JP3695465B2 - 近接通信方法および通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、近接通信方法および通信装置に関し、特に、例えば、近接通信等の無線通信において生じる、いわゆる隠れ端末問題を容易に解消することができるようにする近接通信方法および通信装置に関する。
近接通信を行うシステムとしては、例えば、IC(Integrated Circuit)システムが広く知られている。ICカードシステムにおいては、リーダ/ライタが電磁波を発生することにより、いわゆるRF(Radio Frequency)フィールド(磁界)を形成する。そして、リーダ/ライタに、ICカードが近づくと、ICカードは、電磁誘導によって、電源の供給を受けるとともに、リーダ/ライタとの間でデータ伝送を行う。
ところで、現在実施されているICカードシステムの仕様としては、例えば、タイプA、タイプB、タイプCと呼ばれているものがある。
タイプAは、フィリップス社のMIFARE方式として採用されているもので、リーダ/ライタからICカードへのデータ伝送には、Millerによるデータのエンコードが行われ、ICカードからリーダ/ライタへのデータ伝送には、Manchesterによるデータのエンコードが行われる。また、タイプAでは、データの伝送レートとして、106kbps(kilo bit per second)が採用されている。
タイプBでは、リーダ/ライタからICカードへのデータ伝送には、NRZによるデータのエンコードが行われ、ICカードからリーダ/ライタへのデータ伝送には、NRZ-Lよるデータのエンコードが行われる。また、タイプBでは、データの伝送レートとして、106kbpsが採用されている。
タイプCは、本件出願人であるソニー株式会社のFeliCa方式として採用されているもので、リーダ/ライタとICカードとの間のデータ伝送には、Manchesterによるデータのエンコードが行われる。また、タイプCでは、データの伝送レートとして、212kbpsが採用されている。
ところで、近接通信等の無線通信においては、いわゆる隠れ端末問題が生じるため、それに、どのように対応するかが問題となる。
例えば、従来の無線LAN(Local Area Network)のシステムにおいては、一般に、コマンドRTS(Request to send)とCTS(Clear to send)をデータ通信中にやりとりすることで、隠れ端末問題に対処している(例えば、非特許文献1)。
ここで、隠れ端末問題とは、一般に、以下のような問題をいう。
即ち、無線通信においては、複数の通信装置について、そのうちの一方から他方の通信装置に伝送しようとする際に、同時に電波(電磁波)を出さないように制御が行われる。具体的には、電波を出力しようとしている通信装置は、周囲の電波の検出を行い、周囲に電波が検出された場合には、電波を出力せず、周囲に電波が検出されなかった場合には、電磁波を出力する。これにより、一方の通信装置と他方の通信装置とは、交互に電波を出し合ってデータをやりとりする。
上述のように、電波を出力しようとしている通信装置が、周囲の電磁波の検出の有無だけによって、自身による電波の出力制御を行う場合、ある通信装置に対して、他の複数の通信装置から同時にデータが送信される状況が発生し、ある通信装置において、データの受信に失敗することがある。
即ち、いま、3つの通信装置A,B,Cが存在するとする。そして、通信装置AとBは、両者の間で電波を排他的に利用制御しうる距離にあるとともに、通信装置BとCも、両者の間で電波を排他的に利用制御しうる距離にあるとする。但し、通信装置AとCは、両者の間で電波を排他的に利用制御しうる距離にないとする。
この場合、通信装置Bは、通信装置Aまたは通信装置Cのうちのいずれか一方で電波を出力しているときは、電波を出力することができない。但し、通信装置Aは、通信装置Cが電波を出力していても、電波を出力することができる。通信装置Cも、通信装置Aが電波を出力していても、電波を出力することができる。
通信装置A乃至Cが、上述のような位置関係にある場合、通信装置Bに対して、通信装置AとCの両方から同時に電波(データ)が送信される場合があり得る。そして、例えば、通信装置Bから、通信装置AとCそれぞれまでの距離が等しく、通信装置AとCが同一の強度の電波を出力するとすれば、通信装置Bでは、通信装置AとCそれぞれから出力される電波が、同一の強度で受信され、その結果、混信によって、通信装置AとCのいずれから送信されてくるデータも、正常に受信することはできない。
以上のように、通信装置Bがデータを正常に受信することができないのは、通信装置Aからは、通信装置Bの存在を確認することができるが、通信装置Cの存在を確認することができず、通信装置Cからも、通信装置Bの存在を確認することができるが、通信装置Aの存在を確認することができないことに起因する。このように、通信装置AとCそれぞれから、他方が、いわば隠れて見えないことに起因して、通信装置Bにおいて、通信装置AとCから同時に電波が出力されることによって混信が生じる問題が、隠れ端末問題と呼ばれる。
そこで、従来の無線LANでは、通信を開始する通信元の通信装置は、通信時間(空間占有時間)等を報知するコマンドRTSを通信相手の通信装置に送信する。コマンドRTSを受信した通信相手の通信装置は、通信元の通信装置に対して、コマンドRTSに対する了解と通信時間(空間占有時間)等を報知するコマンドCTSを送り返す。通信元または通信相手の通信装置によるコマンドRTSまたはCTSを受信することができる距離にいる他の通信装置は、そのコマンドRTSまたはCTSによって、ある空間占有時間の間の空間の占有を認識し、その空間占有時間の間は、電波(データ)の送信を控える。
上述の位置関係にある通信装置A乃至Cにおいては、通信装置Aが通信装置BにコマンドRTSを送信し、通信装置Bが、そのコマンドRTSに対する応答としてのコマンドCTSを、通信装置Aに送信する。通信装置Cは、通信装置Bが送信したコマンドCTSを受信することが可能であり、通信装置Cは、通信装置Bが送信したコマンドCTSを受信すると、電波の送出を控え、その結果、通信装置Bにおいて、通信装置AとCからの電波(データ)が衝突することを回避することができる。
ANSI/IEEE Std 802.11, 1999 Edition、LOCAL AND METROPOLITAN AREA NETWORKS: WIRELESS LAN, Chapter 9 MAC sublayer functional description
しかしながら、コマンドRTSとCTSによる隠れ端末問題の解決手法は、通信装置に、そのための制御ロジックやメモリ等を必要とし、コストが上昇する課題があった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、隠れ端末問題を容易に解消することができるようにするものである。
本発明の第1の近接通信方法は、イニシエータにおいて、他の装置から出力されている電磁波によるRF(Radio Frequency)フィールドが存在するかどうかの検出を、所定の第1の閾値以上のレベルの電磁波が検出されたかどうかによって行い、第1の閾値以上のレベルの電磁波がT IDT +n×T RFW 時間(T IDT は初期遅延時間と呼ばれる所定の時間、nは乱数、T RFW は所定数倍される単位時間であるRF待ち時間と呼ばれる所定の時間)連続して検出されなかったとき、電磁波の出力を開始する工程と、イニシエータとターゲットのそれぞれが電磁波を出力して変調することによりデータを送信するアクティブモード、および、イニシエータが電磁波を出力して変調することによりデータを送信し、ターゲットがイニシエータからの電磁波を負荷変調することによりデータを送信するパッシブモードの2つの通信モードのうちのいずれかに設定された通信モードで、コマンドを送信する工程とを含み、アクティブモードの通信を開始した場合、ターゲットにおいて、第1の閾値より大の所定の第2の閾値以上のレベルの第1の電磁波を検出してコマンドを受信する工程と、他の装置から出力されている電磁波によるRFフィールドが存在するかどうかの検出を、第1の閾値以上のレベルの電磁波が検出されたかどうかによって行い、第1の閾値以上のレベルの電磁波がT ADT +n’×T RFW 時間(T ADT はアクティブディレイタイムと呼ばれる所定の時間であって、初期遅延時間T IDT より短い時間、n’は乱数)連続して検出されなかったとき、電磁波の出力を開始し、出力が開始された電磁波をデータで変調した第2の電磁波を介して、コマンドに対するレスポンスを送信する工程とをさらに含み、パッシブモードの通信を開始した場合、ターゲットにおいて、第2の閾値以上のレベルの第1の電磁波を検出してコマンドを受信する工程と、イニシエータから出力された電磁波を負荷変調することにより、コマンドに対するレスポンスを送信する工程とをさらに含むことを特徴とする。
本発明の第2の近接通信方法は、イニシエータが、T IDT +n×T RFW 時間(T IDT は初期遅延時間と呼ばれる所定の時間、nは乱数、T RFW は所定数倍される単位時間であるRF待ち時間と呼ばれる所定の時間)連続して、所定の第1の閾値以上のレベルの電磁波を検出しなかったときに、イニシエータとターゲットのそれぞれが電磁波を出力して変調することによりデータを送信するアクティブモード、および、イニシエータが電磁波を出力して変調することによりデータを送信し、ターゲットがイニシエータからの電磁波を負荷変調することによりデータを送信するパッシブモードの2つの通信モードのうちのいずれかに設定された通信モードで送信するコマンドを受信する工程を含み、イニシエータが、アクティブモードの通信を開始した場合、コマンドを受信する工程において、第1の閾値より大の所定の第2の閾値以上のレベルの第1の電磁波を検出してコマンドを受信し、他の装置から出力されている電磁波によるRFフィールドが存在するかどうかの検出を、第1の閾値以上のレベルの電磁波が検出されたかどうかによって行い、第1の閾値以上のレベルの電磁波がT ADT +n’×T RFW 時間(T ADT はアクティブディレイタイムと呼ばれる所定の時間であって、初期遅延時間T IDT より短い時間、n’は乱数)連続して検出されなかったとき、電磁波の出力を開始し、出力が開始された電磁波をデータで変調した第2の電磁波を介して、コマンドに対するレスポンスを送信する工程と、レスポンスを送信した後、電磁波の出力を停止してイニシエータから送信されるコマンドを待つ工程とをさらに含み、イニシエータが、パッシブモードの通信を開始した場合、コマンドを受信する工程において、第2の閾値以上のレベルの第1の電磁波を検出してコマンドを受信し、イニシエータから出力された電磁波を負荷変調することにより、コマンドに対するレスポンスを送信する工程をさらに含むことを特徴とする。
本発明の通信装置は、通信装置と他の通信装置のそれぞれが電磁波を出力して変調することによりデータを送信するアクティブモード、および、通信装置と他の通信装置のうちの一方が電磁波を出力して変調することによりデータを送信するとともに、他方が一方からの電磁波を負荷変調することによりデータを送信するパッシブモードの2つの通信モードのうちのいずれかに設定された通信モードで、他の通信装置との通信を開始する場合、検出手段は、所定の第1の閾値以上のレベルの電磁波の検出を行い、電磁波出力部は、第1の閾値以上のレベルの電磁波がT IDT +n×T RFW 時間(T IDT は初期遅延時間と呼ばれる所定の時間、nは乱数、T RFW は所定数倍される単位時間であるRF待ち時間と呼ばれる所定の時間)連続して検出されなかったとき、電磁波の出力を開始し、変調手段は、電磁波出力部が出力する電磁波を変調することにより、アクティブモードでは、他の通信装置がデータを送受信することができる伝送レートを含む通信に関する通信パラメータを要求するコマンドを送信し、パッシブモードでは、通信装置とデータのやりとりをする他の通信装置を特定するためのIDを要求するコマンドを送信し、他の通信装置がアクティブモードの通信を開始して送信するコマンドを受信して応答する場合、検出手段は、第1の閾値より大の、通信装置がコマンドを受信するために必要とされる所定の第2の閾値以上のレベルの電磁波の検出を行い、電磁波出力部は、第1の閾値以上のレベルの電磁波がT ADT +n’×T RFW 時間(T ADT はアクティブディレイタイムと呼ばれる所定の時間であって、初期遅延時間T IDT より短い時間、n’は乱数)連続して検出されなかったとき、電磁波の出力を開始し、変調手段は、電磁波出力部が出力する電磁波を変調することにより、コマンドに対するレスポンスを送信し、他の通信装置がパッシブモードの通信を開始して送信するコマンドを受信して応答する場合、変調手段は、他の通信装置から出力された電磁波を負荷変調することにより、コマンドに対するレスポンスを送信することを特徴とする。
本発明の第1の近接通信方法においては、イニシエータにおいて、他の装置から出力されている電磁波によるRF(Radio Frequency)フィールドが存在するかどうかの検出を、所定の第1の閾値以上のレベルの電磁波が検出されたかどうかによって行い、第1の閾値以上のレベルの電磁波がT IDT +n×T RFW 時間連続して検出されなかったとき、電磁波の出力が開始され、イニシエータとターゲットのそれぞれが電磁波を出力して変調することによりデータを送信するアクティブモード、および、イニシエータが電磁波を出力して変調することによりデータを送信し、ターゲットがイニシエータからの電磁波を負荷変調することによりデータを送信するパッシブモードの2つの通信モードのうちのいずれかに設定された通信モードで、コマンドが送信される。
そして、アクティブモードの通信を開始した場合、ターゲットにおいて、第1の閾値より大の所定の第2の閾値以上のレベルの第1の電磁波を検出してコマンドが受信される。さらに、ターゲットにおいて、他の装置から出力されている電磁波によるRFフィールドが存在するかどうかの検出を、第1の閾値以上のレベルの電磁波が検出されたかどうかによって行い、第1の閾値以上のレベルの電磁波がT ADT +n’×T RFW 時間(T ADT はアクティブディレイタイムと呼ばれる所定の時間であって、初期遅延時間T IDT より短い時間、n’は乱数)連続して検出されなかったとき、電磁波の出力が開始され、出力が開始された電磁波をデータで変調した第2の電磁波を介して、コマンドに対するレスポンスが送信される。
一方、パッシブモードの通信を開始した場合、ターゲットにおいて、第2の閾値以上のレベルの第1の電磁波を検出してコマンドが受信され、イニシエータから出力された電磁波を負荷変調することにより、コマンドに対するレスポンスが送信される。
本発明の第2の近接通信方法においては、イニシエータが、T IDT +n×T RFW 時間連続して、所定の第1の閾値以上のレベルの電磁波を検出しなかったときに、イニシエータとターゲットのそれぞれが電磁波を出力して変調することによりデータを送信するアクティブモード、および、イニシエータが電磁波を出力して変調することによりデータを送信し、ターゲットがイニシエータからの電磁波を負荷変調することによりデータを送信するパッシブモードの2つの通信モードのうちのいずれかに設定された通信モードで送信するコマンドが受信される。
イニシエータが、アクティブモードの通信を開始した場合、コマンドを受信する際には、第1の閾値より大の所定の第2の閾値以上のレベルの第1の電磁波を検出してコマンドが受信される。そして、他の装置から出力されている電磁波によるRFフィールドが存在するかどうかの検出を、第1の閾値以上のレベルの電磁波が検出されたかどうかによって行い、第1の閾値以上のレベルの電磁波がT ADT +n’×T RFW 時間連続して検出されなかったとき、電磁波の出力が開始され、出力が開始された電磁波をデータで変調した第2の電磁波を介して、コマンドに対するレスポンスが送信され、電磁波の出力が停止されてイニシエータから送信されるコマンドが待たれる。
また、イニシエータが、パッシブモードの通信を開始した場合、コマンドを受信する際には、第2の閾値以上のレベルの第1の電磁波を検出してコマンドが受信され、イニシエータから出力された電磁波を負荷変調することにより、コマンドに対するレスポンスが送信される。
本発明の通信装置においては、通信装置と他の通信装置のそれぞれが電磁波を出力して変調することによりデータを送信するアクティブモード、および、通信装置と他の通信装置のうちの一方が電磁波を出力して変調することによりデータを送信するとともに、他方が一方からの電磁波を負荷変調することによりデータを送信するパッシブモードの2つの通信モードのうちのいずれかに設定された通信モードで、他の通信装置との通信を開始する場合、検出手段は、所定の第1の閾値以上のレベルの電磁波の検出を行い、電磁波出力部は、第1の閾値以上のレベルの電磁波がT IDT +n×T RFW 時間連続して検出されなかったとき、電磁波の出力を開始し、変調手段は、電磁波出力部が出力する電磁波を変調することにより、アクティブモードでは、他の通信装置がデータを送受信することができる伝送レートを含む通信に関する通信パラメータを要求するコマンドを送信し、パッシブモードでは、通信装置とデータのやりとりをする他の通信装置を特定するためのIDを要求するコマンドを送信する。
