿入,引抜き口にはフランジ47を設ける。
【0101】
一体型密閉容器48とアクセスパイプ45を接続する場合、点検区画内の特殊空気及び浮遊物質を点検区画外の通常環境中に放出,飛散させることを防止できる。
【0102】
また、一体型密閉容器48の内部空気を置換するためのバルブ51を取付けることで、バルブ45をあける前に密閉容器48の中の空気を点検区画内の特殊空気(たとえば窒素など)に置換可能であるので、部屋の隔離バウンダリを確保し状態で部屋の中の点検が可能となる。このように色々な環境下にある点検区画に対しても、一式の一体型密閉容器で対応可能とすることができる。
【0103】
図23は図19の実施例でさらにケーブルの凹凸部分に摩擦係数の差を設けた場合の一実施例を示す。凹穴付ケーブル44の凹部43の摩擦抵抗を大きくしておいても、ガイドパイプ1bとは接することなくケーブル44の低摩擦係数部位のみが接触する。一方ドライブ機構39の凸ピン41は、たとえば柔らかいゴムのような材質であればケーブル44を圧迫して押し付けた時に変形してケーブル44の高摩擦係数となっている凹部43とも密着して接触する構造となっている。これによって、ケーブル44はガイドパイプ1b内を挿入されるときには低摩擦の軽い力で挿入でき、ドライブする側では高摩擦係数により大きな駆動力(挿入力)をケーブル44に与えることが可能となる。
【0104】
図24は図23の一実施例における凹凸部に摩擦係数の差を持たせた挿入ケーブルの具体的な一実施例を示す。挿入ケーブルは外筒部3aと内筒部3bから構成される2重管になっている。内筒3b内にはセンサ用などのケーブル99が通してある。外筒3aは低摩擦係数の部材、たとえばフッ素樹脂などでできており、周囲には穴があいている。穴はドリルなどで任意に開けてもよいし、一定ピッチで開けてもよい。内筒3bは高摩擦係数部材、たとえばゴムとかシリコン樹脂などで製作する。それで2重管とすることでケーブルの凹部43は高摩擦係数で凸部ケーブル44表面は低摩擦係数の挿入ケーブルを容易に得ることができる。
【0105】
ここで、センサケーブル99は1本を記載しているが、それは挿入抵抗がケーブル重量に大きくきいてくるためである。ケーブル99を1本のケーブルだけで済むようにするためにはセンサ側とモニタ側に各々多重伝送ユニットを設けることでケーブル本数を減らしケーブル重量を低減することである。1本にできない場合には通信用1本と電源用1本と2本のケーブルにしておく程度でも効果は大きい。
【0106】
図25はコイル状軌道の曲がりR部に補強部材を設けた場合の一実施例を示す。コイル状軌道はコイル成形機を使用するので容易に製作できコストの安い軌道を容易に提供できるが、挿入ケーブルが向きを変えるR部の軌道は大きな反力を受けるので、軌道が長くなり大きな挿入力を必要とする場合にはコイルが変形する恐れがある。そこで、R部を容易に補強する手段として、コイル状軌道1aの外形にほぼ等しい内径のパイプ101をR部のみ通し、そのパイプ101をサポート100などでしっかり固定する構造とする一例である。必要に応じてパイプ101とコイル軌道1aは部分的に溶接で接合しておいてもよい。
【0107】
図26はセンサヘッドを分割して照明部分を先頭に配置してコネクタで着脱可能としたセンサヘッドの一実施例を示す。この実施例の場合はセンサヘッドを照明ユニット2a,2bと側視ミラー付きCCDカメラユニット2cの3つに分割することで、挿入面積を小さくガイドパイプの直径を小さくすることを可能としている。
【0108】
また、照明ユニット2a,2bはコネクタ96で、CCDカメラユニット2cはコネクタ95で着脱可能となっている。そのため、CCDカメラユニット2cの代わりに放射温度計を組み込んだユニットなどの別のセンサヘッドと交換することも可能となる。放射温度計の場合にはスポット点の温度を非接触で測定できるが、挿入して遠隔で測定する場合にはセンサヘッドに放射温度計と小型CCDカメラなどもいっしょに実装することでどこの温度を測定するか分かりやすくなる。
