以下、本発明を画像形成装置である電子写真複写機(以下、複写機という)に適用した一実施例について説明する。図1(a)は本実施例に係る複写機の概略構成を示す正面図である。複写機の上部には原稿載置用のコンタクトガラス1が設けられ、このコンタクトガラス1の下方に原稿照射ランプ2a、反射ミラー2b、レンズ等を備えた光学ユニットが設けられている。この光学ユニットの下方にドラム状の感光体3が回転可能に設けられ、その周囲に帯電装置4、現像装置5、転写装置6(転写チャージャ)、クリーニング装置7、除電装置8などが配設されている。そして、感光体の左方には転写装置によりトナー像が転写された転写紙上に該トナー像を定着するための定着装置9が配設され、複写機下部には転写紙をストックするととも、感光体に向けて送り出すための給紙部10が設けられている。この複写機全体の動作は周知であるので、説明を省略する。
図2は上記現像装置の概略構成を示す正面図である。この現像装置は二成分現像剤を用いた一般的な乾式現像装置であり、現像器の内部に現像ローラ11、撹拌用羽根車12、混合ローラ13、セパレータ14、横撹拌スクリュー15等が設けられている。そして、この上部には、現像器内にトナーを補給するためのトナー導入部としてのホッパー16が付設されている。このホッパー16においては、後述する現像剤補給装置としてのトナー補給ユニット17からのトナー搬入及び撹拌を行うためにトナー搬送スクリュー18が設けられ、また現像装置5内との連通口には現像器内にトナーを補給するための図示しないトナー濃度センサーの出力信号により回動するトナー補給ローラ19が設けられている。
上記トナー補給ユニット17は、図1(a)の正面図に示すように、複写機の前面側の上部に設けられ、現像剤収納容器としてのトナーボトル20を保持するための容器保持手段としてのボトルホルダー21を有している。このボトルホルダー21は、図1(b)の平面図に示すようにユニット右端部の回転軸部22の回転中心Zの回りで、ほぼ水平面内でほぼ90度の範囲で回動自在に構成され、図中Aで示すようにユニット左端部側が複写機の手前に引き出されたトナーボトル20を載置するためのボトル載置用位置Aと、図中Bで示すようにユニット全体が複写機前面に並行になったトナー補給用位置Bとを取り得るようになっている。少なくともこのトナー補給用位置Bでは、ボトルホルダー21下壁に形成されたトナー落下用の開口が、複写機手前側まで延在する上記ホッパー16のトナー受け部16a上に位置するようになっている。なお、このトナー補給ユニット17は複写機前面を覆う図示しない前カバーよりも内側に設け、この前カバーを開いた状態で、トナー補給ニット17をボトル載置用位置Aに引き出せるようにすることが望ましい。
図3(a)は本実施例に用いることができるトナーボトル20の縦断面図であり、図3(b)はその開口部23の拡大図である。この例のトナーボトル20はほぼ円筒状をしており、その一端面のほぼ中央に円筒部よりも小径の開口部23が形成されている。図示の例ではこの開口部23は外側に突出したカラー24の先端部に形成され、この開口部23を封止するように栓25が設けられている。この栓25の中央には摘み部26が形成されている。そして、上記円筒部の内周面には、前述の特開昭59−188678号公報等におけると同様に、内部の収納トナーをトナーボトル20の回転によって開口部23側に案内するための案内溝27が螺旋状に形成されている。このトナーボトル20の開口部カラー24周面に形成されている突出部(以下、カラー部リブという)28(図3(b)参照)は、トナーボトル20運搬時に、この開口部カラー24全体を覆うためのキャップ29(図12参照)を取り付けるための係合部を構成するためのものであり、このキャップ内周面にこの係合部と係合する突起又は溝が形成されている。
図4(a),(b),(c)は、図4(a)に示すように栓25で開口部23が封止された状態のトナーボトル20から栓25を取り外す機構の概略構成及び動作の説明図である。この栓25栓取り外し機構32aは、栓25保持手段としてのコレットチャック30と、このコレットチャック30をトナーボトル20に対して進退移動させる図示しない進退移動手段とを備えている。図示の例では、コレットチャック30が、ボトルホルダー21の一部に形成された支持壁31の孔部32で支持され、図4(a)に示すフリーな状態では、その先端に形成されている挾持部33が拡がるよう付勢されている。図4(b)はトナーボトル20がボトルホルダー21のセット位置に置かれたときの状態を示す。上記進退移動手段によりトナーボトル20に対してより離れた位置へと移動されるときに、コレットチャック30の外周の大径部が上記孔部32の内周面で押されて上記挾持部33が狭められ、これにより、栓25の摘み部26を挾持するようになっている。コレットチャック30は栓25の摘み部26を挾持して栓25を保持した状態で図4(c)に示すように開口部23を完全に開放できる位置まで栓25を移動させる。このような栓取り外し機構32aをトナー補給ユニット17に設けることにより、トナーボトル20を、開口部23を栓25で封止したままの状態で、ボトルホルダー21に載置することができるので、特に、図1(a),(b)のようにトナーボトル20をほぼ水平な状態でボトルホルダー21上に載置する場合にも、開口部23からのトナー漏れを防止することができる。また、トナーボトル20中のトナーが消費され空になったときに、ボトルホルダー21からトナーボトル20を取り出すときに、上記進退移動手段によりコレットチャック30を逆に移動させて、空になったトナーボトル20の開口部23に栓25を取り付けるようにすることもできる。これによれば、ボトルホルダー21からトナーボトル20を取り出す際には、開口部23が栓25で封止された状態なので、開口部23に付着したトナーが落下してボトル交換者の手や衣服を汚すことはない。
図5(a)はトナーボトル20の開口部23の変形例を示すものであり、この例では、トナーボトル20の開口部カラー24に取り付けられるキャップ29(例えばスクリューキャップ)の端壁に開口部23が形成され、この開口部23に脱着自在の栓25を取り付けたものであ。図5(b),(c)は図3や図5に示す栓の変形例を示すものであり、この例では、トナーボトル交換者が、開口部23から栓25をの摘み部26を指で摘み取り外して、収納トナーをこぼしてしまうことを防止するために、摘み部26の回りに邪魔部材26a,226bが形成されて、摘み部26を指で摘むことができないよう構成したものである。
次に、本発明のトナー補給ユニット17のより詳細な実施例について説明する。図6はトナー補給用位置Bにあるときのトナー補給ユニット17の概略構成を示す正面図、図7及び図8は一部変形部品を含むトナー補給ユニット17の分解斜視図である。この例のトナー補給ユニット17は、トナーボトル20を保持しこれをトナー補給ローラ19と同期させつつ回動させて、その内部に収納されたトナーを順次開口部23からホッパー16のトナー受け部16aへ供給するように構成されている。図面を用いてその詳細を説明すると、ホッパー16のトナー受け部16aは、ホッパー16の操作側の図示しない側板から手前側に突出した部分で上部が開口し樋形状をしており、この中心には該側板より奥側に延在するホッパー16内から伸びてきた軸34が貫通しており、軸34には、トナーボトル20の開口部23から落下したトナーをホッパー16内に移送するためのスパイラル状のトナー送り板35が取付けられ(図2参照)、これにより、前記トナー搬送スクリュー18が形成されている。
そして、この例のトナー補給ユニット17は、複写機の前側板に回動自在に支持され、かつトナーボトル20をほぼ水平に保持し得るボトルホルダー21、該ボトルホルダー21上でトナーボトル20を軸方向に位置決めするためのボトル係止機構36、該ボトルホルダー21に保持されたトナーボトル20を回転駆動するためのボトル回転駆動用モータ37、このボトル回転駆動用モータ37からの駆動をトナーボトル20に伝達するための筒状のギヤリンク38、該ボトルホルダー21上のトナーボトル20の栓25を挾持するためのコレットチャック30、コレットチャック30に摺動自在に取り付けられた中子39、該コレットチャック30を進退移動するためのカム装置40などを有している。
