JP3697612B2 - 近距離視力検査具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、近視、遠視、老眼、弱視、白内障患者等、各種の被検者の視力を検査する際に好適な近距離視力検査具に関する。
【0002】
【従来の技術】
近距離視力検査として、被検者自身に近距離視力表を持たせ、被検者の眼から30cmまたは50cmの距離に近距離視力表を位置させ、視力表に印刷された大きさの異なるランドルト環等の視標を、被検者が視認できるか否かにより視力を判定する視力検査が行われている。
【0003】
この種の近距離視力検査に使用される視力表は、従来、基準となる視力値1.0の視標として、直径0.75mm(検査距離50cmの場合)のランドルト環が印刷され、その下にそれより徐々に小径となる視力値1.2、1.5・・の視標が印刷され、さらにその上にそれより徐々に大径となる視力値0.9、0.8・・の視標が印刷されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近距離視力検査は、被検者自身がその近距離視力表を手に持って、その視標を見ながら検査するものであるが、被検者から視標までの距離は、30cmまたは50cmと、予め決められた距離を保持することが、正確な視力検査を行なうために重要である。しかしながら、被検者自身がその近距離視力表を手に持って、視力表の視標を見ながら検査するものであるため、被検者は、検査中に視標が見にくくなると、徐々に視力表を眼に近づけたり或は遠ざけたりして、検査距離が設定値からはずれてしまい、正確な視力検査ができにくくなる問題があった。
【0005】
また、視標が所定の正しい照度で照明されていることが正確な視力検査を行うためには重要であるが、近距離視力表は被検者が手に持って検査を行うため、検査室の照明器具つまり室内の光源に対する近距離視力表の角度にばらつきが生じる。このために、光源に対する視力表の角度によっては、視力表が適正な照度で照明されないことがあり、そのような場合には、正確な視力検査ができにくくなる問題があった。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、近距離視力表を適正な明るさで照明して、正確な近距離視力検査を行うことができる近距離視力検査具を提供することを目的する。さらに他の目的としては、被検者の眼と視力表間の距離を予め決められた距離に保持して、正確な視力検査を行なうことができる近距離視力検査具を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の近距離視力検査具は、被検者の眼から所定の近距離だけ離して近距離視力表を提示し、被検者が該近距離視力表の視標を視認できるか否かに基づき被検者の視力を検査する近距離視力検査具であって、近距離視力表は、透明フィルム上に視標を形成した視標シートと、視標シートの背面に配設されたシート状の面発光素子とを有し、中央縦折線を介して左右に開閉可能な扉表紙の内側に近距離視力表が配設され、近距離視力表は、複数枚が扉表紙の内側に綴じ込まれた複数の各頁紙に貼着され、扉表紙の内側で視力検査のために開かれたページを検出する開ページ検出装置が設けられ、開ページ検出装置が検出したページの近距離視力表の背面の面発光素子を点灯させる点灯制御手段が設けられたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項のように、上記近距離視力検査具においては、近距離視力表から被検者の眼までの検査距離を測定する検査距離測定装置が設けられ、検査時に、近距離視力表から被検者の眼までの距離が所定の検査距離であることを該検査距離測定装置が測定したとき、近距離視力表の背面の面発光素子を点灯する点灯制御手段が設けられた構成とすることができる。
【0010】
さらに、請求項のように、上記近距離視力検査具において、上記扉表紙の内部に、面発光素子を点灯する駆動回路及びその電源としての電池を配設することができる。さらに、請求項のように、扉表紙及び近距離視力表を開いて載置可能な載置台を設けることができる。
【0011】
【作用】
