JP3690294B2 - 空気調和機及びその制御方法、空気調和システム、並びにプログラム - Google Patents

空気調和機及びその制御方法、空気調和システム、並びにプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は空気調和機の制御方法に関し、特に蓄熱型の空気調和機(以下「蓄熱空調機」と称す)の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から電力需要の輻輳時(いわゆるピークカット厳守時間帯)での消費電力の低減、電気料金の節約などのため、空気調和動作を必要としない時間帯において蓄熱を備蓄する、蓄熱空気調和機がある。蓄熱空気調和機では、蓄熱は次の備蓄のための時間帯までに全て消費することが望ましい一方、ピークカット厳守時間帯の空気調和動作は全て蓄熱で賄うことが望ましい。即ち、蓄熱の過不足がない空気調和動作が望まれている。
【0003】
例えば第1の従来技術として、一日の空気調和機の負荷の総量(本明細書で単に「日負荷」とも称す)を予測し、これを基準となる日負荷の総量及び蓄熱量と比較する空気調和機の制御方法が提案されている(例えば特開2000−258006号公報)。ここではピークカット厳守時間帯での蓄熱を消費した残量を算出し、これをピークカット厳守時間帯よりも早期に使用する。空気調和動作の対象となる日の日負荷は、ピークカット厳守時間帯における外気温度の予測値に基づいて予測される。またピークカット厳守時間帯における外気温度は、空気調和動作の初期の外気温度、湿度に基づいて予測される。
【0004】
また第2の従来技術として、予め蓄熱の経時的な残留量を設定しておき、一定時間毎にこれに基づいて空気調和機の圧縮機の運転/停止(以下「発停」とも称す)を行う空気調和機の制御方法も提案されている(例えば特開平10−325588号公報)。即ち、蓄熱の残留量の実測値が、設定された残留量を超えた場合、圧縮機の運転を停止して蓄熱のみでの空気調和動作を行う。また蓄熱の残留量の実測値が、設定された残留量を下回った場合、圧縮機の運転を開始して圧縮機による空気調和動作を行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら第1の従来技術では、実際のピークカット厳守時間帯の外気温度が予測値より高い場合でも、剰余すると予測されていた蓄熱を既に使用してしまっているので、蓄熱が不足するという問題が生じる。
【0006】
また第2の従来技術では、蓄熱の残留量の実測値が、予め設定された蓄熱の残留量からはずれた場合、圧縮機の発停が頻回となり、その寿命を短くするという問題が生じる。
【0007】
この発明は上記の問題を解決するために為されたもので、蓄熱を過不足なく利用しつつも、蓄熱の不足、あるいは圧縮機の発停の頻回を回避することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明のうち第1の態様にかかるものは、圧縮機(201)、蓄熱設備(202)及び室内機(203)を備える空気調和機(2)に対して制御を行う方法である。そして空気調和利用開始時刻(tkk)から、前記空気調和利用開始時刻よりも後の空気調和利用完了時刻(tkw)に至る空気調和利用時間帯(TL)において、前記圧縮機による第1運転と、前記蓄熱設備による第2運転とで前記室内機の空気調和動作を行う。またピークカット厳守時間帯(TY)及びバッファ期間(Tz)における前記空気調和動作を前記第2運転のみに設定する。ここで前記ピークカット厳守時間帯は、前記空気調和利用開始時刻(tkk)よりも後で前記空気調和利用完了時刻よりも前に設定されるピークカット厳守期間開始時刻(tyk)で開始し、前記ピークカット厳守期間開始時刻(tyk)よりも後で前記空気調和利用完了時刻(tkw)よりも前に設定されるピークカット厳守期間終了時刻(tyw)で終了する。また前記バッファ期間は、前記ピークカット厳守期間終了時刻で開始し、前記ピークカット厳守期間終了時刻よりも後で前記空気調和利用完了時刻よりも前に設定される終了時刻で終了する。前記終了時刻は、予め蓄熱利用完了予定時刻(t lw )に設定される。ピークカット厳守期間終了時刻迄に消費される蓄熱量が、前記蓄熱設備が蓄熱する満畜時の蓄熱量(R M )から前記バッファ期間において消費されると予測される蓄熱量(R y3 )を引いた値に達する場合、前記終了時刻は、蓄熱利用完了予定時刻よりも所定期間(τ 2 )前に再設定される。
【0010】
この発明のうち第2の態様にかかるものは、第1の態様にかかる空気調和機の制御方法であって、(a)前記空気調和利用時間帯(TL)における前記空気調和機(2)の一日の負荷の経時的な予測値(D5、Ly)を求めるステップと、(b)前記空気調和利用開始時刻(tkk)よりも後で前記ピークカット厳守期間開始時刻(tyk)よりも前の時刻(tx)において、前記時刻以後前記蓄熱利用完了予定時刻(tlw)までの前記負荷の前記予測値の総和(Ry(tx))が、前記時刻での前記蓄熱設備(202)での蓄熱の残留量(Rs(tx))以下であるかについての第1の判断(S21)を行い、前記第1の判断で肯定的結果を得たことを契機として、前記第2運転のみでの前記空気調和動作を行うステップ(S23)とを備える。
【0011】
第2の態様において望ましくは、前記ステップ(a)において前記空気調和機(2)の一日の負荷の経時的な前記予測値(D5)は、該当日の第1の所定時間内における外気不快指数の経時的な予測値(D1)と、該当日の第2の所定時間内における外気不快指数の一日の平均値の予測値(D3)と、該当日の第3の所定時間内の負荷の総量の予測値(D4)とに基づいて求められる。
【0012】
更に望ましくは、前記ステップ(a)において前記負荷の総量の予測値(D4)は、前記空気調和利用時間帯(TL)以外での所定の時刻における外気温度の実測値(D2)と、前記外気不快指数の一日の平均値の予測値(D3)とに基づいて求められる。
【0013】
更に望ましくは、前記ステップ(a)において前記外気不快指数の一日の平均値の予測値(D3)は、前記外気不快指数の経時的な前記予測値(D1)に基づいて求められる。
【0014】
この発明のうち第3の態様にかかるものは第2の態様にかかる空気調和機の制御方法であって、(c)前記ステップ(b)の実行後であって、前記空気調和利用開始時刻(tkk)よりも後で前記ピークカット厳守期間開始時刻(tyk)よりも前の時刻(tx)において、前記時刻以後前記蓄熱利用完了予定時刻(tlw)までの前記負荷の前記予測値の総和(Ry(tx))が、前記時刻での前記蓄熱設備(202)での蓄熱の残留量(Rs(tx))よりも小さいかについての第2の判断(S31)を行い、前記第2の判断で否定的結果が得られた場合に、前記ピークカット厳守時間帯(TY)よりも早期(tz)において前記第1運転の採用を設定するステップ(S32)を更に備える。
【0015】
この発明のうち第4の態様にかかるものは第3の態様にかかる空気調和機の制御方法であって、前記ステップ(c)において、前記ピークカット厳守期間開始時刻(tyk)まで連続する補助運転期間(TB(tx))での前記第1運転の採用が設定される。
【0016】
第4の態様において望ましくは、前記第2の判断(S31)は、前記時刻(tx)以後前記蓄熱利用完了予定時刻(tlw)までの前記負荷の前記予測値の総和(Ry(tx))が、前記時刻での前記蓄熱設備での蓄熱の残留量(Rs(tx))に所定時間分の前記圧縮機(201)の能力(THL)を加えた値以下であるかについての判断である。