また、他の通信装置がアクティブモードの通信を開始して送信するコマンドを受信して応答する場合、検出手段は、第1の閾値より大の、通信装置がコマンドを受信するために必要とされる所定の第2の閾値以上のレベルの電磁波の検出を行い、電磁波出力部は、第1の閾値以上のレベルの電磁波がT ADT +n’×T RFW 時間連続して検出されなかったとき、電磁波の出力を開始し、変調手段は、電磁波出力部が出力する電磁波を変調することにより、コマンドに対するレスポンスを送信する。
さらに、他の通信装置がパッシブモードの通信を開始して送信するコマンドを受信して応答する場合、変調手段は、他の通信装置から出力された電磁波を負荷変調することにより、コマンドに対するレスポンスを送信する。
本発明によれば、隠れ端末問題を、容易に解消することが可能となる。
図1は、本発明を適用した通信システム(システムとは、複数の装置が論理的に結合した物をいい、各構成の装置が同一筐体中にあるか否かは問わない)の一実施の形態の構成例を示している。
図1においては、通信システムは、3つのNFC通信装置1,2,3から構成されている。NFC通信装置1乃至3それぞれは、他のNFC通信装置との間で、単一の周波数の搬送波を使用した、電磁誘導による近接通信(NFC(Near Field Communication))を行うことができるようになっている。
ここで、NFC通信装置1乃至3が使用する搬送波の周波数としては、例えば、ISM(Industrial Scientific Medical)バンドの13.56MHzなどを採用することができる。
また、近接通信とは、通信する装置どうしの距離が、数10cm以内となって可能となる通信を意味し、通信する装置どうし(の筐体)が接触して行う通信も含まれる。
なお、図1の通信システムは、NFC通信装置1乃至3のうちの1以上をリーダ/ライタとするとともに、他の1以上をICカードとするICカードシステムとして採用することができることは勿論、NFC通信装置1乃至3それぞれを、PDA(Personal Digital Assistant)、PC(Personal Computer)、携帯電話、腕時計、ペン等の通信システムとして採用することも可能である。即ち、NFC通信装置1乃至3は、近接通信を行う装置であり、ICカードシステムのICカードやリーダ/ライタなどに限定されるものではない。
NFC通信装置1乃至3は、第1に、2つの通信モードによる通信が可能であることと、第2に、複数の伝送レートによるデータ伝送が可能であることとの2つの特徴を有している。
2つの通信モードとしては、パッシブモードとアクティブモードとがある。いま、NFC通信装置1乃至3のうちの、例えば、NFC通信装置1と2の間の通信に注目すると、パッシブモードでは、上述した従来のICカードシステムと同様に、NFC通信装置1と2のうちの一方のNFC通信装置である、例えば、NFC通信装置1は、自身が発生する電磁波(に対応する搬送波)を変調することにより、他方のNFC通信装置であるNFC通信装置2にデータを送信し、NFC通信装置2は、NFC通信装置1が発生する電磁波(に対応する搬送波)を負荷変調することにより、NFC通信装置1にデータを送信する。
一方、アクティブモードでは、NFC通信装置1と2のいずれも、自身が発生する電磁波(に対応する搬送波)を変調することにより、データを送信する。
ここで、電磁誘導による近接通信を行う場合、最初に電磁波を出力して通信を開始し、いわば通信の主導権を握る装置を、イニシエータと呼ぶ。イニシエータは、通信相手にコマンドを送信し、その通信相手は、そのコマンドに対するレスポンスを返す形で、近接通信が行われるが、イニシエータからのコマンドに対するレスポンスを返す通信相手を、ターゲットと呼ぶ。
例えば、いま、NFC通信装置1が電磁波の出力を開始して、NFC通信装置2との通信を開始したとすると、図2および図3に示すように、NFC通信装置1がイニシエータとなり、NFC通信装置2がターゲットとなる。
そして、パッシブモードでは、図2に示すように、イニシエータであるNFC通信装置1が電磁波を出力し続け、NFC通信装置1は、自身が出力している電磁波を変調することにより、ターゲットであるNFC通信装置2に、データを送信するとともに、NFC通信装置2は、イニシエータであるNFC通信装置1が出力している電磁波を負荷変調することにより、NFC通信装置1に、データを送信する。
一方、アクティブモードでは、図3に示すように、イニシエータであるNFC通信装置1は、自身がデータを送信する場合に、自身で電磁波の出力を開始し、その電磁波を変調することにより、ターゲットであるNFC通信装置2に、データを送信する。そして、NFC通信装置1は、データの送信終了後は、電磁波の出力を停止する。ターゲットであるNFC通信装置2も、自身がデータを送信する場合に、自身で電磁波の出力を開始し、その電磁波を変調することにより、イニシエータであるNFC通信装置1に、データを送信する。そして、NFC通信装置2は、データの送信終了後は、電磁波の出力を停止する。
なお、NFC通信装置1乃至3が、複数の伝送レートによるデータ伝送が可能であるという第2の特徴点については、後述する。
また、図1では、3つのNFC通信装置1乃至3によって、通信システムが構成されているが、通信システムを構成するNFC通信装置は、3つに限定されるものではなく、2または4以上であっても良い。さらに、通信システムは、NFC通信装置の他、例えば、従来のICカードシステムを構成するICカードやリーダ/ライタなどを含めて構成することも可能である。
次に、図4は、図1のNFC通信装置1の構成例を示している。なお、図1の他のNFC通信装置2および3も、図4のNFC通信装置1と同様に構成されるため、その説明は、省略する。
アンテナ11は、閉ループのコイルを構成しており、このコイルに流れる電流が変化することで、電磁波を出力する。また、アンテナ11としてのコイルを通る磁束が変化することで、アンテナ11に電流が流れる。
受信部12は、アンテナ11に流れる電流を受信し、同調と検波を行い、復調部13に出力する。復調部13は、受信部12から供給される信号を復調し、デコード部14に供給する。デコード部14は、復調部13から供給される信号としての、例えばマンチェスタ符号などをデコードし、そのデコードの結果得られるデータを、データ処理部15に供給する。
データ処理部15は、デコード部14から供給されるデータに基づき、所定の処理を行う。また、データ処理部15は、他の装置に送信すべきデータを、エンコード部16に供給する。
エンコード部16は、データ処理部15から供給されるデータを、例えば、マンチェスタ符号などにエンコードし、選択部17に供給する。選択部17は、変調部19または負荷変調部20のうちのいずれか一方を選択し、その選択した方に、エンコード部16から供給される信号を出力する。
ここで、選択部17は、制御部21の制御にしたがって、変調部19または負荷変調部20を選択する。制御部21は、通信モードがパッシブモードであり、NFC通信装置1がターゲットとなっている場合は、選択部17に負荷変調部20を選択させる。また、制御部21は、通信モードがアクティブモードである場合、または通信モードがパッシブモードであり、かつ、NFC通信装置1がイニシエータとなっている場合は、選択部17に変調部19を選択させる。従って、エンコード部16が出力する信号は、通信モードがパッシブモードであり、NFC通信装置1がターゲットとなっているケースでは、選択部17を介して、負荷変調部20に供給されるが、他のケースでは、選択部17を介して、変調部19に供給される。
電磁波出力部18は、アンテナ11から、所定の単一の周波数の搬送波(の電磁波)を放射させるための電流を、アンテナ11に流す。変調部19は、電磁波出力部18がアンテナ11に流す電流としての搬送波を、選択部17から供給される信号にしたがって変調する。これにより、アンテナ11からは、データ処理部15がエンコード部16に出力したデータにしたがって搬送波を変調した電磁波が放射される。
負荷変調部20は、外部からアンテナ11としてのコイルを見たときのインピーダンスを、選択部17から供給される信号にしたがって変化させる。他の装置が搬送波としての電磁波を出力することにより、アンテナ11の周囲にRFフィールド(磁界)が形成されている場合、アンテナ11としてのコイルを見たときのインピーダンスが変化することにより、アンテナ11の周囲のRFフィールドも変化する。これにより、他の装置が出力している電磁波としての搬送波が、選択部17から供給される信号にしたがって変調され、データ処理部15がエンコード部16に出力したデータが、電磁波を出力している他の装置に送信される。
ここで、変調部19および負荷変調部20における変調方式としては、例えば、振幅変調(ASK(Amplitude Shift Keying))を採用することができる。但し、変調部19および負荷変調部20における変調方式は、ASKに限定されるものではなく、PSK(Phase Shift Keying)やQAM(Quadrature Amplitude Modulation)その他を採用することが可能である。また、振幅の変調度についても8%から30%、50%、100%等数値に限定されることはなく、好適なものを選択すれば良い。
制御部21は、NFC通信装置1を構成する各ブロックを制御する。電源部22は、NFC通信装置1を構成する各ブロックに、必要な電源を供給する。なお、図4では、制御部21がNFC通信装置1を構成する各ブロックを制御することを表す線の図示と、電源部22がNFC通信装置1を構成する各ブロックに電源を供給することを表す線の図示は、図が煩雑になるため、省略してある。
検出部23は、受信部12と同様に、アンテナ11に流れる電流を受信し、その電流に基づいて、閾値設定部24から供給される所定の閾値以上のレベル(磁束密度)の電磁波がアンテナ11で受信されているかどうかを検出する。
閾値設定部24は、検出部23に検出させる電磁波のレベルの閾値を設定し、検出部23に供給する。なお、閾値設定部24は、2つの閾値(後述する搬送波出力抑制判断磁束密度TH1と、動作限界搬送波磁束密度TH2)を設定することができるようになっており、検出部23は、その2つの閾値のうちの、閾値設定部24が設定する閾値以上のレベルの電磁波を検出する。但し、NFC通信装置1は、検出部23の他に、図4において点線で示すように、さらに検出部25を設けて構成し、検出部23には、2つの閾値のうちの一方の閾値以上のレベルの電磁波を検出させ、検出部25には、他方の閾値以上のレベルの電磁波を検出させるようにすることができる。
ここで、上述の場合には、デコード部14およびエンコード部16において、前述のタイプCで採用されているマンチェスタ符号を処理するようにしたが、デコード部14およびエンコード部16では、マンチェスタ符号だけでなく、タイプAで採用されているモディファイドミラーや、タイプCで採用されているNRZなどの複数種類の符号の中から1つを選択して処理するようにすることが可能である。
次に、図5は、図4の復調部13の構成例を示している。
図5では、復調部13は、選択部31、2以上であるN個の復調部321乃至32N、および選択部33から構成されている。
選択部31は、制御部21(図4)の制御にしたがい、N個の復調部321乃至32Nの中から、1つの復調部32n(n=1,2,・・・,N)を選択し、その選択した復調部32nに、受信部12が出力する信号を供給する。
復調部32nは、第nの伝送レートで送信されてきた信号を復調し、選択部33に供給する。ここで、復調部32nと復調部32n'(n≠n’)は、異なる伝送レートで送信されてきた信号を復調する。従って、図5の復調部13は、第1乃至第NのN通りの伝送レートで送信されてくる信号を復調することができるようになっている。なお、N通りの伝送レートとしては、例えば、前述した106kbps,212kbpsの他、より高速な424kbps,848kbpsなどを採用することができる。即ち、N通りの伝送レートには、例えば、既存のICカードシステムなどの近接通信において既に採用されている伝送レートと、それ以外の伝送レートとを含めることができる。
選択部33は、制御部21の制御にしたがい、N個の復調部321乃至32Nの中から、1つの復調部32nを選択し、その復調部32nで得られた復調出力を、デコード部14に供給する。
以上のように構成される復調部13では、制御部21(図4)は、例えば、選択部31に、N個の復調部321乃至32Nを順次選択させ、これにより、復調部321乃至32Nそれぞれに、受信部12から選択部31を介して供給される信号を復調させる。そして、制御部21は、例えば、受信部12から選択部31を介して供給される信号を正常に復調することができた復調部32nを認識し、その復調部32nの出力を選択するように、選択部33を制御する。選択部33は、制御部21の制御にしたがい、復調部32nを選択し、これにより、復調部32nで得られた正常な復調出力が、デコード部14に供給される。
従って、復調部13では、N通りの伝送レートのうちの任意の伝送レートで伝送されてくる信号を復調することができる。
なお、復調部321乃至32Nは、正常に復調を行うことができた場合のみ、復調出力を出力し、正常に復調を行うことができなかった場合には、何も出力しない(例えば、ハイインピーダンスとなる)ようにすることができる。この場合、選択部33は、復調部321乃至32Nの出力すべての論理和をとって、デコード部14に出力すれば良い。
次に、図6は、図4の変調部19の構成例を示している。
図6では、変調部19は、選択部41、2以上であるN個の変調部421乃至42N、および選択部43から構成されている。
選択部41は、制御部21(図4)の制御にしたがい、N個の変調部421乃至42Nの中から、1つの変調部42n(n=1,2,・・・,N)を選択し、その選択した変調部42nに、選択部17(図4)が出力する信号を供給する。
変調部42nは、第nの伝送レートでデータの送信が行われるように、選択部43を介して、アンテナ11に流れる電流としての搬送波を、選択部41から供給される信号にしたがって変調する。ここで、変調部42nと変調部42n'(n≠n’)は、搬送波を、異なる伝送レートで変調する。従って、図6の変調部19は、第1乃至第NのN通りの伝送レートでデータを送信することができるようになっている。なお、N通りの伝送レートとしては、例えば、図5の復調部13が復調することができるのと同一の伝送レートを採用することができる。
選択部43は、制御部21の制御にしたがい、N個の変調部421乃至42Nの中から、選択部41が選択するのと同一の変調部42nを選択し、その変調部42nと、アンテナ11とを電気的に接続する。
以上のように構成される変調部19では、制御部21(図4)は、例えば、選択部41に、N個の変調部421乃至42Nを順次選択させ、これにより、変調部421乃至42Nそれぞれに、選択部41から供給される信号にしたがい、選択部43を介して、アンテナ11に流れる電流としての搬送波を変調させる。
従って、変調部19では、N通りの伝送レートのうちの任意の伝送レートでデータが送信されるように、搬送波を変調してデータを送信することができる。
なお、図4の負荷変調部20は、例えば、図6の変調部19と同様に構成されるため、その説明は、省略する。
以上から、NFC通信装置1乃至3では、搬送波を、N通りの伝送レートのうちのいずれかの伝送レートで送信されるデータの信号に変調するとともに、N通りの伝送レートのうちのいずれかの伝送レートで送信されてくるデータの信号を復調することができる。そして、N通りの伝送レートには、例えば、上述したように、既存のICカードシステム(FeliCa方式など)などの近接通信において既に採用されている伝送レートと、それ以外の伝送レートとを含めることができる。従って、NFC通信装置1乃至3によれば、それぞれの間では、そのN通りの伝送レートのいずれの伝送レートでも、データのやりとりを行うことができる。さらに、NFC通信装置1乃至3によれば、既存のICカードシステムを構成するICカードやリーダ/ライタとの間でも、そのICカードやリーダ/ライタが採用している伝送レートで、データのやりとりを行うことができる。
そして、その結果、NFC通信装置1乃至3を、既存の近接通信が採用されているサービスに導入しても、ユーザが混乱等することはなく、従って、その導入を容易に行うことができる。さらに、将来登場することが予想される高速なデータレートによる近接通信が採用されるサービスにも、既存の近接通信との共存を図りながら、NFC通信装置1乃至3を、容易に導入することができる。
また、NFC通信装置1乃至3では、従来の近接通信で採用されていたパッシブモードの他、自身が電磁波を出力することによってデータを送信するアクティブモードでのデータ伝送が可能であるため、リーダ/ライタ等の他の装置を介さなくても、データのやりとりを直接行うことができる。
次に、図7は、図4の復調部13の他の構成例を示している。なお、図中、図5における場合と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は、適宜省略する。即ち、図7の復調部13は、選択部31が設けられていない他は、図5における場合と基本的に同様に構成されている。
