JP3695129B2 - コンバイン等の油圧駆動回路 - Google Patents

コンバイン等の油圧駆動回路 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンバイン等の油圧駆動回路に関し、機体幅に対して刈取幅が狭いため刈取装置を横移動させる小型のコンバイン等において、優先分流弁を配置した油圧駆動回路に係わる技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】
刈取幅が狭い2条刈等の小型のコンバイン等においては、機体又は走行クローラの横幅に対し刈取装置の分草体,引起部,刈刃部,掻込搬送部等による前処理部を左右側へ横移動させ、刈取幅を補うことにより未刈稈の踏み倒しを防止するようにしているものがあるが、これらの小型のコンバイン等における油圧駆動回路は、従来では、油圧ポンプからの圧油を並列に配置した各切替弁を介して各々伸縮シリンダに送って作動させ、刈取装置の昇降作用や横移動作用及び機体の操向旋回作用等を行わせるようにしているものが一般的である。
【0003】
しかし、このような油圧駆動回路では、機体の操向旋回作用を行っているときに同時に作業上必要となる刈取装置の昇降作用を行わせようとする際に、操向旋回側に圧油の主流が消費されるため圧油量が不足して充分な昇降作用を行うことができないことになり、作業遂行上で非常に不便なものであった。
そこでこの発明は、刈取装置を横移動させる小型のコンバイン等において、油圧駆動回路に設けた優先分流弁による制御流で刈取装置の横移動作用を、余剰流で刈取装置の昇降作用を、両者の合流で機体の操向旋回作用を行わせる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、機体1に対して刈取装置2を油圧駆動により左右側へ横移動させるコンバイン等において、油圧駆動用の圧油を優先分流弁3によって制御流aと余剰流bとに分流させ、この分流による制御流aでは刈取装置2の横移動作用を余剰流bでは昇降作用を行わせると共に、この両作用時以外では制御流aと余剰流bとを合流させて機体1の左右方向への操向旋回作用を行わせることを特徴とする油圧駆動回路の構成とする。
【0005】
【作用】
上記の構成により、分草体,引起部,刈刃部,掻込搬送部等によって形成される刈取装置2の前処理部を、刈取幅が狭いために未刈稈を走行クローラによって踏み倒さないよう機体1又は走行クローラの横幅に対し左右側へ横移動させる小型コンバイン等の油圧駆動回路において、油圧ポンプから送油される圧油を優先分流弁3により分流した制御流a側では、横移動シリンダ等の作動により刈取装置2の前処理部を左又は右側へ横移動させると共に、余剰流b側では、昇降シリンダ等の作動により刈取装置2を上昇又は下降させ、この横移動及び昇降作用時以外では制御流aと余剰流bとを合流し、左右の操向シリンダ等の作動により機体1を左又は右側へ操向旋回を行わせるが、このような操向旋回と同時に刈取装置2を昇降させる必要が生じたときは、操向旋回と横移動とを切り替え作用させる制御流aとは別回路の余剰流bによって刈取装置2の昇降を主体的に作用させることにより、圧油量の不足もなく充分な昇降作用を行うことができる。
【0006】
【発明の効果】
上記作用の如く、刈取装置2の前処理部を左右側へ横移動させる小型のコンバイン等の油圧駆動回路において、圧油を優先分流弁3により分流した制御流a側では刈取装置2前処理部の横移動作用を、余剰流b側では刈取装置2の昇降作用を行わせ、この両作用時以外では制御流aと余剰流bを合流させ機体1の左右方向への操向旋回作用を行わせることにより、制御流aとは別回路の余剰流bによって刈取装置2の昇降を主体的に作用させ、この作用以外のときのみ操向旋回を補助的に作用させるようにできるから、従来の如く、これらの作用を各々並列接続回路で構成しているときのように、操向旋回作用と同時に刈取装置2の昇降作用を行わせる際に操向旋回側に圧油が消費されるため昇降作用側が不足するということがなく、操向旋回作用と同時に昇降作用を行わせても圧油量の不足もなく充分な昇降作用を行うことができ、円滑な作業の遂行を図ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図10,図11は小型コンバインの全体構成を示すもので、車台4の下部側に土壌面を走行する左右一対の走行クロ−ラ5を張設した走行装置6を配設すると共に、該車台4上にフィ−ドチェン7により挟持搬送して供給される穀稈を脱穀し、この脱穀された穀粒を選別回収して一時貯留するグレンタンク8と、この貯留した穀粒を機外へ排出する排穀オーガ9とを備えた脱穀装置10を載置構成させる。
