JP3695600B2 - 制振装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は制振装置に係り、特に付加質量を移動させたときの制振力により構造物の水平方向及び上下方向の振動を制振するよう構成した制振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ビル等の構造物においては地震あるいは風圧等により振動が発生した場合、振動を制振するための制振装置がビル屋上等に設けられている。この種の制振装置は、主にビルの質量に応じた所定の重量を有する付加質量を、ビルの振動状態に応じて駆動機構によって変位させ、ビルで発生した振動を制振するものである。
【0003】
従来の制振装置としては例えば特開平2−300478号に示されているように、付加重量をリニアベアリング等により摺動自在に支持するとともに、付加質量に螺合するボールネジ等の伝達機構をモータあるいは油圧アクチュエータ等により駆動し、付加質量が水平方向に往復動されるように構成したものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上記制振装置においては、付加質量の移動量とアクチュエータによるストロークとが同一であるので、ビルの振動を効果的に制振するには付加質量の移動量を長く設定する必要があり、その分アクチュエータにストロークの長い大型のものが必要となる。そのため、従来の構成では、付加質量の移動量を確保して制振性能を高めようとすると、アクチュエータを選定する際に設置スペースや重量等により制約されてしまい、付加質量の移動量も制限されて十分な制振性能が得られないといった問題がある。
【0005】
また、上記従来の制振装置では、横方向の振動を制振する構成となっていたため、例えば直下型地震の発生により上下方向の振動が構造物に入力されても上下方向の振動を制振することができなかった。
そこで、本発明は上記問題を解決した制振装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明の原理図である。
同図中、本発明は、構造物の振動方向に延在するよう形成された軌道A1を有する移動部材A2と、
該移動部材A2の軌道A1に沿って摺動自在に設けられ、該軌道A1の傾斜角度に応じて下方に摺動する付加質量A3と、
前記構造物の水平方向及び上下方向の振動を検出する振動検出手段A4と、
一側が前記付加質量A3に接続されるとともに、他側が前記移動部材A2に接続され、前記付加質量A3の摺動を緩衝し、且つ、当該緩衝した力を前記移動部材A2に作用させる緩衝部材A5と、
前記付加質量A3の移動位置を検出する位置検出手段A6と、
前記振動検出手段A4及び前記位置検出手段A6からの検出信号に基づいて前記構造物の振動を制振するように前記移動部材A2を揺動及び昇降させる複数の駆動手段A7と、
よりなることを特徴とするものである。
【0007】
従って、本発明によれば、振動検出手段A4が構造物の水平方向の振動を検出した場合、複数の駆動手段A7はこの振動検出値に基づいて移動部材A2を揺動させる。これにより、移動部材A2の軌道に設けられた付加質量A3が下方に移動して制振動作するため、駆動手段A7が移動部材A2を揺動させる際のストロークが短くて済み、その分駆動手段A7をコンパクト化することが可能になる。さらに、構造物が上下方向に振動したことが振動検出手段A4により検出された場合、駆動手段A7が移動部材A2を昇降動作させて構造物の上下方向の振動を制振することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明の一実施例につき説明する。尚、図2はビルに設置された本発明の制振装置の構成図であり、図3は動吸振器の構成を示す正面図であり、図4は図3中IV−IV線に沿う縦断面図である。
【0009】
制振装置の動吸振器1は、ビル2の屋上2aに設置されている。このビル2は12階建てであり、正面の横幅に対して側面の奥行きが小さいタワー構造の如く建設されている。
ビル2の振動の腹となる階の各フロアには、床面あるいは柱等の水平方向(X方向)及び上下方向(Z方向)の振動の状態を検出する振動検出手段としての振動状態検知センサ3(31 〜34 )が設けられており、ビル2の地下には地震を検出する地震センサ4が埋設されている。また、ビル2の屋上2aには風速風向計5が設置されている。