このような近距離視力検査具は、近視、遠視、老眼、弱視、白内障患者等の被検者に対し例えば30cmまたは50cm等の近距離での視力検査を行なう際に使用される。近距離視力表は中央縦折線を介して左右に開閉可能な扉表紙の内側に配設されているため、検査する際には、被検者が自身で検査具を持ってあるいは載置台に載置して扉表紙を開き、その内側の近距離視力表を被検者の目の位置に合わせて、被検者の眼と視力表との距離を所定の近距離にセットする。
【0012】
すると、近距離視力表の背面に配設された面発光素子が点灯し、視標シート上の視標が背面から照明され、検査を行う。検査人は被検者に視力表上の例えばランドルト環視標の開口方向を聞き、その回答に基づき、近距離視力を測定する。一般に、この種の近距離視力検査は、被検者が検査具を持って視力検査を行うため、検査室の照明器具によって近距離視力表を照明する場合には、近距離視力検査具の角度によって、近距離視力表上の照度が異なり、或いは視力表の角度によってはその表面から照明光が反射し、視力検査に影響を与える場合がある。しかし、本近距離視力検査具の場合、透明フィルム上に視標を形成した視標シートの背面から面発光素子により照明する構造であるから、近距離視力検査具の保持角度による照度不足、照明光の反射などの検査室の照明環境による悪影響を全く受けずに、所定の照度で視標を均一に且つ良好に照明し、正確な近距離視力検査を行うことができる。
【0013】
また扉表紙の内側に複数の頁紙を綴じ込み、その複数の各頁紙に近距離視力表を貼着して複数の視力表を備えた構造とし、扉表紙の内側で視力検査のために開かれたページを検出する開ページ検出装置を設け、開ページ検出装置が検出したページの近距離視力表の背面の面発光素子を点灯させるから、視標のコントラストなどが異なった複数種類の近距離視力表を見開き可能に扉表紙内に装着し、任意の近距離視力表を開いたとき、その視力表を自動的に照明表示することができる。
【0014】
また、請求項のように、近距離視力表から被検者の眼までの検査距離を測定する検査距離測定装置を設け、検査時に、検査距離測定装置の測定した近距離視力表から被検者の眼までの距離が予め設定した設定検査距離であったとき、近距離視力表の背面の面発光素子を点灯するように構成すれば、距離視力表から被検者の眼までの検査距離が適正な距離であるときのみ、背面照明が点灯し、検査距離が不適正な場合は背面照明が消灯するから、適正な検査距離を保持しながら正確な近距離視力検査を行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は近距離視力検査具の斜視図を示し、図2はその視力表を照明する電気回路の構成ブロック図を示している。
【0016】
この近距離視力検査具は、中央縦折線を介して左右に開閉可能な扉表紙7の内側に複数の頁紙8を綴じ込み、各頁紙8に近距離視力表1を貼着してブック式に構成され、その近距離視力表1は、写真用のポジフィルム(透明フィルム)2上に視標4が露光と現像によって形成されて、視標シートが形成され、さらにポジフィルム2の裏面に、バックライトとして面発光素子10を貼り付けて構成される。
【0017】
この視標シートとなるポジフィルム2上の視標4は次のように製作される。先ず、視標データ作成工程で、視標データを作成する。この視標データの作成工程は、画像作成用のプログラムを内蔵したコンピュータを備えた装置例えばデジタルイメージレコーダーにより行なわれ、デジタルイメージレコーダーのコンピュータの画面上で、所定の形状で大きさが順に異なるランドルト環の各視標4を作成する。画面の背景は白色、視標4は黒色で作成する。コンピュータの画面上で視標を作成するため、その光学濃度(コントラスト)は任意に且つ簡単に調整することができる。各視標4は、大きさが順に異なるランドルト環視標からなり、切れ目の位置は相違して形成される。
【0018】
次に、デジタルイメージレコーダーのコンピュータの画面上で作成された視標の画像、つまりCRT等の表示器に表示された視標の画像を、光学的に、ネガフィルム上に露光する。この露光工程はデジタルイメージレコーダーで行なうことができ、例えば、コンピュータの画面上で作成した視標の画像について、画面を形成するCRTの電子ビームを光学的に拡大してネガフィルム上に露光して行なう。或は、コンピュータの画面上で作成した視標の画像について、ドット単位でネガフィルム上に露光して行なう。このようなドット単位でネガフィルム上に視標の画像を露光する場合、ネガフィルム上には、例えば1500dpi-3000dpi と非常の高い解像度で視標の画像を露光することができる。
