JP3696934B2 - 発煙ボール - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は発煙ボールに関し、さらに詳しくは、低コストで製造することができ、小さな打撃力で確実に発煙を起こし、グラウンドゴルフやゲートボールなどのスポーツのセレモニー等において好適に用いることができる発煙ボールに関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
発煙ゴルフボールは、ゴルフコンペのセレモニー等における始球式に用いられている。従来の発煙ゴルフボールは、ゴルフボールの形状をなし、噴煙口が設けられた外殻と、前記外殻により形成される内部空間に配置された発火剤および発煙剤とを有してなる。たとえば図3に示すように、前記外殻10は2つの半球体、すなわち第1半球体10aと第2半球体10bとを、互いの接合部10c同士を嵌合することにより形成される。前記外殻10には、その外周面と内周面とを貫通する噴煙口11が複数形成されている。前記外殻10により形成される内部空間12は球状である。前記内部空間12には、発火剤袋13a内に充填された球状の発火剤13と、発煙剤袋14a内に充填され、前記発火剤袋13の周囲を球状に覆ってなる発煙剤14とが、収容されている。
【0003】
従来の発煙ゴルフボールは、ゴルフクラブのヘッドで打撃されると、その衝撃により、内部の発火剤が発火する。この発火に伴い、発煙剤が発煙し、噴煙口から勢いよく煙が噴出する。その結果、発煙ゴルフボールは、煙を噴出しながら空中を飛んで行く。
【0004】
しかしながら、このような従来の発煙ゴルフボールの場合、前記外殻10がゴルフクラブのヘッドにより十分な力で強打されないと、内部に収容されている発火薬が発火するのに十分な衝撃力が得られず、その結果、発煙ゴルフボールが発煙しない等の問題がある。また、従来の発煙ゴルフボールは、グラウンドゴルフにおけるショットなどのように打撃力の小さなショットでは発煙させることができない。打撃力の小さなショットでも確実に発煙させるためには、発火剤の感度を向上させる手段も考えられるが、この場合、ボールの輸送中や取り扱い中における衝撃により誤作動するおそれがある。
【0005】
この発明は、前記従来における問題を解決することを目的とする。さらにこの発明は、低コストで製造することができ、小さな打撃力で確実に発煙を起こし、グラウンドゴルフやゲートボールをはじめとする各種スポーツのセレモニー等において好適に用いることができる発煙ボールを提供することを目的とする。
【0006】
【前記課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためのこの発明は、ボール形状をなす外殻と、前記外殻により形成される内部空間に配置された発火剤および発煙剤と、前記外殻の打撃に応じて前記発火剤を打撃可能とする突体と、前記外殻に設けられた噴煙開口部とを有してなることを特徴とする発煙ボールである。
【0007】
【作用】
この発明の発煙ボールは以下のように作用する。前記突体を打撃して、発煙ボールを飛ばし、または転がす。打撃された突体は前記発火剤に衝撃を与える。この衝撃により前記発火剤は発火する。この発火により前記発煙剤が発煙する。前記外殻により形成される内部空間に煙が充満する。前記噴煙開口部から煙が噴出する。その結果、発煙ボールは煙を噴出しながら飛び、または転がる。打球の軌跡は煙の線で描かれる。
【0008】
【実施例】
(実施例1)
以下、この発明の発煙ボールの実施例について図面を参照しながら説明する。図1は、この発明の発煙ボールの一実施例を示す断面概略説明図である。
【0009】
図1に示す発煙ボール1は、外殻2と、発火剤3と、発煙剤4と、噴煙開口部5と、突体6とを有してなる。
【0010】
前記外殻2は、ボール形状をなす部材である。この実施例における前記ボールはグラウンドゴルフボールである。外殻2は、第1半球体2aと第2半球体2bとによって形成されている。
【0011】
前記第1半球体2aは、グラウンドゴルフボールを半分に切断してなる形状を有し、球面状の凹陥部を有する。第1半球体2aにおける前記切断による切断面には第2半球体2bと嵌合可能な接合部2cが形成されている。第1半球体2aの外周面の中心部には、円筒形状の案内筒2eが形成されている。第1半球体2aの外周面には、直径5mmの噴煙開口部5が1つ形成されている。噴煙開口部5は、第1半球体2aにおける外周面と内周面とを貫通している。噴煙開口部5は、アルミ箔などの膜(図示せず。)で閉塞されている。
