JP3699013B2 - 移動体通信無線基地局システム - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加入者密度の比較的低い地域のように有線の基地局の設置が困難な地域に特に有効な移動体通信無線基地局システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
無線を利用した通信が広範囲に普及しており、特にPHS(Personal Handyphone System)や携帯電話機の普及は著しいものがある。このような移動体無線には、無線通信を行うための移動体通信無線基地局が必要である。移動体通信無線基地局が移動体端末との間で通信をカバーするエリアの範囲は限定されている。したがって、移動体通信無線基地局を比較的高密度に配置する必要がある。
【0003】
図5は公衆網を利用した無線通信システムの要部を表わしたものである。このシステムは、公衆網201に接続された移動体通信交換局202とこの移動体通信交換局202と有線で接続された第1〜第Nの無線基地局2031〜203Nを備えている。このうちのたとえば第Nの無線基地局203Nは、無線エリア204内の移動体端末2081〜208Mと無線で通信を行うようになっている。したがって、第1〜第Nの無線基地局2031〜203Nを比較的高密度に地上に配置しようとすると、特に過疎地等でその設備に費用がかかるだけでなく、非効率的な利用形態とならざるを得ない。
【0004】
図6は、このような問題を解決するために提案された無線通信システムの一例を表わしたものである。特許第3090306号(特開平9−65420号公報)に開示されたこの提案では、交換機211に接続されたPHS基地局212のサービスエリア213内に第1のPHS基地局中継装置214を配置する。また、第1のPHS基地局中継装置214のサービスエリア215内に第2のPHS基地局中継装置216を配置する。このようにPHS基地局中継装置214、216を多段構成とすることで、最後に配置された第2のPHS基地局中継装置216のサービスエリア217は遠隔地等をカバーすることができる。すなわち、本来のPHS基地局212のサービスエリア213から外れたサービスエリア217内の移動体端末(PHS端末)218がPHS基地局212との間で無線による通信を行うことができる。
【0005】
図7は、PHS基地局中継装置が1つだけ存在する場合のPHS基地局と移動体端末との通信の様子を表わしたものである。すなわち図6における第2のPHS基地局中継装置216が存在しないより単純な例を示している。PHSのプロトコルでは、通話中の1バーストが5m秒で構成される。1バーストは8個のスロットに割り振られており、このうちの4個が下り用スロットであり、残りの4個が上り用スロットである。PHS基地局212と第1のPHS基地局中継装置214同士は互いにスロットを同期させ、第1のPHS基地局中継装置214と移動体端末218はこれとは別の体系で互いにスロットを同期させている。
【0006】
したがって、たとえばPHS基地局212がその下り方向の第1のスロットS1A-1を使用して第1のPHS基地局中継装置214に信号を送信したとすると、第1のPHS基地局中継装置214はその上り用のアンテナ214Aを使用してこのスロットで信号を受信する。そして、第1のPHS基地局中継装置214と移動体端末218との間で同期している下り方向の第1のスロットS1B-1を使用して下り用アンテナ214Bから信号を送信する。移動体端末218はこれを受信すると、上り方向の同一番号の第1のスロットS2B-1を使用して信号を第1のPHS基地局中継装置214に向けて送信する。第1のPHS基地局中継装置214はこれをそのスロットで下り用アンテナ214Bを使用して受信し、今度は第1のPHS基地局中継装置214との間で同期している上り方向の同一番号の第1のスロットS1B-1を使用して上り用のアンテナ214AからPHS基地局212へ送信することになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この提案の移動体通信無線基地局システムでは、それぞれ無線で通信を行う局または端末同士が独自にスロットの同期を行っている。このためPHS基地局中継装置214、216が縦続される段数が多くなればなるほど、これに伴って下り方向および上り方向の信号の遅延が増大してしまうという問題があった。
【0008】
