JP3691172B2 - 有機変性層状珪酸塩及び永久帯電防止性樹脂組成物 - Google Patents

有機変性層状珪酸塩及び永久帯電防止性樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な有機変性層状珪酸塩及びこれを含有する永久帯電防止性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
層状珪酸塩は、粘土を構成する代表的な層状無機化合物であり、その構造は、厚さ10Å前後の珪酸塩層(層間空隙を含む)が数〜数十層平行に積層して形成された1次凝集体がさらに無秩序に凝集して形成した粒径数百nm〜数μmの2次凝集体からなるものである。スメクタイト、バーミキュライト、タルク、マイカ等はこのような構造を有する代表的な層状珪酸塩化合物である。中でもスメクタイトや合成マイカは程良い層間電荷密度を有するため、水膨潤性に優れ、水中では2次凝集を解いて均一分散し、品種によっては強固な1次凝集さえ解き放ち単層剥離分散するとされている(「粘土ハンドブック 第2版」日本粘土学会編)。
【0003】
これらの層状珪酸塩は、イオン交換能を有し、種々のカチオン性化合物と接触させてこれを元の金属イオンの代わりにスメクタイトや合成マイカの層間に導入した複合体を形成させることができる。スメクタイト系粘土鉱物の有機変性体、特に、ドデシルアンモニウム、オクタデシルアンモニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウム、ベンジルジメチルオクタデシルアンモニウム等による変性体は有機ベントナイトの名で商品化され、塗料用増粘剤等として古くから用いられてきた。
【0004】
これら公知の有機変性層状珪酸塩は、アンモニウム塩の合成の利便上、炭素数18以下の単長鎖又は2長鎖(窒素原子上の他の置換基は水素、メチル基、又はベンジル基)のアルキルアンモニウムによる変性体で、トルエン、ベンゼン等、一部の芳香族系溶媒には可溶であるが、アルコール、アセトン等の極性溶媒には親和性が低く、またヘキサン、ペンタン等の脂肪族系炭化水素溶媒や流動パラフィンには溶解しないため、十分な増粘効果を得ることができない。近年、極性溶媒への溶解性改善を目的として特殊な有機アンモニウムを用いた有機変性層状珪酸塩化合物が開発され、特開平6−287014号公報、特公平7−23210号公報、特公平7−23212号公報等にその技術が開示されているが、これらも、脂肪族系溶媒には均一分散しない。因みに、有機変性層状珪酸塩化合物は特定の有機溶媒中で膨潤、均一分散する(2次凝集解離)ものであるが、これら媒体中でも1次凝集構造は堅持し剥離分散しないというのが通説となっている。
【0005】
また、これらの有機変性層状珪酸塩を樹脂中へ分散させる試みが種々行われているが、この場合は溶解度パラメータの分子量依存性のため、有機溶媒に対して以上に分散が困難で、通常、2次凝集さえ解けない。樹脂中での分散が不良の系では、特開昭61−213231号公報の比較例3に明示されているように、帯電防止効果が発揮されない。特に、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂やポリスチレン系熱可塑性樹脂のように、極性の低い熱可塑性樹脂については、有機変性粘土を均一に分散させることは一層困難となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討の結果、非極性溶媒に使用しうる新しい増粘剤を見出し、更にはこれを用いた全く新しい機構に基づく、樹脂の永久帯電防止法を見い出すに至った。すなわち、特定の第四級アンモニウム塩により適度に有機変性された層状珪酸塩化合物が、流動パラフィン等の非極性溶媒にも均一に溶解し、十分な増粘効果を有することができ、更にはポリオレフィン系熱可塑性樹脂やポリスチレン系熱可塑性樹脂等の低極性樹脂にも均一に分散することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、膨潤性層状珪酸塩の層間に、下記一般式(I)で表される第四級アンモニウムイオンを含有してなる有機変性層状珪酸塩(以下、有機変性層状珪酸塩(I)という)を提供するものである。
【0008】
【化4】
Figure 0003691172
〔式中、R1は側鎖に炭素数1以上のアルキル基を少なくとも1本有する炭素数8以上の分岐型飽和脂肪族アルキル基を示す。R2、R3、R4は、水素原子もしくは炭素数1〜2のアルキル基を表し、これらは全てが同一であっても異なっていてもよい。〕
上記一般式(I)で表される第四級アンモニウムイオンには、R1が炭素数8以上の側鎖アルキル基を有する総炭素数24以上の分岐型飽和脂肪族アルキル基であり、R2、R3、R4がそれぞれメチル基である第四級アンモニウムイオンが含まれる。
【0009】
また、本発明は、膨潤性層状珪酸塩の層間に、下記一般式(II)で表される第四級アンモニウムイオンを含有してなる有機変性層状珪酸塩(以下、有機変性層状珪酸塩(II)という)を提供するものである。
【0010】
【化5】
Figure 0003691172
〔式中、R5、R6はそれぞれ、炭素数8以上の飽和脂肪族アルキル基を表し、R5、R6のうち少なくとも1個は、側鎖に炭素数1以上のアルキル基を少なくとも1本有する分岐脂肪族アルキル基を示す。R7、R8は水素原子もしくは炭素数1〜2のアルキル基を表し、これらは全てが同一であっても異なっていてもよい。〕
上記一般式(II)で表される第四級アンモニウムイオンには、R5、R6がそれぞれ、総炭素数12以上の飽和脂肪族アルキル基であって、R5、R6のうち少なくとも1個は、側鎖に炭素数1以上のアルキル基を少なくとも1本有する分岐脂肪族アルキル基であり、R7、R8がそれぞれメチル基である第四級アンモニウムイオンが含まれる。
【0011】
更に、本発明は、膨潤性層状珪酸塩の層間に、下記一般式(III) で表される第四級アンモニウムイオンを含有してなる有機変性層状珪酸塩(以下、有機変性層状珪酸塩(III) という)を提供するものである。
【0012】
【化6】
Figure 0003691172
〔式中、R9、R10 、R11 はそれぞれ、炭素数8以上の飽和脂肪族アルキル基を表し、R9、R10 、R11 のうち少なくとも1個は、側鎖に炭素数1以上のアルキル基を少なくとも1本有する分岐脂肪族アルキル基を示す。R12 は水素原子もしくは炭素数1〜2のアルキル基を表す。〕
更に本発明は、上記の有機変性層状珪酸塩(I)、(II)、(III) を熱可塑性樹脂100重量部に対して2乃至30重量部添加、これらが、
(1)1次凝集体及び/又は凝集体の短径が500nm以下の2次凝集体の形で、かつ、
(2)平均最近接粒子間距離が500nm以下、
