JP3695688B2 - キャパシタ蓄電装置を用いた電源調整装置 - Google Patents
キャパシタ蓄電装置を用いた電源調整装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力電源と負荷に接続して停電時の給電を行ったり負荷の平準化を行ったりするキャパシタ蓄電装置を用いた電源調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
無停電電源は、これまでその蓄電素子として二次電池(鉛電池、ニッケルカドミウム電池など)を用いるのが通常であった。しかし、無停電電源の多くの目的が比較的短時間の停電バックアップであるのに対し、これまで知られている限り全ての二次電池は1分間あるいは数十秒の短時間放電には適していないため、余分に大きな容量を搭載してその一部を使うような方法が採られていた。また、その特性から、放電の回復のための充電には長時間を有し、その間に再度停電した場合の対策や、大電流で大深度放電を行った後の二次電池の信頼性などの問題が生じていた。
【0003】
二次電池以外の、充放電時間が短く、寿命が無限に長い蓄電素子があれば理想的な無停電電源が得られる。例えばフライホィール、電解コンデンサ、電気二重相キャパシタなどを用いた、それぞれ特徴のある無停電電源が提案されてきた。しかし、机上プランだけなら容量の十分大きなコンデンサを考えることも可能であるが、現実に製造できる電解コンデンサのエネルギー密度の制約から、停電補償時間は数100msに留まり、二次電池に置き換わるには至っていない。
【0004】
フライホィールは、短時間の蓄電には有望で寿命も長いが、低回転数ではエネルギー密度が低く、エネルギー密度を増そうと回転数を高めるとフライホィールの破壊に対する安全性から、防護処置などが必要となるため、急速に普及するには至っていない。
【0005】
また、従来の二次電池を用いた無停電電源には、多くの工夫がなされ特許出願されているが、その根本問題である二次電池の充放電時間や寿命、出力密度に関係する部分は十分に改善されていない。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するものであって、短時間の充放電が可能で、高信頼性、高効率、低損失、長寿命で停電時の給電、負荷の平準化を行えるようにするものである。
【0007】
そのために本発明は、入力電源と負荷に接続して停電時の給電を行ったり負荷の平準化を行ったりするキャパシタ蓄電装置を用いた電源調整装置であって、充電電流をバイパスする回路を有し充電電圧・電流を制御する並列モニタを並列に接続した複数のキャパシタからなるキャパシタ蓄電装置と、前記入力電源より前記キャパシタ蓄電装置に充電を行う充電手段と、前記キャパシタ蓄電装置から出力電流を制御して放電を行う放電手段と、前記入力電源と負荷との間の給電系に接続して前記放電手段の出力を負荷に給電する接続手段と、前記入力電源と負荷との間の給電系を監視して前記充電手段及び放電手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
また、前記充電手段は、AC/DCコンバータ、初期化電圧を設定し、前記各キャパシタを前記初期化電圧に充電する初期化機能を有し、前記放電手段は、DC/ACインバータや出力電流を一定に制御する電流ポンプを有し、前記キャパシタ蓄電装置は、充電電圧に応じてキャパシタの直並列切り換えを行うバンク切り換え回路を有し、前記制御手段は、負荷の変動を検出して前記充電手段及び放電手段を制御し前記キャパシタ蓄電装置の充放電を行うことにより負荷の平準化を行い、入力電源の停電を検出して前記放電手段を制御し前記キャパシタ蓄電装置から給電を行うことを特徴とするものである。
【0009】
そのために本発明は、充電電流をバイパスする回路を有し充電電圧・電流を制御する並列モニタを並列に接続した複数のキャパシタからなり、入力電源と負荷に接続して、充放電電圧に応じて前記複数のキャパシタの直並列切り換えを行うバンク切り換え回路を有するキャパシタ蓄電装置と、前記入力電源より前記キャパシタ蓄電装置に充電を行う充電手段と、前記キャパシタ蓄電装置から出力電流を制御して放電を行う放電手段と、前記入力電源と負荷との間の給電系に前記放電手段の出力の接続及び前記入力電源の切り離しを行う接続手段と、前記給電系の負荷変動を検出することにより尖頭電力の発生の有無を判断すると共に、前記入力電源の停電を検出して、前記バンク切り換え回路と前記充電手段と前記放電手段と前記接続手段とを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記尖頭電力の発生時には、前記接続手段を制御して前記放電手段の出力を前記給電系に接続し、前記バンク切り換え回路と前記放電手段を制御して前記充電電圧の低下に従って前記複数のキャパシタを並列接続から直列接続に順次段階的に切り換えて前記キャパシタ蓄電装置からの放電により前記尖頭電力に対する不足電力を供給して負荷の平準化を行い、前記停電を検出した停電時には、前記接続手段を制御して前記給電系から前記入力電源を切り離し、前記バンク切り換え回路と前記放電手段を制御して前記充電電圧の低下に従って前記複数のキャパシタを並列接続から直列接続に順次段階的に切り換えて前記キャパシタ蓄電装置からの放電により前記停電時の給電を行い、前記停電時でなく前記尖頭電力の発生していない時を正常時として、前記バンク切り換え回路と前記充電手段を制御して前記充電電圧の上昇に従って前記複数のキャパシタを直列接続から並列接続に順次段階的に切り換えて前記キャパシタ蓄電装置の充電を行うように前記バンク切り換え回路と前記充電手段と前記放電手段と前記接続手段とを制御するこを特徴とするものである。