一方、PHS基地局中継装置は過疎地に配置される可能性が高いものの、この提案のシステムでは電源の供給についての特別の配慮がされていない。従来通り無線基地局や移動体通信交換局から給電を行うという手法もあるが、PHS基地局中継装置が多段接続されてこれらの局からの距離が長くなると、電源供給のための線路の電圧降下が著しくなって、効率的な電力供給ができなくなるという問題がある。この点に関しては、特開平10−336094号公報にイベント会場や臨時の工事現場で使用する太陽電池を備えた衛星通信用の基地局の開示があるが、常設される中継装置としては不十分なものである。
【0009】
そこで本発明の目的は、交換機と接続された無線基地局と移動体端末との間に他の無線基地局あるいは中継局が介在する場合でも信号の遅延を最小限に抑えることのできる移動体通信無線基地局システムを提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、このような信号遅延を最小限に抑えると共に、前記した他の無線基地局あるいは中継局の電力供給を交換機側の設備に頼ることなく安定して行うことのできる移動体通信無線基地局システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、(イ)移動体用の交換局に接続され、無線スロット単位で信号の送受信を行う交換機側無線基地局と、(ロ)サテライトゾーンとしての所定のエリア内に存在する移動体端末と無線で通信を行う基地局としてのサテライト無線基地局と、(ハ)交換機側無線基地局およびサテライト無線基地局の間を中継する基地局であって、2種類の周波数の信号を選択的に出力する信号選択手段と、受信した信号の周波数を、この信号選択手段を用いて異なった周波数の信号に変換して無線スロットに同期させることなくそのまま送信信号に変換して移動体端末の方向としての下り方向あるいは交換機側無線基地局の方向としての上り方向に順次送信し、受信した信号を交換機側無線基地局に送信する場合には信号選択手段を用いて周波数の異なる送信信号に変換後に無線スロットに同期させて順次送信する送受信手段と、それぞれ上り方向および下り方向の中継の対象となるあらかじめ定められた局の方向を向き、信号の送信と受信を切り替える2つのアンテナとを備えた複数の中継無線基地局とを移動体通信無線基地局システムに具備させる。
【0012】
すなわち請求項1記載の発明では、交換機側無線基地局からサテライト無線基地局のサテライトゾーンに存在する移動体端末に下り方向の信号の送出を行う場合に、途中に中継のために存在する中継無線基地局およびサテライト無線基地局が受信した信号を無線スロットに同期させることなくそのまま送信信号に変換して、かつ信号選択手段で他の周波数の信号に変換して順次送信することにしている。また、移動体端末から上り方向に送出される信号も、交換機側無線基地局へこの信号を直接送出する中継無線基地局までは、それぞれの局が受信した信号を無線スロットに同期させることなく信号選択手段で他の周波数の信号に変換して順次送信することにしている。受信した信号を交換機側無線基地局に送信する場合には信号選択手段を用いて周波数の異なる送信信号に変換後に無線スロットに同期させて送信するが、これ以外の場合には無線スロットに同期させて信号を送出する信号処理を行わないので、中継の段数が多くなっても信号の遅延を最小限にすることができる。また、複数の中継無線基地局では、それぞれ上り方向および下り方向の中継の対象となるあらかじめ定められた局の方向を向いた2つのアンテナを使用して送受信兼用としている。
【0015】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の移動体通信無線基地局システムで、サテライト無線基地局および中継無線基地局のいずれかは、電源の全部または一部に太陽電池を使用していることを特徴としている。
【0016】
すなわち請求項2記載の発明では、請求項1記載の移動体通信無線基地局システムのサテライト無線基地局あるいは中継無線基地局の電源の全部または一部として太陽電池を使用することにしている。これにより、これらの局が交換機から地理的に離れた位置に存在しても、電力の供給を確保することができる。
【0017】
請求項3記載の発明では、請求項1記載の移動体通信無線基地局システムで、サテライト無線基地局および中継無線基地局のいずれかは、電源の全部または一部に商用電源を使用していることを特徴としている。
【0018】
すなわち請求項3記載の発明では、請求項1記載の移動体通信無線基地局システムのサテライト無線基地局あるいは中継無線基地局の電源の全部または一部が商用電源を使用することで、交換機から地理的に離れた位置に存在する場合のこれらの間の電源用の線路の敷設が不要になり、設備費用の低減と効率的な電力供給を実現することができる。
