JP3691587B2 - 硬化性オルガノポリシロキサン組成物および半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬化性オルガノポリシロキサン組成物および半導体装置に関し、詳しくは、硬化途上、接着性を付与するために含有する低粘度液状オルガノポリシロキサンの滲み出しが抑制された硬化性オルガノポリシロキサン組成物、およびこの組成物の硬化物により半導体素子を被覆してなる、信頼性が優れた半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ケイ素原子に結合したアルケニル基を一分中に少なくとも2個有する液状オルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合した水素原子を一分子中に少なくとも2個有する液状オルガノポリシロキサン、およびヒドロシレーション反応用金属系触媒からなる硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、硬化して、電気絶縁性に優れた硬化物を形成するため、電気・電子用の接着剤、ポッテイング剤、保護コーティング剤として使用されており、特に、半導体素子の保護コーティング剤として使用されている。一般に、この硬化物の接着性を向上させるための成分として、この硬化性オルガノポリシロキサン組成物には、ケイ素原子に結合したアルコキシ基およびケイ素原子に結合したアルケニル基を一分子中に少なくとも1個ずつ有する低粘度液状オルガノポリシロキサンが用いられている。
【0003】
しかし、このような硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、硬化途上、この低粘度液状オルガノポリシロキサンが滲み出して、この硬化物の周囲が汚染されるという問題があった。このため、このような硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物により半導体素子を被覆した場合には、半導体素子のボンディングワイヤとの接合性を低下させたりして、得られる半導体装置の信頼性が乏しくなるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記の課題について鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明の目的は、硬化途上、接着性を付与するために含有する低粘度液状オルガノポリシロキサンの滲み出しが抑制された硬化性オルガノポリシロキサン組成物、およびこの組成物の硬化物により半導体素子を被覆してなる、信頼性が優れた半導体装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、
(A)(a)ケイ素原子に結合したアルケニル基を一分子中に少なくとも2個有する液状オルガノポリシロキサン、(a)成分100重量部に対して0.1〜20重量部となる量の(b)ケイ素原子に結合したアルケニル基とケイ素原子に結合したアルコキシ基を一分子中に少なくとも1個ずつ有し、25℃における粘度が1〜500センチポイズである低粘度液状オルガノポリシロキサン、および( a ) 成分と ( b ) 成分と ( c ) 成分とが反応した結果生成する ( A ) 成分が硬化状態とならない量の(c)ケイ素原子に結合した水素原子を一分子中に少なくとも2個有する液状オルガノポリシロキサンを、本組成物において、触媒中の金属原子が重量単位で0.01〜1,000ppmとなる量の(d)ヒドロシレーション反応用金属系触媒の存在下でヒドロシレーション反応により増粘させてなる、ケイ素原子に結合したアルケニル基を一分子中に少なくとも2個有し、ケイ素原子に結合したアルコキシ基を一分子中に少なくとも1個有する液状オルガノポリシロキサン、
および
本組成物を硬化させるのに十分な量の(B)ケイ素原子に結合した水素原子を一分子中に少なくとも2個有する液状オルガノポリシロキサン
からなることを特徴とする。
また、本発明の半導体装置は、この硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物により半導体素子を被覆してなることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
はじめに、本発明の硬化性オルガノポリシロキサン組成物を詳細に説明する。
(A)成分の液状オルガノポリシロキサンは本組成物の主成分であり、ケイ素原子に結合したアルケニル基を一分子中に少なくとも2個有し、ケイ素原子に結合したアルコキシ基を一分子中に少なくとも1個有することを特徴とする。このような(A)成分は、(a)ケイ素原子に結合したアルケニル基を一分子中に少なくとも2個有する液状オルガノポリシロキサン、(b)ケイ素原子に結合したアルケニル基とケイ素原子に結合したアルコキシ基を一分子中に少なくとも1個ずつ有する低粘度液状オルガノポリシロキサン、および(c)ケイ素原子に結合した水素原子を一分子中に少なくとも2個有する液状オルガノポリシロキサンを、(d)ヒドロシレーション反応用金属系触媒の存在下でヒドロシレーション反応により増粘させて調製される。
【0007】
