JP3694291B2 - 血糖値の無侵襲測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、分光学的な手法を用いて血糖値を無侵襲状態で測定する血糖値の無侵襲測定装置に関し、より詳しくは、光の波長変調と強度変調とを組み合わせて糖尿病の疑いのある患者の血流もしくは生体組織におけるグルコースを無侵襲で測定するための血糖値の無侵襲測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
分光学的な手法を用いて、生体内または生体外におけるグルコース濃度を測定するための方法や装置としては、従来より、種々のものが提案されている。
【0003】
たとえば、特許文献1には、CO2レーザ光を照射光源として用い、体液におけるグルコースの赤外線吸収を測定する方法とその装置が開示されており、これによれば、異なった波長λ1とλ2のもとで、透過と反射、すなわち、後方散乱効果による漿液ないし尿の吸収スペクトルを測定している。この際、波長λ2は、測定すべき物質(たとえばグルコース)の特有な吸収波長とし、また、波長λ1は、測定すべき物質の濃度とはおよそ無関係に吸収される波長としている。この波長λ1とλ2とにおける吸収値の比を求めることにより、測定データが得られるのであるが、測定すべき物質の吸収帯域は、波長λ1では940ないし950cm−1(10.64ないし10.54μm)、波長λ2では1090ないし1095cm−1(9.17ないし9.13μm)である。
【0004】
また、特許文献2には、サンプルにおける生物学的物質、あるいは、減衰全反射(ATR)プリズムを用いて皮膚を介して生物学的物質を検出する無侵襲的検査方法が開示されている。この方法では、分析すべきサンプル(たとえば口唇か、または舌)にウエーブガイド(ATRプリズム)を直接あてがい、赤外線を導光している。ウエーブガイドの屈折率はサンプルの媒体(光学的な表面薄層)の屈折率よりも大きく、赤外線は全反射路に沿ってその中を通過し、それにより赤外線が上記表面薄層と相互作用するようになっているが、この相互作用は、反射部位における漏れ減衰光成分が関与している(非特許文献1参照)グルコースが吸収しやすい所定の赤外線波長を使うと、ATRプリズム中を伝播する光線が、光学的表面薄層におけるグルコース濃度に応じて減衰することから、この減衰量を確認するとともに、これを以てグルコース検出データに処理している。
【0005】
特許文献3に開示されているものも、無侵襲式検出装置であって、患者の眼中におけるグルコースを検出するようになっている。詳述すれば、この特許文献3に開示されている装置は、角膜の一方側から赤外線を照射する光源と、反対側で透過光量を検出する検出子とを含む、コンタクトレンズ形のセンサ装置で構成されている。そこで、測定部位に赤外線を照射すると、照射赤外線は角膜と眼房水とを透過して検出子に達する。検出子は透過光量を電気信号に変換した後、遠隔受信機に供給するが、受信機の次段の読取り装置が、患者の眼球におけるグルコースの濃度を、照射赤外線が眼球を通過した時の特定の変化の関数として出力する。
【0006】
特許文献4には、血流に近い患者の部分における物質、すなわち、CO2、酸素、ないしグルコースを調べる検出装置が開示されている。この検出装置は、患者の体中、すなわち皮下組織から後方散乱ないし反射してきた減衰光を検出する受光手段とで構成されていることを特徴とするもので、照射光として、紫外線または赤外線を用いている。
【0007】
一方、以上に述べた検出手法と類似する手法を用いて、血液の流れや、酸化ヘモグロビン、あるいは還元オキシヘモグロビンなどの生体活性パラメータや成分を測定、もしくはモニタするものとしては、以下のようなものがある。
【0008】
すなわち、特許文献5には、血液および生体組織における酸素やその他の物質を測定する方法と装置が開示されている。この特許文献5にかかる装置は、照射光源と患者の体に配置する検出器とからなり、検出器を患者の耳に配置した場合には、耳を透過する光の強度を、また、前額部にあてがった場合では、血液と皮下組織を通過した後にそこから反射してくる光の強度を測定している。照射光としては可視光線の赤色部の波長から近赤外線の波長の範囲にあるもの、すなわち、660nm,715nm,805nmのものが使われている。この方法において同時に用いる波長の数は、検査部位に存在する各物質(求める物質も含めて)に対して、それぞれ特有な少なくとも1つの波長の合計に1を加えた数に等しい。種々の波長における吸収作用から検出して得た信号を適当に電子回路で処理することにより、測定すべき物質の濃度にかかわる定量データが、検出器の変動、照射強度や方向、角度などのズレ、検査部位における血液流量の変動などの測定条件の変動に影響されることなく得られるようになっている。
