JP3691211B2 - デジタル信号送信装置、およびデジタル信号受信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、MPEG2のトランスポートストリームを階層伝送するデジタル信号送信装置、およびデジタル信号受信装置に係わり、特に各階層の誤り訂正符号の一部として、遅延素子数を8以下にした畳み込み符号を用いるデジタル信号送信装置、およびデジタル信号受信装置に関する。
【0002】
[発明の概要]
本発明は、MPEG2システムズを採用しているデジタル無線通信やデジタル放送などの誤り訂正符号として、遅延素子数が8以下の畳み込み符号を用いて階層伝送(異なる符号化率、変調方式などによる伝送)を行うときに使用されるMPEG2のトランスポートストリームの誤り訂正符号化および復号に関するもので、MPEG2のトランスポートストリームパケットの同期バイト(8ビット)が固定値であることを利用して、階層毎に必要であった複数の畳み込み符号の符号化部および復号部(ビタビ復号部)を、1つの符号化部および復号部で処理できるようにしたものである。
【0003】
【従来の技術】
複数の映像、音声、データなどのデジタル信号をパケット化して、多重伝送する方法として、国際規格の1つであるMPEG2 Systems(ISO/IEC 13818−1)のトランスポートストリーム(通常、TSと略される)がある。このトランスポートストリームは、図10に示すように、ヘッダー部と、データを運ぶペイロード部とからなる188バイト固定長のトランスポートストリームパケット(通常、TSPと略される)により構成される。トランスポートストリームパケットを構成するヘッダー部の先頭の1バイトは同期バイトであり、予め設定されている固定値(16進表示ではOx47値、2進表示では01000111、または、これを反転した0xB8(16進)、10111000(2進))が割り当てられている。
【0004】
また、伝送信号を複数の系統に分けて伝送する方式として、階層伝送がある。この階層伝送は、伝送路符号化方式や変調方式が異なるいくつかの系統に、デジタル信号を分けて伝送する方式であり、降雨など、伝送路の妨害による急激な品質の劣化を緩和したり、移動体受信、携帯受信、固定受信などのような異なる受信形態に対し、それぞれの受信形態に適した誤り訂正方式や変調方式を使用することにより、受信形態毎の伝送品質を確保することができる。
【0005】
図11はこのような階層伝送方式でデジタル信号の伝送を行うデジタル伝送システムで使用される送信装置の一例を示すブロック図である。
【0006】
この図に示す送信装置101は、伝送対象となるトランスポートストリームパケットを取り込んで、リードソロモン符号を付加するRS符号化回路102と、このRS符号化回路102から出力されるビット列を階層別に分割する階層分割回路103と、この階層分割回路103によって第1階層104a側に分割されたビット列に対し、7/8畳み込み符号化を行う7/8畳み込み符号化回路105aと、この7/8畳み込み符号化回路105aから出力されるビット列を指定された変調方式で変調する変調回路106aと、階層分割回路103によって第2階層104b側に分割されたビット列に対し、3/4畳み込み符号化を行う3/4畳み込み符号化回路105bと、この3/4畳み込み符号化回路105bから出力されるビット列を指定された変調方式で変調する変調回路106bと、各変調回路106a、106bから出力される各キャリアの信号を合成する伝送合成回路107と、この伝送合成回路107から出力される各キャリアの信号を逆FFT変換して変調信号(OFDM信号)を生成するIFFT回路108とを備えている。
【0007】
そして、この送信装置101は、トランスポートストリームパケットを取り込んで、リードソロモン符号を付加した後、各階層の対象となるパケットに対し、7/8畳み込み符号化回路105a、変調回路106aによって構成される第1階層104a、または3/4畳み込み符号化回路105b、変調回路106bによって構成される第2階層104bのいずれかの階層で処理して各キャリアの信号に変換する。次いで、第1階層104a側で得られた各キャリアの信号と、第2階層104b側で得られた各キャリアの信号とを合成した後、逆FFT変換し、変調信号を生成する。
【0008】
図12は上述した送信装置101から伝送される変調信号を受信する受信装置の一例を示すブロック図である。
【0009】
この図に示す受信装置111は、受信信号(OFDM信号)のフレーム同期信号を抽出するフレーム同期回路112と、このフレーム同期回路112から出力される受信信号をFFT変換して各キャリアの信号を再生するFFT回路113と、このFFT回路113から出力される各キャリアの信号を各階層別に分割する伝送分割回路114と、この伝送分割回路114によって第1階層115a側に分割された各キャリアの信号を復調する復調回路116aと、この復調回路116aから出力されるビット列に対し、7/8ビタビ復号を行う7/8ビタビ復号回路117aと、伝送分割回路114によって第2階層115b側に分割された各キャリアの信号を復調する復調回路116bと、この復調回路116bから出力されるビット列に対し、3/4ビタビ復号を行う3/4ビタビ復号回路117bと、これら7/8ビタビ復号回路117a、3/4ビタビ復号回路117bから出力される各ビット列を階層合成する階層合成回路118と、この階層合成回路118から出力されるビット列をリードソロモン復号化して誤りを訂正するRS復号回路119とを備えている。
【0010】
そして、この受信装置111は、受信信号のフレーム同期信号を抽出するとともに、FFT変換して各キャリアの信号にした後、各キャリアの信号を第1階層115aと第2階層115bに分割し、復調回路116a、7/8ビタビ復号回路117aによって構成される第1階層115a、および復調回路116b、3/4ビタビ復号回路117bによって構成される第2階層115bで処理してビット列に変換する。次いで、これら第1階層115a側で得られたビット列と、第2階層115b側で得られたビット列とを階層合成した後、リードソロモン復号化して誤り訂正を行い、正しいトランスポートストリームパケットを再生する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような階層伝送方式を使用したデジタル伝送システムでは、次に述べるような問題があった。