【0008】
該脱穀装置10の前方側に植立穀稈を刈り取ると共に、この刈り取った穀稈を後方側へ搬送しながら横倒れ姿勢に変更して該フィ−ドチェン7へ受渡しする刈取装置2を、土壌面に対し昇降自在に作用するよう該車台4の前端部へ装架して設け、この刈取装置2の一側にコンバインの操作制御を行う操作装置11と、操作のための操作席12とを設けると共に、これらの走行装置6,脱穀装置10,刈取装置2,操作装置11等によってコンバインの機体1を構成させる。
【0009】
図2,図3,図4は刈取装置2の全体構成を示すもので、該車台4の前端部に設けた走行用ミッションケ−ス13の上端部に刈取架台14を固設すると共に、この刈取架台14の左右の側板に刈取伝動ケース15を横方向で回動可能に支承し、この伝動ケース15に刈取装置2を駆動する刈取駆動軸16を軸承すると共に、該伝動ケース15から刈取後フレーム17を下方に延長しその下端部に適宜の横幅を有する横移動シリンダ18を接合した構成とする。
【0010】
該横移動シリンダ18は、図5に示す如く、油圧駆動による複動式の横移動ピストンを形成するパイプ状の横移動フレーム19を、刈取装置2の全幅に亘り左右側に横移動可能に配置すると共に、この横移動フレーム19の全幅に亘って貫通内装した下部駆動軸20を軸承して構成させる。
該刈取装置2の前端部に植立穀稈を分草する左右及び中央の分草体21を各々配置し、この分草体21を支持する各分草パイプ22の後端部を、該横移動フレーム19と略同一の横幅を有する角パイプ状の支持フレーム23に接合すると共に、該分草体21の後側から植立穀稈を引き起こす左右の穀稈引起ケース24,25を上方へ向け後傾させて配置し、該支持フレーム23の前面側に略同一幅で穀稈を刈り取る刈刃部26を左右の分草パイプ22に取り付け、この刈刃部26の上方に刈り取られた穀稈を掻き込む左右の掻込搬送部27,28等を配設して前処理部29を構成させる。
【0011】
前記刈取伝動ケース15に軸承した刈取駆動軸16からべベルギヤを介して、自在継手を有し伸縮可能の上部駆動軸30を前方に向け延設し、この上部駆動軸30を該右側の穀稈引起ケース25を駆動可能に、その上部側に設けた右上部ギヤケース31にべベルギヤを介して連動連結すると共に、この上部駆動軸30の防護と同時に該前処理部29の上下回動を規制保持する連結フレーム32を、刈取伝動ケース15側の係止部を中心として、右上部ギヤケース31側を前処理部29の横移動に応じて左右側へ回動可能に連結して構成させる。
【0012】
該右上部ギヤケース31と、前処理部29の全幅に亘って延長した前記横移動フレーム19の右端部に接合した右下部ギヤケース33とを、右縦パイプ34によって接合すると共に、この右縦パイプ34に、該上部駆動軸30から各々べベルギヤを介して前記下部駆動軸20に連動連結する右縦駆動軸35を内装して構成させる。
【0013】
該横移動フレーム19の左端部に接合した左下部ギヤケース36と、該左側の穀稈引起ケース24の上部側に接合した左上部ギヤケース37とを、中間部をく字状に折曲させた接続ギヤケース38を介して左縦パイプ39を上・下に分割して接合すると共に、この左縦パイプ39に、該下部駆動軸20から接続ギヤケース38を介して、左側の穀稈引起ケース24を駆動可能に各々べベルギヤを介して連動連結する上・下分割の左縦駆動軸40を内装して構成させる。
【0014】
該横移動フレーム19の右下部ギヤケース33及び左下部ギヤケース36の外側面部と、前記支持フレーム23の両端部とを左右の連結板41によって各々連結接合し、前記刈刃部26を、右下部ギヤケース33の一側に内装したべベルギヤによる刈刃駆動部と、支持フレーム23の左端側に軸承した刈刃駆動アーム42の一端部とをロットにより連動連結して構成させる。
【0015】
該刈刃部26の上方近傍に刈り取った穀稈を掻込み搬送する先端側を逆八字状に開いた前記左右の掻込搬送部27,28を配設し、この左掻込搬送部27は該下部側の左縦駆動軸40の途中から、上側の左掻込ラグベルト27aと下側の左掻込ホイル27bとを連動連結すると共に、この左掻込ホイル27bから右掻込ホイル28bを駆動させて、この右掻込ホイル28bと右掻込ラグベルト28aによる右掻込搬送部28を伝動可能に構成させる。