【0010】
図1において、キャパシタ蓄電装置3は、多数の直並列接続されるキャパシタCとそれら各キャパシタCに並列接続される並列モニタからなり、瞬時的な充放電が可能な蓄電装置である。キャパシタCは、例えば電気二重層キャパシタであり、並列モニタは、キャパシタCに並列に接続して充電電流をバイパスする回路を有し充電電圧・電流を制御するものである。AC/DCコンバータ1は、入力電源の受電系とキャパシタ蓄電装置3との間に接続され入力電源の交流を直流に変換してキャパシタ蓄電装置3の充電を行うものであり、充電制御回路2は、AC/DCコンバータ1が単なる整流回路ではなく、キャパシタ蓄電装置3に効率よく充電するため、キャパシタ蓄電装置3から見て電流源と見なせるようにAC/DCコンバータ1を制御して充電制御を行うものである。電流ポンプ4は、複数のキャパシタC及び並列モニタを含むキャパシタ蓄電装置3から放電する出力電流の制御を行うものであり、DC/ACインバータ5は、直流を交流に変換してキャパシタ蓄電装置3を放電し、そのDC/ACインバータ5を制御して放電を制御するのが出力制御回路6である。
【0011】
接続回路7は、入力電源と負荷との間の給電系にDC/ACインバータ5を接続して負荷の変動に応じてDC/ACインバータ5の出力を制御することにより負荷平準化装置として使用し、停電時には入力電源を切り離してDC/ACインバータ5から負荷へ給電を行い無停電電源として使用するように切り換えるものである。常時DC/ACインバータ5を入力電源と負荷との間の給電系に接続しておくことにより、常時は負荷平準化装置として使用し、停電時はDC/ACインバータ5から負荷に給電することもできるので、接続回路7による切り換えを省いてもよい。制御装置8は、入力電源と負荷との間の給電系を監視し、負荷の変動や停電に応じて充電制御回路2及び出力制御回路6を制御するものであり、負荷の変動を検出してキャパシタ蓄電装置3の充放電を制御することにより負荷の平準化を行ったりするように充電制御回路2及び出力制御回路6を制御し、入力電源の停電を検出してキャパシタ蓄電装置3から給電を行うように出力制御回路6を制御する。
【0012】
キャパシタ蓄電装置3として、例えば耐電圧が2〜3V、内部抵抗2ΩF、エネルギー密度5Wh/lit以上のキャパシタセルに並列モニタを接続し、必要な電圧、電力となるようにこれらを直並列に接続して構成すると、最小30秒〜1分間の短時間充電、30秒以上最短放電時間1分程度の停電全負荷に対応可能で、高効率で低損失、長寿命で高い信頼性の高信頼蓄電装置を実現できる。したがって、電力供給の正常時に充電し、異常時又は必要時に放電する1分間の無停電電源及び負荷平準化装置が実現できる。しかも、寿命判定などを必要とせず、メンテナンスフリーで、完全密閉でガス漏れがなく、充電電圧から正確な残量予測も可能である。
【0013】
例えば1kWの契約電力で尖頭負荷が2kWある装置を使った場合、その不足電力を充電しておいた本装置から供給することができる。このような用途では、尖頭電力の発生毎に放電し、次の発生に間に合うように充電するという激しい充放電サイクルを伴うので、二次電池では劣化が激しく実用化するのは困難であったが、本発明のキャパシタ蓄電装置を使用することにより、短時間の充放電サイクルに対応でき、しかも高信頼性、長寿命で使用することができる。
【0014】
図2は本発明に係る電源調整装置に用いるキャパシタ蓄電装置の構成例を示す図であり、CA1〜CA3、CB1〜CB3はキャパシタ、SS、SA1〜SA3、SB1〜SB3はスイッチを示す。
【0015】
図2において、キャパシタCA1〜CA3とCB1〜CB3は、それぞれ同数ずつ直列接続した2組のキャパシタ群A、Bを構成するものである。なお、それぞれのキャパシタCA1〜CA3、CB1〜CB3は、複数個を直列あるいはそれをさらに並列に接続したバンクであってもよい。スイッチSSは、2組のキャパシタ群A、Bを直列接続する直列接続スイッチ手段である。スイッチSA1〜SA3は、一方のキャパシタ群AとスイッチSSとの直列接続点▲1▼を他方のキャパシタ群Bの直列接続他端▲3▼及びそれぞれのキャパシタCB1〜CB3の直列接続点に接続する、一方のスイッチ手段群であり、スイッチSB1〜SB3は、他方のキャパシタ群BとスイッチSSとの直列接続点▲2▼を一方のキャパシタ群Aの直列接続他端▲4▼及びそれぞれのキャパシタの直列接続点に接続する、他方のスイッチ手段群である。