即ち、図7の実施の形態では、受信部12が出力する信号は、復調部321乃至32Nに、同時に供給され、復調部321乃至32Nでは、受信部12からの信号が同時に復調される。そして、制御部21は、例えば、受信部12からの信号を正常に復調することができた復調部32nを認識し、その復調部32nを出力するように、選択部33を制御する。選択部33は、制御部21の制御にしたがい、復調部32nを選択し、これにより、復調部32nで得られた正常な復調出力が、デコード部14に供給される。
なお、図7の実施の形態では、復調部321乃至32Nに、常に、復調動作を行わせる必要がある。これに対して、図5の実施の形態では、復調部321乃至32Nのうちの、選択部31に選択されているものだけに復調動作を行わせ、他のものは動作を停止させておくことができる。従って、装置の消費電力を節約する観点からは、図7よりも、図5の構成の方が有利である。一方、正常な復調出力を早期に得る観点からは、図5よりも、図7の構成の方が有利である。
次に、図8は、図4の復調部13のさらに他の構成例を示している。
図8では、復調部13は、可変レート復調部51とレート検出部52から構成されている。
可変レート復調部51は、受信部12から供給される信号を、レート検出部52からの指示に応じた伝送レートの信号として復調し、その復調結果を、デコード部14に供給する。レート検出部52は、受信部12から供給される信号の伝送レートを検出し、その伝送レートの信号を復調するように、可変レート復調部51に指示する。
以上のように構成される復調部13では、受信部12が出力する信号が、可変レート復調部51とレート検出部52に供給される。レート検出部52は、受信部12から供給される信号の伝送レートが、例えば、第1乃至第NのN通りの伝送レートのうちのいずれであるかを検出し、その伝送レートの信号を復調するように、可変レート復調部51に指示する。そして、可変レート復調部51は、受信部12から供給される信号を、レート検出部52からの指示に応じた伝送レートの信号として復調し、その復調結果を、デコード部14に供給する。
次に、NFC通信装置1乃至3は、いずれも、最初に電磁波を出力して通信を開始するイニシエータになり得る。さらに、アクティブモードでは、NFC通信装置1乃至3は、イニシエータとなる場合でも、ターゲットとなる場合でも、自身で電磁波を出力する。
従って、NFC通信装置1乃至3が近接している状態で、そのうちの2以上が同時に電磁波を出力した場合には、コリジョン(collision)が生じ、通信を行うことができなくなる。
そこで、NFC通信装置1乃至3それぞれは、他の装置からの電磁波(によるRFフィールド)が存在するかどうかを検出し、存在しない場合にのみ、電磁波の出力を開始し、これにより、コリジョンを防止するようになっている。ここで、このように、他の装置からの電磁波が存在するかどうかを検出し、存在しない場合にのみ、電磁波の出力を開始する処理を、コリジョンを防止するという目的から、RFCA(RF Collision Avoidance)処理という。
RFCA処理には、イニシエータとなろうとするNFC通信装置(図1では、NFC通信装置1乃至3のうちの1以上)が最初に行う初期RFCA処理と、アクティブモードでの通信中において、電磁波の出力を開始するNFC通信装置が、その開始をしようとするごとに行うレスポンスRFCA処理との2つがある。初期RFCA処理であっても、レスポンスRFCA処理であっても、電磁波の出力を開始する前に、他の装置による電磁波が存在するかどうかを検出し、存在しない場合にのみ、電磁波の出力を開始するという点は同一である。但し、初期RFCA処理とレスポンスRFCA処理とでは、他の装置による電磁波の存在が検出されなくなってから、電磁波の出力を開始しなければならないタイミングまでの時間等が異なる。
そこで、まず図9を参照して、初期RFCA処理について説明する。
図9は、初期RFCA処理によって出力が開始される電磁波を示している。なお、図9において(後述する図10も同様)、横軸は時間を表し、縦軸は、NFC通信装置が出力する電磁波のレベルを表す。
イニシエータとなろうとするNFC通信装置は、常時、他の装置による電磁波の検出を行っており、他の装置による電磁波が、時間TIDT+n×TRFWだけ連続して検出されなかった場合、電磁波の出力を開始し、その出力から時間TIRFGだけ経過した後に、データ(コマンドを含む)の送信(Send Request)を開始する。
ここで、時間TIDT+n×TRFWにおけるTIDTは、初期遅延時間と呼ばれ、搬送波の周波数をfcで表すこととすると、例えば、4096/fcより大の値が採用される。nは、例えば、0以上3以下の整数で、乱数を用いて生成される。TRFWは、RF待ち時間と呼ばれ、例えば、512/fcが採用される。時間TIRFGは、初期ガードタイムと呼ばれ、例えば、5msより大の値が採用される。
なお、電磁波が検出されてはならない時間TIDT+n×TRFWに、乱数であるnを採用することにより、複数のNFC通信装置が同一のタイミングで、電磁波の出力を開始してしまう可能性の低減が図られている。
NFC通信装置が、初期RFCA処理によって、電磁波の出力を開始した場合、そのNFC通信装置は、イニシエータとなるが、その際、通信モードとして、アクティブモードが設定されたときには、イニシエータとなったNFC通信装置は、自身のデータの送信を終了した後、電磁波の出力を停止する。一方、通信モードとして、パッシブモードが設定されたときには、イニシエータとなったNFC通信装置は、ターゲットとの通信が完全に完了するまで、初期RFCA処理によって開始した電磁波の出力を、そのまま続行する。
次に、図10は、レスポンスRFCA処理によって出力が開始される電磁波を示している。
アクティブモードにおいて電磁波を出力しようとするNFC通信装置は、他の装置による電磁波の検出を行い、他の装置による電磁波が、時間TADT+n×TRFWだけ連続して検出されなかった場合、電磁波の出力を開始し、その出力から時間TARFGだけ経過した後に、データの送信(Send Response)を開始する。
ここで、時間TADT+n×TRFWにおけるnとTRFWは、図9の初期RFCA処理における場合と同一のものである。また、時間TADT+n×TRFWにおけるTADTは、アクティブディレイタイムと呼ばれ、例えば、768/fc以上2559/fc以下の値が採用される。時間TARFGは、アクティブガードタイムと呼ばれ、例えば、1024/fcより大の値が採用される。
図9と図10から明らかなように、初期RFCA処理によって電磁波の出力を開始するには、少なくとも初期遅延時間TIDTの間、電磁波が存在してはならず、レスポンスRFCA処理によって電磁波の出力を開始するには、少なくともアクティブディレイタイムTADTの間、電磁波が存在してはならない。
そして、初期遅延時間TIDTは、4096/fcより大の値であるのに対して、アクティブディレイタイムTADTは、768/fc以上2559/fc以下の値であることから、NFC通信装置がイニシエータになろうとする場合には、アクティブモードでの通信中において電磁波を出力しようとする場合よりも、電磁波が存在しない状態が長時間必要である。逆に言えば、NFC通信装置がアクティブモードでの通信中において電磁波を出力しようとする場合には、イニシエータになろうとする場合よりも、電磁波が存在しない状態になってから、それほど間をおかずに、電磁波を出力しなければならない。これは、次のような理由による。
即ち、NFC通信装置がアクティブモードで通信を行う場合、一方のNFC通信装置は、自身で電磁波を出力してデータを送信し、その後、電磁波の出力を停止する。そして、他方のNFC通信装置が電磁波の出力を開始し、データを送信する。従って、アクティブモードの通信では、いずれのNFC通信装置も、電磁波の出力を停止していることがある。このため、NFC通信装置がイニシエータになろうとする場合には、そのNFC通信装置の周囲でアクティブモードの通信が行われていないことを確認するために、イニシエータになろうとしているNFC通信装置の周囲で、他の装置が電磁波を出力していないことを、十分な時間確認する必要がある。
これに対して、アクティブモードでは、上述したように、イニシエータが電磁波を出力することにより、ターゲットにデータを送信する。そして、ターゲットは、イニシエータが電磁波の出力を停止してから、電磁波の出力を開始することにより、イニシエータにデータを送信する。その後、イニシエータは、ターゲットが電磁波の出力を停止してから、電磁波の出力を開始することにより、イニシエータにデータを送信し、以下、同様にして、イニシエータとターゲットの間でデータがやりとりされる。
従って、アクティブモードの通信を行っているイニシエータとターゲットの周囲に、イニシエータとなろうとするNFC通信装置が存在する場合に、アクティブモードの通信を行っているイニシエータとターゲットのうちの一方が電磁波の出力を停止してから、他方が電磁波の出力を開始するまでの時間が長いと、その間は電磁波が存在しないため、イニシエータとなろうとするNFC通信装置が、初期RFCA処理によって電磁波の出力を開始する。この場合、先に行われていたアクティブモードの通信が妨げられることになる。
このため、アクティブモードの通信中に行われるレスポンスRFCA処理では、電磁波が存在しない状態になってから、それほど間をおかずに、電磁波を出力しなければならないようにしている。
次に、イニシエータになろうとするNFC通信装置は、図9で説明したように、初期RFCA処理によって電磁波の出力を開始し、その後、データの送信を行う。イニシエータになろうとするNFC通信装置は、電磁波の出力を開始することで、イニシエータとなり、そのイニシエータに近接する位置に存在するNFC通信装置はターゲットとなるが、イニシエータが、ターゲットとデータのやりとりをするには、そのデータをやりとりするターゲットを特定しなければならない。このため、イニシエータは、初期RFCA処理によって電磁波の出力を開始した後に、そのイニシエータに近接する位置に存在する1以上のターゲットに対して、各ターゲットを特定する情報としてのNFCID(NFC Identification)を要求する。そして、イニシエータに近接する位置に存在するターゲットは、イニシエータからの要求に応じて、自身を特定するNFCIDを、イニシエータに送信する。
イニシエータは、以上のようにしてターゲットから送信されてくるNFCIDによってターゲットを特定し、その特定したターゲットとの間で、データのやりとりを行うが、イニシエータが、その周囲(近接する位置)に存在するターゲットを、そのNFCIDによって特定する処理は、SDD(Single Device Detection)処理と呼ばれる。
ここで、SDD処理において、イニシエータは、ターゲットのNFCIDを要求するが、この要求は、イニシエータが、ポーリングリクエストフレームと呼ばれるフレームを送信することによって行われる。ターゲットは、ポーリングリクエストフレームを受信すると、例えば、自身のNFCIDを乱数によって決定し、そのNFCIDを配置したポーリングレスポンスフレームと呼ばれるフレームを送信する。イニシエータは、ターゲットから送信されてくるポーリングレスポンスフレームを受信することで、ターゲットのNFCIDを認識する。
ところで、イニシエータが、その周囲のターゲットに対して、そのNFCIDを要求した場合、イニシエータの周囲に、複数のターゲットが存在するときには、その複数のターゲットの2以上から、同時に、NFCIDが送信されてくることがあり得る。この場合、その2以上のターゲットから送信されてくるNFCIDがコリジョンし、イニシエータは、そのコリジョンしたNFCIDを認識することができない。
そこで、SDD処理は、NFCIDのコリジョンをなるべく避けるために、例えば、タイムスロットを用いた方法で行われる。
即ち、図11は、タイムスロットを用いた方法により行われるSDD処理のシーケンスを示している。なお、図11では、イニシエータの周囲に、5つのターゲット#1,#2,#3,#4,#5が存在するものとしてある。
SDD処理では、イニシエータがポーリングリクエストフレームを送信するが、その送信の完了後、所定の時間Tdだけおいて、所定の時間Tsの幅のタイムスロットが設けられる。なお、時間Tdは、例えば、512×64/fcとされ、タイムスロットの幅としての時間Tsは、例えば、256×64/fcとされる。また、タイムスロットは、例えば、時間的に最も先行するものから、0からのシーケンシャルな番号(整数)が付されることによって特定される。
ここで、図11では、タイムスロット#0,#1,#2,#3の4つを示してあるが、タイムスロットは、例えば、16まで設けることが可能である。あるポーリングリクエストフレームに対して設けられるタイムスロットの数TSNは、イニシエータが指定し、ポーリングリクエストフレームに含められて、ターゲットに送信される。
ターゲットは、イニシエータから送信されてくるポーリングリクエストフレームを受信し、そのポーリングリクエストフレームに配置されているタイムスロットの数TSNを認識する。さらに、ターゲットは、0以上TSN−1の範囲の整数Rを、乱数により生成し、その整数Rによって特定されるタイムスロット#Rのタイミングで、自身のNFCIDを配置したポーリングレスポンスフレームを送信する。
以上のように、ターゲットは、ポーリングレスポンスフレームを送信するタイミングとしてのタイムスロットを、乱数により決定するので、複数のターゲットがポーリングレスポンスフレームを送信するタイミングがばらつくこととなり、これにより、複数のターゲットが送信するポーリングレスポンスフレームどうしのコリジョンをなるべく避けることができる。
なお、ターゲットにおいて、ポーリングレスポンスフレームを送信するタイミングとしてのタイムスロットを、乱数により決定しても、複数のターゲットがポーリングレスポンスフレームを送信するタイムスロットが一致し、これにより、ポーリングレスポンスフレームのコリジョンが生じる場合がある。図11の実施の形態では、タイムスロット#0において、ターゲット#4のポーリングレスポンスフレームが、タイムスロット#1において、ターゲット#1と#3のポーリングレスポンスフレームが、タイムスロット#2において、ターゲット#5のポーリングレスポンスフレームが、タイムスロット#3において、ターゲット#2のポーリングレスポンスフレームが、それぞれ送信されており、ターゲット#1と#3のポーリングレスポンスフレームがコリジョンを生じている。
この場合、イニシエータは、コリジョンを生じているターゲット#1と#3のポーリングレスポンスフレームを正常に受信することができない。そのため、イニシエータは、再度、ポーリングリクエストフレームを送信し、これにより、ターゲット#1と#3に対して、それぞれのNFCIDが配置されたポーリングレスポンスフレームの送信を要求する。以下、イニシエータにおいて、その周囲にあるターゲット#1乃至#5すべてのNFCIDを認識することができるまで、イニシエータによるポーリングリクエストフレームの送信と、ターゲットによるポーリングレスポンスフレームの送信とが繰り返し行われる。
なお、イニシエータが、ポーリングリクエストフレームを再度送信した場合に、すべてのターゲット#1乃至#5が、ポーリングレスポンスフレームを返すこととすると、再び、ポーリングレスポンスフレームどうしがコリジョンを起こす可能性がある。そこで、ターゲットにおいては、イニシエータからポーリングリクエストフレームを受信した後、それほど時間をおかずに、ポーリングリクエストフレームを再度受信した場合には、例えば、そのポーリングリクエストフレームを無視するようにすることができる。但し、この場合、図11の実施の形態では、最初に送信されたポーリングリクエストフレームに対して、ポーリングレスポンスのコリジョンを生じているターゲット#1と#3については、イニシエータは、そのターゲット#1と#3のNFCIDを認識することができないので、ターゲット#1または#3との間でのデータのやりとりは、できないことになる。
そこで、イニシエータが、ポーリングレスポンスフレームを正常に受信し、そのNFCIDを認識することができたターゲット#2,#4,#5については、後述するように、通信対象から一時的にはずし、これにより、ポーリングリクエストフレームに対する応答としてのポーリングレスポンスフレームを返さないようにすることができる。この場合、イニシエータが送信する再度のポーリングリクエストフレームに対して、ポーリングレスポンスフレームを返してくるのは、最初のポーリングリクエストフレームの送信によってNFCIDを認識することができなかったターゲット#1と#3だけとなる。従って、この場合、ポーリングレスポンスフレームどうしがコリジョンを起こす可能性を小さくしながら、ターゲット#1乃至#5すべてのNFCIDを認識することが可能となる。
また、ここでは、ターゲットは、上述したように、ポーリングリクエストフレームを受信すると、自身のNFCIDを、乱数によって決定(生成)する。このため、異なるターゲットから、同一のNFCIDがポーリングレスポンスフレームに配置されて、イニシエータに送信されてくる場合があり得る。イニシエータにおいて、異なるタイムスロットにおいて、同一のNFCIDが配置されたポーリングレスポンスフレームが受信された場合、イニシエータには、例えば、ポーリングレスポンスフレームどうしがコリジョンを起こした場合と同様に、ポーリングリクエストフレームを再度送信させることができる。