【0012】
すなわち、図13に示す送信装置101、および図14に示す受信装置111において、例えば第1階層104a、115a側を符号化率の高い(誤り訂正能力の低い)誤り訂正方式と、伝送速度の速い(ビット誤り率特性の悪い)変調方式とを組み合わせたものとし、第2階層104b、115b側を符号化率の低い(誤り訂正能力の高い)誤り訂正方式と、伝送速度の遅い(ビット誤り率特性の良い)変調方式とを組み合わせたものとする。
【0013】
この場合、第1階層104a、115aでは、情報伝送容量が大きいので、高画質のテレビジョン信号を伝送することができるが、伝送路での妨害(例えば、フェージングによる妨害やマルチパス妨害など)に弱いため、固定受信で受信することができても、移動受信では受信が困難になる。これに対し、第2階層104b、115bでは、情報伝送容量が小さいので、低画質のテレビジョン信号程度しか伝送することができないが、伝送路での妨害に強いことから、移動受信でも受信することができる。
【0014】
また、誤り訂正方式として、畳み込み符号を使用した送信装置101、受信装置111の場合、畳み込み符号化された信号が過去の信号に依存するため、途中で区切ることができず、複数の階層を使用する伝送方式においては、送信装置101で、複数の畳み込み符号化回路を必要とし、また受信装置111では、複数のビタビ復号回路を必要とし、その分だけ回路規模が大きくなってしまうために、送信装置101、受信装置111のコストが高くなってしまうという問題があった。
【0015】
本発明は上記の事情に鑑み、請求項1、2、3では、MPEG2のトランスポートストリームパケットを階層伝送するとき、1つの誤り訂正符号化回路によって符号化部側を構成することができ、これによって送信装置側の回路を簡素化して、低コスト化を図ることができるデジタル信号送信装置を提供することを目的としている。
【0016】
請求項4、5では、階層伝送されてきたMPEG2のトランスポートストリームパケットを再生するとき、1つの誤り訂正復号回路によって復号部側を構成することができ、これによって受信装置側の回路を簡素化して、低コスト化を図ることができるデジタル信号受信装置を提供することを目的としている。
【0017】
上記の目的を達成するために本発明は、請求項1では、MPEG2のトランスポートストリームを複数の系統で送信し、各系統の誤り訂正符号の一部として遅延素子数が“8”以下で構成される畳み込み符号を用いるデジタル信号送信装置において、MPEG2のトランスポートストリームが入力され処理される1つの畳み込み符号化回路を有し、MPEG2のトランスポートストリームパケットの先頭にある固定値である同期バイトのビットが順に畳み込み符号化回路に入力されたとき、畳み込み符号化回路の遅延素子のビット状態が同期バイトのビット列の一部または全部と一致したときにビットが出力される期間を切り替えタイミングとして、畳み込み符号化回路の出力を各系統に振り分けることを特徴としている。
【0018】
請求項2では、MPEG2のトランスポートストリームを複数の系統で送信し、各系統の誤り訂正符号の一部として遅延素子数が“6”で構成される畳み込み符号を用いるデジタル信号送信装置において、MPEG2のトランスポートストリームが入力され処理される符号化率1/2の畳み込み符号で誤り訂正符号化を行う1つの畳み込み符号化回路を有し、畳み込み符号化回路の出力を、トランスポートストリームのパケットの先頭にある固定値である同期バイトの6、7、8ビット目のいずれかのビットが入力され処理されたタイミングで、各系統に振り分けることを特徴としている。
【0019】
請求項3では、MPEG2のトランスポートストリームを複数の系統で送信し、各系統の誤り訂正符号の一部として遅延素子数が“6”で構成される畳み込み符号を用いるデジタル信号送信装置において、MPEG2のトランスポートストリームが入力され、符号化率1/2の畳み込み符号で誤り訂正符号化を行う1つの畳み込み符号化回路と、この畳み込み符号化回路によって得られたビット列を、MPEG2のトランスポートストリームパケットの先頭にある固定値である同期バイトの6、7、8ビット目のいずれかのビットが入力され処理されたタイミングで各系統に振り分ける分割回路と、振り分けられた各系統毎のビット列に対し指定された間引きパターンでビットを間引くパンクチュアリング回路とを備えたことを特徴としている。
【0020】
請求項4では、各系統の誤り訂正符号の一部として遅延素子数が“8”以下で構成される畳み込み符号化回路により生成された符号を用い、複数の系統で送信されてきたMPEG2のトランスポートストリームを再生するデジタル信号受信装置において、複数の系統で送信されてきたビット列を合成したビットストリームを入力し復号する1つの畳み込み符号の復号化回路を有し、合成したビットストリームは、受信フレーミング信号に基づき、送信側の畳み込み符号化回路でMPEG2のトランスポートストリームパケットの先頭にある同期バイトのビットが順に畳み込み符号化回路に入力されたとき、畳み込み符号化回路の遅延素子のビット状態が同期バイトのビット列の一部または全部と一致したときにビットが出力される期間を切り替えタイミングとして、各系統のビット列を1つのビットストリームに合成することを特徴としている。
請求項5では、各系統の誤り訂正符号の一部として遅延素子数が“6”で構成される畳み込み符号化回路により生成された符号を用い、複数の系統で送信されてきたMPEG2のトランスポートストリームを再生するデジタル信号受信装置において、復調された各系統のビット列に対し指定されたパターンでヌルビットを挿入して符号化率1/2の畳み込み符号のビット数とするデパンクチュアリング回路と、デパンクチュアリングされた各系統の複数のビット列を、受信フレームタイミング信号に基づき、MPEG2のトランスポートストリームパケットの固定値である同期バイトが符号化された16ビットの先頭の位置から11、12、13、14、15または16ビット目のいずれかのビットの後のタイミングで1つのビットストリームに合成する合成回路と、合成された1つのビットストリームを誤り訂正復号する1つの畳み込み符号の復号化回路とを備えたことを特徴としている。
【0021】
