JP3696990B2 - 内燃機関の性能測定方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼル機関等の内燃機関に駆動される液体変速機の回転状況から機関の性能を測定する方法又は装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両等に使用される駆動用の内燃機関の多くは液体変速機を介して車輪を駆動する。このような内燃機関では液体変速機の入出力軸回転数を検出することにより内燃機関の性能を測定・診断する方法が可能であり、その一例に特願平4−349650号等がある。液体変速機の吸収馬力、すなわち内燃機関の出力は、液体変速機の入出力軸の回転数に応じて定まるからである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記方法を採用した場合、必ずしも適正な内燃機関の性能を評価できない場合があった。これは、内燃機関は冷却送風機、冷房装置及び空気圧縮機等のいわゆる補機を駆動している場合が多く、これら補機の作動状況によって同一の燃料噴射量で機関が運転しても液体変速機の吸収馬力は異なる場合があることに起因していた。
【0004】
また、このような液体変速機を使用した機関を有する装置では、液体変速機と車輪駆動軸との間に前進・後進を制御するためのクラッチを有する逆転機が挿入されている場合が多い。この場合、逆転機の投入が完了されていない状態、つまり例えば前進ギアから後進ギアに切り換える場合にギアが完全に噛合していない状態、で液体変速機を運転すると、液体変速機の出力軸が極端な高速で回転してしまう。このような場合には、液体変速機の入出力軸回転数を検出することによって液体変速機吸収馬力を算出しこれを内燃機関の出力馬力としたとしても、その値を適正に評価できないことがあった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、逆転機付きの液体変速機や補機を駆動する内燃機関の性能測定を精度よく行うことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を解決するため、本発明は、逆転機付きの液体変速機及び空気圧縮機等の補機が駆動可能に接続された内燃機関の馬力又はトルク(以下、馬力等という)を測定する内燃機関の性能測定方法において、
前記逆転機の投入が完了され且つ前記補機が不動作状態のとき、
(1) 前記内燃機関により駆動される前記液体変速機の入力軸の回転数及び該入力軸の駆動力を前記逆転機に伝達する前記液体変速機の出力軸の回転数に基づいて、前記内燃機関の馬力又はトルクに相当する前記液体変速機の吸収馬力又は吸収トルクを算出すること、
あるいは、
(2) その時点における3つのパラメータ、即ち、(a)前記内燃機関の燃料噴射量、(b)前記内燃機関の機関軸回転数に相当する、前記内燃機関により駆動される前記液体変速機の入力軸の回転数、(c)前記内燃機関により駆動される前記液体変速機の入力軸の回転数及び該入力軸の駆動力を前記逆転機に伝達する前記液体変速機の出力軸の回転数に基づいて算出される、前記内燃機関の馬力又はトルクに相当する前記液体変速機の吸収馬力又は吸収トルク、を記録すること、
あるいは、
(3) その時点における前記3つのパラメータに加えて、前記液体変速機の油温も記録すること
を特徴とする。
【0007】
また、本発明の方法を実現するための装置としては、上記(1)の処理を行う算出手段、あるいは上記(2)、(3)の処理を行う記録手段及び制御手段を備えているものを用いることができる。
本発明は、車両走行中の内燃機関の性能測定を、液体変速機を馬力吸収機構として用いて行うものである。ここで、内燃機関に直結駆動される液体変速機の吸収馬力や吸収トルクが内燃機関の馬力やトルクに相当することは周知である。
【0008】