【0017】
あるいは望ましくは、前記空気調和機(2)の負荷に換算した前記圧縮機(201)の最大能力(M)と、前記空気調和機の一日の負荷の前記経時的な予測値(Ly)とを比較して小さい方の値の、前記補助運転期間(TB(tx))における総和が、前記時刻(tx)における前記予測値の総和(Ry(tx))から前記時刻での前記蓄熱設備での蓄熱の前記残留量(Rs(tx))を差し引いたもの以上となる前記時刻を、前記補助運転期間の始期(tz)として設定する。
【0018】
この発明のうち第5の態様にかかるものは第4の態様にかかる空気調和機の制御方法であって、前記補助運転期間(TB)の始期(tz)は、前記第2の判断(S31)が行われた時刻(tx)以後であり、(d)前記ステップ(c)の実行後に、前記第2の判断を再度行い、肯定的結果が得られた場合に、前記第1運転の採用の設定を取り消すステップ(S33)を更に備える。
【0019】
第4の態様及び第5の態様において望ましくは、(e)前記ステップ(c)の実行後に、再度前記第1の判断(S21)を行い、肯定的結果が得られた場合に、前記第1運転を停止するステップ(S23)を更に備える。
【0020】
この発明のうち第6の態様にかかるものは第1の態様または第2の態様にかかる空気調和機の制御方法であって、前記ピークカット厳守期間終了時刻(tyw)よりも後で前記空気調和利用完了時刻(tkw)よりも前の時刻(tx)において、前記蓄熱設備(202)の温度(θ)が所定の温度(θ0)よりも高くなった時点で前記第1運転による前記空気調和動作を開始する。
【0021】
この発明のうち第7の態様にかかるものは、空気調和動作を行う室内機(203)と、第1運転による前記空気調和動作を前記室内機に行わせる圧縮機(201)と、第2運転による前記空気調和動作を前記室内機に行わせる蓄熱設備(202)とを備える空気調和機(2)である。そして空気調和利用開始時刻(tkk)から、前記空気調和利用開始時刻(tkk)よりも後の空気調和利用完了時刻(tkw)に至る空気調和利用時間帯(TL)において、前記第1運転と前記第2運転とによって空気調和動作を行う。そしてピークカット厳守時間帯(TY)及びバッファ期間(Tz)における前記空気調和動作を前記第2運転のみに設定する。ここで前記ピークカット厳守時間帯は、前記空気調和利用開始時刻よりも後で前記空気調和利用完了時刻よりも前に設定されるピークカット厳守期間開始時刻(tyk)で開始し、前記ピークカット厳守期間開始時刻よりも後で前記空気調和利用完了時刻よりも前に設定されるピークカット厳守期間終了時刻(tyw)で終了する。また前記バッファ期間は、前記ピークカット厳守期間終了時刻で開始し、前記ピークカット厳守期間終了時刻よりも後で前記空気調和利用完了時刻よりも前に設定される終了時刻で終了する。前記終了時刻は、予め蓄熱利用完了予定時刻(t lw )に設定される。ピークカット厳守期間終了時刻迄に消費される蓄熱量が、前記蓄熱設備が蓄熱する満畜時の蓄熱量(R M )から前記バッファ期間において消費されると予測される蓄熱量(R y3 )を引いた値に達する場合、前記終了時刻は、蓄熱利用完了予定時刻よりも所定期間(τ 2 )前に再設定される。
【0022】
この発明のうち第8の態様にかかるものは、第7の態様にかかる空気調和機(2)と、(b)(b−1)前記空気調和利用時間帯(TL)における前記空気調和機の一日の負荷の経時的な予測値(Ly)を求める空調負荷予測部(101)と、(b−2)前記空気調和利用開始時刻(tkk)よりも後で前記ピークカット厳守期間開始時刻(tyk)よりも前の時刻(tx)において、前記時刻以後前記蓄熱利用完了予定時刻(tlw)までの前記負荷の前記予測値の総和(Ry(tx))が、前記時刻での前記蓄熱設備(202)での蓄熱の残留量(Rs(tx))以下であるかについての第1の判断(S21)を行い、前記第1の判断で肯定的結果を得たことを契機として、前記第2運転のみでの前記空気調和動作を設定する放熱運転計画作成部(102)とを有する負荷予測制御部(1)とを備える空気調和システム(100)である。
【0023】
この発明のうち第9の態様にかかるものは、第8の態様にかかる空気調和システムであって、前記第1の判断(S21)で肯定的結果を得たことを契機として、前記第2運転のみでの前記空気調和動作を実行した後であって、前記空気調和利用開始時刻(tkk)よりも後で前記ピークカット厳守期間開始時刻(tyk)よりも前の時刻(tx)において、前記時刻(tx)以後前記蓄熱利用完了予定時刻(tlw)までの前記負荷の前記予測値の総和(Ry(tx))が、前記時刻(tx)での前記蓄熱設備での蓄熱の残留量(Rs(tx))よりも小さいかについての第2の判断(S31)が行われる。そして前記第2の判断で否定的結果が得られた場合に、前記ピークカット厳守時間帯(TY)よりも早期(tz)において前記第1運転の採用が設定される。
【0024】
この発明のうち第10の態様にかかるものは、第9の態様にかかる空気調和システムであって、前記ピークカット厳守期間終了時刻(tyw)よりも後で前記空気調和利用完了時刻(tkw)よりも前の時刻(tx)において、前記蓄熱設備(202)の温度(θ)が所定の温度(θ0)よりも高くなった時点で前記第1運転による前記空気調和動作が開始される。
【0025】
この発明のうち第11の態様にかかるものは、第1の態様乃至第7の態様にかかる空気調和機の制御方法をコンピュータに実行させるプログラムである。
【0026】
【作用】
この発明の第1の態様にかかる空気調和機の制御方法及び第7の態様にかかる空気調和機において、ピークカット厳守時間帯(TY)において、蓄熱設備の蓄熱の残留量(Rs)が不足すると予測された場合には、予め第2運転のみを行うように設定されていたバッファ期間(Tz)の一部での空気調和動作に第1運転を用い、バッファ期間(Tz)のための蓄熱をピークカット厳守時間帯(TY)に使用することができる。
【0027】
この発明の第2の態様にかかる空気調和機の制御方法及び第8の態様にかかる空気調和システムにおいて、蓄熱の残留量(Rs)が十分大きな場合に、ピークカット厳守時間帯(TY)よりも早くから、第2運転のみで空気調和動作を行う。
【0028】
この発明の第3の態様にかかる空気調和機の制御方法及び第9の態様にかかる空気調和システムにおいて、蓄熱量が不足すると予測される場合に、第1運転をピークカット厳守時間帯(TY)よりも早くから併用して空気調和動作を行う旨の設定を行う。
【0029】
この発明の第4の態様にかかる空気調和機の制御方法において、ステップ(c)によって採用が設定される前記第1運転はピークカット厳守期間開始時刻(tyk)以前において1回のみ行われる。
【0030】
この発明の第5の態様にかかる空気調和機の制御方法において、一旦は蓄熱量が不足すると予測された後に、蓄熱量は不足しないと予測された場合に、第1運転を併用する旨の設定が取り消される。
【0031】
この発明の第6の態様にかかる空気調和機の制御方法及び第10の態様にかかる空気調和システムにおいて、蓄熱の残留量(Rs)が十分大きな場合に、ピークカット厳守時間帯(TY)より遅くまで、第2運転のみで空気調和動作を行う。
【0032】
この発明のうち第11の態様にかかるプログラムにおいて、第1の態様乃至第7の態様にかかる空気調和機の制御方法がコンピュータで実行される。
【0033】
【発明の実施の形態】
A:全体構成.
