JP3691099B2 - 多軸穿孔用空気工具 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば、航空・宇宙産業及び複合材構造の組立作業において、ナットプレートのファスナー孔及び取付孔を同時に穿孔できるハンドルールとしての多軸穿孔用空気工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、航空機等の組立てに際し、外板の裏面にナットプレートを取付けて、ボルト止めの作業を容易にすることが行われている。このようなナットプレートは、図8乃至図10に示すように、プレート本体1に設けられたファスナー締付け孔2と、その両側に設けられた一対のリベット孔3とを有している。また、プレート本体1には、補強のための一対の折り返し部4が設けられている。図9に示すように、プレート本体1のファスナー締付け孔2及び一対のリベット孔3に対応するようにして、飛行機等の外板である加工板5に、ファスナー孔6及び一対の取付孔7が穿孔される。この穿孔の後、ファスナー締付けされる部品10および加工板5のファスナー孔6を介して、ファスナー8がナットプレートの締付け孔2に締付けられると共に、ファスナー締付けされる部品10、加工板5のリベット孔7、およびナットプレートのリベット孔3を介して、リベット9が固定される。
【0003】
このような複数の孔を穿孔するハンドツールとしての穿孔用工具が、例えば、特開昭56−102408号公報に開示されている。この公報に開示された穿孔用工具は、コレットマンドレルと、その両側に配置された2個の穿孔用のドリルとを備えており、工具を手で持ちながら作業しているため重量を軽くする必要から、駆動源に圧搾空気を使用して、ワークのクランプ、ドリルの回転、およびドリルの送りを駆動すると共に、2個のドリルの間隔を調整できるように構成されている。また、実開平2−31611号公報には、加工物をクランプするクランプ機構を1個のドリルに対向して設け比較的狭いコーナー部分を穿孔するハンドツールとしての穿孔用工具が開示されている。さらに、実開4−98344号公報および特開昭63−229209号公報には、複数の孔を穿孔する多軸穿孔装置が開示されているが、これらは、固定された穿孔装置である。
【0004】
上述した特開昭56−102408号公報に開示された穿孔用工具は、ドリルの送りを空気圧により駆動しているため、このドリルの送り速度が一定でない。そのため、ドリルの損傷、ドリルの寿命の低下、加工孔の変形等が生じることがある。そのため、図11および図12に示すように、ドリルの送り速度を油圧により制御する多軸穿孔用空気工具が開発されている。この多軸穿孔用空気工具では、供給された圧縮空気の流れを切り換えるパイロットバルブ11と、このパイロットバルブ11を切り換えるためスイッチ12aを有するトリガバルブ12とが設けられている。さらに、これらのバルブから圧縮空気を受けるシリンダ体13が設けられ、このシリンダ体13内には、後述する穿孔用ドリル19を駆動するためのエアーモータ14と、後述するコレット作動腕21および支持体18を昇降するためのエアーシリンダ15と、支持体18の昇降スピードを制御するための油圧シリンダ16およびスピードコントロールバルブ17とが備えられている。エアーモータ14には、パイロットバルブ11から直接圧縮空気が供給され、エアーシリンダ15には、パイロットバルブ11からトリガバルブ12を介して圧縮空気が供給されるように構成されている。支持体18には、2個のドリル19が支持されていると共に、コレットマンドレル20が支持されている。
【0005】