【0021】
請求項4記載の発明では、請求項1記載の移動体通信無線基地局システムで、サテライト無線基地局および中継無線基地局は、指向性の強いアレーアンテナを使用していることを特徴としている。
【0022】
すなわち請求項4記載の発明では、サテライト無線基地局および中継無線基地局が、指向性の強いアレーアンテナを使用することで電波の届く距離を増大させ、中継に要する設備の低減によるコストダウンを図ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
【0024】
【実施例】
以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【0025】
図1は本発明の一実施例における移動体通信無線基地局システムの構成を表わしたものである。このシステムは、公衆網101に接続された移動体通信交換局102とこの移動体通信交換局102と有線で接続された第1〜第Nの無線基地局1031〜103Nを備えている。このうちの第Nの無線基地局103Nは、第1のサテライト中継無線基地局104との間で無線による通信を行うようになっている。第1のサテライト中継無線基地局104は、第2のサテライト中継無線基地局105に対して無線による中継を行うようになっており、第2のサテライト中継無線基地局105はサテライト無線基地局106に対して無線による中継を行うようになっている。サテライト無線基地局106は、サテライトゾーン107内の移動体端末1081〜108Mとの間で無線による通信を行うようになっている。このように移動体端末1081〜108Mは、第1および第2のサテライト中継無線基地局104、105を中継して第Nの無線基地局103Nとの間で無線通信を行うので、中継による信号の遅延が問題となってくる。
【0026】
図2は、本実施例で使用される第1のサテライト中継無線基地局の構成を表わしたものである。この図に示した第1のサテライト中継無線基地局104と、図1に示した第2のサテライト中継無線基地局105ならびにサテライト無線基地局106は基本的に同一の構成となっている。そこで、第2のサテライト中継無線基地局105ならびにサテライト無線基地局106については、これらの構成の説明を省略する。
【0027】
さて、第1のサテライト中継無線基地局104は、上りの装置との間で送受信を行う上り用アンテナ111と、下りの装置との間で送受信を行う下り用アンテナ112の2つのアンテナを備えている。ここで「上り」とはサテライトゾーン側から図1に示した第Nの無線基地局103Nに向かう電波の方向をいい、「下り」とはこの逆の方向をいう。上り用アンテナ111は、アンテナ切替スイッチ113の第1の切替接点114に接続されており、下り用アンテナ112は第2の切替接点115に接続されている。このアンテナ切替スイッチ113は第1および第2の可動接片116、117を備えており、それぞれが第1および第2の切替接点114、115のいずれか一方に選択的に接続可能になっている。
【0028】
このうち第1の可動接片116は、受信部119のアンプ121の入力側に接続されている。アンプ121は受信した信号を増幅するためのものである。増幅された信号は第1のミキサ122によって発振部123の選択した周波数の信号と混合され、バンドパスフィルタ124で所定の帯域の信号のみが変復調部125に送られる。バンドパスフィルタ124は隣接チャネルとの特性、感度、スプリアス特性等を満足させるために設けられている。発振部123は、第1および第2の発振器127、128を配置しており、受信側スイッチ129によってこれらのうちのいずれかの発振出力を選択するようになっている。
【0029】
変復調部125は図示しないCPU(中央処理装置)およびROM(リード・オンリ・メモリ)ならびにRAM(ランダム・アクセス・メモリ)等を備えたCPUメモリ部126によって制御されるようになっている。この変復調部125は、受信した信号を復調すると共に、送信のために変調し、第2のミキサ132に送り出す。送信部131内の第2のミキサ132はπ/4だけ位相をシフトさせると共に第2のローカル周波数と送信信号の作成を行う。第3のミキサ133は既に説明した第1および第2の発振器127、128のいずれかの発振出力を入力して混合し、第2のミキサ132の出力する信号を所定の送信周波数まで引き上げると共に、第1のローカル周波数と合成するようになっている。第3のミキサ133の出力は複数段接続されたアンプ134によって増幅された後、第2の可動接片117に出力される。この状態で第2の可動接片117は第2の切替接点115と接続されており、増幅後の送信信号は下り用アンテナ112から送出されることになる。