図1は本発明にかかる空気調和機の制御方法が適用可能な空気調和システム100の構成を例示するブロック図である。空気調和システム100は負荷予測制御部1と、蓄熱空調機2とを備えている。
【0034】
負荷予測制御部1は空調負荷予測部101、放熱運転計画作成部102、空調機データ計測部103、空調機制御部104を有している。また蓄熱空調機2は圧縮機201、蓄熱設備たる氷蓄熱ユニット202,室内機203を有している。
【0035】
空調負荷予測部101は空気調和機の経時的な、例えば1時間毎の負荷(本明細書で単に「時負荷」とも称す)の予測値Lyについての出力データD5を求め、これを放熱運転計画作成部102へ与える。空調機データ計測部103は蓄熱空調機2から得られたデータに基づき、蓄熱の残留量Rs、氷蓄熱ユニット202が備える蓄熱槽の水温θを、放熱運転計画作成部102へ与える。また時負荷の実測値を空調負荷予測部101へ与える。
【0036】
放熱運転計画作成部102は圧縮機201の発停時刻や蓄熱の利用を開始・完了する時刻を設定し、空調機制御部104へと与える。空調機制御部104は圧縮機201の発停制御、蓄熱を利用した制御を、それぞれ適切な時刻において蓄熱空調機2に行わせる。
【0037】
蓄熱空調機2において白抜き矢印は、その矢尻がある構成要素から矢先がある構成要素へと冷却を行うことを示している。室内機203は圧縮機201と直接に熱交換を行って空気調和動作を行うことができる。本明細書ではこれを圧縮機による空気調和動作、あるいは第1運転と称す。一方、圧縮機201は空気調和機を利用しない時間帯において蓄熱設備である氷蓄熱ユニット202に製氷を行わせ、蓄熱を備蓄させる。そして空気調和機を利用する時間帯(本明細書において「空気調和利用時間帯」と称す)TLでは室内機203は氷蓄熱ユニット202との熱交換を行って空気調和動作を行うことができる。本明細書ではこれを蓄熱による空気調和動作、あるいは第2運転と称す。
【0038】
B:時負荷の予測値の算出.
図2は空調負荷予測部101の動作を示すフローチャートである。各フローに相当するブロックで空調負荷予測部101を構成しても良いし、当該フローチャートと実質的に同じ動作が行われるプログラムを実行可能なコンピュータで空調負荷予測部101を構成しても良い。
【0039】
空調負荷予測部101には、該当日の第1の所定時間における外気不快指数の経時的な、例えば7時〜16時の毎時の予測値D1と、空気調和利用時間帯TL以外での所定の時刻、例えば午前五時における外気温度の実測値D2とが与えられる。該当日の第2の所定時間、例えば0時〜18時の外気不快指数の毎時の予測値D1の平均を求めることにより、外気不快指数の一日の平均値(日平均値)の予測値D3が得られる。これと外気温度の実測値D2とに基づき、第1カルマンフィルタモデルにより、該当日の第3の所定時間、例えば8時〜18時の負荷の総量である日負荷の予測値D4が求められる。負荷の予測精度を高めるためには、該当日の第3の所定時間は空気調和利用時間帯TL内に収めることが望ましい。
【0040】
第1カルマンフィルタモデルでは、日を示すパラメータkを導入し、外気温度の実測値D2と外気不快指数の日平均値の予測値D3とを入力H1(k)とし、観測ノイズv1(k)を考慮した観測方程式からY1(k)を日負荷の予測値D4として求める。ここで状態変数X1(k)は、外気温度の実測値D2と外気不快指数の日平均値の実測値(図示せず)及び日負荷の実測値(図示せず)に基づき、システム雑音w1(k)を考慮した状態方程式で更新される。
【0041】
外気不快指数の毎時の予測値D1と、外気不快指数の日平均値の予測値D3と、日負荷の予測値D4とに基づき、第2カルマンフィルタモデルにより、時負荷の予測値Lyを示す出力データD5が求められる。
【0042】
第2カルマンフィルタモデルでも第1カルマンフィルタと同様に、自身に入力されたデータを入力H2(k)とし、観測ノイズv2(k)を考慮した観測方程式からY2(k)を時負荷の予測値Lyとして求める。ここで状態変数X2(k)は、外気不快指数の毎時の実測値(図示せず)と外気不快指数の日平均値の実測値(図示せず)と日負荷の実測値(図示せず)及び時負荷の実測値(図示せず)に基づき、システム雑音w2(k)を考慮した状態方程式で更新される。
【0043】
なお、前記外気不快指数の予測値・実測値、及び、前記外気温度の実測値は、図示していないが、ネットワークを介して気象会社等から近隣の気象観測所(例えばアメダス(Automated Meteorological Data Acquisition System:地域気象観測システム))における予測値・実測値を収集し、必要に応じて補正する等の方法により入手することができる。また、前記日負荷と前記時負荷の実測値は、空調機データ計測部103での計測により入手することができる。
【0044】
図3は時負荷の予測値Ly(t)(t:時刻を示すパラメータ)を概念的に示すグラフであり、横軸には24時表記で1日の時間を採り、縦軸には空気調和機の負荷(以下、「空調負荷」ともいう)を採っている。空気調和利用時間帯TLは、空気調和利用開始時刻tkkで開始し、これよりも後の空気調和利用完了時刻tkwで終了する期間である。空気調和利用時間帯TLにおいて蓄熱空調機2による空気調和動作が行われる。図3では空気調和利用開始時刻tkk、空気調和利用完了時刻tkwとしてそれぞれ8時、18時を設定した場合が例示されている。
【0045】
ピークカット厳守時間帯TYは、氷蓄熱ユニット202のみでの空気調和動作を行う必要がある期間であり、ピークカット厳守期間開始時刻tykで開始し、これよりも後のピークカット厳守期間終了時刻tywで終了する。ピークカット厳守期間開始時刻tykは空気調和利用開始時刻tkkよりも後で空気調和利用完了時刻tkwよりも前に設定される。またピークカット厳守期間終了時刻tywは空気調和利用完了時刻tkwよりも前に設定される。図3ではピークカット厳守期間開始時刻tyk、ピークカット厳守期間終了時刻tywとしてそれぞれ13時、16時を設定した場合が例示されている。
【0046】
蓄熱利用完了予定時刻tlwはピークカット厳守期間終了時刻tywよりも後で空気調和利用完了時刻tkwよりも前に設定される。そしてバッファ期間TZはピークカット厳守期間終了時刻tywで開始し、蓄熱利用完了予定時刻tlwで終了する。
【0047】
図4は空気調和利用時間帯TLにおける蓄熱空調機2の動作を示すフローチャートである。ステップS11において、現在時刻txが空気調和利用開始時刻tkk以後であるか否かが判断される。判断結果が否定的(NO)であれば、肯定的な判断結果(YES)が得られるまでステップS11が繰り返し実行される。ステップS11で肯定的な判断結果(YES)が得られれば、ステップS12に処理が移行し、蓄熱空調機2による空気調和動作が実行される。これはステップS13において現在時刻txが空気調和利用完了時刻tkw以後であると判断されるまで繰り返し実行される。そしてステップS13において現在時刻txが空気調和利用完了時刻tkw以後であるかについて肯定的判断(YES)が行われれば、ステップS15において蓄熱開始時刻迄待機した後、ステップS14において蓄熱空調機2での蓄熱動作、即ち氷蓄熱ユニット202での製氷が行われる。これが終了すればステップS11へと戻り、上述の動作が繰り返される。例えばステップS14は22時〜8時において行われる。
【0048】
以下、第1乃至第4の実施の形態において種々の判断や制御が行われるが、これらは放熱運転計画作成部102において実行することができる。また各実施の形態の動作制御はコンピュータに行わせることができる。そしてかかる動作制御をコンピュータに実行させるプログラムについても本発明の範疇にある。
【0049】
C:第1の実施の形態.