【0109】
その場合には照明ユニット2a,2bを同様にその先端につなげることで、CCDカメラに必要な照明も兼用して得ることが可能な構成となる。当然、コネクタ95,96にその他のセンサユニット、たとえば放射線線量率計とか雰囲気の温度・湿度計などのセンサを収納したセンサヘッドを接続してもよい。
【0110】
このようにコネクタを介してセンサヘッドを交換できるようにしておけば、予め必要な伝送ケーブルは共用できるように挿入ケーブル3の中を通しておく必要はあるが、ケーブル挿入装置などは共用化ができる。
【0111】
また、本実施例ではCCDカメラ8を側視ミラー7cを介して、点検対象4の点検を行う構成である。ミラー7cの角度は旋回モータ6c、府仰モータ17cで制御され、その角度はポテンショメータなどで検出して操作部で状態を確認しながら遠隔操作できるようにする。もちろん小型にまとまれば側視ミラーを介さないで直接CCDカメラ8の向きを旋回及び府仰モータで駆動制御するようにしてもよい。
【0112】
照明ユニット2a,2bも同様に照明98a,98bからの光をミラー7a,7bを介してCCDカメラ8で点検している場所を照らすようにしている。ミラー7a,7bは同様に旋回モータ6a,6b及び府仰モータ17a,17bで駆動制御され、その動作角度はポテンショメータで検出して操作部でモニタリングできるようにしてもよい。もちろんミラーを介さなくてもリフレクタ付き照明を直接に旋回、府仰モータで駆動制御して向きを変えるようにしてもよい。
【0113】
CCDカメラ8の見ている個所に照明98a,98bを集光するのが効果的である。小さな照明でも数を増やせば必要な明るさを容易に得ることができる。この集光操作は遠隔でオペレータが操作してもよいし、3D−CADデータに点検対象と軌道のデータがインプットされていれば、挿入量から軌道上のどの位置にいるかが分かり、CCDカメラ及び照明各々の旋回角度,府仰角度が分かれば、その点からどちらの方向を向いているか、向けばよいかが一意的に定まるので、CCDカメラの見る向きを操作して変えたらば照明の向きも自動的にどちらを向かせればよいか求めて、その方向に自動制御するようにしてもよい。そうすると操作性がより一層向上する。
【0114】
また、本実施例のように照明にハロゲンランプなどの電球を用いた場合には発光ダイオードの照明より明るい光を容易に得ることができるが、発熱も大きい。そこで、本実施例のように照明ユニットを先頭に配置することで、発熱する照明電球98a,98bの近くをセンサケーブルを通すことなく、センサケーブルは照明ユニット2a,2bを通らないでコネクタ95を介してモニタ側へ通すことが可能となる。
【0115】
照明ユニット2a,2bの配線は電源線,モータの制御駆動線,ポテンショメータの電圧線のみであるから、たとえ高温になったとしても裸線を碍子ビーズなどで絶縁しながら配線をコネクタ96を介してモニタ側へ導くことは比較的容易となる。
【0116】
以上の実施例では、放射線レベルが高い場所で人間が容易に近づけない場所で、また、点検対象の機器が複数分散している広い空間で挿入するパイプから離れた機器を点検する場合にも適用でき、小型軽量で狭隘部にも容易に適用でき、操作性及び保守性がよく、また安全に放射線環境下の機器の点検を遠隔で行うことを可能とする遠隔点検検査システムを得ることができる。
【0117】
【発明の効果】
本発明によれば、狭隘部でも容易に挿入して機器の点検を遠隔で行うことを可能とする挿入式遠隔点検システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した手動の遠隔点検システムの基本的な一実施例のシステム構成図。