【0010】
尚、振動状態検知センサ3は、ビル2が水平方向及び上下方向に振動したときの変位を検知する変位センサでも良いし、あるいは振動発生時の速度を検知する速度センサ、あるいは加速度を検知する加速度センサ等が考えられる。
ビル2は、例えば地震が発生した場合あるいは風圧が作用した場合奥行の小さい幅狭方向(X方向)に振動が発生しやすい構造となっている。また、直下型地震が発生した場合、ビル2は上下方向(Z方向)にも振動する。そのため、動吸振器1はX方向に発生する水平方向の振動を制振すると共に、上下方向の振動を制振するように構成されている。
【0011】
ビル2が地震発生により振動すると、各振動状態検知センサ31 〜34 及び地震センサ4、風速風向計5、後述するポテンショメータ18からの検出信号は制振制御回路6に入力される。制振制御回路6は、上記検出信号が入力されてアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器7と、A/D変換器6から出力されたデジタル信号に基づいて動吸振器1の水平方向及び上下方向の制御量を演算する演算回路8と、演算回路8から出力された制御量に基づいて動吸振器1を駆動制御するサーボコントローラ9とよりなる。
【0012】
従って、演算回路8は上記検出信号により振動状態を演算し、その演算結果に基づいて付加質量15の変位方向及び変位量、速度、加速度等を算出する。
図3に示されるように、動吸振器1は、ビル2の振動方向(X方向)に延在する移動ベース(移動部材)13と、移動ベース13の傾斜角度に応じて下方に摺動する付加質量15と、付加質量15の動きを緩衝するダンパ16,コイルバネ17(緩衝部材)と、付加質量15の移動位置を検出するポテンショメータ(位置検出手段)18と、ポテンショメータ18からの検出信号に基づいてビル2の水平方向(X方向)及び上下方向(Z方向)の振動を制振するように移動ベース13を揺動及び昇降させる一対の油圧シリンダ19,20(駆動手段)と、よりなる。
【0013】
尚、本実施例においては、油圧シリンダの設置数を2個としたが、2個以上の油圧シリンダで移動ベース13を支持する構成としても良い。
図4に示されるように、移動ベース13は、上面13aに長手方向に延在する凹部13bを有し、この凹部13b内には付加質量15が挿入されている。また、付加質量15は、ビル2の大きさに応じた所定重量を有し、上部両側より突出する突出部15a,15bが移動ベース13の凹部13bの両側の上面13aに設けられたリニアベアリング21,22(軌道)に当接して摺動自在に支持されている。従って、付加質量15はかなりの重量を有しているが、移動ベース13がどちらかに傾斜すると凹部13bに接触することなく低摩擦で移動ベース13の長手方向(X方向)に移動する。
【0014】
また、移動ベース13は底部の長手方向(X方向)の両端に突出する連結部13d,13eを有し、連結部13d,13eには、Y方向に挿通された軸23,24が挿通されている。この軸23,24を介して油圧シリンダ19,20の上端と連結部13d,13eとが連結されている。また、移動ベース13は、一対の油圧シリンダ19,20のみにより揺動及び昇降可能に支持されているため、各油圧シリンダ19,20の伸縮動作により揺動方向、揺動角度及び昇降高さが決まる。
【0015】
油圧シリンダ19は、夫々ピストンロッド19aがシリンダ本体19bに対して上下方向に伸縮動作する構成であり、ピストンロッド19aの上端が移動ベース13の長手方向の左端近傍の底部に設けられた凹部13h内に摺動可能に嵌合された連結部13dに回動自在に連結され、シリンダ本体19bの下端がビル2の屋上2aに固定された固定部材26に固定されている。
【0016】
連結部13dは、凹部13hに対してリニアベアリング13iを介してX方向に滑動できるように設けられている。そのため、移動ベース13が揺動する際、連結部13dが凹部13h内を摺動して油圧シリンダ19,20に横力が作用することを防止している。また、連結部13dは、凹部13h内に設けられた溝(図示せず)に摺動自在に係合する鍔部(図示せず)を有しており、凹部13hからの脱落が防止されている。
