JP3691443B2 - 織物製造方法および装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、開繊糸などを用いる織物を製造する織物製造方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、炭素繊維やガラス繊維は、製織された織物の状態で、繊維強化複合材料の補強材として使用されている。炭素繊維などは、多数の炭素フィラメントを束ねて、扁平なリボン状にした形態で製造される。織物では、経糸と緯糸とが交錯し、交錯部分で繊維束の屈曲が避けられないので、屈曲部分で応力集中が生じ易くなり、繊維束が本来有する機械的特性が損われ易い難点がある。炭素繊維などの繊維束は、開繊処理によって、薄く扁平に引き延ばすことができる。開繊処理が施された開繊糸を使用して織物を製造すれば、経糸と緯糸との交錯部分での繊維束の屈曲の程度を低減し、応力集中を生じ難くして、機械的特性が損われるのを避けることができる。
【0003】
織物を製造する織機には、経糸を上下に分けて杼口を形成する開口運動と、杼口に緯糸を通す緯入れ運動と、杼口に通した緯糸を筬で織前へ打寄せる筬打ち運動との3つの主運動がある。扁平な断面形状の繊維束を少なくとも緯糸に使用すると、筬打ちによって、繊維束の断面形状がくずれ、糸幅が狭くなって厚みが厚くなるように変形してしまい、扁平な織物を製造することができない。このため、開繊糸などの扁平な糸を使用する場合には、高速で製織可能な織機を使用することができず、手織など、生産性が低い方法を採らなければならない。
【0004】
開繊糸織物の製造方法とその装置についての先行技術は、たとえば特許第2983531号公報に開示されている。この先行技術では、筬打ちに代わる機構として、杼口に挿入した緯糸を移送手段が織前側に搬送している。この先行技術の[0019]段落には、緯入れ手段が緯糸ボビン、緯糸把持部、およびレピア部を含み、「予め開繊処理されて厚みに対して十分な略均一な幅を有する帯状繊維束Tの緯糸が巻回された緯糸ボビン」の編糸端部を緯糸把持部で把持し、レピア部で緯糸把持部を往復移動させる旨が記載されている。[0020]段落には、緯入れした緯糸の根元はカッターで切断する旨が記載されている。[0021]段落および[0022]段落には、経糸群の両脇に、経糸方向へ往復移動可能な一対の移送手段が設けられ、経糸群の開口部へ緯入れされた緯糸を織前側の把持手段の位置まで平行移送する旨が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許第2983531号公報で開示されている先行技術では、各構成部分の駆動や制御をどのようにして行っているかについての記載は少ない。緯入れ手段によって杼口に通した緯糸を、移送手段によって織前に移動させる必要があるので、緯糸を緯入れ手段から移送手段に移し換える動作が必要となる。このため、緯糸の取扱いに関する動作が複雑化し、製織の速度を高めることが困難となる。また、相互に関連する動作が多くなるので、タイミング調整が複雑となる。いったん調整を終了すると、製織速度を高めるような場合は、多くの調整箇所を再調整しなければならない。
【0006】
本発明の目的は、筬打ちを行わないでも製織が可能で、緯糸の取扱いに関する動作を単純化し、製織の速度を高めることが容易な織物製造方法および装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、織機に仕掛けられた複数の経糸に綜絖手段の開口運動によって上下に分けて杼口を形成しながら、杼口に順次的に緯糸を通して経糸と緯糸とを交錯させる織物製造方法において、
製織の進行方向に関して、綜絖手段から進行側に離れた位置で、製織された織物の後端を挟んで保持する織前側把持手段を、杼口の位置と、杼口の位置から該進行側に離れる離隔位置との間で、往復移動可能にしておき、
離隔位置で織前側把持手段が織物の後端を挟んで保持しながら、杼口に緯糸を通す工程と、
織物の後端を保持する織前側把持手段を、離隔位置から杼口の位置まで綜絖手段側に戻す工程と、
杼口の位置で、織前側把持手段によって織物を該進行方向に送り、緯糸が通された経糸との交錯部分を織物の後端として把持する工程と、
織物の後端を保持する織前側把持手段を、杼口の位置から離隔位置まで綜絖手段から離れるように進行させる工程とを含む複数の工程を、繰返すことを特徴とする織物製造方法である。
【0008】
本発明に従えば、織機に仕掛けられた複数の経糸に、綜絖手段の開口運動によって上下に分けて杼口を形成しながら順次的に緯糸を通して、経糸と緯糸とを交錯させる織物の製造を、杼口に緯糸を通した後、織物の後端を保持する織前側把持手段を杼口の位置まで綜絖手段側に戻すことによって、筬打ちなしで行うことができる。緯糸に対する筬打ちが行われないので、型くずれしやすい緯糸を使用して織物を製造することができる。織前側把持手段が移動するので、杼口に通した緯糸を移動させる必要はなく、緯糸の取扱いに関する動作を単純化して、製織の速度を高めることができる。
【0009】
また本発明は、前記緯糸として、予め開繊処理が施されて厚みに対して十分な略均一な幅を有する帯状繊維束を使用し、該幅の方向が表面に平行な織物を製造することを特徴とする。
【0010】
