JP3692817B2 - インピーダンス測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子部品のインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来におけるこの種のインピーダンス測定装置は、複数の端子を有する電子部品と、この電子部品の端子に当接させられる複数の測定接点と、この測定接点と測定器とを接続したリード線とを備え、前記測定接点を可動自在とし、電子部品のインピーダンス測定のためにその端子に測定接点を可動させて当接させるようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例においては可動接点の可動のたびに、それに接続されたリード線が変形し、その態様が一定しないためにインピーダンス測定が安定して行えないという課題があった。
【0004】
これは、特に小さなインピーダンスを有する電子部品の測定時においては大きな問題となっていた。
【0005】
そこで本発明は特に低インピーダンス測定が正しく行えるようにすることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そしてこの目的を達成するために本発明は、複数の端子を有する電子部品と、この電子部品の端子に当接させられる複数の測定接点と、この測定接点と測定器とを接続した弾性板よりなる接続体とを備え、前記測定接点を中部を軸支し、バネで押し上げられている後端側をレバーで押し下げることで可動自在にするとともに、この測定接点の軸支部近傍に前記接続体の一端側を接続し、この接続体の他端側を配線体に固定したものであって、電子部品のインピーダンス測定のためにその端子に中部を軸支した測定接点を可動させて当接した場合に、その測定接点の軸支部近傍にその一端側を固定した接続体も測定接点の可動にともなって変形するが、この接続体は弾性板で形成しているため測定接点を電子部品の接点に当接させた場合の態様が都度略一定となるので、特に低インピーダンスの測定が正しく行えることになる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1の発明は、複数の端子を有する電子部品と、この電子部品の端子に当接させる複数の測定接点と、この測定接点と測定器とを接続した弾性板よりなる接続体とを備え、前記測定接点を中部を軸支し、バネで押し上げられている後端側をレバーで押し下げることで可動自在にするとともに、この測定接点の軸支部近傍に前記接続体の一端側を接続し、この接続体の他端側を配線体に固定したインピーダンス測定装置としたものであって、電子部品のインピーダンス測定のためにその端子に中部を軸支した測定接点を可動させて当接した場合に、この測定接点にその一端側を固定した接続体も測定接点の可動にともなって変形するが、この接続体は弾性板で形成しているため測定接点を電子部品の接点に当接させた場合に態様が都度略一定となり、さらに測定接点の軸支部近傍に接続体の一端を取付けたことにより、測定接点を電子部品の端子に当接させるために可動させた場合でも、可動距離の少ない軸支部近傍に接続体の一端を取付けることにより、この接続体の変形度合が小さくなり、よってこの接続体の態様も一定となりやすく、インピーダンスの測定が正しく行えるという作用を奏する。
【0009】
本発明の請求項2の発明は、接続体の一端の測定接点の取付部より上方において、この接続体の他端を配線体に固定した請求項1に記載のインピーダンス測定装置としたものであって、接続体の他端を配線体に固定した部分が接続体の一端を測定接点の取付部より上方側とすることにより、測定接点の可動時における接続体の変形度合を小さくすることができ、よってこの接続体の態様も一定となりやすく、これによりインピーダンスの測定が正しく行えるという作用を奏する。
【0010】
本発明の請求項3の発明は、接続体とステンレス板によって形成した請求項1〜2のいずれか一つに記載のインピーダンス測定装置としたものであって、ステンレス板は硬くてそれ自体に弾性があり、しかも腐食しにくく、長期にわたって安定した形態を保ち、よって長期にわたるインピーダンス測定を安定させることができるという作用を奏する。
【0011】
