JP3696753B2 - ウインドレギュレータのウインドパネル支持構造 - Google Patents

ウインドレギュレータのウインドパネル支持構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウインドレギュレータのウインドパネル支持構造に関し、特に昇降する移動体の締結支持部にウインドパネルの下端部を支持固定し、ウインドパネルを昇降させるようにしたウインドレギュレータのウインドパネル支持構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
このような装置は、例えばドイツ国特許公報第4102941号に開示されているように、昇降する移動体に取り付けられたウインドパネルクランプによりウインドパネル下端を挟持させる構造となっている。
【0003】
このような従来の技術の構造にあっては、ウインドパネルクランプとウインドパネルを組み付けるに際し、ウインドパネル面に沿った水平方向の位置を決める手段がないため、ウインドパネル側縁部を案内するグラスランに当てて位置を決めねばならない。
【0004】
このとき、グラスランに当てる力にバラツキがあると、グラスランとウインドパネル側縁部との位置が決まらず、グラスランとの摺動抵抗のバラツキの原因になり、グラスランからの摺動抵抗が片側だけにかかり、グラスランの底部が異常摩耗を起こす原因となるおそれがある。
【0005】
また、ウインドパネルは、ウインドパネルクランプに挟持されているだけなので、外力がウインドパネルの上方に向かって掛かったときに位置ズレする可能性があり、ウインドパネルの支持安定性に問題がある。
【0006】
しかしながら、ウインドパネルの取付時に水平方向の位置決めをすると、位置合わせのために余分な手順が必要となり、作業性が悪くなるおそれがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来の技術に着目してなされたもので、組付けの際におけるウインドパネル位置決め精度を向上させるとともに、ウインドパネルの支持安定性及び構成部品の耐久性と組み付け作業性の向上したウインドレギュレータのウインドパネル支持構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、ウインドパネル下端部にウインドパネルホルダを固着し、該ウインドパネルホルダをウインドレギュレータの移動体に設けられた締結支持部に支持固定してなるウインドレギュレータのウインドパネル支持構造において、前記ウインドパネルホルダと前記締結支持部との取付部に、前記ウインドパネル面に沿った水平方向の位置を決める水平方向位置決め部と、前記ウインドパネルの上方及び下方への移動を阻止する上方移動規制部及び下方移動規制部と、前記ウインドパネルホルダ及び前記締結支持部の組み付け時に前記水平方向位置決め部に案内するガイド部とを有し、前記締結支持部には、ボルトの締め付けによってウインドパネルを挟持する押え板を有し、前記下方移動規制部として、締結支持部の上方を向く支持面とウインドパネルホルダの係合段部の下面とが当接することにより形成されてなり、前記水平方向位置決め部として、締結支持部の支持面またはウインドパネルホルダの係合段部の下面のいずれか一方に位置決め突起、いずれか他方に前記位置決め突起と係合する位置決め溝が形成されてなり、前記ガイド部は、ウインドパネルホルダに設けられ且つ下方に開口されてなると共に前記ボルトが挿入可能なガイド溝からなることを特徴とするものである。
【0009】
請求項1記載の発明によれば、ウインドパネル組付けの際において、前記ウインドパネル面に沿った水平方向の位置を決める水平方向位置決め部が設けられてなるので、ウインドパネル位置決め精度の向上が図れる。さらに、ウインドパネルは、前記ウインドパネルの上方及び下方への移動を阻止する上方移動規制部及び下方移動規制部によって、外力によって位置ズレすることが無くなるので、支持安定性の向上が図れるとともに、位置ズレによるグラスラン等の構成部品の異常摩耗が無くなるので、構成部品の耐久性を向上させることが出来る。また、前記ウインドパネルホルダ及び前記締結支持部の組み付け時に水平方向位置決め部へ案内するガイド部を有するので、組み付け作業性が向上する。
【0011】
また、締結支持部と押え板との間にウインドパネルホルダを挿入させて、水平方向位置決め部である位置決め突起と位置決め溝を係合させる前に、押え板を締結するボルトをウインドパネルガイドのガイド溝に係合させ、水平方向の位置決め可能位置にウインドパネルホルダを導くことができるので、組み付け時の位置決め作業が著しく容易となる。
【0012】