ここで、上述したように、NFC通信装置は、既存のICカードシステムを構成するICカードやリーダ/ライタとの間でも、そのICカードやリーダ/ライタが採用している伝送レートで、データのやりとりを行うことができる。いま、ターゲットが、例えば、既存のICカードシステムのICカードである場合、SDD処理は、例えば、次のようにして行われる。
即ち、イニシエータは、初期RFCA処理により、電磁波の出力を開始し、ターゲットであるICカードは、その電磁波から電源を得て、処理を開始する。つまり、いまの場合、ターゲットは、既存のICカードシステムのICカードであるから、動作するための電源を、イニシエータが出力する電磁波から生成する。
ターゲットは、電源を得て、動作可能な状態になってから、例えば、最長でも2秒以内に、ポーリングリクエストフレームを受信する準備を行い、イニシエータからポーリングリクエストフレームが送信されてくるのを待つ。
一方、イニシエータは、ターゲットにおいてポーリングリクエストフレームを受信する準備が整ったかどうかに関係なく、ポーリングリクエストフレームを送信することができる。
ターゲットは、イニシエータからのポーリングリクエストフレームを受信した場合、上述したように、所定のタイムスロットのタイミングで、ポーリングレスポンスフレームを、イニシエータに送信する。イニシエータは、ターゲットからのポーリングレスポンスフレームを正常受信することができた場合、上述したように、そのターゲットのNFCIDを認識する。一方、イニシエータは、ターゲットからのポーリングレスポンスフレームを正常受信することができなかった場合、ポーリングリクエストフレームを、再度送信することができる。
なお、いまの場合、ターゲットは、既存のICカードシステムのICカードであるから、動作するための電源を、イニシエータが出力する電磁波から生成する。このため、イニシエータは、初期RFCA処理によって開始した電磁波の出力を、ターゲットとの通信が完全に終了するまで続行する。
次に、NFC通信装置では、イニシエータがターゲットにコマンドを送信し、ターゲットが、イニシエータからのコマンドに対するレスポンスを送信する(返す)ことで、通信が行われる。
そこで、図12は、イニシエータがターゲットに送信するコマンドと、ターゲットがイニシエータに送信するレスポンスとを示している。
図12において、アンダーバー(_)の後にREQの文字が記述されているものは、コマンドを表し、アンダーバー(_)の後にRESの文字が記述されているものは、レスポンスを表す。図12の実施の形態では、コマンドとして、ATR_REQ,WUP_REQ,PSL_REQ,DEP_REQ,DSL_REQ,RLS_REQの6種類が用意されており、コマンドに対するレスポンスとしても、コマンドと同様に、ATR_RES,WUP_RES,PSL_RES,DEP_RES,DSL_RES,RLS_RESの6種類が用意されている。上述したように、イニシエータは、コマンド(リクエスト)をターゲットに送信し、ターゲットは、そのコマンドに対応するレスポンスをイニシエータに送信するので、コマンドは、イニシエータによって送信され、レスポンスは、ターゲットによって送信される。
コマンドATR_REQは、イニシエータが、ターゲットに対して、自身の属性(仕様)を知らせるとともに、ターゲットの属性を要求するときに、ターゲットに送信される。ここで、イニシエータまたはターゲットの属性としては、そのイニシエータまたはターゲットが送受信することのできるデータの伝送レートなどがある。なお、コマンドATR_REQには、イニシエータの属性の他、そのイニシエータを特定するNFCIDなどが配置され、ターゲットは、コマンドATR_REQを受信することにより、イニシエータの属性とNFCIDを認識する。
レスポンスATR_RESは、ターゲットが、コマンドATR_REQを受信した場合に、そのコマンドATR_REQに対する応答として、イニシエータに送信される。レスポンスATR_REQには、ターゲットの属性やNFCIDなどが配置される。
なお、コマンドATR_REQやレスポンスATR_RESに配置される属性としての伝送レートの情報には、イニシエータやターゲットが送受信することのできるデータの伝送レートすべてを含めることができる。この場合、イニシエータとターゲットとの間で、コマンドATR_REQとレスポンスATR_RESのやりとりが1度行われるだけで、イニシエータは、ターゲットが送受信可能な伝送レートを認識することができ、ターゲットも、イニシエータが送受信可能な伝送レートを認識することができる。
コマンドWUP_REQは、イニシエータが、通信するターゲットを選択するときに送信される。即ち、後述するコマンドDSL_REQを、イニシエータからターゲットに送信することにより、ターゲットを、ディセレクト(deselect)状態(イニシエータへのデータの送信(レスポンス)を禁止した状態)とすることができるが、コマンドWUP_REQは、そのディセレクト状態を解いて、ターゲットを、イニシエータへのデータの送信を可能にする状態とする場合に送信される。なお、コマンドWUP_REQには、ディセレクト状態を解くターゲットのNFCIDが配置され、コマンドWUP_REQを受信したターゲットのうち、そのコマンドWUP_REQに配置されているNFCIDによって特定されるターゲットが、ディセレクト状態を解く。
レスポンスWUP_RESは、コマンドWUP_REQを受信したターゲットのうち、そのコマンドWUP_REQに配置されているNFCIDによって特定されるターゲットが、ディセレクト状態を解いた場合にコマンドWUP_REQに対する応答として送信される。
レスポンスWUP_RESは、コマンドWUP_REQを受信したターゲットのうち、そのコマンドWUP_REQに配置されているNFCIDによって特定されるターゲットが、ディセレクト状態を解いた場合にコマンドWUP_REQに対する応答として送信される。
コマンドPSL_REQは、イニシエータが、ターゲットとの通信に関する通信パラメータを変更するときに送信される。ここで、通信パラメータとしては、例えば、イニシエータとターゲットとの間でやりとりするデータの伝送レートなどがある。
コマンドPSL_REQには、変更後の通信パラメータの値が配置され、イニシエータからターゲットに送信される。ターゲットは、コマンドPSL_REQを受信し、そこに配置されている通信パラメータの値にしたがって、通信パラメータを変更する。さらに、ターゲットは、コマンドPSL_REQに対するレスポンスPSL_RESを送信する。
コマンドDEP_REQは、イニシエータが、データ(いわゆる実データ)の送受信(ターゲットとの間のデータ交換)を行うときに送信され、そこには、ターゲットに送信すべきデータが配置される。レスポンスDEP_RESは、ターゲットが、コマンドDEP_REQに対する応答として送信し、そこには、イニシエータに送信すべきデータが配置される。従って、コマンドDEP_REQによって、イニシエータからターゲットにデータが送信され、そのコマンドDEP_REQに対するレスポンスDEP_RESによって、ターゲットからイニシエータにデータが送信される。
コマンドDSL_REQは、イニシエータが、ターゲットをディセレクト状態とするときに送信される。コマンドDSL_REQを受信したターゲットは、そのコマンドDSL_REQに対するレスポンスDSL_RESを送信してディセレクト状態となり、以後、コマンドWUP_REQ以外のコマンドには反応しなくなる(レスポンスを返さなくなる)。
コマンドRLS_REQは、イニシエータが、ターゲットとの通信を完全に終了するときに送信される。コマンドRLS_REQを受信したターゲットは、そのコマンドRLS_REQに対するレスポンスRLS_RESを送信し、イニシエータとの通信を完全に終了する。
ここで、コマンドDSL_REQとRLS_REQは、いずれも、ターゲットを、イニシエータとの通信の対象から解放する点で共通する。しかしながら、コマンドDSL_REQによって解放されたターゲットは、コマンドWUP_REQによって、再び、イニシエータと通信可能な状態となるが、コマンドRLS_REQによって解放されたターゲットは、イニシエータとの間で、上述したポーリングリクエストフレームとポーリングレスポンスフレームのやりとりが行われないと、イニシエータと通信可能な状態とならない。かかる点で、コマンドDSL_REQとRLS_REQは、異なる。
なお、コマンドとレスポンスのやりとりは、例えば、トランスポート層で行うことができる。
次に、図13のフローチャートを参照して、NFC通信装置の通信処理について説明する。
NFC通信装置は、通信を開始する場合、まず最初に、ステップS1において、他の装置による電磁波を検出したかどうかを判定する。
ここで、NFC通信装置(図4)では、制御部21が、検出部23での電磁波(NFC通信装置で用いられる電磁波と周波数帯域などが同様の電磁波)の検出結果を監視しており、ステップS1では、その検出結果に基づき、他の装置による電磁波を検出したかどうかが判定される。即ち、この場合、図4の閾値設定部24は、後述する図24乃至図26で説明する搬送波出力抑制判断磁束密度TH1を閾値として設定し、検出部23に供給する。そして、検出部23は、閾値設定部24から供給される閾値としての搬送波出力抑制判断磁束密度TH1以上のレベルを検出する。
ステップS1において、他の装置による電磁波が検出されなかったと判定された場合、ステップS2に進み、NFC通信装置は、その通信モードを、パッシブモードまたはアクティブモードに設定し、後述するパッシブモードのイニシエータの処理またはアクティブモードのイニシエータの処理を行う。そして、NFC通信装置は、その処理の終了後、ステップS1に戻り、以下、同様の処理を繰り返す。
ここで、ステップS2においては、NFC通信装置の通信モードは、上述したように、パッシブモードまたはアクティブモードのうちのいずれに設定してもかまわない。但し、ターゲットが、既存のICカードシステムのICカードなどのパッシブモードのターゲットにしかなり得ない場合は、ステップS2では、NFC通信装置は、その通信モードを、パッシブモードに設定し、パッシブモードのイニシエータの処理を行う必要がある。
一方、ステップS1において、他の装置による電磁波が検出されたと判定された場合、即ち、NFC通信装置の周辺で、他の装置による電磁波が検出された場合、ステップS3に進み、NFC通信装置は、ステップS1で検出された電磁波が検出され続けているかどうかを判定する。
ステップS3において、電磁波が検出され続けていると判定された場合、ステップS4に進み、NFC通信装置は、その通信モードを、パッシブモードに設定し、後述するパッシブモードのターゲットの処理を行う。即ち、電磁波が検出され続けている場合というのは、例えば、NFC通信装置に近接する他の装置が、パッシブモードのイニシエータとなって、初期RFCA処理によって出力を開始した電磁波を出力し続けているケースであり、NFC通信装置は、パッシブモードのターゲットとなって処理を行う。そして、その処理の終了後は、ステップS1に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
また、ステップS3において、電磁波が検出され続けていないと判定された場合、ステップS5に進み、NFC通信装置は、その通信モードを、アクティブモードに設定し、後述するアクティブモードのターゲットの処理を行う。即ち、電磁波が検出され続けていない場合というのは、例えば、NFC通信装置に近接する他の装置が、アクティブモードのイニシエータとなって、初期RFCA処理によって電磁波の出力を開始し、その後、その電磁波の出力を停止したケースであるから、NFC通信装置は、アクティブモードのターゲットとなって処理を行う。そして、その処理の終了後は、ステップS1に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
次に、図14のフローチャートを参照して、NFC通信装置によるパッシブモードのイニシエータの処理について説明する。
パッシブモードのイニシエータの処理では、まず最初に、ステップS11において、NFC通信装置は、電磁波の出力を開始する。なお、このパッシブモードのイニシエータの処理におけるステップS11は、上述の図13のステップS1において、電磁波が検出されなかった場合に行われる。即ち、NFC通信装置は、図13のステップS1において、電磁波が検出されなかった場合に、ステップS11において、電磁波の出力を開始する。従って、ステップS1およびS11の処理が、上述の初期RFCA処理に相当する。
その後、ステップS12に進み、NFC通信装置は、伝送レートを表す変数nを、初期値としての、例えば、1にセットし、ステップS13に進む。ステップS13では、NFC通信装置は、第nの伝送レート(以下、適宜、第nレートともいう)で、ポーリングリクエストフレームを送信し、ステップS14に進む。ステップS14では、NFC通信装置は、他の装置から、第nレートで、ポーリングレスポンスフレームが送信されてきたかどうかを判定する。
ステップS14において、他の装置から、ポーリングレスポンスフレームが送信されてきていないと判定された場合、即ち、例えば、NFC通信装置に近接する他の装置が、第nレートでの通信を行うことができず、第nレートで送信したポーリングリクエストフレームに対するポーリングレスポンスフレームが返ってこない場合、ステップS15乃至S17をスキップして、ステップS18に進む。
また、ステップS14において、他の装置から、第nレートで、ポーリングレスポンスフレームが送信されてきたと判定された場合、即ち、例えば、NFC通信装置に近接する他の装置が、第nレートでの通信を行うことができ、第nレートで送信したポーリングリクエストフレームに対するポーリングレスポンスフレームが返ってきた場合、ステップS15に進み、NFC通信装置は、そのポーリングレスポンスフレームを返してきた他の装置をパッシブモードのターゲットとして、そのターゲットのNFCIDを、ポーリングレスポンスフレームに配置されているNFCIDによって認識するとともに、そのターゲットが第nレートで通信可能であることを認識する。
ここで、NFC通信装置は、ステップS15において、パッシブモードのターゲットのNFCIDと、そのターゲットが第nレートで通信可能であることを認識すると、そのターゲットとの間の伝送レートを、第nレートに(一時的に)決定し、そのターゲットとは、コマンドPSL_REQによって伝送レートが変更されない限り、第nレートで通信を行う。
その後、ステップS16に進み、NFC通信装置は、ステップS15で認識したNFCIDのターゲット(パッシブモードのターゲット)に、コマンドDSL_REQを、第nレートで送信し、これにより、そのターゲットが、以後送信されるポーリングリクエストフレームに応答しないように、ディセレクト状態にして、ステップS17に進む。
ステップS17では、NFC通信装置は、ステップS16で送信したコマンドDSL_REQに対して、そのコマンドDSL_REQによりディセレクト状態とされるターゲットが返してくるレスポンスDSL_RESを受信し、ステップS18に進む。
ステップS18では、NFC通信装置は、ステップS13でポーリングリクエストフレームを、第nレートで送信してから、所定の時間が経過したかどうかを判定する。ここで、ステップS18における所定の時間は、0以上の時間とすることができる。
ステップS18において、ステップS13でポーリングリクエストフレームを、第nレートで送信してから、まだ、所定の時間が経過していないと判定された場合、ステップS14に戻り、以下、ステップS14乃至S18の処理が繰り返される。
ここで、ステップS14乃至S18の処理が繰り返されることにより、NFC通信装置は、図11で説明したように、異なるタイムスロットのタイミングで送信されてくるポーリングレスポンスフレームを受信することができる。
一方、ステップS18において、ステップS13でポーリングリクエストフレームを、第nレートで送信してから、所定の時間が経過したと判定された場合、ステップS19に進み、NFC通信装置は、変数nが、その最大値であるNに等しいかどうかを判定する。ステップS19において、変数nが、最大値Nに等しくないと判定された場合、即ち、変数nが最大値N未満である場合、ステップS20に進み、NFC通信装置は、変数nを1だけインクリメントして、ステップS13に戻り、以下、ステップS13乃至S20の処理が繰り返される。
ここで、ステップS13乃至S20の処理が繰り返されることにより、NFC通信装置は、N通りの伝送レートで、ポーリングリクエストフレームを送信するとともに、各伝送レートで返ってくるポーリングレスポンスフレームを受信する。
一方、ステップS19において、変数nが、最大値Nに等しいと判定された場合、即ち、NFC通信装置が、N通りの伝送レートで、ポーリングリクエストフレームを送信するとともに、各伝送レートで返ってくるポーリングレスポンスフレームを受信した場合、ステップS21に進み、NFC通信装置は、パッシブモードのイニシエータとして、その通信処理(パッシブモードのイニシエータの通信処理)を行う。ここで、パッシブモードのイニシエータの通信処理については、後述する。
そして、パッシブモードのイニシエータの通信処理が終了すると、NFC通信装置は、ステップS21からS22に進み、ステップS11で出力を開始した電磁波の出力を停止し、処理を終了する。
次に、図15のフローチャートを参照して、NFC通信装置によるパッシブモードのターゲットの処理について説明する。