これにより、コレットマンドレル20が加工物(図示略)の案内孔内に挿入され、トリガーバルブ12のスイッチ12aが押圧されると、パイロットバルブ11が切換えられ、エアーモータ14が駆動されて2個のドリル19が回転されると共に、エアーシリンダ15に圧縮空気が送られ、コレット作動腕21が上昇されてコレットマンドレル20のコレットが開かれて加工物の案内孔に固定される。同時に、エアーシリンダ15によって、加工物がコレットに支持された状態で支持体18が上昇される。これにより、駆動されている2個のドリル19によって加工物に2つの孔が穿孔される。穿孔後、スイッチ12aが離されると、エアーモータ14およびエアーシリンダ15への圧縮空気の供給が中断されて、支持体18およびコレット作動腕21が元の位置に下降される。なお、これら支持体18およびコレット作動腕21の上昇時には、油圧シリンダ16からリザーバに戻る油圧が油圧スピードコントロールバルブ17によって制御され、これにより、支持体18等の上昇速度が制御され、その結果、ドリルの送り速度が制御されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特開昭56−102408号公報および図11及び図12に示された穿孔用工具には、以下のような問題があった。
【0007】
上記穿孔用工具によって加工板5の取付孔7が穿孔された後、穿孔用工具のコレットマンドレル20のための案内孔がファスナー孔6(正孔径)に再度加工される必要があり、穿孔工程が2回となっている。また、逆に、取付孔7の穿孔前にファスナー孔6(正孔径)が穿孔されてこのファスナー孔6が案内孔として利用される場合にも、穿孔工程は2回である。このように、穿孔工程が複数回必要とされるため、作業時間がかかるといった問題があった。
【0008】
また、ファスナー孔6が案内孔として利用される場合には、コレットマンドレル20がファスナー孔6がクランプされるため、このファスナー孔6がクランプにより損傷される虞れがあった。
【0009】
さらに、実開平2−31611号公報に開示された穿孔用工具の場合には、ドリルのための案内機構が設けられていないため、穿孔されるまで開孔位置を確定できないといった問題がある。さらに、ナットプレートの取付の場合のように、一般にワーク外形線から至近距離に取付孔が要求される場合には、狭い空間での作業が必要とされるが、実開平2−31611号公報では、エアーシリンダがクランプ機構側に配置されているため、構造が複雑になり、重量軽減が図りにくく、狭い空間での作業に対応できない場合がある。
【0010】
さらに、実開4−98344号公報および特開昭63−229209号公報に開示された穿孔装置では、固定された装置であるため、ハンドツールとしての穿孔用工具にこれらの構造を採用することは、重量的に困難である。
【0011】
本発明の目的は、上述したような事情に鑑みてなされたものであって、穿孔工程の回数を削減し、穿孔位置精度を十分に確保でき、穿孔を損傷する虞れがなく、重量を軽減できると共に、作業性を工場できるハンドツールとしての多軸穿孔用空気工具を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成する本発明は、
軸心線が相互に平行で一列に並べられていると共に圧縮空気により駆動される穿孔のための3軸のスピンドルが設けられたケース本体を備えた多軸穿孔用空気工具であって、
上記3軸のスピンドルに各々同軸に連結された3個の回転駆動軸を駆動するようにケース本体に形成されたエアーモータと、
このエアーモータに隣接してケース本体に形成され、ピストンロッドがこのケース本体から突出されたエアーシリンダと、
このエアーシリンダに隣接してケース本体に形成され、筒状のピストンロッドが上記エアーシリンダのピストンロッドを通挿してケース本体から突出された油圧シリンダと、
この油圧シリンダのピストンの両側の油圧室を連結する油圧流路に介装された油圧制御弁と、
上記エアーシリンダのピストンロッドの先端に設けられ、3軸のスピンドルを通過させる貫通孔を有し、加工物を保持するためのクランプジョウと、
このクランプジョウに対向するように油圧シリンダの筒状のピストンロッドの先端に設けられ、3軸のスピンドルを通過させる貫通孔を有し、クランプジョウと協働して加工物を保持するためのホルダーと、
上記エアーモータ及びエアーシリンダへの圧縮空気の供給を切り換えるバルブ群と、
前記油圧シリンダのピストン側からピストンロッド側への油の流れを阻止するとともにピストンロッド側からピストン側への油の流れを許容する、前記油圧シリンダのピストンに設けられた逆止弁と、