図5は本発明の第1の実施の形態にかかる制御方法を示すフローチャートである。本実施の形態では圧縮機201の停止、蓄熱を利用した空気調和動作を行うか否かの判断が例示される。ここで示されるフローチャートは図4のステップS12に包含されることができる。但し空気調和利用開始時刻tkkよりも後でピークカット厳守期間開始時刻tykよりも前において実行される。ピークカット厳守時間帯TYでは必ず蓄熱のみを利用した空気調和動作を行うからである。
【0050】
図6は本発明の第1の実施の形態の動作を説明するためのグラフである。ここでは簡単のため、空気調和機の経時的な予測値Ly(t)を曲線で示している。また現在時刻がtx=tx3である場合の空調負荷の実測値Ls(t)も併記している。圧縮機201最大能力を空調負荷に換算した値をMとすると、通常、空調負荷の予測値Ly(t)も実測値Ls(t)も、一旦Mを超えた後はピークカット厳守期間開始時刻tykまではMを下回ることはない。
【0051】
ステップS21において現在時刻tx以後蓄熱利用完了予定時刻tlwまでの空調負荷の予測値の総和Ry(tx)が、現在時刻txでの蓄熱設備での蓄熱の残留量Rs(tx)以下であるかについての判断を行う。蓄熱の残留量Rs(tx)は、ステップS14において蓄熱された蓄熱量(以下「満蓄時の蓄熱量」と称す)RMから、現在時刻txまでに消費された蓄熱量R0(tx)を引いたものであり、次式(1)で求められる。但し記号max(a,b)はa,bのいずれか大きい方を採用することを示し、記号SEL(a,b)は、第1運転を行っている場合にはaを、第2運転のみを行っている場合にはbを、それぞれ採用することを示す。
【0052】
【数1】
Figure 0003690294
【0053】
また空調負荷の予測値の総和Ry(tx)は次式(2)で求められる。
【0054】
【数2】
Figure 0003690294
【0055】
ここでRy1(tx)は現在時刻txからピークカット厳守期間開始時刻tykまでの空調負荷の予測値の総量であり、現在時刻txに依存する。またRy2はピークカット厳守時間帯TYでの空調負荷の予測値の総量であり、ピークカット厳守時間帯TYでは蓄熱のみを利用した空気調和動作が行われることから、ピークカット厳守時間帯TYでの消費が予測される蓄熱量でもある。そして空気調和機の経時的な予測値Ly(t)が一旦設定されるとその値は固定される。またRy3はバッファ期間TZでの空調負荷の予測値の総量であり、バッファ期間TZでも蓄熱のみを利用した空気調和動作が行われることから、バッファ期間TZでの消費が予測される蓄熱量でもある。
【0056】
例えばそれまでに蓄熱による空気調和動作が行われてこなかった状態で、即ち圧縮機201のみで空気調和動作が行われてきた状態で、現在時刻txがtx1となった場合を考える。式(1)において蓄熱の残留量Rs(tx1)が求められる。それまでに蓄熱による空気調和動作が行われてこなかったのであるからR0(tx1)=0であり、Rs(tx1)=RMである。そしてこれが式(2)から求められるRy(tx1)以上であれば、ステップS21の判断結果は肯定的(YES)となり、これを契機としてステップS23へ進んで圧縮機201を停止させる。その後、ステップS12(図4)へと復帰する。その後に空調負荷の実測値が予測値を上回った場合については第2の実施の形態、第3の実施の形態において説明するが、それ以外では蓄熱利用完了予定時刻tlwまで圧縮機201は停止したままである。
【0057】
一方、ステップS21の判断結果が否定的(NO)であれば、ステップS22へと進み、圧縮機201の運転を継続する。ステップS22において、まずステップS221による判断が行われる。即ち圧縮機201が空調負荷に換算した最大能力Mが空調負荷の実測値Ls(tx)より大であるか否かが判断される。肯定的な判断結果(YES)が得られた場合には、圧縮機201のみで空気調和動作を行うことができるので、ステップS223へと進み、負荷に応じた能力で圧縮機201によって空気調和動作が継続される。しかし否定的な判断結果(NO)が得られた場合には、圧縮機201のみの空気調和動作で空調負荷を賄うことができないので、ステップS222へと進み、蓄熱をも利用して空気調和動作を行う。
【0058】
例えば時刻tx2においてLs(tx2)=Mとなった場合、ステップS222が実行される。上述のように、通常は、空調負荷の実測値Ls(t)が一旦Mを超えた後はピークカット厳守期間開始時刻tykまではMを下回ることはないので、ステップS21で肯定的な判断が行われるまではステップS222が実行され続ける。
【0059】
図6には時刻tx3(>tx2)迄に消費された蓄熱量R0(tx3)に相当する空調負荷を左上がり斜線でハッチングして図示している。ここまでは第1運転を行っており、Ls(t)≧Mの場合のみ蓄熱量が消費されるので、消費された蓄熱量R0(tx3)の計算にはSELの括弧内の左側に記されたmax(0,Ls(t)−M)が用いられる。もしも時刻tx3においてステップS21で肯定的な判断が行われれば、これを契機として圧縮機201が停止され、蓄熱の残留量Rs(tx3)を用いて図6に右上がり斜線でハッチングされた空調負荷に対処する。
【0060】
以上のようにして本実施の形態によれば、蓄熱の残留量Rsが大きな場合に、ピークカット厳守時間帯TYよりも早くから、蓄熱のみによって空気調和動作を行う。従って氷蓄熱ユニット202での蓄熱量を無駄にすることがなく、圧縮機201が停止される期間も稼ぐことができて消費電力を低減することができる。
【0061】
なお、図5に示されたフローチャートは所定時間毎、例えば5分毎に実行される。
【0062】
D:第2の実施の形態.