上記ボトルホルダー21は、図7及び図8に示すように可動ブラケット41上に取り付けられ、この可動ブラケット41が、複写機の前側板に固定された固定ブラケット42の下ピン43部で回動自在に支持され、かつ、ボトルホルダー21上部が固定ブラケット42の上ピン44で回動自在に係止され、これにより、上下ピン43を結ぶほぼ鉛直な直線回りで回動自在にされている。なお、図8に図示の固定ブラケット42は上記前側板に螺子止めされたステー45で回動自在に支持され、かつ、固定用螺子46で上記前側板に固定されている。
また、上記ボトルホルダー21は、トナーボトル20の開口部23側の頭部を覆う蓋状の受け部47を備えておき、この受け部47内には、トナーボトル20の頭部を気密に覆う筒状のストッパーカバー48が収容されている。このストッパーカバー48には、上記ギヤリンク38を回動自在に収容するリンク収容部と、該リング収容部よりも若干小さく、かつトナーボトル20の開口部23よりも若干大きい内径の、上記中子39を収容する中子収容部とが形成されている。この中子収容部の下壁にはトナー落下用開口49が形成され、端壁には上記コレットチャック30を摺動自在に支持する孔部及びボス部50が形成されている。また該中子収容部内には中子39を常時トナーボトル20側に付勢する竹の子状の中子スプリング51も収容されている。なお、図7に示す中子39は変形例に係るものであり、この利点については後述する。また同図7中の符号48aはトナーボトル20側開放端部の縁部に形成された、筒状リンク33係止用のリンクストッパーである。
上記ボトル係止機構36は、トナーボトル20の軸線方向における位置決めを行うためのものであり、基端部がボトルホルダー21側の部材、例えば、図6や図7に示すように、上記ストッパーカバー48に回動自在に軸支され、かつ、先端がトナーボトル20外周面に形成された、凹又は凸の係合部分に係合し得る形状にされた係止部材52と、該係止部材52の先端がトナーボトル周面側に近づくように常時付勢する付勢スプリング53とから構成されている。図示の例のトナーボトル20の係合部分54は、円筒外周面からほぼ垂直に立った垂直係合面54aと開口部23側の傾斜面54bとを有する断面直角三角形の突出リング状に形成されている(以下、突出リング状部という)。この係合面54aは、トナーボトル20の後端側に傾斜するようにオーバーハングした形状にしても良い。
上記ボトル回転駆動用モータ37は、図6や図8に示すように駆動伝達用の歯車55とともに、上記可動ブラケット41上に取り付けても良いし、上記ボトルホルダー21がトナー補給用位置Bに位置したときに、上記ギヤリンク38と係合し得るような複写機本体側の箇所に固定されていても良い。
上記ギヤリンク38は、外周面にボトル回転駆動用モータ37側の歯車55と噛み合うギヤ歯56が形成され、内径はトナーボトル20の外径よりも大きく設定されている。また、トナーボトル20の開口部カラー24が貫通し得る孔部が形成された端壁の内面には、図6に示すようにトナーボトル20の開口部23側端壁に形成された突出部(以下、ボトルリブという)57と係合する突出部(以下、リンクリブという)58が例えば放射状に複数形成されている(図34(d)参照)。なお、図6の例では、上記可動ブラケット41上に取り付けられているボトル回転駆動用モータ37側の歯車55が上記円ギヤリンク38外周のギヤ歯56に係合できるように、該リンク38を収容しているストッパーカバー48の周壁下部にギヤ噛み合い用の開口が形成されている。また上記端壁の孔部の縁には、トナーボトル20の開口部カラー24外周面との間をシールして、開口部23からのトナーがトナーボトル20の外周面等に付着するのを防止するとともに、後述するトナーボトル20の交換時に該開口部カラー24外周面を清掃するブレード機能を発揮する、リング状のカラー部シール59が取り付けられている。図示のカラー部シール部材59は先端縁側がコレットチャック30側に向くようにわん曲しているので、後述するトナーボトル20のセットが容易に行える。また、図7中、符号60は上記ギヤリンク38の端面に接着される柔軟性部材、例えばスポンジ製のシール、符号61は該シールを覆う状態で同端面に接着される可撓性薄板シール(例えば、厚み0.188mm)である。また符号107はボトルホルダー21の受け部47に開設されたトナー落下用開口を塞ぐ為のシャッターであり、通常は、これに開設された開口が該トナー落下用開口に一致する回転位置にされ、サービスマンによる保守時に摘み108を用いて回転され、該トナー落下用開口を塞ぐようになっている。
上記コレットチャック30は、図7に示すように先端の挾持部33が外力によって狭められ得るようにするための複数の切り割れ62を有し、本実施例では図9(a)に示すように、外力が加えられていない状態で、挾持部33の開きD1が栓25の摘み部26先端の最大径d1よりも大きくなるように形成されている。また同じく外力が加えられていない状態で、挾持部33近傍の大径先端部63の外径がこれより後端よりの小径後端部64の外径D2よりも大きくなるように形成されている。
上記中子39は、栓25の鍔部65と当接し得る鍔部66とコレットチャック30がスライドする円筒状のスライダー部67とを有している。このスライダー部67の内径D3は、上記コレットチャック30の小径後端部64の外径D2よりも大きく、かつ、外力が加えられていない状態の大径先端部63の外径よりも小さくなるように設定されている。これにより、図9(b)に仮想線(二点鎖線)で示すように、コレットチャック30の大径先端部63上に位置したときに、この大径先端部63上に乗り上げて挾持部33の開きを小さくする。このときの挾持部33の開きD1’は少なくとも上記摘み部26の最大径d1よりも小さく、好ましくは根元の外形d2とほほ同じ程度になるように設定する。
図6に示されるカム装置40は、ボトルホルダー21が、トナー補給用位置Bからボトル載置用位置Aに移動されるのに連動して上記コレットチャック30をトナーボトル20から離れるように退避させる一方、ボトルホルダー21が、ボトル載置用位置Aからトナー補給用位置Bに移動されるのに連動して上記コレットチャック30をトナーボトル20に近づくように進行させるためのものである。本実施例においては、上記固定ブラケット42を介して複写機の前側板に取り付けられた板カム部材68と、上記コレットチャック30の後端に固定されるチャックシャフト69に回動自在に取り付けられたコロ70とで構成されている(図7)。この板カム部材68は、図10(a),(b)に示すように、ボトルホルダー21の回転中心Z側から上記コロ70をガイドする第1カム面部71と、回転中心Zとは反対側から上記コロ70をガイドする第2カム面部72とを有している。この第1カム面部71は、ボトルホルダー21が、トナー補給用位置Bからボトル載置用位置Aに移動されるのに連動して、例えば図10(b)のようにコレットチャック30の大径先端部63に係合した中子39を介して中子スプリング51によりトナーボトル20側に付勢されたコレットチャック30が、トナーボトル20から離れるようにコロ70をガイドする一方、ボトルホルダー21が、ボトル載置用位置Aからトナー補給用位置Bに移動されるのに連動して、同様に中子スプリング51によりトナーボトル20側に付勢されたコレットチャック30が、徐々にトナーボトル20に近づくようにコロ70をガイドするものである。また、上記第2カム面部72は、例えば図11(b)に示すように、ボトルホルダー21のボトル載置用位置Aからトナー補給用位置Bへの移動が完了する直前に、中子39が、上記ボトル係止機構36によって位置決めされたトナーボトル20の開口部カラー24の縁に突き当たって、コレットチャック30の大径先端部63に係合しなくなり、これにより、コレットチャック30に中子スプリング51の付勢力が付与されなくなったときから、上記トナー補給用位置Bへの移動が完了するまでの間、コレットチャック30がトナーボトル20に近づくようにコロ70をガイドするものである。