前記エアモータおよび前記エアシリンダへの圧縮空気の供給路を切り換えるバルブを収納する、前記ケース本体の側面に突設された把持部と、
を備え、
前記エアモータ、前記エアシリンダおよび前記油圧シリンダは、前記軸心線に沿って前記加工物を穿孔する方向に並ぶように配置されていることを特徴とする。
前記スピンドルに、それぞれフレキシブルシャフトを設け、前記フレキシブルシャフトの間隔を変更するピッチ調整軸受を介して前記ケース本体から突出させることができる。
上記3個のスピンドルのうち、中央のスピンドルの先端には、ガイドピンを有するホールソーを固着すると共に、両側の2個のスピンドルの先端には、ドリルを固着することができる。
【0013】
また、上記の課題を解決する本発明は、
エアモータにより複数の工具を回転駆動して加工物に複数の孔を同時に穿孔するための空気工具であって、
前記エアモータを収納したケース本体と、
前記ケース本体に支持されて前記加工物を穿孔する方向に変位自在であり、前記加工物のうち穿孔方向の向こう側の表面に当接するクランプジョウが横方向に延出するようにその先端に設けられている第1のピストンロッドと、
前記第1のピストンロッドを変位させて前記クランプジョウを前記ケース本体に対して接離させるための、そのピストンが前記第1のピストンロッドの基端に固定されている、前記エアモータに隣接して前記ケース本体内に設けられたエアシリンダと、
前記ケース本体に支持されて前記加工物を穿孔する方向に変位自在であり、前記加工物のうち穿孔方向の手前側の表面に当接するホルダが横方向に延出するようにその先端に設けられており、かつ前記ホルダが前記ケース本体に接近するように変位したときにその基端が前記エアシリンダ内に突出する第2のピストンロッドと、
前記エアシリンダに隣接して前記ケース本体内に設けられるとともに、そのピストンが前記第2のピストンロッドの基端側に固定されている油圧シリンダと、
前記油圧シリンダのピストンの両側にある油圧室を連結する油圧流路に介装された油圧制御弁と、を備える。
そして、前記第1および第2のピストンロッドは、前記クランプジョウが前記ケース本体に接近するように前記エアシリンダが前記第1のピストンロッドを変位させると、前記クランプジョウが前記加工物に当接して前記ホルダと共に前記加工物を挟持可能であり、かつ前記ホルダが前記クランプジョウにより押動されて前記ケース本体に接近するように前記第2のピストンロッドが変位してその基端が前記エアシリンダの内部に突出し、前記クランプジョウが前記ケース本体から離間するように前記エアシリンダが前記第1のピストンロッドを変位させると、前記エアシリンダのピストンが前記第2のピストンロッドの基端に当接して前記第2のピストンロッドを変位させ前記ホルダが前記ケース本体から離間するように構成される。
さらに、前記油圧制御弁は、前記ホルダが前記ケース本体に接近するように前記第2のピストンロッドが変位するときに、前記油圧シリンダのピストンが前記油圧室内で変位することにより前記油圧流路に生じる油圧媒体の流れを制御して、前記加工物の移動速度を制御するように構成される。
前記第1のピストンロッドを軸状に形成されるとともに、前記第2のピストンロッドを筒状に形成して、前記第1のピストンロッドに対して相対変位自在に外嵌することができる。
前記油圧シリンダのピストンには、前記ホルダが前記ケース本体に接近するように前記第2のピストンロッドが変位するときにはその両側にある油圧室を連通させないが、前記ホルダが前記ケース本体から離間するように前記第2のピストンロッドが変位するときにはその両側にある油圧室を連通させる逆止弁を設けることができる。
前記エアモータ、前記エアシリンダおよび前記油圧シリンダは、前記工具の軸心線に沿って前記加工物を穿孔する方向に並ぶように配置することができる。
前記ケース本体の側面に突設された把持部をさらに設け、前記エアモータおよび前記エアシリンダへの圧縮空気の供給路を切り換えるバルブを収納することができる。