【0016】
次に、切り換え接続を説明すると、図2(A)に示すようにスイッチSSのみをオンにすることにより、図2(D)に示すようにキャパシタCA1〜CA3、CB1〜CB3を直列接続とし、図2(B)に示すようにスイッチSSをオフにして一方のスイッチ手段群のスイッチSA3及びこれに対応する他方のスイッチ手段群のスイッチSB3をオンにすることにより、図2(E)に示すように一方のキャパシタ群Aの中央側接続キャパシタCA3と他方のキャパシタ群Bの中央側接続キャパシタCB3とを並列接続とする。同様に、図2(C)に示すように一方のスイッチ手段群のスイッチSA2及びこれに対応する他方のスイッチ手段群のスイッチSB2をオンにし、他のスイッチは全てオフにすることにより、図2(F)に示すように一方のキャパシタ群Aの中央側接続キャパシタCA3、CA2の直列回路と他方のキャパシタ群Bの中央側接続キャパシタCB3、CB2の直列回路とを並列接続とする。さらに、一方のスイッチ手段群のスイッチSA1及びこれに対応する他方のスイッチ手段群のスイッチSB1をオンにし、他のスイッチは全てオフにすることにより、図2(G)に示すように一方のキャパシタ群AのキャパシタCA1〜CA3の直列回路と他方のキャパシタ群BのキャパシタCB1〜CB3の直列回路とを並列接続とする。
【0017】
上記のように一方のスイッチ手段群のいずれか1つのスイッチSA1〜SA3及びこれと反対側の他方のスイッチ手段群のスイッチSB1〜SB3又はスイッチSSのいずれかを選択的に接続して、図2(D)〜(G)のように複数のキャパシタCA1〜CA3、CB1〜CB3の接続を切り換え制御すると、電圧を調整し充放電に伴う電圧の変動を押さえることができる。
【0018】
例えば図2(D)に示すようにキャパシタCA1〜CA3、CB1〜CB3を全て直列に接続して充電を開始する場合には、充電側の端子電圧が所定値まで上昇すると、図2(E)に示す接続に切り換えることにより、キャパシタCA3、CB3の電圧分低下させる。さらに充電により再び充電側の端子電圧が所定値まで上昇すると、図2(F)、(G)に示す接続に順次切り換えることにより、充電側の端子電圧を所定値より上昇しないように押さえることができる。
【0019】
また、図2(G)に示す接続から放電を開始し負荷に給電を行う場合には、出力電圧が所定値まで低下すると、図2(F)に示す接続に切り換えることにより出力電圧の低下を補い、さらに出力電圧が所定値まで低下すると、図2(E)、(D)に示す接続に切り換えることにより、出力電圧を所定値より低下しないように押さえることができる。
【0020】
しかも、充放電の際の全電流を負担するのは、キャパシタCA1〜CA3、CB1〜CB3を全て直列に接続するスイッチSSのみであり、その他のスイッチSA1〜SA3、SB1〜SB3は、全電流の1/2の電流容量ですむ。さらに、いずれの段階でもキャパシタに直列に接続されるスイッチは1個だけとなるので、スイッチに半導体を用いたときに問題となるスイッチのオン電圧による損失も最小限にできる。
【0021】
図3は直並列切り換え回路を有するキャパシタ蓄電装置の他の実施の形態を示す図であり、CM、CA1〜CAn、CB1〜CBnはキャパシタ、SA、SBは切り換えスイッチ、SS1、SS2、SSA1〜SSA3、SSB1〜SSB3は制御整流素子、SD1、SD2、SDA1〜SDA3、SDB1〜SDB3は整流素子、A1は制御回路、21は充電回路、22は出力制御回路、23は負荷を示す。
【0022】
図3(A)において、キャパシタCMは、負荷の定格電圧の範囲で充放電される出力用の主キャパシタバンクであり、キャパシタCA1〜CAn、CB1〜CBnは、負荷電圧の許容変動幅の範囲で電圧調整用に充放電される調整用キャパシタとして、キャパシタCMに直列接続され、直並列接続の切り換えにより電圧の調整を行うものである。切り換えスイッチSA、SBは、キャパシタCMに直列に接続したキャパシタCA1〜CAn、CB1〜CBnを2組のキャパシタ群に分けて直並列接続の切り換えを行うものである。
【0023】
制御回路A1は、キャパシタCMにおける充放電状態(端子電圧)を検出し、その充放電状態に応じて切り換えスイッチSA、SBを制御してキャパシタCA1〜CAn、CB1〜CBnの直並列接続の切り換えを行う制御手段である。切り換えスイッチSA、SBは、この制御回路A1によりキャパシタCA1〜CAn、CB1〜CBnが全て直列接続となる実線のポジションから一方のキャパシタ群AのキャパシタCA1〜CAnの直列回路と他方のキャパシタ群BのキャパシタCB1〜CBnの直列回路とが並列接続となる点線のポジションまで段階的に切り換え制御される。
【0024】