の状態で分散していることを特徴とする永久帯電防止性樹脂組成物を提供するものである。ここで、「粒子」とは、樹脂中で独立して存在する連続した有機変性粘土相の個々の最大単位を指す。2次凝集体を形成する相にあっては、1次凝集体単位ではなく2次凝集体を指すものとする。また、粒子間の「距離」とは、図1における粒子1の重心間距離Lではなく、粒子1の外縁間距離L1 を指すものとする。
【0013】
〔本発明の有機変性層状珪酸塩〕
本発明の特徴は、有機変性層状珪酸塩が、上記一般式(I)、(II)、(III) で表されるような、側鎖を有する分岐型脂肪族アルキル基を少なくとも1本有する第四級アンモニウムイオンを含有することである。そして、このような有機変性層状珪酸塩は流動パラフィン等の非極性溶媒に均一分散し増粘効果を示すと共に、樹脂中に均一分散させることにより、樹脂の体積固有抵抗を低下させることができることを見出したものである。これによって、本有機変性層状珪酸塩は流動パラフィン等を用いた化粧品用クリーム等の増粘剤として利用することができ、また樹脂中に均一分散させることにより、永久帯電防止樹脂組成物を提供することが可能となった。
【0014】
本発明の有機変性層状珪酸塩は、分岐型脂肪族アルキル基を有する第四級アンモニウム塩と層状珪酸塩を反応させることにより容易に得ることができる。かかる第四級アンモニウム塩は、分岐型のアルコールをアミン類と反応させ、分岐型アルキル基を有するアミンを合成し、これを塩化メチル等の四級化剤により四級化して得ることができるが、この方法に限定されるものではない。
【0015】
また、有機アンモニウム塩の層状珪酸塩に対する使用量は、有機変性層状珪酸塩化合物を後述の(1)、(2)の状態を保って樹脂に分散させることができる範囲内において特に限定されないが、一般的に層状珪酸塩のカチオン交換容量の0.5乃至2.0倍当量であることが好ましい。
【0016】
本発明に用いられる有機変性層状珪酸塩の体積固有抵抗は、1013Ω・cm以下、好ましくは1011Ω・cm以下、さらに好ましくは109 Ω・cm以下である。有機変性層状珪酸塩の体積固有抵抗が低いほど、樹脂に練り込んだ際に樹脂の体積固有抵抗を下げることができ、使用量が少量で済む。また有機変性層状珪酸塩の体積固有抵抗が1013Ω・cmを超えると、30重量部使用しても良好な帯電防止性が得られない。
【0017】
なお、特開昭58−67338号には有機カチオン−有機アニオン錯体がスメクタイト型クレーにインターカレートした構造を有するゲル形成剤が開示されており、その中で錯体の一成分である有機カチオンとして分岐鎖を有しても良いことが示されている。しかしながら、これは本発明のような、ある特定の分岐鎖を有する第4級アンモニウムカチオンのみを層間に導入した本発明の有機変性層状珪酸塩とは構造も全く異なり、また分岐鎖を有する実施例も開示されていない。更に、同公報記載のゲル形成剤が流動パラフィンのような非極性溶媒中に分散することは一切記載されておらず、また熱可塑性樹脂に永久帯電防止性を付与できることも全く示唆されていない。
【0018】
〔本発明の樹脂組成物〕
本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、上記した本発明の有機変性層状珪酸塩2〜30重量部を、
(1)1次凝集体及び/又は凝集体の短径が500nm以下の2次凝集体の形で、かつ、
(2)平均最近接粒子間距離が500nm以下、
となるように分散させてなるものである。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、有機変性層状珪酸塩が均一に分散しており、また、いわゆる永久帯電防止性を有する。
【0019】
本発明の対象となる熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン及びポリプロピレンユニット含有樹脂、ポリエチレン及びポリエチレンユニット含有樹脂、ポリブタジエン、ポリイソブチレン等の熱可塑性ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂及びスチレン−ブタジエン共重合樹脂等のスチレンユニット含有熱可塑性樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂等の熱可塑性ニトリル基含有樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂等の熱可塑性エステル基含有樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド等の熱可塑性樹脂が挙げられる。さらに、熱可塑性樹脂としては、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルサルフォン(PES)等のスーパーエンジニアリングプラスチック等が挙げられる。
【0020】
本発明において、有機変性層状珪酸塩の配合量は、樹脂100重量部に対し、前記した(1)、(2)の分散状態のものが、2乃至70重量部である。但し、最終使用状態の樹脂組成物中では、2乃至20重量部、好ましくは3乃至15重量部、さらに好ましくは5乃至10重量部とするのが良い。この配合量の範囲において、良好な帯電防止効果の発現が得られる。なお、前記した(1)、(2)記載の状態以外の分散状態にある有機変性層状珪酸塩化合物は如何なる分率で含まれていても良いし、また、含まれていなくとも良い。更に炭酸カルシウム、クレー等のフィラーや、ガラス繊維、カーボン繊維等の補強材、酸化防止剤、UV安定剤、滑剤、耐候剤、核剤、顔料、染料、防黴剤等の樹脂添加剤は、本発明で実現する永久帯電防止性を損なわない限りに於いて如何なる分率で添加併用されていても良いし、また併用されていなくとも良い。
【0021】
永久帯電防止性を呈する本発明の有機変性層状珪酸塩化合物−樹脂組成物は、有機変性層状珪酸塩化合物と熱可塑性樹脂の溶融混練、有機変性層状珪酸塩を均一分散させたモノマー又はプレポリマーの重合/樹脂化、あるいは、有機変性層状珪酸塩化合物と樹脂との溶媒中での混合/溶媒留去、の何れの方法によっても得ることができるが、これらの方法に限定されるものでない。
【0022】
この帯電防止能は、成型直後から発現し、吸着水の介在を必要としないため低湿・低温下でも機能するものである。また、樹脂全体に亙って体積固有抵抗を下げるため、肉厚製品や比表面積の大きいフィルム状成型品にも有効で、機能発現のための特殊な成型条件を必要としないし、フィラーや第三成分添加系での使用、高濃度マスターバッチの稀釈使用も基本的に問題ない。また、樹脂の色調を全く損ねず、透明な樹脂にあってはその透明性を維持できる。さらに、本発明で開示する永久帯電防止技術で導電担体となる有機変性層状珪酸塩化合物の下限必要添加量が2〜3vol%と、極めて少ないことも特筆できる。さらに本発明の方法を適用して得られる永久帯電防止性樹脂組成物は、その副次的な効果として、耐候性、耐熱性、寸法安定性、耐蝕性、耐磨耗性、難燃性、ガスバリア性に優れる。
【0023】
