JP3693876B2 - 整流器及び整流装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、整流器及び整流装置に関し、特に、負荷以外が消費する電力による損失が少ない整流器及び整流装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
交流を整流して直流を得る場合において、整流素子による不要な電力消費を抑えたり、高電圧の整流を実現したりするために、トランジスタの電流路を断続して整流する技術が用いられている。トランジスタを用いて整流を行う場合は、トランジスタが、整流する対象の電圧の印加を検知して、トランジスタの電流路をオン及びオフしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、バイポーラトランジスタが電圧の印加を検知する場合、電圧が立ち上がりを開始してからダイオードの順方向電圧程度に達するまでの間はトランジスタは電圧を検知できず、電流路のオン及びオフのタイミングが不正確になる。
また、電界効果トランジスタが電圧の印加を検知する場合も、電圧が立ち上がりを開始してからスレッショルド電圧に達するまでの間は電圧を検知できない。
【0004】
さらに、トランジスタの制御端(たとえば、バイポーラトランジスタのベースや、電界効果トランジスタのゲート)は、電流路の両端をなす端子(たとえば、バイポーラトランジスタのエミッタ及びコレクタや、電界効果トランジスタのソース及びドレイン)に比べて耐圧が低く、容易に破壊される。
【0005】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、オン及びオフのタイミングが正確に決められる整流器及び整流装置や、耐圧が大きい整流器及び整流装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の第1の観点に係る整流器は、
第1の制御端及び第1の電流路を備え、前記第1の制御端の電圧を検知し、検知した結果に従って、前記第1の電流路を断続制御する第1の電流路制御手段と、
前記第1の電流路に電流を供給する電流源と、
第2の電流路を備え、前記第1の電流路に流れる電流を検知し、検知した結果に従って、前記第2の電流路を断続制御する第2の電流路制御手段と、
一対の出力端を備え、前記出力端の一方が前記第2の電流路の一端に接続され、前記一対の出力端間に基準電圧を発生する基準電圧源と、
前記第2の電流路の他端と前記基準電圧源の出力端の前記他端との間の電位差を表す電圧を発生して前記第1の制御端に印加する分圧手段と、を備え、
前記第1及び第2の電流路制御手段は、前記第2の電流路の両端間に所定の向きの電圧が印加されたとき前記第2の電流路に電流を流すよう、各自の電流路を断続制御し、
前記分圧手段は、前記第1の制御端に印加する電圧が所定範囲の値であるか否かを判別し、所定範囲の値でないと判別したとき、前記第1の制御端に所定範囲の値を有する電圧を印加する制御端保護手段を備える、
ことを特徴とする。
【0007】
このような整流器によれば、第2の電流路のオン及びオフのタイミングは基準電圧と第2の電流路の端との電位差に基づいて決定されるので、わずかな電位差の発生も正確にタイミングの決定に反映される。また、制御端も所定範囲を超える電圧の印加による破壊から守られる。
【0008】
前記第1の電流路制御手段は、たとえば、前記第1の電流路の一端と前記第1の制御端との間の電圧を検知し、検知した結果に従って、前記第1の電流路を断続制御するものであってもよい。
この場合、前記分圧手段は、前記第2の電流路の前記他端と前記基準電圧源の出力端の前記他端との間に接続された電位差検出用の負荷を備えており、
前記第1の電流路の前記一端及び前記第1の制御端は、前記電位差検出用の負荷の両端に一対一に接続されていればよい。
【0009】
前記整流器は、前記第1の電流路に直列に接続された電流検出用の負荷を備えていてもよい。
この場合、前記第2の電流路制御手段は第2の制御端を備え、前記第2の電流路のいずれかの端と前記第2の制御端との間の電圧を検知し、検知した結果に従って、前記第2の電流路を断続制御するものであればよく、前記第2の電流路のいずれかの端及び前記第2の制御端は、前記電流検出用の負荷の両端に一対一に接続されていればよい。
【0010】
前記第1及び第2の電流路制御手段のうち少なくとも一方は、たとえば、ベースから構成される前記制御端と、エミッタ及びコレクタを両端とする前記電流路とを備えるバイポーラトランジスタから構成されていてもよい。
前記第1及び第2の電流路制御手段のうち少なくとも一方は、たとえば、ゲートから構成される前記制御端と、ソース及びドレインを両端とする前記電流路とを備える電界効果トランジスタから構成されていてもよい。
【0011】
また、この発明の第2の観点にかかる整流器は、
電流を供給する電流源と、
一端が電位差検出用の負荷を介して前記電流源に接続された第1の電流路を備え、前記第1の電流路の他端の電圧を検知し、検知した結果に従って前記第1の電流路を断続制御することにより、前記電流源から前記第1の電流路へと供給される電流を断続する第1の電流路制御手段と、
第1の制御端及び第2の電流路を備え、前記第1の制御端に印加された電圧を検知し、検知した結果に従って、前記第2の電流路を断続制御する第2の電流路制御手段と、
前記電位差検出用の負荷に発生する電圧降下の量を表す電圧を発生して前記第1の制御端に印加する第1の分圧手段と、を備え、
前記第1の電流路の前記他端は前記第2の電流路の一端に接続されており、
前記第1及び第2の電流路制御手段は、前記第2の電流路の両端間に所定の向きの電圧が印加されたとき前記第2の電流路に電流を流すよう、各自の電流路を断続制御し、
前記第1の分圧手段は、前記第1の制御端に印加する電圧が所定範囲の値であるか否かを判別し、所定範囲の値でないと判別したとき、前記第1の制御端に所定範囲の値を有する電圧を印加する制御端保護手段を備える、
ことを特徴とする。
【0012】
このような整流器によれば、第2の電流路のオン及びオフのタイミングは電位差検出用の負荷の両端間の電位差に基づいて決定されるので、わずかな電位差の発生も正確にタイミングの決定に反映される。また、制御端も所定範囲を超える電圧の印加による破壊から守られる。
【0013】
前記第2の電流路制御手段は、たとえば、
前記電流源と前記第2の電流路の他端との間に接続された参照用負荷と、
前記第1の制御端と、第2の制御端と、前記第2の電流路とを備え、前記第1の制御端に印加された電圧及び前記第2の制御端に印加された電圧の大小関係を判別して、判別結果に基づき、前記第2の電流路を断続制御する比較制御手段と、
前記参照用の負荷に発生する電圧降下の量を表す電圧を発生して前記第2の制御端に印加する第2の分圧手段と、を備えるものとすれば、電位差検出用の負荷の両端間の電位差が正確に検知される。
【0014】
前記第1及び第2の電流路制御手段のうち少なくとも一方は、たとえば、ベースから構成される前記制御端と、エミッタ及びコレクタを両端とする前記電流路とを備えるバイポーラトランジスタから構成されていてもよい。
前記第1及び第2の電流路制御手段のうち少なくとも一方は、たとえば、ゲートから構成される前記制御端と、ソース及びドレインを両端とする前記電流路とを備える電界効果トランジスタから構成されていてもよい。
【0015】
前記電流源は、外部より供給される電流により充電されるキャパシタから構成されているものとすれば、別途電池等の電源を用意することなく、この整流器が駆動される。
【0016】
また、この発明の第3の観点にかかる整流器は、
第1の電流路と、第1の制御端とを備え、前記第1の電流路の一端及び前記第1の制御端の電位差を一定値以下に保ち、当該電位差を検知して、検知した結果に従って、前記第1の電流路を断続制御する第1の電流路制御素子と、
第2の電流路と、前記第1の制御端に接続された第2の制御端とを備え、前記第2の電流路の一端及び前記第の制御端の電位差を一定値以下に保ち、当該電位差を検知して、検知した結果に従って、前記第2の電流路を断続制御する第2の電流路制御素子と、
前記第2の電流路に直列に接続された第1の負荷と、
第3の電流路を備え、前記第1の負荷の両端間に発生した電圧降下の大きさを検知し、検知した結果に従って、前記第3の電流路を断続制御する第3の電流路制御素子と、
前記第3の電流路に直列に接続された第2の負荷と、
第4の電流路を備え、前記第2の負荷の両端間に発生した電圧降下の大きさを検知し、検知した結果に従って、前記第4の電流路を断続制御する第4の電流路制御素子と、
外部より供給される電流により充電されるキャパシタより構成され、前記第1乃至第3の各電流路に電流を供給する電流源と、を備え、
前記第1の電流路の前記一端は前記第4の電流路の一端に接続されており、
前記第2の電流路の前記一端は前記第4の電流路の他端に接続されており、
前記第1及び第2の電流路制御素子は、前記第4の電流路の両端間に所定の方向に電流を流す向きの電圧が印加されたとき前記第2の電流路を実質的に導通させるように、前記第1及び第2の電流路を断続制御し、
前記第3及び第4の電流路制御素子は、前記第2の電流路に電流が流れたとき、前記第4の電流路を実質的に導通させるように、前記第3及び第4の電流路を断続制御する、
ことを特徴とする。
【0017】
このような整流器によれば、第4の電流路のオン及びオフのタイミングは第4の電流路の両端の電位差に基づいて決定されるので、わずかな電位差の発生も正確にタイミングの決定に反映される。また、外部から供給される電圧による制御端の破壊という事態が生じない。
【0018】
前記第2の電流路制御素子は、第2の制御端の電位を、前記第2の電流路の両端の一方の電位以上且つ他方の電位以下に保つものであってもよい。
この場合、前記整流器は、前記第2の電流路の両端間の電圧を、前記第2の電流路の各端と前記第2の制御端との間の耐圧以下に規制する手段を備えるものとすれば、第2の電流路制御素子の破壊が防止される。
また、前記整流器は、前記キャパシタの両端間の電圧を、前記第2の電流路の各端と前記第2の制御端との間の耐圧以下に規制する手段を備えるものであっても、第2の電流路制御素子の破壊が防止される。
【0019】
また、この発明の第4の観点にかかる整流装置は、
互いに実質的に逆相の1対の交流電圧が供給されたとき、これらの交流電圧をそれぞれ半波整流し、半波整流により得られた互いに実質的に逆相の電圧を重畳して出力することにより前記交流電圧を全波整流する整流装置であって、
1対の整流器を備え、各々の前記整流器は、
第1の制御端及び第1の電流路を備え、前記第1の制御端の電圧を検知し、検知した結果に従って、前記第1の電流路を断続制御する第1の電流路制御手段と、
前記第1の電流路に電流を供給する電流源と、
第2の電流路を備え、前記第1の電流路に流れる電流を検知し、検知した結果に従って、前記第2の電流路を断続制御する第2の電流路制御手段と、
一対の出力端を備え、前記出力端の一方が前記第2の電流路の一端に接続され、前記一対の出力端間に基準電圧を発生する基準電圧源と、
前記第2の電流路の他端と前記基準電圧源の出力端の前記他端との間の電位差を表す電圧を発生して前記第1の制御端に印加する分圧手段と、を備え、
前記第1及び第2の電流路制御手段は、前記第2の電流路の両端間に所定の向きの電圧が印加されたとき前記第2の電流路に電流を流すよう、各自の電流路を断続制御し、
各前記整流器の分圧手段は、前記第1の制御端に印加する電圧が所定範囲の値であるか否かを判別し、所定範囲の値でないと判別したとき、前記第1の制御端に所定範囲の値を有する電圧を印加する制御端保護手段を備え、
各前記整流器の電流源は、自己を含まない整流器の前記第2の電流路に前記所定の向きと反対の向きの電圧が印加されているとき当該電圧により発生する電流を、自己を含む整流器の前記第1の電流路に供給する手段を備え、
各前記整流器の前記第2の電流路の一端同士又は他端同士は互いに接続されて出力端をなし、各前記整流器の前記第2の電流路に流れる電流を重畳して前記出力端に流す、
ことを特徴とする。
【0020】
このような整流装置によれば、各整流器の第2の電流路のオン及びオフのタイミングは基準電圧と第2の電流路の端との電位差に基づいて決定されるので、わずかな電位差の発生も正確にタイミングの決定に反映される。また、制御端も所定範囲を超える電圧の印加による破壊から守られる。
【0021】
また、この発明の第5の観点にかかる整流装置は、
互いに実質的に逆相の1対の交流電圧が供給されたとき、これらの交流電圧をそれぞれ半波整流し、半波整流により得られた互いに実質的に逆相の電圧を重畳して出力することにより前記交流電圧を全波整流する整流装置であって、
1対の整流器を備え、各々の前記整流器は、
電流を供給する電流源と、
一端が電位差検出用の負荷を介して前記電流源に接続された第1の電流路を備え、前記第1の電流路の他端の電圧を検知し、検知した結果に従って前記第1の電流路を断続制御することにより、前記電流源から前記第1の電流路へと供給される電流を断続する第1の電流路制御手段と、
第1の制御端及び第2の電流路を備え、前記第1の制御端に印加された電圧を検知し、検知した結果に従って、前記第2の電流路を断続制御する第2の電流路制御手段と、
前記電位差検出用の負荷に発生する電圧降下の量を表す電圧を発生して前記制御端に印加する分圧手段と、を備え、
各前記整流器の第1の電流路の前記他端は当該整流器の第2の電流路の一端に接続されており、
各前記整流器の第1及び第2の電流路制御手段は、当該整流器の第2の電流路の両端間に所定の向きの電圧が印加されたとき当該第2の電流路に電流を流すよう、各自の電流路を断続制御し、
各前記整流器の分圧手段は、当該整流器の第1の制御端に印加する電圧が所定範囲の値であるか否かを判別し、所定範囲の値でないと判別したとき、当該第1の制御端に所定範囲の値を有する電圧を印加する制御端保護手段を備え、
各前記整流器の電流源は、自己を含まない整流器の前記第2の電流路に前記所定の向きと反対の向きの電圧が印加されているとき当該電圧により発生する電流を供給する手段を備え、
各前記整流器の前記第2の電流路の一端同士又は他端同士は互いに接続されて出力端をなし、各前記整流器の前記第2の電流路に流れる電流を重畳して前記出力端に流す、
ことを特徴とする。
【0022】
このような整流装置によれば、各整流器の第2の電流路のオン及びオフのタイミングは電位差検出用の負荷の両端間の電位差に基づいて決定されるので、わずかな電位差の発生も正確にタイミングの決定に反映される。また、制御端も所定範囲を超える電圧の印加による破壊から守られる。
【0023】
また、この発明の第6の観点にかかる整流装置は、
互いに実質的に逆相の1対の交流電圧が供給されたとき、これらの交流電圧をそれぞれ半波整流し、半波整流により得られた互いに実質的に逆相の電圧を重畳して出力することにより前記交流電圧を全波整流する整流装置であって、
1対の整流器を備え、各々の前記整流器は、
第1の電流路と、第1の制御端とを備え、前記第1の電流路の一端及び前記第1の制御端の電位差を一定値以下に保ち、当該電位差を検知して、検知した結果に従って、前記第1の電流路を断続制御する第1の電流路制御素子と、
第2の電流路と、前記第1の制御端に接続された第2の制御端とを備え、前記第2の電流路の一端及び前記第の制御端の電位差を一定値以下に保ち、当該電位差を検知して、検知した結果に従って、前記第2の電流路を断続制御する第2の電流路制御素子と、
前記第2の電流路に直列に接続された第1の負荷と、