充電回路21は、電源よりキャパシタCM、CA1〜CAn、CB1〜CBnに定電流充電するものであり、キャパシタCMに直列接続されたキャパシタCA1〜CAn、CB1〜CBnの直並列接続の切り換えが段階的に制御され、最終的に一方のキャパシタ群AのキャパシタCA1〜CAnの直列回路と他方のキャパシタ群BのキャパシタCB1〜CBnの直列回路とが並列接続され定格電圧まで充電されて充電を終了する。出力制御回路22は、例えば既に知られた電流ホンプのようにキャパシタCM、CA1〜CAn、CB1〜CBnから負荷23に供給する電流を制御、調節したり、負荷23から逆に電流源(充電回路)としてキャパシタCM、CA1〜CAn、CB1〜CBnを充電する、つまり負荷23が発電機となる回生制動の場合の切り換えを行ったりするものである。したがって、出力制御回路22としては、電子スイッチや、降圧チョッパ、昇圧チョッパ、その他のDC/DCコンバータが用いられるが、キャパシタCA1〜CAn、CB1〜CBnの接続切り換えの制御により、負荷23から見て調整の必要のない範囲に電圧が安定化される場合には省くこともでき、特に必要不可欠な構成要素というものではない。勿論、キャパシタCA1〜CAn、CB1〜CBnの接続切り換えの制御により、電圧変動範囲が小さくなれば、これとコンバータを組み合わせることにより、コンバータを高効率に設計でき、電圧安定性の高い電源を実現することもできる。
【0025】
切り換え回路を構成するスイッチSA、SBは、図3(B)に示すようにサイリスタなどの半導体からなる単方向の制御整流素子SS1、SS2、SSA1〜SSA3、SSB1〜SSB3とダイオードからなる整流素子SD1、SD2、SDA1〜SDA3、SDB1〜SDB3との逆並列回路を用いることができる。このうち、少なくとも一方のキャパシタ群Aの直列接続1端と他方のキャパシタ群Bの直列接続他端との間を接続する回路は、制御整流素子SSA1と整流素子SDA1により構成し、他方のキャパシタ群Bの直列接続1端と一方のキャパシタ群Aの直列接続他端との間を接続する回路は、制御整流素子SSB1と整流素子SDB1により構成する。そして、放電方向の整流素子SDA1、SDB1には逆方向(充電方向)の制御整流素子SSA1、SSB1を並列接続する。これ以外の回路には、充電方向の制御整流素子SS2、SSA3、SSB3と逆方向の制御整流素子SS1、SSA2、SSB2とを直列接続し、それぞれに逆方向の整流素子SD2、SDA3、SDB3、整流素子SD1、SDA2、SDB2を並列接続する。勿論、これらの回路としては、サイリスタ(制御整流素子)を逆並列接続した回路やトライアック(双方向制御整流素子)を接続した回路でもよい。
【0026】
上記のようにサイリスタやトライアック、ダイオードを組み合わせて切り換え回路を構成することにより、突入電流に強く、長時間でのオンロス、ゲートロスを少なくすることができる。しかも、接続の切り換え時に主極にキャパシタの電圧が逆バイアスとして加わるので、ターンオフの制御が特別に必要でなくなり、ゲート制御回路を簡素化することができる。例えば図3(B)の回路において、充電時には、制御整流素子SS2のみをオンにし他の全てをオフにした状態からスタートする。そして、充電が進むに従ってまず制御整流素子SSA3、SSB3をオンにすることにより、制御整流素子SS2が逆バイアスでオフになる。次に制御整流素子SSA1、SSB1をオンにすることにより、制御整流素子SSA3、SSB3が逆バイアスでオフになる。放電時には、制御整流素子を全てオフにした状態から整流素子SDA1、SDB1が導通して放電をスタートし、制御整流素子SSA2、SSB2をオンにし、次に制御整流素子SS1をオンにすることにより、キャパシタCA1〜CAn、CB1〜CBnを全て直列接続するまで切り換え制御することができる。
【0027】
図4は直並列切り換え回路を有するキャパシタ蓄電装置のさらに他の実施の形態を示す図であり、コンデンサ電池を電圧の低下にしたがって並列接続から直列接続に切り換えるものである。この蓄電装置では、既に本発明者が提案しているものであって(特開平11−215695号公報参照)、例えば図4(A)に示すコンデンサ電池C1、C2の直並列切り換え回路を、図4(B)に示すようにさらに多段に縦続接続し充放電状態に応じ段階的に切り換え制御すると、段数に見合って電圧の変動幅を小さくすることができる。この場合には、並列接続から直列接続に切り換える際、コンデンサ電池C1、C2の電圧が不均一になっていると、コンデンサ電池C1とC2との間で大きなクロスカーレントが流れるので、図4(C)に示すようにこのようなクロスカーレントを防ぐための保護回路A1、A2、それに対応できるスイッチング素子Q1〜Q3が必要になる。
【0028】
また、上記のように接続切り換え(バンク切り換え)で電圧の変動幅を小さくしてこれと電流ポンプとを併用することも効果的である。図5はバンク切り換え方式と電流ポンプの併用例を説明するための図である。電流ポンプの調整能力、接続切り換えの段数等に応じて、バンク切り換えなしで電流ポンプだけ、逆に電流ポンプ成しでバンク切り換えだけでも対応できるが、バンク切り換えと小さな電流ポンプとの併用も効果的である。例えば1段のバンク切り換えを行う系の放電に伴う出力電圧は図5(A)に示すように変換する。その出力に電流ポンプを図5(B)に示すように接続すると、スイッチS2とインダクタL1で構成される電流ポンプの定格は、出力容量の100%、つまり出力が100kWのスイッチングコンバータが必要になる。それに対して、図5(C)に示すようにキャパシタバンクに直列になるようにスイッチングコンバータを接続し、キャパシタバンクの出力にスイッチングコンバータの出力の和が系の最終出力となるようにすると、電流ポンプの定格は、図5(A)のupで示した部分のエネルギーだけを受け持てばよいことになる。つまり、最大でも出力の50%で済む。バンク切り換えがもっと多段になり変動が少ないか、あるいは負荷の要求がもっと出力の変動を許容するものである場合には、この形式の電流ポンプの定格容量は、30〜25%などと小さくすることが可能となる。