本発明の請求項4の発明は、板状の接続体をその中部において湾曲させるとともに、この接続体の一端側に対応する測定接点には切欠を設けた請求項1〜3のいずれか一つに記載のインピーダンス測定装置としたものであって、測定接点の可動にともなう接続体の変形時に、この接続体の一端側においてそれが測定接点に強く当接することがなくなり、これによりこの接続体の一端側における応力集中が生じず、この結果として長期にわたってインピーダンス測定が正しく行えるという作用を奏する。
【0012】
本発明の請求項5の発明は、板状の接続体をその中部において湾曲させるとともに、この接続体の他端側に対応する配線体には切欠を設けた請求項1〜4のいずれか一つに記載のインピーダンス測定装置としたものであって、測定接点の可動にともなう接続体の変形時に、この接続体の他端側においてそれが配線体に強く当接することがなくなり、これによりこの接続体の他端側における応力集中が生じず、この結果として長期にわたってインピーダンス測定が正しく行えるという作用を奏する。
【0013】
以下、本発明の一実施の形態を図面を用いて説明する。
【0014】
本発明の実施の形態におけるインピーダンス装置は、図1に示すごとく複数の端子1を有する電子部品2と、この電子部品2の端子1に当接させられる複数の測定接点3〜6と、この測定接点3〜6と測定器(図2の7)とを接続した弾性板よりなる接続体8〜11とを備え、前記測定接点3〜6を軸12,13によって可動自在にするとともに、この測定接点3〜6に前記接続体8〜11の一端側をネジ14によって接続するとともに固定し、この接続体8〜11の他端側を絶縁体よりなる枠形状の配線体15にネジ16によって固定するとともに、測定器7からのリード線17と電気的に接続している。
【0015】
つまり、搬送ベルト18によって間欠的に搬送される電子部品2のインピーダンス測定のために、その端子1に測定接点3〜6を下方に可動させて当接させ、その状態で測定器7でインピーダンス測定を行う。この場合、この測定接点3〜6にその一端側を固定した接続体8〜11も測定接点3〜6の可動にともなって変形するが、この接続体8〜11は弾性板で形成しているため測定接点3〜6を電子部品2の端子1に当接させた場合の態様が都度略一定となるので、インピーダンスの測定が正しく行えることになる。
【0016】
また、前記測定接点3〜6はその中部が軸12,13によって軸支されており、この軸支部近傍の接続部3a〜6aに接続体8〜11の一端を取付けたものであって、測定接点3〜6の軸支部近傍に接続体8〜11の一端を取付けたことにより、上述のごとく測定接点3〜6を電子部品2の端子1に当接させるために可動させた場合でも、可動距離の少ない軸支部近傍に接続体8〜11の一端を取付けることにより、この接続体8〜11の変形度合が小さくなり、よってこの接続体8〜11の態様も一定となりやすく、これによりインピーダンスの測定が正しく行えることになるのである。
【0017】
さらにこの図1に示すごとく接続体8〜11の一端の測定接点3〜6の取付部より上方において、この接続体8〜11の他端を配線体15に固定しており、接続体8〜11の他端を配線体15に固定した部分が接続体8〜11の一端を測定接点3〜6の取付部より上方側とすることにより、測定接点3〜6の可動時における接続体8〜11の変形度合を小さくすることができ、よってこの接続体8〜11の態様も一定となりやすく、これによりインピーダンスの測定が正しく行えることになるのである。
【0018】
この点に関して図3を用いて説明すると(a)が本実施の形態を示し、その時の測定接点3〜6側の変位量を一点鎖線で示している。(b)は本実施の形態の逆の場合を示し、測定接点3〜6側が上方になる場合を示しており、その時の測定接点3〜6側の変位量を同じく一点鎖線で示している。
【0019】
これら(a)(b)の比較から明らかなように(a)の方が変形度合を小さくすることができる。
【0020】
また、前記接続体8〜11はステンレス板によって形成しており、ステンレス板は硬質でそれ自体に弾性があり、しかも腐食しにくく、長期にわたって安定した形態を保ち、よって長期にわたるインピーダンス測定を安定させることができるのである。
【0021】
