JP7478017B2 - 蓄熱システム - Google Patents
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Description
所定の蓄熱時間帯において前記蓄熱用熱源部を作動させて当該蓄熱用熱源部の発生熱を前記蓄熱部に蓄熱させる蓄熱運転を実行すると共に、当該蓄熱時間帯以外の放熱時間帯において前記蓄熱部の蓄熱を前記放熱部から前記熱媒体に放熱させる放熱運転を実行する運転制御部を備えた蓄熱システムであって、
前記熱媒体が通流可能な温調用熱媒体流路に、前記熱媒体を温調可能な温調用熱源部と前記放熱部としての温調用放熱部とが直列配置され、
前記運転制御部が、前記放熱時間帯において、前記放熱運転として、前記温調用熱源部を作動させた状態で前記温調用熱媒体流路に熱媒体を通流させて前記温調用熱源部と前記温調用放熱部とで前記熱媒体を温調する通常放熱運転を実行すると共に、所定の特定時刻に前記蓄熱部の蓄熱残量が所定の第1蓄熱残量以上である場合には前記温調用熱源部を停止した状態で前記蓄熱部の蓄熱を前記放熱部から前記熱媒体に放熱させる優先放熱運転を実行し、
前記温調用熱媒体流路に対して並列状態で接続されて前記熱媒体が通流可能な優先放熱用熱媒体流路に、前記放熱部としての優先放熱用放熱部が配置され、
前記運転制御部が、前記優先放熱運転において、前記優先放熱用熱媒体流路に前記熱媒体を通流させて前記蓄熱部の蓄熱を前記優先放熱用放熱部から前記熱媒体に放熱させる点にある。
更に、放熱時間帯の特定時刻に蓄熱部の蓄熱残量が第1蓄熱残量以上であり、例えばそのまま通常放熱運転の実行が継続されると蓄熱時間帯になるまでの間に蓄熱部の蓄熱を有効に消費できずに無駄な蓄熱が残ってしまうと判断できる場合には、優先放熱運転が実行されて温調用熱源部が停止されることで、熱需要部へ供給される熱媒体が、優先的に放熱部の放熱で温調される。このことで、蓄熱時間帯になるまでの間に蓄熱部の蓄熱をできるだけ多く消費して無駄な蓄熱が残らないようにして、エネルギー効率を向上することができる。
従って、本発明により、夜間などの蓄熱時間帯において作動させた蓄熱用熱源部の発生熱を蓄熱部に蓄熱させる蓄熱運転を実行すると共に、昼間などの放熱時間帯において蓄熱部の蓄熱を放熱部から熱需要部へ供給される熱媒体に放熱させる放熱運転を実行する蓄熱システムにおいて、エネルギー効率を向上してランニングコストを軽減しながら、熱負荷が比較的高い熱需要部に対して十分な熱を適切且つ安定して供給できる技術を提供することができる。
所定の蓄熱時間帯において前記蓄熱用熱源部を作動させて当該蓄熱用熱源部の発生熱を前記蓄熱部に蓄熱させる蓄熱運転を実行すると共に、当該蓄熱時間帯以外の放熱時間帯において前記蓄熱部の蓄熱を前記放熱部から前記熱媒体に放熱させる放熱運転を実行する運転制御部を備えた蓄熱システムであって、
前記熱媒体が通流可能な温調用熱媒体流路に、前記熱媒体を温調可能な温調用熱源部と前記放熱部としての温調用放熱部とが直列配置され、
前記運転制御部が、前記放熱時間帯において、前記放熱運転として、前記温調用熱源部を作動させた状態で前記温調用熱媒体流路に熱媒体を通流させて前記温調用熱源部と前記温調用放熱部とで前記熱媒体を温調する通常放熱運転を実行すると共に、所定の特定時刻に前記蓄熱部の蓄熱残量が所定の第1蓄熱残量以上である場合には前記温調用熱源部を停止した状態で前記蓄熱部の蓄熱を前記放熱部から前記熱媒体に放熱させる優先放熱運転を実行し、
前記運転制御部が、前記放熱時間帯において、前記優先放熱運転を実行して前記蓄熱部の蓄熱残量が前記第1蓄熱残量よりも少ない所定の第2蓄熱残量以下となった場合には、前記温調用熱源部を作動させた状態で前記温調用熱媒体流路に熱媒体を通流させて前記温調用熱源部で前記熱媒体を温調する熱源部温調運転を実行する点にある。
更に、放熱時間帯の特定時刻に蓄熱部の蓄熱残量が第1蓄熱残量以上であり、例えばそのまま通常放熱運転の実行が継続されると蓄熱時間帯になるまでの間に蓄熱部の蓄熱を有効に消費できずに無駄な蓄熱が残ってしまうと判断できる場合には、優先放熱運転が実行されて温調用熱源部が停止されることで、熱需要部へ供給される熱媒体が、優先的に放熱部の放熱で温調される。このことで、蓄熱時間帯になるまでの間に蓄熱部の蓄熱をできるだけ多く消費して無駄な蓄熱が残らないようにして、エネルギー効率を向上することができる。