【0016】
該左右の掻込搬送部27,28によって掻き込まれた穀稈は穀稈搬送部43に引き継がれて搬送され後方の前記フィードチェン7へ受け渡しされるが、この穀稈搬送部43は、穀稈の穂先側を穂先送りラグ44aに保持して搬送する穂先送り部44と、株元側を株元送りチェン45aに挟持して搬送する株元送り部45とを各々上下位置に連結部材により連結固定して構成させる。
【0017】
該上下位置の穀稈搬送部43の両搬送終端部43a近傍を貫通して、各々穂先送り部44と株元送り部45とを駆動する縦方向の搬送支軸46を、前記刈取伝動ケース15に刈取架台14を挟んで連動連結する搬送駆動ケース47から、べベルギヤを介して上方に突設させると共に、この搬送支軸46回りに穀稈搬送部43を左右側に回動可能に構成させる。
【0018】
該穂先送り部44に対し株元送り部45の後端部を、搬送穀稈を左右側に傾斜させるためにチェンローラ48を外側へ張り出して株元送りチェン45aにより三角形状に配置し、このチェンローラ48を、該フィードチェン7の始端部近傍で穀稈の受け渡しが最適となる位置に、別の取付板49により該搬送駆動ケース47に固定して構成させる。
【0019】
該穀稈搬送部43を搬送駆動ケース47により上下回動させて、前記フィードチェン7に受渡しする穀稈の扱深さを調節可能とすると共に、前記刈取後フレ−ム17の下部側と車台4の前端側との間に、油圧等の伸縮作用により刈取装置2を前記刈取伝動ケース15を支点とし上下回動により昇降させる昇降シリンダ50を連結して構成させる。
【0020】
前記左又は中央の分草体21の後部側に、未刈稈への接当によって機体1の進行方向を検出する前後回動自在の検出杆51aを各々左右側へ突出させた方向センサ51を配設し、この方向センサ51の検出杆51aにより未刈稈を検出したときは、図9に示す如く、前記走行ミッションケース13に内装された左右の操向クラッチ63の入・切と、この操向クラッチ63に連動させた操向ブレーキ64の制動とを、操向シフタ76により作用させる左右の操向シリンダ52L,52Rを配設して構成させる。
【0021】
分草体21を土壌面に近接させ、走行装置6によって機体1を前進させて刈取装置2により植立穀稈の刈り取りを行うが、この刈り取りは上部駆動軸30から各部への動力の伝達により分草体21によって植立穀稈の分草を行い、この分草された穀稈を左右の穀稈引起ケ−ス24,25により引起し、この引起された穀稈を刈刃部26によって刈取ると同時に、左右の掻込搬送部27,28によって掻込み、この掻込んだ穀稈を穀稈搬送部43により後方へ搬送すると共に、供給深さを調節制御してフィ−ドチェン7へ受け渡し、脱穀装置10により脱穀を行わせる。
【0022】
このようなコンバインの作業時に、刈取装置2を昇降シリンダ50の作動により上昇又は下降させる昇降作用と、刈取幅が狭く走行クローラ5による未刈稈の踏み倒しを避けるために刈取装置2の前処理部29を横移動シリンダ18により左又は右側への横移動作用と、機体1を左右の走行シリンダ52L,52Rの作動により左又は右方向への操向旋回作用とを各々油圧駆動回路により作動させるよう構成させる。
【0023】
該油圧駆動回路は、図1に示す如く、油タンク53aから油圧ポンプ53により供給される圧油を、3ポート2位置切替による優先分流弁3(フロープライオリティ)により、制御流aと別回路の余剰流bとに分流し、制御流a側では4ポート3位置を電磁切替する横移動切替弁54と、パイロットチェック弁55を介して前記横移動シリンダ18を作動させて刈取装置2の前処理部29を左又は右側に横移動可能に接続し、この切替弁54の作業時以外はチェック弁56を介して4ポート3位置を電磁切替する操向切替弁57を介して、前記左右の操向シリンダ52L,52Rを作動させて機体1を左又は右方向に操向旋回可能に接続すると共に、この操向シリンダ52の回路にパワステレバー58の左右傾動により圧油量を調節するパワステリリーフ弁59を接続して構成させる。
【0024】
一方、余剰流b側では、4ポート3位置をパワステレバー58の上下傾動により切り替えする昇降切替弁60を介して前記昇降シリンダ50を作動させ刈取装置2を上昇又は下降可能に接続し、この切替弁60の作用時以外はチェック弁61を介して操向シリンダ52の回路に合流させるように接続して構成させる。