図7は本発明の第2の実施の形態にかかる制御方法を示すフローチャートであり、圧縮機201の運転の再開を判断する処理を示す。ここで示されるフローチャートは図4のステップS12に包含されることができる。但し、本実施の形態では第1の実施の形態に示されたステップS23により一旦停止された圧縮機201を再度運転する制御方法であり、ステップS23が実行された後に行われる処理である。また上述のように、ピークカット厳守時間帯TYでは蓄熱のみを利用した空気調和動作を行うので、ピークカット厳守期間開始時刻tykよりも前において行われる処理である。
【0063】
図8は本発明の第2の実施の形態の動作を説明するためのグラフである。図6と同様に、簡単のため、空気調和機の経時的な予測値Ly(t)を曲線で示している。また同図(a),(b)にはそれぞれ現在時刻がtx x6 ,t x7 (>tx5)である場合の空調負荷の実測値Ls(t)も併記している。いずれも空気調和利用開始時刻tkkから時刻tx4(<tx5)よりも前では、図5のステップS221,S222が実行され、時刻tx4においてステップS21からステップS23へ進んだ場合を例示しており、時刻tx4迄に消費された蓄熱量R0(tx4)に対応する空調負荷を図示している。
【0064】
まずステップS31において、現在時刻tx以後蓄熱利用完了予定時刻tlwまでの空調負荷の予測値の総和Ry(tx)が、現在時刻txでの蓄熱設備での蓄熱の残留量Rs(tx)より小さいかについての判断を行う。より正確には、空調負荷の予測値の総和Ry(tx)が、蓄熱の残留量Rs(tx)に所定時間(例えば10分間)の圧縮機201の運転に相当する蓄熱量THLを加えた値以下であるかについて判断される。蓄熱量THLを加えるのは、上記所定時間において圧縮機201が正常に冷却機能を発揮できないことを考慮するためである。
【0065】
ステップS31で肯定的な判断結果(YES)が得られた場合には、消費された蓄熱量がその予測を上回っていない場合であり、ステップS33に進んで圧縮機運転をしないで蓄熱のみ利用した空気調和動作を行う。そしてステップS12(図4)へと復帰する。
【0066】
しかし、ステップS31で否定的な判断結果(NO)が得られた場合には、ピークカット厳守時間帯TYにおいて蓄熱不足が生じないように、圧縮機201の運転を再開する。但しその再開時刻tzは必ずしもステップS31の判断時点とは一致しない。図8(a),(b)ではいずれも時刻tx5において空調負荷の実測値Ls(t)がその予測値Ly(t)を上回り始め、ステップS32に処理が進んだ場合を例示している。
【0067】
原則として圧縮機201を再開すると、ピークカット厳守期間開始時刻tykまでその運転は停止しない。つまり補助運転期間TB(tx)をピークカット厳守時間帯TYの直前に設け、圧縮機201の発停を1回に制限する。これにより圧縮機の発停の頻回を回避することができる。ここで補助運転期間TB(tx)はステップS31の判断が行われた時刻txに依存する。これは、空調負荷の予測値の総和Ry(tx)及び蓄熱の残留量Rs(tx)が時刻txに依存することに起因する。
【0068】
時刻tx(>tx5)までに予測以上に消費された蓄熱量B(tx)は式(3)で表される。
【0069】
【数3】
Figure 0003690294
【0070】
そこで、Ly(t)≧Mを条件として、TB(tx)=B(tx)/Mと求められる。図8(a),(b)の比較から解るように空調負荷の実測値Ls(t)がその予測値Ly(t)を上回り続けると、時刻についての関係tx7>tx6に対応して、補助運転期間についての関係TB(tx7)>TB(tx6)となり、従って圧縮機運転再開時刻についての関係tz7<tz6が成立する。
【0071】
但し、図8(a)の曲線Ly’で示されるように、空調負荷の予測値が圧縮機201の空調負荷に換算した最大能力Mを下回る場合も考えられる。よって補助運転期間TB(tx)の具体的な求め方は以下の通りになる。
【0072】
図9はステップS32の詳細を例示するフローチャートである。ステップS321においては初期値設定が行われる。圧縮機201によって賄われる空調負荷の補助運転期間TB中の総量Cを0に、圧縮機運転再開時刻tzをピークカット厳守期間開始時刻tykに、それぞれ設定する。また時刻txまでに予測以上に消費された蓄熱量Bが式(3)に基づいて設定される。
【0073】
次にステップS322で圧縮機運転再開時刻tzを所定時間Δtだけ遡って更新する。そしてステップS323において補助運転期間中の総量Cを増加させる。増加量はLy(tz)・ΔtかM・Δtのいずれか小さい方である。図9においてはこれをmin(Ly(tz)・Δt,M・Δt)と表記している。このような選択的な増加量を設定するのは、図8(a)のLy’で示されるように予測された空調負荷が圧縮機201の最大能力M未満の場合には、圧縮機運転再開時刻tz以後において図5に示されたフローチャートのステップS223が実行されること(つまり空調負荷に応じた能力で圧縮機201の運転を行うこと)を考慮したためである。ステップS322,S323のブロックにおいて矢印はその左辺の変数を右辺の式で更新することを示している。
【0074】
その後、ステップS324において、補助運転期間TB中の総量Cが予測以上に消費された蓄熱量B以上であるかが判断される。ここで肯定的な判断(YES)が得られる場合には、設定されている補助運転期間TBの長さが十分であることを意味するので、ステップS322で設定された値に圧縮機運転再開時刻tzが決定される。
【0075】
一方、ステップS324において、否定的な判断(NO)が得られる場合には、設定されている補助運転期間TBの長さが不十分であることを意味するので、原則的にはステップS322へ戻って圧縮機運転再開時刻tzを所定時間Δtだけ遡って更新し、以て補助運転期間TBの長さを広げる。しかしながら、圧縮機運転再開時刻tzが既に現在時刻tx以前に設定されているのであれば、直ちに圧縮機201の運転を再開するべきである。そのため、ステップS325が設けられており、ステップS324において否定的な判断(NO)が得られる場合には一旦ステップS325でtz=txが成立するかについての判断が行われる。ステップS325で肯定的な判断(YES)が得られる場合には、直ちに圧縮機201の運転を再開すべく、ステップS326において圧縮機運転再開時刻tzを現在時刻txに設定し、この値で圧縮機運転再開時刻tzを決定する。この場合、蓄熱不足が生じている可能性があるが、その対処は第3の実施の形態で説明する。
【0076】
なおステップS31からステップS326迄に要する時間は非常に早いとして説明しているが、上記のステップ間の遷移に要する時間を考慮し、ステップS326において圧縮機運転再開時刻tzを現在時刻txよりも遅く設定することは許される。
【0077】
もちろん、時間の経過により、空調負荷の実測値Ls(t)がその予測値Ly(t)を下回り、圧縮機運転再開時刻tz以前において改めて行われるステップS31の判断が肯定的結果を招くことも考えられる。その場合にはステップS33により、圧縮機の再開は取り消され、蓄熱利用のみでの空気調和動作が継続する。
【0078】
また、圧縮機201の運転が実際に再開された後でも、図5に示されたフローチャートに基づく処理により、ステップS21の判断で肯定的結果が得られた場合には、圧縮機201の再開された運転はステップS23によって停止される。但し式(1)において、圧縮機201が停止した後、補助運転期間TBに至るまでは第2運転のみが採用されるので、R0(tx)の記号SELの括弧内の右側の値Ls(t)が選択される。そして補助運転期間TBにおいては第1運転が併用されるので記号SELの括弧内の左側の値max(0,Ls(t)−M)が選択される。そして補助運転期間TBが終了した後は、R0(tx)の記号SELの括弧内の右側の値Ls(t)が選択される。このようにしてステップS21で圧縮機201が停止した後に、また空調負荷の実測値Ls(t)がその予測値Ly(t)を上回り、蓄熱不足が生じる可能性もあるが、その対処も第3の実施の形態で説明する。
【0079】
以上のようにして第2の実施の形態によれば、蓄熱量が不足すると予測される場合に、ピークカット厳守時間帯TYよりも早い圧縮機運転再開時刻tzから圧縮機201を用いて空気調和動作を行う旨の設定を行う。よって空気調和機の負荷の経時的な予測値Lyがはずれた場合でも、ピークカット厳守時間帯TYでの蓄熱不足による室内環境悪化を回避することができる。
【0080】
また補助運転期間TBはピークカット厳守時間帯TYに連続して設けるので、圧縮機の発停回数を1回と最少化し、その寿命劣化を回避できる。但し一旦は蓄熱量が不足すると予測された後に、蓄熱量は不足しないと予測された場合には圧縮機201の運転再開の設定は取り消される。これにより不要な圧縮機201の運転の再開を回避し、消費電力を低減することができる。
【0081】
E:第3の実施の形態.
