JP3695991B2 - 加温具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発熱体の移動、片寄りが無く、薄型で、保温性及び体へのフィット性の高い加温具に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来の使い捨てカイロ等の発熱体は、通気性シートと裏面シートの間に発熱剤を密封した形状となっており、該発熱体に充填されている鉄粉等の発熱剤は、発熱終了時に粉体同士が固着し板状またはその粉砕物状となり、固くなるため、装着時に体にフィットしない。
このため、発熱剤を封入する袋を分割してなるカイロ等が提案されているが、これでも、発熱後に発熱剤が分割された部分における装着時の下方に片寄り、フィット性が低下し装着感に悪影響を及ぼす。
【0003】
また、不織布に発熱剤を分散保持させてなるカイロ(特開平8−173471号公報)や、発熱剤とパルプとを混合して発熱体を形成してなるカイロ(特公平8−121号公報)も提案されている。しかし、これらの提案に係るカイロでは、単位面積当たりの発熱剤の充填量が少なく、発熱体の厚さが必要以上に増加し、また、発熱効果も劣る。
【0004】
従って、本発明の目的は、発熱体の厚みを厚くすることなく、柔軟で発熱に伴う発熱体の固化が少なく、発熱体の移動、片寄りが無く、薄型で、保温性及び体へのフィット性の高い加温具を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、発熱剤を特定の平均繊維長を有する繊維と混合することにより、前記目的を達成しうることを知見し、本発明を完成した。即ち、本発明は、通気性の表面シートと裏面シートとの間に、空気と接触して発熱する発熱体を介在させてなる加温具において、
前記発熱体(但し、シート状発熱体を除く)は、平均繊維長が該発熱体の厚さよりも1〜5mm長い繊維と発熱剤とを混合して形成され、該発熱体の厚さが0.1〜0.5cmである加温具を提供することにより前記目的を達成したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の加温具の好ましい一実施形態について説明する。
本実施形態の加温具1は、通気性の表面シート2と裏面シート3との間に、空気と接触して発熱する発熱体4を介在させてなる。
本実施形態の加温具1は、長方形状の裏面シート3と長方形状の表面シート2との間に後述する発熱体4としての発熱剤42と繊維41との混合物を封入してなるものであり、このような形態は、従来の使い捨てカイロ等の加温具と同じである。
【0007】
而して、本実施形態の加温具1において、発熱体4は、平均繊維長が発熱体4の厚さよりも長い繊維41と発熱剤42とを混合して形成されている。
前記平均繊維長が発熱体4の厚さ以下の長さだと、繊維41と発熱剤42とが良好に絡合せず、鉄粉を保持する性能に劣る。
【0008】
更に詳述すると、繊維41の平均繊維長は、発熱体4の厚さよりも1〜5mm長い。5mmを超えると、繊維を混合分散しにくくなり、1mm未満であると、繊維と発熱剤が絡合しにくくなる。
また、発熱体の厚さは、0.1〜0.5cmとする。0.5cmを超えると、装着時に違和感を感じ、0.1cm未満であると、粉体の充填量が少なくなりすぎ、発熱性能が低下する。
【0009】
前記繊維としては、特に制限はなく、有機繊維、無機繊維のどちらでもよいが、通常は、有機繊維が使用され、その形成材料としては、例えばパルプ、ビスコスレーヨン、綿、麻、羊毛等の天然繊維、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリウレタン等の合成繊維が挙げられる。
繊維の繊度は、0.1〜40dとするのが好ましく、1〜20dとするのが更に好ましい。40dを超えると、繊維同士の絡み合いが少なく、0.1d未満であると、繊維を保持する能力が低下する場合があるので、前記範囲内とするのが好ましい。
【0010】
前記発熱剤としては、空気の存在下で発熱するものであれば、特に限定されず、例えば鉄粉等の金属粉に、NaCl、KCl、MgCl2 、CaCl2 等の金属塩化物、K2 SO4 、Na2 SO4 、MgSO4 等の金属硫酸塩、または他の反応助剤となりうる化合物、水および水を良く吸収する保湿剤(例えば、活性炭、シリカゲル、木粉、吸水ポリマー等)並びに、必要に応じてバーミキュライト等の添加剤等を混合した混合物が用いられる。
【0011】
また、発熱剤と繊維との配合割合は、発熱剤100重量部に対して、繊維0.05〜10重量部とするのが好ましく、0.1〜2重量部とするのが更に好ましい。10重量部を超えると、発熱体の厚さが大きくなりすぎ、0.05重量部未満であると、繊維による片寄り防止効果が小さくなるので、前記範囲内とするのが好ましい。