複数の工具を互いに平行にかつ回転自在に保持するためのピッチ調整軸受が前記ケース本体に取り付けらることができる。
複数の工具を3つ設け、中央の工具の先端にはガイドピンを有するホールソーを設け、かつ両側の工具の先端にはドリルが設ることができる。
【0014】
【作用】
このように構成されているため、加工物に複数の孔が穿孔される際には、バルブ群が切換えられて、エアーモータ及びエアーシリンダに圧縮空気が供給される。これにより、エアーモータによって3個のスピンドルが回転駆動される。同時に、エアーシリンダのピストンロッド先端のクランプジョウがホルダーと協働して加工物を保持するように移動され、この保持された状態にて、エアーシリンダのピストンロッド及び油圧シリンダの筒状のピストンロッドがケース本体内に近づく方向に移動され、3個のスピンドルによって加工物が穿孔される。このとき、油圧制御弁によって油圧シリンダの油圧流路を流れる油圧が制御され、これにより、加工物の移動速度が急速にならないように制御されて穿孔の速度が制御されている。
【0015】
穿孔の終了後には、バルブ群が切換えられる。これにより、エアーシリンダのピストンロッド及び油圧シリンダの筒状のピストンロッド、並びにクランプジョウ及びホルダーが元の状態にもどされ、加工物のクランプが解除される。
【0016】
このように、本発明では、多軸穿孔が同時になされているため、複数回の穿孔作業が不要であり、穿孔工程を削減できると共に、品質の劣化がない。また、コレットマンドレルが用いられずに、クランプジョウにより加工物が保持されているため、穿孔位置精度が著しく向上されると共に、コレットマンドレルのための案内孔が不要であるため、穿けられた孔が損傷されるといったことがない。さらに、クランプジョウの先端に送り機構等の重量物が設けられていないため、クランプ機構が片持の断面L字型構造になり、ハンドツールとしての作業性が向上される。さらに、エアーモータとエアーシリンダとが略同軸に配置されているため、実開平2−31611号公報に開示されているように、モータとシリンダとが独立したユニットになっていないため、装置の容積が削減され、重量が軽減されて作業性も向上される。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の一実施例に係る多軸穿孔用空気工具を図面を参照しつつ説明する。図1は、一実施例に係る多軸穿孔用空気工具の縦断面図であり、図2は、図1のII−II線に沿った断面図であり、図3は、図1のIII−III線に沿った断面図であり、図4は、図1に示す多軸穿孔用空気工具の縦断面図であって加工物の送り完了状態を示す図であり、図5は、図4のIV−IV線に沿った断面図であり、図6は、図1に示す多軸穿孔用空気工具の縦断面図であって加工物の加工物の穿孔後圧縮空気の供給が停止された状態を示す図であり、図7は、図6のVII−VII線に沿った断面図である。
【0018】
図1に示すように、多軸穿孔用空気工具は、ケース本体30を備えており、このケース本体30には、大略的に、後述するバルブ群を有する把持部31と、ケース本体30の一側に細長く設けられたスピンドル室32と、これに隣接して設けられたエアーモータ33と、これの下方に隣接して設けられたエアーシリンダ34と、これの下方に隣接して設けられた油圧シリンダ35と、この油圧シリンダ35のためのリザーバー36とが備えられている。
【0019】
上記スピンドル室32には、3個のフレキシブルシャフト37が相互に平行に一列に並んで収納されており、これらの上端には、各々、3個の回転駆動軸38が連結されている。これら3個の回転駆動軸38は、図3にも示すように、その上部に設けられた歯車群により駆動されるように構成されている。この歯車群では、エアーモータ33の出力軸39に、第1歯車40が噛合され、これに2個の第2歯車41が噛合されている。第1歯車40は、ファスナー孔穿孔用の歯車42に噛合され、2個の第2歯車41は、各々、複数の小歯車を介して2個の取付孔穿孔用の歯車43に噛合されている。
【0020】