第3の電流路を備え、前記第1の負荷の両端間に発生した電圧降下の大きさを検知し、検知した結果に従って、前記第3の電流路を断続制御する第3の電流路制御素子と、
前記第3の電流路に直列に接続された第2の負荷と、
第4の電流路を備え、前記第2の負荷の両端間に発生した電圧降下の大きさを検知し、検知した結果に従って、前記第4の電流路を断続制御する第4の電流路制御素子と、
前記第1乃至第3の各電流路に電流を供給する電流源と、を備え、
各前記整流器の前記第1の電流路の前記一端は、当該整流器の前記第4の電流路の一端に接続されており、
各前記整流器の前記第2の電流路の前記一端は、当該整流器の前記第4の電流路の他端に接続されており、
各前記整流器の前記第1及び第2の電流路制御素子は、当該整流器の前記第4の電流路の両端間に所定の方向に電流を流す向きの電圧が印加されたとき当該整流器の前記第1の電流路を実質的に導通させるように、当該整流器の前記第1及び第2の電流路を断続制御し、
各前記整流器の基準電位源は、自己を含まない整流器の前記第4の電流路に前記所定の向きと反対の向きの電圧が印加されているとき当該電圧により発生する電流を、自己を含む整流器の前記第1乃至第3の電流路に供給する手段を備え、各前記整流器の前記第3及び第4の電流路制御素子は、当該整流器の第2の電流路に電流が流れたとき、当該整流器の第4の電流路を実質的に導通させるように、当該整流器の第3及び第4の電流路を断続制御し、
各前記整流器の前記第4の電流路の一端同士又は他端同士は互いに接続されて出力端をなし、各前記整流器の前記第4の電流路に流れる電流を重畳して前記出力端に流す、
ことを特徴とする整流装置。
【0024】
このような整流装置によれば、各整流器の第4の電流路のオン及びオフのタイミングは第4の電流路の両端の電位差に基づいて決定されるので、わずかな電位差の発生も正確にタイミングの決定に反映される。また、外部から供給される電圧による制御端の破壊という事態が生じない。
【0025】
また、この発明の第7の観点にかかる整流装置は、
外部の負荷に直列に接続されて直列回路を構成するインダクタと、
交流電圧が供給されたとき、当該交流電圧を半波整流し、半波整流により得られる電流を前記インダクタ及び前記外部の負荷に流す第1の整流器と、
前記第1の整流器から前記インダクタに供給される電流が実質的に供給されない間に前記インダクタが自己誘導する起電力により生じる電流を前記外部の負荷に流す第2の整流器と、を備え、
前記第1及び第2の整流器は、
第1の制御端及び第1の電流路を備え、前記第1の制御端の電圧を検知し、検知した結果に従って、前記第1の電流路を断続制御する第1の電流路制御手段と、
前記第1の電流路に電流を供給する電流源と、
第2の電流路を備え、前記第1の電流路に流れる電流を検知し、検知した結果に従って、前記第2の電流路を断続制御する第2の電流路制御手段と、
一対の出力端を備え、前記出力端の一方が前記第2の電流路の一端に接続され、前記一対の出力端間に基準電圧を発生する基準電圧源と、
前記第2の電流路の他端と前記基準電圧源の出力端の前記他端との間の電位差を表す電圧を発生して前記第1の制御端に印加する分圧手段と、を備え、
前記第1及び第2の整流器の第1及び第2の電流路制御手段は、前記第2の電流路の両端間に所定の向きの電圧が印加されたとき前記第2の電流路に電流を流すよう、各自の電流路を断続制御し、
前記第1及び第2の整流器の分圧手段は、前記第1の制御端に印加する電圧が所定範囲の値であるか否かを判別し、所定範囲の値でないと判別したとき、前記第1の制御端に所定範囲の値を有する電圧を印加する制御端保護手段を備え、
前記第2の整流器の電流源は、前記インダクタが自己誘導する起電力により生じる電流を前記第2の整流器の第1の電流路に供給する手段を備え、
前記第1の整流器の第2の電流路は、前記直列回路に直列に接続されており、
前記第2の整流器の第2の電流路は、前記直列回路に並列に接続されている、
ことを特徴とする。
【0026】
このような整流装置によれば、各整流器の第2の電流路のオン及びオフのタイミングは基準電圧と第2の電流路の端との電位差に基づいて決定されるので、わずかな電位差の発生も正確にタイミングの決定に反映される。また、制御端も所定範囲を超える電圧の印加による破壊から守られる。
【0027】
また、この発明の第8の観点にかかる整流装置は、
外部の負荷に直列に接続されて直列回路を構成するインダクタと、
交流電圧が供給されたとき、当該交流電圧を半波整流し、半波整流により得られる電流を前記インダクタ及び前記外部の負荷に流す第1の整流器と、
前記第1の整流器から前記インダクタに供給される電流が実質的に供給されない間に前記インダクタが自己誘導する起電力により生じる電流を前記外部の負荷に流す第2の整流器と、を備え、
前記第1及び第2の整流器は、
電流を供給する電流源と、
一端が電位差検出用の負荷を介して前記電流源に接続された第1の電流路を備え、前記第1の電流路の他端の電圧を検知し、検知した結果に従って前記第1の電流路を断続制御することにより、前記電流源から前記第1の電流路へと供給される電流を断続する第1の電流路制御手段と、
第1の制御端及び第2の電流路を備え、前記第1の制御端に印加された電圧を検知し、検知した結果に従って、前記第2の電流路を断続制御する第2の電流路制御手段と、
前記電位差検出用の負荷に発生する電圧降下の量を表す電圧を発生して前記第1の制御端に印加する分圧手段と、を備え、
各前記整流器の第1の電流路の前記他端は当該整流器の第2の電流路の一端に接続されており、
前記第1及び第2の整流器の第1及び第2の電流路制御手段は、当該整流器の第2の電流路の両端間に所定の向きの電圧が印加されたとき当該第2の電流路に電流を流すよう、各自の電流路を断続制御し、
前記第1及び第2の整流器の分圧手段は、当該整流器の第1の制御端に印加する電圧が所定範囲の値であるか否かを判別し、所定範囲の値でないと判別したとき、当該第1の制御端に所定範囲の値を有する電圧を印加する制御端保護手段を備え、
前記第2の整流器の電流源は、前記インダクタが自己誘導する起電力により生じる電流を前記第2の整流器の第1の電流路へと供給する手段を備え、
前記第1の整流器の第2の電流路は、前記直列回路に直列に接続されており、
前記第2の整流器の第2の電流路は、前記直列回路に並列に接続されている、
ことを特徴とする。
【0028】
このような整流装置によれば、各整流器の第2の電流路のオン及びオフのタイミングは電位差検出用の負荷の両端間の電位差に基づいて決定されるので、わずかな電位差の発生も正確にタイミングの決定に反映される。また、制御端も所定範囲を超える電圧の印加による破壊から守られる。
【0029】
また、この発明の第9の観点にかかる整流装置は、
外部の負荷に直列に接続されて直列回路を構成するインダクタと、
交流電圧が供給されたとき、当該交流電圧を半波整流し、半波整流により得られる電流を前記インダクタ及び前記外部の負荷に流す第1の整流器と、
前記第1の整流器から前記インダクタに供給される電流が実質的に供給されない間に前記インダクタが自己誘導する起電力により生じる電流を前記外部の負荷に流す第2の整流器と、を備え、
前記第1及び第2の整流器は、
第1の電流路と、第1の制御端とを備え、前記第1の電流路の一端及び前記第1の制御端の電位差を一定値以下に保ち、当該電位差を検知して、検知した結果に従って、前記第1の電流路を断続制御する第1の電流路制御素子と、
第2の電流路と、前記第1の制御端に接続された第2の制御端とを備え、前記第2の電流路の一端及び前記第の制御端の電位差を一定値以下に保ち、当該電位差を検知して、検知した結果に従って、前記第2の電流路を断続制御する第2の電流路制御素子と、
前記第2の電流路に直列に接続された第1の負荷と、
第3の電流路を備え、前記第1の負荷の両端間に発生した電圧降下の大きさを検知し、検知した結果に従って、前記第3の電流路を断続制御する第3の電流路制御素子と、
前記第3の電流路に直列に接続された第2の負荷と、
第4の電流路を備え、前記第2の負荷の両端間に発生した電圧降下の大きさを検知し、検知した結果に従って、前記第4の電流路を断続制御する第4の電流路制御素子と、
前記第1乃至第3の各電流路に電流を供給する電流源と、を備え、
各前記整流器の前記第1の電流路の前記一端は、当該整流器の前記第4の電流路の一端に接続されており、
各前記整流器の前記第2の電流路の前記一端は、当該整流器の前記第4の電流路の他端に接続されており、
各前記整流器の前記第1及び第2の電流路制御素子は、当該整流器の前記第4の電流路の両端間に所定の方向に電流を流す向きの電圧が印加されたとき当該整流器の前記第2の電流路を実質的に導通させるように、前記第1及び第2の電流路を断続制御し、
各前記整流器の前記第3及び第4の電流路制御素子は、当該整流器の前記第2の電流路に電流が流れたとき、当該整流器の前記第4の電流路を実質的に導通させるように、当該整流器の前記第3及び第4の電流路を断続制御し、
各前記整流器の第4の電流路の一端同士又は他端同士は互いに接続されて出力端をなし、各前記整流器の前記第4の電流路に流れる電流を重畳して前記出力端に流し、
前記第2の整流器の電流源は、前記インダクタが自己誘導する起電力により生じる電流を前記第2の整流器の第1乃至第3の電流路に供給する手段を備え、
前記第1の整流器の第4の電流路は、前記直列回路に直列に接続されており、
前記第2の整流器の第4の電流路は、前記直列回路に並列に接続されている、
ことを特徴とする。
【0030】
このような整流装置によれば、各整流器の第4の電流路のオン及びオフのタイミングは第4の電流路の両端の電位差に基づいて決定されるので、わずかな電位差の発生も正確にタイミングの決定に反映される。また、外部から供給される電圧による制御端の破壊という事態が生じない。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、この発明の第1の実施の形態に係る整流器RECT1の構成を示す回路図である。図示するように、整流器RECT1は、トランジスタQ1〜Q7と、ダイオードD1と、抵抗器R1〜R11と、コンデンサC1とより構成されている。
【0032】
トランジスタQ3及びQ4は、NPN型バイポーラトランジスタから構成されており、トランジスタQ1、Q5及びQ6は、いずれもPNP型バイポーラトランジスタから構成されている。トランジスタQ1及びQ3〜Q6は、それぞれ、ベース、エミッタ及びコレクタを備える。
トランジスタQ2は、nチャネルエンハンスメント型MOSFET(Metal-Oxide-Silicon Field Effect Transistor)より構成され、トランジスタQ7は、nチャネルJFET(接合型FET:Junction Field Effect Transistor)より構成されている。トランジスタQ2及びQ7は、それぞれ、ゲート、ソース及びドレインを備える。
【0033】
トランジスタQ1のベースはトランジスタQ3のコレクタに接続されており、トランジスタQ1のエミッタはトランジスタQ7のドレインに接続されており、トランジスタQ1のコレクタは、トランジスタQ2のゲートに接続されている。
【0034】
トランジスタQ2のゲートは、上述の通りトランジスタQ1のコレクタに接続されており、トランジスタQ2のソースは、整流器RECT1のアノードに接続されており、トランジスタQ2のドレインは、整流器RECT1のカソードに接続されている。
【0035】
トランジスタQ3のベースは、トランジスタQ5のコレクタに接続されており、トランジスタQ3のエミッタは、抵抗器R4を介してトランジスタQ2のソースに接続されており、トランジスタQ3のコレクタは、上述の通りトランジスタQ1のベースに接続されている。
【0036】
トランジスタQ4のベースは、抵抗器R10を介してトランジスタQ7のゲートに接続されており、トランジスタQ4のエミッタは、抵抗器R6を介してトランジスタQ5のベースに接続されており、トランジスタQ4のコレクタは、トランジスタQ2のドレインに接続されている。
【0037】
トランジスタQ5のベースは、上述の通り抵抗器R6を介してトランジスタQ4のコレクタに接続されており、トランジスタQ5のエミッタは、トランジスタQ6のエミッタ及びトランジスタQ7のゲートに接続されており、トランジスタQ5のコレクタは、上述の通りトランジスタQ3のベースに接続されている。
【0038】
トランジスタQ6のベースは、抵抗器R8を介してトランジスタQ6自身のエミッタに接続されており、トランジスタQ6のエミッタは、上述の通りトランジスタQ5のエミッタに接続されており、トランジスタQ6のコレクタは、トランジスタQ2のソースに接続されている。
【0039】
トランジスタQ7のゲートは、上述の通り抵抗器R10を介してトランジスタQ4のベースに接続されており、トランジスタQ7のソースは、抵抗器R11を介してトランジスタQ7自身のゲートに接続されており、トランジスタQ7のドレインは、上述の通りトランジスタQ1のエミッタに接続されている。
【0040】
ダイオードD1はアノード及びカソードを備え、抵抗器R1とカスケードに接続されて直列回路を構成している。ダイオードD1と抵抗器R1とより構成される直列回路の両端のうち、ダイオードD1のアノードに近い方の端は整流器RECT1の充電用端子に接続されており、ダイオードD1のカソードに近い方の端は、トランジスタQ1のエミッタに接続されている。
【0041】
抵抗器R2は、トランジスタQ2のゲート−ソース間にバイアス電圧を供給するためのもので、トランジスタQ2のゲート及びソースの間に接続されている。抵抗器R3は、トランジスタQ1のベース−エミッタ間にバイアス電圧を供給するためのもので、トランジスタQ1のベース及びエミッタの間に接続されている。抵抗器R4は、トランジスタQ3のコレクタ−エミッタ間に流れる電流を制限するためのもので、上述の通り、トランジスタQ2のソースとトランジスタQ3のエミッタとの間に接続されている。抵抗器R5は、トランジスタQ3のベース−エミッタ間にバイアス電圧を供給するためのもので、トランジスタQ5のコレクタとトランジスタQ2のソースとの間に接続されている。
【0042】
抵抗器R6は、上述の通り、トランジスタQ4のエミッタ及びトランジスタQ5のベースの間に接続されている。抵抗器R7は、トランジスタQ6のベース及びコレクタの間に接続されている。抵抗器R8は、上述の通り、トランジスタQ6のベース及びエミッタの間に接続されている。抵抗器R9は、トランジスタQ5のベース及びエミッタの間に接続されている。抵抗器R10は、上述の通り、トランジスタQ4のベース及びトランジスタQ7のゲートの間に接続されている。抵抗器R11は、上述の通り、トランジスタQ7のゲート及びソースの間に接続されている。
【0043】
なお、抵抗器R6〜R11の抵抗値は、整流器RECT1のアノードが整流器RECT1のカソードより高電位であるとき、トランジスタQ5のベースがトランジスタQ6のベースより低電位となり、整流器RECT1のアノードが整流器RECT1のカソードより低電位であるとき、トランジスタQ5のベースがトランジスタQ6のベースより高電位となるような値に選ばれている。
【0044】
コンデンサC1は、トランジスタQ1のエミッタとトランジスタQ2のソースとの間に接続されている。
【0045】
図2に示すように、図1の構成の整流器RECT1の充電用端子と整流器RECT1のカソードとを互いに接続し、単相交流を供給する外部の交流電源ACVの出力端の一方の極を整流器RECT1のアノードに接続し、他方の極を、外部の負荷Zを介して整流器RECT1のカソードに接続したとする。