本発明に従えば、筬打ちを行わないので、緯糸として予め開繊処理が施されて厚みに対して十分な略均一な幅を有する帯状繊維束を使用しても、広げられた幅の方向が表面に平行な厚みの薄い織物を容易に製造することができる。
【0011】
さらに本発明は、織機に仕掛けられた複数の経糸に、綜絖手段の開口運動によって上下に分けて杼口を形成しながら、順次的に緯糸を通して、経糸と緯糸とを交錯させる織物製造装置において
製織の進行方向に関して、綜絖手段から該進行側に離れた位置で、製織された織物の後端を挟んで保持し、杼口の位置と、杼口の位置から該進行側に離れる離隔位置との間で往復移動可能な織前側把持手段と、
杼口が形成される位置に配置され、杼口の開口状態で、該杼口内を移動して、緯糸を該杼口に通す緯入れ手段と、
織前側把持手段、綜絖手段、および緯入れ手段を連携させて、
離隔位置で織前側把持手段が織物の後端を挟んで保持しながら、緯入れ手段が杼口に緯糸を通す動作と、
織物の後端を保持する織前側把持手段を、離隔位置から杼口の位置まで綜絖手段側に戻す動作と、
杼口の位置で、織前側把持手段によって織物を該進行方向に送り、緯糸が通された経糸との交錯部分を織物の後端として把持する動作と、
織物の後端を保持する織前側把持手段を、杼口の位置から離隔位置まで綜絖手段から離れるように進行させる動作とを含む複数の動作を、繰返して行わせる動作連携手段とを含むことを特徴とする織物製造装置である。
【0012】
本発明に従えば、織物製造装置は、織機に仕掛けられた複数の経糸に、綜絖手段の開口運動によって上下に分けて杼口を形成しながら順次的に緯糸を通して、経糸と緯糸とを交錯させる織物を製造するために、織前側把持手段と、緯入れ手段と、動作連携手段とを含む。織前側把持手段は、製織の進行方向に関して、綜絖手段から進行側に離れた位置で、製織された織物の後端を挟んで保持し、杼口の位置と、杼口の位置から進行側に離れる離隔位置との間で往復移動可能である。緯入れ手段は、杼口が形成される位置に配置され、杼口の開口状態で、杼口内を移動して、緯糸を杼口に通す。動作連携手段は、織前側把持手段、綜絖手段、および緯入れ手段を連携させて、離隔位置で織前側把持手段が織物の後端を挟んで保持しながら、緯入れ手段が杼口に緯糸を通す動作と、織物の後端を保持する織前側把持手段を、離隔位置から杼口の位置まで綜絖手段側に戻す動作と、杼口の位置で、織前側把持手段によって織物を進行方向に送り、緯糸が通された経糸との交錯部分を織物の後端として把持する動作と、織物の後端を保持する織前側把持手段を、杼口の位置から離隔位置まで綜絖手段から離れるように進行させる動作とを含む複数の動作を、繰返して行わせる。織前側把持手段が杼口に通した緯糸の位置まで移動して、緯糸が通された経糸との交錯部分を織物の後端として把持してから、織前側把持手段を杼口の位置から離隔位置まで綜絖手段から離れるように進行させるので、筬打ちを行わなくても織物を製造することができる。緯入れ手段によって杼口に通された緯糸を持ち替えて移動させる必要がないので、緯糸の取扱いに関する動作を単純化して、製織の速度を高めることができる。
【0013】
また本発明は、前記製織の進行方向に関し、前記織前側把持手段よりも進行側に設けられ、製織された織物を滞留させ、前記織前側把持手段が織物の後端を保持しながら前記離隔位置から前記杼口の位置まで移動する際に、滞留している織物を織前側把持手段に供給することが可能な織物滞留手段をさらに含むことを特徴とする。
【0014】
本発明に従えば、たとえばダンサーロールなどの織物滞留手段を製織の進行方向に関して織前側把持手段よりも進行側に設け、製織された織物を滞留させる。滞留している織物は、織前側把持手段が織物の後端を保持しながら離隔位置から杼口の位置まで移動する際に供給することが可能なので、織前側把持手段が急速に移動しても、製織された織物に無理な力などが加わることを防ぎ、製織の速度を高めることができる。
【0015】
また本発明は、前記製織の進行方向に関し、前記綜絖手段の開口運動が行われる範囲に前記複数の経糸が供給される側に設けられ、該複数の経糸を滞留させて、前記織前側把持手段が前記離隔位置から前記杼口の位置まで綜絖手段に戻るように移動する際に、該開口運動が行われる範囲での経糸のたるみをとることが可能な経糸滞留手段をさらに含むことを特徴とする。
【0016】
本発明に従えば、たとえばダンサーロールなどの経糸滞留手段を製織の進行方向に関して、綜絖手段の開口運動が行われる範囲に複数の経糸を供給する側に設けて複数の経糸を滞留させられるようにする。織前側把持手段が織物の後端を保持しながら離隔位置から杼口の位置まで綜絖手段に戻るように移動する際に、綜絖手段の開口運動が行われる範囲の経糸を滞留させてたるみをとることが可能なので、織前側把持手段が急速に移動しても、経糸の張力を保ち、製織の速度を高めることができる。
【0017】
さらに本発明は、織機に仕掛けられた複数の経糸に、綜絖手段の開口運動によって上下に分けて杼口を形成しながら順次的に緯糸を通して、経糸と緯糸とを交錯させる織物製造装置において、
製織の進行方向に関して、綜絖手段から離れた位置で、製織された織物の後端を挟んで保持する織前側把持手段と、
杼口が形成される位置に配置され、杼口の開口状態で、該杼口内を移動して、緯糸を該杼口に通す緯入れ手段と、
製織動作に必要な動力を発生する動力源と、
動力源からの駆動力によって、織前側把持手段、綜絖手段、および緯入れ手段を連動させ、