未変性の層状珪酸塩は、通常、絶乾状態では1013Ω・cm以上の絶縁体であるが、本発明者等は、適度に有機変性された層状珪酸塩化合物が、108 〜1013Ω・cmの極めて低い体積固有抵抗を有し得ることを見い出した。さらに本発明者等は、従来、せいぜい100V程度の印加電圧下で隔絶された二体の物質(粒子/分子/イオン)間に実質的に電流が流れる(電荷移動が起こる)際の物質間距離は100Å程度以下とされていたのに対し、同様の印加電圧下、10-9〜10-11 A程度の極微電流が流れれば事足りる樹脂の帯電防止の世界では、実に500nmもの遠距離隔絶した二体間にも、充分な電流が流れ得ることを見い出したものである。即ち、体積固有抵抗1013Ω・cm以下の物質が、平均最近接粒子間距離500nm程度以下を保ってマトリックスを充填していれば、極めて少ない添加量で有効に、系全体の体積抵抗率を低減でき、互いに接触又は100Å以下の距離に近接して存在する必要はない。この時必要とされる低体積固有抵抗の物質の最小必要体積分率(パーコレーション閾値)は、該低体積固有抵抗の物質の形状(異方性)、サイズ、分散度等の諸条件によって変わり得ることが知られているが、本発明者等は有機変性層状珪酸塩化合物のように極めて形状異方性に富み微細な粒子〔1次凝集体では、(数十nm〜数μm)×(数十nm〜数μm)×(数〜十数nm)〕を用いると、それが2〜3vol%程度にまで低減できることを見い出した。これは、これまでに知られているパーコレーション閾値としては最も少ないものである。
【0024】
ところが、上記概念を実現するような、樹脂組成物系はこれまで基本的に知られていなかった。即ち、樹脂に懸かるスケールで均一分散可能な無機化合物は全く知られておらず(ガラスファイバー、炭素繊維、カーボンブラック、マイカ、金属粒子等は、それら自身が上記スケールよりはるかに巨大なものであり、他方、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム等の化合物の構成単位は微細だが、凝集粒が崩壊して上記スケールで分散した例はない)、また、有機化合物では、相溶性の低い化合物は極性の違いから樹脂中で凝集してしまい分散しないか、或いはブリード過多となってしまう。さらに、高分子量化合物は一般に樹脂に相溶しにくく、数μm以上の巨大な相分離構造を呈する。このように添加物が分散し難い傾向は、極性の低いポリスチレン、ポリオレフィン系樹脂等の炭化水素系樹脂、とりわけ、ポリプロピレン、ポリエチレン等の脂肪族炭化水素系樹脂では顕著となる。もちろん、如何に分散性不良の系であっても、低体積固有抵抗を有する分散体(粒子)が互いに接触し得るほど多量(40〜70vol%程度以上)に添加/使用すれば、樹脂組成物系全体の体積固有抵抗が低下することは自明であるが、懸かる系に実用上の意義はない。
【0025】
これに対して、本発明では、分岐アルキル基を少なくとも1本有する特定の第四級アンモニウムイオンを含有する有機変性層状珪酸塩化合物を用いることにより、ポリオレフィンやポリスチレン等の非極性の熱可塑性樹脂に対しても、(1)1次凝集体及び/又は凝集体の短径が500nm以下の2次凝集体の形で、かつ、(2)平均最近接粒子間距離が500nm以下の状態となるように均一に分散させることができることを見出したものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
有機アンモニウム塩により変性された有機変性層状珪酸塩化合物の好ましい面間隔は23乃至50Å、より好ましくは25乃至40Å、特に好ましくは25〜35Åである。ここで、「面間隔」とは、結晶学的には、X線回折で反射を与えるような層状の繰り返し単位距離を示すもので、層状珪酸塩のように実質的に厚みを持つものでは、1層分の厚さをも含む。つまり、本発明における面間隔は、図2における層状の繰り返し単位2の距離L2 をいう。
【0027】
本発明に用いられる有機変性層状珪酸塩の粒径は、50nm〜8μm、好ましくは100nm〜5μm、さらに好ましくは、200nm〜5μmである。粒径が50nm以上が形状異方性の利点という観点から、また粒径8μm以下が樹脂の透明性などの外観や樹脂の衝撃強度などの物性の観点から好ましい。
【0028】
また、本発明に用いられる有機変性層状珪酸塩のカチオン交換容量は、50meq/100g以上、好ましくは70〜120meq/100gである。カチオン交換容量が少なすぎると有機変性剤の置換量が低下し、樹脂への親和性が低下する(総炭素数の多い有機変性剤を用いれば多少はカバーできる)。
【0029】
本発明の有機変性層状珪酸塩は、各種溶媒に良好に溶解する。特に、従来極めて困難であった流動パラフィンのような非極性溶媒に対しても透明に溶解するため、工業用途が広がる。
【0030】
また、本発明の樹脂組成物においては、上記の如き、分岐アルキル基を少なくとも1本有する特定の第四級アンモニウムイオンを含有する有機変性層状珪酸塩化合物を、前記した(1)及び(2)の状態となるように、熱可塑性樹脂中に分散させるものである。この条件を満たす限り、有機変性層状珪酸塩(I)と有機変性層状珪酸塩(II)と有機変性層状珪酸塩(III) とを任意の割合で混合して用いてもよい。
【0031】
熱可塑性樹脂中における1次凝集体の積層枚数は、平均で数〜十数枚が好ましい。1次凝集体の積層枚数が少ないと体積固有抵抗が増大する。多すぎると(同一使用量でも)粒子総数が減少し効率が悪い。また、2次凝集体の短径は500nm以下、好ましくは200nm以下、さらに好ましくは100nm以下である。2次凝集体の短径が500nm以下のものを用いることにより、良好な透明度や衝撃強度が得られ、また粒子数を増やせるため、同一添加量でも帯電防止効果が向上する。さらに、1次凝集体と短径500nm以下の2次凝集体の比率は、1次凝集体の比率が高いほど好ましく、2次凝集体が多いと粒子数が減るため、同一添加量でも帯電防止効果が低下する。
【0032】
なお、有機変性層状珪酸塩化合物の樹脂中の分散性の定量について、一般に、分散状態の記述は極めて困難で、未だ満足される表記法は見い出だされていないのが現状である。球状粒子の分散に関しては、便宜的に単位体積中に含まれる平均粒子数を平均粒径と共に記したりするが、本発明で目的とする、新しい導電機構に基づく帯電防止性の発現をもたらす有機変性層状珪酸塩化合物の樹脂中での分散形態を記述するには十分ではない。また、本発明に用いられる有機変性層状珪酸塩化合物は、一般に数百nm×数百nm×1nmという極めて微細な構成単位から成るため、その分散状態の判別には高解像度の透過型電子顕微鏡像が不可欠であることも事態の解決を困難なものにしている。しかしながら、極めて多数の帯電防止能を有する有機変性層状珪酸塩化合物−樹脂組成物と帯電防止性を呈しない有機変性層状珪酸塩化合物−樹脂組成物の透過型電子顕微鏡像を詳細に比較検討した結果、本発明者等は、特殊な例外系を除き、体積固有抵抗1013Ω・cm以下の有機変性層状珪酸塩化合物が、その2次凝集を解き、1次凝集体及び/又は最短径が大きくとも500nm以下の2次凝集体の形で分散し、隣接する粒子との距離を概ね500nm以下に保ってマトリックスを埋め尽くしているときには樹脂組成物全体の体積固有抵抗が低下し、帯電防止性が発現することを見い出だしたものである。