JP3697366B2 - 読取装置 - Google Patents

読取装置

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原稿の原稿情報を光学的に読み取る読取装置に係り、特に光学系の全光路が密閉されるようにユニット化されてなる構成の読取装置に関するものであり、例えばCCD縮小光学系を用いた原稿読取装置に適用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のCCD縮小光学系を用いた原稿読取装置では、読取光学系の光路上に存在する塵埃などを読み取って異常画像が発生することが多い。読取光学系の読取精度(分解能)を向上させれば、それに対応して微小な塵埃に対する感度もさらに高まるという問題もあった。そこで、CCD縮小光学系を用いた原稿読取装置を搭載したデジタル画像形成装置において、画像処理による塵埃検知機能を設けることが考えられるが、画像処理による方法によっても塵埃と画像データとの判別を完全に行うことは難しい。
【0003】
異常画像の原因となる塵埃の状況を考察すると、その多くは、特にコンタクトガラス(原稿読取用ガラス)において存在しかつ発生している。すなわち搬送手段によりコンタクトガラス上面に搬送される原稿はコンタクトガラスに対して摺動することによって静電気を発生させる。このためコンタクトガラスに残留した静電気が大気中の塵埃を引き寄せることになる。またコンタクトガラスとの摩擦により原稿の紙粉が生成されて、その紙粉がコンタクトガラスに残留する。これらの付着物,残留物(塵埃)が、コンタクトガラスにおける原稿読取位置のスキャンラインまで移動して、それが異常画像の原因となる。
【0004】
さらにCCD縮小光学系を用いた原稿読取装置では、小型化を図るためミラーを複数枚用いて光路を折り返すような構成が採用されており、装置内部に侵入した塵埃がミラーに付着することによって反射率の低下などを招き、これが異常画像発生の原因となることがある。
【0005】
コンタクトガラス上面に残留した塵埃は外部にてクリーニングを行うことによって除去することができるが、装置内部へ侵入した塵埃をクリーニングすることは容易ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本件出願人は前記従来の技術の問題を解決するため、防塵を目的とし、CCD縮小光学系読取部内で形成される全光路を密閉するように、CCD縮小光学系読取部を構成する少なくともレンズ,コンタクトガラス,ミラー,シェーディング板,CCD基板,光源およびレンズブロックを光学ユニット化した構成の読取装置を提案した。
【0007】
しかしながら、前記のように全光路を密閉するように構成しても、コンタクトガラス自体の部品精度(特に平面度)、およびコンタクトガラスを支持するコンタクトガラス支持部におけるコンタクトガラスとの接触部分における平面度によっては、コンタクトガラスとコンタクトガラス支持部との接触部分が密着して隙間のまったくない状態にすることができない場合があり、密閉度を上げただけでは完全な保証とはなり得ない。
【0008】
したがって、コンタクトガラスまたは光学ユニット内の清掃が必要となる。しかし、清掃作業の間に光学ユニット内の各種部材に外部から侵入した塵が付着するおそれがあるため、できるだけ簡単に清掃作業を行えることが望まれる。
【0009】
本発明は、前記従来の問題を解決し、特殊な治具を用いることなく簡単にコンタクトガラスの取り外しまたは光学ユニット内を清掃可能な状態にできる構成の読取装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、コンタクトガラスと、コンタクトガラスの上面に搬送される原稿に光を照射する光源と、原稿からの反射光を受光して光電変換する画像読取手段と、原稿からの反射光を前記画像読取手段に導く複数の偏向手段とを有し、かつ装置本体に対して着脱可能に構成された光学ユニットを備えた読取装置であって、前記コンタクトガラスにおける防塵用の可撓性部材と接する面とは反対面で、かつ前記コンタクトガラスの原稿読取領域外の両側間に架設され前記コンタクトガラスを複数箇所で凸部にて押下することにより前記光学ユニット本体に固定する弾性部材からなるコンタクトガラスホルダを設け、このコンタクトガラスホルダを弾性変形させて前記光学ユニット本体から取り外した時に前記光学ユニット本体からの前記コンタクトガラスの取り外しを可能にし、前記コンタクトガラスホルダを架設した際に前記コンタクトガラスが前記光学ユニット本体内を密閉するものである。