この場合において、交流電源ACVの両極のうち、整流器RECT1のアノードに接続されている方の極が、他方の極に比べて低電位になった場合、整流器RECT1のアノードは、整流器RECT1のカソード及び充電用端子より低電位になる。
【0046】
すると、交流電源ACVから、負荷Z、整流器RECT1の充電用端子、ダイオードD1、コンデンサC1及び整流器RECT1のアノードを経て交流電源ACVに戻る電流が流れ、コンデンサC1が充電される。
【0047】
一方、整流器RECT1の内部では、整流器RECT1の充電用端子及び/又はコンデンサC1から、トランジスタQ7のドレイン−ソース間、抵抗器R11、R8及びR7を経てコンデンサC1及び/又は整流器RECT1のアノードへと至る電流が流れる。また、トランジスタQ6のエミッタ−ベース間にも電流が流れる。
【0048】
この結果、抵抗器R8の両端間には、ダイオードの順方向電圧(以下、この順方向電圧の値をVfとする。ただし、Vf>0であるとする。)にあたる大きさの電圧降下が発生する。このため、抵抗器R7及びR8の抵抗値をr7及びr8とすれば、整流器RECT1のアノードの電位を基準とした場合のトランジスタQ6のエミッタの電圧の値は、{Vf・(r7+r8)/r8}にほぼ等しくなる。
【0049】
トランジスタQ6のエミッタの電圧は、抵抗器R10を介して、トランジスタQ4のベースに印加される。そして、整流器RECT1のカソードの電圧が整流器RECT1のアノードに対し正極性で、整流器RECT1のカソードの電位を基準としたトランジスタQ4のベースの電圧がVfに至らない値であれば、トランジスタQ4のエミッタをコレクタとして、トランジスタQ4のコレクタをエミッタとしてみた場合、トランジスタQ4はオンする条件を満たさず、従ってオフする。
【0050】
トランジスタQ4がオフすると、トランジスタQ5のベースにベース電流を供給する経路は実質的に断たれる。このため、トランジスタQ5もオフする。
トランジスタQ5がオフしたとき、抵抗器R5には実質的に電流が流れないので、抵抗器R5の両端間には実質的に電圧降下が発生しない。従って、トランジスタQ6のベース−エミッタ間の電圧はほぼ0ボルトとなり、従ってトランジスタQ3もオフする。
【0051】
トランジスタQ3がオフすると、抵抗器R3には実質的に電流が流れず、抵抗器R3の両端間には実質的に電圧降下が発生しないので、トランジスタQ1のベース−エミッタ間の電圧もほぼ0ボルトとなり、トランジスタQ1もオフする。
トランジスタQ1がオフすると、抵抗器R2には実質的に電流が流れず、抵抗器R2の両端間には実質的に電圧降下が発生しないので、トランジスタQ2のゲート−ソース間の電圧もほぼ0ボルトとなり、トランジスタQ2もオフする。
従って、整流器RECT1のアノード−カソード間は実質的に遮断される。
【0052】
一方、交流電源ACVの両極のうち、整流器RECT1のアノードに接続されている方の極が、他方の極に比べて高電位になると、整流器RECT1のカソード及び充電用端子が、整流器RECT1のアノードより低電位となる。
【0053】
すると、ダイオードD1は逆バイアスされるので、交流電源ACVからコンデンサC1へと流れる電流の経路は実質的に遮断され、コンデンサC1の充電は行われなくなる。
【0054】
一方、整流器RECT1のカソードの電圧が整流器RECT1のアノードに対し負極性になり、整流器RECT1のカソードの電位を基準としたトランジスタQ4のベースの電圧がVfを超えると、トランジスタQ4はオンする。
このため、トランジスタQ4のコレクタ−エミッタ間の電圧はほぼ0ボルトとなる。そして、コンデンサC1から、トランジスタQ7のドレイン−ソース間、抵抗器R11、R9及びR6、トランジスタQ4のエミッタ−コレクタ間を経て整流器RECT1のカソードへと至る電流が流れ、抵抗器R9及びR6のそれぞれの両端間には電圧降下が発生する。
【0055】
そして、抵抗器R9及びR6に電圧降下が生じる結果、抵抗器R9及びR6の接続点に接続されているトランジスタQ5のベースが、トランジスタQ6のベースより低電位になると、トランジスタQ5はオンする。
【0056】
トランジスタQ5がオンすると、コンデンサC1から、トランジスタQ7のドレイン−ソース間、抵抗器R11、トランジスタQ5のエミッタ−コレクタ間及び抵抗器R5を経てコンデンサC1に戻る電流が流れ、抵抗器R5の両端間には、トランジスタQ3をオンさせる向きの電圧降下が発生する。従って、トランジスタQ3はオンする。
【0057】
トランジスタQ3がオンすると、コンデンサC1から、抵抗器R3、トランジスタQ3のコレクタ−エミッタ間及び抵抗器R4を経てコンデンサC1に戻る電流が流れ、抵抗器R3の両端間には、トランジスタQ1をオンさせる向きの電圧降下が発生する。従って、トランジスタQ1はオンする。
【0058】
トランジスタQ1がオンすると、コンデンサC1から、トランジスタQ1のエミッタ−コレクタ間及び抵抗器R2を経てコンデンサC1に戻る電流が流れ、抵抗器R2の両端間には、トランジスタQ2をオンさせる向きの電圧降下が発生する。従って、トランジスタQ2はオンする。
従って、整流器RECT1のアノード−カソード間が導通する。
【0059】
以上説明した動作により、図1の構成の整流器RECT1は整流を行う。整流器RECT1がオフしているとき(すなわち、トランジスタQ2がオフしているとき)、トランジスタQ1及びQ3もオフするので、トランジスタQ1〜Q3及び抵抗器R2〜R4は電力を消費しない。
また、整流器RECT1がオフしているとき、トランジスタQ4もオフするため、整流器RECT1のカソードに印加される電圧がトランジスタQ5のベースの耐圧を超える大きさであっても、トランジスタQ5は破壊の危険から保護される。
また、トランジスタQ2がオンすれば、トランジスタQ2のドレイン−ソース間のインピーダンスは十分小さくなって、両者間の電圧降下は十分低くなる。このため、トランジスタQ2は、整流の対象である電力を実質的に消費しない。
【0060】
なお、整流器RECT1の構成は、上述のものに限られない。
例えば、トランジスタQ1及びQ3〜Q6の各々については、そのコレクタが接続されるべき個所にエミッタが接続され、エミッタが接続されるべき個所にコレクタが接続されていてもよい。
また、トランジスタQ1のエミッタとトランジスタQ5及びQ6の各エミッタとの間には、トランジスタQ7及び抵抗器R11に代えて、コンデンサC1からトランジスタQ5及びQ6の各エミッタへと向かう向きに電流を流すための、任意の構成を有する定電流源が接続されていてもよい。
また、トランジスタQ1のエミッタとトランジスタQ5及びQ6の各エミッタとの間には、トランジスタQ7及び抵抗器R11や定電流源に代えて、抵抗器が接続されていてもよい。
【0061】
また、図1の構成の整流器RECT1は、図3に示すように、電池Bを備えていてもよい。この場合、図示するように、電池Bの正極はトランジスタQ1のエミッタ及びトランジスタQ7のドレインに接続され、電池Bの負極はトランジスタQ6のコレクタに接続される。
なお、図3に示すように、図1の整流器RECT1が電池Bを備える場合は、コンデンサC1、ダイオードD1、抵抗器R1及び充電用端子は不要である。
【0062】
また、図4に示すように、整流器RECT1のトランジスタQ3及びQ4がPNP型バイポーラトランジスタから構成され、トランジスタQ1、Q5及びQ6がいずれもNPN型バイポーラトランジスタから構成され、トランジスタQ2がpチャネルエンハンスメント型MOSFETより構成されていてもよい。また、図4に示すように、トランジスタQ7がpチャネルJFETより構成されていてもよい。
【0063】
ただし、整流器RECT1のトランジスタQ3及びQ4がPNP型バイポーラトランジスタから構成され、トランジスタQ1、Q5及びQ6がNPN型バイポーラトランジスタから構成され、トランジスタQ2がpチャネルエンハンスメント型MOSFETより構成されている場合、図4に示すように、トランジスタQ2のソースは整流器RECT1のカソードに接続されており、トランジスタQ2のドレインは整流器RECT1のアノードに接続されるものとする。また、ダイオードD1と抵抗器R1とより構成される直列回路の両端のうち、ダイオードD1のカソードに近い方の端は整流器RECT1の充電用端子に接続されており、ダイオードD1のアノードに近い方の端は、トランジスタQ1のエミッタに接続されるものとする。
【0064】
そして、図4に示す構成を有している整流器RECT1と、図2に示すものと実質的に同一の交流電源ACV及び負荷Zとを、図5に示すように接続したとする。すなわち、図4に示す整流器RECT1の充電用端子と整流器RECT1のアノードとを互いに接続し、交流電源ACVの出力端の一方の極を整流器RECT1のカソードに接続し、他方の極を、負荷Zを介して整流器RECT1のアノードに接続したとする。
【0065】
図4の整流器RECT1と、交流電源ACV及び負荷Zとを、図5に示すように接続した場合、整流器RECT1のアノード及び充電用端子が整流器RECT1のカソードより低電位になると、交流電源ACVから、整流器RECT1のカソード、コンデンサC1、ダイオードD1及び負荷Zを経て交流電源ACVに戻る電流が流れ、コンデンサC1が充電される。
【0066】
一方、整流器RECT1の内部では、コンデンサC1及び/又は整流器RECT1のカソードから、抵抗器R7、R8及びR11、トランジスタQ7のソース−ドレイン間を経て、整流器RECT1の充電用端子及び/又はコンデンサC1へと至る電流が流れる。また、トランジスタQ6のエミッタ−ベース間にも電流が流れる。この結果、整流器RECT1のカソードの電位を基準とした場合のトランジスタQ6のエミッタの電圧の値は、{−Vf・(r7+r8)/r8}にほぼ等しくなる。
【0067】
トランジスタQ6のエミッタの電圧はトランジスタQ4のベースに印加され、整流器RECT1のカソードの電圧が整流器RECT1のアノードに対し正極性で、整流器RECT1のアノードの電位を基準としたトランジスタQ4のベースの電圧が(−Vf)を超える値であれば、トランジスタQ4はオフする。
そして、トランジスタQ4がオフすると、トランジスタQ5、Q3、Q1及びQ2もオフする。従って、整流器RECT1のアノード−カソード間は実質的に遮断される。
【0068】
一方、整流器RECT1のカソードが、整流器RECT1のアノード及び充電用端子より低電位となると、ダイオードD1は逆バイアスされ、コンデンサC1の充電は行われなくなる。
【0069】
一方、整流器RECT1のカソードの電圧が整流器RECT1のアノードに対し負極性になり、整流器RECT1のアノードの電位を基準としたトランジスタQ4のベースの電圧が(−Vf)を下回ると、トランジスタQ4はオンする。
そして、トランジスタQ4がオンして抵抗器R9及びR6に電圧降下が生じ、トランジスタQ5のベースがトランジスタQ6のベースより高電位になると、トランジスタQ5はオンする。すると、トランジスタQ3、Q1及びQ2もオンし、整流器RECT1のアノード−カソード間が導通する。
【0070】
以上説明した動作により、図4の構成の整流器RECT1も整流を行い、整流器RECT1がオフしているとき、トランジスタQ1〜Q3及び抵抗器R2〜R4は電力を消費しない。また、整流器RECT1がオフしているとき、トランジスタQ4もオフし、トランジスタQ5は破壊の危険から保護される。また、トランジスタQ2は、オンしているとき整流の対象である電力を実質的に消費しない。
なお、図4の構成において、トランジスタQ1のエミッタとトランジスタQ5及びQ6の各エミッタとの間には、トランジスタQ7及び抵抗器R11に代えて、トランジスタQ5及びQ6の各エミッタからコンデンサC1へと向かう向きに電流を流すための、任意の構成を有する定電流源が接続されていてもよい。
また、トランジスタQ1のエミッタとトランジスタQ5及びQ6の各エミッタとの間には、トランジスタQ7及び抵抗器R11や定電流源に代えて、抵抗器が接続されていてもよい。
【0071】
また、図4の構成の整流器RECT1は、図6に示すように、電池Bを備えていてもよい。この場合、図示するように、電池Bの負極はトランジスタQ1のエミッタ及びトランジスタQ7のドレインに接続され、電池Bの正極は、トランジスタQ6のコレクタに接続される。
なお、図6に示すように、図4の整流器RECT1が電池Bを備える場合も、コンデンサC1、ダイオードD1、抵抗器R1及び充電用端子は不要である。
【0072】
また、整流器RECT1は、整流する対象の電流の大きさがトランジスタQ3のコレクタ−エミッタ間に流しうる電流の最大値以下であれば、図7や図8に示す構成を有していてもよい。
【0073】
図7の構成は、図示するように、(a1)トランジスタQ1及びQ2と抵抗器R2〜R4とを備えず、(a2)トランジスタQ3のエミッタが整流器RECT1のアノードに接続されており、トランジスタQ3のコレクタが整流器RECT1のカソードに接続されている、という各点を除いて、図1の構成と実質的に同一である。
図8の構成は、図示するように、(b1)トランジスタQ1及びQ2と抵抗器R2〜R4とを備えず、(b2)トランジスタQ3のエミッタが整流器RECT1のカソードに接続されており、トランジスタQ3のコレクタが整流器RECT1のアノードに接続されている、という各点を除いて、図4の構成と実質的に同一である。
【0074】
図7及び図8の構成の整流器RECT1においては、整流器RECT1のアノードが整流器RECT1のカソードより低電位になってトランジスタQ5がオフすれば、抵抗器R5の両端間に電圧降下が実質的に発生しなくなってトランジスタQ3がオフすることにより、整流器RECT1のアノード−カソード間は実質的に遮断される。また、整流器RECT1のアノードが整流器RECT1のカソードより高電位になってトランジスタQ5がオンすれば、抵抗器R5の両端間に電圧降下が発生してトランジスタQ3がオンすることにより、整流器RECT1のアノード−カソード間が導通する。
【0075】
また、図1、図4、図7及び図8の構成の整流器RECT1のトランジスタQ1及びQ3〜Q6のうち、NPN型バイポーラトランジスタから構成されるものはnチャネルエンハンスメント型MOSFETに置き換えられてもよい。また、PNP型バイポーラトランジスタから構成されるものは、pチャネルエンハンスメント型MOSFETに置き換えられてもよい。
ただし、差動増幅回路を構成するトランジスタQ5及びQ6は、いずれもバイポーラトランジスタから構成されているか、又はいずれもエンハンスメント型MOSFETから構成されていることが望ましい。
また、図1の構成の整流器RECT1のトランジスタQ2はNPN型バイポーラトランジスタに置き換えられてもよく、また、図4の構成の整流器RECT1のトランジスタQ2はPNP型バイポーラトランジスタに置き換えられてもよい。
【0076】
バイポーラトランジスタに代えてエンハンスメント型のMOSFETを用いる場合、バイポーラトランジスタのベースが接続されるべき箇所にはMOSFETのゲートが接続されるようにするものとする。また、バイポーラトランジスタのエミッタが接続されるべき箇所にはMOSFETのソースが接続されるようにする。また、バイポーラトランジスタのコレクタが接続されるべき箇所にはMOSFETのドレインが接続されるようにするものとする。