有機変性層状珪酸塩化合物が少量の添加量であっても、最近接粒子間距離500nm程度以下を保って均一に分散していれば、導電経路が確保され、樹脂の帯電防止といった目的には充分なレベルで電荷の移動が起こるようである。この時、低体積固有抵抗の導電担体たる有機変性層状珪酸塩化合物が、樹脂組成物中に占める体積分率が、如何に分散性が不良であっても70〜80vol%以上、また、通常の分散度であれば20〜30vol%(約30wt%〜40wt%に相当)以上もあれば、樹脂組成物全体の体積固有抵抗が低下し得ることは自明であるが、本発明は、前述の(1)及び(2)の分散性が実現していれば、2乃至15vol%(約3.3wt%〜23wt%相当)の添加量でも樹脂組成物全体の体積固有抵抗を低下せしむることが可能であることを示したものである。効率的に樹脂に永久帯電防止性を付与するには、短径500nm以上の巨大な2次凝集粒はない方が好ましいが、樹脂100重量部に対し2乃至30重量部の有機変性層状珪酸塩化合物が上記分散状態を実現していれば、それ以外に未解離の巨大な2次凝集粒や、その他のフィラー等が含まれていても一向に構わない。懸かる系では実質的な樹脂マトリックス中での有機変性層状珪酸塩の体積分率が上記範囲内にあれば良く、機能発現に必要とされる有機変性層状珪酸塩の下限量は、見かけ上さらに少なくて済む。
【0033】
【実施例】
以下、実施例にて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0034】
実施例1
(イ)第四級アンモニウム塩の合成
分岐型脂肪族アルキル基を有する第四級アンモニウム塩の合成は、以下の方法で行った。
2リットルのフラスコに、「ファインオキソコール180N」〔日産化学株式会社製、主成分:2−(3−メチルヘキシル)−7−メチル−1−デカノール〕1200gと銅−ニッケル触媒6g(対アルコール0.5重量%)を仕込み、攪拌しながら系内を窒素で置換し、昇温を開始した。100℃に達したら、水素ガスを流量計を用いて20リットル/Hrの流速で系内に仕込み、反応開始温度180℃まで昇温した。この温度でメチルアミンガスを排ガス中のメチルアミンが約5容量%になるように導入し反応を開始した。反応は常圧下で、効率よく系外に水を除去しながら約5時間行った。反応終了後、メチルアミンガスの導入を止め、水素のみを約1時間導入した。その後、窒素雰囲気下で100℃まで冷却し、触媒を濾過にて取り除いた。濾液を真空度5Torrで留去することにより、生成物を得た。得られた生成物をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、分岐型脂肪族アルキル基を2本有する第三級アミンが99.7%の組成比で生成していることを確認した。
【0035】
次に、得られた分岐型脂肪族アルキル基を2本有する第三級アミン300g、イソプロピルアルコール145g、及び塩化メチル35.4gを1リットルのオートクレーブに仕込み、90℃に昇温後、48%NaOH水溶液16.1gを連続的に約2時間で圧入し、熟成を約6時間行った。その後、副生したNaClを濾過にて除去し生成物を得た。この生成物を分析したところ、有効分(カチオン%)68%の分岐型脂肪族アルキル基を2本有する第四級アンモニウム塩(表1、化合物Aの有機変性剤主成分記載)が生成していることを確認した。
【0036】
(ロ)有機変性層状珪酸塩化合物(化合物A)の調製
有機変性剤としてこの分岐型脂肪族アルキル基を2本有する第四級アンモニウム塩を用いて、以下の方法で有機変性された層状珪酸塩化合物を合成した。
1リットルのイオン交換水に10gのモンモリロナイト(クニピアF、クニミネ工業株式会社製)を分散した水溶液へ、上記有効分68%の分岐型脂肪族アルキル基を2本有する第四級アンモニウム塩10.8gを溶解した水溶液300gを攪拌しながら添加し、60℃で2時間反応させた。得られた沈殿物をエタノール、イオン交換水で充分洗浄した後、吸引濾過し凍結乾燥もしくは噴霧乾燥することにより、有機変性された層状珪酸塩化合物(表1、化合物A)を得た。この有機変性された層状珪酸塩化合物の平均面間隔をX線回折装置(理学電機株式会社製RU−200、CuKα−40kV)を用いて測定したところ、27.3Åであった。
この化合物Aを流動パラフィンに添加し、高速分散機(ホモミキサーMARKII2.5;5000rpm;特殊機化工業株式会社製)を用いて混合したところ、流動パラフィンに対して2重量%まで透明(目視にて)に分散させることができた。この分散液の見かけ粘度を、回転粘度計〔東京計器(株)製B型粘度計〕を用い、20℃にて6回転/分、及び60回転/分の条件で測定した。その結果、十分な増粘効果を示すとともに、チキソトロピー性を有していた(表3)。
【0037】
実施例2
アルコール種として「ドバノール2345」(三菱化学株式会社製、平均分子量206)を用いる他は全て実施例1と同様の方法で99.5%の組成比で分岐型脂肪族アルキル基を2本有する第三級アミンを合成した。
次に、塩化メチル46.5g、48%NaOH水溶液17.7gを用いる他は全て実施例1と同様の方法で、有効分(カチオン%)67%の分岐型脂肪族アルキル基を2本有する第四級アンモニウム塩(表1、化合物Bの有機変性剤主成分記載)を合成した。
有機変性剤としてこの分岐型脂肪族アルキル基を2本有する第四級アンモニウム塩8.5gを用いる他は実施例1と同様の方法にて有機変性された層状珪酸塩化合物(表1、化合物B)を合成した。この有機変性された層状珪酸塩化合物の平均面間隔は25.6Åであった。
この化合物Bを流動パラフィンに添加し、実施例1と同様に高速分散機を用いて混合したところ、流動パラフィンに対して2重量%まで透明(目視にて)に分散させることができた。また、実施例1と同様にこの分散液の見かけ粘度を測定したところ、十分な増粘効果を示すとともに、チキソトロピー性を有していた(表3)。
【0038】
実施例3
アルコール種として「カルコール280G」(花王株式会社製、平均分子量411)を用い、メチルアミンガスの代わりにジメチルアミンガスを用いる他は全て実施例1と同様の方法で99.5%の組成比で分岐型脂肪族アルキル基を1本有する第三級アミンを合成した。
次に、塩化メチル43.2g、48%NaOH水溶液19.8gを用いる他は全て実施例1と同様の方法で、有効分(カチオン%)69%の分岐型脂肪族アルキル基を1本有する第四級アンモニウム塩(表1、化合物Cの有機変性剤主成分記載)を合成した。
有機変性剤としてこの分岐型脂肪族アルキル基を1本有する第四級アンモニウム塩8.8gを用いる他は実施例1と同様の方法にて有機変性された層状珪酸塩化合物(表1、化合物C)を合成した。この有機変性された層状珪酸塩化合物の平均面間隔は28.9Åであった。