このような構成により、コンタクトガラスがコンタクトガラスホルダによって良好に保持され、コンタクトガラスホルダを弾性変形させることによって光学ユニット本体から取り外すことができるために、特殊な治具を用意することなくコンタクトガラスを光学ユニットから簡単に取り外すことができる。
【0011】
また本発明は、前記コンタクトガラス上部に開閉可能に設けられ、かつ原稿を前記コンタクトガラスの上面に搬送させる原稿搬送手段を有し、この原稿搬送手段を開いた状態において、前記コンタクトガラスホルダの着脱動作を可能に構成したものである。このような構成により、原稿搬送手段を開いた状態でコンタクトガラスの着脱作業ができる。
【0012】
また本発明は、前記光学ユニット本体に前記複数の偏向手段における少なくとも一つの偏向手段の近傍の部位を開閉する着脱可能なカバーを設け、このカバーを前記光学ユニット本体から取り外した時に前記偏向手段の清掃を可能にし、前記カバーを取り付けた際に前記光学ユニット本体内を密閉するものである。このような構成により、光学ユニットからカバーを外すことによりそのカバーの近傍にある偏向手段の清掃が容易に可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1は、本実施形態の読取装置の内部構成を示す説明図であり、1はCCDを用いた縮小光学系からなる読取部、2は読取部1に原稿を搬送する自動搬送部、3は光学ユニット、4は排紙下部ユニット、5は筐体部ユニットを示す。
【0015】
読取装置は読取部1と自動搬送部2の2部からなる。読取部1は自動搬送部2に対して着脱自在であり、自動搬送部2を覆う合成樹脂製のカバー2aが読取部1の筐体にビス6によって結合され、自動搬送部2が読取部1に対して回動可能に装着される。読取部1は、全光路を密閉するようにユニット化された光学ユニット3と、原稿読取位置よりも下流に配置された排紙従動ローラを含む排紙下部ユニット4と、装置本体の筐体部ユニット5とに分割され、各々がユニット化されて着脱自在に構成されている。
【0016】
図2は図1の読取部の構成を示す説明図であり、図2(a)は排紙下部ユニット4、図2(b)は光学ユニット3、図2(c)は筐体部ユニット5の構成を示す。図1または図2(b)に示すように、光学ユニット3には、読み取り対象の原稿をセットするためのコンタクトガラス7、光源8の照射による原稿からの反射光をレンズ9に導くための第1ミラー10,第2ミラー11、光源8の照射による原稿からの反射光を画像として読み取る際にシェーディング補正を行うためのシェーディング板12、光源8の照射による原稿からの反射光を1ライン毎に画像として結像するCCDセンサ基板13、コンタクトガラス7上の原稿を照射するための光源(キセノン管)8、光源8の照射による原稿からの反射光を集光するレンズ9及びレンズブロック14、前述の各光学系部品を搭載した底板(ベース)15等を収容し、これらの部材で形成された光路を光学ユニット3単独で外部から遮断するように密閉されている。
【0017】
なお光学ユニット3には、スキャナモータ等の駆動系は含まず、筐体部ユニット5に対し着脱自在に構成されている。
【0018】
また、排紙下部ユニット4は、自動搬送部2の第2搬送路R2下部に配置された搬送従動ローラ16a及び排紙従動ローラ17aを含み、駆動モータ等の駆動系を含まないので、自動搬送部2及び光学ユニット3からの取り外しが容易であって、筐体部ユニット5に対し着脱自在に構成されている。
【0019】
また、筐体部ユニット5には、自動搬送部2の第1搬送路R1下部に配置された搬送従動ローラ18aを含み、光学ユニット3及び排紙下部ユニット4に対し着脱自在に構成されている。
【0020】