第1の実施の形態において、ステップS23(図5)へ進んで圧縮機201を停止させた後、空調負荷の実測値Lsが予測値Lyを上回る可能性がある。その場合には、第2の実施の形態に示したように、圧縮機201を再度運転して補助運転期間TBを設ける。
【0082】
しかしながら現在時刻txにおいて蓄熱不足を補い得る空調負荷はせいぜいM(tyk−tx)である。従って、ピークカット厳守期間開始時刻tykの間際になって急に空調負荷の実測値Lsが予測値Lyを上回る量が増大した場合には、ステップS326(図9)に処理が進められることになり、ピークカット厳守時間帯TYでの蓄熱不足が生じる可能性もある。また一旦圧縮機201の運転が再開された後でも、ステップS23によって停止し、その後にまた空調負荷の実測値Lsがその予測値Lyを上回る場合もある。
【0083】
またピークカット厳守期間開始時刻tyk以後でピークカット厳守時間帯TYにおいて空調負荷の実測値Lsが予測値Lyを上回れば、第2の実施の形態の処理は採用されず、補助運転期間TBを設けて圧縮機201の運転を再開することもできない。
【0084】
本実施の形態では上記のような場合において、式(2)で示されたバッファ期間TZでの空調負荷の予測値の総量Ry3のために準備しておいた蓄熱を、ピークカット厳守時間帯TYにおいて消費する。
【0085】
図10は本発明の第3の実施の形態にかかる制御方法を示すグラフである。横軸には時間を表すパラメータ(時刻)tを、縦軸には時刻tでの蓄熱の消費量R0(t)を採っている。図6に例示されたように、時刻tx2において空調負荷の実測値Lsが、空調負荷に換算した圧縮機201の最大能力Mを超えたとし、時刻tx3においてステップS23(図5)により圧縮機201が停止した場合を例示している。
【0086】
時刻tx2〜tx3における蓄熱の消費量の総量は式(4)で示される。
【0087】
【数4】
Figure 0003690294
【0088】
そして時刻tx3〜tywで消費される蓄熱量は、補助運転期間TBを考慮して式(5)で示される。但し、右辺第2項において下方にTBと記された記号Σは、その右側のmin(Ly(t),M)についての補助運転期間TBにおける総和を示している。
【0089】
【数5】
Figure 0003690294
【0090】
そして予めバッファ期間TZでの蓄熱のみによる空気調和動作のため、予測値の総量Ry3が準備されていたものの、時刻(tyw−τ1)において式(6)が成立するともはやバッファ期間TZでの空気調和動作を蓄熱のみによって行うことはしない(τ1>0)。
【0091】
【数6】
Figure 0003690294
【0092】
つまりピークカット厳守時間帯TYにおいて蓄熱のみによって空気調和動作を行った後、連続して蓄熱のみによって空気調和動作を行い、蓄熱利用完了予定時刻tlwよりも早期の時刻(tlw−τ2)において(τ2>0)圧縮機201の運転を再開する。圧縮機201の運転を再開する時刻は、当所設定されていた蓄熱利用完了予定時刻tlwではなく、これよりも時間τ2だけ早まる。具体的に圧縮機201の運転を再開する時刻の設定方法については第4の実施の形態で説明する。
【0093】
以上のようにして本実施の形態では予めバッファ期間TZを想定しておき、ここでの空調負荷の予測値の総量Ry3が、ピークカット厳守時間帯TYにおける蓄熱不足のための緩衝として備蓄されている。従って、ピークカット厳守時間帯TYにおいて実際に蓄熱不足に陥ることを回避でき、室内機203による空気調和動作の対象となる室内環境の悪化を回避できる。
【0094】
F:第4の実施の形態.