さらに、水平方向位置決め部は、ウインドパネルホルダを仮保持可能な締結支持部の上方を向く支持面とウインドパネルホルダの係合段部の下面に配設されているので、仮保持を行うと水平方向位置決めも完了しており、後はボルトを締結すれば良い状態となり、組み付け作業性が良好である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示される自動車のドア1に取り付けられるウインドレギュレータ2は、いわゆるケーブル式ウインドレギュレータであって、相互に平行でウインドパネル3の走行方向に平行であり且つ垂直よりわずかに傾斜した位置に向けられている2つのレール4,5と、各レール4,5の上を摺動することのできるように取付けられた移動体6,7と、各移動体6,7に固着され且つウインドパネル3を支持する締結支持部8,9と、レール4,5に沿って張渡したケーブル10,11とを具備している。各ケーブル10,11の端部は、公知であり、図示省略した手段で対応の移動体6,7に連結されている。
【0014】
前記ケーブル10,11の途中は、前記レール4,5の間に配置されたモータユニット12からなる駆動装置13に連係されている。該ケーブル10,11は、前記レール4,5の両端部で遊動プーリ14を通過し、移動体6,7に連結されている。
【0015】
図2は、同一形状からなる締結支持部8,9のうちの一方の締結支持部8を示すものであり、移動体6に固着された固定部分8aと、ウインドパネル3に直交する方向に配設されたボルト18により前記固定部分8aに締結された押え板19とからなる。固定部分8aと押え板19とは、プレス成形加工によって製造され、その間にウインドパネル3を締め付け固定するようになっている。
【0016】
ウインドパネル3の下端部3aの締め付け固定箇所には、合成樹脂製のウインドパネルホルダ17が接着手段により固着されている。該ウインドパネルホルダ17の下端部には、前記ボルト18が進入可能で下方に開口し上下方向に延在するガイド溝17aが形成されている。ガイド溝17aの幅は、前記ボルト18の直径よりも広く設定されており、ガイド溝17aの入り口には、ボルト18の挿入作業を容易にするため、外方に向かい溝幅が拡大するガイド部であるガイド傾斜部17bが形成されている。さらに、ウインドパネルホルダ17の下端部には、車内側の側面に突出し且つ前記ボルト18の締結時に押え板19の下縁19aに係合する上方移動規制部である係合突起17cが突設されている。ウインドパネルホルダ17の車外側の上部には、係合段部17dが突設されているとともに、係合段部17dの下面17eには、下方に向かい突設された位置決め突起17fが形成されている。
【0017】
前記締結支持部8には、ウインドパネルホルダ17を挟む固定挟持部8bが形成されている。該固定挟持部8bの下端部には、係合孔8cが形成され、固定挟持部8bの上端部には、車外側に折曲され且つ「下方移動規制部」である支持面8dが形成されている。さらに、支持面8dの中央部には、下方に向かいU字状に切り込まれた位置決め溝8eが形成されている。該位置決め溝8eは、ウインドパネルホルダ17の組付けの際に、前記位置決め突起17fと係合されることで、ウインドパネル3の面に沿った「水平方向位置決め」となる。
【0018】
前記締結支持部8の係合孔8cの上方には、前記ボルト18が貫通する貫通孔8fが穿設され、該貫通孔8fの裏側にナット20が溶接されることで、ねじ孔として機能している。
【0019】
該係合孔8cには、前記押え板19の回り止めと、前記ボルト18締め付け時の押え板19の移動をガイドするために、押え板19の下端部に折曲形成された係合舌片19bが貫通して挿入されている。該係合舌片19bが係合孔8cより突出する先端部には、ボルト18締結時に係合孔8cから係合舌片19bが抜けないように係合孔8cの周縁部と係合する抜け止め突起19cが形成されている。
【0020】
該押え板19は、プレス加工により製造され、中央部にはボルト貫通孔19dが穿設され、上部にはボルト18の締め付けに伴ない移動可能で、締結支持部8の固定挟持部8bと共働しウインドパネルホルダ17を挟む平板状の可動挟持部19eが形成されている。
【0021】
次に、本実施形態の作用について説明する。締結支持部8にウインドパネル3を組み付けるには、先ず締結支持部8のナット20に押え板19のボルト貫通孔19dに通したボルト18を浅く(若干)ねじ込んでおく。このとき、固定挟持部8bと可動挟持部19eは、図3に示す通り、開いており、この状態でウインドパネル3のウインドパネルホルダ17を固定挟持部8bと可動挟持部19eの間に差し入れると、先ずボルト18がガイド傾斜部17bからガイド溝17a内に進入し、正規の位置決めである位置決め突起17fと位置決め溝8eとが係合する位置までウインドパネルホルダ17を案内する。ボルト18とガイド溝17aの水平方向の位置が若干ずれていても、ガイド傾斜部17bに案内されてボルト18はガイド溝17a内に円滑に進入出来る。
【0022】