織前側把持手段と杼口との間隔をあけて、織前側把持手段によって織物の後端を挟んで保持しながら、緯入れ手段が杼口に緯糸を通す動作と、
織物の後端を保持する織前側把持手段と、杼口に通された緯糸とを接近させる動作と、
織前側把持手段によって織物を該進行方向に送り、緯糸が通された経糸との交錯部分を織物の後端として織前側把持手段が把持する動作と、
織物の後端を保持する織前側把持手段と、緯糸を通すための杼口の位置との間隔をあける動作とを含む複数の動作を、繰返して行わせる連動手段とを含むことを特徴とする織物製造装置である。
【0018】
本発明に従えば、織物製造装置は、織機に仕掛けられた複数の経糸に、綜絖手段の開口運動によって上下に分けて杼口を形成しながら順次的に緯糸を通して、経糸と緯糸とを交錯させる織物を製造するために、織前側把持手段と、緯入れ手段と、動力源と、連動手段とを含む。織前側把持手段は、製織の進行方向に関して、綜絖手段から離れた位置で、製織された織物の後端を挟んで保持する。緯入れ手段は、杼口が形成される位置に配置され、杼口の開口状態で、杼口内を移動して、緯糸を該杼口に通す。動力源は、製織動作に必要な動力を発生する。連動手段は、動力源からの駆動力によって、織前側把持手段、綜絖手段、および緯入れ手段を連動させ、織前側把持手段と杼口との間隔をあけて、織前側把持手段によって織物の後端を挟んで保持しながら、緯入れ手段が杼口に緯糸を通す動作と、織物の後端を保持する織前側把持手段と杼口に通された緯糸とを接近させる動作と、織前側把持手段によって織物を進行方向に送り、緯糸が通された経糸との交錯部分を織物の後端として織前側把持手段が把持する動作と、織物の後端を保持する織前側把持手段と緯糸を通すための杼口の位置との間隔をあける動作とを含む複数の動作を、繰返して行わせる。織前側把持手段と杼口に通した緯糸の位置とが接近するまで移動して、織前側把持手段によって緯糸が通された経糸との交錯部分を織物の後端として把持してから、織前側把持手段と杼口との間隔をあけるので、筬打ちを行わなくても織物を製造することができる。動力源からの駆動力で、連動手段が織前側把持手段、綜絖手段、および緯入れ手段を連動させるので、動力源の駆動速度を速めれば、製織の速度を容易に早めることができる。
【0019】
また本発明で、前記緯入れ手段は、予め開繊処理が施されて厚みに対して十分な略均一な幅を有する帯状繊維束を前記緯糸として、該広げられた幅の方向が製織される織物の表面と平行となる姿勢で、該緯糸を前記杼口に通すことを特徴とする。
【0020】
本発明に従えば、筬打ちを行わないでも織物を製造することができるので、緯入れ手段が予め開繊処理が施されて厚みに対して十分な略均一な幅を有する帯状繊維束を緯糸として使用し、広げられた幅の方向が製織される織物の表面と平行となる姿勢で杼口に通しても、筬打ちによって幅が狭められることがなく、広げられた幅の方向が表面に平行な厚みの薄い織物を容易に製造することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態である織物製造装置1について、概略的な側面断面視での構成を示す。織物製造装置1は織機であり、複数の経糸2が仕掛けられ、緯糸3と交錯されて織物が製造される。製織の進行方向は、図の左方から右方に向かう。緯糸3は、綜絖手段であるヘルド4,5の開口運動によって経糸2を上下に分けて杼口を形成しながら、順次的に緯糸3を杼口に通して、経糸2と緯糸3とを交錯させる。なお、経糸2および緯糸3は、たとえば炭素繊維を12000本束ね、糸幅が約30mm程度となるように開繊されている状態の開繊糸を使用する。炭素繊維相互間は、サイジング剤などで微着されている。
【0022】
本実施形態の織物製造装置1では、織前6が製織の進行方向に関して、ヘルド4,5から進行側に離れた実線で示す位置と、破線で示す緯糸3の位置との間を往復移動しながら製織を行う。ヘルド4,5によって開閉される経糸2は、製織の進行方向の後方側を上下から一対の経糸側案内ローラ7で案内される。製織の進行方向の前方では、織前6に装着されている上下一対の織前側把持ローラ8で挟まれている。製織された織物の後端を挟んで保持する織前側把持手段である織前側把持ローラ8は、杼口へ緯糸3を挿入する破線で示す位置と、杼口の位置から製織の進行の前方側に離れる実線で示す離隔位置との間で、織前6の往復移動に伴って移動する。
【0023】
織前6の移動時は、経糸2や製織された織物を急激に引張るので、経糸用ダンサーロール9と織物用ダンサーロール10とが、経糸側案内ローラ7の後方と、織物側把持ローラ8の前方とに、それぞれ設けられている。織物用ダンサーロール10の前方には、巻取装置11が設けられ、巻取ロール12に製織された織物13を順次巻取る。巻取ロール12は、モータ14によって回転駆動される。巻取ロール12の上方には、離型紙ロール15が配置され、合紙16を巻取ロール12に供給し、巻取られる織物13の層間に挟む。
【0024】