図11は本発明の第4の実施の形態にかかる制御方法を示すフローチャートであり、圧縮機201の運転の再開を判断する処理を示す。ここで示されるフローチャートは図4のステップS12に包含されることができる。但し、本実施の形態ではピークカット厳守期間終了時刻tywよりも後において行われる処理である。
【0095】
まずステップS41において、氷蓄熱ユニット202が備える蓄熱槽の水温θが、所定の設定水温θ0よりも高いかについての判断を行う。
【0096】
ステップS41で肯定的な判断結果(YES)が得られた場合には、もはや蓄熱による空気調和動作はできないので、ステップS42へと進み、圧縮機201の運転を開始する。これは第3の実施の形態に則して言えば時刻(tlw−τ2)に対応している。
【0097】
一方、ステップS41で否定的な判断結果(NO)が得られた場合には、まだ蓄熱を利用して空気調和動作を行う。蓄熱を十分に使用し、不要な電力消費を低減するため、蓄熱の残留量Rsが正であれば、蓄熱利用完了予定時刻tlwよりも遅くまで蓄熱のみを利用した空気調和動作を行うこともできる。
【0098】
なお、上述では、水温θと所定の設定水温θ0との比較を一回行って圧縮機の運転再開を判断する方法を説明したが、外乱ノイズの影響を受け難いように、比較を繰り返し行い圧縮機の運転再開の条件が連続成立した場合に、圧縮機の運転を再開するようにしても良い。
【0099】
図12は、本発明の第4の実施の形態の動作を説明するグラフであり、横軸には時間を表すパラメータ(時刻)tを、縦軸には時刻tでの蓄熱の消費量R0(t)を採っている。そして蓄熱利用完了予定時刻tlwにおける蓄熱の残留量Rs(tlw)が正の場合を示している。
【0100】
このような場合には圧縮機201の運転は、ステップS43が実行される時刻(tlw+τ3)まで引き続いて行われることになる(τ3>0)。
【0101】
以上のようにして本実施の形態によれば、蓄熱の残留量Rsが大きな場合に、ピークカット厳守時間帯TYよりも遅くまで蓄熱のみでの空気調和動作を行うことができ、よって氷蓄熱ユニット202での蓄熱量を無駄にすることがない。従って消費電力を低減することができる。
【0102】
なお、所定の設定水温θ0は満蓄時の蓄熱量RMに鑑みて、θ=θ0でRM≧0となるように適宜に設定され得る。
【0103】
【発明の効果】
この発明の第1の態様にかかる空気調和機の制御方法及び第7の態様にかかる空気調和機によれば、ピークカット厳守時間帯(TY)で第2運転のみを行っても、蓄熱量の不足が生じず、室内機(203)による空気調和動作の対象となる室内環境の悪化を回避できる。
【0104】
この発明の第2の態様にかかる空気調和機の制御方法及び第8の態様にかかる空気調和システムによれば、蓄熱設備(202)での蓄熱量を無駄にすることなく、従って消費電力を低減することができる。
【0105】
この発明の第3の態様にかかる空気調和機の制御方法及び第9の態様にかかる空気調和システムによれば、空気調和機の負荷の経時的な予測値(Ly)がはずれた場合でも、ピークカット厳守時間帯(TY)での蓄熱不足による室内環境悪化を回避することができる。
【0106】
この発明の第4の態様にかかる空気調和機の制御方法によれば、圧縮機の発停回数を最少化し、その寿命劣化を回避できる。
【0107】
この発明の第5の態様にかかる空気調和機の制御方法によれば、不要な圧縮機の運転の再開を回避し、消費電力を低減することができる。
【0108】
この発明の第6の態様にかかる空気調和機の制御方法及び第10の態様にかかる空気調和システムによれば、蓄熱設備(202)での蓄熱量を無駄にすることなく、従って消費電力を低減することができる。
【0109】
この発明のうち第11の態様にかかるプログラムによれば、第1の態様乃至第7の態様にかかる空気調和機の制御方法をコンピュータに実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる空気調和機の制御方法が適用可能な空気調和システム100の構成を例示するブロック図である。
【図2】空調負荷予測部101の動作を示すフローチャートである。
【図3】時負荷の予測値Ly(t)を概念的に示すグラフである。
【図4】空気調和利用時間帯TLにおける蓄熱空調機2の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施の形態にかかる制御方法を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態の動作を説明するグラフである。
【図7】本発明の第2の実施の形態にかかる制御方法を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施の形態の動作を説明するためのグラフである。
【図9】本発明の第2の実施の形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明の第3の実施の形態にかかる制御方法を示すグラフである。
【図11】本発明の第4の実施の形態にかかる制御方法を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第4の実施の形態の動作を説明するグラフである。
【符号の説明】
1 負荷予測制御部
2 空気調和機
100 空気調和システム
101 空調負荷予測部
102 放熱運転計画作成部
201 圧縮機
202 氷蓄熱ユニット
203 室内機
1 外気不快指数の経時的な予測値
2 外気温度の実測値
3 外気不快指数の日平均値の予測値
4 日負荷の予測値
5 時負荷の予測値についての出力データ
y 空調負荷の予測値
s 空調負荷の実測値
lw 蓄熱利用完了予定時刻
yk ピークカット厳守期間開始時刻
yw ピークカット厳守期間終了時刻
Y ピークカット厳守時間帯
kk 空気調和利用開始時刻
kw 空気調和利用完了時刻
L 空気調和利用時間帯
x 現在時刻
B 補助運転期間
z バッファ期間
z 圧縮機運転再開時刻

Claims (17)

  1. 圧縮機(201)、蓄熱設備(202)及び室内機(203)を備える空気調和機(2)に対して制御を行う方法であって、
    空気調和利用開始時刻(tkk)から、前記空気調和利用開始時刻よりも後の空気調和利用完了時刻(tkw)に至る空気調和利用時間帯(TL)において、前記圧縮機による第1運転と、前記蓄熱設備による第2運転とで前記室内機の空気調和動作を行い、
    ピークカット厳守時間帯(TY)及びバッファ期間(Tz)における前記空気調和動作を前記第2運転のみに設定し、
    前記ピークカット厳守時間帯は、前記空気調和利用開始時刻(tkk)よりも後で前記空気調和利用完了時刻よりも前に設定されるピークカット厳守期間開始時刻(tyk)で開始し、前記ピークカット厳守期間開始時刻(tyk)よりも後で前記空気調和利用完了時刻(tkw)よりも前に設定されるピークカット厳守期間終了時刻(tyw)で終了し、
    前記バッファ期間は、前記ピークカット厳守期間終了時刻で開始し、前記ピークカット厳守期間終了時刻よりも後で前記空気調和利用完了時刻よりも前に設定される終了時刻で終了し、
    前記終了時刻は、予め蓄熱利用完了予定時刻(t lw )に設定され、
    ピークカット厳守期間終了時刻迄に消費される蓄熱量が、前記蓄熱設備が蓄熱する満畜時の蓄熱量(R M )から前記バッファ期間において消費されると予測される蓄熱量(R y3 )を引いた値に達する場合、前記終了時刻は、蓄熱利用完了予定時刻よりも所定期間(τ 2 )前に再設定される、空気調和機の制御方法。
  2. (a)前記空気調和利用時間帯(TL)における前記空気調和機(2)の一日の負荷の経時的な予測値(D5、Ly)を求めるステップと、
    (b)前記空気調和利用開始時刻(tkk)よりも後で前記ピークカット厳守期間開始時刻(tyk)よりも前の時刻(tx)において、
    前記時刻以後前記蓄熱利用完了予定時刻(tlw)までの前記負荷の前記予測値の総和(Ry(tx))が、前記時刻での前記蓄熱設備(202)での蓄熱の残留量(Rs(tx))以下であるかについての第1の判断(S21)を行い、