なお、本実施例においては、このようにカム装置40を、ボトルホルダー21の回転軸近傍に設けているので、現像剤収納容器交換者が、現像剤収納容器の交換のために上記ボトル載置用位置Aと上記トナー補給用位置Bとの間で上記ボトルホルダー21を移動させるべく、引いたり押したりする力を作用させる上記ボトルホルダー21上の作用点と上記回転中心Zの距離が、上記カム装置40のカム面部71,72とコロ70の係合点と上記回転中心Zの距離よりも大きくなる。従って、てこの原理により、比較的小さな力で、上記ボトルホルダー21を移動させれる。
以上の構成において、トナー補給ユニット17のボトルホルダー21は、通常の複写動作中にはトナー補給用位置Bに位置させる。このトナー補給用位置Bでのボトルホルダー21の位置決めのために、ボトルホルダー21の係止機構、例えばマグネットを用いた係止機構などを複写機前側板とボトルホルダー21に設けることが望ましい。このトナー補給用位置Bでは、図6に示すように、ボトルホルダー21上のトナーボトル20は、上記ボトル係止機構36の係止部材52の先端が突出リング状部54に係合して位置決めされ、その開口部23側端壁のボトルリブ57が上記ギヤリンク38のリンクリブ58に係合し得るようになっている。また、コレットチャック30は図10(a),(b)に示すように、トナーボトル20から最も退避した位置にあり、中子スプリング51で付勢された中子39が大径先端部63に係合して狭められている挾持部33で、栓25の摘み部26を挾持して栓25を保持した状態で、トナーボトル20の開口部23は開口している。そして、ストッパーカバー48のトナー落下用開口49の下方に、複写機本体側のホッパー16のトナー受け部16aが位置している。
現像処理動作が繰返されて現像器内のトナー濃度が低下すると、図示しないトナー濃度センサーの出力信号によりトナー補給ローラ19が回転を始め、これに伴って上記ボトル用モータ37が回転を始め、その駆動が歯車55及びギヤリンク38を介してトナーボトル20に伝えられ、トナーボトル20が回転する。このトナーボトル20の内面には螺旋状の案内溝27が設けられているため、この回動により内部に収納されていたトナーは徐々に開口部23に送り出されて該開口部23から落下し、ストッパーカバー48のトナー落下用開口49を経てホッパー16のトナー受け部16aに受けられ、トナー搬送スクリュー18により、複写機前側板より奥側のホッパー16部へ搬送される。この動作は、現像器内のトナー濃度が所定の値になってトナー補給ローラ19が再び停止するまで続けられる。このようにトナー補給ローラ19の回転時にトナーボトル20を回転させるのに代え、ホッパー16部内のトナーが減少する適宜のタイミングでトナーボトル20を回転させるようにしても良い。
ここで、図12(a),(b)に示すように、トナーボトル20の上記位置決め機構の係止部材52の一部に対向し得る箇所に、トナーボトル20の回転に伴い該係止部材52の一部に係合し、位置決め機構の付勢スプリング53(図7参照)の付勢力に抗して、突出リング状部54からの係合が外れない程度に一旦係止部材52の先端を持ち上げた後に、該一部との係合が外れて、該係止部材52の先端をトナーボトル20周面を叩くように移動させる叩き用突出部73を形成しておければ、この係止部材52の叩き動作でトナーボトル20の壁面が振動して、トナーボトル20内のトナー流動性が高まり開口部23からの吐出量を増すとともに、その内周面へのトナーの付着を抑制できる。なお、図12中の符号29は、トナーボトル20運搬時に開口部カラー24に取り付けるキャップを示す。また、図示のトナーボトル20の開口部23近傍の容器形状は、トナーボトル20内のトナーを開口部23から良好に排出させるためのものであり、これについては後に詳述する。
トナーボトル20の交換などのために、上記ボトルホルダー21上からトナーボトル20を取り出すときには、まず、ボトルホルダー21を、トナー補給用位置Bからボトル載置用位置Aへ移動させる。このボトルホルダー21の移動中に、カム装置40の第1カム面でコロ70をガイドしながら、栓25を保持しているコレットチャック30をトナーボトル20開口部23に向けて移動させ、中子39の鍔部66を栓25の鍔部65を介してトナーボトル20の開口部カラー24の縁に当接させる。これにより中子39の移動が規制された後も、ボトルホルダー21の移動に伴ってカム装置40の第2カム面でコロ70をガイドして、更にコレットチャック30を移動させ、中子39のコレットチャック30大径先端部63との係合を外して、コレットチャック30の復元力で挾持部33を開かせ、これにより、栓25の摘み部26の挾持を解除する。これまでのコレットチャック30の移動により、トナーボトル20の開口部カラー24内に栓25を挿入して開口部23を封止する。そして、ボトルホルダー21のボトル載置用位置Aへの移動が完了したときには、図9(a)及び図11(a),(b)に示すように、コレットチャック30の挾持部33は、その開きが栓25の摘み部26の最大径D1よりも大きくなった状態になる。
次に、このボトル載置用位置Aにボトルホルダー21がある状態で、トナーボトル20交換者が、上記付勢スプリング53の付勢力に抗して上記ボトル係止機構36の係止部材52を、トナーボトル20周面から離れるように上方に引き上げて、該周面の突出リング状部54との係合を解除し、その状態でトナーボトル20をストッパーカバー48内から抜き出してボトルホルダー21からトナーボトル20を取り出す。
ここで、上記係止部材52は付勢スプリング53で常時トナーボトル20周面側に付勢されているので、引き上げを止めてその先端部をフリーにすると該先端部が下降して、トナーボトル20の突出リング状部54に再係合してしまう。このため、トナーボトル20を引き出すときに係止部材52の先端を上方に引き上げた状態を維持する必要がある。そこで、この係止部材52の先端を一旦引き上げれば、すぐ引き上げを止めて先端部をフリーにしても、突出リング状部54と再び係合しないように、この引き上げで係止部材52先端と突出リング状部54との係合が解除されたときに、トナーボトル20が自動的に移動されるようにすることが望ましい。このためには、例えば、図13(a)に示すように、ボトル係止機構36による位置決めが解除されたときに、中子39を介して中子スプリング51でトナーボトル20を押し出すようにする。図示の例では、ボトル係止機構36で位置決めされている状態のトナーボトル20の開口部カラー24の縁が、ストッパーカバー48よりも所定量Sだけ突出するように、該カラー24の高さ等を設定している。これによれば、ボトル係止機構36の係止部材52とトナーボトル20の突出リング状部54との係合がはずれた瞬間に、中子スプリング51の付勢力により、図中仮想線で示すように中子39の鍔部66がギヤリンク38にぶつかるまで移動し、図中仮想線で示すようにトナーボトル20を同所定量Sだけ押し出すことができる。
なお、上記中子39の移動の初期であってコレットチャック30の挾持部33から栓25の摘み部26が脱出し切れていないときに、中子39がコレットチャック30の大径先端部63に係合してコレットチャック30の挾持部33が狭まり栓25の摘み部26を挾持する状態になると、その後トナーボトル20を引き出すときに、栓25がコレットチャック30に保持されつづけるため、引出後のトナーボトル20は開口部23が開放状態になり、この開口部23内面などに付着しているトナーがこぼれて手や衣服を汚す恐れがある。また、上記移動の完了時点で、中子39がコレットチャック30の大径先端部63に係合してコレットチャック30の挾持部33が狭まった状態になると、後述する新しいトナーボトル20のセット時に、そのボトルの栓25の摘み部26を挾持部33内に侵入させれない恐れがある。そこで、上記所定量Sは、この中子39の移動の後、その鍔部66がギヤリンク38につきあった状態でも、中子39がコレットチャック30の大径先端部63に係合せずに、挾持部33が開いた状態を維持できるように設定することが望ましい。すなわち、ボトル係止機構36によるトナーボトル20の位置決めが解除された場合に、中子39がコレットチャック30の大径先端部63に係合する位置まで移動する前に、ギヤリンク38に突き当たって停止するように、ギヤリンク38の位置を設定しておくことが望ましい。なお、このような中子39移動規制のために、ギヤリンク38を兼用するのではなく、他の部材を用いても良い。