一方、ケース本体30のスピンドル室32の下端には、図2に示すように、テフロン製のピッチ調整軸受44が取付けられ、3個のフレキシブルシャフト37の下端には、各々、ピッチ調整軸受44を通挿するようにして、3個のスピンドル45,46が相互に平行に一列に並んで連結されている。このテフロン製のピッチ調整軸受44は、交換可能であり、これにより、2個のスピンドル46の間隔が調整され、これにより、取付孔のピッチが調整される。この軸受44は、テフロン製であり、低摩擦材であることから、スピンドル45,46の回転の円滑化が図られ、潤滑保持の機構が省かれている。3個のスピンドル45,46のうち、中央のスピンドル45の先端には、ガイドピン47を有するホールソー48が固着されていると共に、両側の2個のスピンドル46の先端には、各々、2個のドリル49が固着されている。
【0021】
次に、上記エアーシリンダ34には、ピストン50が設けられ、これから下方に突出されたピストンロッド(第1のピストンロッド)51とが設けられている。このピストンロッド51の下端に、加工物Wを保持するためのクランプジョウ52が横方向に延出するようにして設けられている。このクランプジョウ52には、ホールソー48及びドリル49を通過させるための貫通孔53が形成されている。
【0022】
上記油圧シリンダ35には、ピストン54が設けられ、これから下方に筒状のピストンロッド(第2のピストンロッド)55がピストンロッド51を通挿して延出されている。このピストンロッド55の下端には、クランプジョウ52と協働して加工物Wを保持するためのホルダー56が横方向に延出して設けられている。このホルダー56にも、ホールソー48及びドリル49を通過させるための貫通孔57が形成されている。
【0023】
このピストン54には、下方の油圧室から上方の油圧室への油圧媒体の流通を許容し、上方から下方への媒体の流通を阻止する逆止弁58が設けられている。さらに、油圧シリンダ35の上方の油圧室からリザーバ36への油圧流路には、油圧媒体の流れを制御するための制御弁59(送りスピード制御弁)が設けられている。この制御弁59によって、後述するように、加工物Wの送りスピードが急速にならないように制御されている。さらに、リザーバ36には、リザーバピストン60が設けられ、これらから棒状部材61が下方に突出されている。このリザーバピストン60が圧縮空気により上方に押し上げられ、これにより、油圧シリンダ35内への空気の混入が防止されていると共に、リザーバ36内の油圧が減少すると、リザーバピストン60が上昇され、棒状部材61も上昇するため、これの移動量によって油の残量を把握する油残量計が構成されている。
【0024】
さらに、ケース本体30内には、圧縮空気をエアーシリンダ34に供給するためのエアー流路62、エアーシリンダ34から排気するためのエアー流路63、エアーモータ33に圧縮空気を供給するためのエアー流路64、および、このエアー流路64から分岐されてリザーバピストン60に圧縮空気を送るエアー流路65が設けられている。さらに、エアーモータ33の排気路66がモータ33の上方に設けられている。
【0025】
さらに、把持部31内には、トリガーバルブ67およびパイロットバルブ70が埋設されている。トリガーバルブ67では、スイッチ69により、移動体68が移動されて、エアー流路が切換えられるように構成されている。パイロットバルブ70では、トリガーバルブ67の移動体68の切換によって、移動体71が移動されてエアー流路が切換えられるように構成されている。図示しない圧縮空気供給源からは、エアー流路72を介してトリガーバルブ67およびパイロットバルブ70にエアーが供給されるように構成されている。
【0026】
穿孔のための作動開始時には、図1に示すように、トリガーバルブ67のスイッチ69が押し上げられて、移動体68も上昇される。これにより、エアー流路72から流されたエアーは、トリガーバルブ67を介して、エアーシリンダ34のエアー流路62に流されると共に、トリガーバルブ67からパイロットバルブ70の移動体71を移動させる。これにより、エアー流路72からエアーモータ33のためのエアー流路64にエアーが流される。なお、エアー流路73は、排気のためのものである。