    前記第1の判断で肯定的結果を得たことを契機として、前記第2運転のみでの前記空気調和動作を行うステップ(S23)と
    を備える、請求項1に記載の空気調和機の制御方法。
  3. 前記ステップ(a)において前記空気調和機(2)の一日の負荷の経時的な前記予測値(D5)は、
    該当日の第1の所定時間内における外気不快指数の経時的な予測値(D1)と、
    該当日の第2の所定時間内における外気不快指数の一日の平均値の予測値(D3)と、
    該当日の第3の所定時間内の負荷の総量の予測値(D4)と
    に基づいて求められる、請求項記載の空気調和機の制御方法。
  4. 前記ステップ(a)において前記空気調和機(2)の一日の負荷の総量の予測値(D4)は、
    前記空気調和利用時間帯(TL)以外での所定の時刻における外気温度の実測値(D2)と
    前記外気不快指数の一日の平均値の予測値(D3)と
    に基づいて求められる、請求項記載の空気調和機の制御方法。
  5. 前記ステップ(a)において前記外気不快指数の一日の平均値の予測値(D3)は、前記外気不快指数の経時的な前記予測値(D1)に基づいて求められる、請求項記載の空気調和機の制御方法。
  6. (c)前記ステップ(b)の実行後であって、前記空気調和利用開始時刻(tkk)よりも後で前記ピークカット厳守期間開始時刻(tyk)よりも前の時刻(tx)において、
    前記時刻以後前記蓄熱利用完了予定時刻(tlw)までの前記負荷の前記予測値の総和(Ry(tx))が、前記時刻での前記蓄熱設備(202)での蓄熱の残留量(Rs(tx))よりも小さいかについての第2の判断(S31)を行い、
    前記第2の判断で否定的結果が得られた場合に、前記ピークカット厳守時間帯(TY)よりも早期(tz)において前記第1運転の採用を設定するステップ(S32)
    を更に備える、請求項記載の空気調和機の制御方法。
  7. 前記ステップ(c)において、前記ピークカット厳守期間開始時刻(tyk)まで連続する補助運転期間(TB(tx))での前記第1運転の採用が設定される、請求項記載の空気調和機の制御方法。
  8. 前記第2の判断(S31)は、前記時刻(tx)以後前記蓄熱利用完了予定時刻(tlw)までの前記負荷の前記予測値の総和(Ry(tx))が、前記時刻での前記蓄熱設備での蓄熱の残留量(Rs(tx))に所定時間分の前記圧縮機(201)の能力(THL)を加えた値以下であるかについての判断である、請求項記載の空気調和機の制御方法。
  9. 前記空気調和機(2)の負荷に換算した前記圧縮機(201)の最大能力(M)と、前記空気調和機の一日の負荷の前記経時的な予測値(Ly)とを比較して小さい方の値の、前記補助運転期間(TB(tx))における総和が、前記時刻(tx)における前記予測値の総和(Ry(tx))から前記時刻での前記蓄熱設備での蓄熱の前記残留量(Rs(tx))を差し引いたもの以上となる前記時刻を、前記補助運転期間の始期(tz)として設定する、請求項記載の空気調和機の制御方法。
  10. 前記補助運転期間(TB)の始期(tz)は、前記第2の判断(S31)が行われた時刻(tx)以後であり、
    (d)前記ステップ(c)の実行後に、前記第2の判断を再度行い、肯定的結果が得られた場合に、前記第1運転の採用の設定を取り消すステップ(S33)
    を更に備える、請求項記載の空気調和機の制御方法。
  11. (e)前記ステップ(c)の実行後に、再度前記第1の判断(S21)を行い、肯定的結果が得られた場合に、前記第1運転を停止するステップ(S23)
    を更に備える、請求項及び請求項10のいずれか一つに記載の空気調和機の制御方法。
  12. 前記ピークカット厳守期間終了時刻(tyw)よりも後で前記空気調和利用完了時刻(tkw)よりも前の時刻(tx)において、
    前記蓄熱設備(202)の温度(θ)が所定の温度(θ0)よりも高くなった時点で前記第1運転による前記空気調和動作を開始する、請求項1及び請求項のいずれか一つに記載の空気調和機の制御方法。
  13. 空気調和利用開始時刻(tkk)から、前記空気調和利用開始時刻(tkk)よりも後の空気調和利用完了時刻(tkw)に至る空気調和利用時間帯(TL)において、第1運転と第2運転とによって空気調和動作を行い、
    ピークカット厳守時間帯(TY)及びバッファ期間(Tz)における前記空気調和動作を前記第2運転のみに設定し、
    前記ピークカット厳守時間帯は、前記空気調和利用開始時刻よりも後で前記空気調和利用完了時刻よりも前に設定されるピークカット厳守期間開始時刻(tyk)で開始し、前記ピークカット厳守期間開始時刻よりも後で前記空気調和利用完了時刻よりも前に設定されるピークカット厳守期間終了時刻(tyw)で終了し、
    前記バッファ期間は、前記ピークカット厳守期間終了時刻で開始し、前記ピークカット厳守期間終了時刻よりも後で前記空気調和利用完了時刻よりも前に設定される終了時刻で終了し、
    前記終了時刻は、予め蓄熱利用完了予定時刻(t lw )に設定され、
    ピークカット厳守期間終了時刻迄に消費される蓄熱量が、前記蓄熱設備が蓄熱する満畜時の蓄熱量(R M )から前記バッファ期間において消費されると予測される蓄熱量(R y3 )を引いた値に達する場合、前記終了時刻は、蓄熱利用完了予定時刻よりも所定期間(τ 2 )前に再設定され
    前記空気調和動作を行う室内機(203)と、
    前記第1運転による前記空気調和動作を前記室内機に行わせる圧縮機(201)と、
    前記第2運転による前記空気調和動作を前記室内機に行わせる蓄熱設備(202)と
    を備える空気調和機(2)。
  14. (a)請求項13記載の空気調和機(2)と、
    (b)(b−1)前記空気調和利用時間帯(TL)における前記空気調和機の一日の負荷の経時的な予測値(Ly)を求める空調負荷予測部(101)と、
    (b−2)前記空気調和利用開始時刻(tkk)よりも後で前記ピークカット厳守期間開始時刻(tyk)よりも前の時刻(tx)において、
    前記時刻以後前記蓄熱利用完了予定時刻(tlw)までの前記負荷の前記予測値の総和(Ry(tx))が、前記時刻での前記蓄熱設備(202)での蓄熱の残留量(Rs(tx))以下であるかについての第1の判断(S21)を行い、
    前記第1の判断で肯定的結果を得たことを契機として、前記第2運転のみでの前記空気調和動作を設定する放熱運転計画作成部(102)と
    を有する負荷予測制御部(1)と
    を備える空気調和システム(100)。
  15. 前記第1の判断(S21)で肯定的結果を得たことを契機として、前記第2運転のみでの前記空気調和動作を実行した後であって、前記空気調和利用開始時刻(tkk)よりも後で前記ピークカット厳守期間開始時刻(tyk)よりも前の時刻(tx)において、
    前記時刻(tx)以後前記蓄熱利用完了予定時刻(tlw)までの前記負荷の前記予測値の総和(Ry(tx))が、前記時刻(tx)での前記蓄熱設備での蓄熱の残留量(Rs(tx))よりも小さいかについての第2の判断(S31)が行われ、
    前記第2の判断で否定的結果が得られた場合に、前記ピークカット厳守時間帯(TY)よりも早期(tz)において前記第1運転の採用が設定される、請求項14記載の空気調和システム(100)。
  16. 前記ピークカット厳守期間終了時刻(tyw)よりも後で前記空気調和利用完了時刻(tkw)よりも前の時刻(tx)において、
    前記蓄熱設備(202)の温度(θ)が所定の温度(θ0)よりも高くなった時点で前記第1運転による前記空気調和動作が開始される、請求項14に記載の空気調和システム(100)。
  17. 請求項1乃至請求項12のいずれか一つに記載の空気調和機の制御方法をコンピュータに実行させるプログラム。
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