【0029】
多数の電気二重層キャパシタ単セルを直列に接続した場合、個々のキャパシタに着目すると、その分担電圧は、その静電容量と漏れ電流のばらつきによって時間の経過と共に不均一になっていく、そこに充電すると静電容量に反比例して充電が追加され、さらに漏れ電流のばらつきによって放電する。こうしてキャパシタの負担電圧は、最終的に漏れ電流に比例した電圧に落ちつく。漏れ電流を定量的に品質管理し少ないばらつき例えば10%未満に抑えるのは困難であり、通常は2倍以上のばらつきが生じ、負担電圧が高いものから劣化していく。そこで、最悪のばらつきを考慮して各キャパシタが耐えられるほどの低い負担電圧で我慢しないと、キャパシタの劣化を招き本来の高い信頼性が得られなくなる。並列モニタ、さらに並列モニタを使用したキャパシタの初期化は、上記のような負担電圧が無制限にばらつくのを防ぐことができ、きわめて有効である。次に、並列モニタを使用したキャパシタ蓄電装置の初期化について説明する。
図6は初期化用と満充電検出用に別々のコンパレータを有する並列モニタの構成例を示す図である。図中、11は充電器、12、13はコンパレータ、14、15はオアゲート、Cはキャパシタ、Dはダイオード、Rsは抵抗、Trはトランジスタ、S1は初期化スイッチ、Vful 、Vini は設定電圧を示す。
【0030】
図6において、並列モニタは、初期化用と満充電検出用に別々のコンパレータ12、13を有する。初期化用のコンパレータ12は、第1の設定電圧Vini で充電電流をバイパスするようにキャパシタCに並列接続したトランジスタTrを動作させるものである。満充電検出用のコンパレータ13は、第1の設定電圧Vini より高い初期化終了を判定する第2の設定電圧Vful を検出する電圧検出手段として用いるものである。トランジスタTrと抵抗Rは、キャパシタCの初期化を行う際に、キャパシタCの端子電圧が設定電圧Vini 以上になると充電電流のバイパス回路を構成し、そのバイパス電流を制限する、つまり充電電流の一部をバイパスするものであり、その電流を設定するのが抵抗Rである。初期化スイッチS1は、キャパシタCの初期化動作のオン/オフを行うものであり、初期化モードが選択されたときオンにする。
【0031】
充電器11は、直列接続された複数のキャパシタCに対する充電を行うものであり、いずれかのキャパシタCから満充電電圧が検出されたことを条件に充電を停止する。また、充電器11は、初期化充電を行う場合、初期化スイッチS1をオンにして充電を開始し、各キャパシタの初期化用のコンパレータ12の出力Bをオア論理処理して取り出すことにより、複数のキャパシタのうちのいずれかで充電電流のバイパス動作が開始したことを判定し、満充電検出用のコンパレータ13の出力Fをオア論理処理して取り出すことにより、複数のキャパシタのうちのいずれかが満充電に達したことを判定して、初期化充電を終了する。オアゲート14は、コンパレータ12のバイパス動作信号Bをオア論理処理するものであり、オアゲート15は、コンパレータ13の満充電検出信号Fのオア論理処理を行って充電器11に定電流充電の停止信号とするものである。
【0032】
したがって、設定電圧Vful がキャパシタの満充電電圧に、設定電圧Vini が設定電圧Vful より低い電圧にそれぞれ設定される。そして、初期化スイッチS1がオンのときの充電では、早く設定電圧Vini まで充電されたキャパシタより順次トランジスタTrと抵抗Rからなるバイパス回路により充電電流の一部がバイパスされて充電速度を落とし、いずれかのキャパシタが満充電になると、充電器11により定電流による充電を停止し、必要に応じて緩和充電を行う。
【0033】
次に、充放電時の動作及び本発明で行う初期化について説明する。図7はキャパシタの使い方に見る充放電のスタイルと初期化のポイントの例を示す図、図8は初期化時の充電カーブと通常の充放電カーブの例を示す図である。
【0034】
初期化を行うことのできる時期を充放電トレースの上で示したのが図7である。キャパシタに並列に設けたダイオードを利用して初期化を行う▲1▼、1つのコンパレータにより満充電で初期化を行う▲2▼、使いながら充電の途中で少しずつ初期化を行う▲3▼、使いながら放電中に初期化を行う▲4▼、使いながら充放電をしていないときに初期化を行う▲5▼など、幾つもの初期化のポイントがある。一般化していえば、いつも満充電状態で停電を待機するパソコン用無停電電源、8分目で電圧変動率改善など少電力出入と停電待機に対応可能とする無停電電源、いつも充放電サイクルにある太陽電池による常夜灯など、用途に応じていずれか、あるいはその幾つかを実行できるように並列モニタを制御すれば、広汎な用途、動作条件に対応できる。
