JP3699751B2 - 外部冷却装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、インフレーション成形法により成形される樹脂バブルを外周面側から空冷する外部冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インフレーション成形法は、溶融樹脂を、環状吐出口が形成されたダイを通して押し出してチューブ状の樹脂バブルとし、さらにこの樹脂バブルを内側に吹き込んだエア(膨張用エア)によって膨張させて、所望の径および厚さを有するチューブ状フィルムを成形する方法である。このようなインフレーション成形法を行う成形装置では、膨張過程にある樹脂バブルを外周面側から冷却する外部冷却装置がダイの上方に配設される。
【0003】
外部冷却装置としては、例えば、実公平5−13551号公報、特公平4−66172号公報および、特開平6−872号公報に開示されているものがある。これらの外部冷却装置においては、いずれも、樹脂バブルを冷却するための冷却エアが吹き出される吹出口がダイの押出通路の外側に位置するように形成されたエアリングを有している。このエアリングは、ダイの押出通路よりも径方向外方に同心円状に広がるとともに外側に向かうにつれて高さが高くなるように(いわゆる「擂り鉢状」に)形成されている。
【0004】
エアリングのさらに上方には、このエアリングよりもさらに径方向外方に同心円状に広がるとともに外側に向かうにつれて高さが高くなるように形成された、エアガイドもしくは複数の整流筒等が配設されている。
これにより、ダイから押し出された樹脂バブルは、上記膨張用エアによって上に行くほど径方向外方に膨張し、エアガイドや各整流筒の上端に沿って移動する。
【0005】
吹出し口から吹き出された冷却エアは、樹脂バブルの外周面に沿って、すなわち、エアリングの内周面や各整流筒の上端等と樹脂バブルとの間の隙間を流れて冷却装置の外側に排出される。この間に、冷却エアは樹脂バブルから熱を奪ってこれを冷却する。さらに、樹脂バブルとエアリングの内周面や各整流筒の上端等とが近接する部分を流れるときに冷却エアの流速が速くなるため、この部分にベンチュリ効果による樹脂バブルの引き付け力が発生する。これにより、樹脂バブルは、径方向複数箇所にてエアリングや各整流筒の上端の方に引き付けられて安定良く支持される。
【0006】
ここで、冷却用エアの流速が遅いと樹脂バブルの十分な冷却を行うことができないとともに、十分な引き付けを行うこともできない。逆に、冷却用エアの流速が速すぎると樹脂バブルが波打ち状態となり、バブルの厚みに変動を生じた製品となってしまう。
このため、上記の各エアリングにおいては、特に、冷却用エアの流速が速くなることによって波打ち状態となり易い成形ダイから吐出された直後の樹脂バブルの冷却を行うため、図5にその一例を示すように、ダイ3の上方に配設されるエアリング61に形成された環状エア吹出口61aの上方に、圧力室(エアチャンバー)62を形成し、この部分で冷却用エアAの流速を落とすこととしている。
【0007】
上記のように、底面62bと壁面61cとがほぼ直角となるような形状で圧力室62を形成した場合、冷却用エアAがこの圧力室62内に流入すると、矢印で示すように冷却用エアAの流れに乱れを生じる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、インフレーションフィルムの生産性の向上を図るために樹脂バブル50の成形速度(ダイからの材料の単位時間当りの押し出し量)を速く(押出量を多く)した場合、樹脂バブル50を冷却するための風量も多く必要となる。このため、環状エア吹出口61aからの冷却用エアAの吹き出し流速を速くする必要があるが、吹き出し流速を速くすると圧力室62内で流速が落ちても圧力室62内でのエアの流れの乱れが大きくなるため、形成された樹脂バブル50が波打ち状態となりやすいという問題がある。さらに、樹脂バブル50を形成する材料が溶融張力の弱い樹脂材料(例えば「直鎖状低密度ポリエチレン樹脂」等)である場合、より波打ち状態となりやすいという問題がある。
【0009】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、樹脂バブルを形成する材料が溶融張力の弱い樹脂材料であってもインフレーション成形法によるチューブ状フィルムの生産性の向上を図ることのできる外部冷却装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用】