【0027】
以上のように構成された本実施例に係る多軸穿孔用空気工具は、以下のようにして穿孔作業が行われる。
【0028】
先ず、図1及び図2に示すように、作動開始時には、中央のスピンドル45のホールソー48の下端のガイドピン47が加工物Wのワーク孔(図示略)に挿入される。その後、トリガーバルブ67のスイッチ69が押し込まれ、これにより、上述したように、エアーシリンダ34にエアーが供給されると共に、パイロットバルブ70の働きによりエアーモータ33が駆動されて、歯車群、回転駆動軸38、及びスピンドル45,46を介してホールソー48及びドリル49が回転される。
【0029】
同時に、図4及び図5に示すように、エアーシリンダ34内では、ピストンロッド51がクランプジョウ52と共に上昇し、若干遅れて筒状のピストンロッド55がホルダー56と共に上昇される。これにより、クランプジョウ52とホルダー56との協働作業により加工物Wが保持されて上昇される。この際、逆止弁58によりピストン54の上側から下側への圧力媒体の流通が阻止されているため、油圧制御弁59によって油圧シリンダ34の上側の油圧室からリザーバ36に流れる油圧媒体の流れが制御され、これにより、加工物の上昇速度が急速にならないように制御されて穿孔の速度が制御されている。
【0030】
このクランプジョウ52とホルダー56とにより保持された状態の加工物Wが油圧制御弁59によって徐々に上昇されながら、ホールソー48及びドリル49の回転によって、加工物Wに、ファスナー孔と2個の取付孔とが穿孔される。
【0031】
穿孔終了後には、図6及び図7に示すように、スイッチ69が離されると、エアー流路62がトリガーバルブ67により遮断されると共に、パイロットバルブ70が切換えられてエアー流路63を介してエアーシリンダ34の上側の空気室にエアーが供給される。これにより、ピストン50、ピストンロッド51、及びクランプジョウ52が押し下げられる。同時に、油圧シリンダ35の筒状のピストンロッド55は、ピストン50により押圧されて押し下げられ、このとき、逆止弁58の作用により、ピストン54の下側の油圧媒体が上側に流入されるため、筒状のピストンロッド55がホルダー56とともに急速に下降される。これらピストンが底着きすると、加工物のクランプが解除される。
【0032】
このように、本実施例では、3軸穿孔が同時になされているため、1個のファスナー孔及び2個の取付孔の穿孔のために、複数回の穿孔作業が不要であり、穿孔工程を削減できると共に、品質の劣化がない。また、コレットマンドレルが用いられずに、クランプジョウ52及びホルダー56により加工物が保持されているため、穿孔位置精度が著しく向上されると共に、穿けられた孔が損傷されるといったことがない。さらに、クランプジョウ52の先端に送り機構等の重量物が設けられていないため、クランプ機構が片持の断面L字型構造になり、ハンドツールとしての作業性が向上される。さらに、エアーモータとエアーシリンダとが略同軸に配置されているため、モータとシリンダとが独立したユニットになっていないため、装置の容積が削減され、重量が軽減されて作業性も向上される。
なお、本発明は、上述した実施例に限定されないのは勿論であり、種々変形可能であることは勿論である。
【0033】
【発明の効果】
本発明では、多軸穿孔が同時になされているため、複数回の穿孔作業が不要であり、穿孔工程を削減できると共に、品質の劣化がない。また、コレットマンドレルが用いられずに、クランプジョウにより加工物が保持されているため、穿孔位置精度が著しく向上されると共に、コレットマンドレルのための案内孔が不要であるため、穿けられた孔が損傷されるといったことがない。さらに、クランプジョウの先端に送り機構等の重量物が設けられていないため、クランプ機構が片持の断面L字型構造になり、ハンドツールとしての作業性が向上される。さらに、エアーモータとエアーシリンダとが略同軸に配置されているため、実開平2−31611号公報に開示されているように、モータとシリンダとが独立したユニットになっていないため、装置の容積が削減され、重量が軽減されて作業性も向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る多軸穿孔用空気工具の縦断面図。