【0035】
本発明では、使用する並列モニタに図6で示したように初期化用と満充電検出用に別々にコンパレータを用い、これらの制御と電圧の設定値を変え、▲5▼のような充放電をしていないときに初期化を行う。この場合、充放電をしていないときとして、例えば大電流の充放電状態にないこと、充電レベルVnが一定の範囲内に入っていること、所定以上のバラツキがあることを初期化条件として初期化信号Sをオンにし、同時に初期化専用の充電を開始する。平常の充電レベル、つまり充放電の制御中心値Vnと初期化の設定電圧Vini ×直列接続されたキャパシタセルの数nとの関係は、コンパレータの誤差やバラツキを見込んでVnの方が少し低くなるように設定する。つまり、Vnの方が低目にしないと、初期化がほとんど完了した状態で無駄に初期化電流が消費され、あまり大幅に低くすると初期化が完了しても電圧が完全に揃わないことになるからである。
【0036】
キャパシタのバラツキは、満充電信号Fが出力されたときの充電レベルで判定する。例えば使いはじめで初期化が済んでいない段階では、蓄電容量は100%ではなく、バラツキが大きいほど蓄電容量が少ない段階で満充電信号Fが出力される。したがって、その時の充電レベルが満充電の設定電圧Vful ×nに比べてどれほど低いかによって、初期化の不完全な程度(バラツキの程度)を判定することができる。この判定は、設定電圧Vini の充電レベルにおいても同様に可能である。つまり、キャパシタのいずれかが所定の充電電圧に達したときの全充電電圧がその所定の充電電圧のn倍と比較すると、その差によりバラツキの程度を判定することができる。この初期化では、バラツキが大きいほど少なくとも1個の並列モニタのバイパスが始まったことをバイパス動作信号Bで検出してから満充電信号Fが検出されるまでの時間が長くなり、バイパストランジスタTrの発熱が大きくなる。このようなバイパストランジスタTrの発熱が好ましくない場合、バイパス動作信号Bで検出してから一定の時間経過すると、一旦初期化をオフにして冷却時間を設け、オンオフ(間欠動作)をさせるようにしてもよいし、初期化専用の充電電流を小さくしてもよい。また、発熱の程度を判断しながら、初期化電流を調整信号ADで調整してもよい。
【0037】
上記のように充放電をしていないときに初期化を行うようにすることにより、特に、ハイブリッド電気自動車に使用する場合、初期化の最中にブレーキやアクセルが踏まれて大電流の充放電が始まると、初期化条件を解除して初期化信号Sをオフにすることができる。この場合、初期化が不完全であると、蓄電容量が100%活用できないが、それなりのレベルで使用できるので、次に初期化条件が整ったときにまた初期化を行えばよい。
【0038】
キャパシタが全放電あるいは電圧ゼロで初期化された状態から一定電流で充電(定電流充電)を開始すると、初期化モードが選択されていない状態、つまり初期化スイッチS1がオフの状態では、充電電流のバイアス回路が動作しないので、図8の左端に示すA、Bのように容量の差に応じた傾斜で電圧が上昇する。そして、直列に接続されているキャパシタの1つ、例えば容量の小さい方のキャパシタCA がt1で設定電圧Vful に達すると、コンパレータ13の満充電検出信号Fが「H」になるので、オアゲート15の出力信号Sが「H」になって、充電器11は、定電流充電を停止させる。この状態では、キャパシタAの端子電圧がキャパシタ内部の自己充電や自己放電などによって設定電圧Vful を割り込むと、信号Fが「L」になり再度充電が開始されるので、t1以降は一定電圧に維持される緩和充電の状態が続く。
【0039】
次に、時間t2で放電してキャパシタに蓄積した電力を利用し、時間t3で放電を停止したとき、初期化の条件を満たしていることにより初期化充電を行う場合には、初期化スイッチS1をオンにして充電を開始する。その後、先に説明したように例えばいずれかのキャパシタの端子電圧が設定電圧Vini に達したt4から一定時間(t5−t4=td)を初期化ペリオドとして初期化充電を実行し、時間t5で初期化終了として初期化スイッチS1をオンにする。その後さらに、いずれかのキャパシタの端子電圧が設定電圧Vful に達する(満充電になる)まで通常の充電を実行すると時間t6で充電が最終的に終了するが、初期化終了の時間t5で充電を終了させてもよいし、初期化充電を中断して電力を利用するために放電した場合には、その放電を停止した後に初期化充電を再実行させるようにしてもよいことは先にも説明したとおりである。
【0040】
初期化ペリオドでは、バイパス回路がオンになると、それらに流れる電流だけキャパシタの端子電圧の上昇が遅くなる。トランジスタTrに直列に挿入接続した抵抗Rがゼロであれば、端子電圧は設定電圧Vini より上昇しないが、ここでは充電電流を、例えば半分バイパスする程度に抵抗Rの値を選定し、電圧の上昇するスピードを半分にしておくことにより、端子電圧はなお上昇を続ける。