上記の目的を達成するために、本発明では、成形ダイの環状吐出口を通って上方に押し出されながら径方向外方に広がるチューブ状の樹脂バブルの形成を行うインフレーション形成装置において、形成された樹脂バブルの冷却を行うために外周面側に冷却エアを流す外部冷却装置を、内周面が環状吐出口の外周側から上方に延びるとともに径方向外方に広がる円錐テーパ状に形成されたエアリングを成形ダイの上方に環状吐出口と同心に配設することによって構成している。
エアリングの内周面には、環状吐出口と同心に、樹脂バブルを冷却するための冷却用エアの吹き出しを行う環状エア吹出口を形成するとともに、この環状エア吹出口の上方に、径方向に水平に延びた後上方に向かって傾斜する底面とこの底面と繋がり垂直に上方に延びる壁面とを有し、底面の内側端部と壁面の上端部とを結んで形成される前記エアリングの内周面と底面と壁面とによって囲まれて円環状の圧力室が形成される。そして、この上方に向かって傾斜する底面の少なくとも一部が側断面視においてエアリングの内周面とほぼ平行になるように形成して、外部冷却装置を構成する。
【0011】
このような外部冷却装置によれば、環状エア吹出口から吹き出される冷却用エアは、エアリングの内周面と形成された樹脂バブルとの間を上方に向かって流れ、樹脂バブルの冷却を行うとともにエアリングの内周面方向への引き付けを行う。このとき、吹き出された冷却用エアは、圧力室内に流れ込むことにより流速が遅くなる。さらに、圧力室内に流れ込んだ冷却用エアが、圧力室から出てさらに上方に流れる(圧力室を通過する)に際し、傾斜しているエアリングの内周面とほぼ平行に形成された底面に沿って流れるためこの部分での冷却エアの流れの乱れを少なく抑えることができ、樹脂バブルの波打ちを生じることがない。
【0012】
また、圧力室の形状を上方に向かって傾斜する底面の少なくとも一部が側断面視において円弧状になるように形成したエアリングを設けて外部冷却装置を構成してもよい。このような形状の圧力室を形成した外部冷却装置においても、圧力室を通過する冷却用エアの流れの乱れを少なく抑えることができる。
【0013】
さらに、エアリングにおいて環状エア吹出口を上下に少なくとも二段形成し、少なくともこれら環状エア吹出口の間のいずれかに、底面の少なくとも一部がエアリングの内周面とほぼ平行か、もしくは断面形状が円弧状な環状の圧力室を階段状に並べて複数形成してもよい。
【0014】
このように構成された外部冷却装置によれば、下方に位置する環状エア吹出口の上方に圧力室が形成されるため、バブルを波打ち状態とさせやすい下方の環状エア吹出口からの冷却用エアの流速を速くせずに冷却に必要な風量を確保することができるとともに、下方の環状エア吹出口の上方の冷却用エアの流れの乱れを少なくすることができる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の好ましい実施例について図面を参照しながら説明する。図4には、本発明に係る外部冷却装置を備えたインフレーション成形装置を示している。このインフレーション成形装置は、インフレーション成形されるための樹脂材料(直鎖状低密度ポリエチレン樹脂等)が投入されるホッパ1と、このホッパ1に繋がり樹脂材料を溶融混練して押し出すスクリュー2aを備えた押出機2と、押出機2から溶融樹脂の供給を受けるスパイラルダイ3とを有して構成される。スパイラルダイ3には、リング状の押出リップ(環状吐出口)3a(図1参照)が形成されており、この押出リップ3aを通じて溶融樹脂がチューブ状樹脂バブル50として押し出される。
【0016】
樹脂バブル50の内側にはスパイラルダイ3の内部に形成された通路(図示せず)を通じてエアが吹き込まれ、これにより樹脂バブル50は径方向に膨張変形する。また、ダイ3の上部には、本発明に係る外部冷却装置10が取り付けられている。なお、この外部冷却装置10は、下段エアリング11をはじめ、上段エアリング12および第一,第二,第三,第四整流筒15,16,17,18によって構成され、上述のように膨張する樹脂バブル50を外側から空冷する。
【0017】
ここで、下段エアリング11について、図1および図2を用いて詳しく説明する。下段エアリング11は、ダイ3の上面に取り付けられ、ダイ3の押出リップ3aの外側近傍(下段エアリング11の内周面の下方)においてリング状に連続し、上方に向かって開口するエアリップ(環状エア吹出口)11aを有している。
【0018】
そして、この下段エアリング11に取り付けられた接続口13には、送風機(図示せず)が繋がれ、この送風機から冷却エアAが供給されることにより下段エアリング11の内部に形成された流路11mを通じてエアリップ11aから上方に向かって吹き出る。
なお、流路11m内には、複数の整流板11j,11k,11ιが配設されており、エアリップ11aから吹き出される冷却エアAの整流を行う。