【0030】
なお、これとは逆に下り用アンテナ112から信号が受信された場合、この信号は第1の可動接片116を介して前記した受信部119に送られる。このとき、送信部131から送り出される信号は第2の可動接片117から第1の切替接点114に送られ、上り用アンテナ111から送出されることになる。
【0031】
第1のサテライト中継無線基地局104は、図1に示した第Nの無線基地局103Nや移動体通信交換局102のような局から直接給電されることが困難な場合が多い。これは、これらの局との間の距離が大きく離れているために、電源供給のための線路が存在しない場合が多いことと、このような線路を特別に設けたとしても、線路抵抗が大きくなって電圧降下が著しく、効率的な電力供給ができないおそれがあるからである。そこで、第1のサテライト中継無線基地局104を動作させるための電源135には、特別の配慮がされている。まず、第1のサテライト中継無線基地局104には太陽電池136が備えられていると共に、これによって得られた電気を蓄えるバッテリ137が備えられている。これにより、晴れている日の日中は太陽電池136で電力をまかなうことができる。また、夜間や曇った日等のように太陽電池136の電力に頼ることができない場合や太陽電池136のみでは十分な電力を得ることができない場合には、昼間の余剰の電気を充電したバッテリ137が活用されるようになっている。また、電源135は商用電源用のコンセント138を備えており、周囲に何らかの家庭用の電源あるいは非常用の電源がある場合には、これを利用できるようになっている。バッテリ137は太陽電池136だけでなく、このような電源からも必要に応じて充電できるようになっていてもよい。
【0032】
第2のサテライト中継無線基地局105およびサテライト無線基地局106も、電力の供給について第1のサテライト中継無線基地局104と同様の状況にある場合が多い。そこで、電源の供給に関する回路についても第1のサテライト中継無線基地局104と同様の配慮がされている。
【0033】
ところで本実施例での移動体通信無線基地局システムでは、PHS(Personal Handyphone System)の無線プロトコルを使用して無線通信を行う。図1に示した第1のサテライト中継無線基地局104は、第Nの無線基地局103Nから制御チャネルの電波を受信し、無線区間でのスロットタイミングの同期合わせを行って、下り方向の信号についてその受信すべきスロット位置を把握する。そして、該当するスロットでの下り制御チャネルの電波を受信すると同時に、この受信した信号を受信した周波数と異なった周波数で下り方向に送信する。これは、PHSで使用されている高速ハンドオーバの技術と同様に異なった周波数を使用することで高速処理を可能にするためである。
【0034】
第1のサテライト中継無線基地局104の送信した電波は、サテライト無線基地局105で受信される。サテライト無線基地局105は受信したタイミングでスロットタイミングの同期合わせを行う。そして、下り方向における受信すべきスロット位置を把握して、第1のサテライト中継無線基地局104と同様に下り方向の送信を行う。
【0035】
以上、第Nの無線基地局103Nが下位のサテライト中継無線基地局104、105に下り方向の送信を行う例を説明したが、第1〜第(N−1)の無線基地局1031〜103N-1と図示しない下位のサテライト中継無線基地局の間の通信も同様である。これらの場合にも、第1〜第(N−1)の無線基地局1031〜103N-1は、自分自身のスロットタイミングを把握しながら、サテライト中継無線基地局(図示せず)に制御チャネルの電波を送信して、サテライトゾーンへの制御チャネルの送信が行われる。
【0036】
ところで、それぞれのサテライト中継無線基地局104、105等は自分自身が対応する無線基地局103およびサテライト無線基地局106に対して、何番目に中継する中継基地であるかを予め知っている。また、1つの中継無線基地局での電波の受信から送信までの遅延時間は、たとえば25μ秒というようにその基地局での回路構成で決まってくる値である。各基地局104〜106は受信した信号をこれら固有の遅延時間で次の局に送信する。このため、下り方向の信号の受信タイミングによって、上り方向の信号の受信タイミングも把握することができる。そこで、それぞれのサテライト中継無線基地局104、105等は、時間的な受信窓すなわち受信タイミングの時間幅を仮に設定することができ、上り方向の受信に備えることができる。そして、実際に受信が行われたときには、無線区間での伝送遅延も含めて微調整を行い、最終的な受信窓を決定することにしている。