【0017】
油圧シリンダ20は、夫々ピストンロッド20aがシリンダ本体20bに対して上下方向に伸縮動作する構成であり、ピストンロッド20aの上端が移動ベース13の長手方向の右端近傍の底部に設けられた連結部13eに回動自在に連結され、シリンダ本体20bの下端がビル2の屋上2aに固定された固定部材27に固定されている。
【0018】
従って、移動ベース13はピストンロッド19a,20aの伸縮動作の高低差により揺動するように設けられている。そのため、移動ベース13の長手方向の両端に連結された一対の油圧シリンダ19,20が交互に伸縮動作すると、移動ベース13は軸23,24を中心として左右両側での最大の傾斜角が±10°の範囲内で揺動する。
【0019】
付加質量15は移動ベース13の揺動動作により生ずる傾斜角に応じて下方に向かって摺動し、リニアベアリング21,22に沿って左方向又は右方向(Xb,Xa方向)に移動する。また、一対の油圧シリンダ19,20のピストンロッド19a,20aが同方向に同一長さに伸縮されると、移動ベース13は昇降動作する。
【0020】
このように、油圧シリンダ19,20が付加質量15を直接往復駆動するのではなく、移動ベース13を所定角度傾斜させることにより、付加質量15が移動ベース13のリニアベアリング21,22に沿って移動する。そのため、制振動作時の油圧シリンダ19,20の動作ストロークが短くなり、その分油圧シリンダ19,20の小型化及び軽量化が図られている。従って、付加質量15の移動量を確保して制振性能を高める場合でも、油圧シリンダ19,20を選定する際に設置スペースや重量等により制約されることがなく、十分な制振性能を得ることができる。
【0021】
また、油圧シリンダ19,20のシリンダ本体19b,20bは、油圧制御ユニット28と接続されており、この油圧制御ユニット28により給排される作動油の給排量に応じてピストンロッド19a,20aが上下方向に所定長さ伸縮動作する。上記油圧制御ユニット28により給排される作動油の給排量は、前述したサーボコントローラ9から出力された制御信号により制御される。
【0022】
また、ダンパ16は、本体16aの一端が移動ベース13の壁面13fに設けられた連結部29に回動自在に連結され、ピストンロッド16bの先端が付加質量15の左側面に固定されている。また、コイルバネ17は本体16aの一端に突出する鍔部16cと付加質量15の左側面との間に介在している。
【0023】
ダンパ16のピストンロッド16bのストロークは、付加質量15の摺動距離と同一であり、コイルバネ17は付加質量15が移動ベース13の中間位置から左側に位置するときは圧縮荷重を受け、付加質量15が移動ベース13の中間位置から右側に位置するときは引張荷重を受ける。従って、ダンパ16及びコイルバネ17は付加質量15の片側のみに設けられているが、付加質量15は移動ベース13の傾斜角度に応じて移動する際、ダンパ16及びコイルバネ17により減速される。
【0024】
ポテンショメータ18は、コイル部18aの一端が移動ベース13の壁面13gに設けられた連結部30に回動自在に連結され、コイル部18aに挿入されたロッド18bの先端が付加質量15の右側面に固定されている。従って、ポテンショメータ18は、付加質量15の移動位置に応じてコイル部18aに対するロッド18bの相対位置が変位し、付加質量15の移動位置に応じた電圧の検出信号がコイル部18aから得られるように取り付けられている。
【0025】
次に、上記構成になる動吸振器1の制振動作につき説明する。
地震あるいは強風等によりビル2が水平方向又は上下方向に振動すると、前述した各振動状態検知センサ31 〜34 及び地震センサ4、風速風向計5からの検出信号が制振制御回路6に入力される。制振制御回路6の演算回路8は、上記検出信号により振動状態を演算し、その演算結果に基づいて付加質量15の変位方向及び変位量、速度、加速度等を算出する。そして、制振制御回路6は上記演算結果に基づいて油圧制御ユニット28に制御信号を出力する。
【0026】
油圧制御ユニット28は、制振制御回路6からの制御信号により油圧シリンダ19,20への作動油の吸排を制御しており、後述するようにビル2が水平方向に振動した場合には油圧シリンダ19,20の一方が伸びると他方が縮むように交互に伸縮動作させ、ビル2が上下方向に振動した場合には両方が同一方向に伸縮動作させる。