経糸用ダンサーロール9は、両ロッドシリンダ17を介在させて、アウターカム18のカム面に追随するカムフォロア19に従って上下動する。織物用ダンサーロール10は、シリンダ20で張力の調整を受けながら下方に沈む。沈む位置は、上下のリミットスイッチ21,22でそれぞれ検出される。下方のリミットスイッチ22が作用するまで沈下すると、巻取装置13のモータ14が駆動され、織物13が巻取ロール12に巻取られる。織物13が巻取られると、織物用ダンサーロール10は上昇し、上方のリミットスイッチ21が作用する位置まで上昇すると、モータ14の駆動を停止する。製織の進行方向に関して、経糸用ダンサーロール9よりも後方には、ニップロール23も設けられ、経糸用ダンサーロール9が杼口側に対して経糸2のたるみを吸収したり、補給したりする作用の影響が経糸2を供給するルスタンド等に及ばないようにしている。ニップロール23は、両ロッドシリンダ24を介して、アウターカム25のカム面に追従するカムフォロア26が押上げられるときに開き、図に示すようにカムフォロア26がカム面から離れているときには閉じる。
【0025】
図2は、図1の織物製造装置1での基本的な製織過程を示す。図2(a)は、経糸2を開口して杼口を形成し、緯糸3を挿入している状態を示す。織前側把持ローラ8は、緯糸3の挿入位置よりも、製織の進行方向に関して前方の離隔位置Cで織物13の後端を把持している。図2(b)は、織前側把持ローラ8を緯糸3の前端位置Bまで後退させている状態を示す。織前側把持ローラ8は、織物13の後端を把持したまま移動するので、織物13は後方に強く引張られる。この際に、織物用ダンサーロール10から織物13が供給される。図2(c)は、織前側把持ローラ8が回転しながらさらに後退することによって、緯糸3の後端位置Aまで後退している状態を示す。このようにして、筬打ちの代わりに、緯糸3を織物13の後端に結合させることができる。さらに織前側把持ローラ8が織物13の後端を挟んでいるまま離隔位置Cに前進すると、図2(a)に示すような緯糸3の挿入が可能な状態になる。なお、緯糸3の杼口への挿入は、後述するように、先端に緯糸チャックを有するレピア装置で行われる。
【0026】
すなわち、図2(a)では、離隔位置Cで織前側把持ローラ8が織物13の後端を挟んで保持しながら、杼口に緯糸3を通す工程が行われる。図2(b)では、織物13の後端を保持する織前側把持ローラ8を、離隔位置Cから杼口に挿入された緯糸3の前端位置Bまでヘルド4,5側に戻す工程が行われる。図2(c)では、杼口に挿入される緯糸3の後端位置Aまで、緯糸3の糸幅分だけ、織前側把持ローラ8を回転させながら後退させ、BからAに回転移動し、織前側把持ローラ8に対して織物13を進行方向の前方に送り、緯糸3が通された経糸2との交錯部分を織物13の後端として把持する工程が行われる。さらに、織物13の後端を保持する織前側把持ローラ8を、杼口の位置から離隔位置Cまでヘルド4,5から離れるように進行させる工程を行って、これらの工程を繰返すことで順次、緯糸3の糸幅分ずつ、織物13の製造が行われる。
【0027】
図3は、図1の織物製造装置1を用いる織物13の製造手順を示す。ステップs0から手順を開始し、ステップs1では、複数の経糸2を仕掛けて準備を行う。織前6は、織前側把持ローラ8が離隔位置Cとなる位置で停止している。ステップs2では、ヘルド4,5によって杼口を開口させる。ステップs3では、緯糸チャックを杼口へ挿入する。ステップs4では、緯糸チャックで緯糸3の先端をクランプする。ステップs5では、緯糸チャックを引き戻し、緯糸3を杼口に通す。ステップs6では、緯糸3の根本側をクランプし、カットする。緯糸3は、先端が緯糸チャックでクランプされ、根元側もクランプされるので、幅方向の両側で保持された状態となる。ステップs7では、織前6が緯入れされた緯糸3に接近し、図2(b)に示すように前端位置Bに達する。ステップs8では、図2(c)に示すように、織前側把持ローラ8が回転しながら緯糸3の後端位置Aまで戻る。ステップs9では、緯糸チャックが緯糸3の先端を解放する。緯糸3の根元側も解放する。ステップs10では、ヘルド4,5がいったん閉じ、ステップs11では、上下の経糸2を逆にしてヘルド4,5を開口させる。ステップs12では、織前6が織前側把持ローラ8で織物13の後端を把持しながら、離隔位置Cまで前進する。ステップs13では、製織が終了か否かを判断し、終了でなければステップs3に戻り、終了ならステップs14で手順を終わる。
【0028】
図4および図5は、図1の織物製造装置1で緯糸3を杼口に挿入する緯入れ手段を除いた部分の概略的な構成を示す。図4は側面視、図5は平面視した状態をそれぞれ示す。ただし、図5では、織前6を省略している。図4に示すように、織前6は、フレーム30の上面で、実線で示す位置から、破線で示すように緯糸挿入位置3aまで移動させることが可能である。織前6の移動は、織前移動用カム31が織前移動用アーム32を揺動変位させて行う。織前移動用カム31は、チェーン33を介して、経糸用ダンサーロール9に変位を与えるアウターカム18と連動する。ヘルド4,5を開閉させるヘルド開閉機構34も、同一の駆動源による駆動で、機械的に織前6と連動する。
【0029】
図6および図7は、図1の織物製造装置1で、緯入れ手段であるレピア装置40を含む構成を示す。図6は背面視、図7は平面視した状態をそれぞれ示す。レピア装置40は、一側方として、たとえば左側に配置され、緯糸チャック41が先端に装着されているロッド42を緯糸挿入位置3aに沿って杼口に挿入することができる。ロッド42は、ガイド43で案内され、緯糸チャック41が他側方に突出するまで挿入可能な長さを有する。この長さは、たとえば1mを越える程度である。ロッド42の後端はアーム44の上端と連結している。アーム44の下端は、支点となり、アーム44は揺動変位する。アーム44の下端よりの位置にアーム駆動機構45が作用し、アーム44に揺動変位を行わせ、ロッド42の杼口への挿入と引抜きを行わせる。他側方には、クランプ・カット機構46が配置され、緯糸チャック41に緯糸3を供給したり、緯糸3の根本を切断し、切断した緯糸3の根元側と新たな先端とを保持する動作を、図17に示す駆動用リンク機構47,48から伝達される駆動力で行う。