この化合物Cを流動パラフィンに添加し、実施例1と同様に高速分散機を用いて混合したところ、流動パラフィンに対して2重量%まで透明(目視にて)に分散させることができた。また、実施例1と同様にこの分散液の見かけ粘度を測定したところ、十分な増粘効果を示すとともに、チキソトロピー性を有していた(表3)。
【0039】
実施例4
層状珪酸塩として膨潤性合成雲母(ME−100、コープケミカル株式会社製)を用い、有機変性剤として実施例3記載の分岐型脂肪族アルキル基を1本有する第四級アンモニウム塩(有効分69%)を用いる他は実施例3と全く同様にして有機変性された層状珪酸塩化合物(表1、化合物D)を合成した。この有機変性された層状珪酸塩化合物の平均面間隔は28.5Åであった。
この化合物Dを流動パラフィンに添加し、実施例1と同様に高速分散機を用いて混合したところ、流動パラフィンに対して1重量%まで透明(目視にて)に分散させることができた。また、実施例1と同様にこの分散液の見かけ粘度を測定したところ、十分な増粘効果を示すとともに、チキソトロピー性を有していた(表3)。
【0040】
実施例5
(イ)第四級アンモニウム塩の合成
分岐型脂肪族アルキル基を有する第四級アンモニウム塩の合成は、以下の方法で行った。
2リットルのフラスコに、「ファインオキソコール180N」600gと銅−ニッケル触媒12.0g(対アルコール2.0重量%)を仕込み、攪拌しながら系内を窒素で置換し、昇温を開始した。100℃に達したら、水素ガスを流量計を用いて40リットル/Hrの流速で系内に仕込み、反応開始温度230℃まで昇温した。この温度で1−ドデシルアミン(ファーミン20D、花王株式会社製)413gを反応系中に一括添加し、約5時間の反応を行った。反応終了後、触媒を濾過にて分離除去し、更に蒸留精製することにより、生成物を得た。得られた生成物をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、分岐型脂肪族アルキル基を有する第二級アミンが99.7%の組成比で生成していることを確認した。
【0041】
次に、得られた分岐型脂肪族アルキル基を有する第二級アミン300g、イソプロピルアルコール145g、及び塩化メチル90.0gを1リットルのオートクレーブに仕込み、90℃に昇温後、48%NaOH水溶液66.0gを連続的に約2時間で圧入し、熟成を約6時間行った。その後、副生したNaClを濾過にて除去し生成物を得た。この生成物を分析したところ、有効分(カチオン%)68%の分岐型脂肪族アルキル基を有する第四級アンモニウム塩(表1、化合物Eの有機変性剤主成分記載)が生成していることを確認した。
【0042】
(ロ)有機変性層状珪酸塩化合物(化合物E)の調製
有機変性剤としてこの分岐型脂肪族アルキル基を有する第四級アンモニウム塩を用いて、以下の方法で有機変性された層状珪酸塩化合物を合成した。
1リットルのイオン交換水に10gのヘクトライト(SWN、コープケミカル株式会社製)を分散した水溶液へ、上記有効分68%の分岐型脂肪族アルキル基を有する第四級アンモニウム塩8.6gを溶解した水溶液300gを攪拌しながら添加し、60℃で2時間反応させた。得られた沈殿物をエタノール、イオン交換水で充分洗浄した後、吸引濾過し凍結乾燥することにより、有機変性された層状珪酸塩化合物(表1、化合物E)を得た。この有機変性された層状珪酸塩化合物の平均面間隔を実施例1と同様に測定したところ、25.1Åであった。
この化合物Eを流動パラフィンに添加し、実施例1と同様に高速分散機を用いて混合したところ、流動パラフィンに対して2重量%まで透明(目視にて)に分散させることができた。また、実施例1と同様にこの分散液の見かけ粘度を測定したところ、十分な増粘効果を示すとともに、チキソトロピー性を有していた(表3)。
【0043】
実施例6
化合物Aの体積固有抵抗を測定した。体積固有抵抗は、五酸化リンを配した真空デシケータ中で充分に乾燥した化合物Aをφ=20mm、厚さ1mmの圧縮ペレットとし、乾燥グローブボックス中で測定した。測定には、アドバンテスト社製デジタル超高抵抗/微少電流計R8340Aと、ダイヤ・インストルメンツ社製HRSプローブに自作のシールド外套を取り付けたものを使用した。その結果、化合物Aの体積固有抵抗は6.7×1010Ω・cmであった(表1)。
【0044】
次に、株式会社グランドポリマー製ポリプロピレン(PP)樹脂「F658H」100重量部に、化合物A 5重量部を、池貝鉄工株式会社製二軸押出し機「PCM45−33.5」を用いて溶融混練した(190℃、100rpm)。ここから溶融プレスにより100×100×1mmの試験片10枚を作成し、各種測定に供した。得られた、化合物A−ポリプロピレン樹脂組成物は、樹脂単独時の透明性を維持しており、肉眼では、有機変性層状珪酸塩粒子は全く確認できぬ程、透明分散していた。この試験片のTEM写真を図3に示す。TEM写真上、化合物Aの大部分は短径50〜200nmの2次凝集体粒子として存在しており、無作為に抽出した500nm四方の区画200個中に2個以上の有機変性層状珪酸塩粒子が存在する確率は87%であり、分散性(有機変性層状珪酸塩粒子の分散性の評価方法については後述する。)は良好であった。
【0045】
次に、試料片の帯電圧半減期をオネストメーターES−5109(Shishido Electrostat.,LTD.製)にて測定したところ、0.6秒であり、帯電防止性を示した。また、試験片表面を水洗/エタノール洗浄後、乾燥して再測定した帯電圧半減期は、0.5秒であり、本樹脂組成物は永久帯電防止性を有することが確認された(表4)。また、洗浄前後の試験片の体積固有抵抗及び表面固有抵抗を上記の方法で測定した結果を表4に示す。
【0046】
尚、有機変性層状珪酸塩粒子の分散性の評価は次のように行う。
《有機変性層状珪酸塩化合物の樹脂中での分散性の評価》
明らかに均質な有機変性層状珪酸塩化合物−樹脂組成物については、該樹脂組成物の異なる3つ以上の部位から得た倍率1万倍ないし10万倍の複数の透過型電子顕微鏡像(TEM写真;厚さ100nmの切片から得た像)から、1次凝集体または最短径が500nm以下の2次凝集体粒子のみをピック・アップし、それらの有機変性層状珪酸塩粒子相がTEM画面上で占める面積の総和と、樹脂マトリックス相がTEM画面上で占める総面積、及び両相の密度(g/cm3 )とから、前述の分散度の規定(1)を満足する有機変性層状珪酸塩粒子が樹脂 100重量部に対して2乃至30重量部の範疇にあるか否かを判じた〔評価(A)〕。他方、同じく倍率1万倍ないし10万倍の複数のTEM写真から、500nm四方の区画を無作為に200個抽出し、その中に有機変性層状珪酸塩化合物の異なる粒子(独立した1次凝集体にあってはその1次凝集粒を指し、連続した相をなす2次凝集体にあってはその2次凝集体を1つの粒子とみなすものとする)及び/またはその断片が2個以上見い出される確率を求め、この確率が50%以上である系は前記した分散度の規定(2)を満足するものとみなした〔評価(B);実際は、本評価は分散度規定(1)や有機変性層状珪酸塩化合物の量に関わる情報をも含むことになり、分散度規定(2)より厳しくなることが多い〕。均質な有機変性層状珪酸塩化合物−樹脂組成物系に関しては、これら(A)、(B)両評価を何れも満たせば、事実上、有機変性層状珪酸塩化合物の2ないし30重量部が、(1)及び(2)の分散度規定を何れも満足するとし、分散性は良好であると判断した。