【0012】
前記第2半球体2bは、グラウンドゴルフボールを半分に切断してなる形状を有する。第2半球体2bにおける前記切断よる切断面の周縁部には第1半球体2aと嵌合可能な接合部2cが形成されている。第2半球体2bの前記切断面の中心部には、前記発火剤3および発煙剤4を収容するための凹陥部2dが形成されている。この第2半球体2bと、前記第1半球体2aとを互いに接合部2c同士を嵌合させて固着することにより、外殻2は形成される。
【0013】
前記発火剤3は、発火薬と細石または砂と接着剤とを有してなる。
【0014】
この実施例における前記発火薬は、鉛丹と珪素鉄または珪砂鉄とを混合してなる赤テルである。この赤テルは、四三酸化鉛70〜80重量%と珪素鉄20〜30重量%とを約60メッシュの篩で数回篩い、さらに約40メッシュの篩で篩って混合することにより得る。実施例1における前記接着剤は、セルロイド酢酸アミール溶液である。
【0015】
前記発火剤3の調製は、前記発火薬31〜41重量%と細石等51〜61重量%とセルロイド酢酸アミール溶液5〜11重量%とを竹べら等で静かに混合し、前記細石等の表面に赤テルを均一に付着させ、これを乾燥させることにより行う。実施例1における発火剤3は、合成樹脂製の発火剤袋3a内に充填されて球状の発火剤3とされる。
【0016】
前記発煙剤4は、塩素酸カリウムとミジン粉と澱粉と色剤とを有してなる。
【0017】
実施例1における前記色剤は、煙を赤色にするピグメントレッド・1およびベージュバイオレット・10である。
【0018】
実施例1における発煙剤4は、塩素酸カリウム23〜33重量%とミジン粉3〜7重量%と澱粉9〜15重量%とピグメントレッド・1の25〜35重量%とベージュバイオレット・10の20〜30重量%とを、少量の水を加えて練り合わして調製される。この調製物は、約8メッシュの篩いに通されて造粒され、さらに粒度が整えられた後、約20メッシュの篩いに通される。篩いに残った粒状物が発煙剤4として用いられ、合成樹脂製の発煙剤袋4a内に前記球状の発火剤3と共に充填される。このとき、発煙剤4は、発煙剤袋4a内において、前記球状の発火剤3が中心に位置するように前記球状の発火剤3の周りに充填されて、球状の発煙剤4とされる。
【0019】
前記突体6は、円柱形状の棒状部材である。この棒状部材の外径は第1半球体2aにおける案内筒2eの内径と同じ大きさである。このため、この棒状部材を前記案内筒2e内に挿入すると、前記棒状部材の外周面と前記案内筒2eの内周面とが互いに摺動可能となる。突体6の一端には円盤形状の押圧部6aが前記棒状部材と同軸に接続され、一体化されている。前記突体6において、前記棒状部材における前記押圧部6aが接続されている側とは反対側の位置に、前記棒状部材の中心軸と直交する貫通孔6aが形成されている。実施例1における突体6は、プラスチック製である。
【0020】
実施例1の発煙ボール1は以下のようにして組み立てられる。突体6における棒状部材の一端が第1半球体2aの外周面を貫通するように、突体6における棒状部材を第1半球体2aにおける案内筒2e内に挿入する。前記球状の発煙剤4を第2半球体2aにおける凹陥部2d内に収容し、接着剤で軽く固着する。突体6が挿入された第1半球体2aと、球状の発煙剤4が収容された第2半球体2bとを、互いの接合面2c同士を嵌合させ、接着剤で固着する。以上により、発煙ボール1が得られる。
【0021】
発煙ボール1においては、前記球状の発煙剤4と突体6の押圧部6aとが接しており、このとき突体6の一端は、第1半球体2aの外周面より外部に突出し、前記突体6における貫通孔6aが外部に露出する。この貫通孔6aには安全ピン7が挿入される。前記安全ピン7は、割ピンに引環を取付けたものである。安全ピン7は、突体6を挟み込むように、かつ、その割ピンの一方が前記貫通孔6aを貫通するようにして、突体6に装着される。なお、発煙ボール1においては、その重心が球心に一致するように設計され、各部材の重量が計算されている。
【0022】