パッシブモードのターゲットの処理では、まず最初に、ステップS31において、NFC通信装置は、伝送レートを表す変数nを、初期値としての、例えば、1にセットし、ステップS32に進む。ステップS32では、NFC通信装置は、パッシブモードのイニシエータとなっている他の装置から、第nレートで、ポーリングリクエストフレームが送信されてきたかどうかを判定する。
ステップS32において、パッシブモードのイニシエータから、ポーリングリクエストフレームが送信されてきていないと判定された場合、即ち、例えば、NFC通信装置に近接する他の装置が、第nレートでの通信を行うことができず、第nレートでポーリングリクエストフレームを送信することができない場合、ステップS33に進み、NFC通信装置は、変数nが、その最大値であるNに等しいかどうかを判定する。ステップS33において、変数nが、最大値Nに等しくないと判定された場合、即ち、変数nが最大値N未満である場合、ステップS34に進み、NFC通信装置は、変数nを1だけインクリメントして、ステップS32に戻り、以下、ステップS32乃至S34の処理が繰り返される。
また、ステップS33において、変数nが、最大値Nに等しいと判定された場合、ステップS31に戻り、以下、ステップS31乃至S34の処理が繰り返される。即ち、ここでは、パッシブモードのイニシエータから、N通りの伝送レートのうちのいずれかで送信されてくるポーリングリクエストフレームを受信することができるまで、ステップS31乃至S34の処理が繰り返される。
そして、ステップS32において、パッシブモードのイニシエータから、ポーリングリクエストフレームが送信されてきたと判定された場合、即ち、NFC通信装置が、第nレートのポーリングリクエストフレームを正常受信した場合、ステップS35に進み、NFC通信装置は、イニシエータの間の伝送レートを第nレートに決定するとともに、乱数によって、自身のNFCIDを生成し、ステップS36に進む。ステップS36では、NFC通信装置は、自身のNFCIDを配置したポーリングレスポンスフレームを、第nレートで送信し、ステップS37に進む。
ここで、NFC通信装置は、ステップS36でポーリングレスポンスフレームを、第nレートで送信した後は、パッシブモードのイニシエータからコマンドPSL_REQが送信されてくることによって伝送レートの変更が指示されない限り、第nレートで通信を行う。
ステップS37では、NFC通信装置は、パッシブモードのイニシエータから、コマンドDSL_REQが送信されてきたかどうかを判定し、送信されてきていないと判定した場合、ステップS37に戻り、パッシブモードのイニシエータからコマンドDSL_REQが送信されてくるのを待つ。
また、ステップS37において、パッシブモードのイニシエータから、コマンドDSL_REQが送信されてきたと判定された場合、即ち、NFC通信装置がコマンドDSL_REQを受信した場合、ステップS38に進み、NFC通信装置は、コマンドDSL_REQに対するレスポンスDSL_RESを送信し、ディセレクト状態となって、ステップS39に進む。
ステップS39では、NFC通信装置は、パッシブモードのターゲットとして、その通信処理(パッシブモードのターゲットの通信処理)を行い、そのパッシブモードのターゲットの通信処理が終了すると、処理を終了する。なお、パッシブモードのターゲットの通信処理については、後述する。
次に、図16のフローチャートを参照して、NFC通信装置によるアクティブモードのイニシエータの処理について説明する。
アクティブモードのイニシエータの処理では、ステップS51乃至S61において、図14のパッシブモードのイニシエータの処理のステップS11乃至S21における場合とそれぞれ同様の処理が行われる。但し、図14のパッシブモードのイニシエータの処理では、NFC通信装置は、その処理が終了するまで、電磁波を出力し続けるが、アクティブモードのイニシエータの処理では、NFC通信装置は、データを送信するときだけ、電磁波を出力する点が異なる。
即ち、ステップS51において、NFC通信装置は、電磁波の出力を開始する。なお、このアクティブモードのイニシエータの処理におけるステップS51は、上述の図13のステップS1において、電磁波が検出されなかった場合に行われる。即ち、NFC通信装置は、図13のステップS1において、電磁波が検出されなかった場合に、ステップS51において、電磁波の出力を開始する。従って、ステップS1およびS51の処理が、上述の初期RFCA処理に相当する。
その後、ステップS52に進み、NFC通信装置は、伝送レートを表す変数nを、初期値としての、例えば、1にセットし、ステップS53に進む。ステップS53では、NFC通信装置は、第nレートで、ポーリングリクエストフレームを送信して、電磁波の出力を停止し(以下、適宜、RFオフ処理を行う、ともいう)、ステップS54に進む。
ここで、ステップS53では、NFC通信装置は、ポーリングリクエストフレームを送信する前に、上述のアクティブRFCA処理によって電磁波の出力を開始する。但し、変数nが初期値である1の場合は、ステップS1およびS51の処理に対応する初期RFCA処理によって、既に電磁波の出力が開始されているので、アクティブRFCA処理を行う必要はない。
ステップS54では、NFC通信装置は、他の装置から、第nレートで、ポーリングレスポンスフレームが送信されてきたかどうかを判定する。
ステップS54において、他の装置から、ポーリングレスポンスフレームが送信されてきていないと判定された場合、即ち、例えば、NFC通信装置に近接する他の装置が、第nレートでの通信を行うことができず、第nレートで送信したポーリングリクエストフレームに対するポーリングレスポンスフレームが返ってこない場合、ステップS55乃至S57をスキップして、ステップS58に進む。
また、ステップS54において、他の装置から、第nレートで、ポーリングレスポンスフレームが送信されてきたと判定された場合、即ち、例えば、NFC通信装置に近接する他の装置が、第nレートでの通信を行うことができ、第nレートで送信したポーリングリクエストフレームに対するポーリングレスポンスフレームが返ってきた場合、ステップS55に進み、NFC通信装置は、そのポーリングレスポンスフレームを返してきた他の装置をアクティブモードのターゲットとして、そのターゲットのNFCIDを、ポーリングレスポンスフレームに配置されているNFCIDによって認識するとともに、そのターゲットが第nレートで通信可能であることを認識する。
ここで、NFC通信装置は、ステップS55において、アクティブモードのターゲットのNFCIDと、そのターゲットが第nレートで通信可能であることを認識すると、そのターゲットとの間の伝送レートを、第nレートに決定し、そのターゲットとは、コマンドPSL_REQによって伝送レートが変更されない限り、第nレートで通信を行う。
その後、ステップS56に進み、NFC通信装置は、アクティブRFCA処理によって電磁波の出力を開始し、ステップS55で認識したNFCIDのターゲット(アクティブモードのターゲット)に、コマンドDSL_REQを、第nレートで送信する。これにより、そのターゲットは、以後送信されるポーリングリクエストフレーム等に応答しないディセレクト状態となる。その後、NFC通信装置は、RFオフ処理を行い、ステップS56からS57に進む。
ステップS57では、NFC通信装置は、ステップS56で送信したコマンドDSL_REQに対して、そのコマンドDSL_REQによりディセレクト状態とされるターゲットが返してくるレスポンスDSL_RESを受信し、ステップS58に進む。
ステップS58では、NFC通信装置は、ステップS53でポーリングリクエストフレームを、第nレートで送信してから、所定の時間が経過したかどうかを判定する。
ステップS58において、ステップS53でポーリングリクエストフレームを、第nレートで送信してから、まだ、所定の時間が経過していないと判定された場合、ステップS54に戻り、以下、ステップS54乃至S58の処理が繰り返される。
一方、ステップS58において、ステップS53でポーリングリクエストフレームを、第nレートで送信してから、所定の時間が経過したと判定された場合、ステップS59に進み、NFC通信装置は、変数nが、その最大値であるNに等しいかどうかを判定する。ステップS59において、変数nが、最大値Nに等しくないと判定された場合、即ち、変数nが最大値N未満である場合、ステップS60に進み、NFC通信装置は、変数nを1だけインクリメントして、ステップS53に戻り、以下、ステップS53乃至S60の処理が繰り返される。
ここで、ステップS53乃至S60の処理が繰り返されることにより、NFC通信装置は、N通りの伝送レートで、ポーリングリクエストフレームを送信するとともに、各伝送レートで返ってくるポーリングレスポンスフレームを受信する。
一方、ステップS59において、変数nが、最大値Nに等しいと判定された場合、即ち、NFC通信装置が、N通りの伝送レートで、ポーリングリクエストフレームを送信するとともに、各伝送レートで返ってくるポーリングレスポンスフレームを受信した場合、ステップS61に進み、NFC通信装置は、アクティブモードのイニシエータとして、その通信処理(アクティブモードのイニシエータの通信処理)を行い、その後、処理を終了する。ここで、アクティブモードのイニシエータの通信処理については、後述する。
次に、図17のフローチャートを参照して、NFC通信装置によるアクティブモードのターゲットの処理について説明する。
アクティブモードのターゲットの処理では、ステップS71乃至S79において、図15のパッシブモードのターゲットの処理のステップS31乃至S39における場合とそれぞれ同様の処理が行われる。但し、図15のパッシブモードのターゲットの処理では、NFC通信装置は、パッシブモードのイニシエータが出力する電磁波を負荷変調することによってデータを送信するが、アクティブモードのターゲットの処理では、NFC通信装置は、自身で電磁波を出力してデータを送信する点が異なる。
即ち、アクティブモードのターゲットの処理では、ステップS71乃至S75において、図15のステップS31乃至S35における場合とそれぞれ同一の処理が行われる。
そして、ステップS75の処理後、ステップS76に進み、NFC通信装置は、アクティブRFCA処理によって電磁波の出力を開始し、自身のNFCIDを配置したポーリングレスポンスフレームを、第nレートで送信する。さらに、ステップS76では、NFC通信装置は、RFオフ処理を行い、ステップS77に進む。
ここで、NFC通信装置は、ステップS76でポーリングレスポンスフレームを、第nレートで送信した後は、アクティブモードのイニシエータからコマンドPSL_REQが送信されてくることによって伝送レートの変更が指示されない限り、第nレートで通信を行う。
ステップS77では、NFC通信装置は、アクティブモードのイニシエータから、コマンドDSL_REQが送信されてきたかどうかを判定し、送信されてきていないと判定した場合、ステップS77に戻り、アクティブモードのイニシエータからコマンドDSL_REQが送信されてくるのを待つ。
また、ステップS77において、アクティブモードのイニシエータから、コマンドDSL_REQが送信されてきたと判定された場合、即ち、NFC通信装置がコマンドDSL_REQを受信した場合、ステップS78に進み、NFC通信装置は、アクティブRFCA処理によって電磁波の出力を開始し、コマンドDSL_REQに対するレスポンスDSL_RESを送信する。さらに、ステップS78では、NFC通信装置は、RFオフ処理を行い、ディセレクト状態となって、ステップS79に進む。
ステップS79では、NFC通信装置は、アクティブモードのターゲットとして、その通信処理(アクティブモードのターゲットの通信処理)を行い、そのアクティブモードのターゲットの通信処理が終了すると、処理を終了する。なお、アクティブモードのターゲットの通信処理については、後述する。
次に、図18および図19のフローチャートを参照して、図14のステップS21におけるパッシブモードのイニシエータの通信処理について説明する。
パッシブモードのイニシエータであるNFC通信装置は、ステップS91において、通信する装置(以下、適宜、注目装置という)を、図14のステップS15でNFCIDを認識したターゲットの中から選択し、ステップS92に進む。ステップS92では、コマンドWUP_REQを、注目装置に送信し、これにより、図14のステップS16でコマンドDSL_REQを送信することによりディセレクト状態とした注目装置の、そのディセレクト状態を解除する(以下、適宜、ウエイクアップする、ともいう)。
その後、NFC通信装置は、注目装置が、コマンドWUP_REQに対するレスポンスWUP_RESを送信してくるのを待って、ステップS92からS93に進み、そのレスポンスWUP_RESを受信して、ステップS94に進む。ステップS94では、NFC通信装置は、コマンドATR_REQを、注目装置に送信する。そして、NFC通信装置は、注目装置が、コマンドATR_REQに対するレスポンスATR_RESを送信してくるのを待って、ステップS94からS95に進み、そのレスポンスATR_RESを受信する。
ここで、NFC通信装置および注目装置が、以上のようにして、属性が配置されるコマンドATR_REQとレスポンスATR_RESをやりとりすることで、NFC通信装置および注目装置は、互いに相手が通信可能な伝送レートなどを認識する。
その後、ステップS95からS96に進み、NFC通信装置は、コマンドDSL_REQを、注目装置に送信し、注目装置を、ディセレクト状態にする。そして、NFC通信装置は、注目装置が、コマンドDSL_REQに対するレスポンスDSL_RESを送信してくるのを待って、ステップS96からS97に進み、そのレスポンスDSL_RESを受信して、ステップS98に進む。
ステップS98では、NFC通信装置は、図14のステップS15でNFCIDを認識したターゲットすべてを、ステップS91で注目装置として選択したかどうかを判定する。ステップS98において、NFC通信装置が、まだ、注目装置として選択していないターゲットがあると判定した場合、ステップS91に戻り、NFC通信装置は、まだ、注目装置として選択していないターゲットのうちの1つを新たに注目装置として選択し、以下、同様の処理を繰り返す。
また、ステップS98において、NFC通信装置が、図14のステップS15でNFCIDを認識したターゲットすべてを、ステップS91で注目装置として選択したと判定した場合、即ち、NFC通信装置が、NFCIDを認識したターゲットすべてとの間で、コマンドATR_REQとレスポンスATR_RESをやりとりし、これにより、各ターゲットが通信可能な伝送レートなどを認識することができた場合、ステップS99に進み、NFC通信装置は、通信する装置(注目装置)を、ステップS94とS95でコマンドATR_REQとレスポンスATR_RESをやりとりしたターゲットの中から選択し、ステップS100に進む。
ステップS100では、NFC通信装置は、コマンドWUP_REQを、注目装置に送信し、これにより、ステップS96でコマンドDSL_REQを送信することによってディセレクト状態とした注目装置をウエイクアップする。そして、NFC通信装置は、注目装置が、コマンドWUP_REQに対するレスポンスWUP_RESを送信してくるのを待って、ステップS100からS101に進み、そのレスポンスWUP_RESを受信して、図19のステップS111に進む。
ステップS111では、NFC通信装置は、注目装置と通信を行う際の伝送レートなどの通信パラメータを変更するかどうかを判定する。
ここで、NFC通信装置は、図18のステップS95でレスポンスATR_RESを、注目装置から受信しており、そのレスポンスATR_RESに配置された属性に基づき、注目装置が通信可能な伝送レート等の通信パラメータを認識している。NFC通信装置は、例えば、注目装置との間で、現在の伝送レートよりも高速の伝送レートで通信可能な場合、伝送レートをより高速な伝送レートに変更すべく、ステップS111において、通信パラメータを変更すると判定する。また、NFC通信装置は、例えば、注目装置との間で、現在の伝送レートよりも低速の伝送レートで通信可能であり、かつ、現在の通信環境がノイズレベルの高い環境である場合、伝送エラーを低下するために、伝送レートをより低速な伝送レートに変更すべく、ステップS111において、通信パラメータを変更すると判定する。なお、NFC通信装置と注目装置との間で、現在の伝送レートと異なる伝送レートで通信可能な場合であっても、現在の伝送レートのままで通信を続行することは可能である。
ステップS111において、注目装置と通信を行う際の通信パラメータを変更しないと判定された場合、即ち、NFC通信装置と注目装置との間で、現在の伝送レートなどの現在の通信パラメータのままで、通信を続行する場合、ステップS112乃至S114をスキップして、ステップS115に進む。
また、ステップS111において、注目装置と通信を行う際の通信パラメータを変更すると判定された場合、ステップS112に進み、NFC通信装置は、その変更後の通信パラメータの値を、コマンドPSL_REQに配置して、注目装置に送信する。そして、NFC通信装置は、注目装置が、コマンドPSL_REQに対するレスポンスPSL_RESを送信してくるのを待って、ステップS112からS113に進み、そのレスポンスPSL_RESを受信して、ステップS114に進む。