【0019】
下段エアリング11の内周面は、エアリップ11aから上方に延びるとともに径方向外方に広がる円錐テーパ状に形成されており、この内周面には底面の少なくとも一部が下段エアリング11の内周面とほぼ平行な環状の圧力室21が形成されている。この圧力室21は、エアリップ11aのすぐ上に形成された下段圧力室21aと、この下段圧力室21aの上方に形成された中段圧力室21bと、この中段圧力室21bのさらに上方に形成された上段圧力室21cとから構成されている。
【0020】
下段圧力室21aは、底面11eと壁面11fに囲まれて形成されている。ここで、底面11eは径方向外方に水平に延びた後、上方に向かって傾斜し、垂直に上方に延びて形成された壁面11fに繋がっている。
この底面11eの傾斜角は、エアリップ11aの上端部および底面11eの内側端部の稜線11bと、下段圧力室21aの壁面11fの上端部および中段圧力室21bの底面11gの内側端部の稜線11cとを繋ぐ線R1の角度、すなわち、下段エアリング11の内周面の角度とほぼ平行となる角度で形成されている。
【0021】
また、中段圧力室21bの底面11gの傾斜角度も、稜線11cと稜線11dとを繋ぐ線R2の角度とほぼ平行に形成され、さらに上段圧力室21cの底面11iも同様の傾斜角度で形成されている。
なお、このように形成された下段エアリング11においては、内周面に三段の圧力室21a,21b,21cが形成されているため、内周面として存在する部分は各稜線部11b,11c,11dとなる。
【0022】
下段エアリング11の上部には、上段エアリング12が配設されている。上段エアリング12においても内部に流路12eが形成されており、この流路12eも一端が上方に向かって開口するエアリップ12aに繋がるとともに、他端が接続口14に繋がれている。この接続口14には、下段エアリング11の接続口13に繋がれる送風機とは異なる送風機(これも図示せず)が繋がれ、この送風機からエアAが供給されてエアリップ12aから上方に向かって吹き出る。
【0023】
エアリップ12aの上方には、径方向外方に水平に延びた底面12bが形成され、この底面12bの内側には内側壁面12cが垂直に上方に延びて形成されるとともに、底面12bの外側には外側壁面12dが垂直に上方に延びて形成されている。
【0024】
底面12b上には、第一整流筒15が外側壁面12dに沿って配設されている。この第一整流筒15の上端面15aは、下段エアリング11における各稜線部11b,11c,11dと直線もしくは方物線を描いて繋がるように、内側に傾斜して(いわゆる「面取り加工」されて)形成されている。
【0025】
このように構成された上段エアリング12においても、底面12b、内側壁面12c、および第一整流筒15で囲まれた第二圧力室22が形成される。なお、この第二圧力室22においては、第一圧力室13の構成と異なり、底面12bに傾斜は形成されていない。
【0026】
上段エアリング12の上部には、径方向外方に水平に延びてリング状に形成された整流筒支持板19が取り付けられており、この整流筒支持板19の上面における径方向の中間部近傍には、第一整流筒15よりも大きい径で形成された第二整流筒16が上方に延びて配設されている。また、この整流筒支持板19の外周端部には、第二整流筒16よりもさらに大きな径で形成された第三整流筒17が上方に延びて配設されている。
第三整流筒17の上端面17aには、底面18bを有して断面がL字状に形成された第四整流筒18が配設されている。
【0027】
第二整流筒16および第四整流筒18の上端面16aおよび18aも、第一整流筒15の上端面15aと同様に傾斜して形成されている。
また、第二整流筒16および第三整流筒17の下方には、外気給排孔16bおよび17bが複数個づつ形成されている。
【0028】
このように構成された整流筒15〜18においては、第一整流筒15と第二整流筒16との間に第三圧力室23が形成され、第二整流筒16と第三整流筒17との間に第四圧力室24が形成されるとともに、第四整流筒18で囲まれた空間に第5圧力室25が形成される。
【0029】
以上のように構成された外部冷却装置10においては、ダイ3から押し出されて膨張過程にある樹脂バブル50が上方に向かって移動する。このとき、樹脂バブル50の外周面は、各稜線11b,11c,11dおよび各整流筒15,16,18の上端面15a,16a,18aに近接して移動する。下段エアリップ11aおよび上段エアリップ12aから吹き出した冷却エアAは、バブル50の外周面に沿って上方に流れながらバブル50から熱を奪ってこれを冷却する。
【0030】