【図2】本発明のシステムの点検ヘッドの基本的な一実施例の一つで高分解能,高感度CCDカメラを用いた方式の場合の前記点検ヘッド内の構成図。
【図3】本発明のシステムのガイドパイプの軌道をサポートする構成を示す図。
【図4】本発明のシステムのガイドパイプを延長するための継手部分の構成図。
【図5】本発明のシステムでガイドパイプのもう一つの実施例として透明パイプを用いた例示図。
【図6】本発明のシステムでガイドパイプの他の実施例として開口窓を有するパイプを用いた例示図。
【図7】本発明のシステムの点検ヘッドにミラー角度制御用モータ及びレンズを附属した基本的な一実施例の構成図。
【図8】本発明のシステムで点検ヘッドのもう一つの基本的な一実施例の一つでイメージファイバを用いた方式の構成図。
【図9】本発明のシステムのガイドパイプに低摩擦係数となる部材としてフッ素をコーティングしたガイドパイプの例示図。
【図10】本発明のシステムのガイドパイプで内面に低摩擦係数となる部材としてフッ素コーティングを施した場合の例示図。
【図11】本発明のシステムのケーブル及び点検ヘッドに低摩擦係数となる部材としてフッ素コーティングを施した基本的な一実施例の図。
【図12】本発明のシステムの点検ヘッドに回転量を検出するセンサを設け操作部に表示するようにした基本的な一実施例の図。
【図13】本発明のシステムでケーブルの挿入及び引抜きのドライブユニット,ドライブユニットと連動して回転するケーブルドラム及びドライブユニットの挿入回転量を検出することによりケーブルの挿入,引抜き量を検出可能とした基本的な一実施例の図。
【図14】本発明のシステムでケーブルの挿入及び引抜量を操作部に表示する基本的な一実施例の一つで、点検ヘッドの回転量及びミラー角度も表示するようにしている一例示図。
【図15】本発明のシステムのケーブルの挿入及び引抜き量を検出するもう一つの基本的な一実施例でバーコードにより付したケーブル寸法をバーコードリーダで読み取る方式の一例示図。
【図16】本発明のシステムのドライブユニットでケーブルの挿入及び引抜きを内部に磁性体を有するケーブルとドライブ機構に取付けた電磁石で磁力により行う基本的な一実施例の一つの例示図。
【図17】本発明のシステムにおける内部に磁性体を有するケーブルのもう一つの基本的な一実施例の一つで鉄網を用いた方式の一例示図。
【図18】本発明のシステムでのドライブユニットによりケーブルの挿入及び引抜きを行う場合のもう一つの基本的な一実施例の一つでケーブルを波状とし表面の凸凹部にドライブ機構に設けた凸ピンを引っかけて動作させる方式の一例示図。
【図19】本発明のシステムでのドライブユニットによりケーブルの挿入及び引抜きを行う場合のもう一つの基本的な一実施例の一つでケーブル表面の開口窓にドライブ機構に設けた凸ピンを引っかけて動作させる方式の一例示図。
【図20】本発明のシステムでのガイドパイプ端部に着脱可能な接続機構を設けドライブユニットの挿入出力出口部を着脱可能とする基本的な一実施例の一例示図。
【図21】本発明のシステムでのガイドパイプ端部に着脱可能な接続機構を設ける場合のもう一つの基本的な一実施例の一つでドライブユニットとドラムユニットを一体とする方式の一例示図。
【図22】本発明のシステムでのガイドパイプ端部に着脱可能な接続機構を設ける場合のもう一つの基本的な一実施例の一つでガイドパイプ端部に隔離弁を介してドライブユニットの挿入出力出口部と着脱可能とする接続機構を設け密閉容器としたドライブユニット及びドラムユニットに内部空気の置換バルブを設ける方式の一例示図。
【図23】図19の実施例でさらにケーブルの凹凸部分に摩擦係数の差を設けた場合の一実施例の一例示図。
【図24】図23の一実施例における凹凸部に摩擦係数の差を持たせた挿入ケーブルの具体的な一実施例の一例示図。
【図25】コイル状軌道の曲がりR部に補強部材を設けた場合の一実施例の一例示図。