一方、MOSFETに代えてバイポーラトランジスタを用いる場合、MOSFETのゲートが接続されるべき箇所にはバイポーラトランジスタのベースが接続されるようにするものとする。また、MOSFETのソースが接続されるべき箇所にはバイポーラトランジスタのエミッタが接続されるようにする。また、MOSFETのドレインが接続されるべき箇所にはバイポーラトランジスタのコレクタが接続されるようにするものとする。
【0077】
なお、図1又は図7の構成の整流器RECT1、交流電源ACV及び負荷Zを互いに接続する場合、図9に示すように、交流電源ACVの出力端の一方の極を整流器RECT1のアノードに接続し、他方の極を整流器RECT1の充電用端子に接続し、更に、交流電源ACVの当該他方の極を、外部の負荷Zを介して整流器RECT1のカソードに接続してもよい。
【0078】
整流器RECT1、交流電源ACV及び負荷Zを図9に示すように接続した場合も、交流電源ACVの両極のうち、整流器RECT1のアノードに接続されている方の極が、他方の極に比べて低電位になった場合、整流器RECT1のアノードは、整流器RECT1のカソード及び充電用端子より低電位になる。
そして、交流電源ACVの両極のうち負荷Zに接続されている方の極から、整流器RECT1の充電用端子、ダイオードD1、抵抗器R1、コンデンサC1及び整流器RECT1のアノードを経て交流電源ACVに戻る電流が流れ、コンデンサC1が充電される。
【0079】
また、図1又は図7の構成の整流器RECT1、交流電源ACV及び負荷Zを互いに接続する場合、図10に示すように、交流電源ACVの出力端の一方の極を整流器RECT1のカソードに接続し、他方の極を整流器RECT1の充電用端子に接続し、更に、交流電源ACVの当該他方の極を、外部の負荷Zを介して整流器RECT1のアノードに接続してもよい。
【0080】
整流器RECT1、交流電源ACV及び負荷Zが図10に示すように接続された場合は、交流電源ACVの両極のうち、整流器RECT1のカソードに接続されている方の極が、他方の極に比べて高電位になった場合、整流器RECT1のアノードは、整流器RECT1のカソードより低電位になる。
一方、交流電源ACVの両極のうち、整流器RECT1のカソードに接続されている方の極が、他方の極に比べて低電位になった場合、交流電源ACVの両極のうち負荷Zに接続されている方の極から、整流器RECT1の充電用端子、ダイオードD1、コンデンサC1、トランジスタQ2が備える寄生ダイオード及び整流器RECT1のカソードを経て交流電源ACVに戻る電流が流れ、コンデンサC1が充電される。
【0081】
もっとも、整流器RECT1、交流電源ACV及び負荷Zが図10に示すように接続された場合、コンデンサC1の充電は、整流器RECT1がオンすべき期間(つまり、交流電源ACVの両極のうち、整流器RECT1のカソードに接続されている方の極が他方の極に比べて低電位である期間)に行われる。
そして、整流器RECT1の充電用端子に流れる電流は、トランジスタQ1及びQ3〜Q6のうちオンしているもののコレクタ−エミッタ間と、トランジスタQ7のドレイン−ゲート間にも流れる。また、トランジスタQ1のコレクタ−エミッタ間に電流を流す経路が断たれている状態では、抵抗器R2には実質的に電圧降下が発生しないので、トランジスタQ2がオンすることはない。
従って、整流器RECT1、交流電源ACV及び負荷Zが図10に示すように接続された場合、図1及び図7の構成の整流器RECT1は、必ずしもコンデンサC1を備える必要がない。
【0082】
また、図4又は図8の構成の整流器RECT1、交流電源ACV及び負荷Zを互いに接続する場合も、図10に示すように接続してよい。
整流器RECT1、交流電源ACV及び負荷Zを図10に示すように接続した場合も、交流電源ACVの両極のうち、整流器RECT1のカソードに接続されている方の極が、他方の極に比べて高電位になった場合、整流器RECT1のアノードは、整流器RECT1のカソードより低電位になる。そして、交流電源ACVから、整流器RECT1のカソード、コンデンサC1、ダイオードD1を経て交流電源ACVに戻る電流が流れ、コンデンサC1が充電される。
【0083】
また、図4又は図8の構成の整流器RECT1、交流電源ACV及び負荷Zを互いに接続する場合は、図9に示すように接続してもよい。
整流器RECT1、交流電源ACV及び負荷Zが図9に示すように接続された場合は、交流電源ACVの両極のうち、整流器RECT1のアノードに接続されている方の極が、他方の極に比べて低電位になった場合、整流器RECT1のアノードは、整流器RECT1のカソード及び充電用端子より低電位になる。
一方、交流電源ACVの両極のうち、整流器RECT1のアノードに接続されている方の極が、他方の極に比べて高電位になった場合、交流電源ACVから、整流器RECT1のアノード、トランジスタQ2の寄生ダイオード、コンデンサC1、ダイオードD1及び整流器RECT1の充電用端子を経て交流電源ACVに戻る電流が流れ、コンデンサC1が充電される。
【0084】
もっとも、整流器RECT1、交流電源ACV及び負荷Zが図9に示すように接続された場合も、コンデンサC1の充電は、整流器RECT1がオンすべき期間に行われる。また、整流器RECT1の充電用端子に流れる電流は、トランジスタQ1及びQ3〜Q6のうちオンしているもののコレクタ−エミッタ間と、トランジスタQ7のドレイン−ゲート間とにも流れる。また、トランジスタQ1のコレクタ−エミッタ間に電流を流す経路が断たれた状態では、トランジスタQ2はオンしない。従って、整流器RECT1、交流電源ACV及び負荷Zが図9に示すように接続された場合、図4及び図8の構成の整流器RECT1は、必ずしもコンデンサC1を備える必要がない。
【0085】
(第2の実施の形態)
図11は、この発明の第2の実施の形態に係る整流器RECT2の構成を示す回路図である。図示するように、整流器RECT2の構成は、
(c1)トランジスタQ3及び抵抗器R4を備えておらず、
(c2)トランジスタQ5及びQ6がいずれもNPN型バイポーラトランジスタより構成されており、
(c3)トランジスタQ5のベースは、抵抗器R6を介してトランジスタQ4のコレクタに接続されており、トランジスタQ5のエミッタは、トランジスタQ6のエミッタに接続されており、トランジスタQ5のコレクタは、トランジスタQ6のコレクタ及びトランジスタQ7のゲートに接続されており、
(c4)トランジスタQ6のベースは、抵抗器R8を介してトランジスタQ6自身のコレクタに接続されており、トランジスタQ6のエミッタは、トランジスタQ5のエミッタに接続されており、トランジスタQ6のコレクタは、トランジスタQ1のベースに接続されており、
(c5)抵抗器R5は、トランジスタQ5のエミッタとトランジスタQ2のソースとの間に接続されており、
(c6)抵抗器R7は、トランジスタQ6のベース及びトランジスタQ2のソースの間に接続されており、
(c7)抵抗器R8は、トランジスタQ6のベース及びトランジスタQ5のコレクタの間に接続されており、
(c8)抵抗器R9は、トランジスタQ5のベース及びコレクタの間に接続されている、
という各点を除いて、図1の構成と実質的に同一である。
【0086】
図11の構成の整流器RECT2を、図2に示す接続関係と実質的に同一の接続関係を有するようにして、交流電源ACV及び負荷Zに接続したとする。すなわち、図11の構成の整流器RECT2の充電用端子と整流器RECT2のカソードとを互いに接続し、交流電源ACVの出力端の一方の極を整流器RECT2のアノードに接続し、他方の極を、負荷Zを介して整流器RECT2のカソードに接続したとする。
この場合において、整流器RECT2のアノードが整流器RECT2のカソード及び充電用端子より低電位になると、コンデンサC1が充電される。
【0087】
一方、整流器RECT2の内部では、整流器RECT2の充電用端子及び/又はコンデンサC1から、トランジスタQ7のドレイン−ソース間、抵抗器R11、R8及びR7を経てコンデンサC1及び/又は整流器RECT2のアノードへと至る電流が流れる。また、トランジスタQ6のベース−エミッタ間及び抵抗器R5にも電流が流れる。
【0088】
トランジスタQ5のコレクタの電圧は、抵抗器R10を介してトランジスタQ4のベースに印加される。そして、整流器RECT2のカソードの電圧が整流器RECT2のアノードに対し正極性で、整流器RECT2のカソードの電位を基準としたトランジスタQ4のベースの電圧がVfに至らない値であれば、トランジスタQ4はオフする。
【0089】
トランジスタQ4がオフすると、抵抗器R6に実質的に電流が流れなくなるため、トランジスタQ5のベースは、トランジスタQ5自身のコレクタとほぼ同電位となり、トランジスタQ5はオンする。すると、トランジスタQ5と対をなして差動増幅回路を構成するトランジスタQ6はオフする。
【0090】
トランジスタQ6がオフすると、抵抗器R3の両端間には実質的に電圧降下が発生しないので、トランジスタQ1もオフする。トランジスタQ1がオフすると、抵抗器R2の両端間には実質的に電圧降下が発生しないので、トランジスタQ2もオフする。
従って、整流器RECT2のアノード−カソード間は実質的に遮断される。
【0091】
一方、整流器RECT2のカソード及び充電用端子が、整流器RECT2のアノードより低電位となると、ダイオードD1は逆バイアスされ、コンデンサC1の充電は行われなくなる。そして、整流器RECT2のカソードの電位を基準としたトランジスタQ4のベースの電圧がVfを超えると、トランジスタQ4はオンする。すると、抵抗器R9及びR6に電圧降下が生じる結果、抵抗器R9及びR6の接続点に接続されているトランジスタQ5のベースが、トランジスタQ6のベースより低電位になって、トランジスタQ5はオフし、トランジスタQ6はオンする。
【0092】
トランジスタQ6がオンすると、コンデンサC1から、抵抗器R3、トランジスタQ6のコレクタ及びエミッタ、抵抗器R5を経てコンデンサC1に戻る電流が流れる。このため、抵抗器R3の両端間には、トランジスタQ1をオンさせる向きの電圧降下が発生し、トランジスタQ1はオンする。トランジスタQ1がオンすると、抵抗器R2の両端間にはトランジスタQ2をオンさせる向きの電圧降下が発生し、トランジスタQ2はオンする。
従って、整流器RECT2のアノード−カソード間が導通する。
【0093】
以上説明した動作により、図11の構成の整流器RECT2は整流を行う。整流器RECT2がオフしているとき、トランジスタQ1及びQ2もオフするので、トランジスタQ1、Q2、抵抗器R2及びR3は電力を消費しない。また、整流器RECT2がオフしているとき、トランジスタQ4もオフするため、トランジスタQ5は、整流器RECT2のカソードの電圧による破壊の危険から保護される。また、トランジスタQ2がオンすれば、トランジスタQ2のドレイン−ソース間のインピーダンスは十分小さくなる。
【0094】
なお、整流器RECT2の構成も、上述のものに限られない。
例えば、トランジスタQ1のエミッタとトランジスタQ5のコレクタとの間には、トランジスタQ7及び抵抗器R11に代えて、コンデンサC1からトランジスタQ5のコレクタへと向かう向きに電流を流すための、任意の構成を有する定電流源が接続されていてもよい。
また、トランジスタQ1のエミッタとトランジスタQ5のコレクタとの間には、トランジスタQ7及び抵抗器R11や定電流源に代えて、抵抗器が接続されていてもよい。
【0095】
また図12に示すように、整流器RECT2のトランジスタQ4〜Q6がPNP型バイポーラトランジスタから構成され、トランジスタQ1がNPN型バイポーラトランジスタから構成され、トランジスタQ2がpチャネルエンハンスメント型MOSFETより構成されていてもよい。また、図12に示すように、トランジスタQ7がpチャネルJFETより構成されていてもよい。
【0096】
ただし、整流器RECT2のトランジスタQ4〜Q6がPNP型バイポーラトランジスタから構成され、トランジスタQ1がNPN型バイポーラトランジスタから構成され、トランジスタQ2がpチャネルエンハンスメント型MOSFETより構成されている場合、図12に示すように、トランジスタQ2のソースは整流器RECT2のカソードに接続されており、トランジスタQ2のドレインは整流器RECT2のアノードに接続されるものとする。また、ダイオードD1と抵抗器R1とより構成される直列回路の両端のうち、ダイオードD1のカソードに近い方の端は整流器RECT2の充電用端子に接続されており、ダイオードD1のアノードに近い方の端は、トランジスタQ1のエミッタに接続されるものとする。
【0097】
そして、図12の構成の整流器RECT2を、図5に示す接続関係と実質的に同一の接続関係を有するようにして、交流電源ACV及び負荷Zに接続したとする。すなわち、図12の整流器RECT2の充電用端子と整流器RECT2のアノードとを互いに接続し、交流電源ACVの出力端の一方の極を整流器RECT2のカソードに接続し、他方の極を、負荷Zを介して整流器RECT2のアノードに接続したとする。
【0098】
この場合において、整流器RECT2のアノードが整流器RECT2のカソード及び充電用端子より低電位になると、コンデンサC1が充電される。また、抵抗器R7及びR8やトランジスタQ6のエミッタ−ベース間にも電流が流れる。そして、整流器RECT2のカソードの電圧が整流器RECT2のアノードに対し正極性で、整流器RECT2のアノードの電位を基準としたトランジスタQ4のベースの電圧が(−Vf)を超える値であれば、トランジスタQ4はオフする。
トランジスタQ4がオフすると、トランジスタQ5がオンしてトランジスタQ6はオフする。トランジスタQ6がオフするとトランジスタQ1及びQ2もオフし、従って、整流器RECT2のアノード−カソード間は実質的に遮断される。
【0099】
一方、整流器RECT2のカソード及び充電用端子が、整流器RECT2のアノードより低電位となると、ダイオードD1は逆バイアスされ、コンデンサC1の充電は行われなくなる。そして、整流器RECT2のアノードの電位を基準としたトランジスタQ4のベースの電圧が(−Vf)を下回ると、トランジスタQ4はオンする。すると、抵抗器R9及びR6に電圧降下が生じ、トランジスタQ5はオフし、トランジスタQ6はオンする。トランジスタQ6がオンすると、トランジスタQ1及びQ2もオンし、整流器RECT2のアノード−カソード間が導通する。
以上説明した動作により、図12の構成の整流器RECT2も整流を行う。
【0100】
また、図11及び図12の構成の整流器RECT2のトランジスタQ1及びQ4〜Q6のうち、NPN型バイポーラトランジスタから構成されるものはnチャネルエンハンスメント型MOSFETに置き換えられてもよい。また、PNP型バイポーラトランジスタから構成されるものは、pチャネルエンハンスメント型MOSFETに置き換えられてもよい。
ただし、差動増幅回路を構成するトランジスタQ5及びQ6は、いずれもバイポーラトランジスタから構成されているか、又はいずれもエンハンスメント型MOSFETから構成されていることが望ましい。
また、図11の構成の整流器RECT2のトランジスタQ2はNPN型バイポーラトランジスタに置き換えられてもよく、また、図12の構成の整流器RECT2のトランジスタQ2はPNP型バイポーラトランジスタに置き換えられてもよい。
【0101】
バイポーラトランジスタに代えてエンハンスメント型のMOSFETを用いる場合、バイポーラトランジスタのベースが接続されるべき箇所にはMOSFETのゲートが接続されるようにするものとする。また、バイポーラトランジスタのエミッタが接続されるべき箇所にはMOSFETのソースが接続されるようにする。また、バイポーラトランジスタのコレクタが接続されるべき箇所にはMOSFETのドレインが接続されるようにするものとする。