図3は図1の光学ユニットの外観を示す斜視図、図4は図3の断面図である。コンタクトガラス7は、ケース本体19の一部を構成する上部突出部20における開口部20a内壁に設けられたコンタクトガラス支持部21に支持される。コンタクトガラス支持部21は、原稿読取領域の外側で、かつ本例では開口部20aのコンタクトガラスにおける原稿搬送方向(矢印G方向)の上流側と下流側とに設けられ、かつコンタクトガラス7の下面が設置される側に凹状部22が形成されている。この凹状部22には、コンタクトガラス7の下面と接触する弾性を有するゴムあるいはスポンジなどからなる防塵用の可撓性部材23が嵌着されている。
【0021】
さらに、ケース本体19の上部突出部20における原稿搬送方向の上流側には、傾斜部20bが形成されて原稿の通紙ガイド部となっており、図3に示すように、この傾斜部20bの上側の数箇所(本例では3箇所)に、端部24aが原稿搬送方向の下流側に向くように形成された爪状係止フック24が突設されている。この爪状係止フック24は、自体が弾性を有し、コンタクトガラス支持部21に載置されたコンタクトガラス7の側部を可撓性部材23からの反力に抗して押下して、コンタクトガラス7の浮きあるいは撓みの発生を防ぐための規制部として機能する。
【0022】
ケース本体19の上部突出部20における両側面にはそれぞれ突起25が設けられ、これらの突起25により、コンタクトガラス7の長手方向における原稿読取領域外に架設されてコンタクトガラス7を押下するコンタクトガラスホルダ26を係止している。コンタクトガラスホルダ26は、熱可塑性樹脂(例えばPP樹脂)などの弾性を有する材料から形成され、平行部26aの下面部に凹凸26bが設けられ、かつ平行部26aの両側に突起25に嵌着する垂下腕部26cを有する側面視逆凹状をなすものであり、平行部26aは上下方向に可撓性を有し、垂下腕部26cは平行部26aに対して平行方向に可撓性を有し、コンタクトガラス支持部21に支持されたコンタクトガラス7を凹凸26bによって押下するものである。
【0023】
次に、前記構成の読取装置における原稿読取動作の概要を説明する。すなわち搬送手段(図示せず)によってコンタクトガラス7の上面に搬送された原稿は、検知センサ(図示せず)によって検知され、コンタクトガラス7のスキャンライン部分において光源8により原稿面が照明される。照明された原稿面からの反射光は、第1ミラー10および第2ミラー11によって反射され、レンズ9およびレンズブロック14にて集光されてCCDセンサ基板13の受光面に原稿画像として結像される。CCDセンサ基板13では受光状態によって光電変換が行われて画像データが出力される。
【0024】
第1ミラー10を清掃するためにコンタクトガラス7を外す場合には、図5に示すように自動搬送部2を開き、垂下腕部26cを弾性変形させて孔部26dを突起25から外すことにより、コンタクトガラス7をケース本体19から容易に取り出すことができる。取り外したコンタクトガラスホルダ26は、平行部26aの直角方向に対して垂下腕部26cが若干内側に傾斜している。逆に、コンタクトガラス7をケース本体19に装着する場合には、コンタクトガラス7をケース本体19に載置した後、垂下腕部26cを開くようにコンタクトガラスホルダ26を弾性変形させて孔部26dを突起25に嵌入することにより行われる。
【0025】
このようにコンタクトガラスホルダ26の垂下腕部26cに弾性を持たせたことにより、一切工具を用いることなくコンタクトガラス7をケース本体19から着脱することが容易にできる。その結果、コンタクトガラス7を外して第1ミラー10を清掃してから再度コンタクトガラス7を装着するまでの作業性を向上させることができ、第1ミラー10の汚れによる異常画像の発生を低減させて、より安定した画像読み取りを行うことができる。
【0026】
図6は本発明の第2実施形態を説明するための読取装置の要部である光学ユニットを示す断面図であり、30はカバーを示す。なお、図1に示した第1実施形態における部材と同一の部材については同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0027】
この第2実施形態は、第1実施形態に係る光学ユニット3の外装ケースにおける第2ミラー11近傍の部位にカバー30を着脱可能に設けたものであり、カバー30を取り外すことにより第2ミラー11が外部に開放され、カバー30を装着することにより第2ミラー11を含む各種の部材が光学ユニット3の外装ケース内に密閉される。