【0009】
また、特許文献6には、たとえばヘモグロビンやサイトクロームの酸化還元作用の変化もしくは、脳、心臓、腎臓などの器官における血液流量の変動など、生体器官の代謝機能を生体内で、しかも、非破壊状態で測定し、かつ、モニタする分光光度装置が開示されている。この分光光度装置を用いて測定するに当たっては、700ないし1300nmの波長範囲にある照射光を用いているが、これは、皮下数ミリの深さまで照射光が生体組織に浸透するのに有効なものである。
【0010】
よって、この特許文献6の第14図には、反射率測定を行う装置であって、生体に対してあてがったウエーブガイド(光ファイバー束)に光を導光する光源で構成されたものが図示されている。ウエーブガイドを生体に対してあてがうに当たっては皮膚表面に対して斜め方向から照射光が照射されるとともに、方向性のある照射光が皮膚を介して体内に浸透し、その後、光源よりいくらか距離のある分析すべき組織から反射もしくは後方散乱されるようにする。その時、一部のエネルギは吸収されて、皮膚上におかれているとともに、光源とは離されている第1検出器に入射する。また、光源と同時に第2検出器が設けられており、この第2検出器は後方照射基準信号を検出するようになっていて、第1検出器からの分析信号と第2検出器からの基準信号とは演算回路に出力され、この演算回路の出力をもって求めている分析情報に関するデータを得るようになっている。
【0011】
【特許文献1】
国際公開第81/00622号パンフレット
【特許文献2】
スイス国特許第CH−612271号明細書
【特許文献3】
米国特許第3958560号明細書
【特許文献4】
英国特許第2035575号明細書
【特許文献5】
米国特許第3638640号明細書
【特許文献6】
英国特許第2075668号明細書
【非特許文献1】
「ホルモン・アンド・メタボリック・リサーチズ(Hormone & Metabolic Res.)」の補追版Ser(1979)30ないし35頁
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、以上のような近赤外分光法を用いたグルコース濃度等の測定において、近赤外分光器により得られるスペクトルデータの質は、近赤外分光器を構成するハードウエアの性能によってほぼ決まってしまう。現在、最高の性能を有する近赤外分光器の信号対雑音S/N比は、105ないし106の程度である。これに対し、単純にスペクトルの絶対強度そのものを測定する従来の手法では、たとえば血液中の生理学的なグルコース濃度である100mg/dLを分光学的に実用精度で測定するためには、スペクトル信号のS/N比は105ないし106の程度必要であり、分光器で測定できる限界に近い。
【0013】
このため、分光学的な手法を用いた糖度やグルコース等の濃度測定法は、一般に、試薬を用いてこれらのものの濃度を分析する化学分析法と比較すると、測定感度、精度、確度並びに安定性が劣るばかりでなく、高いS/N比を有する性能の高い近赤外分光器は構成が複雑で高価であるといった問題があった。
【0014】
ところで、従来の近赤外分光法のように、単純にスペクトルの絶対強度そのものを測定するのではなく、もし、生理学的なグルコース濃度である100mg/dLからのグルコース濃度の変化量を測定する参照法が可能で、その変化量を2ないし3桁の精度で測定できれば、たとえば糖尿病の疑いのある患者の血糖値が標準値からどれだけ変化しているかを知ることができ、患者の血糖値の管理等に有利に適用することができることになる。
【0015】
本発明の目的は、波長変調手段と強度変調手段を備えた簡単な構成により、糖尿病の疑いのある患者の血糖値の標準値からの変化量を、患者の個人差等に関係なく無侵襲で簡単かつ確実に測定することができるコンパクトで安価な血糖値の測定装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、光を、注目波長を中心とする、グルコースの吸収スペクトルのバンド幅より狭い変調幅で繰り返し波長変調するとともに複数の強度に強度変調し、この波長変調および強度変調された光を血糖値を測定すべき検査部位に照射し、上記強度変調を受けた光の各々について、上記検査部位からの透過光もしくは反射光の強度および上記検査部位への入射光の強度を検出して両者の比率を検出し、この比率の上記波長変調による波長の変化に対する変化率を検出してこの変化率に基づいて上記検査部位におけるグルコースの吸収スペクトルの微分スペクトルをそれぞれ取り出し、これら微分スペクトルに基づいて測定部位の血糖値を検出することを基本的な特徴とする。