【0037】
前記したようにPHSのプロトコルでは、通話中の1バーストが5m秒で構成される。1バーストは8個のスロットに割り振られており、このうちの4個が下り用スロットであり、残りの4個が上り用スロットである。通常の場合、下り用に第1スロットを使用した場合には上り用にも第1スロットを使用するように決められている。
【0038】
図3は、第Nの無線基地局が第1のスロットを使用して通信を行う場合を例に挙げて、第1の移動体端末との間の伝送タイミングを表わしたものである。第Nの無線基地局103Nが下り方向の第1のスロットS1-1を使用して第1の移動体端末1081に対する信号を送信したとする。この信号は第Nの無線基地局103Nから第1のサテライト中継無線基地局104との間の第1の無線区間141の間を伝送されて第1のサテライト中継無線基地局104で受信される。
【0039】
第1のサテライト中継無線基地局104はこれを受信すると共に周波数を変更して、第2のサテライト中継無線基地局105との間の第2の無線区間142の間でこれを送信する。第2のサテライト中継無線基地局105は同様にこれを受信して周波数を変更し、サテライト無線基地局106との間の第3の無線区間143の間でこれを送信する。サテライト無線基地局106は同様にこれを受信して周波数を変更し、サテライトゾーン107内の移動体端末1081〜108Mとの間の第4の無線区間144の間でこれを送信することになる。このとき、太線の矢印で示したように信号は1バーストの半分の2.5m秒の区間内で順次遅延して伝送されることになる。すなわち各基地局104〜106は下り方向の信号のビット同期自体はとっているが、受信した信号を送信するときにスロットに同期させて送信を行ってはおらず、これを遅延されたそのままの状態で、次の区間に送信している。
【0040】
ところで、第Nの無線基地局103Nから第1〜第4の無線区間141〜144を伝送された電波を受信する第1の移動体端末1081は、通信を直接行うサテライト無線基地局106を、あたかも第Nの無線基地局103Nのように認識している。すなわち、第Nの無線基地局103Nから直接、第1のスロットS1-1を使用して信号が送信されたものと認識している。したがって、第1の移動体端末1081が上り方向の送信を行う場合には、通常の通信の場合と同様に上り方向の第1のスロットを使用して第4の無線区間144に送信を行う。このとき、図3に示すように受信した信号に対して送信する信号は1バーストの半分の2.5m秒遅延している。
【0041】
第1の移動体端末1081から上り方向に送信された信号は、サテライト無線基地局106で受信され、周波数変換されて第2のサテライト中継無線基地局105に送信される。以下同様に順次固有の遅延時間で遅延されながら第2のサテライト中継無線基地局105から第1のサテライト中継無線基地局104へ、また第1のサテライト中継無線基地局104から第Nの無線基地局103Nへと送信される。ただし、第1のサテライト中継無線基地局104は第Nの無線基地局103Nと接続する必要から、第2のサテライト中継無線基地局105から送られてきた信号が第1のスロットS2-1にタイミングを合わせて送出するようにしている。これは、各中継によって生じた遅延のままで信号を第Nの無線基地局103Nに向けて送信すると、これが上り方向の第2のスロットS2-2あるいは第3のスロットS2-3に食い込んでしまって、接続が成立しなくなるためである。そこで、第1のサテライト中継無線基地局104は次の第1のスロットS2-1の送出タイミングまで信号を遅延させて、これを第Nの無線基地局103Nに送出することになる。
【0042】
なお、本実施例では下り方向の受信を基にして下り方向の送信を行う際には、上り方向の受信を基にして上り方向の送信を行う処理との同時動作で、周波数の変更を行い送信する機能を有している。
【0043】
また、サテライト無線基地局106はサテライトエリア範囲の状況に応じて、指向性のないアンテナを使用したり、指向性の強いアンテナを使用する等のアンテナの使い分けを行い、サービスエリアの効率的な拡大を図っている。一方、第1および第2のサテライト中継無線基地局104、105は中継距離を伸ばす必要から指向性の強いアレーアンテナ等のアンテナを備えている。
【0044】
以上説明したように本実施例では、第1〜第Nの無線基地局1031〜103Nと移動体端末1081〜108Mとの間にサテライト中継無線基地局104、105やサテライト無線基地局106等のサテライト局が存在する場合に、それぞれの局で受信した信号の周波数を変えて送信することにしたので、遅延の少ない信号による応答性の良い通信が可能になる。