【0027】
図5及び図6はビル2が水平方向に振動した場合の移動ベース13の揺動動作を示す正面図であり、図7はビル2が上下方向に振動した場合の移動ベース13の昇降動作を示す正面図である。
ここで、ビル2が水平方向に振動した場合の動吸振器1の制振動作につき説明する。
【0028】
図5に示すように、左側の油圧シリンダ19のピストンロッド19aがZa方向に伸びた状態に動作するとともに右側の油圧シリンダ20のピストンロッド20aがZb方向に縮んだ状態に動作する。この場合、油圧シリンダ20のピストンロッド20aが油圧シリンダ19のピストンロッド19aより短くなっているため、この高低差により移動ベース13は右下がり状態に傾斜する。従って、移動ベース13に摺動自在に設けられた付加質量15は、移動ベース13が右下がりに傾斜しはじめるとコイルバネ17のバネ力に抗して徐々に右方向(Xa方向)に移動する。このように、付加質量15が重力により下方向に移動するため、省力化が図れる
また、このとき、ダンパ16により抵抗力が発生する。そして、このバネ力及び抵抗力が緩衝力として移動ベース13に作用し、この力が制振力として構造物に作用する。
【0029】
次に図6に示すように、左側の油圧シリンダ19のピストンロッド19aがZb方向に縮んだ状態に動作するとともに右側の油圧シリンダ20のピストンロッド20aがZa方向に伸びた状態に動作する。この場合、油圧シリンダ19のピストンロッド19aが油圧シリンダ20のピストンロッド20aより短くなっているため、この高低差により移動ベース13は左下がり状態に傾斜する。従って、移動ベース13に摺動自在に設けられた付加質量15は、移動ベース13が左下がりに傾斜しはじめるとコイルバネ17のバネ力に抗して徐々に左方向(Xb方向)に移動する。
【0030】
また、このとき、ダンパ16により抵抗力が発生する。そして、これらの力が制振力として構造物に作用する。
上記図5に示す右方向(Xa方向)への動作と図6に示す左方向(Xb方向)への揺動動作をビル2の振動の周期に合わせて繰り返すことにより、付加質量15が移動ベース13の長手方向に延在するリニアベアリング21,22に沿って往復動し、これにより生ずる制振力によりビル2の振動が制振される。そして、ビル2の振動が収束するにつれて移動ベース13の揺動周期も長くなり、移動ベース13の揺動動作がゆっくりとした動作になるとともに付加質量15の往復動の周期も長くなる。
【0031】
尚、上記移動ベース13の揺動動作の周期及び付加質量15の摺動ストロークは、ビル2の水平方向の振動の周期及び振幅に応じて自動的に設定される。そのため、油圧シリンダ19,20は、ビル2にXa方向の加速度が入力されると移動ベース13をXb方向に移動させ、ビル2にXb方向の加速度が入力されると移動ベース13をXa方向に移動させるように駆動される。このように、移動ベース13の揺動動作により移動ベース13に設けられた付加質量15が摺動することにより、その制振力がビル2に作用して水平方向(X方向)の振動が制振される。
【0032】
次に、直下型地震発生によりビル2が上下方向に振動した場合の動吸振器1の制振動作につき説明する。
図7に示されるように、各振動状態検知センサ31 〜34 及び地震センサ4によりビル2が上下方向に振動したことが検出されると、左側の油圧シリンダ19のピストンロッド19aがZa方向に伸びた状態に動作するとともに,右側の油圧シリンダ20のピストンロッド20aもZa方向に伸びた状態に動作する。この場合、油圧シリンダ20のピストンロッド20aは、油圧シリンダ19のピストンロッド19aと同一長さとなるように駆動され、移動ベース13は上昇する。
【0033】
次に、図3に示されるように、左側の油圧シリンダ19のピストンロッド19aがZb方向に縮んだ状態に動作するとともに,右側の油圧シリンダ20のピストンロッド20aもZb方向に縮んだ状態に動作する。この場合、油圧シリンダ20のピストンロッド20aは、油圧シリンダ19のピストンロッド19aと同一長さとなるように駆動され、移動ベース13は下降する。
【0034】