【0017】
本発明においては、注目波長λを中心として狭い変調幅Δλで波長変調されるとともに強度変調された光が検査部位に照射され、検査部位への入射光の強度変調により、皮膚への浸透深さが変わり、血液成分を含む体液の存在する部位のグルコース濃度に関係する情報が取り出されるとともに、血液成分を含む体液の存在する部位のグルコースの吸収スペクトルの微分スペクトルによる定量が行われるので、患者の個人差に関係なく、グルコース濃度を簡単かつ確実に検出することができる。
【0018】
ここで、上記微分スペクトルは、上記波長変調の繰り返しに応じて積算平均される。
このように、微分スペクトルを積算平均すれば、雑音成分はこの積算回数の平方根に比例して低減できるので、信号対雑音(S/N)比が向上する。
【0019】
本発明はまた、注目波長を中心とする、グルコースの吸収スペクトルのバンド幅より狭い変調幅で繰り返し波長変調された光を発生する波長可変半導体レーザと、この波長可変半導体レーザからの波長変調された光の強度を、減衰比の異なる複数のアッテネータユニットを切り替えることにより複数の強度に強度変調するアッテネータと、このアッテネータから入射する波長変調および強度変調された光の光路を分離するビームスプリッタ手段と、このビームスプリッタ手段で分離された一つの光路を通過し血糖値を検査すべき検査部位に入射して透過もしくは反射した光を集める集光手段と、この集光手段で集めた光の強度を検出する第1光検出手段と、上記ビームスプリッタで分離されたいま一つの光路を通過する光の強度を検出する第2光検出手段と、上記第1光検出手段の出力と第2光検出手段の出力との比率を検出する比率検出手段と、この比率検出手段から上記比率に対応する比率信号が入力し、この比率信号の上記波長変調による波長変化に対する変化率を検出して上記検査部位におけるグルコースの吸収スペクトルの微分スペクトル信号を検出する微分スペクトル信号検出手段と、上記強度変調を受けた複数の強度の光の各々について、上記微分スペクトル信号検出手段により検出された上記微分スペクトル信号を上記波長変調の繰り返しに応じて積算平均し、該積算平均に基づいて測定部位の血糖値を演算する演算手段とを備えたことを特徴とする。
【0020】
このように、波長可変半導体レーザを備えて光を、注目波長λを中心として狭い変調幅Δλで波長変調するとともに、波長変調された光を強度変調して検査部位に入射し、グルコースの吸光度スペクトルの微分スペクトルを検出しているので、高品質の微分データがコンピュータ処理を必要とせず、リアルタイムで得ることができ、また、広い波長域走査する一般の分光器に比べて繰り返し走査速度が速く、短時間測光により、光学系のドリフトの影響のないグルコース濃度の測定データを得ることができる。
【0021】
本発明では、波長可変半導体レーザとして、光ファイバ通信用途で開発されている半導体レーザを採用できることから、波長可変半導体レーザの特徴を効果的かつ最大限に引き出すことができ、測定光の波長変調のための手段の構成がきわめて簡単になり、構成が簡単でコンパクトな血糖値の無侵襲測定装置を得ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明をより詳細に説明するために、添付の図面にしたがってこれを説明する。
以下では、本発明の理解に必要な微分分光法および微分スペクトルを得るための波長変調法について、次の[1]および[2]の各項においてそれぞれ説明する。また、一次微分スペクトル、グルコース定量のための検証および最適波長の選択および皮膚の拡散反射スペクトルと強度変調分光法について、[3],[4]および[5]の各項においてそれぞれ説明する。さらに、血糖値の無侵襲測定装置の構成については、[6]において説明する。
【0023】
[1]微分分光法
波長変調法は、微分スペクトルを得るために一般に用いられている。この波長変調法については、ティー・シー・オツハーバ(T.C.O´Haver)により、クリニカル・ケミストリ(Clinical Chemistry)の第25巻第9号,1979年の第1548頁ないし第1553頁に「ポテンシャル・クリニカル・アプリケーションズ・オブ・デリバティブ・アンド・ウエーブレングス・モジュレーション・スペクトロメトリ(Potential Clinical Applications of Derivative and Wavelength−Modulation Spectrometry)」に紹介されている。波長変調分光法の概念と微分分光法の概念とは密接に関係している。それらは、波長に対する強度または吸光度の変化の測定に基づいている。