次に、ボトル載置用位置Aで、新たなトナーボトル20と交換される。ボトルホルダー21に、トナーで満たされ、かつ開口部23が栓25で封止された新たなトナーボトル20を、その頭部をストッパーカバー48に向けて載置し、ボトル頭部をストッパーカバー48内に差し込む。この差し込み動作の途中で、ボトル係止機構36の係止部材52を、上記トナーボトル20の突出リング状部54に係合させ、これにより、ボトルホルダー21上でトナーボトル20を位置決めする。図示の例では、このトナーボトル20の差し込み動作中に、上記係止部材52の先端部が突出リング状部54の開口部側傾斜面54bに乗り上げ、また、突出リング状部54が該係止部材52の傾斜面を持ち上げるので、係止のために係止部材52を持ち上げる操作の手間を省ける。また、上述のように、ストッパーカバー48で中子39をコレットチャック30の大径先端部63に係合しない位置に規制してコレットチャック30の挾持部33を開いた状態にしておけば、この差し込み動作時、開口部23を封止する栓25の摘みを、コレットチャック30の挾持部33内にスムーズに侵入させることができる。なお、上述のように中子39でトナーボトル20を押し出すときに、栓25の摘み部26がコレットチャック30の挾持部33を脱出した後に、挾持部33が狭まってしまうな構成にしている場合には、新しいトナーボトル20をストッパーカバー48内に挿入するときに、トナーボトル20の開口部カラー24の縁によりこの栓25の鍔部65を介して中子39の鍔部66を押し、中子39とコレットチャック30大径先端部63との係合を解除して挾持部33を拡げた後に、栓25の摘み部26が該挾持部33内に侵入していくように、栓25を、その鍔部65が摘み部26よりも充分突出した形状にしておくことが望ましい。
次に、ボトルホルダー21をボトル載置用位置Aからトナー補給用位置Bへ移動させる。このボトルホルダー21の移動中に、カム装置40の第1カム面でコロ70をガイドしながら、栓25を保持しているコレットチャック30をトナーボトル20開口部23から離れるように移動させる。コレットチャック30は、このコレットチャック30の移動の初期にその大径先端部63が中子39に係合し挾持部33が狭まって栓25の摘み部26を挾持し、これにより、栓25を保持する。その後の移動中も中子スプリング51の付勢力で中子39と大径先端部63との係合を維持して栓25を保持し続け、これにより、該開口部23から栓25を取り外して該開口部23を開放させて、図6及び図10(a),(b)に示すように、ボトルホルダー21のトナー補給用位置Bへの移動を完了する。これにより、前述のように、トナーボトル20回転による開口部23からのトナーの排出が可能になる。
以上のように本実施例のトナー補給ユニット17によれば、ボトルホルダー21の移動操作及びボトルホルダー21上のトナーボトル20の取替えのみで、トナーボトル20の開口部23からのトナー漏れを生じさせることなく、トナーボトル20の交換を行うことができる。
なお、図13(b)に示すように、トナーボトル20の開口部23を封止する栓25の鍔部65の外縁の径d2は、開口部カラー24の外縁の径d3よりも小さく設定しておくことが望ましい。これによれば、栓25の鍔部65が、トナーボトル20をストッパーカバー38から脱着する際に、ストッパーカバー38の脱着口内周に取り付けられたカラー部シール59に係合して、抜けてしまうのを防止できる。また、図13(c)に示すように、栓25の上からキャップ29を取り付けることは、トナーボトル輸送時、特に、気圧低下をともなう高地輸送や航空輸送時や、トナーボトル20を誤って落したときなどの栓外れを防止するのに有効である。更に、このような栓外れをキャップ29で防止できることから、栓25自体の開口部カラー24との嵌合の強さを比較的弱くでき、栓20の自動脱着機構の脱着力を弱く設定できる。
ここで、図7に示す中子39の変形例について説明する。この例の中子39は、図14(a)に拡大して示すように、上記ストッパーカバー48の内径よりも若干小径の円筒上の胴部74を有しており、該胴部74の周壁には、複数のリング状の周面シール部材75を軸線方向に並べて取り付けるための複数の取付け部を仕切る鍔部76が形成されている。この周面シール部材75はストッパーカバー48内面との間をシールするものであり、図14(b)の粘着剤層75aを有する短冊状のシール素材の短辺同士を突き合う形状にして上記取付け部に接着等で取り付けても良いし、図14(c)の既にリング状にされているシール素材を、上記取付け部に接着等で取り付けても良い。前者の場合には、中子39の周方向における該短辺同士の突合せ部の位置が、該中子39の軸線方向で隣合うシール素材間で異なるようすることが望ましい。また後者の場合には、主に周方向の弾性に富む弾性体75b、例えば無発砲の弾性体の上に、主に厚み方向の弾性に富む弾性体75c、例えば発砲弾性体を積層した環状のシール部材を用いることが望ましい。また、この例の中子39の栓25の鍔部と当接する端面には、コレットチャック30貫通孔のボス77が形成され、これが、図14(d)や同図(e)に示すような扁平ドーナツ状の端面シール部材78を接着等で取り付けるときの位置決め部材にもなっている。なお、この端面シール部材は図14(d)のように単一材質で構成したり、同図(e)に示すように、複数のドーナツ状シール素材を張り合わせて構成したりすることができ、すくなとも表面78aはトナーが付着しにくい、例えば表面エネルギーの小さい樹脂、例えばシリコーン樹脂、弗素樹脂などで構成されるようにすることが望ましい。
次に、図15乃至図18を用いて、上記実施例における、ボトルホルダー21の移動にあたっての操作力を小さくするための改善例について説明する。開口部カラー24の内面や栓25の該内面との接触部分にトナーが付着していると、該開口部23に対する栓25の挿入や抜き出しのために要する力が増大し、これに比例して、ボトルホルダー21をボトル載置用位置Aからトナー補給用位置Bへ移動させるに必要な押し込みの操作力(上記開口部23からの栓25の抜き出し力を生じる)やトナー補給用位置Bからボトル載置用位置Aへ移動させるに必要なための引出の操作力(上記開口部23への栓25の挿入力を生じる)が、増大する。図15は、コレットチャック30及び中子39の形状が互いに異なる3種類のトナー補給ユニット17(以下、タイプ1乃至タイプ3という)を用い、開口部カラー24の内面などにトナーを付着させた状態の、種々の口径のトナーボトル20について、上記押し込みの操作力、及び上記引出の操作力を調べた結果を示すグラフであり、横軸にトナーボトル20開口部23の口径、縦軸にボトルホルダー21の操作力をそれぞれ取っている。図中、サンプル測定結果を示す一点鎖線のうち、両端が矢印で示されたものがタイプ1、両端が×印で示されたものがタイプ2を、それぞれ用いた結果であり、両端がXで示された二点鎖線がタイプ3を用いた結果である。また括弧で示した領域A1はタイプ1についての上記押し込みの操作力のサンプル測定結果分布領域、同領域B1はタイプ1についての上記引出の操作力のサンプル測定結果分布領域、領域A2はタイプ2についての上記押し込みの操作力のサンプル測定結果分布領域、領域B2はタイプ2についての上記引出の操作力のサンプル測定結果分布領域を、それぞれ示すものである。タイプ3については同様のサンプル測定結果分布領域を示していないが、領域A1やA2内にあるのが、上記押し込みの操作力のサンプル測定結果であり、領域B1やB2内及びこれらの領域よりも下方にあるのが、上記引出しの操作力のサンプル測定結果である。そして、ハッチングを付した領域C(操作力2200gの横軸並行線と領域A3の上限を示す傾斜直線とで挟まれた領域)は、栓25の挿入の不良が生じた領域である。この図15からも判るように、上記押し込みの操作力は、上記引出しの操作力よりも大きく、例えば2Kgを超える操作力が必要になる。またトナーボトル20の開口部23の口径やコレットチャック30及び中子39の形状により、上記引出しの操作力が、例えば2.2Kgを超えような場合には栓25の挿入不良が発生することもある。