上記の構成において、請求項1では、各系統の誤り訂正符号の一部として遅延素子数が“8”以下で構成される畳み込み符号を用いるデジタル信号送信装置において、MPEG2のトランスポートストリームパケットの先頭にある固定値である同期バイトのビットが、順に1つの畳み込み符号化回路に入力されたとき、畳み込み符号化回路の遅延素子のビット状態が同期バイトのビット列の一部または全部と一致したときにビットが出力される期間を切り替えタイミングとして、畳み込み符号化回路の出力を各系統に振り分ける。これにより、MPEG2のトランスポートストリームパケットを階層伝送するとき、1つの誤り訂正符号化回路によって符号化部側を構成し、送信装置側の回路を簡素化して、低コスト化を図る。
【0022】
請求項2では、各系統の誤り訂正符号の一部として遅延素子数が“6”で構成される畳み込み符号を用いるデジタル信号送信装置において、MPEG2のトランスポートストリームが入力され処理される符号化率1/2の畳み込み符号で誤り訂正符号化を行う1つの畳み込み符号化回路の出力を、前記トランスポートストリームのパケットの先頭にある固定値である同期バイトの6、7、8ビット目のいずれかのビットが入力され処理されたタイミングで、前記各系統に振り分ける。これにより、MPEG2のトランスポートストリームパケットを階層伝送するとき、1つの誤り訂正符号化回路によって符号化部側を構成し、送信装置側の回路を簡素化して、低コスト化を図る。
【0023】
請求項3では、各系統の誤り訂正符号の一部として遅延素子数が“6”で構成される畳み込み符号を用いるデジタル信号送信装置において、符号化回路は、MPEG2のトランスポートストリームが入力され、符号化率1/2の畳み込み符号で誤り訂正符号化を行う1つの畳み込む。分割回路は、この畳み込み符号化回路によって得られたビット列を、MPEG2のトランスポートストリームパケットの先頭にある固定値である同期バイトの6、7、8ビット目のいずれかのビットが入力され処理されたタイミングで各系統に振り分ける。そして、パンクチュアリング回路は、振り分けられた各系統毎のビット列に対し指定された間引きパターンでビットを間引く。これにより、MPEG2のトランスポートストリームパケットを階層伝送するとき、1つの誤り訂正符号化回路によって符号化部側を構成し、送信装置側の回路を簡素化して、低コスト化を図る。
【0024】
請求項4では、各系統の誤り訂正符号の一部として遅延素子数が“8”以下で構成される畳み込み符号化回路により生成された符号を用い、複数の系統で送信されてきたMPEG2のトランスポートストリームを再生するデジタル信号受信装置において、複数の系統で送信されてきたビット列を合成したビットストリームは、受信フレーミング信号に基づき、送信側の畳み込み符号化回路でMPEG2のトランスポートストリームパケットの先頭にある同期バイトのビットが、順に1つの畳み込み符号化回路に入力されたとき、畳み込み符号化回路の遅延素子のビット状態が同期バイトのビット列の一部または全部と一致したときにビットが出力される期間を切り替えタイミングとして、各系統のビット列を1つのビットストリームに合成する。これにより、階層伝送されてきたMPEG2のトランスポートストリームパケットを再生するとき、1つの誤り訂正復号回路によって復号部側を構成し、受信装置側の回路を簡素化して、低コスト化を図る。
請求項5では、各系統の誤り訂正符号の一部として遅延素子数が“6”で構成される畳み込み符号化回路により生成された符号を用い、複数の系統で送信されてきたMPEG2のトランスポートストリームを再生するデジタル信号受信装置において、デパンクチュアリング回路は、復調された各系統のビット列に対し指定されたパターンでヌルビットを挿入して符号化率1/2の畳み込み符号のビット数とする。合成回路は、デパンクチュアリングされた各系統の複数のビット列を、受信フレームタイミング信号に基づき、MPEG2のトランスポートストリームパケットの固定値である同期バイトが符号化された16ビットの先頭の位置から11、12、13、14、15または16ビット目のいずれかのビットの後のタイミングで1つのビットストリームに合成する。そして、1つの畳み込み符号の復号化回路は合成された1つのビットストリームを誤り訂正復号する。これにより、階層伝送されてきたMPEG2のトランスポートストリームパケットを再生するとき、1つの誤り訂正復号回路によって復号部側を構成し、受信装置側の回路を簡素化して、低コスト化を図る。
【0029】
【発明の実施の形態】
《発明の前提説明》
まず、本発明によるデジタル信号送信装置、およびデジタル信号受信装置の具体的な説明に先だち、本発明で使用される技術のうち、情報の畳み込み符号化と、畳み込み符号の復号化と、既知の情報を使用したビタビ復号と、MPEG2における情報の復号と、パンクチュアード符号化とについて簡単に説明する。
【0030】
<情報の畳み込み符号化>
今、図5に示すように、2つの遅延素子121、122と、2つの排他的論理加算器123、124と、1つの切替スイッチ125とを使用し、“1/2”の符号化率で畳み込み符号化を行う符号化回路120を考える。
【0031】
この符号化回路120では、1ビットのデジタル信号が入力される毎に、一方の排他的論理加算器123によって、“2”を法として、遅延素子122に記憶されていた前々回のデジタル信号と、今回のデジタル信号とを加算して、1つのデジタル信号を生成するとともに、他方の排他的論理加算器124によって、“2”を法として、各遅延素子121、122に記憶されていた前回のデジタル信号と、前々回のデジタル信号と、今回のデジタル信号とを加算して、1つのデジタル信号を生成する。そして、切替スイッチ125によって、これらのデジタル信号を順次、選択して、2ビットのデジタル信号を生成する。
【0032】
この際、符号化回路120の状態は、図6のトレリス線図に示すように、遅延素子121に記憶されている前回入力されたデジタル信号の値a1、遅延素子122に記憶されている前々回入力されたデジタル信号の値a2に応じて、
“a1=0、a2=0”であるとき、状態“0”
“a1=1、a2=0”であるとき、状態“1”
“a1=0、a2=1”であるとき、状態“2”
“a1=1、a2=1”であるとき、状態“3”
のいずれかになる。
【0033】
これにより、符号化回路120の状態が状態“0”であるとき、符号化回路120に、符号化対象となるデジタル信号の列、例えば“0”、“1”、“1”、“0”、“0”で示されるデジタル信号の列が入力されると、このデジタル信号の列に応じて、状態が順次、切り替わって、“00”、“11”、“10”、“10”、“11”で示される畳み込み符号が生成される。