【0024】
まず、微分分光法について説明する。微分分光法とは、強度または吸光度スペクトルを、波長に対して一次微分または高次微分して波長に対してプロットすることである。微分分光法の目的とするところは、
(a)ベースラインのシフトの補正、矯正、
(b)微小なスペクトルの特徴の検出能力の向上、
にある。
【0025】
図1に、単峰スペクトルとその一次微分、二次微分スペクトルを示す。原スペクトルのピーク最大点Pmaxは、一次微分ではゼロクロス点P01に、また、二次微分では中央ピーク点Pcに対応する。一次微分スペクトルのピーク最大点Pdmax、最小点Pdminは、原スペクトルの最大勾配点Ps1,Ps2にそれぞれ対応し、また、二次微分のゼロクロス点P02,P03にそれぞれ対応する。
【0026】
微分スペクトルを得るには、次のような種々の手法がある。
まず第1に、スペクトルデータがデジタル値でコンピュータ処理が可能であれば、微分スペクトルは、ソフトウエア的手法により数値微分で計算できる。
【0027】
第2に、微分スペクトルは、定速度走査のスペクトルの時間微分をとることにより、ハードウエア的な手法を用いてリアルタイムで収集できる。これは、波長走査レートdλ/dtが一定であれば、次の第1式からも明らかなように、波長に関する強度Iの微分dI/dλは、時間tに関する強度Iの微分dI/dtに比例することに基づいている。
すなわち、電気微分器を用いることにより、次の第1式
dI/dλ=dI/dt/dλ/dt … (1)
の演算を行なうことができる。
【0028】
第3に、微分スペクトルは、以下に説明する波長変調法により得ることができる。
波長変調法は、図2に示すように特定の波長λiを中心として狭い変調幅Δλで周期的に変調した光をサンプルに照射し、その透過光または反射光をディテクタで検出する。その出力信号からリップルまたは交流成分を分離、または電気的に測定する。変調幅Δλがそのスペクトルのバンド幅よりも十分小さいときは、変調周波数点での光電信号の交流成分は、変調波長幅内において、スペクトルの勾配に比例した振幅をもつ交流信号、すなわち微分スペクトルDを生成する。
【0029】
上に述べた波長変調の手法には、
(a)モノクロメータのスリット、ミラー、回折格子、プリズムを振動させる、
(b)モノクロメータ内の光ビームに振動ミラーまたは回転屈折ミラーを挿入する、
(c)波長連続可変型フィルタを使用する、
(d)干渉フィルタを振動またはティルティングさせる、
(e)ファブリ−ペロ(Fabry−Perot)干渉計を振動させる、等の手法がある。
また、波長変調の手法として、
(f)連続波長可変型半導体レーザを使用する、
ことも考えられる。
【0030】
半導体レーザの外部に反射型の回折格子を設け回折格子の角度を制御して発振波長を変える方法は、従来から知られている。この方法では、狭スペクトル線幅と同時に波長変化が可能である。連続変化でなく縦モード間のジャンプが起こってもよい場合は装置化は単純である。
【0031】
発振波長を連続的に変化させるためには、さらに狭帯域幅で同調波長に同期するシングルモードフィルタを加えれば任意に設定した全ての波長でシングルモード発振する。これらは、外部共振型チューナブル半導体レーザと呼ばれる。
【0032】
また、「日経エレクトロニクス」の1987年6月15日号(No.423)第149頁ないし第161頁には、コーヒレント光通信用途に開発されている波長可変半導体レーザが記載されている。この文献には、たとえば、分布型ブラッグ反射型単一モードレーザを基礎として3電極構造で波長を制御する半導体レーザが記載されており、同一の縦モードを保って滑らかに連続的に波長を変える波長範囲は、3.1nmのものが実現されていることが記載され、また、縦モードが途中で変わってもよければ、波長範囲は約6nmである。
【0033】
[2]微分スペクトルを得るための波長変調法
波長変調法において、変調幅Δλ(=λ2−λ1)がスペクトルのバンド幅よりも十分小さいときには、変調周波数点での光電信号の交流成分ΔI(=I2−I1)は、変調波長幅内において、スペクトルの勾配に比例した振幅をもつ交流信号ΔI/Δλ、すなわち次の第2式で表される微分スペクトルDを生成する。