(a)成分の液状オルガノポリシロキサンは、(A)成分を調製するための主原料であり、ケイ素原子に結合したアルケニル基を一分子中に少なくとも2個有することを特徴とする。この(a)成分の分子構造としては、直鎖状、一部分枝を有する直鎖状、分枝鎖状、網状が例示され、特に、直鎖状であることが好ましい。(a)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基が例示され、特に、ビニル基であることが好ましい。このアルケニル基の結合位置としては、分子鎖末端および/または分子鎖側鎖が例示される。また、(a)成分中のアルケニル基以外のケイ素原子に結合した基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等の置換もしくは非置換の一価炭化水素基が例示され、特に、メチル基、フェニル基であることが好ましい。(a)成分の25℃における粘度としては、100〜1,000,000センチポイズの範囲内であることが好ましい。
【0008】
(b)成分の低粘度液状オルガノポリシロキサンは、本組成物に接着性を付与するための成分であり、ケイ素原子に結合したアルケニル基とケイ素原子に結合したアルコキシ基を一分子中に少なくとも1個ずつ有することを特徴とする。(b)成分の分子構造としては、直鎖状、一部分枝を有する直鎖状、分枝鎖状、環状、網状が例示され、特に、直鎖状、分枝鎖状、網状であることが好ましい。(b)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基が例示され、特に、ビニル基であることが好ましい。(b)成分中のケイ素原子に結合したアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基が例示され、特に、メトキシ基であることが好ましい。(b)成分中のアルケニル基およびアルコキシ基以外のケイ素原子に結合した基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等の置換もしくは非置換の一価炭化水素基;3−グリシドキシプロピル基、4−グリシドキシブチル基等のグリシドキシアルキル基;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基等の(3,4−エポキシシクロヘキシル)アルキル基;4−オキシラニルブチル基、8−オキシラニルオクチル基等のオキシラニルアルキル基等のエポキシ基含有一価有機基が例示され、各種の基材に対しても良好な接着性を付与することができることから、一分子中の少なくとも1個はこのエポキシ基含有一価有機基であることが好ましい。(b)成分は低粘度液状であり、この25℃における粘度は、1〜500センチポイズの範囲内である。
【0009】
(b)成分の中でも、ケイ素原子に結合したアルケニル基とケイ素原子に結合したアルコキシ基とケイ素原子に結合したエポキシ基含有一価有機基を一分子中に少なくとも1個ずつ有する低粘度液状オルガノポリシロキサンとしては、平均単位式:
(R1SiO3/2)a(R2 2SiO2/2)b(R2 3SiO1/2)c(R3O1/2)d
で表される低粘度液状オルガノポリシロキサンが例示される。上式中のR1はエポキシ基含有一価有機基であり、3−グリシドキシプロピル基、4−グリシドキシブチル基等のグリシドキシアルキル基;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基等の(3,4−エポキシシクロヘキシル)アルキル基;4−オキシラニルブチル基、8−オキシラニルオクチル基等のオキシラニルアルキル基が例示され、特に、グリシドキシアルキル基であることが好ましく、さらには、3−グリシドキシプロピル基であることが好ましい。また、上式中のR2は置換もしくは非置換の一価炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等の置換もしくは非置換の一価炭化水素基が例示され、(b)成分中の少なくとも1個はアルケニル基であることが必要である。また、上式中のR3はアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、メトキシエチル基が例示され、特に、メチル基、エチル基であることが好ましい。また、上式中のaは正数であり、bは正数であり、cは0または正数であり、dは正数である。
【0010】
(b)成分は、(a)成分100重量部に対して0.1〜20重量部となる量であることが必要であり、特に、これが0.1〜10重量部となる量であることが好ましい。これは、(a)成分100重量部に対して、(b)成分が0.1重量部未満となる量であると、得られる硬化物の接着性が乏しくなるためであり、また、これが20重量部をこえる量であると、得られる硬化性オルガノポリシロキサン組成物の保存安定性が乏しくなるためである。
【0011】
