JP3696199B2 - 覆工ブロックユニット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は川岸や河川敷、川底や海底、或いは道路や造成地の法面等の施工面に敷設される覆工ブロックユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1等に示すように、縦横に並列したコンクリート製の覆工ブロック群中にネットを埋設して覆工ブロック間を連結した覆工ブロックユニット、或いは特許文献2等に示すように、短直状の連結線材(鉄筋)を縦横に交差組みして上記覆工ブロック群中に埋設して覆工ブロック間を連結した覆工ブロックユニットが既知である。
【0003】
上記仕様の覆工ブロックユニットは川岸や河川敷、或いは道路や造成地の法面等の施工面に敷設する場合に多用されており、覆工ブロックユニットをクレーンで吊り上げて順次敷き詰め、覆工ブロック間に間詰め材を充填する簡易な作業で広面積の覆工工事が短い工期で、且つローコストで施工できる利点を有する。
【0004】
更に覆工ブロック間を連結する連結ネットや連結線材の可撓性によって施工面の不陸に対し容易に馴染み施工できる利点を有する。
【0005】
加えて覆工ブロックを擬岩形態にコンクリート成形することによって、自然景観を醸成できる利点を有する。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−80625号公報
【0007】
【特許文献2】
特許第2513546号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら上記覆工ブロックユニットは多数の競合製品が提供されている現状にあって、そのコスト削減、即ち覆工ブロックユニットそのもののコスト削減と、工事費の削減が課題となっているが、上記特許文献1に使用する金属製ネット、合成樹脂製ネットは何れもネット製造メーカーから入手する価格が割高につき、上記コスト削減に限界を有している。
【0009】
加えて覆工ブロックユニットの仕様に応じ、大きさ等の異なる異種のネットを購入せねばならず、更なるコストアップの要因となっている。
【0010】
又特許文献2においては上記ネットを使用せずに、短直状の鉄筋を縦横に交差して覆工ブロック間の連結が可能であるが、多数の鉄筋(連結線材)を使用せねばならず、これら多数の鉄筋を交差組みして多点溶接せねばならない作業、或いは多数の鉄筋を覆工ブロックユニットを成形する成形型内へ配置せねばならない煩雑な作業を要し、結局は充分なコスト削減を達成し難い。
【0011】
又上記覆工ブロックユニットはクレーン等で吊り上げて施工面に敷設されるのであるが、上記短直状の鉄筋を交差組みした連結線材では、上記覆工ブロックユニットを吊り上げるための吊り掛け部材を別に用意し、同ユニットの外方へ突出するように埋め込まねばならず、これもコストアップの原因となる。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は線材を連結手段として用いながら、同線材を用いる上記特許文献2における問題点、ひいてはネットを連結手段として用いる上記特許文献1の問題点を解消する覆工ブロックユニットを提供するものである。
【0013】
この覆工ブロックユニットは線材を蛇行曲げして形成した蛇行曲げ経線材と、線材を蛇行曲げして形成した蛇行曲げ緯線材とを連結線材として用い、蛇行曲げ経線材と蛇行曲げ緯線材とを上下に交差して上記覆工ブロック群中に埋設し、覆工ブロックの夫々に上記蛇行曲げ経線材と蛇行曲げ緯線材の交差部を形成して上記覆工ブロック間を連結する構成としたものである。
【0014】