交流信号の振幅のみを取り出すことは適当な電気系でリアルタイムにできる。
D=ΔI/Δλ=I2−I1/λ2−λ1 … (2)
【0034】
一般に、低濃度のグルコースの測定では、直流成分は交流成分に比べて大きい。このように意味をもたない大きい値を有する直流成分をカットできることは、後述する血糖値の測定装置において使用されるA/D変換器のダイナミックレンジを有効かつ効率的に利用できるメリットがある。また、その後の数理処理においても有利である。
【0035】
波長変調法は、狭い変調幅Δλで周期的に前後に走査することから、広い波長域走査する一般の分光器に比べて、高速に繰り返し走査できる。したがって、積算平均操作が容易である。そして、雑音成分は、積算回数の平方根に比例して低減できるので、積算回数を大きく取ることにより、信号対雑音(S/N)比を向上できる。また、短時間測光は、分光器の光学系のドリフトを抑制する効果が大きい。
【0036】
波長変調法では、波長域は狭いΔλに限定されるが、波長変調法を使用すれば、高品質の微分スペクトルがコンピュータ処理を必要とせず、リアルタイムで得られる利点がある。このことから、波長変調法は、特性の十分わかったサンプルのルーチン的な分析、たとえば、品質管理や臨床分析への応用に適している。
【0037】
これに対し、デジタル値の原スペクトルを数値微分演算する場合には、強度Iiそのものの数値精度と品質が問題になる。
微分操作は高周波ノイズを高くするので、質の悪いスペクトルを微分演算するとS/N比が著しく低下する。
【0038】
また、低濃度のサンプル測定において、原スペクトルの強度Iiそのものの数値精度と有効桁数が大きくなれば、目的とする成分の微分スペクトルの有意味の変化は得られない。すなわち、S/N比はかなり大きくなければならない。
【0039】
[3]一次微分スペクトルからグルコース定量のための検証
微分スペクトルは、スペクトルデータがデジタル値であれば、数値微分で計算できる。そこで、フーリエ変換分光器で得た吸光度スペクトルを数値微分して一次微分スペクトルを求め、波長変調法によるグルコース濃度の定量性を検証した。
サンプルとしては、水、グルコース水溶液1000mg/dL,3000mg/dL,5000mg/dLを使用した。
【0040】
吸光度スペクトル同士、一次微分スペクトル同士の比較では、サンプル間の変化を詳細に観察することは困難であるため、基準の水に対する変化量、すなわち差吸光度スペクトルと差一次微分スペクトルを計算し、その差を視覚的に観察できるようにした。微分操作は、長波長側から短波長側に向かって、行った。
【0041】
まず、水の吸収ピーク1.43μmと、1.93μmの中間に存在するグルコース吸収帯について考察する。図3に吸光度スペクトルを、また、図4にその一次微分スペクトルをそれぞれ示す。さらに、図5に差吸収スペクトルを示す。この図5の差吸光度スペクトルにおいて、1.55ないし1.85μmにグルコースの吸収が観測される。また、1.35μmないし1.45μmにはS字特性が観測される。これは、水の吸収ピーク1.43μmのシフトに起因するもので、水和現象に由来する。波長変調の中心波長としては、干渉を受けないゼロクロス点またはその近傍の波長域1.45ないし1.58μm、干渉の影響が少なくかつ吸収帯の勾配の急な波長域の1.6ないし1.67μmと1.75ないし1.85μmから中心周波数を選択することができる。
【0042】
図6に示す差一次微分スペクトルから分かるように、一次微分スペクトルからグルコース濃度が定量できることは明らかであり、波長1.555μmにおける一次微分吸光度とグルコース濃度との関係を図10に示す。
【0043】
ところで、1.5μm帯の波長域は、光ファイバー通信用途で開発されている波長可変半導体レーザを流用できることから装置化しやすい。波長可変半導体レーザを波長変調法に適用すれば、波長可変半導体レーザの特徴を効果的かつ最大限に引き出せる。
【0044】
水の吸収ピーク1.93μm以上では、2.1μm,2.27μm,2.33μmに、グルコースの吸収帯があり、この吸収ピーク前後の勾配に注目する。図7に示す差微分スペクトルからわかるように、
2.06ないし2.1μm,
2.1ないし2.24μm,
2.24ないし2.27μm,
2.27ないし2.3μm,
2.3ないし2.32μm,
2.32ないし2.38μm
から選択することができる。
【0045】