【0030】
織物製造装置1で製織に関連する動作は、動力源であるモータ51で発生する駆動力に基づいて行われる。モータ51からクラッチ55を介して、織機側の駆動軸56に伝達される。レピア装置40も、モータ51からの駆動力によって駆動される。なお、本実施形態のレピア装置40ではリンク機構で緯糸チャック41の移動を行っているけれども、ラック・ピニオン機構やロッド・シリンダ機構など、他の機構を用いることもできる。ただし、従来のレピア織機では、レピアが経糸の上を滑って移動する。本実施形態では、経糸2として細い炭素繊維を束ねた開繊糸を使用しているので、緯糸チャック41が経糸2にはふれないようにする必要があり、レピア装置40には剛性が必要である。
【0031】
図8は、駆動軸56に関連する構成を、正面断面視して示す。駆動軸56の他側方端には、手動ハンドル57が設けられ、手動で回転させることもできる。駆動軸56には、幅方向に間隔をあけて、2つの織前移動用カム31が取付けられている。各織前移動用カム31は、織前移動用アーム32をそれぞれ介して、織前6を移動させる。図4に示すように、織前移動用カム31は、アウターカム18とチェーン33で連動しているので、駆動軸56は、アウターカム18も駆動している。このように、駆動軸56は、織機としての動作の基準となるので、プーリ58からチェーン59を介してアブソリュートエンコーダ60で特定の角度を検知し、制御タイミングを合わせる信号を取出す。また、複数のメカニカルスイッチ61,62,63,64を設けて、オールエアー回路の制御を行う。 織前6の移動に伴う織前側把持ローラ8の回転は、織前側把持ローラ駆動機構65によって行う。
【0032】
図9および図10は、織前側把持ローラ駆動機構65の部分的な構成を示す。図9は部分的に正面断面視した状態を示し、図10は織前側把持ローラ8を回転させるタイミング調整に関する構成を部分的に側面視して示す。織前側把持ローラ8の回転駆動は、板カム66のカム溝67にカムフォロア68が追随する際に、ラック部材69を下方に引下げることによって行われる。ラック部材69には、ラック70が形成され、上下動はガイド71によって案内される。ラック70は、ピニオン歯車72と噛合っている。ピニオン歯車72は、間欠回転軸73に取付けられ、間欠回転軸73には、平歯車74も取付けられている。
【0033】
板カム66は、水平部66aと傾斜部66bとを有し、織前6が図2の離隔位置Cと緯糸の前端位置Bとの間を移動する際には、水平部66aのカム溝67にホロワ68が係合している。この間では、ラック部材69は、水平に移動するだけであるので、ピニオン歯車72は回転しない。図2の緯糸の前端位置Bと後端位置Aとの間では、カムフォロア68が仮想線で示すように、板カム66の傾斜部66bでカム溝67と係合するので、ラック部材69が下方に変位し、ピニオン歯車72は回転する。
【0034】
図9に示すように、ピニオン歯車72が間欠的に回転すると、間欠回転軸73も連動し、平歯車74,75を介して織前側把持ローラ8を回転させる。なお、織前側把持ローラ8の表面は、ゴム層76で覆われている。また、織前6が緯糸の後端位置Aから離隔位置Cに移動する際には、織前側把持ローラ8が回転しないように、間欠回転軸73には、ワンウェイクラッチ機構を設けておく。
【0035】
図11および図12は、織物用ダンサーロール10に関連する部分についての構成を示す。図11は部分的に側面視した状態、図12は、正面断面視した状態をそれぞれ示す。織物用ダンサーロール10は、上下に変位可能なように、ガイドによって案内される。また、製織の進行方向に関し、織前側把持ローラ8よりも進行側に設けられ、製織された織物13を滞留させ、織前側把持ローラ8が織物13の後端を保持しながら離隔位置Cから杼口の緯糸3の前端位置Bまで移動する際に、滞留している織物13を織前側把持ローラ8に供給することが可能な織物滞留手段となる。滞留している織物13を供給可能なので、織前側把持ローラ8が急速に移動しても、製織された織物13に無理な力などが加わることを防ぎ、製織の速度を高めることができる。
【0036】
図13,図14および図15は、経糸用ダンサーロール9に関連する部分についての構成を示す。図13は部分的に側面視した状態、図14は正面断面視した状態をそれぞれ示す。経糸用ダンサーロール9は、上下に変位可能なように、ガイドによって案内される。また、製織の進行方向に関し、ヘルド4,5の開口運動が行われる範囲に複数の経糸2が供給される側に設けられ、複数の経糸2を滞留させることができるので、経糸滞留手段として、織前側把持ローラ8が織物13の後端を保持しながら離隔位置Cから前端位置Bまで移動してヘルド4,5に接近する際に、経糸側案内ローラ7を介して経糸2を戻して滞留させ、経糸2のたるみを防ぐことができる。また、織前側把持ローラ8が織物13の後端を保持しながら杼口の緯糸3の後端位置Aから離隔位置Cまで移動する際に、滞留している経糸3を開口運動が行われる範囲に供給することも可能である。
【0037】