(c)成分の液状オルガノポリシロキサンは、(a)成分と(b)成分を化学的に結合するための成分であり、ケイ素原子に結合した水素原子を一分子中に少なくとも2個有することを特徴とする。(c)成分の分子構造としては、直鎖状、一部分枝を有する直鎖状、分枝鎖状、環状、網状が挙げられ、特に、直鎖状であることが好ましい。また、(c)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の結合位置としては、分子鎖末端および/または分子鎖側鎖が例示され、特に、分子鎖両末端であることが好ましい。(c)成分中の水素原子以外のケイ素原子に結合した基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等の置換もしくは非置換の一価炭化水素基が例示され、特に、メチル基、フェニル基であることが好ましい。(c)成分の25℃における粘度としては、1〜100,000センチポイズの範囲内であることが好ましい。
【0012】
(c)成分は、( a ) 成分と ( b ) 成分と ( c ) 成分とが反応した結果生成する ( A ) 成分が硬化状態とならない量用いることが必要であり、具体的には、(a)成分と(b)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基の合計1モルに対して、(c)成分中のケイ素原子に結合した水素原子が0.01〜0.95モルとなる範囲内の量であることが好ましい。これは、(a)成分と(b)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基の合計1モルに対して、(c)成分中のケイ素原子に結合した水素原子が0.01モル未満であると、(a)成分と(b)成分を化学的に十分に結合させることができずに、本発明の目的を達成できないためであり、また、これが0.95モルをこえると、ヒドロシリレーション反応により(A)成分が硬化したり、使用できない程度の高粘度となるためである。
【0013】
(d)成分のヒドロシレーション反応用金属系触媒は、(a)成分と(b)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基に(c)成分中のケイ素原子に結合した水素原子をヒドロシレーション反応するための触媒であり、白金系触媒、ロジウム系触媒、パラジウム系触媒が例示され、特に、白金系触媒であることが好ましい。この白金系触媒としては、白金微粉末、白金黒、白金担持シリカ微粉末、白金担持活性炭、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、白金のオレフィン錯体、白金のアルケニルシロキサン錯体等の白金系化合物が例示される。
【0014】
(d)成分は、本組成物において、この触媒中の金属原子が重量単位で0.01〜1,000ppmとなる範囲内の量であることが必要である。これは、(d)成分の添加量が、本組成物において、この触媒中の金属原子が重量単位で0.01ppmとなる量であると、ヒドロシリレーション反応が十分に進行しないために、ヒドロシレーション反応により(A)成分を増粘させることができないためであり、さらには、本組成物をヒドロシレーション反応により硬化させることができなくなるためであり、また、これが1,000ppmをこえてもヒドロシレーション反応が著しく促進されるものではなく、むしろ不経済となるからである。この(d)成分の一部により、(A)成分をヒドロシレーション反応により増粘させた後、さらに残りの(d)成分を追加することもできる。
【0015】
(a)成分〜(d)成分を均一に混合して行うヒドロシレーション反応は、室温もしくは加熱により進行するが、加熱下で行うことにより、このヒドロシレーション反応を迅速に行うことができる。この加熱温度としては、50〜200℃の範囲内であることが好ましく、特に、80〜180℃の範囲内であることが好ましい。このヒドロシレーション反応においては、(a)成分〜(d)成分を均一に混合しておれば、特に攪拌は必要ではないが、加熱攪拌下で行うこともまた好ましい。(a)成分〜(d)成分を均一に混合してヒドロシレーション反応を行う際、その他の成分として、沈降シリカ、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、酸化チタン、アルミナ、ガラス、石英、アルミノケイ酸、酸化鉄、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、カーボンブラック等の充填剤;これらの充填剤をオルガノハロシラン、オルガノアルコキシシラン、オルガノシラザン等の有機ケイ素化合物で処理した充填剤;シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の有機樹脂微粉末;銀、銅等の導電性粉末;その他、染料、顔料、難燃材、溶剤等を配合することができる。また、このヒドロシレーション反応の速度を調節するために、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、フェニルブチノール等のアルキンアルコール;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等のエンイン化合物;1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラヘキセニルシクロテトラシロキサン、ベンゾトリアゾール等の付加反応抑制剤を配合することができる。この付加反応抑制剤の配合量は、(A)成分100重量部に対して0.0001〜5重量部であることが好ましい。