図16は、トナーボトル20の開口部23に対する栓25の挿入や抜き出し時に、栓25を進退方向回りで回転させて、開口部23に対する栓25の挿入や抜き出しをスムーズにし、これにより、上記押し込みや引出しの操作力を小さくする改良例の要部に係る分解斜視図である。この改良例では、上述の栓25の進退方向回りでの回転を生じさせるために、コレットチャック30が内部で摺動するストッパーカバー48のボス部50に、コレットチャック30の進退移動からコレットチャック30の回転を生じさせるためのカムスリット79が形成され、かつコレットチャック30のチャックシャフト69に該カムスリット79内に入り込む摺動ピン80が植設されている。図17(a),(b)はこの改良例において、ボトルホルダー21がトナー補給用位置Bにある状態を示すものであり、前述の図10(a),(b)に対応し、同図(c)は同(b)中の矢印A方向に見た拡大図、同(d)は同(b)中の矢印B方向に見た拡大図である。このトナー補給用位置Bにあるときには、図17(c)中に一点鎖線L1で示すボス部50の周方向における最下箇所に形成されている上記カムスリット79の入り口部分に上記摺動ピン80が位置している。このカムスリット79は、その奥側端部が、ボス部50の周方向において最下箇所から所定角度α、例えば90度だけずれた一点鎖線L2で示す箇所に形成され、上記摺動ピン80を、例えば図17(c)中に二点鎖線Cで示すように入り口部から各側端部まで移動する間に、同図(d)に示すようにボス部50の中心軸線回りで所定角度αだけ回転するように案内する。図18(a),(b)はボトルホルダー21がボトル載置用位置Aにある状態を示すものであり、前述の図11(a),(b)に対応し、同図(c)は同(b)中の矢印A方向に見た拡大図、同(d)は同(b)中の矢印B方向に見た拡大図である。
この改良例によれば、トナー補給用位置Bにあるボトルホルダー21をボトル載置用位置Aまで移動させる間に、コレットチャック30が固定されているチャックシャフト69は、前述のようにしてストッパーカバー48のボス部50内を摺動しながらトナーボトル20側に移動するとともに、図17(c)中に二点鎖線Cで示すようにカムスリット79により上記摺動ピン80が案内されて、ストッパーカバー48のボスの中心軸線まわりで所定角度αだけ回転する。このため、コレットチャック30に保持されている栓25は、ボスの中心軸栓25回りで回転しながら、トナーボトル20の開口部カラー24内に挿入されていく。また、逆にボトル載置用位置Aにあるボトルホルダー21をトナー補給用位置Bまで移動させる間には、上記チャックシャフト69が、前述のようにしてストッパーカバー48のボス部50内を摺動しながらトナーボトル20から側に移動するとともに、カムスリット79により上記摺動ピン80が案内されて、ストッパーカバー48のボスの中心軸線回りで逆向きに所定角度αだけ回転し、これにより、コレットチャック30に保持された栓25は、ボスの中心軸栓25回りで回転しながら、トナーボトル20の開口部カラー24内から抜き出されていく。このように、トナーボトル20の開口部23に対する栓25の挿入や抜き出し時に、栓25を進退方向であるストッパーカバー48のボス部50の中心軸線回りで回転させるので、開口部23に対する栓25の挿入や抜き出しをスムーズでき、ボトルホルダー21の上記押し込みや引出しの操作力を、このような栓25の回転を行わせない場合には比して小さくできる。
次に、図19(a)乃至(d)を用いて、上記実施例における、ボトルホルダー21の移動にあたっての操作力を小さくするための他の改善例について説明する。トナーボトル20の開口部23に対する栓25の脱着を容易にするには、例えば、図19(a),(b)に示すように、開口部カラー24の内周面に嵌合する嵌合用周壁部分81と栓25の底壁部82とを繋ぐ繋ぎ周壁部分83を、所定角度、好ましくは45度以下の角度、で傾斜させ、該嵌合用周壁部分81の外径よりも栓25の底壁82の径の方が小さくなる形状にすることが望ましい。
また、このような繋ぎ周壁部分83の厚みtを底壁部82の厚みTより薄く、例えば底壁部82の厚みTの2分の1程度(t≒1/2・T)に設定することが望ましい。これによれば、繋ぎ周壁部分83の厚みtが底壁部82の厚みTと同程度の場合に比して、コレットチャック30を用いて、開口部23に栓25を挿入するときに、栓25の周壁部が開口部カラー24を押す力f1,f1’(図19(c)参照)を、小さくすることができる。また、コレットチャック30を用いて、開口部23から栓25を抜き出すときに、栓25の周壁部が開口部カラー24から受ける力f2,f2’(図19(c)参照)を、比較的小さくすることができる。これにより、開口部23に対する栓25の脱着時の栓25の変形による挿入不良や抜き出し不良を防止できる。また栓25の先端(トナーと接する側)のトナーと接する面に凹凸を設けることにより、開栓時、容器保管時にトナー溜りが形成されていても容易に排出が開始される。凹凸形状は栓25先端外表面に山脈状のリブを形成した形で良い。
更に、図19(d)に示すように、上記嵌合用周壁部分81の表面を断面鋸歯形状にしておけば、開口部23への栓25差し込み時に、開口部カラー24の内周面に付着したトナーを該鋸歯形状部分84によってトナーボトル20内側に掻き落して排除でき、開口部23への栓25差し込みに要する力を、一定に維持できる。よって、この開口部カラー24内周面へのトナー付着により開口部23への栓25差し込みに要する力が例えば1.5倍にもなるような事態を防止できる。例えば、ボトル口径39.90mmの場合、栓25を抜き出すのに要する力を、トナー付着なしで最大950g、トナー付着有りで最大1570gにでき、かつ栓25を挿入するのに要する力を、トナー付着なしで最大1370g、トナー付着有りで最大1770gにできる、コレットチャック30と栓25の組合せを選択できた。
次に、図20乃至図23を用いて、上記実施例に係るトナーボトル20内のトナーを開口部23から良好に排出させるために望ましい開口部23近傍の容器形状について説明する。図20(a)はキャップを取り付けた状態におけるトナーボトル20の正面図、同(b)は同ボトルの背面図、同(c)は同ボトルの左側面図、同(d)は同ボトルの右側面図、同(e)は同ボトルの平面図、同(f)は同ボトルの底面図、同(g)はキャップ及び栓を取り外した状態における同ボトルの平面図である。図21(a)は図20(a)のA−A切断部端面拡大図、同(b)は同ボトルの斜視図、同(c)は変形例に係るトナーボトル20の同(a)と同様の切断部端面の部分拡大図である。これらの図中では、筒状リングから回転力を受けるためのボトルリブ57は省略されている(図34(a),(b)参照)。
本実施例のトナーボトル20は、上記トナー補給装置17のように開口部23が横を向くようにボトルホルダー21上にほぼ水平な状態で、円筒状の本体部の径よりも小さな径になるように一端壁に形成された開口部23を介して収納トナーを良好に排出させるために、トナーボトルの回転により円筒状本体の下部に存在するトナーを開口部23まで持ち上げて排出できるようにしたものである。このために、例えば図21(b)に外面側にハッチングを付して示すように、開口部23が形成されている端面近傍の周壁部分である肩部内面の一部を、この開口部23の径よりも大きい径の該肩部内面部分から該開口部の縁まで迫り出させて、トナー持ち上げ用の迫り出し部分85を形成している。なお、図示の例では図21(a)に示すように、端壁、周壁ともにほぼ一定の厚みに形成され、トナーボトル20内面形状がそのまま外面にも現われるので、他の図(例えば図20(e))中においても、適宜、トナーボトル20の内面部分に関する符号を、対応する外面部分側に表示している。
更に、本実施例においては、図21(b)に外面側に角度が異なるハッチングを付して示す、上記迫り出し部分85に周方向で連なる容器周壁内面部分を、図21(a)のように、上記開口部23の縁よりも、容器回転の中心線L方向へ迫り出させて、開口内迫り出し部分86を形成している。この開口内迫り出し部分86は、図20(g)のように、キャップ及び栓25を取り外した状態で、上記中心線L方向外側から見たときに、開口部23内に迫り出して見える。