ここで、冷却エアAが各稜線11b,11c,11dおよび各上端面15a,16a,18aとの間の隙間を通過する際には、冷却エアAの流速が速くなるため、いわゆるベンチュリ効果によって樹脂バブル50が上下エアリング11,12および各整流筒の上端面15a,16a,18aに引き付けられる。これにより、樹脂バブル50は、上下エアリング11,12および各整流筒15,16,18が位置する径方向複数箇所(図1中にBで示した箇所)において安定良く支持されることになる。なお、冷却エアAは、第四整流筒18の上端面18aと樹脂バブル50との間の隙間を通って、外部冷却装置10の外側に排出される。
【0031】
ダイ3から押し出された直後の樹脂バブル50は、十分な冷却が行われていないため、下段エアリップ11aから吹き出された冷却用エアAによって形状が不安定になって波打ち状態となり易く、冷却用エアAの流れが速過ぎたり乱れていたりすると特に波打ち状態となり易い。このため、本外部冷却装置10においては、前記のように下段エアリップ11aの上方に形成される圧力室21における底面の形状を斜面とすることにより、冷却用エアAの流速を落とすとともに流れの乱れを抑えるようにしている。
【0032】
すなわち、下段エアリップ11aから吹き出された冷却用エアAは、まず第一圧力室21における下段圧力室21aに流入する。ここで、下段圧力室21a内に流入した冷却用エアAは、矢印で示すように底面11eの傾斜に沿って稜線11cに向かって上方に流れる。これにより、下段圧力室21a内に流入した冷却エアAは、流速が低下し、且つ、下段圧力室21a内において流れが大きく乱れることがないため、樹脂バブル50が波打ち状態となることを防止する。
【0033】
下段圧力室21aを通って流れ出た冷却エアAは、稜線11cにおいて再度流速が速くなり、樹脂バブル50の引き付けを行う。そして、稜線11cを通過した冷却エアAは、中段圧力室21b内に流入することにより再度流速を落とした後、稜線11dを通過して上段圧力室21c内に流入する。
このように、各圧力室21a〜21c内においてエアの流れを乱すことなく流速を低下させるとともに、各稜線11b〜11dにおいて流速を速くすることにより、ダイ3から押し出された直後の樹脂バブル50を、波打ち状態とすることなく下段エアリング11の内周面に引き付けることができる。
【0034】
そして、上段圧力室21cから上方に流れた冷却エアAは、上段エアリップ12aから吹き出された冷却エアAとともに第二圧力室22に流入する。この第二圧力室22の底面12bは、前記のように傾斜は設けられていない。このため、第一圧力室21における冷却エアAの流れに比べて乱れが大きくなるが、第二圧力室22上を移動する樹脂バブル50は、下段エアリップ11aから吹き出される冷却エアによってある程度冷却されているため、波打ち状態となることがない。
【0035】
なお、詳細を後述するように、材料の特性等に応じて、この第二圧力室22においても底面12bの少なくとも一部を斜めに形成してもよいことはむろんである。
【0036】
上下のエアリップ11a,12aから吹き出された冷却エアAは、樹脂バブル50の外周面沿いに流れ、各整流筒15,16,18の上端面15a,16a,18aと樹脂バブル50との間を通る際に流速が速くなる。この流速の増大により、第三圧力室23〜第五圧力室25内が減圧状態となり、外気給排孔16aおよび17aから外気が吸引される。吸引された外気の一部は、樹脂バブル50の外周面沿いに流れる冷却エアAとともに上方に流れ、樹脂バブル50を効率よく冷却するとともに、波打ち状態とすることなく安定した状態で支持することができる。
【0037】
次に、図3を参照しながら他方の本発明に係る外部冷却装置30について説明する。この外部冷却装置30は、下段エアリング31の構成が異なるのみで、他の構成は前記の外部冷却装置10と同一の構成である。このため、下段エアリング31以外の構成部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0038】
下段エアリング31にも、接続口13が取り付けられており、流路31m内には、複数の整流板31j,31k,31ιが配設されている。そして、エアリップ31aから吹き出された冷却エアAは、第一圧力室41内に流入する。
この第一圧力室41も、上中下段の圧力室41a,41b,41cからなり、底面31e,31g,31iは、断面形状が円弧状となるように形成されている。そして、下段および中段の圧力室41a,41bにおいては、この底面31e,31fは壁面31f,31hに繋がっている。
【0039】