同様にして、水の吸収ピーク0.96μmと1.15μmの間では、1.06μmにグルコースのブロードな吸収バンドがある。図8に示す差微分スペクトルからわかるように、1.07ないし1.125μm,1.00ないし1.05μmから選択することができる。
【0046】
同様にして、水の吸収ピーク1.15μmと1.43μmの間では、1.25μmにグルコースのブロードな吸収バンドがある。図9に示す差微分スペクトルから分かるように、1.28ないし1.36μm,1.18ないし1.23μmから選択することができる。
【0047】
[4]最適波長の選択
ところで、皮膚は、図11に示すように、外側から順に、角質層1,表皮2,および真皮3からなり、深さ方向に異方な構造を有している。そして血液成分を含む体液の存在する部位(capillary bed)4のグルコース濃度を、皮膚の上から拡散反射法を用いて経皮測定するためには、使用する波長は重要であり、測定法と不可分のものである。
【0048】
近赤外波長域において、中赤外光に近い長波長領域と可視光に近い単波長領域を相対的に比較すると次の通りである。
長波長領域では、光は生体組織に存在する水の吸収を受けて生体(皮膚)の深部まで浸透しにくく、光散乱の影響が少ないので散乱減衰しにくい。また、グルコースの吸収帯の吸光係数が大きいのでパス長はより短くてもよい。すなわち、光浸透深さは相対的に小さくてもよい。
【0049】
可視光に近い短波長帯領域では、光は水の吸収を受けにくく、皮膚深部まで到達しやすい。しかし光は散乱の影響を受けやすく散乱減衰しやすい。また、グルコースの吸収帯の吸収係数は小さいので、測定感度を上げるためにはパス長が長くなければならない。
【0050】
このように、最適波長の選択には、関連する多くの因子がある。最適なグルコースの測定波長は、既に説明した選択波長帯の中から、また、グルコースの特性吸収係数、光の皮膚への浸透深さから、さらには、実用的な観点から、コーヒレント光ファイバー通信用途の波長可変半導体レーザが流用できることから、1.45ないし1.58μmから選ぶのが好ましい。
【0051】
[5]皮膚の拡散反射スペクトルと強度変調分光法
既に述べたように、波長変調法を使用すれば、高品質の微分データがコンピュータ処理を必要とせずリアルタイムに得られる。微分データは、いわば1点のデータであり、実用的な観点からは、データが正規化されていること、各種の変動要因、たとえば、サンプル温度の変化や成分の干渉などが自動的に補償されていることが重要である。本発明では、波長変調法に光強度変調法を組み合わせ、これらの変動要因を自動的に補償する。
【0052】
皮膚の拡散反射スペクトルは、皮膚内部で吸収と散乱を繰り返して、再び皮膚表面に出てきた微弱な拡散反射光を積分球で集光し、ディテクタで検出した信号をもとにしている。皮膚の深さ方向の異方な構造に関連して、図11に示すように、
(a)入射光5の皮膚表面での正反射光7のスペクトル成分、
(b)入射光5の皮膚表面近傍のグルコースを含まない角質層1、表面組織からの拡散反射光8のスペクトル成分、
(c)入射光5の血液成分を含む体液の存在する部位4からの拡散反射光9のスペクトル成分、
(d)入射光5のさらに深部組織への透過光6のスペクトル成分、
などが混在したものである。そして、一般的にいえば、皮膚表面に近い部位のスペクトル成分の寄与が大きく、血液成分を含む体液の存在する部位4のスペクトル成分の寄与は小さい。これが通常の拡散反射スペクトルである。
【0053】
血液成分を含む体液の存在する部位4のグルコース濃度に注目すると、上記(a)および(b)のスペクトル成分を取り除いたスペクトルに対して定量解析することができれば、グルコース濃度をより精度よく測定できることは明らかである。
これを実現する手法の一つとして、本願の発明者等は、日本特許出願特願昭62−290821号および米国特許第4,883,953号において、つぎのような光強度変調法を提案した。
【0054】
皮膚への光浸透深さを入射光強度を変えることにより確保する。すなわち、図12に示すように、入射光強度がより強ければ、弱い場合にくらべて、より深部の情報が含まれている。検出限界の浸透深さがb1の適当に弱い入射光強度I01での浸透深さb1/2からの拡散反射光強度Is1を測光し、その比率を次の第3式により演算し正規化する。
A1=log(I01/Is) … (3)
この第3式は、皮膚表面近傍のみのスペクトル情報をもつ。
【0055】
次に、浸透深さがb2のI01よりも強い入射光強度I02での浸透深さb2/2からの拡散反射強度Is2を測光し、その比率を次の第4式により演算し正規化する。
A2=log(I02/Is2) … (4)