上記迫り出し部分85及び開口内迫り出し部分86は、上記中心線L方向において上記開口部23から遠いほど、該中心線L方向に大きく迫り出した斜面形状にすることが望ましい。更に、図21(d)に示すように、上記中心線Lを含む断面に、少なくとも一部が該中心L側に曲率中心C1がある曲線として現われる凹形状にすることが望ましい。この図21(d)は図23(c)中のB−B断面であり、上記迫り出し部分85に相当する。これに対して、図21(a)の部分拡大図(図23(c)中のA−A断面に相当)である図21(c)に示すように、上記開口内迫り出し部分86の終端部分では、開口部カラー24上にトナーを良好に押し出せるように、上記中心線Lを含む断面に、該中心Lとは反対側に曲率中心C2がある曲線として現われる凸形状にすることが望ましい。また更に、上記迫り出し部分は、螺旋状の案内溝27に連続させて形成し、これにより、所定幅の案内溝27内で開口部23近傍まで案内されてきたトナーを、そのまま開口部23の縁まで持ち上げて、上記開口迫り出し部86まで案内できるようにすることが望ましい。
なお、図24(a)の部分断面図に示すように、トナーボトル21周壁の案内溝27の壁部aの内面形状は、矢印Aで示す案内方向(ボトル開口部側)にトナーを押しやるための壁面部bが、平坦な内周面部に対してほぼ垂直に近い角度θ1、例えば80〜90度の角度でボトル中心側に迫り出し、また、ボトル後端側から送りこまれたトナーに乗り越えられる壁面部cが、トナー案内方向になだらかな角度θ2、例えば30度以下、好ましくは10〜30度の角度でボトル中心側に迫り出す形状に設定しても良い。これによれば、トナーボトル21の回転時に内壁面部からトナーが落ち易く、内壁面部への付着によるトナー残りを減少させることができる。
図22及び図23は、上記迫り出し部85及び開口迫り出し部86によるトナー案内の仕方を示したものであり、それぞれの図において、分図(c)は正面図である分図(a)のトナーボトル20の右側面図、分図(d)は、分図(a)の状態から90度回転したときの正面図である分図(b)のトナーボトル20の右側面図である。図中矢印Kはトナー補給ユニット17による回転の向きを示すしている。図22(a),(c)の状態では、肩部の最大径部分が鉛直下方に位置し、上記案内溝27によりボトル頭部の最大径部部分の周壁下部にトナーが案内されてきている。この状態から矢印Kの向きに90度回転された図22(b),(d)の状態では、肩部の最大径部分と上記迫り出し部分85との境界部分が鉛直下方に位置し、上記案内溝27により案内されてきたトナーが一部迫り出し部分に載っている。この状態から更に矢印Kの向きに90度回転された図23(a),(c)の状態になるまでの90度の回転中に、迫り出し部がスプーンのようにして、開口部23の縁までトナーを持ち上げる。そして、更に矢印Kの向きに90度回転され、図23(b),(d)の状態になる前後では、上記迫り出し部分85上のトナーが部分的に開口迫り出し部分86に移り、この開口迫り出し部分86の傾斜によって、上記中心線L方向でボトル外側の向きに案内されて、開口部23から吐出させられる。ここで、図示の例ではこの図23(c)に良く現われているように、迫り出し部85自体もスプーンの掬い部のような凹形状をしている。このような開口部23近傍の容器形状にすれば、トナーボトル20内のトナーを開口部23からトナー粉が一塊りとなって排出落下してホッパー16内で粉塵を起こすようなことはなく、トナー粉が徐々に排出される。またトナーボトル20内の収納トナーを最後までほとんど残すこと無く使いきるようにすることができる。更にボトル回転時に、余分なトナーが除かれ、いわばスプーン1杯分のトナーのみをすくい上げて開口部23へ持ち上げるので、開口部23からのトナー排出量が一定する。
なお、図24(b)に示すように、ボトル肩部内面に、上記トナー持ち上げ用の迫り出し部分85及び開口内迫り出し部分86を2組み形成しても良い。これよれば、トナーボトル21の同回転量で1組の場合の倍のトナー排出量を得ることができる。また、図24(c)に示すように、トナーボトル21の周壁部に他の部分の外径Φ0(100mm以上)に比較して小さい径Φ1の掴み部L1を形成しても良い。この掴み部L1の外径Φ1は80〜100mm程度が適当で、またその長手方向の長さは80〜100mm程度が適当である。なお、図24(c)のトナーボトル21周壁の案内溝27の壁部aの内面形状は前述の図24(a)の内面形状になっている。同図(c)中矢印aはトナーボルト21の回転でボトル内周面に引っ張られて上方に移動するトナーの様子を示すものであり、また同図中の矢印bは同内周面に沿って落下するトナーの様子を示すものである。
図25は、トナー補給時の上記トナーボトル20の回転速度(1分間あたりの回転数)と、開口部23から排出されずにトナーボトル20に残ってしまい使いきることができなかったトナー量(ボトル残量)との関係を示すグラフである。このグラフからも判るように、この回転速度によってボトル残量が異なり、例えば、50gまでを許容できるボトル残量とした場合には、1分間あたり30乃至40の回転数で回転させることが望ましい。無論、このように、ボトル残量を少なくするためのトナーボトル20の適正回転速度は、具体的な開口部23の径や上記迫り出し部85及び上記開口迫り出し部86の具体的な形状等で決まるので、予め適正回転速度を実験で求めておいて、その回転速度でトナーボトル20を回転させるように設定する。
なお、上記トナー補給ユニット17では、コレットチャック30の先端部を狭めて栓25の摘み部26を挾持させて栓を保持したが、これに代え、図26(a)に示すように、その先端部が拡がったときに、栓25の周壁内面に当接して栓を保持するようにしても良い。図26(b)はこのようなコレットチャック30の先端部が比較的狭まって、栓25の保持を解除した状態を示す。図示の例のコレットチャック30は、切り割の先端部が後端部87よりも狭くなっており、この狭い切り割先端部分に、例えは上記ストッパーカバー48の定位置に植設された割込みピン88が入り込むようにコレットチャック30を相対移動した状態で切り割を拡げて先端部を拡げる。また、この割込みピン88が上記後端部87内に位置するようにコレットチャック30を相対移動したときは、先端部が栓25に接触しないようにされている。図26(a)は上記ボトルホルダー21がトナー補給用位置Bにあるときの状態であり、同(b)は上記ボトルホルダー21がボトル載置用位置Aにあるときの状態である。
次に、トナー補給ユニット17の変形例について説明する。図27は、図1(b)に示すトナー補給用位置Bにある本実施例のトナー補給ユニット17の正面図、図28は同ユニット17の平面図、図29(a)は同ユニットの右側面図、図29(b)は図28中の矢印A方向から見た部分拡大図、図30は図1(b)に示すボトル載置用位置Aにある同トナー補給ユニット17の正面図である。これらの図中、前述の実施例に係るトナー補給ユニット17における部材に対応する部材には、同一の符号を付している。本実施例のトナー補給ユニット17も図1(b)に示すようにほぼ水平な面内において、回転中心Z回りでほぼ90度回転可能になっており、トナー補給用位置Bとボトル載置用位置Aとを取りえるようになっている。このようにトナー補給ユニット17のボトルホルダー21を上記回転中心Z回りで回転可能に支持する機構としては、前述の実施例と同様の機構を採用することができる。そして、また、本実施例のトナー補給ユニット17も、上記ボトルホルダー21上でトナーボトル20を位置決めするためのボトル係止機構、該ボトルホルダー21に保持されたトナーボトル20を回転駆動するためのボルト用モータ37、このボルト用モータ37からの駆動をトナーボトル20に伝達するためのギヤリンク38、該ボトルホルダー21上のトナーボトル20の栓25を挾持するためのコレットチャック30、コレットチャック30に摺動自在に取り付けられた中子39、該コレットチャック30を進退移動するためのカム装置などを有している。