【0041】
このようにt4で設定電圧Vini に達したキャパシタCA と、遅れてt5で設定電圧Vini に達するキャパシタCB では、t1とt6における電圧を比較すると明らかなようにそれまで低かったキャパシタCB の満充電時(充電停止時)の端子電圧が増大してキャパシタCA の端子電圧に近づくことになる。
【0042】
次に、具体例により初期化制御を説明する。図9は初期化制御の例を説明するための図、図10は初期化処理の例を説明するための図、図11はバラツキの判定処理の例を説明するための図である。
【0043】
本発明の初期化制御では、例えば図9に示すようにまず、充放電中か否か(ステップS11)、充電レベルが設定範囲内であるか否か(ステップS12)、各キャパシタ間のバラツキが大きいか否か(ステップS13)を判定し、充放電中でなく、充電レベルが設定範囲内であり、かつ各キャパシタ間のバラツキが大きい場合に初期化処理を実行する(ステップS14)。
【0044】
そして、初期化処理では、例えば図10に示すように初期化スイッチS1をオンにして初期化回路をオンにし(ステップS21)、初期化充電を開始する(ステップS22)。その後、満充電のセルが検出されたか否かを判定し(ステップS23)、満充電のセルが検出されない場合には、並列モニタのバイパス回路が動作したセルを検出してから一定時間経過したか否かを判定し(ステップS24)、一定時間経過していない場合には負荷に放電する給電指令が出されたか否かを判定する(ステップS25)。その結果、満充電のセルが検出されず、一定時間経過せず、かつ給電指令も出されていない場合にはステップS23に戻って同様の処理を繰り返し、満充電のセルが検出された場合や、一定時間経過した場合、給電指令が出された場合には、初期化充電を停止し(ステップS26)、初期化スイッチS1をオフにして初期化回路をオフにする(ステップS27)。
【0045】
また、バラツキの判定処理では、例えば図11に示すようにまず、充電を実行したことを検出すると(ステップS31)、満充電のセルを検出した時の充電電圧Vnを読み込み(ステップS32)、満充電を検出する設定電圧Vful ×セルの数nと充電電圧Vnとの差ΔVの計算を実行する(ステップS33)。しかる後、ΔVが一定値Kより大きいか否かを判定し(ステップS34)、ΔVが一定値Kより大きい場合には、バラツキ大を示すフラグFを「1」に設定し、ΔVが一定値Kより大きくない場合には、バラツキ大を示すフラグFを「0」に設定する(ステップS36)。すなわち、一定値Kは、バラツキ大か否かを判定する基準値であり、全てのセルが設定電圧Vful に充電され全くバラツキがない場合には、ΔV=0となる。
【0046】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば上記実施の形態では、直並列切り換え回路を有するキャパシタ蓄電装置の例を示して説明したが、直並列切り換え回路を有するものでなくてもよいし、他の形態の直並列切り換え回路を有するものであってもよいことはいうまでもない。電流ポンプ又はバンク切り換えは、静電容量Cのキャパシタバンクの出力電圧Vが放電に伴って蓄電量Uに対し、よく知られた関係U=CV2 /2で大幅に変化するので、インバータの設計を困難にしないよう、あるいは効率を維持する目的で挿入するものであるので、効率や蓄電量の有効利用を考慮しない場合には省略してもよい。入力電源は、商用電源であってもよいし、燃料電池やエンジン発電機でもよい。また、直流電源であってもよい。この場合には、AC/DCコンバータをDC/DCコンバータと置換し、電流ポンプとDC/ACインバータを電流ポンプ又はDC/DCコンバータと置換すればよい。
【0047】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、入力電源と負荷に接続して停電時の給電を行ったり負荷の平準化を行ったりするキャパシタ蓄電装置を用いた電源調整装置であって、充電電流をバイパスする回路を有し充電電圧・電流を制御する並列モニタを並列に接続した複数のキャパシタからなるキャパシタ蓄電装置と、入力電源よりキャパシタ蓄電装置に充電を行う充電手段と、キャパシタ蓄電装置から出力電流を制御して放電を行う放電手段と、入力電源と負荷との間の給電系に接続して放電手段の出力を負荷に給電する接続手段と、入力電源と負荷との間の給電系を監視して充電手段及び放電手段を制御する制御手段とを備えたので、短時間にキャパシタ蓄電装置の充放電を行うことができ、停電時の給電を行ったり負荷の平準化を行ったりすることができる。
【0048】