実施例1の発煙ボール1は、たとえば以下のように使用することができる。発煙ボール1から安全ピン7を取り外す。発煙ボール1をティー上に載せる。このとき、発煙ボール1から突出する突体6の端部が、スイングされるグラウンドゴルフクラブのヘッドに打撃されるように、発煙ボール1をティー上に位置させる。グラウンドゴルフクラブをスイングし、グラウンドゴルフクラブのヘッドで前記突体6を打撃して、発煙ボール1を飛ばし、または転がす。打撃された突体6は押圧部6aを介して前記発火剤3に衝撃を与える。この衝撃により前記発火剤3は瞬時に発火する。この発火により前記発煙剤4が発煙する。前記外殻2により形成される内部空間に煙が充満する。この充満する煙の圧力で噴煙開口部5を閉塞するアルミ箔などの膜が破られる。噴煙開口部5から煙が噴出する。その結果、発煙ボール1は煙を噴出しながら飛び、または転がる。発煙ボール1の軌跡は煙の線で描かれる。
【0023】
実施例1の発煙ボール1は、突体6を打撃するだけで確実に発煙を起こさせることができるので、発煙を起こすのに大きな打撃力を必要とせず、発煙が生じないという問題はない。したがって、この実施例の発煙ボール1は、華やかな雰囲気の中で行われるグラウンドゴルフトーナメントのセレモニー等において好適に使用することができる。また、この実施例の発煙ボール1は、発火剤3および発煙剤4を多量に必要としないので、低コストでかつ簡便に製造することができる。また、突体6が設けられているので、通常のグラウンドゴルフボールとは外観上明瞭に相違し、このため間違って競技中に発煙ボールをショットするおそれもない。さらに、安全ピン7が設けられているので、発煙ボール1を輸送中、あるいは取り扱い中に誤って突体6を打撃しても、突体6は発煙剤4へ移動することができず、発煙剤4が誤作動により発煙することがない。すなわち、使用前における誤作動による発煙を確実に防止することができる。
【0024】
(実施例2)
図2は、この発明の発煙ボールの他の実施例を示す断面概略説明図である。
【0025】
図2に示す発煙ボール1は、前記実施例1における発煙ボール1において、噴煙開口部5が設けられていない点、および突体6が筒体に形成され、前記貫通孔6aが設けられた側の端面開口部に、この端面開口部を閉塞するアルミ箔膜が設けられ、押圧部6aに金網6bが設けられた点を除き、前記実施例1における発煙ボール1と同様である。したがって、この発煙ボール1においても、原則として前記実施例1の発煙ボール1と同様の効果を奏する。しかし、上記構成の相違から以下の点で相違する。
【0026】
発煙ボール1から安全ピン7を取り外した後、発煙ボール1における突体6を打撃して、発煙ボール1を飛ばし、または転がす。打撃された突体6は前記発火剤3に衝撃を与える。この衝撃により前記発火剤3は瞬時に発火する。この発火により前記発煙剤4が発煙する。前記外殻2により形成される内部空間に煙が充満する。それと同時に突体6における内部空間にも煙が充満する。この充満する煙の圧力で突体6における端面開口部を閉塞するアルミ箔膜が破られる。突体6における端面開口部から煙が噴出する。その結果、発煙ボール1は煙を噴出しながら飛び、または転がる。発煙ボール1の軌跡は煙の線で描かれる。このとき、突体6における押圧部6aには金網6bが設けられているので、未燃の発火剤3や発煙剤4が発煙ボール1の外部に放出されたり、発火剤3および発煙剤4の燃焼による炎が発煙ボール1の外部に噴出されることがない。このため、実施例2の発煙ボール1は安全性が高い。
【0027】
(変形例)
この発明は、前記実施例に何ら限定されるものではなく、この発明の目的を害しない限り、適宜の変更を加えることができる。たとえば、前記実施例における発煙ボール1に以下のような変更を加えることができる。
【0028】
前記外殻2により形成されるボールは、前記実施例におけるグラウンドゴルフボールに限られず、ゲートボール、ホッケー用ボール等の各種球技に用いられるボールを挙げることができる。これらの中でも、グラウンドゴルフボールやゲートボールが好ましく、特にグラウンドゴルフボールが好ましい。
【0029】
前記外殻2は、1つの部材で形成しても良いし、あるいは2つ以上の部材により形成しても良く、目的に応じて適宜選択することができるが、2つの部材により形成すると製造が容易になる点で好ましい。なお、2つ以上の部材で形成する場合、これらを互いに接着剤により接合しても良いし、螺合、嵌合等させることのみで一体化させても良い。
【0030】
前記外殻2の内部形状としては、発火剤3および発煙剤4を収容することができる空間を確保することができる限り特に制限はなく、使用する発火剤3および発煙剤4、目的等に応じて適宜選択することができる。前記実施例におけるように凹陥部を有する内部形状を有する場合には、発火剤3および発煙剤4を安定した状態で内部に保持することができ、また、これらを突体6により確実に打撃することができる点で有利である。