ステップS114では、NFC通信装置は、注目装置との通信を行う際の伝送レートなどの通信パラメータを、ステップS112で送信したコマンドPSL_REQに配置した通信パラメータの値に変更する。NFC通信装置は、以後、注目装置との間で、再び、コマンドPSL_REQとレスポンスPSL_RESのやりとりをしない限り、ステップS114で変更された値の伝送レートなどの通信パラメータにしたがい、注目装置との通信を行う。
なお、コマンドPSL_REQとレスポンスPSL_RESのやりとり(ネゴシエーション)によれば、伝送レート以外の、例えば、図4のエンコード部16(デコード部14)のエンコード方式や、変調部19および負荷変調部20(復調部13)の変調方式などの変更も行うことが可能である。
その後、ステップS115に進み、NFC通信装置は、注目装置との間で送受信すべきデータがあるかどうかを判定し、ないと判定された場合、ステップS116およびS117をスキップして、ステップS118に進む。
また、ステップS115において、注目装置との間で送受信すべきデータがあると判定された場合、ステップS116に進み、NFC通信装置は、コマンドDEP_REQを注目装置に送信する。ここで、ステップS116では、NFC通信装置は、注目装置に送信すべきデータがある場合には、そのデータを、コマンドDEP_REQに配置して送信する。
そして、NFC通信装置は、注目装置が、コマンドDEP_REQに対するレスポンスDEP_RESを送信してくるのを待って、ステップS116からS117に進み、そのレスポンスDEP_RESを受信して、ステップS118に進む。
以上のように、NFC通信装置と注目装置との間で、コマンドDEP_REQとレスポンスDEP_RESがやりとりされることにより、いわゆる実データの送受信が行われる。
ステップS118では、NFC通信装置は、通信相手を変更するかどうかを判定する。ステップS118において、通信相手を変更しないと判定された場合、即ち、例えば、まだ、注目装置との間でやりとりするデータがある場合、ステップS111に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
また、ステップS118において、通信相手を変更すると判定された場合、即ち、例えば、注目装置との間でやりとりするデータはないが、他の通信相手とやりとりするデータがある場合、ステップS119に進み、NFC通信装置は、コマンドDSL_REQまたはRLS_REQを注目装置に送信する。そして、NFC通信装置は、注目装置が、コマンドDSL_REQまたはRLS_REQに対するレスポンスDSL_RESまたはRLS_RESを送信してくるのを待って、ステップS119からS120に進み、そのレスポンスDSL_RESまたはRLS_RESを受信する。
ここで、上述したように、NFC通信装置が、注目装置に対して、コマンドDSL_REQまたはRLS_REQを送信することにより、その注目装置としてのターゲットは、イニシエータとしてのNFC通信装置との通信の対象から解放される。但し、コマンドDSL_REQによって解放されたターゲットは、コマンドWUP_REQによって、再び、イニシエータと通信可能な状態となるが、コマンドRLS_REQによって解放されたターゲットは、イニシエータとの間で、上述したポーリングリクエストフレームとポーリングレスポンスフレームのやりとりが行われないと、イニシエータと通信可能な状態とならない。
なお、あるターゲットが、イニシエータとの通信の対象から解放されるケースとしては、上述のように、イニシエータからターゲットに対して、コマンドDSL_REQまたはRLS_REQが送信される場合の他、例えば、イニシエータとターゲットとが離れすぎて、近接通信を行うことができなくなった場合がある。この場合は、コマンドRLS_REQによって解放されたターゲットと同様に、ターゲットとイニシエータとの間で、ポーリングリクエストフレームとポーリングレスポンスフレームのやりとりが行われないと、イニシエータと通信可能な状態とならない。
ここで、以下、適宜、ターゲットとイニシエータとの間で、ポーリングリクエストフレームとポーリングレスポンスフレームのやりとりが行われないと、イニシエータと通信可能にならないターゲットの解放を、完全解放という。また、イニシエータからコマンドWUP_REQが送信されることによって、再び、イニシエータと通信可能となるターゲットの解放を、一時解放という。
ステップS120の処理後は、ステップS121に進み、NFC通信装置は、図14のステップS15でNFCIDを認識したターゲットすべてが完全解放されたかどうかを判定する。ステップS121において、NFCIDを認識したターゲットすべてが、まだ完全解放されていないと判定された場合、図18のステップS99に戻り、NFC通信装置は、完全解放されていないターゲット、即ち、一時解放されているターゲットの中から、新たに注目装置を選択し、以下、同様の処理を繰り返す。
また、ステップS121において、NFCIDを認識したターゲットすべてが完全解放されたと判定された場合、処理を終了する。
なお、図19のステップS116とS117において、コマンドDEP_REQとレスポンスDEP_RESがやりとりされることにより、ターゲットとイニシエータとの間で、データの送受信(データ交換)が行われるが、このコマンドDEP_REQとレスポンスDEP_RESのやりとりが、1つのトランザクションである。ステップS116とS117の処理後は、ステップS118,S111,S112,S113を介して、ステップS114に戻ることが可能であり、通信パラメータを変更することができる。従って、ターゲットとイニシエータとの間の通信に関する伝送レートなどの通信パラメータは、1つのトランザクションごとに変更することが可能である。
また、ステップS112とS113において、イニシエータとターゲットの間で、コマンドPSL_REQとレスポンスPSL_RESをやりとりすることにより、ステップS114では、通信パラメータの1つであるイニシエータとターゲットの通信モードを変更することが可能である。従って、ターゲットとイニシエータの通信モードは、1つのトランザクションごとに変更することが可能である。なお、このことは、ターゲットとイニシエータの通信モードを、1つのトランザクションの間は、変更してはならないことを意味する。
次に、図20のフローチャートを参照して、図15のステップS39におけるパッシブモードのターゲットの通信処理について説明する。
パッシブモードのターゲットであるNFC通信装置は、図15のステップS37およびS38において、パッシブモードのイニシエータとの間で、コマンドDSL_REQとレスポンスDSL_RESのやりとりをしているので、ディセレクト状態となっている。
そこで、ステップS131において、NFC通信装置は、イニシエータからコマンドWUP_REQが送信されてきたかどうかを判定し、送信されてきていないと判定した場合、ステップS131に戻り、ディセレクト状態のままとされる。
また、ステップS131において、イニシエータからコマンドWUP_REQが送信されてきたと判定された場合、即ち、NFC通信装置がコマンドWUP_REQを受信した場合、ステップS132に進み、NFC通信装置は、コマンドWUP_REQに対するレスポンスWUP_RESを送信し、ウエイクアップして、ステップS133に進む。
ステップS133では、NFC通信装置は、コマンドATR_REQが、イニシエータから送信されてきたかどうかを判定し、送信されてきていないと判定した場合、ステップS134をスキップして、ステップS135に進む。
また、ステップS133において、イニシエータから、コマンドATR_REQが送信されてきたと判定された場合、即ち、NFC通信装置がコマンドATR_REQを受信した場合、ステップS134に進み、NFC通信装置は、コマンドATR_REQに対するレスポンスATR_RESを送信し、ステップS135に進む。
ステップS135では、NFC通信装置は、コマンドDSL_REQが、イニシエータから送信されてきたかどうかを判定する。ステップS135において、イニシエータから、コマンドDSL_REQが送信されてきたと判定された場合、即ち、NFC通信装置がコマンドDSL_REQを受信した場合、ステップS136に進み、NFC通信装置は、コマンドDSL_REQに対するレスポンスDSL_RESを送信し、ステップS131に戻る。これにより、NFC通信装置は、ディセレクト状態となる。
一方、ステップS135において、イニシエータから、コマンドDSL_REQが送信されてきていないと判定された場合、ステップS137に進み、NFC通信装置は、コマンドPSL_REQが、イニシエータから送信されてきたかどうかを判定し、送信されてきていないと判定した場合、ステップS138およびS139をスキップして、ステップS140に進む。
また、ステップS137において、イニシエータから、コマンドPSL_REQが送信されてきたと判定された場合、即ち、NFC通信装置がコマンドPSL_REQを受信した場合、ステップS138に進み、NFC通信装置は、コマンドPSL_REQに対するレスポンスPSL_RESを送信し、ステップS139に進む。ステップS139では、NFC通信装置は、イニシエータからのコマンドPSL_REQにしたがい、その通信パラメータを変更し、ステップS140に進む。
ステップS140では、NFC通信装置は、イニシエータから、コマンドDEP_REQが送信されてきたかどうかを判定し、送信されてきていないと判定した場合、ステップS141をスキップして、ステップS142に進む。
また、ステップS140において、イニシエータから、コマンドDEP_REQが送信されてきたと判定された場合、即ち、NFC通信装置がコマンドDEP_REQを受信した場合、ステップS141に進み、NFC通信装置は、コマンドDEP_REQに対するレスポンスDEP_RESを送信し、ステップS142に進む。
ステップS142では、NFC通信装置は、イニシエータから、コマンドRSL_REQが送信されてきたかどうかを判定し、送信されてきていないと判定した場合、ステップS133に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
また、ステップS142において、イニシエータから、コマンドRSL_REQが送信されてきたと判定された場合、即ち、NFC通信装置がコマンドRSL_REQを受信した場合、ステップS143に進み、NFC通信装置は、コマンドRSL_REQに対するレスポンスRSL_RESを送信し、これにより、イニシエータとの通信を完全に終了して、処理を終了する。
次に、図21および図22は、図16のステップS61におけるアクティブモードのイニシエータの通信処理の詳細を示すフローチャートである。
なお、図18および図19で説明したパッシブモードのイニシエータの通信処理では、イニシエータが電磁波を出力し続けているが、図21および図22のアクティブモードのイニシエータの通信処理では、イニシエータが、コマンドを送信する前に、アクティブRFCA処理を行うことによって電磁波の出力を開始し、コマンドの送信の終了後に、その電磁波の出力を停止する処理(オフ処理)を行う。かかる点を除けば、図21のアクティブモードのイニシエータの通信処理では、ステップS151乃至S161と図22のステップS171乃至S181において、図18のステップステップS91乃至S101と図19のステップS111乃至S121における場合とそれぞれ同様の処理が行われるため、その説明は、省略する。
次に、図23は、図17のステップS79におけるアクティブモードのターゲットの通信処理の詳細を示すフローチャートである。
なお、図20で説明したパッシブモードのターゲットの通信処理では、ターゲットが、イニシエータが出力している電磁波を負荷変調することによってデータを送信するが、図23のアクティブモードのターゲットの通信処理では、ターゲットが、コマンドを送信する前に、アクティブRFCA処理を行うことによって電磁波の出力を開始し、コマンドの送信の終了後に、その電磁波の出力を停止する処理(オフ処理)を行う。かかる点を除けば、図23のアクティブモードのターゲットの通信処理では、ステップS191乃至S203において、図20のステップS131乃至S143における場合とそれぞれ同様の処理が行われるため、その説明は、省略する。
次に、図24乃至図26を参照して、NFC通信装置における隠れ端末問題に対する対処法を説明する。
図24は、3つのNFC通信装置1,2,3それぞれの位置と、電磁波のレベル、即ち、ここでは、電磁波による磁束密度の大きさとの関係を示している。
図24では、NFC通信装置2は、NFC通信装置1から、ある短い距離L12だけ離れた位置にあり、NFC通信装置3は、NFC通信装置2から、距離L12よりも長い距離L23だけ離れた位置にある。そして、NFC通信装置1と3とは、距離L12+L23だけ離れている。
NFC通信装置1乃至3それぞれは、図4に示したアンテナ11としてのコイルどうしのトランス結合によって、通信相手との間でデータのやりとりを行う。なお、NFC通信装置の通信相手は、NFC通信装置である必要はなく、従来のICカードなどであってもかまわない。但し、NFC通信装置の通信相手が、従来のICカードなどのように、電力の供給が必要なものである場合は、NFC通信装置は、トランス結合によって、データのやりとりを行う他、電力の供給も行う。
ところで、コイルどうしのトランス結合により発生する起電力は、そのコイルどうしが近いほど大きく、そのコイルどうしの距離の約3乗に反比例して減衰する傾向がある。
従って、NFC通信装置1が出力する電磁波による磁束密度は、NFC通信装置1からの距離の約3乗に反比例して単調減少していく。なお、NFC通信装置1が出力する電磁波による磁束密度は、搬送波成分Mcarr1と、送信するデータの変調分としての信号成分Msig1とに分けることができるが、この搬送波成分Mcarr1と信号成分Msig1それぞれが、図24に示すように、NFC通信装置1からの距離の約3乗に反比例して減衰していく。
同様に、NFC通信装置2と3それぞれが出力する電磁波による磁束密度も、NFC通信装置2と3それぞれからの距離の約3乗に反比例して減衰していく。なお、図24では(後述する図25および図26においても同様)、NFC通信装置2が出力する電磁波による磁束密度の図示は省略してある。また、NFC通信装置3が出力する電磁波による磁束密度については、搬送波成分Mcarr3のみ図示してあり、信号成分の図示は省略してある。
NFC通信装置1乃至3は、例えば、図4の復調部13においてデータを取得するのに、所定の閾値としての動作限界搬送波磁束密度TH2以上(または、より大)の搬送波成分を必要とするように設計されている。
例えば、いま、NFC通信装置1と2との間で、NFC通信装置1を送信側とするとともに、NFC通信装置2を受信側として、通信が行われるものとすると、図24では、受信側であるNFC通信装置2は、送信側であるNFC通信装置1が出力する電磁波の搬送波成分Mcarr1が、動作限界搬送波磁束密度TH2に一致する距離L12だけ離れた位置にあり、NFC通信装置1と通信することができる最も遠い位置に存在している。
なお、NFC通信装置1と2との間の距離が、距離L12より大となると、NFC通信装置2が受信する、NFC通信装置1からの電磁波の搬送波成分Mcarr1は、動作限界搬送波磁束密度TH2より小となるから、NFC通信装置2は、NFC通信装置1から送信されてくるデータを受信することができなくなる。このことは、動作限界搬送波磁束密度TH2によって、NFC通信装置1と2との間で通信することができる距離が、距離L12以下に制限されているということができる。
また、NFC通信装置2において、その復調部13(図4)がデータを取得するのに、閾値としての動作限界搬送波磁束密度TH2以上の搬送波成分を必要とするようにするには、例えば、動作限界搬送波磁束密度TH2以上の搬送波成分が、アンテナ11および受信部12を介して復調部13に供給された場合にのみ、復調部13を動作させる第1の方法や、検出部23において、動作限界搬送波磁束密度TH2以上の搬送波成分が検出されたときのみ、復調部13を動作させる第2の方法がある。第2の方法を採用する場合、図4の閾値設定部24において、動作限界搬送波磁束密度TH2を、閾値として設定し、検出部23において、その閾値としての動作限界搬送波磁束密度TH2以上のレベルの電磁波を検出するようにすれば良い。
NFC通信装置1乃至3は、上述したように、復調部13においてデータを取得するのに、所定の閾値としての動作限界搬送波磁束密度TH2以上のレベルの搬送波成分を必要とするように設計されている他、さらに、他の閾値としての搬送波出力抑制判断磁束密度TH1以上(または、より大)のレベルの搬送波成分が、検出部23(図4)において検出されていない場合に、電磁波の出力の開始が可能なように設計されている。
即ち、図9および図10で説明したように、NFC通信装置1乃至3は、周囲で電磁波が検出されなかった場合に、電磁波の出力を開始するRFCA処理を行うが、このRFCA処理において、電磁波が検出されなかった場合というのは、搬送波出力抑制判断磁束密度TH1以上のレベルの搬送波成分が検出されなかった場合を意味する。