【0019】
ネガフィルム上に形成される視標の光学濃度(コントラスト)は、コンピュータの画面上で視標の画像を作成する段階で、任意の光学濃度に設定することができるが、ネガフィルムにその画像を露光する際、その露光時間を調整することにより、視標の光学濃度を調整することもできる。また、ここで使用するネガフィルムとしては、例えば、赤の感光域が長波長側に広がったパンクロマチックの感色性を持つ白黒のネガフィルムを使用することができる。
【0020】
次に、上記のように視標の画像を露光したネガフィルムを、所定の現像液に所定時間浸漬して、現像する。なお、現像処理の時間を調整することによっても、視標の光学濃度(背景に対するコントラスト)を調整することができる。
【0021】
次に、現像を終了したネガフィルムから、そのポジフィルムを作成する。このポジフィルムの作成工程は、上記のように視標の画像を露光し現像処理を施したネガフィルムに、例えば光を背後から照射して透過させ、それをレンズにより集光させることにより、ネガフィルム上の視標の画像を、ポジフィルム上に結像させ、ポジフィルムを露光することによって行なうことができる。ポジフィルムとしては、例えば、ポリエステルアセテートベースを使用し、極めて細かい粒子の乳剤をベースに塗布・形成した白黒フィルムを使用することができる。
【0022】
そして、上記のように視標4の画像を露光したポジフィルム2を、所定の現像液に所定時間浸漬して、現像する。上記と同様に、現像処理の時間を調整することによっても、視標の光学濃度(背景に対するコントラスト)を調整することができる。
【0023】
このようにして、透明フィルム状のポジフィルム2上に形成した視標4は、基準となる光学濃度が高くコントラストが高い視標の他に、光学濃度が中程度でコントラストが中程度の視標、及び光学濃度が低くコントラストの低い視標、つまり各種のコントラストの異なる視標を正確な光学濃度で作成することができ、このようなコントラストの異なる視標を使用することにより、視力の弱い白内障患者等の視力検査を正確に行なうことができる。
【0024】
近距離視力表1は、上記のように視標4を形成したポジフィルム2の背面に、バックライトとして面発光素子10を貼着して形成される(図3)。この面発光素子10は、高誘電率バインダー中に蛍光体を分散させた発光層を有するエレクトロルミネッセンス素子から構成され、例えば厚さ0.2〜0.3mm程度の薄いシート状に形成されている。
【0025】
このシート状の面発光素子10は、図4に示すように、塩化ビニルのシート状の保護層15の上に背面電極14が形成され、その背面電極14上に高誘電体からなる絶縁層13が形成され、その絶縁層13の上にZnSなどの蛍光体からなる発光層12が形成され、さらにその発光層12の上に透明電極11が形成されて、構成される。このような構成のエレクトロルミネッセンス素子を用いた面発光素子10は、例えば厚さ0.2〜0.3mm程度の非常に薄いシート状に形成され、発光色は視力表のバックライトとして最適な白色に近い乳白色に設定されている。また、面発光素子10が点灯しない状態での非発光色も乳白色に設定されている。
【0026】
このような面発光素子10を、視標4を形成したポジフィルム2の背面に貼着した構成の近距離視力表1は、図1に示すように、ブック式に形成され、扉表紙7の内側に綴じられた頁紙8の上に貼着される。扉表紙7は厚紙等を矩形に裁断し、その中央に縦折線を入れ、その縦折線を介して左右に開閉可能な表紙として形成され、扉表紙7の内側に複数の頁紙8が綴じられる。頁紙8の周囲には枠状のカバー枠9が近距離視力表1の周縁部をカバーするように接着されている。
【0027】
複数の各頁紙8には、異なったコントラストの視標4(ランドルト氏環或いは文字)を印刷した近距離視力表1が貼着される。コントラストの異なった視標を形成した複数の近距離視力表1は、視力の弱い白内障患者等の視力検査を正確に行なう際に必要であり、視標4としては、基準となる光学濃度が高くコントラストが高い視標の他に、光学濃度が中程度でコントラストが中程度の視標、及び光学濃度が低くコントラストの低い視標が使用される。