液体変速機の入力軸から吸収する馬力P(即ち内燃機関の馬力)は、入力軸回転数N1と出力軸回転数N2に応じて一義的に求めることができる。即ち、入力軸回転数N1と出力軸回転数N2との比を速比eとすると、一般の液体変速機におけるこれらの関係は、図5に示す如くとなる。図5の縦軸は液体変速機の吸収馬力P、横軸は液体変速機の入力軸回転数N1を示す。また、図5中のパラメータe1〜e3は速比を示す。更に図5には液体変速機を直結駆動する機関の燃料噴射量の区分(以下これを「ノッチ」という)に応じた性能曲線が併記されている。
【0009】
この図5からわかるように、吸収馬力は速比を可変変数とした曲線群で表される。従って、入力軸回転数N1と出力軸回転数N2が判明すれば、液体変速機の吸収馬力(機関出力馬力)も判明する。ここで、機関の各ノッチ別(3〜5ノッチ)の機関性能曲線と馬力吸収曲線とのマッチングポイントが機関出力馬力となる。
【0010】
このような内燃機関の性能測定方法では、測定を行う時点で液体変速機の入力軸回転数と出力軸回転数の双方から速比を求め、次いで、多数の馬力吸収曲線からこのようにして得られた速比に対応した馬力吸収曲線を選択発生させる。そして、このように選択発生させた唯一の馬力吸収曲線とその時点の入力軸回転数N1(内燃機関の機関軸回転数)とから液体変速機の吸収馬力P(機関出力馬力)を求め、N1とPとを内燃機関の燃料噴射量Q(即ちノッチ)に対応させて記録し、機関性能曲線を得る。このようにして得られる機関性能曲線と、新しい内燃機関を用いた当初の機関性能曲線とを比較し、当初の曲線から外れたデータが多く発生する傾向が生じた場合に、故障の前兆であると判断するのである。
【0011】
ここで、具体例を示す。図6は、ある燃料噴射量(あるノッチ)における機関性能曲線を表すグラフである。かかるグラフは新しい内燃機関を用いた当初の機関性能曲線であり、この後内燃機関に何らかのトラブルが生じてこの曲線から外れたデータが多く発生した場合に、故障の前兆であると判断する。
【0012】
本発明の特徴は、内燃機関が、冷却送風機、冷房装置及び空気圧縮機等のいわゆる補機を駆動可能であり且つ逆転機付きの液体変速機を介して車輪駆動軸を駆動可能な場合に、絶えず適正な内燃機関の性能を測定できる点にある。
即ち、逆転機の投入が完了されていない状態で(この状態については[発明が解決しようとする課題]の欄を参照)、液体変速機の吸収馬力等を算出した場合には、変速機の出力軸回転数が極端に高い値となり、そのような値に基づいて算出された吸収馬力等は適正な評価を与えることはできない。また、空気圧縮機、冷却送風機、冷房装置等の補機が動作状態にあるときには、その動作状況に応じて液体変速機の吸収馬力等が変化してしまい、同一の燃料噴射量で内燃機関が駆動されても、液体変速機の吸収馬力等の変動が大きくなるという不具合が生じる。このため、本発明では、逆転機の投入が完了され且つ補機が不動作状態であることを条件として、液体変速機の吸収馬力等を算出するか、あるいは上述の3つのパラメータ(a)(c)を記録することとしたのである。これによって、内燃機関の性能測定を絶えず高精度で行うことができるという効果が得られる。
【0013】
ところで、図6において同じ機関回転数であるにも関わらず吸収馬力のばらつきが見られる。これは液体変速機の油温の違いによるものと考えられる。この点に関し、液体変速機の油温が内燃機関の排気温度に反映されることに着目し、排気温度別に機関回転数と吸収馬力(機関出力馬力)の関係を調査し、機関性能曲線を作成した。その結果を図7に示す。この図7から、排気温度が高くなるに従い吸収馬力が低下する傾向にあることがわかる。このため、内燃機関の性能を測定する際、液体変速機の油温(≒排気温度)を考慮することが望ましい。
【0014】
つまり、機関性能曲線を温度範囲別に作成するか、又は、温度補正を行った機関性能曲線を作成することにより、内燃機関の性能を評価することが、より精度よく性能を評価する上で好ましい。