【0047】
実施例7
住友化学工業株式会社製ポリエチレン(PE)樹脂「スミカセンF208−1」100重量部に、化合物A 30重量部を実施例6と同様の方法で溶融混練した。得られた化合物A−ポリエチレン樹脂組成物は、樹脂単独時の透明性を維持しており、肉眼では有機変性層状珪酸塩粒子が全く確認できぬ程、透明分散していた。実施例6と同様の方法で化合物Aの樹脂中での分散性を評価したところ、良好であることを確認した。また、帯電圧半減期を測定したところ、0.2秒以下であった(表4)。また、洗浄前後の試験片の体積固有抵抗及び表面固有抵抗を実施例6と同様の方法で測定した結果を表4に示す。
【0048】
実施例8
旭化成工業株式会社製ポリスチレン(PSt)樹脂「GP666」100重量部に、化合物A 5重量部を実施例6と同様の方法で溶融混練した(200℃、100rpm)。得られた化合物A−ポリスチレン樹脂組成物は、樹脂単独時の透明性を維持しており、肉眼では有機変性層状珪酸塩粒子が全く確認できぬ程、透明分散していた。実施例6と同様の方法で化合物Aの樹脂中での分散性を評価したところ、良好であることを確認した。また、帯電圧半減期を測定したところ、2.1秒であった(表4)。また、洗浄前後の試験片の体積固有抵抗及び表面固有抵抗を実施例6と同様の方法で測定した結果を表4に示す。
【0049】
実施例9
東レ株式会社製アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)「トヨラック#100」100重量部に、化合物A 5重量部を実施例6と同様の方法で溶融混練した(220℃、100rpm)。得られた化合物A−ABS樹脂組成物は、肉眼では有機変性層状珪酸塩粒子が全く確認できぬ程、分散していた。実施例6と同様の方法で化合物Aの樹脂中での分散性を評価したところ、良好であることを確認した。また、帯電圧半減期を測定したところ、1.6秒であった(表4)。また、洗浄前後の試験片の体積固有抵抗及び表面固有抵抗を実施例6と同様の方法で測定した結果を表4に示す。
【0050】
実施例10
実施例6と同様の方法で、化合物Bの体積固有抵抗を測定したところ、9.0×1011Ω・cmであった(表1)。次いで、化合物Aの代わりに化合物Bを用いる以外は実施例6と全く同様の方法で化合物B−ポリプロピレン樹脂組成物を得た。得られた化合物B−ポリプロピレン樹脂組成物は、樹脂単独時の透明性を維持しており、肉眼では有機変性層状珪酸塩粒子が全く確認できぬ程、透明分散していた。実施例6と同様の方法で化合物Bの樹脂中での分散性を評価したところ、良好であることを確認した。また、帯電圧半減期を測定したところ、0.5秒であった(表4)。また、洗浄前後の試験片の体積固有抵抗及び表面固有抵抗を実施例6と同様の方法で測定した結果を表4に示す。
【0051】
実施例11
実施例6と同様の方法で、化合物Cの体積固有抵抗を測定したところ、8.4×1010Ω・cmであった(表1)。次いで、化合物Aの代わりに化合物Cを用いる以外は実施例6と全く同様の方法で化合物C−ポリプロピレン樹脂組成物を得た。得られた化合物C−ポリプロピレン樹脂組成物は、樹脂単独時の透明性を維持しており、肉眼では有機変性層状珪酸塩粒子が全く確認できぬ程、透明分散していた。実施例6と同様の方法で化合物Cの樹脂中での分散性を評価したところ、良好であることを確認した。また、帯電圧半減期を測定したところ、0.5秒であった(表4)。また、洗浄前後の試験片の体積固有抵抗及び表面固有抵抗を実施例6と同様の方法で測定した結果を表4に示す。
【0052】
実施例12
実施例6と同様の方法で、化合物Dの体積固有抵抗を測定したところ、7.5×1010Ω・cmであった(表1)。次いで、化合物Aの代わりに化合物Dを用いる以外は実施例6と全く同様の方法で化合物D−ポリプロピレン樹脂組成物を得た。得られた化合物D−ポリプロピレン樹脂組成物は、樹脂単独時の透明性を維持しており、肉眼では有機変性層状珪酸塩粒子が全く確認できぬ程、透明分散していた。実施例6と同様の方法で化合物Dの樹脂中での分散性を評価したところ、良好であることを確認した。また、帯電圧半減期を測定したところ、1.3秒であった(表4)。また、洗浄前後の試験片の体積固有抵抗及び表面固有抵抗を実施例6と同様の方法で測定した結果を表4に示す。
【0053】
実施例13
実施例6と同様の方法で、化合物Eの体積固有抵抗を測定したところ、5.7×1010Ω・cmであった(表1)。次いで、化合物Aの代わりに化合物Eを5重量部用いる以外は実施例6と全く同様の方法で化合物E−ポリプロピレン樹脂組成物を得た。得られた化合物E−ポリプロピレン樹脂組成物は、樹脂単独時の透明性を維持しており、肉眼では有機変性層状珪酸塩粒子が全く確認できぬ程、透明分散していた。実施例6と同様の方法で化合物Eの樹脂中での分散性を評価したところ、良好であることを確認した。また、帯電圧半減期を測定したところ、2.2秒であった(表4)。
【0054】
実施例14
(イ)第四級アンモニウム塩の合成
2リットルのフラスコに、「ドバノール2345」(三菱化学株式会社製、平均分子量206)200gと銅−ニッケル触媒4.0g(対アルコール2重量%)を仕込み、攪拌しながら系内を窒素で置換し、昇温を開始した。100℃に達したら、水素ガスを流量計を用いて40リットル/Hrの流速で系内に仕込み、反応開始温度250℃まで昇温した。この温度でジステアリルアミン(「ファーミンD86」花王株式会社製)1011gを反応系中に一括添加し、約7時間反応を行った。反応終了後、触媒を濾過にて分離除去し、更に精製することにより生成物を得た。得られた生成物をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、分岐型脂肪族アルキル基を有する第三級アミンが95.4%の組成比で生成していることを確認した。
【0055】
次に、得られた分岐型脂肪族アルキル基を有する第三級アミン350g、イソプロピルアルコール170g、及び塩化メチル125gを1リットルのオートクレーブに仕込み、90℃に昇温後、48%NaOH水溶液82.5gを連続的に約2時間で圧入し、熟成を約6時間行った。その後、副生したNaClを濾過にて除去し生成物を得た。この生成物を分析したところ、有効分(カチオン%)68%の分岐型脂肪族アルキル基を有する第四級アンモニウム塩(表2、化合物Iの有機変性剤主成分記載)が生成していることを確認した。
【0056】
(ロ)有機変性層状珪酸塩化合物(化合物I)の調製
有機変性剤としてこの分岐型脂肪族アルキル基を有する第四級アンモニウム塩を14.1gを用いる他は実施例1と同様の方法にて有機変性された層状珪酸塩化合物(表2、化合物I)を合成した。この有機変性された層状珪酸塩化合物の平均面間隔は26.5Åであった。