一方、MOSFETに代えてバイポーラトランジスタを用いる場合、MOSFETのゲートが接続されるべき箇所にはバイポーラトランジスタのベースが接続されるようにするものとする。また、MOSFETのソースが接続されるべき箇所にはバイポーラトランジスタのエミッタが接続されるようにする。また、MOSFETのドレインが接続されるべき箇所にはバイポーラトランジスタのコレクタが接続されるようにするものとする。
【0102】
なお、図11又は図12の構成の整流器RECT2、交流電源ACV及び負荷Zを、図9又は図10に示す接続関係と実質的に同一の接続関係を有するようにして接続してもよい。
【0103】
図11の構成の整流器RECT2、交流電源ACV及び負荷Zを、図9に示す接続関係と実質的に同一の接続関係を有するようにして接続し、又は、図12の構成の整流器RECT2、交流電源ACV及び負荷Zを図10に示す接続関係と実質的に同一の接続関係を有するようにして接続したとする。この場合は、交流電源ACVの両極のうち整流器RECT2のカソードに接続されている方の極が他方の極に比べて高電位になったとき、又は、交流電源ACVの両極のうち整流器RECT2のアノードに接続されている方の極が、他方の極に比べて低電位になったとき、整流器RECT2のアノードが整流器RECT2のカソード及び充電用端子より低電位になり、また、コンデンサC1が充電される。
【0104】
一方、図11の構成の整流器RECT2、交流電源ACV及び負荷Zを、図10に示す接続関係と実質的に同一の接続関係を有するようにして接続し、又は、図12の構成の整流器RECT2、交流電源ACV及び負荷Zを図9に示す接続関係と実質的に同一の接続関係を有するようにして接続したとする。この場合、コンデンサC1の充電は、整流器RECT2がオンすべき期間に行われる。そして、整流器RECT2の充電用端子に流れる電流は、トランジスタQ1及びQ4〜Q6のうちオンしているもののコレクタ−エミッタ間と、トランジスタQ7のドレイン−ゲート間とにも流れる。また、トランジスタQ1のコレクタ−エミッタ間に電流を流す経路が断たれた状態ではトランジスタQ2はオンしない。従って、この場合、図11及び図12の整流器RECT2は、必ずしもコンデンサC1を備える必要がない。
【0105】
(第3の実施の形態)
図13は、この発明の第3の実施の形態に係る整流器RECT3の構成を示す回路図である。図示するように、整流器RECT3は、トランジスタQ8〜Q11と、ダイオードD2と、抵抗器R12〜R15と、コンデンサC2とより構成されている。
【0106】
トランジスタQ9〜Q11は、NPN型バイポーラトランジスタから構成されており、それぞれ、ベース、エミッタ及びコレクタを備える。トランジスタQ8は、nチャネルエンハンスメント型MOSFETより構成され、ゲート、ソース及びドレインを備える。
【0107】
トランジスタQ8のゲートは、トランジスタQ9のエミッタに接続されており、トランジスタQ8のソースは、整流器RECT3のアノードに接続されており、トランジスタQ8のドレインは、整流器RECT3のカソードに接続されている。
【0108】
トランジスタQ9のベースは、トランジスタQ11のエミッタに接続されており、トランジスタQ9のエミッタは、上述の通りトランジスタQ8のゲートに接続されており、トランジスタQ9のコレクタは、コンデンサC2の両端のうちトランジスタQ8に接続されていない方の端に接続されている。
【0109】
トランジスタQ10のベースは、トランジスタQ11のベースに接続されており、トランジスタQ10のエミッタは、トランジスタQ10自身のベースに接続されており、トランジスタQ10のコレクタは、トランジスタQ8のドレインに接続されている。
【0110】
トランジスタQ11のベースは、上述の通りトランジスタQ10のベースに接続されており、トランジスタQ11のエミッタは、上述の通りトランジスタQ9のベースに接続されており、トランジスタQ11のコレクタは、トランジスタQ8のソースに接続されている。
【0111】
ダイオードD2はアノード及びカソードを備え、抵抗器R12とカスケードに接続されて直列回路を構成している。ダイオードD2と抵抗器R12とより構成される直列回路の両端のうち、ダイオードD2のアノードに近い方の端は整流器RECT3の充電用端子に接続されており、ダイオードD2のカソードに近い方の端は、トランジスタQ9のコレクタに接続されている。
【0112】
抵抗器R13は、トランジスタQ8のゲート−ソース間にバイアス電圧を供給するためのもので、トランジスタQ8のゲート及びソースの間に接続されている。
抵抗器R14は、トランジスタQ10にベース電流及びコレクタ電流を供給するためのもので、トランジスタQ10のエミッタとトランジスタQ9のコレクタとの間に接続されている。
抵抗器R15は、トランジスタQ11にコレクタ電流を供給するためのもので、トランジスタQ11のエミッタとトランジスタQ9のコレクタとの間に接続されている。
【0113】
コンデンサC2は、トランジスタQ8のソースとトランジスタQ9のコレクタとの間に接続されている。
【0114】
図13の構成の整流器RECT3を、図2に示す接続関係と実質的に同一の接続関係を有するようにして、交流電源ACV及び負荷Zに接続したとする。すなわち、図13の構成の整流器RECT3の充電用端子と整流器RECT3のカソードとを互いに接続し、交流電源ACVの出力端の一方の極を整流器RECT3のアノードに接続し、他方の極を、負荷Zを介して整流器RECT3のカソードに接続したとする。
この場合において、整流器RECT3のアノードが整流器RECT3のカソード及び充電用端子より低電位になると、コンデンサC2が充電される。
【0115】
一方、トランジスタQ10がオンした場合は、整流器RECT3の充電用端子及び/又はコンデンサC2から、抵抗器R14、トランジスタQ10のベース−コレクタ間を、整流器RECT3のカソード、負荷、交流電源ACVを経てコンデンサC2及び/又は整流器RECT3のアノードへと至る電流が流れる。
また、トランジスタQ11がオンした場合は、整流器RECT3の充電用端子及び/又はコンデンサC2から、抵抗器R14、トランジスタQ11のベース−コレクタ間を経てコンデンサC2及び/又は整流器RECT3のアノードへと至る電流が流れる。
【0116】
ただし、トランジスタQ11のコレクタを基準とした場合のトランジスタQ11のベースの電圧と、トランジスタQ10のコレクタを基準とした場合のトランジスタQ10のベースの電圧とのうち高い方の電圧は実質的にVfに等しくなる。このため、トランジスタQ10及びQ11のうち、各自のコレクタを基準としたベースの電圧が高い方がオンすれば、他方は、そのコレクタを基準としたベースの電圧がVfに達せず、従ってオフする。
【0117】
そして、整流器RECT3のアノードが整流器RECT3のカソード及び充電用端子より低電位になった場合は、トランジスタQ11のコレクタを基準とした場合のトランジスタQ11のベースの電圧は、トランジスタQ10のコレクタを基準とした場合のトランジスタQ10のベースの電圧より高くなる。従って、トランジスタQ11がオンして、トランジスタQ10はオフする。
【0118】
トランジスタQ11がオンすると、トランジスタQ9のベースは整流器RECT3のアノードと実質的に同電位になり、一方、トランジスタQ9のエミッタは抵抗器R13を介して整流器RECT3のアノードに接続されている。このため、トランジスタQ9のベースは、トランジスタQ9自身のエミッタとほぼ同電位(又はトランジスタQ9自身のエミッタより低電位)となる。従って、トランジスタQ9はオフする。トランジスタQ9がオフすると、抵抗器R13の両端間には実質的に電圧降下が発生しないので、トランジスタQ8もオフする。
従って、整流器RECT3のアノード−カソード間は実質的に遮断される。
【0119】
そして、整流器RECT3のアノードが整流器RECT3のカソード及び充電用端子より高電位になった場合は、トランジスタQ10のコレクタを基準とした場合のトランジスタQ10のベースの電圧は、トランジスタQ11のコレクタを基準とした場合のトランジスタQ11のベースの電圧より高くなる。従って、トランジスタQ10がオンして、トランジスタQ11はオフする。
【0120】
トランジスタQ11がオフすると、コンデンサC2から、抵抗器R15を経てトランジスタQ9のベースへとベース電流が流れ、トランジスタQ9はオンする。トランジスタQ9がオンすると、抵抗器R13の両端間には、トランジスタQ8をオンさせる向きの電圧降下が発生し、トランジスタQ8がオンする。
従って、整流器RECT3のアノード−カソード間が導通する。
【0121】
以上説明した動作により、図13の構成の整流器RECT3は整流を行う。整流器RECT3がオフしているとき、トランジスタQ8及びQ9がオフするので、トランジスタQ8及びQ9は電力を消費しない。
また、トランジスタQ10のエミッタがトランジスタQ10のコレクタに対し正極性である間は、トランジスタQ10のベース−コレクタ間の電位差はVfを超えないので、トランジスタQ10のベース及びコレクタの接合部は破壊されない。同様に、トランジスタQ11のエミッタがトランジスタQ10のコレクタに対し正極性である間は、トランジスタQ11のベース−コレクタ間の電位差はVfを超えないので、トランジスタQ11のベース及びコレクタの接合部は破壊されない。
また、トランジスタQ10のエミッタがトランジスタQ10のコレクタに対し負極性である間は、トランジスタQ10のベース−コレクタ間の電位差が、ベース及びコレクタの接合部の耐圧を超えない限り、この接合部は破壊されない。
従って、トランジスタQ10及びQ11は、整流器RECT3のアノードやカソードの電圧による破壊の危険から保護される。また、トランジスタQ8がオンすれば、トランジスタQ8のドレイン−ソース間のインピーダンスは十分小さくなる。
【0122】
なお、整流器RECT3の構成も、上述のものに限られない。
例えば、トランジスタQ9〜Q11の各々については、そのコレクタが接続されるべき個所にエミッタが接続され、エミッタが接続されるべき個所にコレクタが接続されていてもよい。ただし、一般に、バイポーラトランジスタのコレクタ−ベース間の耐圧は、そのバイポーラトランジスタのベース−エミッタ間の耐圧より高い。このため、トランジスタQ10及びQ11の各エミッタが整流器RECT3のアノード及びカソードに接続されている構成より、トランジスタQ10及びQ11の各コレクタが整流器RECT3のアノード及びカソードに接続されている構成の方が、一般に、トランジスタQ10及びQ11のコレクタ及びベースの接合部が破壊されにくい。
【0123】
また、図13の整流器RECT3は、図14に示すように、ツェナーダイオードDz1を備えていてもよい。
ツェナーダイオードDz1はアノード及びカソードを備えている。ツェナーダイオードDz1のアノードは、トランジスタQ8のソースに接続され、ツェナーダイオードDz1のカソードは、トランジスタQ9のコレクタに接続される。
そして、ツェナーダイオードDz1のツェナー電圧は、Vfより大きく、且つ、トランジスタQ11のベース−エミッタ間の耐圧より小さい。
【0124】
図14の構成においては、コンデンサC2が充電されると、コンデンサC2の両端のうちトランジスタQ9に接続されている方の端には、他方の端に対して正極性の電圧が発生する。従って、図14の構成において、ツェナーダイオードDz1は、充電されたコンデンサC2が発生する電圧により逆バイアスされ、ツェナーダイオードDz1の両端間の電圧(すなわち、コンデンサC2の両端間の電圧)は、ツェナーダイオードDz1のツェナー電圧以下に保たれる。
一方、トランジスタQ11のコレクタはコンデンサC2に接続されており、また、トランジスタQ11のエミッタは、抵抗器R15を介してコンデンサC2に接続されている。この結果、トランジスタQ11のベース−エミッタ間の電圧は、ツェナーダイオードDz1のツェナー電圧以下、すなわち、トランジスタQ11のベース−エミッタ間の耐圧以下に保たれる。これにより、トランジスタQ11のベース及びエミッタの接合面の破壊が防止される。
【0125】
また、図13の整流器RECT3は、図15に示すように、ツェナーダイオードDz2を備えていてもよい。
ツェナーダイオードDz2もアノード及びカソードを備え、ツェナーダイオードDz2のアノードは、トランジスタQ11のコレクタに接続され、ツェナーダイオードDz2のカソードは、トランジスタQ11のエミッタに接続される。
そして、ツェナーダイオードDz2のツェナー電圧も、Vfより大きく、且つ、トランジスタQ11のベース−エミッタ間の耐圧より小さい。
【0126】
図15の構成においては、トランジスタQ11がオフしているとき、トランジスタQ11のエミッタ−コレクタ間には、充電されたコンデンサC2が発生する電圧が印加され、トランジスタQ11のエミッタの電圧は、トランジスタQ11のコレクタに対して正極性となる。従ってツェナーダイオードDz1は逆バイアスされ、ツェナーダイオードDz1の両端間の電圧(すなわち、トランジスタQ11のコレクタ−エミッタ間の電圧)は、ツェナーダイオードDz1のツェナー電圧以下に保たれる。この結果、トランジスタQ11のベース−エミッタ間の電圧は、ツェナーダイオードDz1のツェナー電圧以下、すなわち、トランジスタQ11のベース−エミッタ間の耐圧以下に保たれる。これにより、トランジスタQ11のベース及びエミッタの接合面の破壊が防止される。
なお、図13の整流器RECT3は、図14に示すツェナーダイオードDz1と図15に示すツェナーダイオードDz2とを両方備えていてもよい。
【0127】
また、図16に示すように、整流器RECT3のトランジスタQ9〜Q11がPNP型バイポーラトランジスタから構成され、トランジスタQ8がpチャネルエンハンスメント型MOSFETより構成されていてもよい。
【0128】
ただし、整流器RECT3のトランジスタQ9〜Q11がPNP型バイポーラトランジスタから構成され、トランジスタQ8がpチャネルエンハンスメント型MOSFETより構成されている場合、図16に示すように、トランジスタQ8のソースは整流器RECT3のカソードに接続されており、トランジスタQ8のドレインは整流器RECT3のアノードに接続されるものとする。また、ダイオードD2と抵抗器R12とより構成される直列回路の両端のうち、ダイオードD2のカソードに近い方の端は整流器RECT3の充電用端子に接続されており、ダイオードD2のアノードに近い方の端は、トランジスタQ9のコレクタに接続されるものとする。
【0129】
そして、図16の構成の整流器RECT3を、図5に示す接続関係と実質的に同一の接続関係を有するようにして、交流電源ACV及び負荷Zに接続したとする。すなわち、図16の整流器RECT3の充電用端子と整流器RECT3のアノードとを互いに接続し、交流電源ACVの出力端の一方の極を整流器RECT3のカソードに接続し、他方の極を、負荷Zを介して整流器RECT3のアノードに接続したとする。この場合、整流器RECT3のアノード及び充電用端子が整流器RECT3のカソードより低電位になると、コンデンサC2が充電される。
【0130】
一方、整流器RECT3のアノード及び充電用端子が整流器RECT3のカソードより高電位になりトランジスタQ10がオンした場合は、コンデンサC2及び/又は整流器RECT3のカソードから、交流電源ACV、負荷Z、整流器RECT3のアノード、トランジスタQ10のコレクタ−ベース間及び抵抗器R14を経て、整流器RECT3の充電用端子及び/又はコンデンサC2へと至る電流が流れる。