また、充電手段は、AC/DCコンバータ、初期化電圧を設定し、前記各キャパシタを前記初期化電圧に充電する初期化機能を有し、放電手段は、DC/ACインバータや出力電流を一定に制御する電流ポンプを有し、キャパシタ蓄電装置は、充電電圧に応じてキャパシタの直並列切り換えを行うバンク切り換え回路を有し、制御手段は、負荷の変動を検出して充電手段及び放電手段を制御しキャパシタ蓄電装置の充放電を行うことにより負荷の平準化を行い、入力電源の停電を検出して放電手段を制御しキャパシタ蓄電装置から給電を行うので、高効率、低損失、長寿命で信頼性の高い、停電のバックアップ、尖頭負荷に対する不足電力の供給を行うことにより負荷の平準化の可能な装置を提供できる。
【0049】
さらに、本発明は、停電や瞬断などが皆無とすることが要求されるような高品質な電力ラインに組み込むことができる。また、高度に安定な電力が必要な抄紙や紡糸などの生産設備、研究設備、病院、コンピュータ施設の給電装置では、長時間の停電に備えて非常用発電機が備えられるが、通常の高信頼性、緩起動型の発電機の起動所要時間は40秒程度が保証されているので、これら非常用発電設備とそれらの起動までの時間をバックアップできる本発明とを複合することにより、無停電で非常電源に切り換えることができる。しかも、本発明の負荷平準化を併用することにより尖頭的な負荷電流によって設備容量が比較的小さい発電システムが脱調を生じて停電するなどの事故も予防することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るキャパシタ蓄電装置を用いた電源調整装置の実施の形態を示す図である。
【図2】 本発明に係る電源調整装置に用いるキャパシタ蓄電装置の構成例を示す図である。
【図3】 直並列切り換え回路を有するキャパシタ蓄電装置の他の実施の形態を示す図である。
【図4】 直並列切り換え回路を有するキャパシタ蓄電装置のさらに他の実施の形態を示す図である。
【図5】 バンク切り換え方式と電流ポンプの併用例を説明するための図である。
【図6】 初期化用と満充電検出用に別々のコンパレータを有する並列モニタの構成例を示す図である。
【図7】 キャパシタの使い方に見る充放電のスタイルと初期化のポイントの例を示す図である。
【図8】 初期化時の充電カーブと通常の充放電カーブの例を示す図である。
【図9】 初期化制御の例を説明するための図である。
【図10】 初期化処理の例を説明するための図である。
【図11】 バラツキの判定処理の例を説明するための図である。
【符号の説明】
1…AC/DCコンバータ、2…充電制御回路、3…キャパシタ蓄電装置、4…電流ポンプ、5…DC/ACインバータ、6…出力制御回路、7…接続回路、8…制御装置
Claims (5)
- 充電電流をバイパスする回路を有し充電電圧・電流を制御する並列モニタを並列に接続した複数のキャパシタからなり、入力電源と負荷に接続して、充放電電圧に応じて前記複数のキャパシタの直並列切り換えを行うバンク切り換え回路を有するキャパシタ蓄電装置と、
前記入力電源より前記キャパシタ蓄電装置に充電を行う充電手段と、
前記キャパシタ蓄電装置から出力電流を制御して放電を行う放電手段と、
前記入力電源と負荷との間の給電系に前記放電手段の出力の接続及び前記入力電源の切り離しを行う接続手段と、
前記給電系の負荷変動を検出することにより尖頭電力の発生の有無を判断すると共に、前記入力電源の停電を検出して、前記バンク切り換え回路と前記充電手段と前記放電手段と前記接続手段とを制御する制御手段と
を備え、前記制御手段は、前記尖頭電力の発生時には、前記接続手段を制御して前記放電手段の出力を前記給電系に接続し、前記バンク切り換え回路と前記放電手段を制御して前記充電電圧の低下に従って前記複数のキャパシタを並列接続から直列接続に順次段階的に切り換えて前記キャパシタ蓄電装置からの放電により前記尖頭電力に対する不足電力を供給して負荷の平準化を行い、前記停電を検出した停電時には、前記接続手段を制御して前記給電系から前記入力電源を切り離し、前記バンク切り換え回路と前記放電手段を制御して前記充電電圧の低下に従って前記複数のキャパシタを並列接続から直列接続に順次段階的に切り換えて前記キャパシタ蓄電装置からの放電により前記停電時の給電を行い、前記停電時でなく前記尖頭電力の発生していない時を正常時として、前記バンク切り換え回路と前記充電手段を制御して前記充電電圧の上昇に従って前記複数のキャパシタを直列接続から並列接続に順次段階的に切り換えて前記キャパシタ蓄電装置の充電を行うように前記バンク切り換え回路と前記充電手段と前記放電手段と前記接続手段とを制御することを特徴とするキャパシタ蓄電装置を用いた電源調整装置。 - 前記充電手段は、AC/DCコンバータを有することを特徴とする請求項1記載のキャパシタ蓄電装置を用いた電源調整装置。
- 前記充電手段は、初期化電圧を設定し、前記各キャパシタを前記初期化電圧に充電する初期化機能を有することを特徴とする請求項1記載のキャパシタ蓄電装置を用いた電源調整装置。
- 前記放電手段は、DC/ACインバータを有することを特徴とする請求項1記載のキャパシタ蓄電装置を用いた電源調整装置。
- 前記放電手段は、出力電流を一定に制御する電流ポンプを有することを特徴とする請求項1記載のキャパシタ蓄電装置を用いた電源調整装置。
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