【0016】
(B)成分の液状オルガノポリシロキサンは本組成物の硬化剤であり、一分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有することを特徴とする。(B)成分の分子構造しては、直鎖状、一部分枝を有する直鎖状、分枝鎖状、環状、網状が例示され、特に、直鎖状であることが好ましい。(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の結合位置としては、分子鎖末端および/または分子鎖側鎖が例示される。(B)成分中の水素原子以外のケイ素原子に結合した基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等の置換もしくは非置換の一価炭化水素基が例示され、特に、メチル基、フェニル基であることが好ましい。(B)成分の25℃における粘度としては、1〜100,000センチポイズの範囲内であることが好ましい。この(B)成分は、(A)成分を調製するための原料として用いた(c)成分と同じであってもよく、また、異なっていても良い。
【0017】
(B)成分は、本組成物を硬化するために十分な量用いることが必要であり、具体的には、(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基1モルに対して、(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子が0.5〜10モルとなる範囲内の量であることが好ましい。これは、(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基1モルに対して、(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子が0.5モル未満となる量であると、十分に硬化しないためであり、また、これが10モルをこえる量であると、硬化途上で発泡したり、得られる硬化物の物理的特性が低下するためである。
【0018】
本組成物は(A)成分および(B)成分を均一に混合することにより調製されるが、これを調製する際に、本発明の目的を損なわない限り、その他任意の成分として、前記の充填剤、染料、顔料、難燃材、溶剤、付加反応抑制剤等を配合することができる。付加反応抑制剤を配合する場合には、これを(A)成分と予め均一に混合した後、これに(B)成分を混合することが好ましい。また、(A)成分と(B)成分を混合する際に、前記(d)成分の一部を配合してもよい。
【0019】
本発明の硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、硬化途上、接着性を付与するために含有する低粘度液状オルガノポリシロキサンの滲み出しが抑制され、硬化して接着性が優れた硬化物を形成することができるので、電気・電子用の接着剤、ポッテイング剤、保護コーティング剤として使用することができ、特に、半導体素子の保護コーティング剤として使用することができる。
【0020】
続いて、本発明の半導体装置について詳細に説明する。
本発明の半導体装置は、上記の硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物により半導体素子を被覆してなることを特徴とする。この半導体素子としては、ダイオード、トランジスタ、サイリスタ、モノリシックIC、さらにはハイブリッドIC中の半導体素子が例示される。また、このような半導体装置としては、ダイオード、トランジスタ、サイリスタ、モノリシックIC、ハイブリッドIC、LSI、VLSIが例示される。
【0021】
本発明の半導体装置の一例であるハイブリッドIC(断面図)を図1に示した。図1の半導体装置は、半導体素子1が回路基板2上に搭載されており、この半導体素子1と外部リードに接続した回路配線3とがボンディングワイヤ4により電気的に接続されてなる。また、この半導体素子1の表面には硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物5が、この半導体素子1を被覆するように形成されており、さらに、この硬化物5により被覆された半導体素子1が封止樹脂6により樹脂封止されてなる。この回路基板2の材質としては、ガラス繊維強化エポキシ樹脂、ベークライト樹脂、フェノール樹脂等の有機樹脂;アルミナ等のセラミックス;銅、アルミニウム等の金属が例示される。また、回路配線3の材質としては、銅、銀−パラジウムが例示される。また、ボンディングワイヤ4の材質としては、金、銅、アルミニウムが例示される。この回路基板2には半導体素子1の他に、抵抗、コンデンサー、コイル等の電子部品が搭載されていてもよい。また、封止樹脂6の材質としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂が例示される。
【0022】