このように第一圧力室41が形成された下段エアリング31においては、下段エアリップ31aから吹き出される冷却エアAは、第一圧力室41において流速が落とされ、且つ、円弧状に形成された底面31e,31g,31iに沿って上方に流れるため、流れが大きく乱れるこがない。これにより、前記の下段エアリング11と同様に、形成された樹脂バブル50が波打ち状態とならずに冷却を行うことができるとともに、下段エアリング31の内周面への引き付けを行うことができる
【0040】
上記のように構成された下段エアリング11もしくは31を有した外部冷却装置10もしくは30を用いてインフレーション成形を行う場合、ダイ3から押し出された直後の状態が不安定な(波打ち状態となり易い)樹脂バブル50は、下段エアリップ11aのみから吹き出される冷却エアAによって冷却されるが、この冷却エアAは、第一圧力室21,41において流れが乱されることなく、かつ、適度な引っ張り力を生じさせるため、樹脂バブル50が波打ち状態となることもなく、インフレーションフィルムを成形することができる。
【0041】
そして、第一圧力室21,41上を通過して冷却されることにより若干状態が安定した樹脂バブル50は、上段エアリップ12aから吹き出される冷却用エアAによって波打ち状態となることもなく、大量の冷却エアAによってより効率よく冷却を行うことができるとともに、より大きな引っ張り力で各上端面15a,16a,18aに引っ張られる。このため、樹脂バブル50を形成する材料が溶融張力の弱い直鎖状低密度ポリエチレン樹脂等の材料であって単位時間当りのダイからの材料の押し出し量を多くした場合であっても、樹脂バブル50が波打ち状態となることなく、かつ、冷却を行うに十分な冷却エアAの供給を行うことができる。
【0042】
なお、上記の各実施例においては、第一圧力室21,41に底面が内周面とほぼ平行となるように傾斜したり断面形状を円弧状に形成した圧力室を、上中下段の三段に階段状に形成した場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、形成する樹脂バブルの材料の特性や押出量に応じて、四段以上の階段状や二段の階段状としてもよい。また、階段状に分けずに、第一圧力室21,41が一つの傾斜した底面もしくは円弧状の底面を有するように構成してもよい。
【0043】
さらに、上記の各実施例においては、下段エアリップ11aおよび上段エアリップ12aを有した外部冷却装置10,30において、両エアリップ11a,12aの間(下段エアリップ11aの上方)に、第一圧力室21,41を設けた場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
【0044】
例えば、下段エアリップ11aから吹き出す冷却エアのみで十分な樹脂バブルの冷却を行うことができる材料を用いた場合や、吐出量に設定した場合には、上段エアリップ12aは必ずしも設ける必要はない。
逆に、上段エアリップ12aから吹き出す冷却エアによっても波打ち状態となり易い材料等を用いた場合等においては、第一圧力室21,41と同様に形成した環状の圧力室を上段エアリップ12aの上方にも設けるようにしてもよい。
【0045】
なお、外部冷却装置として、上下方向に三段以上のエアリップを設けた構成としてもよく、この場合には、少なくともいずれかのエアリップの上方に第一圧力室21,41と同様に形成した環状の圧力室を設けるようにすればよい。
【0046】
また、上記の各実施例においては、下段エアリング11および上段エアリング12にそれぞれ異なる送風機から冷却用エアを供給することとしているが、一台の送風機から二系統の配管で各エアリング11,12に冷却用エアを供給するようにしたり、流路11m,12mの一部を連通させて一台の送風機から各エアリング11,12に冷却用エアを供給するようにしてもよい。
【0047】
さらに、上記の各実施例においては、上段エアリング12の上部に複数の整流筒15〜18を設けた構成としているが、本発明は、このような整流筒を有する外部冷却装置に限られるものではなく、成形される製品の幅が狭い場合等、形成する樹脂バブルの径が小さい場合には、整流筒は必ずしも設ける必要はない。
【0048】