【0031】
前記外殻2に形成する噴煙開口部5は、発煙ボール1内に充満する煙を外部に噴出することができる機能を有していれば、その形状、数量、構造等につき特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0032】
前記噴煙開口部5は、前記機能を阻害しない限り、その表面が紙、アルミ箔等の薄膜で閉塞されていても良い。この場合、発煙ボール1内に、湿気、不純物や液体が混入するのを防止することができる点で有利である。
【0033】
前記噴煙開口部5の大きさとしては、通常3〜7mmであり、好ましくは4〜5mmである。噴煙開口部5が前記範囲内にあると発火剤および発煙剤のロスが少なく、これらの使用量を少量にすることができる点で有利である。
【0034】
前記噴煙開口部5の数としては、通常1個以上であり、好ましくは1〜2個であり、特に1個であるのが好ましい。噴煙開口部5の数が特に1個であると、多量の発煙剤4を必要としないので、低コストで発煙ボールを製造することができ有利である。
【0035】
前記発火剤3としては、前記実施例で用いた赤テルと細石等と接着剤との組み合わせに限られず、目的に応じて適宜選択することができるが、調製が容易であり、コスト等の点で前記組み合わせによる発火剤が有利である。
【0036】
前記赤テルは、一般に、四三酸化鉛70〜80重量%と珪素鉄20〜30重量%とを適宜選択した篩で数回篩った後に混合することにより得られる。前記接着剤としては、たとえばセルロイド酢酸アミール溶液、ニトロセルロース溶液などを挙げることができる。
【0037】
前記発火剤3の調製は、一般に、赤テル31〜41重量%と細石等51〜61重量%と接着剤5〜11重量%とを竹べら等で静かに混合し、前記細石等の表面に赤テルを均一に付着させ、これを乾燥させることにより行うことができる。
【0038】
なお、発火剤3の形状は、球状に限られず、目的に応じて種々の形状にすることができる。
【0039】
前記発火剤袋3aとしては、特に制限はなく、目的に応じてその大きさ、形状等を選択することができる。前記発火剤袋3aは、前記実施例においては合成樹脂製であるが、布製、紙製等であっても良い。
【0040】
前記発煙剤4としては、前記実施例で用いた塩素酸カリウムとミジン粉と澱粉と色剤との組み合わせに限られず、目的に応じて適宜選択することができるが、調製が容易であり、コスト等の点で前記組み合わせによる発煙剤が有利である。
【0041】
前記色剤としては、以下のものを好適に挙げることができる。赤色煙の場合には、ピグメントレッド・1、ベージュバイオレット・10、パラレッド、オイルレッド、ローダミンなどを挙げることができる。これらの中でも、ピグメントレッド・1とベージュバイオレット・10との組み合わせが好ましい。青色煙の場合には、ピグメントブルー・15、バットブルー、フタロシアニンブルー、インジゴどを挙げることができる。これらの中でも、ピグメントブルー・15とバットブルーとの組み合わせが好ましい。黄色煙の場合には、オイルイエローなどを挙げることができる。黒色煙の場合には、アントラセン、過塩素酸カリウムなどを挙げることができる。
【0042】
なお、発煙剤4の形状としては、球状に限られず、目的に応じて種々の形状にすることができる。
【0043】
前記発煙ボール1から噴出される煙の色は、前記色剤に応じて変化する。このため、前記色剤は目的に応じて適宜選択することができ、場合によっては2種以上組み合わせて用いても良い。
【0044】
前記発煙剤4は、一般に、塩素酸カリウム23〜33重量%と、ミジン粉3〜7重量%と、澱粉9〜15重量%と、色剤45〜55重量%とを、少量の水を加えて練り合わして調製される。この調製物は、適宜選択した篩いに通されて造粒することができる。
【0045】
前記発煙剤袋4aとしては、特に制限はなく、目的に応じてその大きさ、形状等を選択することができる。前記発煙剤袋4aは、前記実施例においては合成樹脂製であるが、布製、紙製等であっても良い。
【0046】
前記発火剤3および前記発煙剤4の使用量は、ボールの種類、発煙ボール1の飛距離、発煙ボール1の大きさ、凹陥部の大きさなどに応じて適宜決定することができる。
【0047】