【0034】
<畳み込み符号の復号化>
次に、図7のトレリス線図を参照しながら、上述した符号化回路120によって生成された畳み込み符号の復号法について述べる。
【0035】
通常、上述した符号化手順で符号化された畳み込み符号の復号には、ビタビ復号法が使用される。
【0036】
このビタビ復号法は、トレリス線図において、符号系列と、受信系列とのハミング距離が小さい方を選択していき、最後に生き残ったパスを情報系列と判定する復号法であり、2つのパスが1つの状態に行く場合、それまで積算してきたパスの重みの小さい方を選択した結果を、そのパスの重みにしていくという操作を繰り返して、情報を復号する。
【0037】
これにより、例えば受信系列として、図7に示すように、各時刻“0”〜“8”において、“10”、“00”、“00”、“00”、“00”、“00”、“00”、“00”という情報を受信したとき、状態“0”を通っているパスが最も重みが小さく、生き残っているパスであることから、“00000000”という情報系列が送られてきたと判定する。
【0038】
<既知の情報を使用したビタビ復号>
ところで、ある時刻において、既知の情報を送ったことが、受信側で予め分かっていれば、そのことを利用してビタビ復号の性能を上げることができるとともに、その時刻を境にして、前後のパスを切り離すことができる。
【0039】
例えば、送信側において、“XXX00XXX”(但し、Xは“1”または“0”)という情報を送ったとすると、前の3ビットに、どのような情報を送ったとしても、時刻“5”において、状態“0”になることから、この情報を復号する際には、時刻“5”において状態“0”になっているパスを情報系列と判定する。このとき、状態“1”、“2”、“3”に来るパスについては、誤りがあったときのパスであると判定することができることから、これを考慮する必要は無い。
【0040】
また、時刻“5”以降の情報系列も、時刻“5”において、定まっている状態“0”から始まるパスのみを考えれば良く、状態“1”、“2”、“3”から始まるパスを考える必要は無い。
【0041】
このように、既知の情報を使って、送信側から送られてきた情報を復号することにより、復号して得られた情報の誤りを改善することができるとともに、その時刻を境にして、前後の情報を分離することができる。
【0042】
<MPEG2における情報の復号>
一方、MPEG2のトランスポートストリーム(TS)を送る場合には、パケットの先頭に既知の値として、同期バイトが必ず送られて来ることから、本発明によるデジタル信号送信装置、およびデジタル信号受信装置では、既知の値として、トランスポートストリームの同期バイトを利用する。
【0043】
また、地上デジタル放送の誤り訂正符号として、図8に示すように、6つの遅延素子131〜136と、2つの排他的論理加算器137、138とによって構成される1/2符号化回路130を使用した誤り訂正符号が使用される。
【0044】
この1/2符号化回路130では、6つの遅延素子131〜136を使用していることから、畳み込み符号の状態数が“64”(但し、64=26)になり、状態を1つに定めるためには、情報ビットとして、最低でも6ビット、連続した情報が必要であるが、トランスポートストリームパケットでは、同期バイトのビット数が8ビットであることから、この条件を満たすことができる。
【0045】
そして、トランスポートストリームパケットの同期バイトとして、通常、0x47値(16進表示)(2進表示では、01000111)が固定的に割り当てられていることから、この同期バイトがMSB(最上位ビット)から順に、1/2符号化回路130に入力されて符号化されると、6ビット目の情報が入力された時点で、状態“17”のパスを通り、7ビット目の情報が入力された時点で、状態“35”のパスを通り、8ビット目の情報が入力された時点で、状態“7”のパスを通る。
【0046】
これによって、受信系列を復号する際、同期バイトを復号する時点で、必ず状態“17”、状態“35”、状態“7”というパスを通ることから、同期部分の12ビット(同期バイトを構成する6ビット分の符号系列を符号化率“1/2”で符号化して得られる12ビット)がビタビ復号回路に入力された時点で、状態“17”となるパスを選択し、このパスを情報系列と判定することができる。なお、同期バイトの位置については、フレーム同期信号から再生する。
【0047】
<パンクチュアード符号化>
また、階層伝送を行う際には、階層毎に符号化率が異なることから、畳み込み符号の復号を簡単にするために、パンクチュアード(符号化後に、ビットを間引く処理)することによって、符号化率を変える。
【0048】
例えば、符号化率が“1/2”、“2/3”、“3/4”、“5/6”、“7/8”であれば、図9に示すように、X出力と、Y出力とが順次、選択されて、パンクチュアードのパターンに応じた伝送信号系列が作成される。なお、この図9では、間引くビットを“0”で表わしている。
【0049】
この図から分かるように、符号化率が“3/4”、マザーコードが1/2の畳み込み符号であれば、3ビットの情報が入力されたとき、これが符号化率1/2の畳み込み符号で一旦、符号化されて、6ビットの情報にされた後、2ビットだけ間引かれて、4ビットの伝送信号系列(パンクチュアード畳み込み符号)にされる。また、符号化率が“7/8”、マザーコードが1/2の畳み込み符号であれば、7ビットの情報が入力されたとき、これが符号化率1/2の畳み込み符号で一旦、符号化されて、14ビットの情報にされた後、6ビットだけ間引かれて、8ビットの伝送信号系列(パンクチュアード畳み込み符号)にされる。
【0050】
これによって、誤り訂正復号の際には、受信信号に対し、フレーム同期を基準として、各階層の符号化率に応じて、各ビットの間に、ヌルビットとして0.5を挿入し、符号化率が“1/2”のマザーコードに変換した後、ビタビ復号を行って、送信側から送られてきた情報を再生することができる。
【0051】
《実施の形態の説明》
以下、上述した前提説明の内容を元にして、本発明によるデジタル信号送信装置、およびデジタル信号受信装置を図面を参照しながら、詳細に説明する。
【0052】
<送信装置の実施の形態>