【0045】
図4は本発明の変形例を示したものである。この変形例で移動体通信無線基地局システムの構成は図1に示したものと同一であり、第1のサテライト中継無線基地局104と、第2のサテライト中継無線基地局105ならびにサテライト無線基地局106は図2に示したような構成となっている。そこで、図4で先の実施例の図1等と同一部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。
【0046】
図4に示した変形例の場合には、サテライト中継中の無線通信でスロットの有効利用を高める工夫をしている。第Nの無線基地局103Nと第1の移動体端末1081との間の通信を例に説明すると、このためにこれらの間に配置された第1、第2のサテライト中継無線基地局104、105およびサテライト無線基地局106が第Nの無線基地局103Nとスロットタイミングの同期を図っている。たとえば第1のサテライト中継無線基地局104は、第Nの無線基地局103Nから送られてくる制御チャネルの電波を受信し、無線区間でのスロットタイミングの同期合わせを行って、下り方向の信号についてその受信すべきスロット位置を把握する。そして、この下り方向の制御チャネルの該当スロット(下り方向の第1のスロットS1-1)の受信を行う。受信したデータについては、図示しない回路部分で受信データ中に挿入されているCRC(Cyclic Redundancy Check)ビットを使用してエラーのチェックを行う。エラー無しとされた場合には、次のスロットとしての下り方向の第2のスロットS1-2のタイミングでこの信号の送信を行う。
【0047】
第2のサテライト中継無線基地局105も同様に無線区間でのスロットタイミングの同期合わせを行って、下り方向の信号についてその受信すべきスロット位置を把握している。そして受信した信号を基にして、次のスロットとしての下り方向の第2のスロットS1-3のタイミングでこの信号の送信を行う。このように下位の中継局が順次、受信と送信を行い、そのたびに1つずつタイムスロットをずらして信号の送出を行う。そして目的とするサテライトゾーン107をカバーするサテライト無線基地局106からサービスのための無線電波の送信が行われる。
【0048】
この変形例の移動体通信無線基地局システムでは、サテライト中継無線基地局104、105およびサテライト無線基地局106が、自分自身が中継基地局の上から何番目で下から何番目に位置するかを予め知っている。そして下り方向のスロット位置からこれに対応する上り方向の受信信号のスロット位置の推測を行うようになっている。また、第1の移動体端末1081から送られてくる制御チャネルの上り信号に対する全スロット受信を行い、上り受信スロットの位置の再確認とタイミング調整作業を行うようになっている。
【0049】
第1の移動体端末1081からサテライト無線基地局106に送られてくる上り方向の信号については、下り方向と同様に受信してそのデータのチェックが行われる。そして、1スロットだけずらして第2のサテライト中継無線基地局105へ向けて信号が送信される。この例では上り方向の第4のスロットS2-4の信号を受信したので、次のバーストの上り方向の第1のスロットS2-1のタイミングで信号が第2のサテライト中継無線基地局105に送り出される。以下同様にして順次スロットが1つずつ、あるいは同一のバーストに先の信号が存在するような場合には次のバーストまで遅延される等の処理が行われて各スロットに同期して信号が上り方向に送信されていく。
【0050】
図4で示したこの変形例の移動体通信無線基地局システムの場合には、全スロットを使用して信号の中継が可能であり、通話回線の有効利用を図ることができる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、交換機側無線基地局からサテライト無線基地局のサテライトゾーンに存在する移動体端末に下り方向の信号の送出を行う場合に、途中に中継のために存在する中継無線基地局およびサテライト無線基地局が受信した信号を無線スロットに同期させることなくそのまま送信信号に変換して順次送信する一方、移動体端末から上り方向に送出される信号も、交換機側無線基地局へこの信号を直接送出する中継無線基地局までは、それぞれの局が受信した信号を無線スロットに同期させることなくそのまま送信信号に変換し、かつ受信時の周波数とは異なった周波数で順次送信することにしたので、送受信に生じる遅延時間を大幅に短縮することができ、自然な会話やデータ等に対する迅速な応答が可能になる。また、受信した信号を交換機側無線基地局に送信する場合には信号選択手段を用いて周波数の異なる送信信号に変換後に無線スロットに同期させて送信するが、これ以外の場合には無線スロットに同期させて信号を送出する信号処理を行わないので、中継の段数が多くなっても信号の遅延を最小限にすることができる。更に、2種類の周波数の信号を選択的に出力する信号選択手段を用い、受信した信号の周波数と送信する信号の周波数を異ならせることにしたので、発振器の周波数の安定するまでの時間を待機する必要がなく、信号の迅速な処理が可能になる。