本発明の方法を実現するための装置では、液体変速機の入力軸の回転数は、例えば入力軸に設けた入力軸回転数検知手段によって出力され、出力軸の回転数は、例えば出力軸に設けた出力軸回転数検知手段によって出力される。また、逆転機の投入が完了したことは、例えば、逆転機に設けた逆転機投入完了検知手段によって出力され、補機が不動作状態にあることは例えば補機に設けた補機不動作状態検知手段によって出力される。
【0015】
また、上記(1)の処理を行う算出手段は、例えば周知のCPU,ROM,RAM等からなるマイクロコンピュータにより実現される。また、上記(2)(3)の処理を行う記録手段及び制御手段のうち、前者は、例えば記録紙に印字を行うプリンタ、画面表示を行うCRTやLCD、フロッピィディスク等のメモリなどにより実現され、後者は、例えば上記と同様のマイクロコンピュータにより実現される。 更に、燃料噴射量を必要とする場合、内燃機関の燃料噴射量を検知する燃料噴射量検知手段によって出力される。かかる燃料噴射量検知手段は、例えば内燃機関に接続された燃料噴射装置に設けてもよい。あるいは、燃料噴射装置に燃料噴射量指令を出力する出力指令器を燃料噴射検知手段として用いてもよい。
【0016】
更にまた、油温を必要とする場合、液体変速機の油温を検知する油温検知手段によって出力される。このような油温検知手段は、液体変速機の油温を直接検知してもよいが、液体変速機の油温が反映されている別のパラメータ例えば内燃機関の排気温度を検知しこれを油温として取り扱ってもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施例を図面に基づいて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
【0018】
図1は本発明を適用したディーゼル機関の性能測定装置の概略構成を表すブロック図である。このディーゼル機関の性能測定装置(又は性能診断装置)10は、主として、出力指令器11、燃料制御装置12、内燃機関13、補機14、液体変速機15、逆転機16、制御装置17(吸収馬力算出部、記録制御部)、記録装置18から構成されている。
【0019】
出力指令器11は、鉄道車両の運転台等にある主幹制御器により構成され、燃料制御装置12に対して燃料噴射指令を出力するものである。
燃料制御装置12はこの燃料噴射指令に応じた燃料をディーゼル機関である内燃機関13に供給するものである。
【0020】
内燃機関13には、空気圧縮機、冷却送風機、冷房装置等の補機14が補機駆動軸21を介して駆動可能に接続され、また、逆転機16を備えた液体変速機15が変速機入力軸22を介して駆動可能に接続されている。つまり、この内燃機関13の出力は、補機14を駆動するために用いられる一方、液体変速機15に変速機入力軸22を介して入力され、さらに変速機出力軸23及び逆転機16を介して車輪駆動軸24を駆動するために用いられる。
【0021】
補機14のうち必要に応じて動作又は不動作となるものについては、各々に不動作検知センサ25が取り付けられている。そして、各不動作検知センサ25はその補機14が動作している場合には動作信号を、動作していない場合には不動作信号を制御装置17の吸収馬力算出部31に出力する。例えば空気圧縮機に取り付けられた不動作検知センサは、アンローダ状態となった場合に不動作信号を出力する。
【0022】
液体変速機15は、変速機入力軸22側にその回転数を検出する入力軸回転計26を有し、また、変速機出力軸23側にその回転数を検出する出力軸回転計27を有している。入力軸回転計26は、制御装置17の吸収馬力算出部31及び記録制御部32に入力軸回転数N1を出力可能に接続され、出力軸回転計27は、制御装置17の吸収馬力算出部31に出力軸回転数N2を出力可能に接続されている。
【0023】