図1は本発明によるデジタル信号送信装置、およびデジタル信号受信装置を、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)を使用した地上デジタル放送システムに適用したときの実施の形態で使用される送信装置の一例を示すブロック図である。なお、この例では、説明を簡単にするために、階層数を“2”にしている。また、この図においては、説明を簡単にするために、RS符号化回路2と1/2畳み込み符号化回路3との間に入る回路、例えば、エネルギー拡散をするエネルギーディスパーサル回路、バイト単位でデータを入れ子にするバイトインターリーブ回路や、信号を並べ替えるインターリーブ回路などを削除している。
【0053】
この図に示す送信装置1は、伝送対象となるトランスポートストリームパケットを取り込んで、リードソロモン符号により誤り保護するRS符号化回路2と、このRS符号化回路2から出力されるパケットに対し、1ビットずつ畳み込んで1ビットの入力に対し2ビット出力する1/2畳み込み符号化回路3と、この1/2畳み込み符号化回路3から出力されるビット列を階層別に分割する階層分割回路4と、この階層分割回路4によって第1階層5a側に分割されたビット列に対し、パンクチュアード処理を行って、14個のビットを8つのビットにする8/14パンクチュアリング回路6aと、この8/14パンクチュアリング回路6aから出力されるビット列を指定された変調方式(例えば、DQPSK、16QAM、64QAMなどのいずれか)で変調する変調回路7aと、階層分割回路4によって第2階層5b側に分割されたビット列に対し、パンクチュアード処理を行って、6つのビットを4つのビットにする4/6パンクチュアリング回路6bと、この4/6パンクチュアリング回路6bから出力されるビット列を指定された変調方式(例えば、DQPSK、16QAM、64QAMなどのいずれか)で変調する変調回路7bと、各変調回路7a、7bから出力される各キャリアの信号を合成する伝送合成回路8と、この伝送合成回路8から出力される各キャリアの信号を逆FFT変換して変調信号(OFDM信号)を生成するIFFT回路9とを備えている。
【0054】
そして、この送信装置1は、伝送対象となるトランスポートストリームパケットを取り込んで、リードソロモン符号化し、1ビットずつ畳み込んで1ビット入力に対し2ビット出力する1/2畳み込みを行った後、8/14パンクチュアリング回路6a、変調回路7aによって構成される第1階層5a、または4/6パンクチュアリング回路6b、変調回路7bによって構成される第2階層5bのいずれかの階層で処理して、各キャリアの信号に変換する。次いで、第1階層5aで得られた各キャリアの信号と、第2階層5bで得られた各キャリアの信号とを合成した後、逆FFT変換して、変調信号を生成する。
【0055】
次に、図1に示すブロック図を参照しながら、この送信装置1の詳細な動作を説明する。
【0056】
まず、188バイトの長さを持つ、MPEG2のトランスポートストリームパケットが入力されると、RS符号化回路2によって、前記トランスポートストリームパケットが所定のビット長毎、例えばリードソロモン符号として、(204、188)のリードソロモン符号が設定されていれば、188バイト毎に区切られて、リードソロモン符号化され、204バイトの長さを持つデータが生成される。この後、1/2畳み込み符号化回路3によって、拘束長“7”(遅延素子数6)で、1ビットずつ畳み込まれて2ビットずつ出力され、これによって得られた3264ビット(204×8×2ビット)のビット列が階層分割回路4に供給される。
【0057】
そして、畳み込み符号の入力データとして、204バイト毎に同期バイト(0x47)が入力されるので、その出力ビット列では3264ビット周期で、トレリス線図の状態“17”→状態“35”→状態“7”を通ることから、階層分割回路4によって、前記ビット列に対応した状態が、状態“7”になる毎に、すなわち図2に示す切替タイミングになる毎に、このビット列が第1階層5a側と、第2階層5b側とに割り振られる。
【0058】
第1階層側5aでは、階層分割回路4からビット列が供給される毎に、8/14パンクチュアリング回路6aによって、フレームの最初のパケットを構成する同期信号の次のビットから、図9に示すパンクチュアリングのパターンで14ビット中の6ビットが間引かれて、8ビットにされるというパンクチュアード処理が繰り返し、行われるとともに、変調回路7aによって、DQPSK変調方式、16QAM変調方式、64QAM変調方式などのいずれかで、8/14パンクチュアリング回路6aから出力されるビット列の各ビットがデジタル変調のシンボル点にマッピングされて、各キャリアの信号が生成される。
【0059】
同様に、第2階層5b側では、階層分割回路4からビット列が供給される毎に、4/6パンクチュアリング回路6bによって、フレームの最初のパケットを構成する同期信号の次のビットから、図9に示すパンクチュアリングのパターンで6ビット中の2ビットが間引かれて、4ビットにされるというパンクチュアード処理が繰り返し、行われるとともに、変調回路7bによって、DQPSK変調方式、16QAM変調方式、64QAM変調方式などのいずれかで、4/6パンクチュアリング回路6bから出力されるビット列の各ビットがデジタル変調のシンボル点にマッピングされて、各キャリアの信号が生成される。
【0060】
そして、伝送合成回路8によって、第1階層5a側から出力される各キャリアの信号と、第2階層5b側から出力される各キャリアの信号とが合成された後、IFFT回路9によって各キャリアの信号が全て、逆FFT変換され、変調信号が生成される。
【0061】
このように、この実施の形態では、遅延素子数が“8”以下で構成される1/2畳み込み回路3によって、MPEG2のトランスポートストリームパケットの先頭にある同期バイトが固定値であることを利用した、第1階層5a、第2階層5bに共通な、符号化率“1/2”の畳み込み符号化を行った後、第1階層5a、第2階層5b毎に異なる符号化率のパンクチュアリングを施すようにしているので、MPEG2のトランスポートストリームパケットを階層伝送するとき、1つの誤り訂正符号化回路によって符号化部側を構成することができ、これによって送信装置1の回路を簡素化して、低コスト化を図ることができる。
【0062】
<受信装置の実施の形態>