また、整流器RECT3のアノード及び充電用端子が整流器RECT3のカソードより低電位になりトランジスタQ11がオンした場合は、コンデンサC2及び/又は整流器RECT3のカソードから、トランジスタQ10のコレクタ−ベース間及び抵抗器R14を経て、整流器RECT3の充電用端子及び/又はコンデンサC2へと至る電流が流れる。
【0131】
ただし、トランジスタQ11のコレクタを基準とした場合のトランジスタQ11のベースの電圧と、トランジスタQ10のコレクタを基準とした場合のトランジスタQ10のベースの電圧とのうち低い方の電圧は実質的に(−Vf)に等しくなる。このため、トランジスタQ10及びQ11のうち、各自のコレクタを基準としたベースの電圧が低い方がオンすれば、他方は、そのコレクタを基準としたベースの電圧が(−Vf)を超え、従ってオフする。
【0132】
そして、整流器RECT3のアノード及び充電用端子が整流器RECT3のカソードより低電位になった場合は、トランジスタQ11のコレクタを基準とした場合のトランジスタQ11のベースの電圧は、トランジスタQ10のコレクタを基準とした場合のトランジスタQ10のベースの電圧より低くなる。従って、トランジスタQ11がオンして、トランジスタQ10はオフする。
トランジスタQ11がオンすると、トランジスタQ9のベースは、トランジスタQ9自身のエミッタとほぼ同電位(又はトランジスタQ9自身のエミッタより高電位)となり、トランジスタQ9はオフする。すると、トランジスタQ8もオフする。従って、整流器RECT3のアノード−カソード間は実質的に遮断される。
【0133】
一方、整流器RECT3のアノード及び充電用端子が整流器RECT3のカソードより高電位になった場合は、トランジスタQ10のコレクタを基準とした場合のトランジスタQ10のベースの電圧は、トランジスタQ11のコレクタを基準とした場合のトランジスタQ11のベースの電圧より低くなる。従って、トランジスタQ10がオンして、トランジスタQ11はオフする。
トランジスタQ11がオフすると、トランジスタQ9のベースへとベース電流が流れ、トランジスタQ9はオンする。すると、抵抗器R13の両端間には、トランジスタQ8をオンさせる向きの電圧降下が発生し、トランジスタQ8がオンする。従って、整流器RECT3のアノード−カソード間が導通する。
以上説明した動作により、図16の構成の整流器RECT3も整流を行う。
【0134】
また、図17に示すように、図14の構成の整流器RECT3においても、トランジスタQ9〜Q11はPNP型バイポーラトランジスタから構成され、トランジスタQ8はpチャネルエンハンスメント型MOSFETより構成されていてもよい。ただし、この場合、図17に示すように、ツェナーダイオードDz1のアノードは、トランジスタQ9のコレクタに接続され、ツェナーダイオードDz1のカソードは、トランジスタQ8のソースに接続されるものとする。
【0135】
図17の構成においては、コンデンサC2が充電されると、コンデンサC2の両端のうちトランジスタQ9に接続されている方の端には、他方の端に対して負極性の電圧が発生する。このため、ツェナーダイオードDz1が逆バイアスされ、コンデンサC2の両端間の電圧は、ツェナーダイオードDz1のツェナー電圧以下(つまり、トランジスタQ11のベース−エミッタ間の耐圧以下)に保たれる。これにより、トランジスタQ11のベース及びエミッタの接合面の破壊が防止される。
【0136】
また、図18に示すように、図15の構成の整流器RECT3においても、トランジスタQ9〜Q11はPNP型バイポーラトランジスタから構成され、トランジスタQ8はpチャネルエンハンスメント型MOSFETより構成されていてもよい。ただし、この場合、図18に示すように、ツェナーダイオードDz2のアノードは、トランジスタQ11のエミッタに接続され、ツェナーダイオードDz2のカソードは、トランジスタQ11のコレクタに接続される。
【0137】
図18の構成においては、トランジスタQ11がオフしているとき、トランジスタQ11のエミッタの電圧は、トランジスタQ11のコレクタに対して負極性となる。従ってツェナーダイオードDz1は逆バイアスされ、トランジスタQ11のコレクタ−エミッタ間の電圧は、ツェナーダイオードDz1のツェナー電圧以下(つまり、トランジスタQ11のベース−エミッタ間の耐圧以下)に保たれる。これにより、トランジスタQ11のベース及びエミッタの接合面の破壊が防止される。
なお、図18の整流器RECT3は、図17に示すツェナーダイオードDz1と図18に示すツェナーダイオードDz2とを両方備えていてもよい。
【0138】
また、図13〜図15の整流器RECT3のトランジスタQ9はnチャネルエンハンスメント型MOSFETに置き換えられてもよく、また、図16〜図18の整流器RECT3のトランジスタQ9はpチャネルエンハンスメント型MOSFETに置き換えられてもよい。
また、図13〜図15の構成の整流器RECT3のトランジスタQ8はNPN型バイポーラトランジスタに置き換えられてもよく、また、図16〜図18の構成の整流器RECT3のトランジスタQ2はPNP型バイポーラトランジスタに置き換えられてもよい。
バイポーラトランジスタに代えてエンハンスメント型のMOSFETを用いる場合、バイポーラトランジスタのベースが接続されるべき箇所にはMOSFETのゲートが接続されるようにするものとする。また、バイポーラトランジスタのエミッタが接続されるべき箇所にはMOSFETのソースが接続されるようにする。また、バイポーラトランジスタのコレクタが接続されるべき箇所にはMOSFETのドレインが接続されるようにするものとする。
一方、MOSFETに代えてバイポーラトランジスタを用いる場合、MOSFETのゲートが接続されるべき箇所にはバイポーラトランジスタのベースが接続されるようにするものとする。また、MOSFETのソースが接続されるべき箇所にはバイポーラトランジスタのエミッタが接続されるようにする。また、MOSFETのドレインが接続されるべき箇所にはバイポーラトランジスタのコレクタが接続されるようにするものとする。
【0139】
なお、図13〜図15又は図16〜図18の構成の整流器RECT3、交流電源ACV及び負荷Zを、図9又は図10に示す接続関係と実質的に同一の接続関係を有するようにして接続してもよい。
【0140】
図13〜図15のいずれかの構成の整流器RECT3、交流電源ACV及び負荷Zを、図9に示す接続関係と実質的に同一の接続関係を有するようにして接続し、又は、図16〜図18のいずれかの構成の整流器RECT3、交流電源ACV及び負荷Zを図10に示す接続関係と実質的に同一の接続関係を有するようにして接続したとする。この場合は、交流電源ACVの両極のうち整流器RECT3のカソードに接続されている方の極が他方の極に比べて高電位になったとき、又は、交流電源ACVの両極のうち整流器RECT3のアノードに接続されている方の極が、他方の極に比べて低電位になったとき、整流器RECT3のアノードが整流器RECT3のカソード及び充電用端子より低電位になり、また、コンデンサC2が充電される。
【0141】
一方、図13〜図15のいずれかの構成の整流器RECT3、交流電源ACV及び負荷Zを、図10に示す接続関係と実質的に同一の接続関係を有するようにして接続し、又は、図16〜図18のいずれかの構成の整流器RECT3、交流電源ACV及び負荷Zを図9に示す接続関係と実質的に同一の接続関係を有するようにして接続したとする。この場合、コンデンサC2の充電は、整流器RECT3がオンすべき期間に行われる。そして、整流器RECT3の充電用端子に流れる電流は、トランジスタQ9〜Q11のうちオンしているもののコレクタ−エミッタ間にも流れる。また、トランジスタQ9のコレクタ−エミッタ間に電流を流す経路が断たれた状態では、抵抗器R13には実質的に電圧降下が発生せず、トランジスタQ8はオンしない。従って、この場合、図13及び図16の整流器RECT3は、必ずしもコンデンサC2を備える必要がない。
【0142】
(第4の実施の形態)
次に、この発明の第4の実施の形態にかかる整流回路を図19に示す。
この整流回路は、図示するように、整流器Ra及びRbと、変成器T1とより構成される。
整流器Ra及びRbは、いずれも、図1及び図7に示す整流器RECT1、図11に示す整流器RECT2、図13に示す整流器RECT3のうちいずれかと実質的に同一の構成を有し、それぞれ、アノード、カソード及び充電用端子を備える。
【0143】
整流器Ra及びRbの各アノードは、変成器T1の後述の二次巻線の両端に1対1に接続されている。整流器Ra及びRbの各カソードは互いに接続され、この整流回路の電源出力端の正極をなす。整流器Ra及びRbの各充電用端子は、いずれも変成器T1の後述する中点タップに接続されている。
【0144】
変成器T1は、互いに誘導結合された一次巻線及び二次巻線を備え、二次巻線のほぼ中点には、中点タップが設けられている。変成器T1の一次巻線の両端はこの整流回路の電源入力端の両極をなす。変成器T1の二次巻線の両端は、上述の通り、整流器Ra及びRbの各アノードに、1対1に接続されている。二次巻線の中点タップは、この整流回路の電源出力端の負極をなす。
【0145】
この整流回路の電源出力端の正極と負極との間に外部の負荷Zを接続し、電源入力端の両極間に、整流する対象の単相交流電圧を供給する交流電源ACVを接続したとする。この場合、この整流回路の変成器T1の二次巻線の両端には、交流電源ACVが供給する単相交流電圧に実質的に比例した振幅の単相交流電圧が発生し、二次巻線の各極は、二次巻線の中点タップの電位を基準とした極性を交互に反転させる。
【0146】
そして、変成器T1の二次巻線の両端のうち、整流器Raのアノードに接続されている方の電圧が、二次巻線の中点タップの電位に対し正極性となったとする。このとき、整流器Raのカソードは、負荷を介して二次巻線の中点タップに接続されているので、整流器Raのアノードは、整流器Raのカソードより高電位となる。従って、整流器Raのアノード−カソード間は導通し、変成器T1の二次巻線のうち整流器Raのアノードに接続されている方の端から、整流器Raのアノード及びカソード、負荷Zを順に経て変成器T1の二次巻線の中点タップに至る電流が流れる。
しかし、整流器Raの充電用端子に印加されている中点タップの電圧は、整流器Raのアノードの電位に対して負極性である。従って、整流器Raが備えるコンデンサC1(又はコンデンサC2)の充電は行われない。
【0147】
一方、変成器T1の二次巻線の両端のうち整流器Raのアノードに接続されている方の電圧が二次巻線の中点タップの電位に対し正極性となったとき、二次巻線の他方の端は、中点タップの電位に対して負極性となる。そして、整流器Rbのカソードは、負荷を介して二次巻線の中点タップに接続されているので、整流器Rbのアノードは、整流器Rbのカソードより低電位となる。従って、整流器Rbのアノード−カソード間は実質的に遮断される。
しかし、整流器Rbの充電用端子に印加されている中点タップの電圧は、整流器Rbのアノードの電位に対して正極性である。従って、整流器Raが備えるコンデンサC1(又はコンデンサC2)が充電される。
【0148】
逆に、変成器T1の二次巻線の両端のうち、整流器Raのアノードに接続されている方の電圧が、二次巻線の中点タップの電位に対し負極性となった場合、整流器Raのアノードは整流器Raのカソードより低電位となり、整流器Rbのアノードは整流器Rbのカソードより高電位となる。
従って、整流器Rbのアノード−カソード間は導通し、変成器T1の二次巻線のうち整流器Rbのアノードに接続されている方の端から、整流器Rbのアノード及びカソード、外部の負荷を順に経て変成器T1の二次巻線の中点タップに至る電流が流れる。ただし整流器RbのコンデンサC1(又はコンデンサC2)の充電は行われない。
一方、整流器Raのアノード−カソード間は実質的に遮断され、整流器RaのコンデンサC1(又はコンデンサC2)が充電される。
【0149】
以上の動作が繰り返されることにより、図19の整流回路は、全波整流を行う。図19の整流回路においては、整流する対象の単相交流電圧が電源入力端に印加された結果変成器T1の二次巻線に生じる電圧が、整流器Ra及びRbが備えるコンデンサC1又はC2を充電するための電圧として、整流器Ra及びRbに供給される。
【0150】
なお、この整流回路の構成も、上述のものに限られない。
たとえば、この整流回路は、図20に示す構成を有していてもよい。
図20に示す整流回路の構成は、図示するように、整流器Raの充電用端子が整流器Rbのアノードに接続され、整流器Rbの充電用端子が整流器Raのアノードに接続されている点を除いて、図19に示す構成と実質的に同一である。
【0151】
図20の構成においても、整流器Raのアノードの電圧が二次巻線の中点タップの電位に対し正極性となると、整流器Raの充電用端子の電圧は、整流器Raのアノードの電位に対して負極性となり、また整流器Rbの充電用端子の電圧は、整流器Rbのアノードの電位に対して正極性となる。従って、整流器Raのアノード−カソード間が導通して整流器Rbのアノード−カソード間が遮断される間、整流器Rbが備えるコンデンサC1(又はコンデンサC2)が充電される。
一方で、整流器Raのアノードの電圧が二次巻線の中点タップの電位に対し負極性となると、整流器Raの充電用端子の電圧は、整流器Raのアノードの電位に対して正極性となり、また整流器Rbの充電用端子の電圧は、整流器Rbのアノードの電位に対して負極性となる。従って、整流器Rbのアノード−カソード間が導通して整流器Raのアノード−カソード間が遮断される間、整流器Raが備えるコンデンサC1(又はコンデンサC2)が充電される。
従って、図20の整流回路も全波整流を行い、また変成器T1の二次巻線に生じる電圧により、整流器Ra及びRbが備えるコンデンサC1又はC2が充電される。
【0152】
図20の構成で、整流器Ra及びRbのコンデンサC1(又はコンデンサC2)に充電時に印加される電圧は、変成器T1の二次巻線の両端間に生じる交流電圧の振幅が等しければ図19の構成の整流器Ra及びRbのコンデンサC1(又はコンデンサC2)に充電時に印加される電圧より高い。従って、図20の構成では、図19の構成に比べ、コンデンサC1(又はコンデンサC2)が効率的に充電される。
【0153】
なお、図19及び図20の構成において、整流器Ra及びRbは、いずれも、図4及び図8に示す整流器RECT1、図12に示す整流器RECT2、図16に示す整流器RECT3のうちいずれかと実質的に同一の構成を有していてもよい。この場合、整流器Ra及びRbのコンデンサC1(又はコンデンサC2)の充電は、各自が属する整流器がオンすべき期間に行われるので、整流器Ra及びRbは、必ずしもコンデンサC1(又はコンデンサC2)を備える必要がない。
【0154】
また、整流器Ra及びRbは、いずれも、図4及び図8に示す整流器RECT1、図12に示す整流器RECT2、図16に示す整流器RECT3のうちいずれかと実質的に同一の構成を有している場合、この整流回路は、たとえば図21あるいは図22に示す構成を有していればよい。
【0155】
図21の構成は、図示するように、(d1)整流器Ra及びRbの各カソードが、変成器T1の二次巻線の両端に1対1に接続されており、(d2)整流器Ra及びRbの各アノードが互いに接続されてこの整流回路の電源出力端の負極をなしており、(d3)変成器T1の二次巻線の中点タップがこの整流回路の電源出力端の正極をなしている、という点を除き、図19の構成と実質的に同一である。