この第4式は、より深部のスペクトル情報を含んでいる。そして両者の差ΔAを計算する。
【0056】
上記第5式は、正規化基準として、測定対象とする人のグルコースを含まない皮膚表面近傍組織のスペクトルが基準にとられているとみることができる。このことは、見方をかえれば、人種、性別、年令など個人差の影響を受けないことを意味する。
【0057】
入射光強度の変調は、後述するように、たとえば減衰比の異なるアッテネータを搭載した回転ディスクで切り替えることにより行うことができる。入射光強度の変調の1サイクルごとに強度の比率演算で正規化するとともに、吸光度の差演算を行う。そして、多サイクルにわたって積算平均化処理を行えばS/N比を向上させることができる。
【0058】
グルコース濃度の異なるサンプルに対して、この差演算値と化学的な分析手法で得られた参照濃度値を用いて回帰式を作成する。この回帰式を用いて未知サンプルのグルコースを定量する。
なお、以上ではスペクトル強度Iを用いて、入射光強度変調法のアルゴリズムを説明したが、回帰手法を用いると、微分強度についても定量性があることが知られている。そこで、本実施例では、波長変調法で求めた一次微分値D=ΔA/Δλを用いるために、第3式、第4式、第5式の吸光度値AをΔA/Δλに置き換え、後述する第8式,第9式および第10式の演算を行う。
【0059】
[6]血糖値の無侵襲測定装置
血糖値の無侵襲測定装置の構成を、図13に示す。
上記血糖値の無侵襲測定装置は、波長可変半導体レーザ11、この波長可変半導体レーザ11からの波長変調されたレーザ光の強度を周期的に変化させるアッテネータ12、このアッテネータ12から入射する波長変調および強度変調されたレーザ光の光路13を光路13aと13bに分離するビームスプリッタ14、およびこのビームスプリッタ14で分離された一つの光路13aを通過し血糖値を検査すべき皮膚16の検査部位17に入射して透過もしくは反射したレーザ光を集める積分球18を備える。
【0060】
上記血糖値の無侵襲測定装置はまた、上記積分球18で集光されたレーザ光の強度を検出する第1検知器21、上記ビームスプリッタ14を透過したレーザ光の強度を検出する第2検知器22、上記第1検知器21の出力を増幅する増幅器23、上記第2検知器22の出力を増幅する増幅器24、これら両増幅器23,24の出力の比率の対数値を出力する対数比率増幅器25、この対数比率増幅器25の出力の波長変化に対する変化率から上記検査部位17におけるグルコースの吸収スペクトルの微分スペクトル信号を検出するロックイン増幅器26、およびこのロックイン増幅器26により検出された上記微分スペクトル信号をA/D変換し、デジタル値に変換された上記微分スペクトル信号を処理して上記測定部位の血糖値を演算する、マイクロプロセッサ等により構成される演算処理装置27を備える。
【0061】
上記波長可変半導体レーザ11は、中心波長λi、波長変調幅Δλに調整および制御された波長変調されたレーザ光は、アッテネータ12にて強度変調を受けた後、ビームスプリッタ14で2つのビームに分離される。
上記ビームスプリッタ14を透過するレーザ光L2は入射光強度をモニタするためのもので、第2検知器22で電気信号I0に変換される。他方のレーザ光L1は、血糖値を検査する上記検査部位17に入射する。この検査部位17からの拡散反射光は、積分球18で集光された後、第1検知器21で電気信号ISに変換される。
【0062】
上記電気信号ISおよびI0は、増幅器23および増幅器24にてそれぞれ増幅された後、対数比率増幅器25に入力する。この対数比率増幅器25は、次の第6式であらわされる正規化された吸光度信号
A=log(I0/IS) … (6)
を出力する。
なお、上記吸光度信号Aは、上記電気信号ISおよびI0が、第1検知器21および第2検知器22により、同じレーザ光がビームスプリッタ14で分離されたレーザ光を同時測光した値であるので測定の確度が高く、かつ、ドリフトの影響を受けない。
【0063】
その後、ロックイン増幅器25で、次の第7式に示すような交流信号の振幅のみを取り出す。
D=ΔA/Δλ … (7)
交流成分は、波長変調の中心波長点における、サンプルのスペクトルの勾配に比例した信号である。
【0064】
アッテネータ12は、既に述べたように、皮膚16の検査部位17への光浸透深さを変えるために入射光強度を変調させるもので、減衰比の異なる2組のアッテネータユニット12a,12bまたはそれ以上のアッテネータユニットを回転ディスク12cで切り替える構成を有する。この入射光強度変調により、血液成分を含む体液の存在する部位のグルコース濃度をより精度よく測定することができる。