本発明の半導体装置を製造する方法としては、半導体素子1を回路基板2上に搭載し、次いで、この半導体素子1と回路配線3とをボンディングワイヤ4により電気的に接続した後、この半導体素子1の表面に上記の硬化性オルガノポリシロキサン組成物を塗布する。この半導体素子1上の硬化性オルガノポリシロキサン組成物を硬化させる方法としては、これを室温で放置するか、もしくは50〜200℃に加熱する方法が例示される。この硬化性オルガノポリシロキサン組成物を硬化した後は、この硬化物5により被覆された半導体素子1を必要により、封止樹脂6により樹脂封止することができる。
【0023】
【実施例】
本発明の硬化性オルガノポリシロキサン組成物および半導体装置を実施例により詳細に説明する。なお、実施例中の粘度は25℃において測定した値である。また、硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化途上における低粘度液状オルガノポリシロキサンの滲み出し、半導体装置の信頼性は次のようにして評価した。
【0024】
[低粘度液状オルガノポリシロキサンの滲み出しの評価方法]
低粘度液状オルガノポリシロキサンの滲み出しの評価を図2に示した方法で行った。すなわち、硬化性オルガノポリシロキサン組成物をスクリーン印刷法によガラス繊維強化エポキシ板A(5cm×5cm)上に、1cm×1cm×1mmとなるように塗布して10個の試験体を作成した。この試験体の5個は、硬化性オルガノポリシロキサン組成物を塗布した直後に150℃の熱風循環式オーブンにより2時間加熱して、この組成物を硬化させた。また、残りの試験体は、硬化性オルガノポリシロキサン組成物を塗布した後、25℃で6時間静置した後、150℃の熱風循環式オーブンにより2時間加熱して、この組成物を硬化させた。そして、これらのエポキシ板A上の硬化物Bから滲み出した低粘度液状オルガノポリシロキサンCの長さの平均(a+b+c+d)/4を求め、これらの試験体5個の平均値によりそれぞれ比較した。
【0025】
[半導体装置の信頼性の評価方法]
図1で示した半導体装置を作成した。この半導体装置は、半導体素子1を、表面に印刷により形成された回路配線3および端部に外部リードを有するガラス繊維強化エポキシ樹脂製の回路基板2上に搭載した後、この半導体素子1の表面に硬化性オルガノポリシロキサン組成物をスクリーン印刷法により塗布して、40個の半導体装置を作成した。この半導体装置の20個は、硬化性オルガノポリシロキサン組成物を塗布した直後に150℃の熱風循環式オーブンにより2時間加熱して、この組成物を硬化させた。また、残り半導体装置は25℃で6時間放置した後、150℃の熱風循環式オーブンにより2時間加熱して、この組成物を硬化させた。次に、これらの半導体装置の半導体素子1と回路配線3とをボンディングワイヤ4により電気的に接続した。その後、この半導体装置を硬化性液状エポキシ樹脂で樹脂封止した。このエポキシ樹脂の硬化は、80℃の熱風循環式オーブンにより1時間加熱した後、150℃の熱風循環式オーブンにより2時間加熱することにより行った。
このようにして作成した半導体装置を85℃、相対湿度85%の条件下で1000時間放置した後、外部リード間の電気導通試験を行い、導通不良の半導体装置の数(不良率)を求めた。
【0026】
[実施例1]
(a)成分として、粘度が10,000センチポイズである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ケイ素原子に結合したビニル基の含有量=0.12重量%)64重量部と粘度が6,000センチポイズである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体(ケイ素原子に結合したビニル基の含有量=0.84重量%)15重量部、(b)成分として、粘度が20センチポイズである、平均単位式:
【化1】
で表されるオルガノポリシロキサン(ケイ素原子に結合したビニル基の含有量=16重量%)1重量部、(c)成分として、粘度が15センチポイズである分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ケイ素原子に結合した水素原子の含有量=0.13重量%)2重量部、(d)成分として、白金の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(本組成物において、この錯体中の白金金属が重量単位で5ppmとなる量)、任意の成分として、ヘキサメチルジシラザンにより表面が疎水性処理された、比表面積が200m2/gであるヒュームドシリカ16重量部を均一に混合して、粘度4,100ポイズの混合物を調製して、次いで、この混合物を150℃で30分間加熱してヒドロシレーション反応を行って、粘度が8,300ポイズであるグリース状オルガノポリシロキサンを調製した。
【0027】
次に、この液状オルガノポリシロキサン100重量部に、付加反応抑制剤として、3−フェニル−1−ブチン−3−オール0.01重量部を均一に混合した後、粘度が20センチポイズである分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(ケイ素原子に結合した水素原子の含有量=1.6重量%)2重量部を均一に混合して硬化性オルガノポリシロキサン組成物を調製した。
この硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物からの低粘度液状オルガノポリシロキサンの滲み出し、および半導体装置の信頼性を上記の方法により評価した。これらの評価結果を表1に示した。
【0028】
[比較例1]
(a)成分として、粘度が10,000センチポイズである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ケイ素原子に結合したビニル基の含有量=0.12重量%)64重量部と粘度が6,000センチポイズである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体(ケイ素原子に結合したビニル基の含有量=0.84重量%)15重量部、(c)成分として、粘度が15センチポイズである分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ケイ素原子に結合した水素原子の含有量=0.13重量%)2重量部、(d)成分として、白金の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(本組成物において、この錯体中の白金金属が重量単位で5ppmとなる量)、任意の成分として、ヘキサメチルジシラザンにより表面が疎水性処理された、比表面積200m2/gのヒュームドシリカ16重量部を均一に混合して、粘度1,700ポイズの混合物を調製して、次いで、この混合物を150℃で30分間加熱してヒドロシレーション反応を行って、粘度が4,000ポイズである液状オルガノポリシロキサンを調製した。
【0029】
次に、この液状オルガノポリシロキサン100重量部に、粘度が20センチポイズである、平均単位式:
【化2】
で表されるオルガノポリシロキサン(ケイ素原子に結合したビニル基の含有量=16重量%)1重量部、付加反応抑制剤として、3−フェニル−1−ブチン−3−オール0.01重量部を均一に混合した後、粘度が20センチポイズである分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(ケイ素原子に結合した水素原子の含有量=1.6重量%)2重量部を均一に混合して硬化性オルガノポリシロキサン組成物を調製した。
この硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物からの低粘度液状オルガノポリシロキサンの滲み出し、および半導体装置の信頼性を上記の方法により評価した。これらの評価結果を表1に示した。
【0030】
[比較例2]
(a)成分として、粘度が10,000センチポイズである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ケイ素原子に結合したビニル基の含有量=0.12重量%)64重量部と粘度が6,000センチポイズである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体(ケイ素原子に結合したビニル基の含有量=0.84重量%)15重量部、(b)成分として、粘度が20センチポイズである、平均単位式:
【化3】
で表されるオルガノポリシロキサン(ケイ素原子に結合したビニル基の含有量=16重量%)1重量部、(d)成分として、白金の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(本組成物において、この錯体中の白金金属が重量単位で5ppmとなる量)、任意の成分として、ヘキサメチルジシラザンにより表面が疎水性処理された、比表面積が200m2/gであるヒュームドシリカ16重量部を均一に混合して、粘度4,600ポイズの混合物を調製して、次いで、この混合物を150℃で30分間加熱したが、増粘せず、ヒドロシレーション反応は進行しなかった。
【0031】
次に、この混合物100重量部に、付加反応抑制剤として、3−フェニル−1−ブチン−3−オール0.01重量部を均一に混合した後、粘度が20センチポイズである分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(ケイ素原子に結合した水素原子の含有量=1.6重量%)2重量部を均一に混合して硬化性オルガノポリシロキサン組成物を調製した。
この硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物からの低粘度液状オルガノポリシロキサンの滲み出し、および半導体装置の信頼性を上記の方法により評価した。これらの評価結果を表1に示した。
【0032】
[実施例2]
(a)成分として、粘度が10,000センチポイズである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ケイ素原子に結合したビニル基の含有量=0.12重量%)64重量部と粘度が6,000センチポイズである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体(ケイ素原子に結合したビニル基の含有量=0.84重量%)15重量部、(b)成分として、粘度が20センチポイズである、平均単位式:
【化4】