即ち、本発明においては、繊維が上述の特定の平均繊維長を有するので、この範囲の配合割合でも発熱剤の固化を防止するのに十分な効果がある。
【0012】
また、表面シート及び裏面シートの形成材料も従来の加温具と用いられているものを特に制限なく用いることができ、表面シートとしては、発熱のコントロールの面から、常法に準じて測定される透湿度が50〜10000g/m2 ・dの通気性のシートが好ましく、100〜5000g/m2 ・dの通気性のシートが更に好ましく、また、裏面シートには、通気性のシート及び非通気性のシートの何れをも用いることができる。
【0013】
本実施形態の加温具は、常法に準じて、表面シートと裏面シートとを重ね合わせた後、それらの3辺をヒートシールなどして封止し、次いで、両シート間に発熱剤及び繊維の混合物を注入し、最終に、残りの1辺を封止する等して得られる。
【0014】
本発明の加温具は、従来のカイロ等の加温具のように、発熱後に発熱剤が固化し柔軟性が無くなるものに比べ、発熱剤の間に繊維が入り込み固化を防ぐため、発熱前後に関わらず、柔軟性が維持され、身体へのフィット性が良好である。また、繊維が発熱剤の移動を防止するため、発熱剤が片寄りにくく装着感も良い。
【0015】
本発明の加温具は、通常の使い捨てカイロ、温熱を加えることにより効能を発揮する物品等に適用できる。
なお、本発明の加温具は、上述の実施形態のように長方形状でなく、円形や不定形状でも良い。
【0016】
【実施例】
〔実施例1〕
鉄粉(同和鉱業(株)製、商品名「RKH」)57wt%、5wt%食塩水29wt%、活性炭1.4wt%、バーミキュライト5.8wt%、吸水ポリマー(三菱化学製、商品名「アクアパール AIB」)4.2wt%、珪酸カルシウム2.6wt%を混合して発熱剤を得た。
また、PET(繊度2d×繊維長5mm)を繊維として用い、発熱剤18gと繊維2gとを混合して、発熱剤を20g得た。
得られた発熱剤20gを、表面シートとしての透湿シート(興人製、商品名「TSF−EDFH」)と、裏面シートとしてのPEシートとの間に介在させて、図1に示す加温具を作製した(発熱体の大きさ:幅10cm×長さ12cm×厚み1.5mm)。
【0017】
得られた加温具を発熱させて、発熱後の柔軟性及び片寄りについて下記の評価方法に従って評価を行った。また、この際、JIS S4100−1996の温度特性測定方法により発熱評価を行った。これらの結果を〔表1〕に示す。
柔軟性の評価方法;発熱終了後(24hr空気中放置後)の曲げ剛性を測定した。曲げ剛性測定条件は、支点間距離60mm、押し込み速度300mm/分である。数値が小さいほど柔軟である。
片寄りの評価方法;発熱を開始させた時の加温具を縦にして10回上下に振った後の袋内の粉の上端位置Bを測定し、この値を加温具の縦の長さAで割った値を片寄り度とする。値が大きいほど片寄りが大きくなる。評価は下記により行った。
評価 B÷A
○ ─ 0.1未満
△ ─ 0.1以上0.2未満
× ─ 0.2以上
【0018】
〔比較例1〜3〕繊維長を〔表1〕に示す値とした以外は、実施例1と同様に製作した加温具を用いて、実施例1と同様に評価を行った。その結果を〔表1〕に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】
本発明の加温具は、発熱体の厚みを厚くすることなく、柔軟で発熱に伴う発熱体の固化が少なく、発熱体の移動、片寄りが無く、薄型で、保温性及び体へのフィット性の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の加温具の1実施形態を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1のX−X断面を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 加温具
2 通気シート
3 裏面シート
4 発熱体
42 発熱剤
41 繊維
Claims (2)
- 通気性の表面シートと裏面シートとの間に、空気と接触して発熱する発熱体を介在させてなる加温具において、
前記発熱体(但し、シート状発熱体を除く)は、平均繊維長が該発熱体の厚さよりも1〜5mm長い繊維と発熱剤とを混合して形成され、該発熱体の厚さが0.1〜0.5cmである加温具。 - 前記繊維と前記発熱剤との配合割合が、前記発熱剤100重量部に対して、前記繊維0.05〜10重量部である請求項1記載の加温具。
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