また、図14に示すように、アウターカム18は、軸18aに取り付けられるスプロケット18bを介して、駆動軸56からチェーンで駆動される。アウターカム25は、図13に示すスプロケット18cに掛るチェーン25aを介して駆動される。アウターカム18,25に追従するカムフォロア19,26の変位は、両ロッドシリンダ17,24を介して経糸用ダンサーロール9およびニップロール23にそれぞれ伝達されるので、両ロッドシリンダ17,24へのエア圧のかけ方で、減圧したり加圧したりすることができる。
【0038】
図15は、モータ51の出力によってアーム駆動機構45と、リンク駆動機構77とが駆動される部分の構成を部分的に切欠いて、左側面視して示す。アーム駆動機構45の部分では、図6に示すように、ロッド42の変位は、ピニオン歯車80の変位を拡大して行う。ピニオン歯車80は、実線で示す位置と、破線で示す位置との間を往復変位可能である。この変位は、カム機構によって行うことができる。ピニオン歯車80は、固定ラック81と可動ラック82との両方に噛合っている。ピニオン歯車80が固定ラック81に対して変位すると、可動ラック82には、ピニオン歯車80によって2倍に拡大された変位が与えられる。可動ラック82の先端は、連結部83でアーム44に連結し、下端の支点部84を中心に、アーム44を揺動変位させる。アーム44の上端は、駆動部85でロッド42の基端と連結される。連結部83に可動ラック82によって与えられる変位は、支点部84から連結部83までの距離に対する支点部84から駆動部85までの長さに比例して拡大される。
【0039】
ロッド42を杼口に挿入する際には、緯糸3を保持していないので急速に変位させることができる。緯糸チャック41で緯糸3の先端をクランプさせながらロッド42を引き抜際には、あまり急速に変位させると、緯糸3に無理な力がかかるおそれがある。ロッド42を変位させるために、ピニオン歯車80を変位させるカム機構では、ロッド42の挿入時には高速で、ロッド42の引抜時には低速で変位するように、往復の周期内で、変位方向に応じて速度が変わるようにカムやカム溝の形状を変えて対応させることができる。
【0040】
図16は、ヘルド4,5の駆動のための構成を背面断面視して示す。リンク駆動部77からの駆動力で、溝カム110を回転させ、カム溝111の形状に従って、リンク機構112でヘルド4,5を上下動させる。
【0041】
図17は、(a)で開繊糸120の平面形状を示し、(b)で織物13を平面視して示す。緯糸3として、予め開繊処理が施されて厚みに対して十分な略均一な幅を有する帯状繊維束である開繊糸120を使用すれば、広げられた幅の方向が表面に平行な厚みの薄い織物を製造することができる。経糸2としても開繊糸120を使用すれば、(b)に示す織物13を製造することができる。筬打ちを行わないので、緯糸3として開繊糸120を使用しても、広げられた幅の方向が表面に平行な厚みの薄い織物を容易に製造することができる。特許第2983531号公報の先行技術と同様に、ヘルド4,5、経糸側案内ローラ7や織前側把持ローラ8などを斜交させ、ロッド42の挿入・引抜きの方向も斜交させれば、経糸2と緯糸3とが斜交する織物を製造することもできる。
【0042】
なお、織物13の側端の耳の部分は、製織と同時に粘着テープなどを貼付けておけば、緯糸3がほどけないようにすることができる。また、緯糸3や経糸2として、炭素繊維束ばかりではなく、ガラス繊維や他の補強用繊維を使用することができる。特に、筬打ちを行わないでも製織が可能となるので、強度が弱い糸を緯糸3として使用することも可能になる。
【0043】
さらに実施形態の織物製造装置1は、動力源であるモータ51で、製織動作に必要な動力を発生し、各部分は連動して動作するので、モータ51の駆動速度を速めれば、製織の速度を容易に早めることができる。このような考え方は、特許第2983531号公報の先行技術のような、緯糸の方を織前まで移動させる場合にも適用することができる。緯糸と織前とが相互に接近する点では同等だからである。なお、主要部分を機械的に連動させる代わりに、電気的なプログラム制御やシーケンス制御を行ってもよいことはもちろんである。
【0044】
図18は、本発明の実施の他の形態である織物製造装置131について、概略的な側面断面視での構成を示す。本実施形態で、図1の実施形態に対応する部分には、同一の参照符を付し、重複する説明を省略する。本実施形態では、図1の経糸用ダンサーロール9に代えて、経糸用移動ロール139を使用する。経糸用移動ロール139は、移動ロール139aが固定ロール139bに対して移動し、経糸2の滞留長さをそれぞれ変化させることができ、経糸用ダンサーロール9と同等の機能を果すことができる。
【0045】
また、図1の織前6に代えて、織前140を使用する。織前140は、上下一対の織前側把持ロール140a,140bと、可動ロール140cと、固定ロール140dとを含む。実線は、織前140が図2に示す離隔位置Cに相当する位置にある状態を示す。図2に示す前端位置Bおよび後端位置Aに相当する位置にそれぞれ移動している状態は、織前側把持ロール140a,140bについて仮想線でそれぞれ示す。可動ロール140cおよび固定ロール40dも同様に移動するけれども、図示は省略する。可動ロール140cは、織前140上で、図の左右方向に移動可能であり、下側の織前側把持ロール140bから離れると織物13を多く滞留させることができ、織前側把持ロール140bに近づくと織物13を杼口側に供給することができ、図1の織前織物用ダンサーロール8と同等の機能を果すことができる。