で表されるオルガノポリシロキサン(ケイ素原子に結合したビニル基の含有量=8重量%)2重量部、(c)成分として、粘度が15センチポイズである分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ケイ素原子に結合した水素原子の含有量=0.13重量%)2重量部、(d)成分として、白金の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(本組成物において、この錯体中の白金金属が重量単位で5ppmとなる量)、任意の成分として、ヘキサメチルジシラザンにより表面が疎水性処理された、比表面積が200m2/gであるヒュームドシリカ16重量部を均一に混合して、粘度4,000ポイズの混合物を調製した。次いで、この混合物を150℃で30分間加熱したところヒドロシレーション反応が進行して、粘度が9,300ポイズであるグリース状オルガノポリシロキサンを調製した。
【0033】
次に、この液状オルガノポリシロキサン100重量部に、付加反応抑制剤として、3−フェニル−1−ブチン−3−オール0.01重量部を均一に混合した後、粘度が20センチポイズである分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(ケイ素原子に結合した水素原子の含有量=1.6重量%)2重量部を均一に混合して硬化性オルガノポリシロキサン組成物を調製した。
この硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物からの低粘度液状オルガノポリシロキサンの滲み出し、および半導体装置の信頼性を上記の方法により評価した。これらの評価結果を表1に示した。
【0034】
[比較例3]
(a)成分として、粘度が10,000センチポイズである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ケイ素原子に結合したビニル基の含有量=0.12重量%)64重量部と粘度が6,000センチポイズである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体(ケイ素原子に結合したビニル基の含有量=0.84重量%)15重量部、(c)成分として、粘度が15センチポイズである分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ケイ素原子に結合した水素原子の含有量=0.13重量%)2重量部、(d)成分として、白金の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(本組成物において、この錯体中の白金金属が重量単位で5ppmとなる量)、任意の成分として、ヘキサメチルジシラザンにより表面が疎水性処理された、比表面積が200m2/gであるヒュームドシリカ16重量部を均一に混合して、粘度1,700ポイズの混合物を調製した。次いで、この混合物を150℃で30分間加熱したところヒドロシレーション反応が進行して、粘度が4,000ポイズである液状オルガノポリシロキサンを調製した。
【0035】
次に、この液状オルガノポリシロキサン100重量部に、粘度が20センチポイズである、平均単位式:
【化5】
で表されるオルガノポリシロキサン(ビニル基の含有量=8重量%)2重量部、および、付加反応抑制剤として、3−フェニル−1−ブチン−3−オール0.01重量部を均一に混合した後、粘度が20センチポイズである分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(ケイ素原子に結合した水素原子の含有量=1.6重量%)2重量部を均一に混合して硬化性オルガノポリシロキサン組成物を調製した。
この硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物からの低粘度液状オルガノポリシロキサンの滲み出し、および半導体装置の信頼性を上記の方法により評価した。これらの評価結果を表1に示した。
【0036】
[実施例3]
(a)成分として、粘度が10,000センチポイズである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ケイ素原子に結合したビニル基の含有量=0.12重量%)64重量部と粘度が6,000センチポイズである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体(ケイ素原子に結合したビニル基の含有量=0.84重量%)15重量部、(b)成分として、粘度が20センチポイズである、平均単位式:
【化6】
で表されるオルガノポリシロキサン(ケイ素原子に結合したビニル基の含有量=16重量%)1重量部、(c)成分として、粘度が15センチポイズである分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ケイ素原子に結合した水素原子の含有量=0.13重量%)2重量部、(d)成分として、白金の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(本組成物において、この錯体中の白金金属が重量単位で5ppmとなる量)、任意の成分として、ヘキサメチルジシラザンにより表面が疎水性処理された、比表面積が200m2/gであるヒュームドシリカ16重量部を均一に混合して、粘度4,000ポイズの混合物を調製して、次いで、この混合物を25℃で1週間放置してヒドロシレーション反応を行って、粘度が8,100ポイズであるグリース状オルガノポリシロキサンを調製した。