この化合物Iを流動パラフィンに添加し、実施例1と同様に高速分散機を用いて混合したところ、流動パラフィンに対して2重量%まで透明(目視にて)に分散させることができた。また、実施例1と同様にこの分散液の見かけ粘度を測定したところ、十分な増粘効果を示すとともに、チキソトロピー性を有していた(表3)。
【0057】
また、実施例6と同様の方法で、化合物Iの体積固有抵抗を測定したところ、7.6×1010Ω・cmであった(表2)。次いで、化合物Aの代わりに化合物Iを用いる以外は実施例6と全く同様の方法で化合物I−ポリプロピレン樹脂組成物を得た。得られた化合物I−ポリプロピレン樹脂組成物は、樹脂単独時の透明性を維持しており、肉眼では有機変性層状珪酸塩粒子が全く確認できぬ程、透明分散していた。実施例6と同様の方法で化合物Iの樹脂中での分散性を評価したところ、良好であることを確認した。また、帯電圧半減期を測定したところ、2.9秒であった(表4)。また、洗浄前後の試験片の体積固有抵抗及び表面固有抵抗を実施例6と同様の方法で測定した結果を表4に示す。
【0058】
実施例15
メチルアミンガスの代わりにジメチルアミンガスを用いる他は全て実施例1と同様の方法で99.3%の組成比で分岐型脂肪族アルキル基を1本有する第三級アミンを合成した。
次に、塩化メチル40.6g、48%NaOH水溶液18.6gを用いる他は全て実施例1と同様の方法で、有効分(カチオン%)71%の分岐型脂肪族アルキル基を1本有する第四級アンモニウム塩(表2、化合物Jの有機変性剤主成分記載)を合成した。
有機変性剤としてこの分岐型脂肪族アルキル基を1本有する第四級アンモニウム塩6.8gを用いる他は実施例1と同様の方法にて有機変性された層状珪酸塩化合物(表2、化合物J)を合成した。この有機変性された層状珪酸塩化合物の平均面間隔は24.5Åであった。
この化合物Jを流動パラフィンに添加し、実施例1と同様に高速分散機を用いて混合したところ、流動パラフィンに対して2重量%まで透明(目視にて)に分散させることができた。また、実施例1と同様にこの分散液の見かけ粘度を測定したところ、十分な増粘効果を示すとともに、チキソトロピー性を有していた(表3)。
【0059】
また、実施例6と同様の方法で、化合物Jの体積固有抵抗を測定したところ、8.8×1010Ω・cmであった(表2)。次いで、化合物Aの代わりに化合物Jを用いる以外は実施例6と全く同様の方法で化合物J−ポリプロピレン樹脂組成物を得た。得られた化合物J−ポリプロピレン樹脂組成物は、樹脂単独時の透明性を維持しており、肉眼では有機変性層状珪酸塩粒子が全く確認できぬ程、透明分散していた。実施例6と同様の方法で化合物Jの樹脂中での分散性を評価したところ、良好であることを確認した。また、帯電圧半減期を測定したところ、4.2秒であった(表4)。また、洗浄前後の試験片の体積固有抵抗及び表面固有抵抗を実施例6と同様の方法で測定した結果を表4に示す。
【0060】
比較例1
有機変性剤としてn−オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド(コータミン86P、有効分85%、花王株式会社製)5.1gを用いる他は全て実施例1と同様の方法で、有機変性された層状珪酸塩化合物(表2、化合物F)を合成した。この有機変性された層状珪酸塩化合物Fの平均面間隔は21.3Åであった。
この化合物Fを流動パラフィンに添加し、実施例1と同様に高速分散機を用いて混合したところ、目視にて膨潤している兆候は見られるものの分散せず、攪拌を停止後、直ちに化合物Fは沈降した。また、この化合物Fの1%混合液は十分な増粘効果を得ることができなかった(表3)。
【0061】
比較例2
有機変性剤としてジ−n−オクタデシルジメチルアンモニウムクロライド(コータミンD86P、有効分85%、花王株式会社製)7.4gを用いる他は全て実施例1と同様の方法で、有機変性された層状珪酸塩化合物(表2、化合物G)を合成した。この有機変性された層状珪酸塩化合物Gの平均面間隔は28.1Åであった。
この化合物Gを流動パラフィンに添加し、実施例1と同様に高速分散機を用いて混合したところ、目視にて膨潤している兆候は見られるものの分散せず、攪拌を停止後、直ちに化合物Gは沈降した。また、この化合物Gの1%混合液は十分な増粘効果を得ることができず、チキソトロピー性を全く示さなかった(表3)。
【0062】
比較例3
2リットルのフラスコに、n−ステアリルアルコール(カルコール8098、花王株式会社製)1200gと銅−ニッケル触媒6g(対アルコール0.5重量%)を仕込み、攪拌しながら系内を窒素で置換し、昇温を開始した。100℃に達したら、水素ガスを流量計を用いて20リットル/Hrの流速で系内に仕込み、反応開始温度180℃まで昇温した。この温度でメチルアミンガスを排ガス中のメチルアミンが約5容量%になるように導入し、反応を開始した。反応は常圧下で、またアルコール転化率が95%のところでメチルアミンガスの導入を止め、水素のみを約1時間導入した。その後、窒素雰囲気下で100℃まで冷却し、触媒を濾過にて取り除いた。濾液を真空度5Torrで蒸留生成することにより、99.7%の組成比でジ−n−オクタデシルメチルアミンが生成していることを確認した。
【0063】
次に、得られたジ−n−オクタデシルメチルアミン300g、イオン交換水480gを2リットルの四つ口フラスコに入れ、55℃に昇温後、ベンジルクロライド73.1gを滴下し、6時間熟成した。その後、48%NaOH水溶液1.6gを添加した後、副生したNaClを濾過にて除去し生成物を得た。この生成物を分析したところ、有効分(カチオン%)42%の直鎖アルキル基を2本有し、かつベンジル基を有する第四級アンモニウム塩(表2、化合物Hの有機変性剤主成分記載)が生成していることを確認した。
【0064】
有機変性剤としてこの直鎖アルキル基を2本有し、かつベンジル基を有する第四級アンモニウム塩18.2gを用い、且つ層状珪酸塩としてヘクトライト(SWN、コープケミカル株式会社製)を用いる他は全て実施例1と同様にして有機変性された層状珪酸塩化合物(表2、化合物H)を合成した。この有機変性された層状珪酸塩化合物Hの平均面間隔は24.9Åであった。
この化合物Hを流動パラフィンに添加し、実施例1と同様に高速分散機を用いて混合したところ、目視にて膨潤している兆候は見られるものの分散せず、攪拌を停止後、直ちに化合物Hは沈降した。また、この化合物Hの1%混合液は十分な増粘効果を得ることができず、チキソトロピー性を全く示さなかった(表3)。
【0065】
比較例4