好ましい例として、各個の覆工ブロック中に蛇行曲げ経線材の各蛇行曲げ部を形成する二本の経線材と、蛇行曲げ緯線材の各蛇行曲げ部を形成する二本の緯線材とが配在されるように埋設し、各覆工ブロック中に上記交差部を四個形成して上記覆工ブロック間を連結する。
【0015】
又上記蛇行曲げ経線材又は/及び蛇行曲げ緯線材の蛇行曲げ部を外端に配置された覆工ブロックの外側方へ突出させ吊り手を形成する構成としたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図1乃至図6に基づき説明する。
【0017】
図2,図3に示すように、この覆工ブロックユニット1は平面的に集合せる複数の覆工ブロック2から成る。各覆工ブロック2は互いに独立し、コンクリート成形して擬岩形状を付与した擬岩ブロック等である。
【0018】
又は各覆工ブロック2は砕石を貧配合したセメントにより擬岩形状等に成形した多空隙構造のブロックである。砕石はセメントにより互いに結合し、砕石間に多空隙構造を有する。
【0019】
他方図1に示すように、上記覆工ブロック2間の連結手段として、金属製の一条の線材を蛇行曲げして形成した蛇行曲げ経線材4と、同様に金属製の一条の線材を蛇行曲げして形成した蛇行曲げ緯線材5とを用意する。
【0020】
上記蛇行曲げ経線材4と蛇行曲げ緯線材5とは蛇行曲げピッチを同一にする。即ち一種の蛇行曲げ線材を所定の幅でカットし、蛇行曲げ経線材4と蛇行曲げ緯線材5として用いる。
【0021】
図2,図3,図4,図5に示すように、上記平面的に集合せる複数のコンクリート製の覆工ブロック2の全域に、上記蛇行曲げ経線材4と蛇行曲げ緯線材5とを上下に交差して埋設し、覆工ブロック2の夫々に上記蛇行曲げ経線材4と蛇行曲げ緯線材5の交差部6を配在して上記覆工ブロック2間を連結する。よって覆工ブロックユニット1を形成する。
【0022】
好ましい例として図2に示すように、各個の覆工ブロック2中に蛇行曲げ経線材4の各蛇行曲げ部を形成する二本の経線材4a,4aを埋設し、同様に各個の覆工ブロック2中に蛇行曲げ緯線材5の各蛇行曲げ部を形成する二本の緯線材5a,5aを埋設し、各覆工ブロック2中に上記交差部6が四個形成されるように埋設する。
【0023】
又は図3に示すように、各個の覆工ブロック2中に蛇行曲げ経線材4の各蛇行曲げ部を形成する二本の経線材中の一本の経線材4aを埋設し、同様に各個の覆工ブロック2中に蛇行曲げ緯線材5の各蛇行曲げ部を形成する二本の緯線材中の一本の緯線材5aを埋設し、各覆工ブロック2中に上記交差部6が一個形成されるように埋設する。
【0024】
上記図2,図3に示す蛇行曲げ経線材4と蛇行曲げ緯線材5とは、図1に示すように、全交差部6の要所要所を溶接3して一体組みして成る複合蛇行曲げ線材にし、該一体組みした複合蛇行曲げ線材の状態で上記覆工ブロック2群中に埋設する。即ち覆工ブロック2群のコンクリート成形時に上記複合蛇行曲げ線材を型込めし埋設する。
【0025】
又は蛇行曲げ経線材4と蛇行曲げ緯線材5を分離し、別々に覆工ブロック2群中に埋設する。この場合図5に示すように、蛇行曲げ経線材4と蛇行曲げ緯線材5は上下に重ね合わせて覆工ブロック2群中に埋設するか、図4に示すように、上下に離間して覆工ブロック2群中に埋設する。何れの場合も両者4,5は各経線材4aと各緯線材5aとが平面視、互いに交差した状態で覆工ブロック2群中に埋設される。
【0026】
又上記蛇行曲げ経線材4又は/及び蛇行曲げ緯線材5の蛇行曲げ部を外端に配置された覆工ブロック2の外側方へ突出させ吊り手7を形成する。
【0027】
例えば上記覆工ブロックユニット1中の最外端の覆工ブロックユニット1の外側面から上記蛇行曲げ経線材4又は/及び蛇行曲げ緯線材5の蛇行曲げ部を外側方へ突出して吊り手7を形成し、クレーンによる覆工ブロックユニット1の吊り上げに供する。