次に、階層毎に、ヌルビットとして0.5を挿入し、符号化率“1/2”のマザーコードに変換した後、階層合成を行い、符号化率“1/2”のビタビ復号を行う場合を例にとって、上述した送信装置1で生成された変調信号を受信して、復調する受信装置について説明する。
【0063】
図3は本発明によるデジタル信号送信装置、およびデジタル信号受信装置を、OFDMを使用した地上デジタル放送システムに適用したときの実施の形態で使用される受信装置の一例を示すブロック図である。なお、この図においては、説明を簡単にするために、1/2ビタビ復号回路20と、RS復号回路21との間に入る回路、例えばバイト単位でデータを入れ子にするバイトインタリーブ回路、エネルギー拡散信号を除去するエネルギーディスパーセル回路、信号を入れ子にするインタリーブ回路などを削除してある。
【0064】
この図に示す受信装置11は、受信したOFDM信号中のフレーム同期信号を抽出するフレーム同期回路12と、このフレーム同期回路12によって抽出されたフレーム同期信号に基づき、シンボルタイミング信号やクロック信号などを再生して、装置各部の動作タイミングを制御するタイミング制御回路13と、フレーム同期回路12から出力れさるOFDM信号をFFT変換して、このOFDM信号を構成している数百本から数千本のキャリア毎に、その振幅と位相とを検出して、周波数軸上で階層伝送された各キャリアの信号を再生するFFT回路14と、タイミング制御回路13から出力されるタイミング信号に基づき、FFT回路14から出力される各キャリアの信号を各階層別に分割する伝送分割回路15と、この伝送分割回路15によって第1階層16a側に分割された各キャリアの信号を予め設定されている復調方式(例えば、DQPSK復調方式、16QAM復調方式、64QAM復調方式などのいずれか)で、復調して“0”または“1”のビット列を生成する復調回路17aと、タイミング制御回路13から出力されるタイミング信号に基づき、復調回路17aから出力されるビット列に対し、ヌルビットとして0.5を挿入して、符号化率“7/8”を符号化率“1/2”のマザーコード(ビット列)に変換する14/8デパンクチュアリング回路(14/8ヌルビット挿入回路)18aとを備えている。
【0065】
さらに、この受信装置11は、伝送分割回路15によって第2階層16b側に分割された各キャリアの信号を予め設定されている復調方式(例えば、DQPSK復調方式、16QAM復調方式、64QAM復調方式などのいずれか)で、復調して“0”または“1”のビット列を生成する復調回路17bと、タイミング制御回路13から出力されるタイミング信号に基づき、復調回路17bから出力されるビット列に対し、ヌルビットとして0.5を挿入して、符号化率“3/4”を符号化率“1/2”のマザーコード(ビット列)に変換する6/4デパンクチュアリング回路(6/4ヌルビット挿入回路)18bと、タイミング制御回路13から出力されるタイミング信号に基づき、14/8デパンクチュアリング回路18aから出力されるビット列、6/4デパンクチュアリング回路18bから出力されるビット列を階層合成して一連のビット列を生成する階層合成回路19と、タイミング制御回路13から出力されるタイミング信号に基づき、階層合成回路19から出力されるビット列に対し、符号化率“1/2”の畳み込み符号の復号化処理を行う1/2ビタビ復号回路20と、この1/2ビタビ復号回路20から出力されるビット列に対し、リードソロモン復号化を行って誤り訂正を行い、トランスポートストリームパケットを生成するRS復号回路21とを備えている。
【0066】
そして、この受信装置11は、受信信号が入力されたとき、フレーム同期信号を抽出するとともに、FFT変換して周波数軸上で階層伝送された各キャリアの信号を再生した後、各キャリアの信号を、復調回路17a、14/8デパンクチュアリング回路18aによって構成される第1階層16a、または復調回路17b、6/4パンクチュアリング回路18bによって構成される第2階層16bのいずれかの階層に振り分けて、復調処理、デパンクチュアード処理を行う。次いで、これら第1階層16aで得られたビット列と、第2階層16bで得られたビット列とを階層合成した後、1/2ビタビ復号処理して、一連のビット列を復号するとともに、リードソロモン復号化を行って、誤りを訂正し、正しいトランスポートストリームパケットを再生する。
【0067】
次に、図3に示すブロック図を参照しながら、この受信装置11の詳細な動作を説明する。
【0068】
まず、受信信号(OFDM信号)を受信する毎に、フレーム同期回路12によって、前記受信信号中に含まれているフレーム同期信号が抽出されるとともに、タイミング制御回路13によって、前記フレーム同期信号に基づき、シンボルタイミング信号やクロック信号などが再生され、これらがタイミング信号として、伝送分割回路15、14/8デパンクチュアリング回路18a、6/4デパンクチュアリング回路18b、階層合成回路19、1/2ビタビ復号回路20に供給される。
【0069】
また、この動作と並行し、FFT回路14によって、フレーム同期回路12から出力されるOFDM信号がFFT変換されて、各キャリアの信号(I軸側の振幅信号、Q軸側の振幅信号)が生成された後、伝送分割回路15によって、図4に示すように、各キャリアの信号が階層毎に、第1階層16a側または第2階層16b側に割り振られる。
【0070】
そして、第1階層16a側では、伝達分割回路15から出力される各キャリアの信号が予め設定されている復調方式(例えば、DQPSK復調方式、16QAM復調方式、64QAM復調方式のいずれか)で復調されてビット列が生成されるとともに、タイミング制御回路13から出力されるタイミング信号に基づき、14/8デパンクチュアリング回路18aによって、前記ビット列中の抜けている部分に、ヌルビットとして0.5が挿入されて、符号化率“7/8”となっていたビット列が符号化率“1/2”のマザーコード(ビット列)に変換される。
【0071】
同様に、第2階層16b側では、伝達分割回路15から出力される各キャリアの信号が予め設定されている復調方式(例えば、DQPSK復調方式、16QAM復調方式、64QAM復調方式のいずれか)で復調されてビット列が生成されるとともに、タイミング制御回路13から出力されるタイミング信号に基づき、6/4デパンクチュアリング回路18bによって、前記ビット列中の抜けている部分に、ヌルビットとして0.5が挿入されて、符号化率“3/4”となっていたビット列が符号化率“1/2”のマザーコード(ビット列)に変換される。