【0046】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、杼口に緯糸を通した後、織物の後端を保持する織前側把持手段を杼口の位置まで綜絖手段側に戻すことによって、緯糸に対する筬打ちなしで、型くずれしやすい緯糸を使用しても織物を製造することができる。織前側把持手段が移動するので、杼口に通した緯糸を移動させる必要はなく、緯糸の取扱いに関する動作を単純化して、製織の速度を高めることができる。
【0047】
また本発明によれば、緯糸として予め開繊処理が施されて厚みに対して十分な略均一な幅を有する帯状繊維束を使用して、広げられた幅の方向が表面に平行な厚みの薄い織物を容易に製造することができる。
【0048】
さらに本発明によれば、織前側把持手段は、製織の進行方向に関して、綜絖手段から進行側に離れた位置で、製織された織物の後端を挟んで保持し、杼口の位置と、杼口の位置から進行側に離れる離隔位置との間で往復移動可能であり、杼口に通した緯糸の位置まで移動して、緯糸が通された経糸との交錯部分を織物の後端として把持してから、離隔位置まで綜絖手段から離れるように進行させるので、筬打ちを行わなくても織物を製造することができる。緯入れ手段によって杼口に通された緯糸を移動させる必要がないので、緯糸の取扱いに関する動作を単純化して、製織の速度を高めることができる。
【0049】
また本発明によれば、織前側把持手段が急速に移動しても、織物の後端を杼口側に戻しても、織物滞留手段に滞留されている織物が供給されるので、製織された織物に無理な力などが加わることを防ぎ、製織の速度を高めることができる。
【0050】
また本発明によれば、織前側把持手段が織物の後端を保持しながら隔離位置から杼口の位置まで走行手段側に戻る際に、経糸のたるみを防ぐことができる。織前側把持手段が織物の後端を保持しながら杼口の位置から離隔位置まで綜絖手段から離れるように移動する際にも、経糸滞留手段に滞留している経糸を綜絖手段の開口運動が行われる範囲に供給することが可能なので、織前側把持手段が急速に移動しても、経糸に無理な力などが加わることを防ぎ、製織の速度を高めることができる。
【0051】
さらに本発明によれば、織前側把持手段と杼口に通した緯糸の位置とが接近するまで移動して、織前側把持手段によって緯糸が通された経糸との交錯部分を織物の後端として把持してから、織前側把持手段と杼口との間隔をあけるので、筬打ちを行わなくても織物を製造することができる。動力源からの駆動力で、連動手段が織前側把持手段、綜絖手段、および緯入れ手段を連動させるので、動力源の駆動速度を速めれば、製織の速度を容易に早めることができる。
【0052】
また本発明によれば、緯入れ手段が予め開繊処理が施されて厚みに対して十分な略均一な幅を有する帯状繊維束を、幅の方向が製織される織物の表面と平行となる姿勢で杼口に通しても、筬打ちによって幅が狭められることがなく、幅の方向が表面に平行な織物を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である織物製造装置1の簡略化した側面断面図である。
【図2】図1の織物製造装置1で、織物13を製造する基本的な過程を示す簡略化した側面断面図である。
【図3】図1の織物製造装置1で織物13を製造する手順を示すフローチャートである。
【図4】図1の織物製造装置1の側面断面図である。
【図5】図1の織物製造装置1の平面図である。
【図6】図1の織物製造装置1でレピア装置40を含む背面断面図である。
【図7】図1の織物製造装置1でレピア装置40を含む平面図である。
【図8】図1の織物製造装置1で織前6の駆動機構を含む背面断面図である。
【図9】図8の一部を拡大して示す正面断面図である。
【図10】図9のカム66に関する部分を拡大して示す側面図である。
【図11】図1の織物製造装置1で織物用ダンサーロール10付近の構成を示す部分的な側面図である。
【図12】図1の織物用製造装置1で、織物用ダンサーロール10付近の構成を示す正面断面図である。
【図13】図1の織物製造装置1で経糸用ダンサーロール9およびニップロール23付近の構成を示す部分的な側面図である。
【図14】図1の織物用製造装置1で、経糸用ダンサーロール9付近の構成を示す正面断面図である。
【図15】図1の織物用製造装置1で、レピア装置40への駆動力伝達のための構成を示す部分的な側面断面図である。
【図16】図1の織物用製造装置1で、ヘルド4,5の開閉機構の構成を示す正面断面図である。
【図17】図1の織物用製造装置1で緯糸3として使用する開繊糸120および製造される織物13の部分的な平面図である。
【図18】本発明の実施の他の形態である織物製造装置131の簡略化した側面断面図である。
【符号の説明】
1,131 織物製造装置
2 経糸
3 緯糸
3a 緯糸挿入位置
4,5 ヘルド
6,140 織前
8;140a,140b 織前側把持ローラ
9 経糸用ダンサーロール
10 織物用ダンサーロール
11 巻取装置
13 織物
14,51 モータ
18,25 アウターカム
31 織前移動用カム
32 織前移動用アーム
40 レピア装置
41 緯糸チャック
42 ロッド
43 ガイド
44 アーム