また、形成する樹脂バブルの材料の特性に応じ、整流筒に代えて、下段エアリング11の内周面からその内周面が連続して上方に延びるとともに径方向外方に広がる円錐テーパ状に形成されたエアガイド(実公平5−13551号公報および、特公平4−66712号公報に記載されている外部冷却装置に用いられているテーパ状のエアガイドと同様に形成されたエアガイドであって、図5に示すエアガイド63と同様に形成されたもの)としてもよい。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の外部冷却装置では、樹脂バブルを冷却するための冷却用エアの吹き出しを行うための環状エア吹出口の上方に、底面の少なくとも一部を側断面視においてエアリングの内周面とほぼ平行にしたり、円弧状にした環状の圧力室を形成している。このため、樹脂バブルの冷却が十分に行われていない部分での冷却用エアの流れの乱れを抑えて流速を落とすことができ、かつ、冷却に必要な風量を確保することができるため、樹脂バブルを形成する材料が溶融張力の弱い樹脂材料であっても、環状エア吹出口の上方において樹脂バブルが波打ち状態とならないため、ダイからの材料の単位時間当りの押し出し量を多くすることができ、インフレーションフィルムの生産性の向上を図ることができる。
【0050】
さらに、エアリングにおいて環状エア吹出口を上下に少なくとも二段形成し、少なくともこれら環状エア吹出口の間のいずれかに、底面の少なくとも一部がエアリングの内周面とほぼ平行な環状の圧力室もしくは円弧状断面形状を有する圧力室を形成してもよく、このように構成した外部冷却装置によれば、冷却用エアの流速を速くせずに冷却に必要な風量を確保することができ、下方に位置する環状エア吹出口の上方に圧力室が形成されるため、バブルを波打ち状態とさせやすい下方の環状エア吹出口の上方の冷却用エアの流れの乱れを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る外部冷却装置の側面断面図である。
【図2】上記外部冷却装置における下段エアリング部の側面断面図である。
【図3】上記外部冷却装置における異なる構成の下段エアリング部の側面断面図である。
【図4】上記外部冷却装置を用いたインフレーション成形装置の構成図である。
【図5】従来の外部冷却装置の概略図である。
【符号の説明】
3 スパイラルダイ
10,30 外部冷却装置
11,31 下段エアリング
11a,31a エアリップ(環状エア吹出し口)
12 上段エアリング
15〜18 整流筒
50 樹脂バブル

Claims (3)

  1. インフレーション成形装置において、成形ダイの環状吐出口を通って上方に押し出されながら径方向外方に広がるチューブ状の樹脂バブルの外周面側に冷却エアを流して樹脂バブルを冷却する外部冷却装置であって、
    前記成形ダイの上方に前記環状吐出口と同心に配設され、内周面が前記環状吐出口の外周側から上方に延びるとともに径方向外方に広がる円錐テーパ状に形成されたエアリングを有し、
    前記エアリングの内周面に、樹脂バブルを冷却する冷却用エアの吹き出しを行うための環状エア吹出口が前記環状吐出口と同心に形成されるとともに、
    前記環状エア吹出口の上方に、径方向に水平に延びた後上方に向かって傾斜する底面とこの底面と繋がり垂直に上方に延びる壁面とを有し、前記底面の内側端部と前記壁面の上端部とを結んで形成される前記エアリングの内周面と前記底面と前記壁面とによって囲まれて円環状の圧力室が形成され、
    前記上方に向かって傾斜する底面の少なくとも一部が側断面視において前記エアリングの内周面とほぼ平行に形成されていることを特徴とする外部冷却装置。
  2. インフレーション成形装置において、成形ダイの環状吐出口を通って上方に押し出されながら径方向外方に広がるチューブ状の樹脂バブルの外周面側に冷却エアを流して樹脂バブルを冷却する外部冷却装置であって、
    前記成形ダイの上方に前記環状吐出口と同心に配設され、内周面が前記環状吐出口の外周側から上方に延びるとともに径方向外方に広がる円錐テーパ状に形成されたエアリングを有し、
    このエアリングの内周面に、樹脂バブルを冷却する冷却用エアの吹き出しを行うための環状エア吹出口が前記環状吐出口と同心に形成されるとともに、
    前記環状エア吹出口の上方に、径方向に水平に延びた後上方に向かって傾斜する底面とこの底面と繋がり垂直に上方に延びる壁面とを有し、前記底面の内側端部と前記壁面の上端部とを結んで形成される前記エアリングの内周面と前記底面と前記壁面とによって囲まれて円環状の圧力室が形成され、
    前記上方に向かって傾斜する底面の少なくとも一部が側断面視において円弧状に形成されていることを特徴とする外部冷却装置。
  3. 前記環状エア吹出口が上下少なくとも二段に形成され、
    複数の前記圧力室が、少なくともいずれかの各環状エア吹出口の間に階段状に並んで形成されていることを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載の外部冷却装置。
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