尚、上記移動ベース13の昇降動作の周期及び昇降ストロークは、ビル2の上下方向の振動の周期及び振幅に応じて自動的に設定される。そのため、油圧シリンダ19,20は、ビル2に上方向の加速度が入力されると移動ベース13及び付加質量15を上昇させ、ビル2に下方向の加速度が入力されると移動ベース13及び付加質量15を下降させるように駆動される。このように、移動ベース13及び移動ベース13に設けられた付加質量15が昇降することにより、その反力がビル2に作用して上下方向の振動が制振される。
【0035】
また、ビル2に水平方向の振動と上下方向の振動とが同時に発生した場合には、移動ベース13が上記のような揺動動作を行うのと同時に昇降動作を行うように油圧シリンダ19,20が駆動制御される。そのため、ビル2が水平方向及び上下方向に振動すると、移動ベース13は複合された振動モードに応じて複雑に揺動及び昇降動作してビル2の振動を制振する。
【0036】
図8は本発明の変形例である。
動吸振器31は、移動ベース13の長手方向の中間位置に第3の油圧シリンダ32が設けられている。油圧シリンダ32は、上記油圧シリンダ19,20と同様、ピストンロッド32aがシリンダ本体32bに対して上下方向に伸縮動作する構成であり、ピストンロッド32aの上端が移動ベース13の長手方向の中間位置の底部に設けられた連結部13hに軸33を介して回動自在に連結され、シリンダ本体32bの下端がビル2の屋上2aに固定された固定部34に固定されている。
【0037】
尚、本実施例では、移動ベース13が揺動したときに油圧シリンダ19,20に横力が作用することを防止するため、油圧シリンダ19,20の下端は、ビル2の屋上2aに固定された支持部36,37に対して移動ベース13の揺動方向に回動可能に連結されている。従って、移動ベース13が揺動すると共に、油圧シリンダ19,20も揺動して移動ベース13が傾斜したときの横方向の応力を吸収することができる。
【0038】
この動吸振器31では、移動ベース13が3個の油圧シリンダ19,20,32により支持されているため、各油圧シリンダ毎に各振動方向の制振動作を分担することができる。
ここで、ビル2に水平方向の振動が生じた場合には移動ベース13の長手方向の両端に連結された油圧シリンダ19,20が移動ベース13を揺動させ、ビル2に上下方向の振動が生じた場合には移動ベース13の長手方向の中間に連結された油圧シリンダ32が移動ベース13を昇降させることができる。
【0039】
このような移動ベース13の揺動及び昇降動作は、前述した通りビル2の振動方向によって設定されるため、各油圧シリンダ19,20,32の詳細な動作説明は省略する。尚、移動ベース13が揺動動作する際は、油圧シリンダ32のピストンロッド32aの上端が連結された軸33が支点となる。
【0040】
また、移動ベース13を昇降させる際は、上記3個の油圧シリンダ19,20,32で移動ベース13を駆動させるようにしても良い。その場合、移動ベース13の昇降速度を上げることができ、ビル2の急激な上下振動にも対応することができ、制振動作の応答性を高めることができる。
【0041】
図9は本発明の別の変形例である。
動吸振器41では、図8に示す第3の油圧シリンダ32の代わりに油圧ダンパ42と、移動ベース13を上方に附勢するコイルバネ45を設けてなる。コイルバネ45は、ビル2の縦方向の固有振動数と同一の固有振動数を有するように設定されている。
【0042】
油圧ダンパ42は、ピストンロッド42aがシリンダ本体42bに対して上下方向に伸縮動作する構成であり、ピストンロッド42aの上端が移動ベース13の長手方向の中間位置の底部に設けられた連結部13hに軸44を介して回動自在に連結され、シリンダ本体42bの下端がビル2の屋上2aに固定された固定部44に固定されている。
【0043】
尚、移動ベース13の両端を支持する油圧シリンダ19,20は、図8のものと同じなのでその説明は省略する。
この動吸振器41では、移動ベース13が2個の油圧シリンダ19,20と油圧ダンパ42とコイルバネ45により支持されているため、各油圧シリンダ毎に各振動方向の制振動作を分担することができる。
【0044】
ここで、ビル2に水平方向の振動が生じた場合には、移動ベース13の長手方向の両端に連結された油圧シリンダ19,20が移動ベース13を揺動させる。