このような油圧作用により、機体1の操向旋回と同時に刈取装置2を昇降させる必要が生じたときは、該油圧駆動回路における優先分流弁3により分流された余剰流bによって昇降作用を行わせることにより、制御流aによって作用される操向旋回とは別回路のため、従来の如く、操向旋回と昇降とを並列接続回路で作用させるときのように圧油量が不足することがなく、充分な昇降作用により円滑に作業を行うことができる。
【0025】
図6に示す如く、該パワステレバー58とパワステリリーフ弁59との連結部近傍の左右側位置に、該レバー58の左右傾動によりON・OFFする左右のリミットスイッチ62a,62bを各々設け、このリミットスイッチ62により同時に前記操向切替弁57と横移動切替弁54とを作用させるべく、左右のリミットスイッチ62a,62bと操向切替弁57のソレノイドu,v及び横移動切替弁54のソレノイドs,tとを並列接続して構成させる。(図1参照)
機体1の直進走行を行うために左右操向作用により、例えば左方向に舵取操向するときは、該パワステレバー58を左に傾動させると左のリミットスイッチ62aがONし、このONにより操向切替弁57のソレノイドu側と横移動切替弁54のソレノイドs側とが同時に電圧が印加されて切り替わり、左の操向シリンダ52Lの作動により機体1が左方向に曲がると同時に、横移動シリンダ18が作動して刈取装置2の前処理部29が左方向に移動することによって、相対的に機体1の操向量を少なくすることができ、方向制御時の応答性を向上することができる。
【0026】
なお、小型のコンバインでは前記操向ブレーキ64の構成を簡素化してコストを下げるべく操向クラッチ63と連動させているため、操向旋回時に支障をきたさないようパワステリリーフ弁59の初期圧を高くしている関係から、操向ブレーキ64の制動力が強過ぎて機体1の操向量が大きくなり方向制御時の応答性が低下するが、このとき操向シリンダ50と同時に横移動シリンダ18を作動させることにより、操向ブレーキ64の制動力を抑え操向量を少なくして応答性を向上させることができる。
【0027】
また、前記の如くパワステレバー58に設けたリミットスイッチ62のONにより操向シリンダ52と横移動シリンダ18とを同時に作動させることにより、機体1の左右操向時に刈取装置2前処理部29の横移動をプラスして方向制御時の操向作用の向上を図ったものにおいて、これらの作用を作用時と非作用時とに切り替える切替手段としてのモード切替スイッチ65をパワステレバー58の上端部に設け、このモード切替スイッチ65をONしたときのみ作用を行わせることによって、刈取作業時以外の方向制御時に横移動がプラスされるというような不具合を防止することができる。なお、該方向センサ51の検出信号によってのみ左右操向と同時に横移動がプラスされるようにしてもよい。
【0028】
また、図7に示す如く、前記図1に示す油圧駆動回路において、昇降切替弁60とチェック弁61との間に3ポート2位置をパイロット圧によって切り替える側路切替弁66を接続すると共に、パイロット圧をチェック弁56,61による制御流aと余剰流bとの合流位置から加圧可能なるよう接続して構成させる。
このような油圧駆動回路において、前記パワステレバー58の左右傾動操作により通常状態での操向旋回作用を行わせるとき、操向応答性が良好となるよう操向シリンダ52へ制御流aと余剰流bとを合流させた全流量としての10リットル程度が供給されるが、このうち制御流aは3リットル程度の定流量であり、余剰流bは油圧ポンプ53の回転数により1〜7リットル程度の変流量となっている。そこでこの変流量の余剰流bを、パワステリリーフ弁59のリリーフ圧に対し適宜圧低く設定したパイロット圧によって側路切替弁66を切替え圧油を逃がすことにより、操向旋回時に過不足のない効率的な余剰流b量に調節し制御流aに合流させて操向応答性の低下を防止すると共に、無駄なパワーロスを大幅に改善することができる。
【0029】
また、前記の如く刈取装置2の前処理部29を横移動切替弁54による横移動シリンダ18の作動によって横移動可能とするものにおいて、図8に示す如く、該方向センサ51により、例えば、左側の検出杆51aが未刈稈を検出したときは、この検出信号により横移動切替弁54がソレノイドtへの電圧印加により切替られて横移動シリンダ18を右側へ移動させ、刈取装置2の前処理部29が未刈稈条間の最適位置となるよう横移動制御を行う構成とする。
【0030】