前記実施例のトナー補給ユニット17と本実施例のトナー補給ニット17との相違点の一つは、コレットチャック30を進退移動するためのカム装置が、前記トナー補給ユニット17ではボトルホルダー21の回転中心Z近傍に構成されていたのに対し、本実施例のトナー補給ユニット17では、ボトルホルダー21の長手方向において該回転中心Zに比較的遠い位置に構成されている点である。すなわち、本実施例では、図28に示すように、トナー補給用位置Bにあるボトルホルダー21の上記回転中心Zから遠い方の端部(以下、ボトルホルダー移動端部という)に対向する複写機本体の前側板96の部分に固定されたカム部材97と、ボトルホルダー移動端部側に取り付けられた鍔付きコロ95とでカム装置93が構成されている。そして、この鍔付きコロ95は、該コロを回動自在に支持する取付け板94を介して、トナーボトル20の後端部(開口部23が形成されているのとは反対側の端部)側で、該後端部に対して進退自在にボトルホルダー21又は可動ブラケット41に取り付けられた進退ブラケット89に取り付けられ、この進退ブラケット89と、コレットチャック30の後端部に螺子98で固定された腕部材99とが、ボトルホルダー21の長手方向に延在する連結シャフト100で連結されている。
このカム部材97は側面で上記鍔付きコロ95のローラ部を側方から案内するとともに上記鍔付きコロ95の鍔部を下方から支持する、向かい合った一対の塀部材97a,97bを有しており、この堀部材97a,97bは、上記前側板に近い位置ほど、上記ボトルホルダーの回転中心Zと距離が小さくなるように形成されている。また、図29(b)に示すように、トナーボトル20側の塀部材97aの手前側端部は、上記ボトル載置位置Aから上記トナー補給位置Bへのボトルホルダー21の移動の完了間近に、ボトルホルダー21側に取り付けられた上記鍔付きコロ95がスムーズに係合し始めることができるように、手前程低い傾斜部になっている。
また、上記進退ブラケット89の鉛直壁部に形成された孔のボス部89aで、先端にボトル後端当接部材91が固定された進退棒90が摺動自在に支持され、かつ、この鉛直壁部とボトル後端当接部材91との間に、両者の間隔を大きくしようと付勢するボトル押圧用スプリング92が取り付けられている。
以上の構成において、図27,図28に示すようにボトルホルダー21がトナー補給用位置Bにあるときは、鍔付きコロ95は、カム部材97によってボトルホルダー21長手方向でもっとも基端側に移動された状態にあり、この鍔付きコロ95と連結シャフト100等を介して連結されたコレットチャック30も最も該基端側に移動された状態にある。この状態では、後述するようにしてコレットチャック30により栓25をトナーボトル20の開口部23から離れた位置で保持し、これにより、開口部23から収納トナーを排出可能になっている。また、トナーボトル20は、ボトル後端当接部材91及び押圧用スプリング92で後端部がボトルホルダー基端部側に付勢された状態で、開口部側の端面部がストッパーカバー48の端面部に当接し、これにより、ボトルホルダー21上での長手方向の位置決めがされている。すなわち、上記ボトル後端当接部材91などが、トナーボトルの位置決め機構を構成している。
そして、このトナー補給用位置Bからボトル載置用位置Aにボトルホルダー21を移動させると、上記鍔付きコロ95がカム部材97で案内されて、ボトル移動端部側に移動させられ、これに伴いコレットチャック30もトナーボトル20の開口部23に向けて移動する。このカム部材97で案内されながらの移動中であって、鍔付きコロ95が取り付けられている進退ブラケット89とストッパボトル48との間隔が、トナーボトル20の長さと押圧用スプリング92の自然長との合計よりも小さく、ボトル後端当接部材91によるトナーボトル21に対する位置決めが行われている間に、開口部23に対するコレットチャック30で保持する栓25の挿入を完了させる。ここで、開口部23への栓25の挿入時に、トナーボトル21後端が、進退棒90先端のボトル後端当接部材91に当接して、十分な栓挿入力が発生し得るように、トナー補給用位置Bからボトル載置用位置Aへのボトルホルダー21移動による栓挿入時に、進退棒90の後端が当接して、進退ブラケット89に比較してコレットチャック30側に押し込み続けられるようなカム部材を設けても良い。
更に、ボトルホルダー21の移動が進むと、上記鍔付きコロ95とカム部材97との係合が外れる。この係合が外れた以降もボトルホルダー21を移動させてボトル載置用位置Aへの移動が完了した時点では、図30の状態になる。すなわち、開口部23は栓25で完全に封止され、かつ、トナーボトル20交換が可能なように、コレットチャック30の挾持部が栓25の摘み部26が抜け出せる程度に拡がり、また、ボトル後端当接部材91がトナーボトル20から離れる。ここで、上記鍔付きコロ95とカム部材97との係合が外れた後に、何らかの理由でコレットチャック30がボトルホルダー基端部側に後退してしまうと、例えばストッパーカバー48に突き当たって停止している中子39にコレットチャック30の大径先端部63(図31参照)が係合して、挾持部33が狭まり、栓25の摘み部26を挾持してトナーボトル20取り出しに不具合生じさせたり、新たなトナーボトル20のセットを困難にする。そこで、図示の例では、図28に示すように、上記鍔付きコロ95とカム部材97との係合が外れている間、コレットチャック30が後退しないように、その後端部の位置を規制するカム面を備えたホルダ基端側カム部材101を回転中心Z近傍に設けている。なお、挾持部33を拡げるためのコレットチャック30の中子39に対する相対的な前進移動も、このホルダー基端側カム部材101によって行うようにしても良い。
以上とは逆にボトル載置用位置Aからトナー補給用位置Aへ移動させる場合には、上記鍔付きコロ95がカム部材97と係合した後に、進退ブラケット89及びコレットチャック30がホルダー基端部側に移動し、トナーボトル20の位置決め及び開口部23からの栓25の抜取りを行い、最終的に図27,28の状態になる。
また、前記実施例のトナー補給ユニット17と本実施例のトナー補給ニット17とは、コレットチャック30の挾持部33を拡げるのに、前記トナー補給ユニット17では挾持部33を狭めるような外力が加わらない状態で挾持部33が充分拡がっているコレットチャック30を用い、このような外力が加わらない状態を作り出すようにしたのに対し、本実施例のトナー補給ユニット17では、挾持部33を拡げるような外力を、コレットチャック30に積極的に加えるようにしている点でも異なる。
すなわち、図31(a)に示すように、本実施例のコレットチャック30は切り割れの幅が狭い小幅切り割れ部分30aを、これよりも幅が広い大幅切り割れ部分30bよりも後端側に形成している。そして、図31(b)に示すように、中子39のコレットチャック摺動用の孔部内周面に、コレットチャック30の例えば全ての切り割れ(図示のれいでは3つ)に入り込む中子割込み突起部102を形成し、この中子割込み突起部102がコレットチャック30の切り割れ62に割り込むように取り付けた。また、図示のコレットチャック33は、大径先端部63よりも更に先端部側の周面に、更に大径の部分103を形成し、かつ両部間の境界に長手方向に対してほぼ垂直に立った突き当て面104を形成した。なお、図示の中子39は、上記中子割込み突起部102を設けた点以外、図14を用いて説明した中子39と同一であり、図31(a)中に符号105で示すのが周面シールを短冊シール素材の短辺同士の突合せで形成した場合の突合せ部である。
図32は上記コレットチャック32と中子39との位置関係と挾持部33の状態との関連の説明図である。同(a)は、例えばボトルホルダー21がボトル載置用位置Aにあるときのように、中子39がストッパーカバー48(同図中では省略)に突き当たって位置が規制され状態での同関連を示し、この状態では、中子39の中子割込み突起部102が小幅切り割れ部分30a内に位置して、くさび作用で積極的に挾持部33を拡げている。また、同(b)は、例えばボトルホルダー21をボトル載置用位置Aからトナー補給用位置Bへ移動させ、上記鍔付きコロ95とカム部材97とが係合しある程度コレットチャック33が後退した状態での同関連を示し、この状態では、中子スプリング51によって付勢された中子39のボス部がコレットチャック33の大径先端部に係合したまま突き当て面104で係止され、挾持部33が狭められている。