【0028】
そして、第2ミラー11を清掃する場合には、光学ユニット3を取り外しさらにカバー30を取り外してから清掃作業を行う。
【0029】
このように構成された第2実施形態の読取装置によれば、光学ユニットを取り外した状態で1個のカバーを取り外すことによって第2ミラーの清掃が可能となる。よって、他の光学調整部品を狂わすことなく簡単に清掃が可能となるので、より安定した画像読み取りを行うことができる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の読取装置によれば、コンタクトガラスがコンタクトガラスホルダによって良好に保持され、コンタクトガラスホルダを弾性変形させることによって光学ユニット本体に対して着脱することができるため、工具を必要とすることなくコンタクトガラスを取り外すことが可能となる。よって、コンタクトガラス内面及び一部の偏向手段の清掃が簡単に行えるので、当部位の汚れによる異常画像も少なくなり、より安定した画像読み取りを行うことができる。
【0031】
また、光学ユニットを取り外した状態で1個のカバーを取り外すことによって一部の偏向手段の清掃が可能となる。よって、他の光学調整部品を狂わすことなく簡単に清掃が可能となるので、より安定した画像読み取りを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を説明するための読取装置の要部構成を示す断面図
【図2】図1の読取部の構成を示す断面図
【図3】図1の光学ユニットの全体斜視図
【図4】図3の断面図
【図5】図1の読取装置における自動搬送部を開いた状態を示す断面図
【図6】本発明の第2実施形態を説明するための読取装置の要部である光学ユニットを示す断面図
【符号の説明】
1 読取部
2 自動搬送部
3 光学ユニット
4 排紙下部ユニット
5 筐体部ユニット
6 ビス
7 コンタクトガラス
8 光源
9 レンズ
10 第1ミラー
11 第2ミラー
12 シェーディング板
13 CCDセンサ基板
14 レンズブロック
15 底板
16a 搬送従動ローラ
17a 排紙従動ローラ
18a 搬送従動ローラ
19 ケース本体
20 上部突出部
20a 開口部
20b 傾斜部
21 コンタクトガラス支持部
22 凹状部
23 可撓性部材
24 爪状係止フック
24a 端部
25 突起
26 コンタクトガラスホルダ
26a 平行部
26b 凹凸
26c 垂下腕部
26d 孔部
30 カバー

Claims (3)

  1. コンタクトガラスと、コンタクトガラスの上面に搬送される原稿に光を照射する光源と、原稿からの反射光を受光して光電変換する画像読取手段と、原稿からの反射光を前記画像読取手段に導く複数の偏向手段とを有し、かつ装置本体に対して着脱可能に構成された光学ユニットを備えた読取装置であって、
    前記コンタクトガラスにおける防塵用の可撓性部材と接する面とは反対面で、かつ前記コンタクトガラスの原稿読取領域外の両側間に架設され前記コンタクトガラスを複数箇所で凸部にて押下することにより前記光学ユニット本体に固定する弾性部材からなるコンタクトガラスホルダを設け、このコンタクトガラスホルダを弾性変形させて前記光学ユニット本体から取り外した時に前記光学ユニット本体からの前記コンタクトガラスの取り外しを可能にし、前記コンタクトガラスホルダを架設した際に前記コンタクトガラスが前記光学ユニット本体内を密閉することを特徴とする読取装置。
  2. 前記コンタクトガラス上部に開閉可能に設けられ、かつ原稿を前記コンタクトガラスの上面に搬送させる原稿搬送手段を有し、この原稿搬送手段を開いた状態において、前記コンタクトガラスホルダの着脱動作を可能に構成したことを特徴とする請求項1記載の読取装置。
  3. 記光学ユニット本体に前記複数の偏向手段における少なくとも一つの偏向手段の近傍の部位を開閉する着脱可能なカバーを設け、このカバーを前記光学ユニット本体から取り外した時に前記偏向手段の清掃を可能にし、前記カバーを取り付けた際に前記光学ユニット本体内を密閉することを特徴とする請求項1記載の読取装置。
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