【0037】
次に、この液状オルガノポリシロキサン100重量部に、付加反応抑制剤として、3−フェニル−1−ブチン−3−オール0.01重量部を均一に混合した後、粘度が20センチポイズである分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(ケイ素原子に結合した水素原子の含有量=1.6重量%)2重量部を均一に混合して硬化性オルガノポリシロキサン組成物を調製した。
この硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物からの低粘度液状オルガノポリシロキサンの滲み出し、および半導体装置の信頼性を上記の方法により評価した。これらの評価結果を表1に示した。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】
本発明の硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、硬化途上、接着性を付与するために含有する低粘度液状オルガノポリシロキサンの滲み出しが抑制されるという特徴があり、また、本発明の半導体装置は、このような硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物により被覆されているので、優れた信頼性を有するという特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の半導体装置の一例であるハイブリッドICの断面図である。
【図2】 本発明の実施例において、硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物から滲み出た低粘度液状オルガノポリシロキサンの長さを測定した試験体の上面図および側面図である。
【符号の説明】
1 半導体素子
2 ガラス繊維強化エポキシ樹脂製の回路基板
3 回路配線
4 ボンディングワイヤ
5 硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物
6 エポキシ樹脂からなる封止樹脂
A ガラス繊維強化エポキシ樹脂板
B 硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物
C 硬化物から滲み出た低粘度液状オルガノポリシロキサン
a、b、c、d 硬化物から滲み出た低粘度液状オルガノポリシロキサンの長さ
Claims (4)
- (A)(a)ケイ素原子に結合したアルケニル基を一分子中に少なくとも2個有する液状オルガノポリシロキサン、(a)成分100重量部に対して0.1〜20重量部となる量の(b)ケイ素原子に結合したアルケニル基とケイ素原子に結合したアルコキシ基を一分子中に少なくとも1個ずつ有し、25℃における粘度が1〜500センチポイズである低粘度液状オルガノポリシロキサン、および( a ) 成分と ( b ) 成分と ( c ) 成分とが反応した結果生成する ( A ) 成分が硬化状態とならない量の(c)ケイ素原子に結合した水素原子を一分子中に少なくとも2個有する液状オルガノポリシロキサンを、本組成物において、触媒中の金属原子が重量単位で0.01〜1,000ppmとなる量の(d)ヒドロシレーション反応用金属系触媒の存在下でヒドロシレーション反応により増粘させてなる、ケイ素原子に結合したアルケニル基を一分子中に少なくとも2個有し、ケイ素原子に結合したアルコキシ基を一分子中に少なくとも1個有する液状オルガノポリシロキサン、
および
本組成物を硬化させるのに十分な量の(B)ケイ素原子に結合した水素原子を一分子中に少なくとも2個有する液状オルガノポリシロキサン
からなる硬化性オルガノポリシロキサン組成物。 - (b)成分が、ケイ素原子に結合したアルケニル基とケイ素原子に結合したアルコキシ基とケイ素原子に結合したエポキシ基含有一価有機基を一分子中に少なくとも1個ずつ有する低粘度液状オルガノポリシロキサンであることを特徴とする、請求項1記載の硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- (b)成分が、平均単位式:
(R1SiO3/2)a(R2 2SiO2/2)b(R2 3SiO1/2)c(R3O1/2)d
{式中、R1はエポキシ基含有一価有機基であり、R2は置換もしくは非置換の一価炭化水素基であり、但し、(b)成分中の少なくとも1個のR2はアルケニル基であり、R3はアルキル基であり、aは正数であり、bは正数であり、cは0または正数であり、dは正数である。}
で表される低粘度液状オルガノポリシロキサンであることを特徴とする、請求項2記載の硬化性オルガノポリシロキサン組成物。 - 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物により半導体素子を被覆してなることを特徴とする半導体装置。
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