また、図22の構成は、図示するように、(d1)〜(d3)として上述した点を除き、図20の構成と実質的に同一である。
【0156】
図21や図22の整流回路においては、整流器Raのカソードの電圧が二次巻線の中点タップの電位に対し負極性となると、整流器Raの充電用端子の電圧は、整流器Raのカソードの電位に対して正極性となり、また整流器Rbの充電用端子の電圧は、整流器Rbのカソードの電位に対して負極性となる。従って、整流器Raのアノード−カソード間が導通して整流器Rbのアノード−カソード間が遮断される間、整流器Rbが備えるコンデンサC1(又はコンデンサC2)が充電される。
一方で、整流器Raのカソードの電圧が二次巻線の中点タップの電位に対し正極性となると、整流器Raの充電用端子の電圧は、整流器Raのカソードの電位に対して負極性となり、また整流器Rbの充電用端子の電圧は、整流器Rbのカソードの電位に対して正極性となる。従って、整流器Rbのアノード−カソード間が導通して整流器Raのアノード−カソード間が遮断される間、整流器Raが備えるコンデンサC1(又はコンデンサC2)が充電される。
【0157】
なお、図21及び図22の構成において、整流器Ra及びRbは、いずれも、図1及び図7に示す整流器RECT1、図11に示す整流器RECT2、図13に示す整流器RECT3のうちいずれかと実質的に同一の構成を有していてもよい。この場合、整流器Ra及びRbのコンデンサC1(又はコンデンサC2)の充電は、各自が属する整流器がオンすべき期間に行われるので、整流器Ra及びRbは、必ずしもコンデンサC1(又はコンデンサC2)を備える必要がない。
【0158】
(第5の実施の形態)
次に、この発明の第5の実施の形態にかかる整流回路を図23に示す。
この整流回路は、図示するように、整流器Rc及びRdと、変成器T2と、コイルLとより構成される。
整流器Rc及びRdは、いずれも、図1及び図7に示す整流器RECT1、図11に示す整流器RECT2、図13に示す整流器RECT3のうちいずれかと実質的に同一の構成を有し、それぞれ、アノード、カソード及び充電用端子を備える。
【0159】
整流器Rc及びRdの各アノードは、変成器T2の後述の二次巻線の両端に1対1に接続されている。整流器Rc及びRdの各カソードと、整流器Rc及びRdの各充電用端子と、コイルLの一端とは互いに接続されている。なお、コイルLの他端は、この整流回路の電源出力端の正極をなす。
【0160】
変成器T2は、互いに誘導結合された一次巻線及び二次巻線を備えている。変成器T2の一次巻線の両端はこの整流回路の入力端の両極をなす。変成器T2の二次巻線の両端は、上述の通り、整流器Rc及びRdの各アノードに、1対1に接続されている。そして、二次巻線の両端のうち、整流器Rdに接続されているほうの端は、この整流回路の電源出力端の負極をなす。
【0161】
この整流回路の電源出力端の正極と負極との間に負荷Zを接続し、電源入力端の両極間に交流電源ACVを接続して、交流電源ACVが単相交流電圧を供給したとする。
【0162】
この場合、変成器T2の二次巻線の両端のうち整流器Rcに接続されているほうの端が他方の端より高電位になると、整流器Rcのアノードは整流器Rcのカソード及び充電用端子より高電位となって、整流器Rcのアノード−カソード間は導通する。従って、変成器T2の二次巻線から、整流器Rc、コイルL、負荷Zを順に経て変成器T2の二次巻線に戻る電流が流れる。そして、この整流回路の電源出力端の正極は負極の電位に対し正極の電圧となる。
一方、整流器Rdのアノードは整流器Rdのカソード及び充電用端子より低電位となって、整流器Rdのアノード−カソード間は実質的に遮断され、整流器RdのコンデンサC1(又はコンデンサC2)が充電される。
【0163】
この場合、変成器T2の二次巻線の両端のうち整流器Rcに接続されているほうの端が他方の端より低電位になると、整流器Rcのアノードは整流器Rcのカソード及び充電用端子より低電位となって、整流器Rcのアノード−カソード間は遮断される。そして、整流器RcのコンデンサC1(又はコンデンサC2)が充電される。
一方、コイルLの両端には、この整流回路の電源出力端の正極に接続された方の端が他方の端に対して正極性となるような向きの逆起電力が発生する。このため、整流器Rdのアノードが整流器Rdのカソード及び充電用端子より高電位となって、整流器Rdのアノード−カソード間は導通する。従って、コイルLから、負荷Z及び整流器Rdのアノード−カソード間を順に経てコイルLに戻る電流が流れる。そして、この整流回路の電源出力端の正極は負極の電位に対し正極の電圧を保つ。
【0164】
以上の動作が繰り返されることにより、図23の整流回路は、負荷に、極性が一定の電力を供給する。図23の整流回路では、変成器T2の二次巻線に生じる電圧や、コイルLに生じた逆起電力による電圧が、整流器Rc及びRdが備えるコンデンサC1又はC2を充電するための電圧として、整流器Rc及びRdに供給される。
【0165】
なお、この整流回路の構成も、上述のものに限られない。
たとえば、この整流回路は、図24に示す構成を有していてもよい。
図24に示す整流回路の構成は、図示するように、整流器Rdの充電用端子が電源出力端の正極に接続されている点を除いて、図23に示す構成と実質的に同一である。また、図24の構成の動作は、図23の構成の動作と実質的に同一である。
【0166】
また、整流器Rc及びRdは、いずれも、図4及び図8に示す整流器RECT1、図12に示す整流器RECT2、図16に示す整流器RECT3のうちいずれかと実質的に同一の構成を有していてもよい。この場合、この整流回路は、たとえば図25あるいは図26に示す構成を有していればよい。
【0167】
図25の構成は、図示するように、(e1)整流器Rc及びRdの各カソードが、変成器T2の二次巻線の両端に1対1に接続されており、(e2)整流器Rc及びRdの各アノード及び各充電用端子と、コイルLの一端が互いに接続されていて、コイルLの他端がこの整流回路の電源出力端の負極をなしており、(e3)変成器T2の二次巻線の両端のうち整流器Rdに接続されている方の端がこの整流回路の電源出力端の正極をなしている、という点を除き、図23の構成と実質的に同一である。
また、図26の構成は、図示するように、(e1)〜(e3)として上述した点を除き、図24の構成と実質的に同一である。
【0168】
図25や図26の構成の整流回路の電源出力端の正極と負極との間に負荷Zを接続し、電源入力端の両極間に交流電源ACVを接続して、交流電源ACVが単相交流電圧を供給した場合、変成器T2の二次巻線の両端のうち整流器Rcに接続されているほうの端が他方の端より低電位になると、整流器Rcのアノード−カソード間は導通し、変成器T2の二次巻線から、負荷Z、コイルL及び整流器Rcを順に経て変成器T2の二次巻線に戻る電流が流れる。一方、整流器Rdのアノード−カソード間は実質的に遮断され、整流器RdのコンデンサC1(又はコンデンサC2)が充電される。
また、変成器T2の二次巻線の両端のうち整流器Rcに接続されている方の端が他方の端より高電位になると、整流器Rcのアノード−カソード間は遮断される。そして、整流器RcのコンデンサC1(又はコンデンサC2)が充電される。一方、コイルLの両端には、この整流回路の電源出力端の負極に接続された方の端が他方の端に対して負極性となるような向きの逆起電力が発生する。このため整流器Rdのアノード−カソード間は導通し、コイルLから、整流器Rdのアノード−カソード間及び負荷Zを順に経てコイルLに戻る電流が流れる。
以上の動作が繰り返されることにより、図25及び図26の整流回路は、負荷に、極性が一定の電力を供給する。
【0169】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、オン及びオフのタイミングが正確に決められる整流器及び整流装置や、耐圧が大きい整流器及び整流装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態に係る整流器の構成を示す回路図である。
【図2】図1の整流器と交流電源と負荷との接続関係を示す回路図である。
【図3】図1の整流器の変形例を示す回路図である。
【図4】図1の整流器の変形例を示す回路図である。
【図5】図4の整流器と交流電源と負荷との接続関係を示す回路図である。
【図6】図4の整流器の変形例を示す回路図である。
【図7】図1の整流器の変形例を示す回路図である。
【図8】図4の整流器の変形例を示す回路図である。
【図9】図1又は図7の整流器と交流電源と負荷との接続関係を示す回路図である。
【図10】図4又は図8の整流器と交流電源と負荷との接続関係を示す回路図である。
【図11】この発明の第2の実施の形態に係る整流器の構成を示す回路図である。
【図12】図11の整流器の変形例を示す回路図である。
【図13】この発明の第3の実施の形態に係る整流器の構成を示す回路図である。
【図14】図13の整流器の変形例を示す回路図である。
【図15】図13の整流器の変形例を示す回路図である。
【図16】図13の整流器の変形例を示す回路図である。
【図17】図16の整流器の変形例を示す回路図である。
【図18】図16の整流器の変形例を示す回路図である。
【図19】この発明の第4の実施の形態に係る整流回路の構成を示す回路図である。
【図20】図19の整流回路の変形例を示す回路図である。
【図21】図19の整流回路の変形例を示す回路図である。
【図22】図21の整流回路の変形例を示す回路図である。
【図23】この発明の第5の実施の形態に係る整流回路の構成を示す回路図である。
【図24】図23の整流回路の変形例を示す回路図である。
【図25】図23の整流回路の変形例を示す回路図である。
【図26】図24の整流回路の変形例を示す回路図である。
【符号の説明】
RECT1〜RECT3、Ra〜Rd 整流器
Q1〜Q11 トランジスタ
D1、D2 ダイオード
Dz1、Dz2 ツェナーダイオード
R1〜R15 抵抗器
C1、C2 コンデンサ
T1、T2 変成器
L コイル
ACV 交流電源
Z 負荷
Claims (19)
- 第1の制御端及び第1の電流路を備え、前記第1の制御端の電圧を検知し、検知した結果に従って、前記第1の電流路を断続制御する第1の電流路制御手段と、
前記第1の電流路に電流を供給する電流源と、
第2の電流路を備え、前記第1の電流路に流れる電流を検知し、検知した結果に従って、前記第2の電流路を断続制御する第2の電流路制御手段と、
一対の出力端を備え、前記出力端の一方が前記第2の電流路の一端に接続され、前記一対の出力端間に基準電圧を発生する基準電圧源と、
前記第2の電流路の他端と前記基準電圧源の出力端の前記他端との間の電位差を表す電圧を発生して前記第1の制御端に印加する分圧手段と、を備え、
前記第1及び第2の電流路制御手段は、前記第2の電流路の両端間に所定の向きの電圧が印加されたとき前記第2の電流路に電流を流すよう、各自の電流路を断続制御し、
前記分圧手段は、前記第1の制御端に印加する電圧が所定範囲の値であるか否かを判別し、所定範囲の値でないと判別したとき、前記第1の制御端に所定範囲の値を有する電圧を印加する制御端保護手段を備える、
ことを特徴とする整流器。 - 前記第1の電流路制御手段は、前記第1の電流路の一端と前記第1の制御端との間の電圧を検知し、検知した結果に従って、前記第1の電流路を断続制御するものであり、
前記分圧手段は、前記第2の電流路の前記他端と前記基準電圧源の出力端の前記他端との間に接続された電位差検出用の負荷を備えており、
前記第1の電流路の前記一端及び前記第1の制御端は、前記電位差検出用の負荷の両端に一対一に接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の整流器。 - 前記第1の電流路に直列に接続された電流検出用の負荷を備え、
前記第2の電流路制御手段は第2の制御端を備え、前記第2の電流路のいずれかの端と前記第2の制御端との間の電圧を検知し、検知した結果に従って、前記第2の電流路を断続制御するものであり、前記第2の電流路のいずれかの端及び前記第2の制御端は、前記電流検出用の負荷の両端に一対一に接続されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の整流器。 - 前記第1及び第2の電流路制御手段のうち少なくとも一方は、ベースから構成される前記制御端と、エミッタ及びコレクタを両端とする前記電流路とを備えるバイポーラトランジスタから構成される、
ことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の整流器。 - 前記第1及び第2の電流路制御手段のうち少なくとも一方は、ゲートから構成される前記制御端と、ソース及びドレインを両端とする前記電流路とを備える電界効果トランジスタから構成される、
ことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の整流器。 - 電流を供給する電流源と、
一端が電位差検出用の負荷を介して前記電流源に接続された第1の電流路を備え、前記第1の電流路の他端の電圧を検知し、検知した結果に従って前記第1の電流路を断続制御することにより、前記電流源から前記第1の電流路へと供給される電流を断続する第1の電流路制御手段と、
第1の制御端及び第2の電流路を備え、前記第1の制御端に印加された電圧を検知し、検知した結果に従って、前記第2の電流路を断続制御する第2の電流路制御手段と、
前記電位差検出用の負荷に発生する電圧降下の量を表す電圧を発生して前記第1の制御端に印加する第1の分圧手段と、を備え、
前記第1の電流路の前記他端は前記第2の電流路の一端に接続されており、
前記第1及び第2の電流路制御手段は、前記第2の電流路の両端間に所定の向きの電圧が印加されたとき前記第2の電流路に電流を流すよう、各自の電流路を断続制御し、
前記第1の分圧手段は、前記第1の制御端に印加する電圧が所定範囲の値であるか否かを判別し、所定範囲の値でないと判別したとき、前記第1の制御端に所定範囲の値を有する電圧を印加する制御端保護手段を備える、
ことを特徴とする整流器。 - 前記第2の電流路制御手段は、
前記電流源と前記第2の電流路の他端との間に接続された参照用負荷と、
前記第1の制御端と、第2の制御端と、前記第2の電流路とを備え、前記第1の制御端に印加された電圧及び前記第2の制御端に印加された電圧の大小関係を判別して、判別結果に基づき、前記第2の電流路を断続制御する比較制御手段と、
前記参照用の負荷に発生する電圧降下の量を表す電圧を発生して前記第2の制御端に印加する第2の分圧手段と、を備える、
ことを特徴とする請求項6に記載の整流器。 - 前記第1及び第2の電流路制御手段のうち少なくとも一方は、ベースから構成される前記制御端と、エミッタ及びコレクタを両端とする前記電流路とを備えるバイポーラトランジスタから構成される、
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の整流器。 - 前記第1及び第2の電流路制御手段のうち少なくとも一方は、ゲートから構成される前記第1の制御端と、ソース及びドレインを両端とする前記電流路とを備える電界効果トランジスタから構成される、