【0028】
上記吊り手7を形成する蛇行曲げ部は他の蛇行曲げ部より外側方へ突出する長さにし、覆工ブロック2の側面から突出せしめる。
【0029】
又は図6に示すように、蛇行曲げ経線材4の全ての蛇行曲げ部又は蛇行曲げ緯線材5の全ての蛇行曲げ部を外端の覆工ブロック2の外側面から外側方へ突出し吊り手7を形成する。
【0030】
又図1に示すように、上記蛇行曲げ経線材4と蛇行曲げ緯線材5の端部をフック形に折曲し、該フック形の端部を覆工ブロック2中に埋設して上記覆工ブロック2側面から外側方へ突出し、このフック曲げ部にて吊り手7を形成する。この吊り手7は少なくとも覆工ブロックユニット1のコーナー部に配置する。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、覆工ブロックユニットの連結手段として線材を用い、しかも二本の蛇行曲げ線材にて形成されるものであるから、極めて安価であり、型枠内設置も容易である。覆工ブロックユニットの種類に応じ、蛇行曲げ経線材と蛇行曲げ緯線材の大きさや蛇行曲げピッチを自在に設定でき、簡単な曲げ機を用い、備蓄している直線材を自工場において容易に蛇行曲げ加工して上記経線材と緯線材とが形成できる。
【0032】
又蛇行曲げ経線材と蛇行曲げ緯線材との蛇行曲げ部を利用して吊り上げ用吊り手を容易に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Aは蛇行曲げ経線材の平面図、Bは蛇行曲げ緯線材の平面図、Cは蛇行曲げ経線材と蛇行曲げ緯線材とを蛇行曲げ複合線材にした状態の平面図。
【図2】覆工ブロックユニットにおける蛇行曲げ経線材と蛇行曲げ緯線材の埋設構造の一例を一部断面して示す平面図。
【図3】覆工ブロックユニットにおける蛇行曲げ経線材と蛇行曲げ緯線材の埋設構造の他例を一部断面して示す平面図。
【図4】覆工ブロックユニットにおける蛇行曲げ経線材と蛇行曲げ緯線材の埋設構造の一例を示す断面図。
【図5】覆工ブロックユニットにおける蛇行曲げ経線材と蛇行曲げ緯線材の埋設構造の他例を示す断面図。
【図6】覆工ブロックユニットの吊り手の形成例を示す平面図。
【符号の説明】
1…覆工ブロックユニット、2…覆工ブロック、3…溶接、4…蛇行曲げ経線材、4a…経線材、5…蛇行曲げ緯線材、5a…緯線材、6…交差部、7…吊り手

Claims (3)

  1. 平面的に集合せる複数のコンクリート製の覆工ブロックの全域に、一条の線材を蛇行曲げして形成した蛇行曲げ経線材と、一条の線材を蛇行曲げして形成した蛇行曲げ緯線材とを上下に交差して埋設し、覆工ブロックの夫々に上記蛇行曲げ経線材と蛇行曲げ緯線材の交差部を形成して覆工ブロック間を連結したことを特徴とする覆工ブロックユニット。
  2. 平面的に集合せる複数のコンクリート製の覆工ブロックの全域に、一条の線材を蛇行曲げして形成した蛇行曲げ経線材と、一条の線材を蛇行曲げして形成した蛇行曲げ緯線材とを上下に交差して埋設し、該埋設により各個の覆工ブロック中に蛇行曲げ経線材の各蛇行曲げ部を形成する二本の経線材と、蛇行曲げ緯線材の各蛇行曲げ部を形成する二本の緯線材を配在し、各覆工ブロックの夫々に上記蛇行曲げ経線材と蛇行曲げ緯線材による四個の交差部を形成して覆工ブロック間を連結したことを特徴とする覆工ブロックユニット。
  3. 上記蛇行曲げ経線材又は/及び蛇行曲げ緯線材の蛇行曲げ部を外端に配置された覆工ブロックの外側方へ突出させ吊り手を形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の覆工ブロックユニット。
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