【図26】センサヘッドを分割して照明部分を先頭に配置してコネクタで着脱可能としたセンサヘッドの一実施例の一例示図。
【符号の説明】
1a,1b,1c…ガイドパイプ、2…点検ヘッド、3…ケーブル、4…点検対象部位、5…モニタTV、6…回転モータ、7…ミラー、8…CCDカメラ、9…ライト、10…照明装置、11…制御装置、12a,12b…ガイドパイプ軌道サポート、13…溶接部、14…継手溶接、15…継手部補強材、16…開口部、17…ミラー角度制御用モータ、18…レンズ、19…ライトガイド、20…光源、21…イメージファイバ、22…フッ素コーティング、23…減速機、24…ポテンショメータ、25…ギア、26…操作部、27…ミラー回転量表示窓、28…回転ジョイスティック、29…ドライブユニット、30…回転量検出用エンコーダ、31…ドラムユニット、32…ドラムモータ、33…ケーブル挿入,引抜き量表示窓、34…ミラー角度表示窓、35…バーコード、36…バーコードリーダ、37…鉄コイル、38…電磁石、39…ドライブ機構、40…鉄網、41…凸ピン、42…波状ケーブル、43…凹穴、44…凹穴付ケーブル、45…アクセスパイプ、46…ガイドパイプ側フランジ、47…ドライブユニット側フランジ、48…ドライブユニット,ドラムユニット一体型密閉容器、49…ガイドパイプ側電動真空バルブ、50…ドライブユニット側電動バルブ、51…密閉容器内部空気置換バルブ、95,96…コネクタ、98a,98b…照明、99…多重伝送用センサケーブル、100…サポート、101…補強パイプ。
Claims (5)
- 挿入場所から点検ヘッドを挿入して、挿入した空間にある点検対象部位の点検検査を操作部から遠隔にて行う挿入式遠隔点検システムにおいて、挿入場所から点検対象部位周囲に点検ヘッドの挿入方向の側方に点検視野を妨げることのないガイドパイプを布設し、挿入場所からガイドパイプに沿って点検ヘッドを挿入するケーブルを設け、点検のための検出情報は点検ヘッドからケーブルを介してモニタ部へ出力し、点検ヘッドにはガイドパイプの途中の位置から挿入方向の側方を点検視野に入れる望遠ズーム機能を有するカメラが内蔵され、点検ヘッドには挿入ケーブルの挿入方向軸周りに回転角度が変更可能なミラーを配置して点検ヘッドの点検方向をミラーの回転でガイドパイプ内で回転変更可能とする機構を設け、操作部から回転角度を遠隔にて制御できるようにしたことを特徴とする挿入式遠隔点検システム。
- 請求項1において、ガイドパイプはコイル状の軌道とするとともに、コイル状の曲がりR部には点検ヘッドが通過時にコイル間隔を保持するようにコイル外径と同じ内径の配管を曲げた補強部材を設けることを特徴とする挿入式遠隔点検システム。
- 請求項1又は請求項2において、点検ヘッドは2個以上に分割連結するとともに、分割した点検ヘッドには複数の照明ユニットが備わり、各照明ユニットの照明の照射方向は各々独立に操作部から遠隔にて操作制御可能としたことを特徴とする挿入式遠隔点検システム。
- 請求項1又は請求項2又は請求項3において、ケーブルの表面に凸凹部を設け、凸部には凹部の部材より低摩擦係数の部材を、凹部には凸部の部材より高摩擦係数の部材を用い、凹部の部材の高摩擦係数による摩擦力を利用してケーブルに挿入力を与えるようにすることを特徴とする挿入式遠隔点検システム。
- 請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4において、ケーブルの内部にはケーブルの長手方向に沿って磁性部材を埋め込み、ケーブルの外表面には摩擦抵抗がケーブルのそれよりも低い部材がコーティングされているとともに、ケーブルの外部からケーブル内部に埋め込んだ磁性部材へ磁力を利用してケーブルに挿入力を与えるドライブユニットを備えることを特徴とする挿入式遠隔点検システム。
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