逆転機16は、液体変速機15の変速機出力軸23に設けられた図示しない入力側ギアと、前進ギア及び後進ギアを備えた図示しない出力側ギアとを備え、車両が前進又は後進のいずれかの方向に進行するよう出力側ギアを前進ギア又は後進ギアのいずれかに選定し、入力側ギアと出力側ギアを噛合して車輪を回転させるものである。この逆転機16には、投入完了検知センサ28が設けられている。投入完了検知センサ28は、逆転機16の入力側ギアと出力側ギアが完全に噛合したときに投入完了信号を制御装置17の吸収馬力算出部31に出力するものであり、例えば圧力スイッチ等により構成することができる。
【0024】
制御装置17(本発明の制御手段に相当)は、周知のCPU、ROM、RAM、バックアップRAM、クロックなどを備え、吸収馬力算出部31(本発明の算出手段に相当)と記録制御部32から構成されている。吸収馬力算出部31は、入力軸回転計26、出力軸回転計27、不動作検知センサ25、投入完了検知センサ28から出力される信号を入力可能に接続され、液体変速機15の吸収馬力P(Pの算出方法については後述する)を算出した上でこれを記録制御部32に出力可能に接続されている。一方、記録制御部32は、入力軸回転計26からの入力軸回転数N1、吸収馬力算出部31からの吸収馬力P、燃料制御装置12からの燃料噴射量Qを入力可能に接続され、また、これらN1、P、Qの3つのパラメータにつき、縦軸に機関出力馬力(Pに対応)、横軸に機関出力回転数(N1に対応)をとったグラフを燃料噴射量Qに対応する形でプロットするような記録信号を記録装置18に出力可能に接続されている。
【0025】
記録装置18は、制御装置17の記録制御部32に制御されて上記の記録信号に基づいて記録用紙上にプロットするプリンタである。
次に、本実施例のディーゼル機関の性能測定装置10の動作について説明する。制御装置17のCPUは、記録媒体であるROMに記録されたプログラムの一つ、機関性能測定処理を実行する。図2は機関性能測定処理のフローチャートである。
【0026】
制御装置17は、所定周期毎にこの機関性能測定処理を開始する。この処理が開始されると、まず、ステップ(以下「S」と略す)101において、不動作検知センサ25及び投入完了検知センサ28から入力される信号をチェックし、性能測定開始条件が成立しているか否かを判断する。即ち、補機14に取り付けられたすべての不動作検知センサ25から不動作検知信号が入力され、且つ、投入完了検知センサ28から投入完了検知信号が入力されたときは、性能測定開始条件が成立したと判断して(S101でYES)、S102に進む。一方、それ以外のときは、性能測定開始条件が不成立と判断して(S101でNO)、機関性能測定処理を終了する。
【0027】
S102では、制御装置17は、入力軸回転計26から出力される入力軸回転数N1を取り込んでRAMの入力軸回転数記憶領域に一時記憶し、同タイミングで出力軸回転計27から出力される出力軸回転数N2を取り込んでRAMの出力軸回転数記憶領域に一時記憶し、同タイミングで燃料制御装置12から出力される燃料噴射量Qを取り込んでRAMの燃料噴射量記憶領域に一時記憶する。
【0028】
続くS103では、制御装置17は、RAMから入力軸回転数N1、出力軸回転数N2を読み出して速比e(N2/N1)を算出し、これをRAMの速比記憶領域に一時記憶する。
ところで、一般に、液体変速機15の変速機入力軸22から吸収する馬力Pは、入力軸回転数N1と出力軸回転数N2に応じて一義的に定まる値をとる。この入力軸回転数N1と出力軸回転数N2との比を通常「速比e」で表す。一般の液体変速機において、速比eと液体変速機吸収馬力Pと液体変速機の入力軸回転数N1との関係は、例えば図3に示す如くとなる。図3中、縦軸は液体変速機吸収馬力P、横軸は入力軸回転数N1(=機関軸回転数)を示す。また、パラメータe1〜e3は速比を示す。この図3からわかるように、液体変速機吸収馬力Pは速比eを可変変数とした曲線群(馬力吸収曲線群)で表される。制御装置17のROMには、馬力吸収曲線群をマップとして記憶しているか、又はこの曲線群における入力軸回転数N1と吸収馬力Pと速比eとの対応を表すテーブル又は演算式として記憶している。