【0053】
また請求項2記載の発明によれば、サテライト無線基地局および中継無線基地局のいずれかは、電源の全部または一部に太陽電池を使用するので、線路の障害や電圧降下に基づく不具合の発生を心配する必要がなく、電源供給の信頼性を向上させることができる。
【0054】
更に請求項3記載の発明によれば、サテライト無線基地局および中継無線基地局のいずれかは、電源の全部または一部に商用電源を使用しているので、交換機から遠く離れた場所であっても、近くに民家があったり送電設備が配置されていればこれを利用することができ、設備費用の低減と効率的な電力供給が可能になる。
【0056】
また請求項4記載の発明によれば、サテライト無線基地局および中継無線基地局が、指向性の強いアレーアンテナを使用するので、電波の届く距離を増大させ、中継に要する設備の低減によるコストダウンを図ることができるだけでなく、ノイズの軽減にも寄与することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における移動体通信無線基地局システムの構成を表わしたシステム構成図である。
【図2】本実施例で使用される第1のサテライト中継無線基地局の構成を表わしたブロック図である。
【図3】本実施例で第Nの無線基地局が第1のスロットを使用して通信を行う場合における第1の移動体端末との間の伝送タイミングを表わした説明図である。
【図4】本発明の変形例における第Nの無線基地局と第1の移動体端末との間の伝送タイミングを表わした説明図である。
【図5】公衆網を利用した従来の無線通信システムの要部を示したシステム構成図である。
【図6】従来提案された無線通信システムの一例を表わしたシステム構成図である。
【図7】図6に示した提案でPHS基地局中継装置が1つだけ存在する場合のPHS基地局と移動体端末との通信の様子を表わした説明図である。
【符号の説明】
103 無線基地局
104 第1のサテライト中継無線基地局
105 第2のサテライト中継無線基地局
106 サテライト無線基地局
107 サテライトゾーン
108 移動体端末
111 上り用アンテナ
112 下り用アンテナ
119 受信部
123 発振部
125 変復調部
131 送信
135 電源
136 太陽電池
137 バッテリ
138 商用電源用のコンセント

Claims (4)

  1. 移動体用の交換局に接続され、無線スロット単位で信号の送受信を行う交換機側無線基地局と、
    サテライトゾーンとしての所定のエリア内に存在する移動体端末と無線で通信を行う基地局としてのサテライト無線基地局と、
    前記交換機側無線基地局およびサテライト無線基地局の間を中継する基地局であって、2種類の周波数の信号を選択的に出力する信号選択手段と、受信した信号の周波数を、この信号選択手段を用いて異なった周波数の信号に変換して前記無線スロットに同期させることなくそのまま送信信号に変換して前記移動体端末の方向としての下り方向あるいは前記交換機側無線基地局の方向としての上り方向に順次送信し、受信した信号を前記交換機側無線基地局に送信する場合には前記信号選択手段を用いて周波数の異なる送信信号に変換後に前記無線スロットに同期させて順次送信する送受信手段と、それぞれ前記上り方向および下り方向の中継の対象となるあらかじめ定められた局の方向を向き、信号の送信と受信を切り替える2つのアンテナとを備えた複数の中継無線基地局
    とを具備することを特徴とする移動体通信無線基地局システム。
  2. 前記サテライト無線基地局および中継無線基地局のいずれかは、電源の全部または一部に太陽電池を使用していることを特徴とする請求項1記載の移動体通信無線基地局システム。
  3. 前記サテライト無線基地局および中継無線基地局のいずれかは、電源の全部または一部に商用電源を使用していることを特徴とする請求項1記載の移動体通信無線基地局システム。
  4. 前記サテライト無線基地局および中継無線基地局は、指向性の強いアレーアンテナを使用していることを特徴とする請求項1記載の移動体通信無線基地局システム。
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