実施例6と同様の方法で、化合物Fの体積固有抵抗を測定したところ、8.9×1011Ω・cmであった(表2)。次いで、化合物Aの代わりに化合物Fを用いる以外は実施例6と全く同様の方法で化合物F−ポリプロピレン樹脂組成物を得た。得られた化合物F−ポリプロピレン樹脂組成物は、有機変性層状珪酸塩粒子が肉眼ではっきりと確認でき、組成物全体が白濁して見えた。TEM解析によれば、得られた化合物F−ポリプロピレン樹脂組成物中、化合物Fの大部分は短径1〜百数十μmの2次凝集体として樹脂マトリックス中に偏在しており、無作為に抽出した500nm四方の区画200個中に2個以上の有機変性層状珪酸塩粒子が見出される確率は15%であった。また、帯電圧半減期を測定したところ、30秒以上であり、全く帯電防止性を示さなかった(表4)。また、洗浄前後の試験片の体積固有抵抗及び表面固有抵抗を実施例6と同様の方法で測定した結果を表4に示す。
【0066】
比較例5
実施例6と同様の方法で、化合物Gの体積固有抵抗を測定したところ、4.5×1011Ω・cmであった(表2)。次いで、化合物Aの代わりに化合物Gを用いる以外は実施例6と全く同様の方法で化合物G−ポリプロピレン樹脂組成物を得た。得られた化合物G−ポリプロピレン樹脂組成物は、有機変性層状珪酸塩粒子が肉眼ではっきりと確認でき、組成物全体が白濁して見えた。また、帯電圧半減期を測定したところ、30秒以上であり、全く帯電防止性を示さなかった(表4)。また、洗浄前後の試験片の体積固有抵抗及び表面固有抵抗を実施例6と同様の方法で測定した結果を表4に示す。
【0067】
比較例6
実施例6と同様の方法で、化合物Hの体積固有抵抗を測定したところ、7.9×1012Ω・cmであった(表2)。次いで、化合物Aの代わりに化合物Hを用いる以外は実施例6と全く同様の方法で化合物H−ポリプロピレン樹脂組成物を得た。得られた化合物H−ポリプロピレン樹脂組成物は、有機変性層状珪酸塩粒子が肉眼ではっきりと確認でき、組成物全体が白濁して見えた。また、帯電圧半減期を測定したところ、30秒以上であり、全く帯電防止性を示さなかった(表4)。また、洗浄前後の試験片の体積固有抵抗及び表面固有抵抗を実施例6と同様の方法で測定した結果を表4に示す。
【0068】
比較例7〜10
有機変性された層状珪酸塩を添加しない以外は、実施例6〜9と同様の方法で各実施例に使用した樹脂を溶融混練した。それらの樹脂を同様に溶融プレス成形し、帯電圧半減期を測定したが、4種とも30秒以上であり、全く帯電防止性を示さなかった(表4)。また、洗浄前後の各試験片の体積固有抵抗及び表面固有抵抗を実施例6と同様の方法で測定した結果を表4に示す。
【0069】
【表1】
Figure 0003691172
【0070】
【表2】
Figure 0003691172
【0071】
【表3】
Figure 0003691172
【0072】
【表4】
Figure 0003691172
(注)表4中、化合物の添加量は、樹脂100重量部に対する重量部である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における平均最近接粒子間を説明するモデル図である。
【図2】本発明における面間隔を説明するモデル図である。
【図3】実施例6で得られた化合物A−ポリプロピレン樹脂組成物の粒子構造を示す透過型電子顕微鏡像である。

Claims (14)

  1. 膨潤性層状珪酸塩の層間に、下記一般式(I)で表される第四級アンモニウムイオンを含有してなる有機変性層状珪酸塩。
    Figure 0003691172
    〔式中、R1は側鎖に炭素数1以上のアルキル基を少なくとも1本有する炭素数8以上の分岐型飽和脂肪族アルキル基を示す。R2、R3、R4は、水素原子もしくは炭素数1〜2のアルキル基を表し、これらは全てが同一であっても異なっていてもよい。〕
  2. 膨潤性層状珪酸塩の層間に、下記一般式(II)で表される第四級アンモニウムイオンを含有してなる有機変性層状珪酸塩。
    Figure 0003691172
    〔式中、R5、R6はそれぞれ、炭素数8以上の飽和脂肪族アルキル基を表し、R5、R6のうち少なくとも1個は、側鎖に炭素数1以上のアルキル基を少なくとも1本有する分岐脂肪族アルキル基を示す。R7、R8は水素原子もしくは炭素数1〜2のアルキル基を表し、これらは全てが同一であっても異なっていてもよい。〕
  3. 膨潤性層状珪酸塩の層間に、下記一般式(III) で表される第四級アンモニウムイオンを含有してなる有機変性層状珪酸塩。
    Figure 0003691172
    〔式中、R9、R10 、R11 はそれぞれ、炭素数8以上の飽和脂肪族アルキル基を表し、R9、R10 、R11 のうち少なくとも1個は、側鎖に炭素数1以上のアルキル基を少なくとも1本有する分岐脂肪族アルキル基を示す。R12 は水素原子もしくは炭素数1〜2のアルキル基を表す。〕
  4. 膨潤性層状珪酸塩が、70meq/100g以上のカチオン交換容量を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の有機変性層状珪酸塩。
  5. 体積固有抵抗が1013Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の有機変性層状珪酸塩。
  6. 樹脂100重量部に対し、請求項1〜5の何れか1項記載の有機変性層状珪酸塩2乃至30重量部が、
    (1)1次凝集体及び/又は短径が500nm以下の2次凝集体の形で、かつ、
    (2)平均最近接粒子間距離が500nm以下、
    の状態で分散していることを特徴とする永久帯電防止性樹脂組成物。
  7. 樹脂が、熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項6記載の永久帯電防止性樹脂組成物。
  8. 樹脂が、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項6記載の永久帯電防止性樹脂組成物。
  9. 樹脂が、ポリスチレン系熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項6記載の永久帯電防止性樹脂組成物。
  10. 樹脂が、ニトリル基含有熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項6記載の永久帯電防止性樹脂組成物。
  11. 樹脂が、アクリル酸及び/又はメタクリル酸系熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項6記載の永久帯電防止性樹脂組成物。
  12. 樹脂が、ポリエステル系熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項6記載の永久帯電防止性樹脂組成物。
  13. 樹脂が、ポリアミド系熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項6記載の永久帯電防止性樹脂組成物。
  14. 樹脂が、熱可塑性ポリマーのブレンド系樹脂であることを特徴とする請求項6記載の永久帯電防止性樹脂組成物。
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