また、ビル2に上下方向の振動が生じた場合には、移動ベース13を昇降させてアクティブ制振動作を行う。その際、上記油圧シリンダ19,20により移動ベース13を昇降させると共に油圧ダンパ42を無負荷状態に切り換えるようにする。これにより、移動ベース13の昇降速度を上げることができ、ビル2の急激な上下振動にも対応することができ、制振動作の応答性を高めることができる。
【0045】
また、油圧シリンダ19,20が故障したときにビル2に上下方向の振動が生じた場合には、移動ベース13の長手方向の中間に連結された油圧ダンパ42とコイルバネ45が移動ベース13の昇降動作を緩衝してパッシブ制振動作を行う。
【0046】
尚、本実施例では、付加質量15の摺動により、ダンパ16,コイルバネ17に生ずる抵抗力、バネ力(緩衝力)により制振力を発生させているが、緩衝部材としては、ダンパ16又はコイルバネ17のみとしても良い。
また、上記実施例では、移動ベース13の両端近傍に連結された一対の油圧シリンダ19,20,32により移動ベース13を所定角度傾斜させたが、これに限らず、例えば移動ベース13の軸23,24をモータ又は揺動型アクチュエータなどにより昇降させる構成としても良い。
【0047】
また、上記制振装置は、ビルに限らず、他の構造物(例えば、橋梁等)に設置して他の構造物の振動を制振させるようにしても良いのは勿論である。
【0048】
【発明の効果】
上述の如く、本発明によれば、振動検出手段が構造物の水平方向の振動を検出した場合、複数の駆動手段がこの振動検出値に基づいて移動部材を揺動させることにより、移動部材の軌道に設けられた付加質量が移動部材の傾斜方向に移動して制振動作するため、付加質量が傾斜した移動部材の軌道に沿って往復動することにより、構造物の水平方向の振動を制振できる。しかも、従来のように駆動手段が付加質量を直接往復駆動するものよりも、制振動作時の駆動手段の動作ストロークが短くなり、その分駆動手段の小型化及び軽量化を図ることができる。従って、付加質量が重力により下方向に移動するため、省力化が図れるとともに、駆動手段の制約を受けることなく付加質量の移動量を確保して制振性能を高めることができる。さらに、構造物が上下方向に振動したことが振動検出手段により検出された場合、駆動手段が移動部材を昇降動作させて構造物の上下方向の振動を制振することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる制振装置の原理図である。
【図2】本発明になる制振装置の一実施例を示す構成図である。
【図3】動吸振器の正面図である。
【図4】図3中IV−IV線に沿う動吸振器の縦断面図である。
【図5】動吸振器の移動ベースが右方向に傾いて水平方向の振動を制振する制振動作を説明するための正面図である。
【図6】動吸振器の移動ベースが左方向に傾いて水平方向の振動を制振する制振動作を説明するための正面図である。
【図7】動吸振器の移動ベースが上昇して上下方向の振動を制振する制振動作を説明するための正面図である。
【図8】本発明の変形例の正面図である。
【図9】本発明の別の変形例の正面図である。
【符号の説明】
1 動吸振器
2 ビル
3 振動状態検知センサ
6 制振制御回路
13 移動ベース
15 付加質量
16 ダンパ
18 ポテンショメータ
19,20,32 油圧シリンダ
21,22 リニアベアリング
28 油圧制御ユニット
42 油圧ダンパ
45 コイルバネ

Claims (1)

  1. 構造物の振動方向に延在するよう形成された軌道を有する移動部材と、
    該移動部材の軌道に沿って摺動自在に設けられ、該軌道の傾斜角度に応じて下方に摺動する付加質量と、
    前記構造物の水平方向及び上下方向の振動を検出する振動検出手段と、
    一側が前記付加質量に接続されるとともに、他側が前記移動部材に接続され、前記付加質量の摺動を緩衝し、且つ、当該緩衝した力を前記移動部材に作用させる緩衝部材と、
    前記付加質量の移動位置を検出する位置検出手段と、
    前記振動検出手段及び前記位置検出手段からの検出信号に基づいて前記構造物の振動を制振するように前記移動部材を揺動及び昇降させる複数の駆動手段と、
    よりなることを特徴とする制振装置。
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