このような横移動制御を行うことにより、従来の如く、該方向センサ51からの検出信号を前記操向切替弁57に送って、操向シリンダ52を作動させ操向シフタ76により操向クラッチ63を切って左右操向による舵取りを行うもののように、方向センサ51の検出信号から実際の左右操向までに時間を要し、最悪の場合では条外れ等の不具合が発生するというようなことがなく、不慣れな作業者でも刈り始めの条合わせが容易となり楽に刈取作業を行うことができる。なお、これらの横移動切替弁54による横移動仕様は、大型のコンバイン等においても利用が可能である。
【0031】
また、図12に示す如く、上記とは別の油圧駆動回路として、油圧ポンプからの送油を3ポート2位置を電磁切替する左右の操向切替弁67L,67Rを配置し、この左右の操向切替弁67L,67Rから左右の操向シリンダ68L,68Rを介して4ポート2位置を電磁切替する左右の作用切替弁69L,69Rに接続して、左右の操向ブレーキとスピン旋回又はマイルド旋回用の旋回クラッチとを切り替え作用可能に配置すると共に、左右の操向シリンダ68L,68Rと左右の作用切替弁69L,69Rとの中間位置から左右のチェック弁73L,73Rを介して電磁比例リリーフ弁74へ接続し、このリリーフ弁74から油タンク75へ返油するよう構成させる。
【0032】
機体1前部に、直進時の横刈り(片側)方向制御における左右方向への曲がり変位量を検出する加速度センサ等による変位量検出手段(図示なし)を設けると共に、パワステレバー等による左右傾動角を検出するポテンショメータ等による傾角検出手段(図示なし)を設けて構成させる。
このような構成により、図13に示す如く、出荷時の検査等において、直進時に左右各別に一定量曲がるための圧力傾角曲線を、例えば、左傾動角ではLa,Lb,Lcと右傾動角ではRa,Rb,Rcの3種類を設定し、この3種類の設定値から出荷時曲線を中間のLb,Rbを選択決定すると共に、出荷後は修正モードにより曲がり量をチェックして圧力曲線を修正決定することにより、ブレーキの制動性能を左右各別に圧力曲線を選択した調整と、ブレーキの性能変化による曲がり量の変化の調整とを行いうると共に、修正モードにより圃場条件に合致した圧力設定を行うことができるから、従来の如く、予め設定した初期圧による可変リリーフ弁をパワステレバー等の左右傾動によって、リリーフ弁に内装したスプリングの張力により圧力を変化させているもののように、ブレーキの性能や部品の摩耗等により左右の制動力にばらつきが生じる等の不具合を防止できると共に、方向制御時の性能向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】油圧駆動回路における制御流と余剰流との分流状態を示すブロック図。
【図2】左右側に横移動する刈取装置前処理部と穀稈搬送部の全体構成を示す側面図。
【図3】左右側に横移動する刈取装置前処理部と穀稈搬送部の全体構成を示す平面図。
【図4】左右側に横移動する刈取装置前処理部の全体構成を示す斜視図。
【図5】刈取装置の前処理部を横移動させる油圧シリンダの詳細を示す正断面図。
【図6】パワステレバーの左右傾動により作用するリミットスイッチを示す正面図。
【図7】図1の油圧駆動回路の余剰流側での側路切替弁の接続状態を示すブロック図。
【図8】方向センサの検出により刈取装置前処理部を横移動させる状態を示す接続図。
【図9】走行用ミッションケースの操向クラッチ及び操向ブレーキ関係を示す正面図。
【図10】コンバインの全体構成を示す側面図。
【図11】コンバインの全体構成を示す正面図。
【図12】別実施例における油圧駆動回路を示すブロック図。
【図13】片側方向制御における曲がり量を設定する3種類の圧力曲線を示す線図。
【符号の説明】
1. 機体
2. 刈取装置
3. 優先分流弁
a. 制御流
b. 余剰流

Claims (1)

  1. 機体1に対して刈取装置2を油圧駆動により左右側へ横移動させるコンバイン等において、油圧駆動用の圧油を優先分流弁3によって制御流aと余剰流bとに分流させ、この分流による制御流aでは刈取装置2の横移動作用を余剰流bでは昇降作用を行わせると共に、この両作用時以外では制御流aと余剰流bとを合流させて機体1の左右方向への操向旋回作用を行わせることを特徴とする油圧駆動回路。
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