【0028】
エレクトロルミネッセンス素子の面発光素子10は、駆動回路17によって供給される交流電流により点灯駆動される。駆動回路17はインバータ回路から構成され、電源18から供給される直流を、例えば200Hz〜2kHzの交流に変換して出力するように構成される。エレクトロルミネッセンス素子の面発光素子10の発光輝度は、例えば、面積300cm2、電源電流100mA、電源電圧120Vrms、周波数500Hzの場合、約100cd/m2の輝度が得られる。
【0029】
視力検査に必要な標準視力検査装置の輝度は、500rLx±150(rLx=反射率×Lux)と規定され、視力表の照度は500〜1000Luxが目安とされており、バックライトの場合には、その輝度がそのまま視力表の照度となるから、このエレクトロルミネッセンス素子の面発光素子10をバックライトとして使用した場合、規定された照度で視力表を充分に照明することが可能である。また、当然ながら、エレクトロルミネッセンス素子等の面発光素子10からは、発光する平面全体から均一な面状発光が生じるため、近距離視力表1をその背面から均一に照明することができる。
【0030】
さらに、この近距離視力検査具には、扉表紙7を開き、検査に使用しようとする頁紙8を開いたときに、その開かれた頁紙8を検知し、その頁紙8の視力表1の面発光素子10を点灯するように制御する点灯制御回路16が設けられる。このために、点灯制御回路16には、開かれた頁紙8を検出するための開ページ検出装置20が接続される。
【0031】
開ページ検出装置20は、図5に示すように、扉表紙7内に頁数だけの光センサ22,23,24を並設し、各光センサ22,23,24は、開放された近距離視力表1の頁紙8の孔25を通して、上方からの光が入射するように配設される。すなわち、図5のように、第一ページ目の頁紙8には1個の孔25が光センサ22に対応した位置に穿設され、第二ページ目の頁紙8には2個の孔25,25が光センサ22,23に各々対応した位置に穿設され、第三ページ目の頁紙8には3個の孔25,25,25が光センサ22,23,24に各々対応した位置に穿設される。さらに、各光センサ22,23,24からの検出信号を入力処理する検出回路21が扉表紙7の内部に配設される。
【0032】
これにより、第一ページ目の近距離視力表1の頁紙8を開いたときには、各頁紙の孔25を通して光センサ22が光を受光して、そのページの開放を検出し、第二ページ目の近距離視力表1の頁紙8を開いたときには、2個の孔25を通して光センサ22と光センサ23が各々光を受光してそのページの開放を検出し、第三ページ目の近距離視力表1の頁紙8を開いたときには、各頁紙8の孔25を通して3個の光センサ22,23,24が光を受光し、その開かれたページを検出する。
【0033】
開ページ検出装置20は、このようにして検出した開ページを示す検出信号を点灯制御回路16に送り、点灯制御回路16は、その開ページを示す信号を入力して、その開かれたページの近距離視力表1のバックライトである面発光素子10を点灯制御するように動作する。
【0034】
なお、点灯制御回路16、駆動回路17、及び開ページ検出装置20には電源18から動作に必要な電源電流が供給されるが、電源18としては、商用電源を使用し、或いは電池を使用することができる。電源18として二次電池を使用すれば、携帯に便利であり、簡単に繰り返し使用することができる。電源18として二次電池を使用する場合、薄型の二次電池(例えば携帯電話機等に使用される小型のリチューム電池)を扉表紙7内に内蔵して使用することができる。
【0035】
このような近距離視力検査具は、近視、遠視、老眼、弱視、白内障患者等の被検者に対し30〜50cmの近距離での視力検査を行なう際に使用される。
【0036】
この近距離視力検査具は、図6に示すように、近距離視力表1がブック式に形成された扉表紙7に綴じ込まれた頁紙8に貼着されているので、検査する際には、検査人がこの扉表紙7内の任意の頁紙8を開いて被検者に持たせ、検査人が巻尺や物差しを使用して、被検者の眼と視力表1との距離を所定(30cmまたは50cm)の近距離にセットする。