図24においては、NFC通信装置1は、通信相手でないNFC通信装置3が出力する電磁波の搬送波成分Mcarr3が、NFC通信装置1において搬送波出力抑制判断磁束密度TH1未満となる距離L12+L23(NFC通信装置1と3の両方が同時に電磁波を出力することができる、NFC通信装置1と3との最小の距離であるとする)だけ離れた位置にある。この場合、NFC通信装置1による電磁波の出力は、NFC通信装置3による電磁波の出力によって妨げられることはない。
なお、NFC通信装置1と3とが、NFC通信装置3が出力する電磁波の搬送波成分Mcarr3が、NFC通信装置1において搬送波出力抑制判断磁束密度TH1未満となる距離L12+L23だけ離れているということは、NFC通信装置1が出力する電磁波の搬送波成分Mcarr1も、NFC通信装置3において搬送波出力抑制判断磁束密度TH1未満となるように減衰する。従って、NFC通信装置3による電磁波の出力も、NFC通信装置1による電磁波の出力によって妨げられることはない。なお、ここでは、通信装置1乃至3が出力する電磁波のレベルは、同一であるとする。
以上のように、図24では、NFC通信装置2と通信するNFC通信装置1も、NFC通信装置2と通信しようとしていないNFC通信装置3も、電磁波の出力が可能である。そして、NFC通信装置2は、NFC通信装置3に対して、NFC通信装置1よりも近い位置にあり、NFC通信装置1に対しても、NFC通信装置3よりも近い位置にあるから、NFC通信装置3からの電磁波を、NFC通信装置1よりも高いレベルで受信し、NFC通信装置1からの電磁波も、NFC通信装置3よりも高いレベルで受信することになる。
いま、NFC通信装置1と2との間で通信を行うのであるから、NFC通信装置2が受信するNFC通信装置1からの電磁波が、同じくNFC通信装置2が受信するNFC通信装置3からの電磁波の影響を受ける場合には、NFC通信装置2は、通信相手であるNFC通信装置1からのデータを正常に受信することができず、NFC通信装置3からの電磁波によって、NFC通信装置1と2との間の通信が妨げられることになる。
そこで、動作限界搬送波磁束密度TH2は、搬送波出力抑制判断磁束密度TH1より大とされており、これにより、NFC通信装置2が受信するNFC通信装置1からの電磁波における信号成分Msig1が、NFC通信装置2が受信するNFC通信装置3からの電磁波における搬送波成分Mcarr3からの影響を受けない程度の値にされている。
以上のように、NFC通信装置1と3との距離が、NFC通信装置3から出力される電磁波における搬送波成分Mcarr3がNFC通信装置1において搬送波出力抑制判断磁束密度TH1未満に減衰する距離L12+L23である場合に、NFC通信装置2におけるNFC通信装置3による搬送波成分Mcarr3が影響しない信号成分が得られる搬送波成分の最小レベルを、動作限界搬送波磁束密度TH2とし、NFC通信装置2において、NFC通信装置1からのデータを取得するのに、NFC通信装置1から出力される電磁波として、動作限界搬送波磁束密度TH2以上の搬送波成分Mcarr1を必要とすることで、NFC通信装置2において、通信相手でないNFC通信装置3が電磁波を出力することにより、NFC通信装置1から送信されてくる信号成分Msig1としてのデータの正常受信が妨げられることを防止すること、つまり、隠れ端末問題を解消することができる。
即ち、図24において、NFC通信装置1からの電磁波における搬送波成分Mcarr1が搬送波出力抑制判断磁束密度TH1未満となる位置にいるNFC通信装置3は、NFC通信装置1が電磁波を出力しているかどうかにかかわらず、電磁波を出力することができる。つまり、NFC通信装置1と3は、同時に、電磁波を出力することができる。
そして、図24では、NFC通信装置2は、動作限界搬送波磁束密度TH2の搬送波成分Mcarr1を、NFC通信装置1から受信するとともに、動作限界搬送波磁束密度TH2より小さい搬送波成分Mcarr3を、NFC通信装置3から受信する。NFC通信装置2は、他の装置から送信されてくるデータを取得するのに、動作限界搬送波磁束密度TH2以上の搬送波成分を必要とするから、NFC通信装置1から送信されてくるデータは正常受信しうるが、NFC通信装置3から送信されてくるデータは正常受信することができない。さらに、NFC通信装置1と3とが、NFC通信装置3から出力される電磁波における搬送波成分Mcarr3がNFC通信装置1において搬送波出力抑制判断磁束密度TH1未満に減衰する距離L12+L23だけ離れているから、上述した動作限界搬送波磁束密度TH2の決め方によって、NFC通信装置2がNFC通信装置3から受信する搬送波成分Mcarr3は、NFC通信装置2がNFC通信装置1から受信する信号成分Msig1に影響しない。従って、NFC通信装置2は、NFC通信装置3が電磁波を出力しているかどうかにかかわらず、NFC通信装置1から送信されてくるデータを正常受信することができる。
次に、図25は、図24に示したNFC通信装置1乃至3の他に、NFC通信装置2’が存在する場合の電磁波のレベルを示している。
NFC通信装置2’は、NFC通信装置1に対して、NFC通信装置2よりも近い位置であり、かつNFC通信装置3に対して、NFC通信装置2よりも遠い位置に位置している。
なお、以下、適宜、NFC通信装置#iが出力する電磁波における搬送波成分Mcarr#iと信号成分Msig#iの、NFC通信装置#jにおけるレベル(磁束密度)を、それぞれ、搬送波成分Mcarr#i(#j)と信号成分Msig#i(#j)と記載する。
図25において、NFC通信装置1と2’とが通信を行うとすると、NFC通信装置2’は、NFC通信装置1に対して、NFC通信装置2よりも近い位置に位置しているので、NFC通信装置2’がNFC通信装置1から受信する搬送波成分Mcarr1(2')は、NFC通信装置2がNFC通信装置1から受信する搬送波成分Mcarr1(2)よりも大きい。従って、NFC通信装置2’がNFC通信装置1から受信する信号成分Msig1(2')も、NFC通信装置2がNFC通信装置1から受信する信号成分Msig1(2)より大きい。
また、NFC通信装置2’は、NFC通信装置3に対して、NFC通信装置2よりも遠い位置に位置しているので、NFC通信装置2’がNFC通信装置3から受信する搬送波成分Mcarr3(2')は、NFC通信装置2がNFC通信装置3から受信する搬送波成分Mcarr3(2)よりも小さい。
NFC通信装置1と2が通信を行う場合には、NFC通信装置2がNFC通信装置1から受信する信号成分Msig1(2)と、NFC通信装置2がNFC通信装置3から受信する搬送波成分Mcarr3(2)との比がSN(Signal Noise)比となる。同様に、NFC通信装置1と2’が通信を行う場合には、NFC通信装置2’がNFC通信装置1から受信する信号成分Msig1(2')と、NFC通信装置2’がNFC通信装置3から受信する搬送波成分Mcarr3(2')との比がSN比となる。
そして、上述したように、NFC通信装置2’がNFC通信装置1から受信する信号成分Msig1(2')は、NFC通信装置2がNFC通信装置1から受信する信号成分Msig1(2)より大であり、かつ、NFC通信装置2’がNFC通信装置3から受信する搬送波成分Mcarr3(2')は、NFC通信装置2がNFC通信装置3から受信する搬送波成分Mcarr3(2)より小である。
従って、NFC通信装置2’のSN比(≡Msig1(2')/Mcarr3(2'))は、NFC通信装置2のSN比(≡Msig1(2)/Mcarr3(2))よりも良好になる。
以上から、NFC通信装置の通信相手であるNFC通信装置2’が、NFC通信装置1に対して、NFC通信装置2よりも近い位置であり、かつNFC通信装置3に対して、NFC通信装置2よりも遠い位置に位置している場合も、隠れ端末問題を解消することができる。
なお、NFC通信装置2’が、NFC通信装置1に対して、NFC通信装置2よりも遠い位置に位置している場合は、NFC通信装置2’において受信される、NFC通信装置1からの搬送波成分Mcarr1(2')は、動作限界搬送波磁束密度TH2以上にならない。従って、この場合は、そもそも、通信装置1と2’とは通信することができないので、隠れ端末問題は発生しない。
次に、図26は、図24に示したNFC通信装置1乃至3の他に、NFC通信装置3’が存在する場合の電磁波のレベルを示している。
NFC通信装置3’は、NFC通信装置1と2それぞれに対して、NFC通信装置3よりも遠い位置に位置している。
従って、NFC通信装置1が出力する電磁波の搬送波成分Mcarr1は、NFC通信装置3’の位置において、搬送波出力抑制判断磁束密度TH1より小さいレベルに減衰し、NFC通信装置3’が出力する電磁波の搬送波成分Mcarr3'も、NFC通信装置1の位置において、搬送波出力抑制判断磁束密度TH1より小さいレベルに減衰する。このため、NFC通信装置1と3’は、図24におけるNFC通信装置1と3における場合と同様に、同時に電磁波を出力することができる。
そして、NFC通信装置3’は、NFC通信装置2に対して、NFC通信装置3よりも遠い位置に位置しているので、NFC通信装置2がNFC通信装置3’から受信する搬送波成分Mcarr3'(2)は、NFC通信装置2がNFC通信装置3から受信する搬送波成分Mcarr3(2)よりも小さい。
NFC通信装置2がNFC通信装置1と通信する場合、NFC通信装置3や3’が出力する電磁波は、ノイズに等しく、上述したように、NFC通信装置2がNFC通信装置3’から受信する搬送波成分Mcarr3'(2)は、NFC通信装置2がNFC通信装置3から受信する搬送波成分Mcarr3(2)よりも小さい。
従って、NFC通信装置2がNFC通信装置1と通信するときのSN比については、NFC通信装置3が電波を出力している場合のSN比(≡Msig1(2)/Mcarr3(2))に比較して、NFC通信装置3’が電波を出力している場合のSN比(≡Msig1(2)/Mcarr3'(2))の方が良好となる。
以上から、通信相手でないNFC通信装置3’が、通信を行うNFC通信装置1と2それぞれに対して、NFC通信装置3よりも遠い位置に位置していても、隠れ端末問題を解消することができる。
なお、NFC通信装置3’が、NFC通信装置1に対して、NFC通信装置3よりも近い位置に位置している場合は、NFC通信装置1が出力する電波磁波の搬送波成分Mcarr1は、搬送波出力抑制判断磁束密度TH1以上のレベルで、NFC通信装置3’に到達する。従って、この場合は、NFC通信装置3’は、電磁波の出力を行うことができない(行わない)ので、隠れ端末問題は発生しない。
ここで、上述の場合においては、NFC通信装置1が電磁波を出力して、NFC通信装置2に対してデータを送信し、NFC通信装置2が、そのデータを受信するケースについて説明したが、NFC通信装置2が、NFC通信装置1にデータを送信し、NFC通信装置1が、そのデータを受信するケースであっても、NFC通信装置3が電磁波を出力することにより、NFC通信装置1によるデータの受信が妨げられることを防止すること、つまり、隠れ端末問題を解消することができる。
即ち、NFC通信装置2がパッシブモードのイニシエータである場合、またはアクティブモードで通信を行う場合は、NFC通信装置2は、自身で電磁波を出力してデータを送信する。NFC通信装置3に対して、NFC通信装置1よりも近い位置に位置するNFC通信装置2が電磁波を出力する場合には、その電磁波の搬送波成分は、搬送波出力抑制判断磁束密度TH1より大のレベルで、NFC通信装置3に到達するから、NFC通信装置3は、電磁波の出力をすることができず、隠れ端末問題は発生しない。
一方、NFC通信装置2がパッシブモードのターゲットである場合、NFC通信装置2は、パッシブモードのイニシエータであるNFC通信装置1が出力する電磁波を負荷変調することにより、データを、NFC通信装置1に送信する。従って、その負荷変調によってNFC通信装置1に到達する信号成分が、NFC通信装置3が出力する電磁波の影響を受ける場合には、NFC通信装置1において、NFC通信装置2から送信されてくるデータを受信することができないこととなる。
従って、逆に言えば、NFC通信装置1と3が、NFC通信装置3(1)が出力する電磁波の搬送波成分Mcarr3が搬送波出力抑制判断磁束密度TH1未満となる距離L12+L23だけ離れている場合に、NFC通信装置1において、NFC通信装置3の搬送波成分Mcarr3の影響を受けない、NFC通信装置2の負荷変調による信号成分を受信することができれば、NFC通信装置2から送信されてくるデータを受信することができることになる。
以上から、NFC通信装置2による負荷変調によってNFC通信装置1に到達する信号成分の、NFC通信装置3が出力する電磁波に対するSN比が、十分な大きさとなるように、NFC通信装置2における負荷変調の負荷変調率を設定し、NFC通信装置1と3が、NFC通信装置3(1)が出力する電磁波の搬送波成分Mcarr3が搬送波出力抑制判断磁束密度TH1未満となる距離L12+L23だけ離れている場合に、NFC通信装置1がNFC通信装置2からのデータを、NFC通信装置3からの電磁波に影響されずに正常受信することができる最低限のSN比を確保することができるときの、NFC通信装置2における、NFC通信装置1が出力する電磁波の搬送波成分Mcarr1を、動作限界搬送波磁束密度TH2とすることにより、隠れ端末問題を解消することができる。
次に、図24乃至図26で説明したようにして、隠れ端末問題を解消して、データの送受信を行う場合の、そのデータの送受信の制御処理(送受信制御処理)について説明する。なお、この送受信制御処理は、例えば、図4の制御部21によって行われる。
まず、図27のフローチャートを参照して、NFC通信装置がパッシブモードのイニシエータとなった場合の、そのパッシブモードのイニシエータの送受信制御処理について説明する。
まず最初に、ステップS211において、制御部21(図4)は、検出部23において搬送波出力抑制判断磁束密度TH1以上のレベルの電磁波が検出されたかどうかを判定し、検出されたと判定した場合、ステップS211に戻る。即ち、搬送波出力抑制判断磁束密度TH1以上のレベルの電磁波が検出されている場合には、電磁波を出力することができないので、搬送波出力抑制判断磁束密度TH1以上のレベルの電磁波が検出されたかどうかの判定を続行する。なお、ステップS211の処理が行われる場合、閾値設定部24は、検出部23に供給する閾値を、搬送波出力抑制判断磁束密度TH1に設定して、検出部23に供給する。
そして、ステップS211において、搬送波出力抑制判断磁束密度TH1以上のレベルの電磁波が検出されていないと判定された場合、ステップS212に進み、制御部21は、電磁波出力部18による電磁波の出力と、その電磁波を変調することによるデータの送信を許可し、ステップS213に進む。これにより、電磁波出力部18は、電磁波の出力を開始し、また、変調部19は、電磁波の変調を行うことが可能な状態となる。なお、上述したように、パッシブモードのイニシエータは、ターゲットとの通信が完了するまで、電磁波を出力し続ける。
ステップS213では、制御部21は、自身が出力している電磁波をパッシブモードのターゲットが負荷変調することにより送信されてくるデータの受信と復調を、復調部13に許可し、ステップS214に進む。これにより、復調部13では、パッシブモードのイニシエータが出力している電磁波をパッシブモードのターゲットが負荷変調することにより送信されてくるデータの復調が開始される。
その後、ステップS214に進み、制御部21は、パッシブモードのターゲットとの通信が完全に終了したかどうかを判定し、終了していないと判定した場合、ステップS214に戻る。また、ステップS214において、パッシブモードのターゲットとの通信が完全に終了したと判定された場合、制御部21は、電磁波出力部18による電磁波の出力、その電磁波を変調することによるデータの送信、および負荷変調された電磁波を復調することによるデータの受信を禁止し、処理を終了する。
次に、図28のフローチャートを参照して、NFC通信装置がパッシブモードのターゲットとなった場合の、そのパッシブモードのターゲットの送受信制御処理について説明する。
まず最初に、ステップS221において、制御部21(図4)は、検出部23において動作限界搬送波磁束密度TH2以上のレベルの電磁波が検出されたかどうかを判定する。なお、ステップS221の処理が行われる場合、閾値設定部24は、検出部23に供給する閾値を、動作限界搬送波磁束密度TH2に設定して、検出部23に供給する。
ステップS221において、動作限界搬送波磁束密度TH2以上のレベルの電磁波が検出されたと判定された場合、ステップS222に進み、制御部21は、パッシブモードのイニシエータから送信されてくる電磁波を復調することによるデータの受信と、その電磁波を負荷変調することによるデータの送信を許可し、ステップS224に進む。これにより、負荷変調部20は、電磁波の負荷変調を行うことが可能な状態となり、また、復調部13は、パッシブモードのイニシエータが出力している電磁波の復調を開始する。
一方、ステップS221において、動作限界搬送波磁束密度TH2以上のレベルの電磁波が検出されていないと判定された場合、ステップS223に進み、制御部21は、復調部13により電磁波を復調することによるデータの受信と、負荷変調部20により電磁波を負荷変調することによるデータの送信を禁止し、ステップS224に進む。