【0029】
S103に続くS104では、制御装置17は、RAMから速比eを読み出し、ROMに記憶された馬力吸収曲線群のうち読み出した速比eに相当する馬力吸収曲線を選定した上で、RAMから入力軸回転数N1を読み出し、これに対応する液体変速機吸収馬力Pを求めてRAMの吸収馬力記憶領域に一時記憶する。
【0030】
続くS105では、制御装置17は、RAMから入力軸回転数N1、液体変速機吸収馬力P、燃料噴射量Qを読み出し、これら3つのパラメータに基づいて、縦軸に機関出力馬力(Pに対応)、横軸に機関出力回転数(N1に対応)をとったグラフを燃料噴射量Qに対応する形でプロットするような記録信号を作成し、これを記録装置18に出力する(S105)。
【0031】
記録装置18は、この記録信号に基づいて記録用紙上にプロットする。例えば、図4に示すように、燃料噴射量QがQaの場合には入力軸回転数及び液体変速機吸収馬力から定まる点を赤色でプロットし、Qbの場合には青色でプロットし、Qcの場合には緑色でプロットするようにすれば、各燃料噴射量Qa〜Qcにおける機関出力性能曲線が得られる(尚、Qa〜Qcは鉄道車両のノッチa〜cに対応している)。
【0032】
このようにして、記録装置18の記録用紙には、燃料噴射量Qに応じた機関出力性能曲線が作成される。つまり、図4に示すように、燃料噴射量Q=Qaにおける機関軸回転数(=N1)と機関出力馬力(=P)との関係を表す曲線、燃料噴射量Q=Qbにおける同様の曲線、…等が作成される。
【0033】
本実施例の性能測定装置10による内燃機関の性能診断は、例えば次のようにして行う。即ち、新しい内燃機関を使用開始した直後の機関出力性能曲線を記録装置18から出力し、これを基準性能曲線とする。そして、その内燃機関につき経時的に機関出力性能曲線を記録装置18から出力し、そのときの機関出力性能曲線と基準性能曲線とをオペレータが比較して、機関出力馬力の低下の程度を調べ、低下の程度が甚だしくなった場合に内燃機関のオーバーホールを行う必要があると判断する。
【0034】
あるいは、上記基準性能曲線及び経時的に作成される機関出力性能曲線を制御装置17のバックアップRAM等のメモリに記憶しておき、制御装置17のCPUが両者の機関出力馬力の差を所定値と比較し、その差が所定値よりも大きくなった時点でその内燃機関につきオーバーホールを行う必要があるとして例えばブザーを鳴らしたり警告灯を点灯したり音声で知らせたりすることにより外部に報知するようにしてもよい。このときの所定値は、例えば、予め経験的に定めた値を用いることができる。一例としては、内燃機関の機能が実用レベルから非実用レベルに低下した時点を経験的に把握して、その時点における基準性能曲線と機関出力性能曲線との機関出力馬力の差を所定値として定めることができる。
【0035】
以上詳述したように、本実施例の内燃機関の性能測定装置10によれば、内燃機関13が冷却送風機、冷房装置及び空気圧縮機等のいわゆる補機14を駆動可能で且つ逆転機16を備えた液体変速機15を介して車輪駆動軸24を駆動可能な場合であっても、逆転機16の投入が完了され且つ補機14が不動作状態であることを条件として液体変速機15の吸収馬力を算出することとしたため、同一の燃料噴射量で液体変速機15の吸収馬力の算出値の変動が大きくなるという不具合がなく、絶えず高精度で性能測定を行うことができるという効果が得られる。
【0036】
つまり、性能測定開始条件が成立した場合には、冷却送風機、冷房装置、空気圧縮機等の補機14は内燃機関13により駆動されていないため、補機14の作動状況により液体変速機吸収馬力が大きく変動するおそれがなく、また、逆転機16の投入が完了しているため、変速機出力軸23が極端な高速で回転することがなく、液体変速機吸収馬力は適正に評価できるのである。
【0037】