【0037】
このとき、扉表紙7内の所定の頁紙8が開かれると、開ページ検出装置20が開かれた頁紙8を、光センサ22,23,24の出力信号に応じて検出し、その検出信号を点灯制御回路16に出力する。点灯制御回路16は、開ページ検出装置20からの信号を入力し、開かれた頁紙8を認識すると、その頁紙8の近距離視力表1の背面の面発光素子10を点灯するように、駆動回路17に駆動信号を出力する。そして、駆動回路17は、その開かれた頁紙8の近距離視力表1の背面の面発光素子10に所定周波数の交流電流を供給して面発光素子10を点灯駆動する。これによって、その頁紙8の近距離視力表1はその背面が所定の照度(輝度)で均一に照明され、視力検査が行われる。
【0038】
検査人は、被検者に視力表1上のランドルト環視標の開口方向を聞き、その回答に基づき、近距離視力を測定する。このような近距離視力検査では、被検者自身がその近距離視力表を手に持って、視力表の視標を見ながら検査するが、そのため、例えば、天井の照明器具からの照明光で、視力検査をする場合、視力表を立てて持った場合と寝かせて持った場合で、視力表に入射する照明光の入射角が異なり、視力表を照明する照度も変化することになる。しかしながら、本近距離視力表1は、その背面から面発光素子10によりバックライトで照明するので、視力表の角度に関わらず、常に一定の照度で視標4を背面から照明することができ、正確な視力検査を行なうことができる。また、外部の照明光が視力表の表面で反射して見え方に悪影響を与えることもなく、正確な視力検査を行なうことができる。
【0039】
このように、近距離視力表1は扉表紙7の内側に複数枚が綴じられているが、各近距離視力表1にはその背面に面発光素子10が貼着され、近距離視力表1の視標4は、背面から面発光素子10の光で均一に照明され、検査室の照明環境の影響を受けずに、視力検査を正確に実施することができる。
【0040】
また、異なる頁紙8に付された近距離視力表1の視標4は、基準となる光学濃度が高くコントラストが高い視標の他に、光学濃度が中程度でコントラストが中程度の視標、及び光学濃度が低くコントラストの低い視標として作成されているから、それらのコントラストの異なる視標を選択して提示し、視力検査を行なうことができる。このため、視標の大きさと共に背景に対するコントラストを基準に加えて視力値を決定することができ、視力の弱い白内障患者、屈折矯正手術患者などの視力検査を正確に行なうことができる。
【0041】
なお、上記実施例では、視標としてランドルト環視標を使用したが、その他の文字視標等を使用することもできる。また、視標の表示の仕方には、小数方式、分数方式、或はLogMAR方式を使用することができる。また、上記実施例では、ブック式の扉表紙の内側に近距離視力表を綴じこむように配設したが、単純に平板状のベースの上に近距離視力表を貼着して構成することもでき、その場合には、ベースの内部に駆動回路、電源電池などを配設すればよい。
図7、図8は他の実施例の近距離視力検査具を示している。この例の近距離視力検査具には、視標4から被検者の眼までの検査距離を測定する検査距離測定装置30が設けられる。検査距離測定装置30を設けた点以外の構造については、上記実施形態と同様であり、上記と同じ部分については図7、図8に上記と同じ符号を付してその説明を省略する。
【0042】
検査距離測定装置30は、図7に示すように、ブック式の近距離視力検査具の扉表紙7の上部に設けられる。この検査距離測定装置30は、赤外線の投光による三角測量の原理を応用して視標から被検者の眼までの距離を測定する構造であり、赤外線を投光する投光素子と投光レンズを有し、投光素子から照射した赤外線を投光レンズを通して被検者に照射する。そして、被検者から拡散反射された赤外線を投光素子から所定距離の位置に配置したPSD素子(半導体位置検出器)で受光し、PSD素子で受光する光の位置から距離を演算する。PSD素子は、フォトダイオードの表面に均一な抵抗層を形成した構造をもち、光の当る位置に応じた比率の光電流を電極から出力し、その電流値から距離を演算し、その測定距離を示す信号を出力する。
【0043】