前記発火剤3と前記発煙剤4との重量比としては、たとえば7:3〜7:5であり、好ましくは7:4である。前記重量比が前記範囲内にあると発火剤3が確実に発火し、十分な発煙量が得られる点で有利である。
【0048】
前記突体6は、発煙ボール1を打撃することにより、ボール形状をなす外殻2により形成される内部空間に配置された発火剤3を打撃可能とする機能を有する限りその形状、構造および材質等について特に限定がないのであるが、前記実施例1および2に示されるように、ボール形状をなす外殻2を貫通し、その一端を外殻2より突出させ、その他端を内部空間に配置されている発火剤3に臨ませるように配置された棒状体であるのが好ましい。その棒状体の断面形状についても限定がないのであるが、製造の容易性等を考慮すると断面円形の棒状体が好ましい。
【0049】
前記突体6の変形例として、たとえばボール形状の外殻2の内壁面に装着された重量体であり、前記外殻2を打撃するとその打撃による運動量が前記重量物に伝達され、その運動量をもって外殻内で発火剤に向かって突進するように仕組まれたものであっても良い。
【0050】
また、前記突体6としては、前記実施例1および2におけるように押圧部6aを設けても良い。前記押圧部6aを設けると、確実に前記発火剤3を打撃することができ、突体6が脱落せず、未燃焼の発火剤3や発煙剤4が外部に放出されない点で有利である。
【0051】
前記押圧部6aを設ける場合、その大きさ、形状、構造等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、発煙弾との接触面積が大きい方が、発火剤3に均一に衝撃力を付与することができるので好ましい。
【0052】
前記突体6の材質としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、燃えにくく、打撃力に耐え得るプラスチック製などが好ましい。また、突体6が案内筒2e内を円滑に摺動することができるようにするため、突体6と案内筒2eとを互いに摩擦係数の小さい材料で形成するか、両者の表面に潤滑油等を塗布しておいても良い。この場合、より小さな打撃力で発煙を確実に生じさせることができる点で有利である。
【0053】
この発明の発煙ボールは、低コストで製造することができ、小さな打撃力で確実に発煙を起こし、グラウンドゴルフやゲートボールなどをはじめとする各種スポーツのセレモニー等において好適に用いることができる。
【0054】
【発明の効果】
この発明によると、低コストで製造することができ、小さな打撃力で確実に発煙を起こし、グラウンドゴルフやゲートボールなどをはじめとする各種スポーツのセレモニー等において好適に用いることができる発煙ボールを提供することができる。さらに、発煙ボールに安全ピンを設けると、輸送中や取り扱い中に誤って衝撃を加えても誤作動を生ずることのない、安全な発煙ボールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の発煙ボールの一実施例を示す断面概略説明図である。
【図2】図2は、この発明の発煙ボールの他の実施例を示す断面概略説明図である。
【図3】図3は、従来の発煙ボールの一例を示す断面概略説明図である。
【符号の説明】
1・・・発煙ボール、2・・・外殻、2a・・・第1半球体、
2b・・・第2半球体、2c・・・接合部、2d・・・凹陥部、
2e・・・案内筒、3・・・発火剤、3a・・・発火剤袋、4・・・発煙剤、
4a・・・発煙剤袋、5・・・噴煙開口部、6・・・突体、
6a・・・押圧部、7・・・安全ピン、10・・・外殻、
10a・・・第1半球体、10b・・・第2半球体、10c・・・接合部、
11・・・噴煙口、12・・・内部空間、13・・・発火剤、
13a・・・発火剤袋、14・・・発煙剤、14a・・・発煙剤袋、
Claims (4)
- ボール形状をなす外殻と、前記外殻により形成される内部空間に配置された発火剤および発煙剤と、前記外殻の打撃に応じて前記発火剤を打撃可能とする突体と、前記外殻に設けられた噴煙開口部とを有してなることを特徴とする発煙ボール。
- 噴煙開口部が1個である前記請求項1に記載の発煙ボール。
- 突体が安全ピンを備える前記請求項1に記載の発煙ボール。
- グラウンドゴルフ用である前記請求項1から3のいずれかに記載の発煙ボール。
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