尚、上記3つのパラメータに、液体変速機15の油温を加えた場合には、液体変速機吸収馬力Pの変動を一層小さく抑えることが可能となる。具体的には、液体変速機15の油温を検知するには、直接その油温を測定可能な温度センサを設置しこれを制御装置17の記録制御部32に接続してもよいが、内燃機関13の排気温度を液体変速機15の油温として取り扱ってもよく、この場合には排気温センサを制御装置17の記録制御部32に接続することになる。このとき、記録装置18は、燃料噴射量Q毎に温度範囲別に機関回転数−機関出力馬力のプロットを作成してもよいし(例えばQaについて温度範囲200〜250℃、250〜300℃、300〜350℃、350〜400℃の機関回転数−機関出力馬力の関係を表すグラフを作成し、Qb、Qcについても同様のグラフを作成する)、あるいは、温度補正を行った上で上記実施例と同様の記録を行ってもよい。
【0038】
また、上記実施例では内燃機関性能評価を馬力又は出力即ち仕事率で行う方法を述べたが、液体変速機15の入力軸回転数N1及び出力軸回転数N2の2つのパラメータにより液体変速機15が吸収したトルクをも併せて知ることができる。従って、内燃機関性能をこの方法、すなわち、トルクを基準として評価することにしてもよい。
【0039】
また、制御装置17は、所定周期毎に入出力軸回転数N1、N2を取り込み吸収馬力Pを算出し、N1、P、Qに基づいて記録信号を作成し、性能測定開始条件が成立したときにのみこの記録信号を記録装置18に出力するようにしてもよいし、あるいは、所定周期毎に入出力軸回転数N1、N2を取り込み吸収馬力Pを算出し、性能測定開始条件が成立したときにのみN1、P、Qに基づいて記録信号を作成してこれを記録装置18に出力するようにしてもよい。これらの場合、所定周期毎に吸収馬力Pを算出したりあるいは記録信号を作成したりする必要があるものの、上記実施例と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用したディーゼル機関の性能測定装置の概略構成を表すブロック図である。
【図2】 機関性能測定処理のフローチャートである。
【図3】 馬力吸収曲線を表すグラフである。
【図4】 機関性能曲線を表すグラフである。
【図5】 液体変速機の入力軸回転数と吸収馬力との関係を表すグラフである。
【図6】 所定ノッチの実測データに基づいて作成した機関性能曲線である。
【図7】 排気温度別の実測データに基づいて作成した機関性能曲線である。
【符号の説明】
10・・・性能測定装置、11・・・出力指令器、12・・・燃料制御装置、13・・・内燃機関、14・・・補機、15・・・液体変速機、16・・・逆転機、17・・・制御装置、18・・・記録装置、25・・・不動作検知センサ、26・・・入力軸回転計、27・・・出力軸回転計、28・・・投入完了検知センサ、31・・・吸収馬力算出部、32・・・記録制御部。

Claims (6)

  1. 逆転機付きの液体変速機及び空気圧縮機等の補機が駆動可能に接続された内燃機関の馬力又はトルクを測定する内燃機関の性能測定方法であって、
    前記逆転機の投入が完了され且つ前記補機が不動作状態のとき、前記内燃機関により駆動される前記液体変速機の入力軸の回転数及び該入力軸の駆動力を前記逆転機に伝達する前記液体変速機の出力軸の回転数に基づいて、前記内燃機関の馬力又はトルクに相当する前記液体変速機の吸収馬力又は吸収トルクを算出する
    ことを特徴とする内燃機関の性能測定方法。
  2. 逆転機付きの液体変速機及び空気圧縮機等の補機が駆動可能に接続された内燃機関の馬力又はトルクを測定する内燃機関の性能測定装置であって、
    前記内燃機関により駆動される前記液体変速機の入力軸の回転数を検知する入力軸回転数検知手段と、
    前記入力軸の駆動力を前記逆転機に伝達する前記液体変速機の出力軸の回転数を検知する出力軸回転数検知手段と、
    前記逆転機の投入が完了したことを検知する逆転機投入完了検知手段と、
    前記補機が不動作状態にあることを検知する補機不動作状態検知手段と、