このような構成の検査距離測定装置30は、扉表紙7の上に正面を向けて配設され、検査距離測定装置30の投光素子の赤外線を、被検者の額などに向けて照射し、そこから拡散反射した赤外線をPSD素子で受光する。
【0044】
点灯制御回路16は、検査距離測定装置30から出力された測定距離信号を入力し、その信号の示す距離が予め設定された設定検査距離(30cmまたは50cm)と一致したとき、または予め設定した設定検査距離の誤差範囲内にあるとき、点灯許可フラグをセットする。そして、点灯制御信号16は、この点灯許可フラグがセットされ、且つ開ページ検出装置20によって開かれた頁紙8を検出したとき、その頁紙8の近距離視力表1の面発光素子10を点灯制御するように構成される。
【0045】
このような近距離視力検査具は、上記と同様に、近視、遠視、老眼、弱視、白内障患者、屈折矯正手術患者等の被検者に対し30cmまたは50cmの近距離での視力検査を行なう際に使用される。
【0046】
視力検査に際し、このブック式の近距離視力検査具は、上記と同様に、検査人が扉表紙7内の任意の頁紙8を開いて被検者に持たせ、被検者の眼と視力表1との距離については、検査距離測定装置30が装着されているため、おおよその検査距離(30cmまたは50cm)にセットする。このとき、被検者が開かれた頁紙8の側を向いて位置すると、扉表紙7上の検査距離測定装置30が動作して、投光素子の赤外線を被検者の額などに向けて照射する。そして、そこから拡散反射した赤外線をPSD素子で受光し、PSD素子からの出力電流値に基づき、近距離視力表1の視標4から被検者の眼までの距離を測定し、測定距離信号が点灯制御回路16に出力される。点灯制御回路16は、その距離信号を入力し、その距離が予め設定されている検査距離(30cmまたは50cm)と同じか或いは所定の誤差範囲である場合、点灯許可フラグをセット状態とする。
【0047】
一方、扉表紙7内の所定の頁紙8が開かれると、上記と同様に、開ページ検出装置20が、開かれた頁紙8を光センサ22,23,24の出力信号に応じて検出し、その検出信号を点灯制御回路16に出力する。そして、点灯制御回路16は、開ページ検出装置20からの検出信号を入力し、開かれた頁紙8を認識すると、その頁紙8の近距離視力表1の背面の面発光素子10を点灯可能な状態とし、点灯許可フラグがセットされた状態であれば、つまり検査距離測定装置30が検出した検査距離が所定の設定検査距離(30cmまたは50cm)と同じか或いは所定の誤差範囲である場合、駆動回路17に駆動信号を出力する。
【0048】
したがって、被検者がその頭や本近距離視力表1を動かして、被検者の眼と視力表1との間の距離が設定検査距離から外れた場合、点灯許可フラグがリセットされて面発光素子10は点灯されず、被検者の眼と視力表1との間の距離が設定検査距離の誤差範囲内に入った場合、点灯許可フラグがセットされて面発光素子10は点灯され、その面発光素子10の点灯している間、視力検査が行われる。このように、被検者の頭や近距離視力表1が動いてその間の検査距離が正規の設定検査距離から外れた場合、面発光素子10の照明光を消して、検査距離の修正を促し、正規の検査距離を保つようにすることができる。
【0049】
そして、上記と同様に、検査人は、被検者に視力表1上のランドルト環視標の開口方向を聞き、その回答に基づき、近距離視力を測定するが、この近距離視力検査では、検査距離が正規の設定検査距離またはその誤差範囲内にあるときのみ、近距離視力表1の背面の面発光素子10が点灯し、視標4を照明して視力検査を可能にするから、検査人が被検者の眼と視力表1間の検査距離を測定しなくても、自動的に適正な検査距離で近距離視力を検査することができる。また、視力表1の視標4は、その背面の面発光素子10からのバックライト照明光により全体が常に均一に照明されるため、検査室の照明環境の影響を受けずに、視力検査を正確に実施することができる。
【0050】