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の整流器。 - 前記電流源は、外部より供給される電流により充電されるキャパシタから構成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の整流器。 - 第1の電流路と、第1の制御端とを備え、前記第1の電流路の一端及び前記第1の制御端の電位差を一定値以下に保ち、当該電位差を検知して、検知した結果に従って、前記第1の電流路を断続制御する第1の電流路制御素子と、
第2の電流路と、前記第1の制御端に接続された第2の制御端とを備え、前記第2の電流路の一端及び前記第の制御端の電位差を一定値以下に保ち、当該電位差を検知して、検知した結果に従って、前記第2の電流路を断続制御する第2の電流路制御素子と、
前記第2の電流路に直列に接続された第1の負荷と、
第3の電流路を備え、前記第1の負荷の両端間に発生した電圧降下の大きさを検知し、検知した結果に従って、前記第3の電流路を断続制御する第3の電流路制御素子と、
前記第3の電流路に直列に接続された第2の負荷と、
第4の電流路を備え、前記第2の負荷の両端間に発生した電圧降下の大きさを検知し、検知した結果に従って、前記第4の電流路を断続制御する第4の電流路制御素子と、
外部より供給される電流により充電されるキャパシタより構成され、前記第1乃至第3の各電流路に電流を供給する電流源と、を備え、
前記第1の電流路の前記一端は前記第4の電流路の一端に接続されており、
前記第2の電流路の前記一端は前記第4の電流路の他端に接続されており、
前記第1及び第2の電流路制御素子は、前記第4の電流路の両端間に所定の方向に電流を流す向きの電圧が印加されたとき前記第2の電流路を実質的に導通させるように、前記第1及び第2の電流路を断続制御し、
前記第3及び第4の電流路制御素子は、前記第2の電流路に電流が流れたとき、前記第4の電流路を実質的に導通させるように、前記第3及び第4の電流路を断続制御する、
ことを特徴とする整流器。 - 前記第2の電流路制御素子は、第2の制御端の電位を、前記第2の電流路の両端の一方の電位以上且つ他方の電位以下に保つものであり、
前記第2の電流路の両端間の電圧を、前記第2の電流路の各端と前記第2の制御端との間の耐圧以下に規制する手段を備える、
ことを特徴とする請求項11に記載の整流器。 - 前記第2の電流路制御素子は、第2の制御端の電位を、前記第2の電流路の両端の一方の電位以上且つ他方の電位以下に保つものであり、
前記キャパシタの両端間の電圧を、前記第2の電流路の各端と前記第2の制御端との間の耐圧以下に規制する手段を備える、
ことを特徴とする請求項11又は12に記載の整流器。 - 互いに実質的に逆相の1対の交流電圧が供給されたとき、これらの交流電圧をそれぞれ半波整流し、半波整流により得られた互いに実質的に逆相の電圧を重畳して出力することにより前記交流電圧を全波整流する整流装置であって、
1対の整流器を備え、各々の前記整流器は、
第1の制御端及び第1の電流路を備え、前記第1の制御端の電圧を検知し、検知した結果に従って、前記第1の電流路を断続制御する第1の電流路制御手段と、
前記第1の電流路に電流を供給する電流源と、
第2の電流路を備え、前記第1の電流路に流れる電流を検知し、検知した結果に従って、前記第2の電流路を断続制御する第2の電流路制御手段と、
一対の出力端を備え、前記出力端の一方が前記第2の電流路の一端に接続され、前記一対の出力端間に基準電圧を発生する基準電圧源と、
前記第2の電流路の他端と前記基準電圧源の出力端の前記他端との間の電位差を表す電圧を発生して前記第1の制御端に印加する分圧手段と、を備え、
前記第1及び第2の電流路制御手段は、前記第2の電流路の両端間に所定の向きの電圧が印加されたとき前記第2の電流路に電流を流すよう、各自の電流路を断続制御し、
各前記整流器の分圧手段は、前記第1の制御端に印加する電圧が所定範囲の値であるか否かを判別し、所定範囲の値でないと判別したとき、前記第1の制御端に所定範囲の値を有する電圧を印加する制御端保護手段を備え、
各前記整流器の電流源は、自己を含まない整流器の前記第2の電流路に前記所定の向きと反対の向きの電圧が印加されているとき当該電圧により発生する電流を、自己を含む整流器の前記第1の電流路に供給する手段を備え、
各前記整流器の前記第2の電流路の一端同士又は他端同士は互いに接続されて出力端をなし、各前記整流器の前記第2の電流路に流れる電流を重畳して前記出力端に流す、
ことを特徴とする整流装置。 - 互いに実質的に逆相の1対の交流電圧が供給されたとき、これらの交流電圧をそれぞれ半波整流し、半波整流により得られた互いに実質的に逆相の電圧を重畳して出力することにより前記交流電圧を全波整流する整流装置であって、
1対の整流器を備え、各々の前記整流器は、
電流を供給する電流源と、
一端が電位差検出用の負荷を介して前記電流源に接続された第1の電流路を備え、前記第1の電流路の他端の電圧を検知し、検知した結果に従って前記第1の電流路を断続制御することにより、前記電流源から前記第1の電流路へと供給される電流を断続する第1の電流路制御手段と、
第1の制御端及び第2の電流路を備え、前記第1の制御端に印加された電圧を検知し、検知した結果に従って、前記第2の電流路を断続制御する第2の電流路制御手段と、
前記電位差検出用の負荷に発生する電圧降下の量を表す電圧を発生して前記制御端に印加する分圧手段と、を備え、
各前記整流器の第1の電流路の前記他端は当該整流器の第2の電流路の一端に接続されており、
各前記整流器の第1及び第2の電流路制御手段は、当該整流器の第2の電流路の両端間に所定の向きの電圧が印加されたとき当該第2の電流路に電流を流すよう、各自の電流路を断続制御し、
各前記整流器の分圧手段は、当該整流器の第1の制御端に印加する電圧が所定範囲の値であるか否かを判別し、所定範囲の値でないと判別したとき、当該第1の制御端に所定範囲の値を有する電圧を印加する制御端保護手段を備え、
各前記整流器の電流源は、自己を含まない整流器の前記第2の電流路に前記所定の向きと反対の向きの電圧が印加されているとき当該電圧により発生する電流を供給する手段を備え、
各前記整流器の前記第2の電流路の一端同士又は他端同士は互いに接続されて出力端をなし、各前記整流器の前記第2の電流路に流れる電流を重畳して前記出力端に流す、
ことを特徴とする整流装置。 - 互いに実質的に逆相の1対の交流電圧が供給されたとき、これらの交流電圧をそれぞれ半波整流し、半波整流により得られた互いに実質的に逆相の電圧を重畳して出力することにより前記交流電圧を全波整流する整流装置であって、
1対の整流器を備え、各々の前記整流器は、
第1の電流路と、第1の制御端とを備え、前記第1の電流路の一端及び前記第1の制御端の電位差を一定値以下に保ち、当該電位差を検知して、検知した結果に従って、前記第1の電流路を断続制御する第1の電流路制御素子と、
第2の電流路と、前記第1の制御端に接続された第2の制御端とを備え、前記第2の電流路の一端及び前記第の制御端の電位差を一定値以下に保ち、当該電位差を検知して、検知した結果に従って、前記第2の電流路を断続制御する第2の電流路制御素子と、
前記第2の電流路に直列に接続された第1の負荷と、
第3の電流路を備え、前記第1の負荷の両端間に発生した電圧降下の大きさを検知し、検知した結果に従って、前記第3の電流路を断続制御する第3の電流路制御素子と、
前記第3の電流路に直列に接続された第2の負荷と、
第4の電流路を備え、前記第2の負荷の両端間に発生した電圧降下の大きさを検知し、検知した結果に従って、前記第4の電流路を断続制御する第4の電流路制御素子と、
前記第1乃至第3の各電流路に電流を供給する電流源と、を備え、
各前記整流器の前記第1の電流路の前記一端は、当該整流器の前記第4の電流路の一端に接続されており、
各前記整流器の前記第2の電流路の前記一端は、当該整流器の前記第4の電流路の他端に接続されており、
各前記整流器の前記第1及び第2の電流路制御素子は、当該整流器の前記第4の電流路の両端間に所定の方向に電流を流す向きの電圧が印加されたとき当該整流器の前記第1の電流路を実質的に導通させるように、当該整流器の前記第1及び第2の電流路を断続制御し、
各前記整流器の基準電位源は、自己を含まない整流器の前記第4の電流路に前記所定の向きと反対の向きの電圧が印加されているとき当該電圧により発生する電流を、自己を含む整流器の前記第1乃至第3の電流路に供給する手段を備え、各前記整流器の前記第3及び第4の電流路制御素子は、当該整流器の第2の電流路に電流が流れたとき、当該整流器の第4の電流路を実質的に導通させるように、当該整流器の第3及び第4の電流路を断続制御し、
各前記整流器の前記第4の電流路の一端同士又は他端同士は互いに接続されて出力端をなし、各前記整流器の前記第4の電流路に流れる電流を重畳して前記出力端に流す、
ことを特徴とする整流装置。 - 外部の負荷に直列に接続されて直列回路を構成するインダクタと、
交流電圧が供給されたとき、当該交流電圧を半波整流し、半波整流により得られる電流を前記インダクタ及び前記外部の負荷に流す第1の整流器と、
前記第1の整流器から前記インダクタに供給される電流が実質的に供給されない間に前記インダクタが自己誘導する起電力により生じる電流を前記外部の負荷に流す第2の整流器と、を備え、
前記第1及び第2の整流器は、
第1の制御端及び第1の電流路を備え、前記第1の制御端の電圧を検知し、検知した結果に従って、前記第1の電流路を断続制御する第1の電流路制御手段と、
前記第1の電流路に電流を供給する電流源と、
第2の電流路を備え、前記第1の電流路に流れる電流を検知し、検知した結果に従って、前記第2の電流路を断続制御する第2の電流路制御手段と、
一対の出力端を備え、前記出力端の一方が前記第2の電流路の一端に接続され、前記一対の出力端間に基準電圧を発生する基準電圧源と、
前記第2の電流路の他端と前記基準電圧源の出力端の前記他端との間の電位差を表す電圧を発生して前記第1の制御端に印加する分圧手段と、を備え、
前記第1及び第2の整流器の第1及び第2の電流路制御手段は、前記第2の電流路の両端間に所定の向きの電圧が印加されたとき前記第2の電流路に電流を流すよう、各自の電流路を断続制御し、
前記第1及び第2の整流器の分圧手段は、前記第1の制御端に印加する電圧が所定範囲の値であるか否かを判別し、所定範囲の値でないと判別したとき、前記第1の制御端に所定範囲の値を有する電圧を印加する制御端保護手段を備え、
前記第2の整流器の電流源は、前記インダクタが自己誘導する起電力により生じる電流を前記第2の整流器の第1の電流路に供給する手段を備え、
前記第1の整流器の第2の電流路は、前記直列回路に直列に接続されており、
前記第2の整流器の第2の電流路は、前記直列回路に並列に接続されている、
ことを特徴とする整流装置。 - 外部の負荷に直列に接続されて直列回路を構成するインダクタと、
交流電圧が供給されたとき、当該交流電圧を半波整流し、半波整流により得られる電流を前記インダクタ及び前記外部の負荷に流す第1の整流器と、
前記第1の整流器から前記インダクタに供給される電流が実質的に供給されない間に前記インダクタが自己誘導する起電力により生じる電流を前記外部の負荷に流す第2の整流器と、を備え、
前記第1及び第2の整流器は、
電流を供給する電流源と、
一端が電位差検出用の負荷を介して前記電流源に接続された第1の電流路を備え、前記第1の電流路の他端の電圧を検知し、検知した結果に従って前記第1の電流路を断続制御することにより、前記電流源から前記第1の電流路へと供給される電流を断続する第1の電流路制御手段と、
第1の制御端及び第2の電流路を備え、前記第1の制御端に印加された電圧を検知し、検知した結果に従って、前記第2の電流路を断続制御する第2の電流路制御手段と、
前記電位差検出用の負荷に発生する電圧降下の量を表す電圧を発生して前記第1の制御端に印加する分圧手段と、を備え、
各前記整流器の第1の電流路の前記他端は当該整流器の第2の電流路の一端に接続されており、
前記第1及び第2の整流器の第1及び第2の電流路制御手段は、当該整流器の第2の電流路の両端間に所定の向きの電圧が印加されたとき当該第2の電流路に電流を流すよう、各自の電流路を断続制御し、
前記第1及び第2の整流器の分圧手段は、当該整流器の第1の制御端に印加する電圧が所定範囲の値であるか否かを判別し、所定範囲の値でないと判別したとき、当該第1の制御端に所定範囲の値を有する電圧を印加する制御端保護手段を備え、
前記第2の整流器の電流源は、前記インダクタが自己誘導する起電力により生じる電流を前記第2の整流器の第1の電流路へと供給する手段を備え、
前記第1の整流器の第2の電流路は、前記直列回路に直列に接続されており、
前記第2の整流器の第2の電流路は、前記直列回路に並列に接続されている、
ことを特徴とする整流装置。 - 外部の負荷に直列に接続されて直列回路を構成するインダクタと、
交流電圧が供給されたとき、当該交流電圧を半波整流し、半波整流により得られる電流を前記インダクタ及び前記外部の負荷に流す第1の整流器と、
前記第1の整流器から前記インダクタに供給される電流が実質的に供給されない間に前記インダクタが自己誘導する起電力により生じる電流を前記外部の負荷に流す第2の整流器と、を備え、
前記第1及び第2の整流器は、
第1の電流路と、第1の制御端とを備え、前記第1の電流路の一端及び前記第1の制御端の電位差を一定値以下に保ち、当該電位差を検知して、検知した結果に従って、前記第1の電流路を断続制御する第1の電流路制御素子と、
第2の電流路と、前記第1の制御端に接続された第2の制御端とを備え、前記第2の電流路の一端及び前記第の制御端の電位差を一定値以下に保ち、当該電位差を検知して、検知した結果に従って、前記第2の電流路を断続制御する第2の電流路制御素子と、
前記第2の電流路に直列に接続された第1の負荷と、
第3の電流路を備え、前記第1の負荷の両端間に発生した電圧降下の大きさを検知し、検知した結果に従って、前記第3の電流路を断続制御する第3の電流路制御素子と、
前記第3の電流路に直列に接続された第2の負荷と、
第4の電流路を備え、前記第2の負荷の両端間に発生した電圧降下の大きさを検知し、検知した結果に従って、前記第4の電流路を断続制御する第4の電流路制御素子と、
前記第1乃至第3の各電流路に電流を供給する電流源と、を備え、
各前記整流器の前記第1の電流路の前記一端は、当該整流器の前記第4の電流路の一端に接続されており、
各前記整流器の前記第2の電流路の前記一端は、当該整流器の前記第4の電流路の他端に接続されており、
各前記整流器の前記第1及び第2の電流路制御素子は、当該整流器の前記第4の電流路の両端間に所定の方向に電流を流す向きの電圧が印加されたとき当該整流器の前記第2の電流路を実質的に導通させるように、前記第1及び第2の電流路を断続制御し、
各前記整流器の前記第3及び第4の電流路制御素子は、当該整流器の前記第2の電流路に電流が流れたとき、当該整流器の前記第4の電流路を実質的に導通させるように、当該整流器の前記第3及び第4の電流路を断続制御し、
各前記整流器の第4の電流路の一端同士又は他端同士は互いに接続されて出力端をなし、各前記整流器の前記第4の電流路に流れる電流を重畳して前記出力端に流し、
前記第2の整流器の電流源は、前記インダクタが自己誘導する起電力により生じる電流を前記第2の整流器の第1乃至第3の電流路に供給する手段を備え、
前記第1の整流器の第4の電流路は、前記直列回路に直列に接続されており、前記第2の整流器の第4の電流路は、前記直列回路に並列に接続されている、
ことを特徴とする整流装置。
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