45 アーム駆動機構
46 クランプ・カット機構
47,48 駆動用リンク機構
55 クラッチ
56 駆動軸
65 織前側把持ローラ駆動機構
66 板カム
67 カム溝
69 ラック部材
72 ピニオン歯車
77 リンク駆動部
120 開繊糸
139 経糸用移動ロール
139a 移動ロール
139b,140d 固定ロール
140c 可動ロール

Claims (7)

  1. 織機に仕掛けられた複数の経糸に綜絖手段の開口運動によって上下に分けて杼口を形成しながら、杼口に順次的に緯糸を通して経糸と緯糸とを交錯させる織物製造方法において、
    製織の進行方向に関して、綜絖手段よりも進行側に離れた位置で製織された織物の後端を挟んで保持する織前側把持手段を、杼口の位置と、杼口の位置から該進行側に離れる離隔位置との間で、往復移動可能にしておき、
    離隔位置で織前側把持手段が織物の後端を挟んで保持しながら、杼口に緯糸を通す工程と、
    織物の後端を保持する織前側把持手段を、離隔位置から杼口の位置まで綜絖手段側に戻す工程と、
    杼口の位置で、織前側把持手段によって織物を該進行方向に送り、緯糸が通された経糸との交錯部分を織物の後端として把持する工程と、
    織物の後端を保持する織前側把持手段を、杼口の位置から離隔位置まで綜絖手段から離れるように進行させる工程とを含む複数の工程を、繰返すことを特徴とする織物製造方法。
  2. 前記緯糸として、予め開繊処理が施されて厚みに対して十分な略均一な幅を有する帯状繊維束を使用し、該幅の方向が表面に平行な織物を製造することを特徴とする請求項1記載の織物製造方法。
  3. 織機に仕掛けられた複数の経糸に、綜絖手段の開口運動によって上下に分けて杼口を形成しながら、順次的に緯糸を通して、経糸と緯糸とを交錯させる織物製造装置において、
    製織の進行方向に関して、綜絖手段から該進行側に離れた位置で、製織された織物の後端を挟んで保持し、杼口の位置と、杼口の位置から該進行側に離れる離隔位置との間で往復移動可能な織前側把持手段と、
    杼口が形成される位置に配置され、杼口の開口状態で、該杼口内を移動して、緯糸を該杼口に通す緯入れ手段と、
    織前側把持手段、綜絖手段、および緯入れ手段を連携させて、
    離隔位置で織前側把持手段が織物の後端を挟んで保持しながら、緯入れ手段が杼口に緯糸を通す動作と、
    織物の後端を保持する織前側把持手段を、離隔位置から杼口の位置まで綜絖手段側に戻す動作と、
    杼口の位置で、織前側把持手段によって織物を該進行方向に送 り、緯糸が通された経糸との交錯部分を織物の後端として把持する動作と、
    織物の後端を保持する織前側把持手段を、杼口の位置から離隔位置まで綜絖手段から離れるように進行させる動作とを含む複数の動作を、繰返して行わせる動作連携手段とを含むことを特徴とする織物製造装置。
  4. 前記製織の進行方向に関し、前記織前側把持手段よりも進行側に設けられ、製織された織物を滞留させ、前記織前側把持手段が織物の後端を保持しながら前記離隔位置から前記杼口の位置まで移動する際に、滞留している織物を織前側把持手段に供給することが可能な織物滞留手段をさらに含むことを特徴とする請求項3記載の織物製造装置。
  5. 前記製織の進行方向に関し、前記綜絖手段の開口運動が行われる範囲に前記複数の経糸が供給される側に設けられ、該複数の経糸を滞留させて、前記織前側把持手段が前記離隔位置から前記杼口の位置まで綜絖手段に戻るように移動する際に、該開口運動が行われる範囲での経糸のたるみをとることが可能な経糸滞留手段をさらに含むことを特徴とする請求項3または4記載の織物製造装置。
  6. 織機に仕掛けられた複数の経糸に、綜絖手段の開口運動によって上下に分けて杼口を形成しながら順次的に緯糸を通して、経糸と緯糸とを交錯させる織物製造装置において、
    製織の進行方向に関して、綜絖手段から離れた位置で、製織された織物の後端を挟んで保持する織前側把持手段と、
    杼口が形成される位置に配置され、杼口の開口状態で、該杼口内を移動して、緯糸を該杼口に通す緯入れ手段と、
    製織動作に必要な動力を発生する動力源と、
    動力源からの駆動力によって、織前側把持手段、綜絖手段、および緯入れ手段を連動させ、
    織前側把持手段と杼口との間隔をあけて、織前側把持手段によって織物の後端を挟んで保持しながら、緯入れ手段が杼口に緯糸を通す動作と、
    織物の後端を保持する織前側把持手段と、杼口に通された緯糸とを接近させる動作と、
    織前側把持手段によって織物を該進行方向に送り、緯糸が通された経糸との交錯部分を織物の後端として織前側把持手段が把持する動作と、
    織物の後端を保持する織前側把持手段と、緯糸を通すための杼口の位置との間隔をあける動作とを含む複数の動作を、繰返して行わせる連動手段とを含むことを特徴とする織物製造装置。
  7. 前記緯入れ手段は、予め開繊処理が施されて厚みに対して十分な略均一な幅を有する帯状繊維束を前記緯糸として、該広げられた幅の方向が製織される織物の表面と平行となる姿勢で、該緯糸を前記杼口に通すことを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の織物製造装置。
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