なお、上記の検査距離測定装置30では赤外線の反射を用いて検査距離を測定したが、赤外線以外の光例えばレーザ光を用いて検査距離を測定することもできる。また、上記実施形態では、被検者が視力検査具を手に持って検査を行ったが、図9に示すように、ブック式の視力検査具を載置可能な載置台40を製作し、その載置台40の上に扉表紙7と頁紙8を開いた状態で視力検査具を載置し、被検者が視力検査具を手に持たずに載置台40を用いて検査を行うこともできる。このような載置台40には、商用電源から二次電池に充電する充電器41を内蔵しておけば、視力検査具をそこに載置した状態で、扉表紙7内に内蔵された電源18として二次電池に、簡単に充電を行うことができる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の近距離視力検査具によれば、透明フィルム上に視標を形成した視標シートの背面から面発光素子によりバックライト照明を行う構造であるから、近距離視力検査具の保持角度や検査室の照明環境の影響を受けずに、所定の照度で視標を均一に照明し、極めて正確な近距離視力検査を行うことができる。また、開かれたページを検出する開ページ検出装置を設け、開ページ検出装置が検出したページの近距離視力表の背面の面発光素子を点灯させるように構成すれば、視標のコントラストなどが異なった複数種類の近距離視力表を見開き可能に扉表紙内に装着しておき、任意の近距離視力表を開いたとき、その視力表を自動的に照明表示することができる。さらに、検査距離測定装置を設け、検査距離測定装置の測定した近距離視力表から被検者の眼までの距離が予め設定した設定検査距離であったとき、近距離視力表の背面の面発光素子を点灯するように構成すれば、距離視力表から被検者の眼までの検査距離が適正な距離であるときには背面照明が点灯し、検査距離が不適正な場合は背面照明が消灯するから、適正な検査距離を保持しながら極めて正確な近距離視力検査を、高い再現性を持って行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す近距離視力検査具の斜視図である。
【図2】同近距離視力検査具の電気回路の構成ブロック図である。
【図3】近距離視力表1の部分断面図である。
【図4】面発光素子10の部分断面図である。
【図5】扉表紙7とその内側に綴じられている複数の頁紙8の部分断面図である。
【図6】使用状態を示す近距離視力検査具の斜視図である。
【図7】他の実施形態の視力検査具の斜視図である。
【図8】他の実施形態の近距離視力検査具の電気回路の構成ブロック図である。
【図9】さらに他の実施形態の近距離視力検査具を示す斜視図である。
【符号の説明】
1−近距離視力表
2−ポジフィルム(視標シート)
3−面発光素子
4−視標
7−扉表紙
8−頁紙
20−開ページ検出装置
30−検査距離測定装置

Claims (5)

  1. 被検者の眼から所定の近距離だけ離して近距離視力表を提示し、該被検者が該近距離視力表の視標を視認できるか否かに基づき該被検者の視力を検査する近距離視力検査具であって、
    該近距離視力表は、透明フィルム上に視標を形成した視標シートと、該視標シートの背面に配設されたシート状の面発光素子とを有し、中央縦折線を介して左右に開閉可能な扉表紙の内側に該近距離視力表が配設され、該近距離視力表は、複数枚が前記扉表紙の内側に綴じ込まれた複数の各頁紙に貼着され、該扉表紙の内側で視力検査のために開かれたページを検出する開ページ検出装置が設けられ、該開ページ検出装置が検出した該ページの近距離視力表の背面の面発光素子を点灯させる点灯制御手段が設けられたことを特徴とする近距離視力検査具。
  2. 前記近距離視力表から被検者の眼までの検査距離を測定する検査距離測定装置が設けられ、検査時に、該近距離視力表から被検者の眼までの距離が所定の検査距離であることを該検査距離測定装置が測定したとき、該近距離視力表の背面の面発光素子を点灯する点灯制御手段が設けられたことを特徴とする請求項1記載の近距離視力検査具。
  3. 前記扉表紙の内部に、前記面発光素子を点灯する駆動回路及びその電源としての電池が配設されている請求項1または2記載の近距離視力検査具。
  4. 前記扉表紙及び近距離視力表を開いて載置可能な載置台が設けられたことを特徴とする請求項1または2記載の近距離視力検査具。
  5. 前記扉表紙及び近距離視力表を開いて載置可能な載置台が設けられ、該載置台には前記電池に対し充電を行う充電器が設けられていることを特徴とする請求項記載の近距離視力検査具。
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