また、前記実施例のトナー補給ユニット17と本実施例のトナー補給ニット17とは、ギヤリンク38からトナーボトル20に回転力を伝達するのに、前記トナー補給ユニット17ではトナーボトル20の開口部側端面にボトルリブ57を形成するととも、ギヤリンク38の端面にリンクリブ58を形成したのに対し、本実施例のトナー補給ユニット17では、図33に示すように、ボトルリブ57に代え、係合用の凹部106を形成し、リンクリブ58をこの係合用の凹部106に係合し得る形状にした点でも異なる。但し、本実施例のトナー補給ユニット17においても、例えば図34に示すように、前記実施例装置と同様の回転力伝達方法を用いることもできる。この図34(d)は同(b)中の矢印A方向からみたギヤリンクの内面図である。
ここで、上記図34(a),(b)に示すように、トナーボトル20の外周面にボトルリブ57を形成する場合には、図35(a)乃至(e)に示すように、トナーボトル20を樹脂を成型して作成する場合、その成型時の型の分割部分(パーティングライン部)にボトルリブ57を形成することが望ましい。これによれば、これ以外の部分に形成する場合に比して、この部分のボトル肉厚を比較的厚くできる。なお、型の分割部分であれば、数に限りはない。例えば、図示の2分割の型ではパーティングラインが2本、4分割の型では同ラインが4本存在するので、それらのライン部上に任意の数だけ形成できる。
なお、ギヤリンク38からトナーボトル20に回転力を伝達するのに、前述の図33に示すように係合用の凹部106を特別にトナーボトルに形成するのに代え、トナーボトル20の肩部内面の迫り出し部分85に対応する外面部分を、ギヤリンク38側の係合部であるリンクリブ58などに対する係合用に用いても良い。図36(a)はその一例を示す斜視図、同図(b)はその部分断面図である。図36(a)において、ギヤリンク38には、上記迫り出し部分85に対応するトナーボトル20の外面部分(以下、迫り出し部外面という)85aに係合することによりこのギヤリンク38からトナーボトル20へ回転伝達する係合部200が形成されており、トナーボトル20の先端側をギヤリンク38内に挿入した際に、該係合部200が迫り出し部外面85aに係合される。図36(b)は、この係合状態を説明するための部分断面図である。同図中、符号200aは上記係合部200の、上記迫り出し部外面85aと直接係合する面を示している。この回転方向とほぼ直交する迫り出し部外面85aと係合部200との係合によってトナーボトル20がその軸線周りでギヤリンク38と一体に回転駆動される。これによれば、迫り出し部外面85aを利用してギヤリンク38からトナーボトル20への回転伝達を行っているため、上記ボトルリブ57のようなトナーボトル20への回転伝達のための突起などを、トナーボトル20に特別に形成することが不要となり、トナーボトル20の製造コストを低減させることが出来る。しかも、ギヤリンク38の係合部200を上記迫り出し部外面85aに係合させることによる回転伝達を確実に行わせることができる。
また、図37(a)に示すように、トナーボトル20の先端部に二個の係合面を設けるべく、上記迫り出し部外面85aから回転方向で180°離間させた箇所に係合面201を形成すると共に、ギヤリンク38にこれらの係合面85a,201に係合する二個の係合部分200を形成しても良い。この場合、追加した係合面201に対応するトナーボトル20内面を、トナー持ち上げ用の迫り出し部分として機能するように構成しても良い。図38は、トナーボトル20の先端部に、軸線周りで互いに対称になるように軸線周りで180°間隔をおいて迫り出し部85(図中には迫り出し部外面85aを示す)を2個形成した例を示す斜視図、図39(a)は同トナーボトル20の斜視図、図39(b)は同トナーボトル20を同図(a)中の矢印A方向から見た部分図、図39(c)は同トナーボトル20の平面図である。これらの図面中、これまでの実施例のトナーボトル20におけると同一の部分については同一の符号を付している。このような構成によれば、トナーボトル20が一回転する間に、迫り出し部分に沿った開口部23へのトナーの案内が二回行われるため、トナーボトル20内のトナー残量が少なくなった段階における開口部23からのトナーの吐出がより一層良好に行われる。また、ギヤリンク38からトナーボトル20への回転伝達を行うためのボトル側係合面とギヤリンク側係合部との係合箇所が二箇所となるため、ギヤリンク38からトナーボトル20への回転伝達がより一層確実に行われる。
なお、図示のトナーボトル20においては、開口部カラー24の周縁から肩部205にわたる部分に突起部204が形成されている。これは、トナーボトル20の誤セット防止のためのものである。すなわち、現像装置によって使用するトナーの特性(帯電特性や色)が異なるので、特定の現像装置で使用を予定しているトナーとは異なる特性のトナーを収納したトナーボトル20が、そのトナー補給ユニットにセットされるのを防止する必要が有る。そこで、この例では、上記突起部204の大きさや形成位置を、収納されるトナーの特性に対応させて予め設定している。そして、ギヤリンク38へのトナーボトル挿入完了時に、この突起部204に対応するギヤリンク38の端壁内面に、使用予定のトナーを収納したトナーボトル20の突起部204が入り込める凹部を形成している。これにより、使用予定とは異なるトナーを収納したトナーボトル20がセットされようとするときには、ギヤリンク38の上記凹部と上記突起部204とが大きさや位置が異なって、ギヤリンク38へのトナーボトル20挿入が完全にはできないようにしている。この例とは逆に、トナーボトル20側に凹部、ギヤリンク側に突起部を形成しても良い。
更に、ギヤリンク38からトナーボトル20への回転伝達をより一層確実に行うため、あるいは、トナーボトル20内のトナー残量が少なくなった場合のトナー吐出をより一層良好に行うために、ボトル側係合面とギヤリンク側係合部との係合箇所が三箇所以上になるようにしたり、迫り出し部分85を三箇所以上設けたりしても良い。この場合にも、3以上の係合箇所や迫り出し部分が回転方向で等間隔に位置するようにすることが望ましい。図40(a)はトナーボトル20の回転方向で90°の間隔をおいて、迫り出し部85(図中には迫り出し部外面85aを示す)と係合部分203とを交互に形成したトナーボトル20の斜視図、同図(b)は同トナーボトル20を同図(a)中の矢印A方向から見た部分図、図39(c)は同トナーボトル20の平面図である。これらの図面中、これまでの実施例のトナーボトル20におけると同一の部分については同一の符号を付している。
また、ギヤリンク38側の係合部分を、トナーボトル20の係合面よりも多く形成して、トナーボトル20先端のギヤリンク38内への挿入操作性を向上させるようにしても良い。図41はその一例を示す斜視図、図42(a)は同例のギヤリンク38を図41中の矢印B方向から見た図、図42(b)は同図(a)中のX−X断面図、図42(c)は同例のトナーボトル20先端部のギヤリンク38内への挿入完了状態の説明図である。
図41において、この例のトナーボトル20は図39のトナーボトル20と同一のものであり、軸線周りで互いに対称になるように軸線周りで180°間隔をおいて二個の迫り出し部85が形成され、それぞれの迫り出し部外面85aが係合面として使用される。そして、ギヤリンク38の端壁内面には、断面が軸線方向に突出した孤状のリム202が、軸線周りで互いに対称になるように軸線周りで90°間隔をおいて4個形成されている。これらのリム202は図42(b)に示すようにギヤリンク38のトナーボトル用挿入口側の上縁部202bが角度αで傾斜した形状にされている。この傾斜αは、ギヤリンク38へのトナーボトル挿入時に、図41に示すトナーボトル20の開口部カラー24の周縁から肩部205にわたる部分が、該上縁部202bに衝突しても、傾斜αに沿って摺動させ、かつ回転させながらトナーボトル20をスムーズに挿入し続けることができるようにするためのものである。スムーズな挿入のためには、この傾斜αは30°未満に設定することが望ましい。そして、このリム202の軸線に対向する面202aが、トナーボトル30の迫り出し部外面85aと係合して、ギヤリンク38の回転をトナーボトル20に伝達するようになっている。
この例によれば、トナーボトル20の開口部カラー24の周縁から肩部205にわたる部分が、該上縁部202bに衝突しても、傾斜αに沿って摺動させ、かつ回転させながらトナーボトル20をスムーズに挿入し続けることができる。