【0072】
次いで、タイミング制御回路13から出力されるタイミング信号で示されるフレームタイミングに基づき、階層合成回路19によって、図4に示すように、各切替点毎に、第1階層16a側で得られたビット列と、第2階層16b側で得られたビット列とが選択されて、1つのビット列(ビットストリーム)が合成される。
【0073】
この場合、各階層のビット列のうち、同期信号に相当するビット数は、送信装置1側で、同期信号となっている8ビットが“1/2”の畳み込み符号で符号化された後のビット数に相当することから、図4中で、同期と表記されている部分が16ビットになる。また、各階層のビット列のうち、TSデータ部に相当するビット数は送信装置1側で、外符号として、(204、188)のリードソロモン符号を使用しているとき、204バイトから同期バイトとなる1バイトを除いた203バイトが“1/2”の畳み込み符号で符号化された後のビット数に相当することから、TSデータ部と表記されている部分が3248ビットになる。
【0074】
そして、各階層のビット列は、204バイトのパケットが符号化率“1/2”で符号化された、3264ビットの符号ビット列の繰り返しになり、3264ビット周期で、トレリス線図の状態“17”→状態“35”→状態“7”を通ることになることから、特定の状態の時点、例えば状態“7”の時点で、第1階層16a側のビット列と、第2階層16b側のビット列とを切り替えて、階層伝送された各ビット列を合成すると、符号化率“1/2”の畳み込み符号で符号化された1つのビットストリームを得ることができる。
【0075】
この後、タイミング制御回路13から出力されるタイミング信号で示されるフレームタイミングに基づき、3264ビット毎にトレリス線図で状態“7”となるような時点で階層合成回路19により合成され、1つのビットストリームになり、1/2ビタビ復号回路20によってビタビ復号されて、復号後のビット列が再生された後、RS復号回路21によってリードソロモン復号化が行われて誤り訂正が行われ、188バイトのトランスポートストリームパケットが再生される。
【0076】
この場合、階層合成回路19から出力されるストリームが3264ビット周期で、トレリス線図の状態“17”→状態“35”→状態“7”を通ることから、状態“17”の時点を基準にして、情報系列の判定を行うことにより、情報の再生性能を向上させることができる。
【0077】
このように、この実施の形態では、複数の系統で伝送されてきたMPEG2のトランスポートストリームを再生する際、第1階層16a、第2階層16b毎に、前記トランスポートストリームを復調処理、デパンクチュアード処理して、符号化率“1/2”のマザーコードに変換した後、遅延素子数が“8”以下で構成される1/2ビタビ復号回路20を使用して、MPEG2のトランスポートストリームパケットの先頭にある同期バイトが固定値であり、かつ既知であることを利用して、第1階層16a、第2階層16b毎に共通な畳み込み符号の復号化を行うようにしているので、階層伝送されてきたMPEG2のトランスポートストリームパケットを再生するとき、ビタビ復号用として1つの誤り訂正復号回路によって復号部側を構成することができ、これによって受信装置11側の回路を簡素化して、低コスト化を図ることができる。
【0078】
《他の実施の形態》
また、上述した実施の形態では、受信装置11側に設けられている階層合成回路19において、状態が状態“7”となった時点で、第1階層16a側のビット列と、第2階層16b側のビット列とを切り替えるようにしているが、状態“35”や状態“17”になった時点で、第1階層16a側のビット列と、第2階層16b側のビット列とを切り替えるようにしても良い。
【0079】
また、上述した実施の形態では、送信装置1側の階層の数と、受信装置11側の階層数とを、各々2つにしているが、階層の数について、何の制限も無いことから、これら送信装置1側の階層の数と、受信装置11側の階層数とを各々、3つにしても、また4つにしても良い。
【0080】
また、上述した実施の形態では、受信装置11側に設けられている各復調回路17a、17bにおいて、受信データを“0”から“1”のアナログ値に判定する軟判定を行うようにしているが、“0”、または“1”のデジタル信号に判定する硬判定を行うようにしても良い。
【0081】
また、受信装置において、復調回路17a、17bからのデータが“0”から“1”のアナログ値の場合は、デパンクチュアリング回路18a、18bにおいて、ヌルビットとして“0.5”を挿入しているが、例えば、3ビットのデジタル値で出力する場合は、データを“0”から“7”までの整数で出力し、挿入するヌルビットとしては0.5に相当する“3”または“4”を挿入するようにしてもよいし、データ“7”を使用しない場合は、データを“0”から“6”までの整数で出力し、挿入するヌルビットとしては中心の値として“3”を挿入するようにしてもよい。4ビットのデジタル値で出力する場合も同様である。
【0082】
また、デパンクチュアリング回路でヌルビットとして“0”または適当な値を挿入し、ヌルビットを挿入したことを示す制御信号を設け、デパンクチュアリングしたデータ列と制御信号を1/2ビタビ復号回路に送ることにより、ビタビ復号回路で誤り訂正する際に、ヌルビットに相当するビットに対してはその値を無効として扱うことによって誤り訂正処理を行ってもよい。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、請求項1、2、3では、MPEG2のトランスポートストリームパケットを階層伝送するとき、1つの誤り訂正符号化回路によって符号化部側を構成することができ、これによって送信装置側の回路を簡素化して、低コスト化を図ることができる。
【0084】
請求項4、5では、階層伝送されてきたMPEG2のトランスポートストリームパケットを再生するとき、1つの誤り訂正復号回路によって復号部側を構成することができ、これによって受信装置側の回路を簡素化して、低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるデジタル信号送信装置の実施の形態を示す送信装置のブロック図である。
【図2】図1に示すの一例を示す送信装置の階層切替動作例を示す模式図である。
【図3】本発明によるデジタル信号受信装置の実施の形態を示す受信装置のブロック図である。