【図2】図1のII−II線に沿った断面図。
【図3】図1のIII−III線に沿った断面図。
【図4】図1に示す多軸穿孔用空気工具の縦断面図であって加工物の送り完了状態を示す図。
【図5】図4のIV−IV線に沿った断面図。
【図6】図1に示す多軸穿孔用空気工具の縦断面図であって加工物の加工物の穿孔後圧縮空気の供給が停止された状態を示す図。
【図7】図6のVII−VII線に沿った断面図。
【図8】ナットプレートの平面図。
【図9】図8のIX−IX線に沿った断面図及び加工物の断面図。
【図10】図8のX−X線に沿った断面図。
【図11】従来に係る多軸穿孔用空気工具の断面図。
【図12】図11のXII−XII線に沿った断面図。
【符号の説明】
30 ケース本体
33 エアーモータ
34 エアーシリンダ
35 油圧シリンダ
45 スピンドル
46 スピンドル
48 ホールソー
49 ドリル
51 ピストンロッド(第1のピストンロッド)
52 クランプジョウ
53 貫通孔
55 筒状のピストンロッド(第2のピストンロッド)
56 ホルダー
57 貫通孔
59 油圧制御弁

Claims (10)

  1. 軸心線が相互に平行で一列に並べられていると共に圧縮空気により駆動される穿孔のための3軸のスピンドルが設けられたケース本体を備えた多軸穿孔用空気工具であって、
    上記3軸のスピンドルに各々同軸に連結された3個の回転駆動軸を駆動するようにケース本体に形成されたエアーモータと、
    このエアーモータに隣接してケース本体に形成され、ピストンロッドがこのケース本体から突出されたエアーシリンダと、
    このエアーシリンダに隣接してケース本体に形成され、筒状のピストンロッドが上記エアーシリンダのピストンロッドを通挿してケース本体から突出された油圧シリンダと、
    この油圧シリンダのピストンの両側の油圧室を連結する油圧流路に介装された油圧制御弁と、
    上記エアーシリンダのピストンロッドの先端に設けられ、3軸のスピンドルを通過させる貫通孔を有し、加工物を保持するためのクランプジョウと、
    このクランプジョウに対向するように油圧シリンダの筒状のピストンロッドの先端に設けられ、3軸のスピンドルを通過させる貫通孔を有し、クランプジョウと協働して加工物を保持するためのホルダーと、
    上記エアーモータ及びエアーシリンダへの圧縮空気の供給を切り換えるバルブ群と、
    前記油圧シリンダのピストン側からピストンロッド側への油の流れを阻止するとともにピストンロッド側からピストン側への油の流れを許容する、前記油圧シリンダのピストンに設けられた逆止弁と、
    前記エアモータおよび前記エアシリンダへの圧縮空気の供給路を切り換えるバルブを収納する、前記ケース本体の側面に突設された把持部と、
    を備え、
    前記エアモータ、前記エアシリンダおよび前記油圧シリンダは、前記軸心線に沿って前記加工物を穿孔する方向に並ぶように配置されていることを特徴とする多軸穿孔用空気工具。
  2. 前記スピンドルは、それぞれフレキシブルシャフトを有し、前記フレキシブルシャフトの間隔を変更するピッチ調整軸受を介して前記ケース本体から突出していることを特徴とする請求項1に記載した多軸穿孔用空気工具。
  3. 上記3個のスピンドルのうち、中央のスピンドルの先端には、ガイドピンを有するホールソーが固着されていると共に、両側の2個のスピンドルの先端には、ドリルが固着されていることを特徴とする請求項1または2に記載した多軸穿孔用空気工具。
  4. エアモータにより複数の工具を回転駆動して加工物に複数の孔を同時に穿孔するための空気工具であって、
    前記エアモータを収納したケース本体と、
    前記ケース本体に支持されて前記加工物を穿孔する方向に変位自在であり、前記加工物のうち穿孔方向の向こう側の表面に当接するクランプジョウが横方向に延出するようにその先端に設けられている第1のピストンロッドと、