このとき、ウインドパネルホルダ17の係合段部17dの下面17eに突設された位置決め突起17fが支持面8dに形成された位置決め溝8e内に進入し、ウインドパネル3の面に沿った水平方向の位置決めがなされ、同時にウインドパネルホルダ17の係合段部17dの下面17eが締結支持部8の支持面8dに載置され仮保持状態となる。ここでボルト18を締め付けていくと可動挟持部19eは固定挟持部8bに向かい移動して、図4に示す通り、ウインドパネルホルダ18を強固に挟持することが出来る。
【0023】
さらに、締結支持部8の支持面8dとウインドパネルホルダ17の係合段部17dの下面17eにより、下方へのウインドパネル3の移動を規制し、押え板19の下縁19aとウインドパネルホルダ17の係合突起17cの係合により上方へのウインドパネル3の移動が規制されている。
【0024】
組み付け作業は、ウインドパネル3の位置決めと、ボルト18の締め付けとが、ウインドパネル3を仮保持した状態で行えるので作業性が向上する。
【0025】
また、ウインドパネル3の位置決め作業も、ボルト18の締め作業も、同一方向から可能であり、目視用孔と作業孔を兼ねた小さな作業孔をドア1に設ければ良く、ドア1の強度向上や部品レイアウトの自由度向上にも貢献出来る。
【0026】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、ウインドパネル組付けの際において、前記ウインドパネル面に沿った水平方向の位置を決める水平方向位置決め部が設けられてなるので、ウインドパネル位置決め精度の向上が図れる。さらに、ウインドパネルは、前記ウインドパネルの上方及び下方への移動を阻止する上方移動規制部及び下方移動規制部によって、外力によって位置ズレすることが無くなるので、支持安定性の向上が図れるとともに、位置ズレによるグラスラン等の構成部品の異常摩耗が無くなるので、構成部品の耐久性を向上させることが出来る。また、前記ウインドパネルホルダ及び前記締結支持部の組み付け時に水平方向位置決め部へ案内するガイド部を有するので、組み付け作業性が向上する。
【0027】
また、締結支持部と押え板との間にウインドパネルホルダを挿入させて、水平方向位置決め部である位置決め突起と位置決め溝を係合させる前に、押え板を締結するボルトをウインドパネルガイドのガイド溝に係合させ、水平方向の位置決め可能位置にウインドパネルホルダを導くことができるので、組み付け時の位置決め作業が著しく容易となる。さらに、水平方向位置決め部は、ウインドパネルホルダを仮保持可能な締結支持部の上方を向く支持面とウインドパネルホルダの係合段部の下面に配設されているので、仮保持を行うと水平方向位置決めも完了しており、後はボルトを締結すれば良い状態となり、組み付け作業性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わるウインドレギュレータが取り付けられた自動車用ドアの側面図。
【図2】図1のウインドパネル支持構造を示す分解斜視図。
【図3】図2のウインドパネル取付前の状態を示す断面図。
【図4】図3のウインドパネル取付後の状態を示す断面図。
【符号の説明】
2 ウインドレギュレータ
3 ウインドパネル
6,7 移動体
8,9 締結支持部
8d 支持面
8e 位置決め溝
17 ウインドパネルホルダ
17a ガイド溝
17c 係合突起
17e 下面
17f 位置決め突起
18 ボルト
19 押え板
19a 下縁

Claims (1)

  1. ウインドパネル下端部にウインドパネルホルダを固着し、該ウインドパネルホルダをウインドレギュレータの移動体に設けられた締結支持部に支持固定してなるウインドレギュレータのウインドパネル支持構造において、
    前記ウインドパネルホルダと前記締結支持部との取付部に、前記ウインドパネル面に沿った水平方向の位置を決める水平方向位置決め部と、前記ウインドパネルの上方及び下方への移動を阻止する上方移動規制部及び下方移動規制部と、前記ウインドパネルホルダ及び前記締結支持部の組み付け時に前記水平方向位置決め部に案内するガイド部とを有し、
    前記締結支持部には、ボルトの締め付けによってウインドパネルを挟持する押え板を有し、
    前記下方移動規制部として、締結支持部の上方を向く支持面とウインドパネルホルダの係合段部の下面とが当接することにより形成されてなり、
    前記水平方向位置決め部として、締結支持部の支持面またはウインドパネルホルダの係合段部の下面のいずれか一方に位置決め突起、いずれか他方に前記位置決め突起と係合する位置決め溝が形成されてなり、
    前記ガイド部は、ウインドパネルホルダに設けられ且つ下方に開口されてなると共に前記ボルトが挿入可能なガイド溝からなることを特徴とするウインドレギュレータのウインドパネル支持構造。
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