    前記逆転機投入完了検知手段によって前記逆転機の投入が完了したことが検知され且つ前記補機不動作状態検知手段によって前記補機が不動作状態であることが検知されたとき、前記入力軸回転数検知手段によって検知された前記入力軸の回転数及び前記出力軸回転数検知手段によって検知された前記出力軸の回転数に基づいて、前記内燃機関の馬力又はトルクに相当する前記液体変速機の吸収馬力又は吸収トルクを算出する算出手段
    を備えたことを特徴とする内燃機関の性能測定装置。
  3. 逆転機付きの液体変速機及び空気圧縮機等の補機が駆動可能に接続された内燃機関の馬力又はトルクを測定する内燃機関の性能測定方法であって、
    前記逆転機の投入が完了され且つ前記補機が不動作状態のとき、その時点における3つのパラメータ、即ち、(a)前記内燃機関の燃料噴射量、(b)前記内燃機関の機関軸回転数に相当する、前記内燃機関により駆動される前記液体変速機の入力軸の回転数、(c)前記内燃機関により駆動される前記液体変速機の入力軸の回転数及び該入力軸の駆動力を前記逆転機に伝達する前記液体変速機の出力軸の回転数に基づいて算出される、前記内燃機関の馬力又はトルクに相当する前記液体変速機の吸収馬力又は吸収トルク、を記録する
    ことを特徴とする内燃機関の性能測定方法。
  4. 逆転機付きの液体変速機及び空気圧縮機等の補機が駆動可能に接続された内燃機関の馬力又はトルクを測定する内燃機関の性能測定装置であって、
    前記内燃機関の燃料噴射量を検知する燃料噴射量検知手段と、
    前記内燃機関により駆動される前記液体変速機の入力軸の回転数を検知する入力軸回転数検知手段と、
    前記入力軸の駆動力を前記逆転機に伝達する前記液体変速機の出力軸の回転数を検知する出力軸回転数検知手段と、
    前記逆転機の投入が完了したことを検知する逆転機投入完了検知手段と、
    前記補機が不動作状態にあることを検知する補機不動作状態検知手段と、
    前記入力軸回転数検知手段により検知された前記液体変速機の入力軸の回転数及び前記出力軸回転数検知手段により検知された前記液体変速機の出力軸の回転数に基づいて、前記内燃機関の馬力又はトルクに相当する前記液体変速機の吸収馬力又は吸収トルクを算出する算出手段と、
    前記逆転機投入完了検知手段によって前記逆転機の投入が完了したことが検知され且つ前記補機不動作状態検知手段によって前記補機が不動作状態であることが検知されたとき、その時点における3つのパラメータ、即ち、(a)前記燃料噴射量検知手段により検知された前記内燃機関の燃料噴射量、(b)前記入力軸回転数検知手段により検知された、
    前記内燃機関の機関軸回転数に相当する前記液体変速機の入力軸の回転数、(c)前記算出手段により算出された、前記内燃機関の馬力又はトルクに相当する前記液体変速機の吸収馬力又は吸収トルク、を記録手段によって記録させる制御手段と
    を備えたことを特徴とする内燃機関の性能測定装置。
  5. 請求項3記載の内燃機関の性能測定方法であって、
    前記逆転機の投入が完了され且つ前記補機が不動作状態のとき、その時点における前記3つのパラメータに加えて、前記液体変速機の油温も記録する
    ことを特徴とする内燃機関の性能測定方法。
  6. 請求項4記載の内燃機関の性能測定装置であって、
    前記液体変速機の油温を検知する油温検知手段を備え、
    前記制御手段は、
    前記補機不動作状態検知手段により前記補機が不動作状態であることが検知され、且つ、前記逆転機投入完了検知手段により前記逆転機の投入が完了したことが検知されたとき、その時点における前記3つのパラメータに加えて、前記油温検知手段によって検知された油温も記録手段によって記録させる
    ことを特徴とする内燃機関の性能測定装置。
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