ステップS224では、制御部21は、パッシブモードのイニシエータとの通信が完全に終了したかどうかを判定し、終了していないと判定した場合、ステップS221に戻る。また、ステップS224において、パッシブモードのイニシエータとの通信が完全に終了したと判定された場合、制御部21は、復調部13により電磁波を復調することによるデータの受信と、負荷変調部20により電磁波を負荷変調することによるデータの送信を禁止し、処理を終了する。
次に、図29のフローチャートを参照して、NFC通信装置がアクティブモードのイニシエータとなった場合の、そのアクティブモードのイニシエータの送受信制御処理について説明する。
まず最初に、ステップS231において、制御部21(図4)は、検出部23において搬送波出力抑制判断磁束密度TH1以上のレベルの電磁波が検出されたかどうかを判定する。なお、ステップS231の処理が行われる場合、閾値設定部24は、検出部23に供給する閾値を、搬送波出力抑制判断磁束密度TH1に設定して、検出部23に供給する。
ステップS231において、搬送波出力抑制判断磁束密度TH1以上のレベルの電磁波が検出されたと判定された場合、ステップS232に進み、制御部21は、電磁波出力部18による電磁波の出力と、変調部19により電磁波を変調することによるデータの送信を禁止し、ステップS234に進む。即ち、搬送波出力抑制判断磁束密度TH1以上のレベルの電磁波が検出されている場合には、電磁波を出力することができないので、電磁波の出力、ひいては、その電磁波によるデータの送信が禁止される。
また、ステップS231において、搬送波出力抑制判断磁束密度TH1以上のレベルの電磁波が検出されていないと判定された場合、ステップS233に進み、制御部21は、電磁波出力部18による電磁波の出力と、その電磁波を変調することによるデータの送信を許可し、ステップS234に進む。これにより、電磁波出力部18は、電磁波の出力を開始することが、また、変調部19は、電磁波の変調を行うことが、それぞれ可能な状態となる。
ステップS234では、制御部21は、検出部23において動作限界搬送波磁束密度TH2以上のレベルの電磁波が検出されたかどうかを判定する。なお、ステップS234の処理が行われる場合、閾値設定部24は、検出部23に供給する閾値を、動作限界搬送波磁束密度TH2に設定して、検出部23に供給する。
ステップS234において、動作限界搬送波磁束密度TH2以上のレベルの電磁波が検出されたと判定された場合、ステップS235に進み、制御部21は、アクティブモードのターゲットから送信されてくる電磁波を復調することによるデータの受信を許可し、ステップS237に進む。これにより、復調部13は、アクティブモードのターゲットが出力する電磁波の復調が可能な状態となる。
一方、ステップS234において、動作限界搬送波磁束密度TH2以上のレベルの電磁波が検出されていないと判定された場合、ステップS236に進み、制御部21は、復調部13により電磁波を復調することによるデータの受信を禁止し、ステップS237に進む。
ステップS237では、制御部21は、アクティブモードのターゲットとの通信が完全に終了したかどうかを判定し、終了していないと判定した場合、ステップS231に戻る。また、ステップS237において、アクティブモードのターゲットとの通信が完全に終了したと判定された場合、制御部21は、電磁波出力部18による電磁波の出力、復調部13により電磁波を復調することによるデータの受信、および変調部19により電磁波を変調することによるデータの送信を禁止し、処理を終了する。
次に、図30は、NFC通信装置がアクティブモードのターゲットとなった場合の、そのアクティブモードのターゲットの送受信制御処理を説明するフローチャートを示している。なお、アクティブモードのターゲットの送受信制御処理では、ステップS241乃至S247において、図29のステップS231乃至S237における場合とそれぞれ同様の処理が行われるため、その説明は、省略する。
以上のように、NFC通信装置では、搬送波出力抑制判断磁束密度TH1以上のレベルの電磁波が検出されていない場合に、電磁波の出力を開始し、データを正常受信するのに、搬送波出力抑制判断磁束密度TH1より大の動作限界搬送波磁束密度TH2以上のレベルの電磁波を必要とするので、隠れ端末問題を、電磁波の検出だけによって、容易に解消することとができる。
即ち、NFC通信装置では、前述したコマンドRTSとCTSによる隠れ端末問題の解決手法を採用する場合に必要となる制御ロジックやメモリ等を必要としないので、低コストで、隠れ端末問題を解消することができる。
さらに、NFC通信装置では、コマンドRTSやCTSをやりとりする必要がないので、隠れ端末問題を、迅速に解消することができる。
また、NFC通信装置では、データを正常受信するのに、搬送波出力抑制判断磁束密度TH1より大の動作限界搬送波磁束密度TH2以上のレベルの電磁波を必要とするので、通信相手との間でデータを送受信するための距離を、ある一定距離以内に拘束することができる。さらに、アンテナ11をコイルとして、トランス結合による無線通信路を確立し、NFC通信装置どうしの距離が大となることにより電磁波の減衰も大となるようにしたので、データを正常受信するための通信相手との距離の拘束を強固なもの(必ず守らなければならないもの)とすることができる。
また、上述の場合には、検出部23において動作限界搬送波磁束密度TH2以上のレベルの電磁波が検出されていない場合には、復調部13におけるデータの復調を禁止することで、データの受信を行わないようにしたが、その他、NFC通信装置を、従来のICカードなどのように、通信相手からの電力の供給が必要なように構成する場合には、動作限界搬送波磁束密度TH2以上のレベルの電磁波が受信されないと、装置の動作に必要な電力が得られないようにすることで、データの受信に、動作限界搬送波磁束密度TH2以上のレベルの電磁波を必要とするようにすることができる。
さらに、上述の場合には、閾値設定部24において、搬送波出力抑制判断磁束密度TH1または動作限界搬送波磁束密度TH2を閾値として設定し、検出部23において、搬送波出力抑制判断磁束密度TH1と動作限界搬送波磁束密度TH2それぞれ以上のレベルの電磁波の検出を行うようにしたが、図4で説明したように、例えば、検出部23と25を設け、それぞれに、搬送波出力抑制判断磁束密度TH1と動作限界搬送波磁束密度TH2それぞれ以上のレベルの電磁波の検出させるようにすることが可能である。但し、検出部23だけで、搬送波出力抑制判断磁束密度TH1と動作限界搬送波磁束密度TH2以上のレベルの電磁波の検出する方が、検出部23と25の2つを設けるより、コスト的に有利である。
なお、本明細書において、NFC通信装置が行う処理を説明する処理ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。
また、本実施の形態では、本発明を、複数の伝送レートでのデータの送受信が可能なNFC通信装置に適用した場合について説明したが、本発明は、その他、ある単一の伝送レートでのデータの送受信のみが可能な通信装置などにも適用可能である。
本発明を適用した通信システムの一実施の形態の構成例を示す図である。 パッシブモードを説明する図である。 アクティブモードを説明する図である。 NFC通信装置1の構成例を示すブロック図である。 復調部13の構成例を示すブロック図である。 変調部19の構成例を示すブロック図である。 復調部13の他の構成例を示すブロック図である。 復調部13のさらに他の構成例を示すブロック図である。 初期RFCA処理を説明するタイミングチャートである。 アクティブRFCA処理を説明するタイミングチャートである。 SDD処理を説明する図である。 コマンドとレスポンスの一覧を示す図である。 NFC通信装置の処理を説明するフローチャートである。 パッシブモードのイニシエータの処理を示すフローチャートである。 パッシブモードのターゲットの処理を示すフローチャートである。 アクティブモードのイニシエータの処理を示すフローチャートである。 アクティブモードのターゲットの処理を示すフローチャートである。 パッシブモードのイニシエータの通信処理を示すフローチャートである。 パッシブモードのイニシエータの通信処理を示すフローチャートである。 パッシブモードのターゲットの通信処理を示すフローチャートである。 アクティブモードのイニシエータの通信処理を示すフローチャートである。 アクティブモードのイニシエータの通信処理を示すフローチャートである。 アクティブモードのターゲットの通信処理を示すフローチャートである。 隠れ端末問題に対する対処を説明する図である。 隠れ端末問題に対する対処を説明する図である。 隠れ端末問題に対する対処を説明する図である。 パッシブモードのイニシエータの送受信制御処理を示すフローチャートである。 パッシブモードのターゲットの送受信制御処理を示すフローチャートである。 アクティブモードのイニシエータの送受信制御処理を示すフローチャートである。 アクティブモードのターゲットの送受信制御処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1乃至3 NFC通信装置, 11 アンテナ, 12 受信部, 13 復調部, 14 デコード部, 15 データ処理部, 16 エンコード部, 17 選択部, 18 電磁波出力部, 19 変調部, 20 負荷変調部, 21 制御部, 22 電源部, 23 検出部, 24 閾値設定部, 25 検出部, 31 選択部, 321乃至32N 復調部, 33,41 選択部, 421乃至42N 変調部, 43 選択部, 51 可変レート復調部, 52 レート検出部

Claims (4)

  1. 電磁波をデータで変調した第1の電磁波を介して通信を開始する通信装置であるイニシエータと、前記イニシエータに応答する通信装置であるターゲットとの間で行われる近接通信方法において、
    前記イニシエータにおいて、
    他の装置から出力されている電磁波によるRF(Radio Frequency)フィールドが存在するかどうかの検出を、所定の第1の閾値以上のレベルの電磁波が検出されたかどうかによって行い、前記第1の閾値以上のレベルの電磁波がTIDT+n×TRFW時間(TIDTは初期遅延時間と呼ばれる所定の時間、nは乱数、TRFWは所定数倍される単位時間であるRF待ち時間と呼ばれる所定の時間)連続して検出されなかったとき、電磁波の出力を開始する工程と、
    前記イニシエータと前記ターゲットのそれぞれが電磁波を出力して変調することによりデータを送信するアクティブモード、および、前記イニシエータが電磁波を出力して変調することによりデータを送信し、前記ターゲットが前記イニシエータからの電磁波を負荷変調することによりデータを送信するパッシブモードの2つの通信モードのうちのいずれかに設定された通信モードで、コマンドを送信する工程と
    を含み、
    前記アクティブモードの通信を開始した場合、
    前記ターゲットにおいて、
    前記第1の閾値より大の所定の第2の閾値以上のレベルの前記第1の電磁波を検出して前記コマンドを受信する工程と、
    他の装置から出力されている電磁波によるRFフィールドが存在するかどうかの検出を、前記第1の閾値以上のレベルの電磁波が検出されたかどうかによって行い、前記第1の閾値以上のレベルの電磁波がTADT+n’×TRFW時間(TADTはアクティブディレイタイムと呼ばれる所定の時間であって、前記初期遅延時間TIDTより短い時間、n’は乱数)連続して検出されなかったとき、電磁波の出力を開始し、出力が開始された電磁波をデータで変調した第2の電磁波を介して、前記コマンドに対するレスポンスを送信する工程と
    をさらに含み、
    前記パッシブモードの通信を開始した場合、
    前記ターゲットにおいて、
    前記第2の閾値以上のレベルの前記第1の電磁波を検出して前記コマンドを受信する工程と、
    前記イニシエータから出力された電磁波を負荷変調することにより、前記コマンドに対するレスポンスを送信する工程と
    をさらに含む
    ことを特徴とする近接通信方法。
  2. 前記第2の電磁波を介して前記レスポンスを送信する工程において、前記ターゲットは、電磁波の出力を開始してからアクティブガードタイムTARFGと呼ばれる所定の時間が経過した後に、前記第2の電磁波を介して、前記レスポンスを送信する
    ことを特徴とする請求項1に記載の近接通信方法。
  3. 受信したコマンドに対するレスポンスを送信する通信装置であるターゲットが、電磁波をデータで変調した第1の電磁波を介して通信を開始する通信装置であるイニシエータと行う近接通信の近接通信方法において、
    前記イニシエータが、TIDT+n×TRFW時間(TIDTは初期遅延時間と呼ばれる所定の時間、nは乱数、TRFWは所定数倍される単位時間であるRF待ち時間と呼ばれる所定の時間)連続して、所定の第1の閾値以上のレベルの電磁波を検出しなかったときに、前記イニシエータと前記ターゲットのそれぞれが電磁波を出力して変調することによりデータを送信するアクティブモード、および、前記イニシエータが電磁波を出力して変調することによりデータを送信し、前記ターゲットが前記イニシエータからの電磁波を負荷変調することによりデータを送信するパッシブモードの2つの通信モードのうちのいずれかに設定された通信モードで送信する前記コマンドを受信する工程
    を含み、
    前記イニシエータが、アクティブモードの通信を開始した場合、
    前記コマンドを受信する工程において、前記第1の閾値より大の所定の第2の閾値以上のレベルの前記第1の電磁波を検出して前記コマンドを受信し、
    他の装置から出力されている電磁波によるRFフィールドが存在するかどうかの検出を、前記第1の閾値以上のレベルの電磁波が検出されたかどうかによって行い、前記第1の閾値以上のレベルの電磁波がTADT+n’×TRFW時間(TADTはアクティブディレイタイムと呼ばれる所定の時間であって、前記初期遅延時間TIDTより短い時間、n’は乱数)連続して検出されなかったとき、電磁波の出力を開始し、出力が開始された電磁波をデータで変調した第2の電磁波を介して、前記コマンドに対するレスポンスを送信する工程と、
    前記レスポンスを送信した後、電磁波の出力を停止して前記イニシエータから送信されるコマンドを待つ工程と
    をさらに含み、
    前記イニシエータが、パッシブモードの通信を開始した場合、
    前記コマンドを受信する工程において、前記第2の閾値以上のレベルの前記第1の電磁波を検出して前記コマンドを受信し、
    前記イニシエータから出力された電磁波を負荷変調することにより、前記コマンドに対するレスポンスを送信する工程さらに含む
    ことを特徴とする近接通信方法。
  4. 単一の周波数の搬送波を使用して、他の通信装置と近接無線通信を行う通信装置において、
    電磁波を出力する電磁波出力部と、
    前記電磁波出力部が出力する電磁波、または、前記他の通信装置から出力された電磁波を変調することによりデータを送信する変調手段と、
    他の装置から出力されている電磁波を検出する検出手段と
    を備え、
    前記通信装置と前記他の通信装置のそれぞれが電磁波を出力して変調することによりデータを送信するアクティブモード、および、前記通信装置と前記他の通信装置のうちの一方が電磁波を出力して変調することによりデータを送信するとともに、他方が一方からの電磁波を負荷変調することによりデータを送信するパッシブモードの2つの通信モードのうちのいずれかに設定された通信モードで、前記他の通信装置との通信を開始する場合、
    前記検出手段は、所定の第1の閾値以上のレベルの電磁波の検出を行い、
    前記電磁波出力部は、前記第1の閾値以上のレベルの電磁波がTIDT+n×TRFW時間(TIDTは初期遅延時間と呼ばれる所定の時間、nは乱数、TRFWは所定数倍される単位時間であるRF待ち時間と呼ばれる所定の時間)連続して検出されなかったとき、電磁波の出力を開始し、
    前記変調手段は、前記電磁波出力部が出力する電磁波を変調することにより、前記アクティブモードでは、前記他の通信装置がデータを送受信することができる伝送レートを含む通信に関する通信パラメータを要求するコマンドを送信し、前記パッシブモードでは、前記通信装置とデータのやりとりをする前記他の通信装置を特定するためのIDを要求するコマンドを送信し、
    前記他の通信装置が前記アクティブモードの通信を開始して送信するコマンドを受信して応答する場合、
    前記検出手段は、前記第1の閾値より大の、前記通信装置がコマンドを受信するために必要とされる所定の第2の閾値以上のレベルの電磁波の検出を行い、
    前記電磁波出力部は、前記第1の閾値以上のレベルの電磁波がTADT+n’×TRFW時間(TADTはアクティブディレイタイムと呼ばれる所定の時間であって、前記初期遅延時間TIDTより短い時間、n’は乱数)連続して検出されなかったとき、電磁波の出力を開始し、
    前記変調手段は、前記電磁波出力部が出力する電磁波を変調することにより、前記コマンドに対するレスポンスを送信し、
    前記他の通信装置が前記パッシブモードの通信を開始して送信するコマンドを受信して応答する場合、
    前記変調手段は、前記他の通信装置から出力された電磁波を負荷変調することにより、前記コマンドに対するレスポンスを送信する
    ことを特徴とする通信装置。
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