【図4】図3に示すの一例を示す受信装置の階層切替動作例を示す模式図である。
【図5】本発明によるデジタル信号送信装置で使用される畳み込み符号の概要を説明するためのブロック図である。
【図6】本発明によるデジタル信号送信装置で使用される畳み込み符号を説明するためのトレリス線図である。
【図7】本発明によるデジタル信号受信装置で使用されるビタビ復号を説明するためのトレリス線図である。
【図8】本発明によるデジタル信号送信装置で使用される畳み込み符号回路を説明するためのブロック図である。
【図9】本発明によるデジタル信号送信装置で使用されるパンクチュアード処理例を説明するための表である。
【図10】階層伝送方式でデジタル信号を送信する従来の送信装置の一例を示すブロック図である。
【図11】階層伝送方式で伝送されてきたデジタル信号を受信する従来の受信装置の一例を示すブロック図である。
【図12】デジタル信号伝送システムで使用されるトランスポートストリームパケットの一例を示す模式図である。
【図13】図10に示す送信装置の階層処理例を示す模式図である。
【図14】図11に示す受信装置の階層処理例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 送信装置(デジタル信号送信装置)
2 RS符号化回路
3 1/2畳み込み符号化回路
4 階層分割回路
5a 第1階層(系統)
5b 第2階層(系統)
6a 8/14パンクチュアリング回路(ビット間引き回路)
6b 4/6パンクチュアリング回路(ビット間引き回路)
7a、7b 変調回路
8 伝送合成回路
9 IFFT回路(送信信号生成回路)
11 受信装置(デジタル信号受信装置)
12 フレーム同期回路
13 タイミング制御回路
14 FFT回路
15 伝送分割回路
16a 第1階層(系統)
16b 第2階層(系統)
17a、17b 復調回路
18a 14/8デパンクチュアリング回路(ビット挿入回路、
ヌルビット挿入回路)
18b 6/4デパンクチュアリング回路(ビット挿入回路、
ヌルビット挿入回路)
19 階層合成回路
20 1/2ビタビ復号回路(復号回路、誤り訂正回路)
21 RS復号回路(復号回路、誤り訂正回路)
Claims (5)
- MPEG2のトランスポートストリームを複数の系統で送信し、各系統の誤り訂正符号の一部として遅延素子数が“8”以下で構成される畳み込み符号を用いるデジタル信号送信装置において、
MPEG2のトランスポートストリームが入力され処理される1つの畳み込み符号化回路を有し、
MPEG2のトランスポートストリームパケットの先頭にある固定値である同期バイトのビットが順に前記畳み込み符号化回路に入力されたとき、該畳み込み符号化回路の遅延素子のビット状態が該同期バイトのビット列の一部または全部と一致したときにビットが出力される期間を切り替えタイミングとして、該畳み込み符号化回路の出力を前記各系統に振り分ける、
ことを特徴とするデジタル信号送信装置。 - MPEG2のトランスポートストリームを複数の系統で送信し、各系統の誤り訂正符号の一部として遅延素子数が“6”で構成される畳み込み符号を用いるデジタル信号送信装置において、
MPEG2のトランスポートストリームが入力され処理される符号化率1/2の畳み込み符号で誤り訂正符号化を行う1つの畳み込み符号化回路を有し、
該畳み込み符号化回路の出力を、前記トランスポートストリームのパケットの先頭にある固定値である同期バイトの6、7、8ビット目のいずれかのビットが入力され処理されたタイミングで、前記各系統に振り分ける、
ことを特徴とするデジタル信号送信装置。 - MPEG2のトランスポートストリームを複数の系統で送信し、各系統の誤り訂正符号の一部として遅延素子数が“6”で構成される畳み込み符号を用いるデジタル信号送信装置において、
MPEG2のトランスポートストリームが入力され、符号化率1/2の畳み込み符号で誤り訂正符号化を行う1つの畳み込み符号化回路と、
この畳み込み符号化回路によって得られたビット列を、MPEG2のトランスポートストリームパケットの先頭にある固定値である同期バイトの6、7、8ビット目のいずれかのビットが入力され処理されたタイミングで各系統に振り分ける分割回路と、
振り分けられた各系統毎のビット列に対し指定された間引きパターンでビットを間引くパンクチュアリング回路と、
を備えたことを特徴とするデジタル信号送信装置。 - 各系統の誤り訂正符号の一部として遅延素子数が“8”以下で構成される畳み込み符号化回路により生成された符号を用い、複数の系統で送信されてきたMPEG2のトランスポートストリームを再生するデジタル信号受信装置において、
複数の系統で送信されてきたビット列を合成したビットストリームを入力し復号する1つの畳み込み符号の復号化回路を有し、
該合成したビットストリームは、受信フレーミング信号に基づき、送信側の前記畳み込み符号化回路でMPEG2のトランスポートストリームパケットの先頭にある同期バイトのビットが順に該畳み込み符号化回路に入力されたとき、該畳み込み符号化回路の遅延素子のビット状態が該同期バイトのビット列の一部または全部と一致したときにビットが出力される期間を切り替えタイミングとして、各系統のビット列を1つのビットストリームに合成する、
ことを特徴とするデジタル信号受信装置。 - 各系統の誤り訂正符号の一部として遅延素子数が“6”で構成される畳み込み符号化回路により生成された符号を用い、複数の系統で送信されてきたMPEG2のトランスポートストリームを再生するデジタル信号受信装置において、
復調された各系統のビット列に対し指定されたパターンでヌルビットを挿入して符号化率1/2の畳み込み符号のビット数とするデパンクチュアリング回路と、
デパンクチュアリングされた各系統の複数のビット列を、受信フレームタイミング信号に基づき、
MPEG2のトランスポートストリームパケットの固定値である同期バイトが符号化された16ビットの先頭の位置から11、12、13、14、15または16ビット目のいずれかのビットの後のタイミングで1つのビットストリームに合成する合成回路と、
合成された1つのビットストリームを誤り訂正復号する1つの畳み込み符号の復号化回路と、
を備えたことを特徴とするデジタル信号受信装置。
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