【0065】
ロックイン増幅器26は、アッテネータ12による入射光強度I01に対して、次の第8式であらわされる交流信号、
D1=ΔA1/Δλ … (8)
を出力する。
また、上記ロックイン増幅器26は、アッテネータ12による入射光強度I02に対して、次の第9式であらわされる交流信号、
D2=ΔA2/Δλ … (9)
を出力する。
【0066】
演算処理装置27は、上記交流信号D1およびD2をA/D変換し、上記交流信号D2とD1の入射光強度の変調の1サイクルごとに、次の第10式であらわされる差演算を行う。
ΔD=D2−D1=ΔA2/Δλ−ΔA1/Δλ … (10)
上記演算処理装置27は、予め求められて図示しないメモリに記憶された回帰式のデータを用い、上記第10式により得られた値から、検査部位のグルコース濃度を検出する。
【0067】
上記グルコース濃度の測定に際して、アッテネータ12のアッテネータユニット12aと12bとの交互切替の多サイクルの積算平均化処理を行えばS/N比が向上する。
また、入射光強度を少なくとも3段階以上にわたって強度変調すれば、グルコースの定量に最適な入射光強度域も分かり、最適なアッテネータ12の選択や手法をさらに精密化できる。従来の拡散反射法で較正に使用する標準拡散板も不要になる。
【0068】
さらに、検査部位17に浸透した光がサンプルの底部から洩れない、いわゆる無限サンプル厚みの条件を満足していれば、透過法と異なり検査部位の厚み情報は不要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 単峰スペクトルとその一次微分スペクトルおよび二次微分スペクトルの説明図である。
【図2】 波長変調分光法による微分スペクトルの生成の説明図である。
【図3】 グルコース水溶液の吸光度スペクトルである。
【図4】 図3の一次微分スペクトルである。
【図5】 基準の水に対する差吸光度スペクトルである。
【図6】 差一次微分スペクトルである。
【図7】 差一次微分スペクトルである。
【図8】 差一次微分スペクトルである。
【図9】 差一次微分スペクトルである。
【図10】 グルコース濃度と一次微分吸光度との関係を示すグラフである。
【図11】 皮膚の構造とその光学特性の説明図である。
【図12】 入射光強度と光浸透深さの説明図である。
【図13】 本発明にかかる血糖値の無侵襲測定装置の一実施例のブロック図である。
【符号の説明】
11 波長可変半導体レーザ、12 アッテネータ、12a アッテネータユニット、12b アッテネータユニット、12c 回転ディスク、13 光路、13a 光路、13b 光路、14 ビームスプリッタ、16 皮膚、17 検査部位、18 積分球、21 第1検知器、22 第2検知器、23 増幅器、24 増幅器、25 対数比率増幅器、26 ロックイン増幅器、27 演算処理装置。
Claims (1)
- 注目波長を中心とする、グルコースの吸収スペクトルのバンド幅より狭い変調幅で繰り返し波長変調された光を発生する波長可変半導体レーザと、
この波長可変半導体レーザからの波長変調された光の強度を、減衰比の異なる複数のアッテネータユニットを切り替えることにより複数の強度に強度変調するアッテネータと、
このアッテネータから入射する波長変調および強度変調された光の光路を分離するビームスプリッタ手段と、
このビームスプリッタ手段で分離された一つの光路を通過し血糖値を検査すべき検査部位に入射して透過もしくは反射した光を集める集光手段と、
この集光手段で集めた光の強度を検出する第1光検出手段と、
上記ビームスプリッタで分離されたいま一つの光路を通過する光の強度を検出する第2光検出手段と、
上記第1光検出手段の出力と第2光検出手段の出力との比率を検出する比率検出手段と、
この比率検出手段から上記比率に対応する比率信号が入力し、この比率信号の上記波長変調による波長変化に対する変化率を検出して上記検査部位におけるグルコースの吸収スペクトルの微分スペクトル信号を検出する微分スペクトル信号検出手段と、
上記強度変調を受けた複数の強度の光の各々について、上記微分スペクトル信号検出手段により検出された上記微分スペクトル信号を上記波長変調の繰り返しに応じて積算平均し、該積算平均に基づいて測定部位の血糖値を演算する演算手段とを備えたことを特徴とする血糖値の無侵襲測定装置。
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