    前記第1のピストンロッドを変位させて前記クランプジョウを前記ケース本体に対して接離させるための、そのピストンが前記第1のピストンロッドの基端に固定されている、前記エアモータに隣接して前記ケース本体内に設けられたエアシリンダと、
    前記ケース本体に支持されて前記加工物を穿孔する方向に変位自在であり、前記加工物のうち穿孔方向の手前側の表面に当接するホルダが横方向に延出するようにその先端に設けられており、かつ前記ホルダが前記ケース本体に接近するように変位したときにその基 端が前記エアシリンダ内に突出する第2のピストンロッドと、
    前記エアシリンダに隣接して前記ケース本体内に設けられるとともに、そのピストンが前記第2のピストンロッドの基端側に固定されている油圧シリンダと、
    前記油圧シリンダのピストンの両側にある油圧室を連結する油圧流路に介装された油圧制御弁と、
    を備え、
    前記第1および第2のピストンロッドは、前記クランプジョウが前記ケース本体に接近するように前記エアシリンダが前記第1のピストンロッドを変位させると、前記クランプジョウが前記加工物に当接して前記ホルダと共に前記加工物を挟持可能であり、かつ前記ホルダが前記クランプジョウにより押動されて前記ケース本体に接近するように前記第2のピストンロッドが変位してその基端が前記エアシリンダの内部に突出し、前記クランプジョウが前記ケース本体から離間するように前記エアシリンダが前記第1のピストンロッドを変位させると、前記エアシリンダのピストンが前記第2のピストンロッドの基端に当接して前記第2のピストンロッドを変位させ前記ホルダが前記ケース本体から離間するように構成されており、
    前記油圧制御弁は、前記ホルダが前記ケース本体に接近するように前記第2のピストンロッドが変位するときに、前記油圧シリンダのピストンが前記油圧室内で変位することにより前記油圧流路に生じる油圧媒体の流れを制御して、前記加工物の移動速度を制御するように構成されている、
    ことを特徴とする多軸穿孔用空気工具。
  5. 前記第1のピストンロッドが軸状に形成されるとともに、前記第2のピストンロッドが筒状に形成されて、前記第1のピストンロッドに対して相対変位自在に外嵌されていることを特徴とする請求項4に記載した穿孔用空気工具。
  6. 前記油圧シリンダのピストンは、前記ホルダが前記ケース本体に接近するように前記第2のピストンロッドが変位するときにはその両側にある油圧室を連通させないが、前記ホルダが前記ケース本体から離間するように前記第2のピストンロッドが変位するときにはその両側にある油圧室を連通させる逆止弁を有していることを特徴とする請求項4または5に記載した多軸穿孔用空気工具。
  7. 前記エアモータ、前記エアシリンダおよび前記油圧シリンダは、前記工具の軸心線に沿って前記加工物を穿孔する方向に並ぶように配置されていることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載した多軸穿孔用空気工具。
  8. 前記ケース本体の側面に突設された把持部をさらに備え、
    前記把持部には、前記エアモータおよび前記エアシリンダへの圧縮空気の供給路を切り換えるバルブが収納されていることを特徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載した多軸穿孔用空気工具。
  9. 複数の工具を互いに平行にかつ回転自在に保持するためのピッチ調整軸受が前記ケース本体に取り付けられていることを特徴とする請求項4乃至8のいずれかに記載した多軸穿孔用空気工具。
  10. 前記複数の工具が3つ設けられ、中央の工具の先端にはガイドピンを有するホールソーが設けられており、かつ両側の工具の先端にはドリルが設けられていることを特徴とする請求項9に記載した多軸穿孔用空気工具。
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