さらにまた、前記板状の接続体8〜11はその中部において図1に示すごとく湾曲させているが、この接続体8〜11の一端側に対応する測定接点3〜6の接続部3a〜6aには切欠Aを設けており、測定接点3〜6の可動にともなう接続体8〜11の変形時に、この接続体8〜11の一端側においてそれが測定接点3〜6の接続部3a〜6aに強く当接することがなくなり、これによりこの接続体8〜11の一端側における応力集中が発生せず、この結果として長期にわたってインピーダンス測定が正しく行えるようになる。
【0022】
また、同じく板状の接続体8〜11の他端側に対応する配線体15にも切欠Bを設けており、測定接点3〜6の可動にともなう接続体8〜11の変形時に、この接続体8〜11の他端側においてそれが配線体15に強く当接することがなくなり、これによりこの接続体8〜11の他端側における応力集中が発生せず、この結果として長期にわたってインピーダンス測定が正しく行えるようになるのである。
【0023】
なお図1の19はバネであり、測定接点3〜6の後端側をレバー20で押下げて、この測定接点3〜6の先端側を持上げた場合には圧縮され、復帰時には伸びるようになっている。
【0024】
次に図2の21〜23はそれぞれ測定器7内の交流源、ベクトル電圧計、ベクトル電流計で、これらは周知の四端子の対構成となっているので、この部分におけるインピーダンスはキャンセルされ、測定時における誤差や不安定要素にはならないようになっている。
【0025】
しかし、それより前方の接続体8〜11はその形状の変形によるインピーダンス変位の影響が出やすく、これに対応してこれらを上述のごとくステンレスの接続体8〜11で形成したのが本実施の形態である。
【0026】
なおまた、接続体8〜11の構成材として、リン青銅板やポリイミド樹脂材によるフレキシブル配線板などを使用しても良い。
【0027】
【発明の効果】
以上のように本発明は、複数の端子を有する電子部品と、この電子部品の端子に当接させられる複数の測定接点と、この測定接点と測定器とを接続した弾性板よりなる接続体とを備え、前記測定接点を中部を軸支し、バネで押し上げられている後端側をレバーで押し下げることで可動自在にするとともに、この測定接点の軸支部近傍に前記接続体の一端側を接続し、この接続体の他端側を配線体に固定したものであって、電子部品のインピーダンス測定のためにその端子に中部を軸支した測定接点を可動させて当接した場合に、この測定接点の軸支部近傍にその一端側を固定した接続体も測定接点の可動にともなって変形するが、この接続体は弾性板で形成しているため測定接点を電子部品の接点に当接させた場合の態様が都度略一定となるので、インピーダンスの測定が正しく行えるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるインピーダンス測定装置の要部斜視図
【図2】同電気的ブロック図
【図3】(a)(b)は本実施の形態の効果を説明する概念図
【符号の説明】
1 端子
2 電子部品
3 測定接点
3a 接続部
4 測定接点
4a 接続部
5 測定接点
5a 接続部
6 測定接点
6a 接続部
7 測定器
8 接続体
9 接続体
10 接続体
11 接続体
12 軸
13 軸
14 ネジ
15 配線体
16 ネジ
17 リード線
18 搬送ベルト
A 切欠
B 切欠
19 バネ
20 レバー
21 交流源
22 ベクトル電圧計
23 ベクトル電流計
Claims (5)
- 複数の端子を有する電子部品と、この電子部品の端子に当接させる複数の測定接点と、この測定接点と測定器とを接続した弾性板よりなる接続体とを備え、前記測定接点を中部を軸支し、バネで押し上げられている後端側をレバーで押し下げることで可動自在にするとともに、この測定接点の軸支部近傍に前記接続体の一端側を接続し、この接続体の他端側を配線体に固定したインピーダンス測定装置。
- 接続体の一端の測定接点の取付部より上方において、この接続体の他端を配線体に固定した請求項1に記載のインピーダンス測定装置。
- 接続体をステンレス板によって形成した請求項1〜2のいずれか一つに記載のインピーダンス測定装置。
- 板状の接続体をその中部において湾曲させるとともに、この接続体の一端側に対応する測定接点には切欠を設けた請求項1〜3のいずれか一つに記載のインピーダンス測定装置。
- 板状の接続体をその中部において湾曲させるとともに、この接続体の他端側に対応する配線体には切欠を設けた請求項1〜4のいずれか一つに記載のインピーダンス測定装置。
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