従って、本発明により、夜間などの蓄熱時間帯において作動させた蓄熱用熱源部の発生熱を蓄熱部に蓄熱させる蓄熱運転を実行すると共に、昼間などの放熱時間帯において蓄熱部の蓄熱を放熱部から熱需要部へ供給される熱媒体に放熱させる放熱運転を実行する蓄熱システムにおいて、エネルギー効率を向上してランニングコストを軽減しながら、熱負荷が比較的高い熱需要部に対して十分な熱を適切且つ安定して供給できる技術を提供することができる。
また、本構成によれば、放熱時間帯において優先放熱運転の実行により蓄熱部の蓄熱残量が第2蓄熱残量以下となり、例えば熱需要部での熱負荷が比較的低くなる蓄熱時間帯になる前のタイミングで蓄熱部の蓄熱の略全てが消費されたと判断できる場合には、熱源部温調運転が実行されることで、温調用熱媒体流路を通流して熱需要部に供給される熱媒体が温調用熱源部で温調される。このことで、蓄熱部の蓄熱の略全てが優先放熱運転の実行により消費されてから蓄熱時間帯になるまでの時間帯に、熱負荷が比較的低くなった熱需要部に対して継続的に十分な熱を供給することができる。
所定の蓄熱時間帯において前記蓄熱用熱源部を作動させて当該蓄熱用熱源部の発生熱を前記蓄熱部に蓄熱させる蓄熱運転を実行すると共に、当該蓄熱時間帯以外の放熱時間帯において前記蓄熱部の蓄熱を前記放熱部から前記熱媒体に放熱させる放熱運転を実行する運転制御部を備えた蓄熱システムであって、
前記熱媒体が通流可能な温調用熱媒体流路に、前記熱媒体を温調可能な温調用熱源部と前記放熱部としての温調用放熱部とが直列配置され、
前記運転制御部が、前記放熱時間帯において、前記放熱運転として、前記温調用熱源部を作動させた状態で前記温調用熱媒体流路に熱媒体を通流させて前記温調用熱源部と前記温調用放熱部とで前記熱媒体を温調する通常放熱運転を実行すると共に、所定の特定時刻に前記蓄熱部の蓄熱残量が所定の第1蓄熱残量以上である場合には前記温調用熱源部を停止した状態で前記蓄熱部の蓄熱を前記放熱部から前記熱媒体に放熱させる優先放熱運転を実行し、
前記運転制御部が、前記放熱時間帯において、前記特定時刻よりも前に前記蓄熱部の蓄熱残量が前記第1蓄熱残量よりも少ない所定の第2蓄熱残量以下となった場合には、前記蓄熱用熱源部を作動させて当該蓄熱用熱源部の発生熱を前記蓄熱部に蓄熱させながら前記蓄熱部の蓄熱を前記放熱部から前記熱媒体に放熱させる蓄放熱運転を実行すると共に、前記特定時刻以降は当該蓄放熱運転の実行を禁止する点にある。
更に、放熱時間帯の特定時刻に蓄熱部の蓄熱残量が第1蓄熱残量以上であり、例えばそのまま通常放熱運転の実行が継続されると蓄熱時間帯になるまでの間に蓄熱部の蓄熱を有効に消費できずに無駄な蓄熱が残ってしまうと判断できる場合には、優先放熱運転が実行されて温調用熱源部が停止されることで、熱需要部へ供給される熱媒体が、優先的に放熱部の放熱で温調される。このことで、蓄熱時間帯になるまでの間に蓄熱部の蓄熱をできるだけ多く消費して無駄な蓄熱が残らないようにして、エネルギー効率を向上することができる。
従って、本発明により、夜間などの蓄熱時間帯において作動させた蓄熱用熱源部の発生熱を蓄熱部に蓄熱させる蓄熱運転を実行すると共に、昼間などの放熱時間帯において蓄熱部の蓄熱を放熱部から熱需要部へ供給される熱媒体に放熱させる放熱運転を実行する蓄熱システムにおいて、エネルギー効率を向上してランニングコストを軽減しながら、熱負荷が比較的高い熱需要部に対して十分な熱を適切且つ安定して供給できる技術を提供することができる。
また、本構成によれば、放熱時間帯において優先放熱運転が適時実行される特定時刻よりも前に蓄熱部の蓄熱残量が第2蓄熱残量以下となり、例えば熱需要部での熱負荷が比較的高いタイミングで蓄熱部の蓄熱の略全てが消費されたと判断できる場合には、蓄熱用熱源部から蓄熱部への蓄熱と蓄熱部から熱媒体への放熱とを同時に行う蓄放熱運転が実行される。このことで、蓄熱部の蓄熱の略全てが消費された場合でも、熱負荷が比較的高い熱需要部に対して継続的に十分な熱を供給することができる。また、放熱時間帯の特定時刻以降においては、蓄熱部の蓄熱残量が第2蓄熱残量以下となった場合であっても蓄放熱運転の実行が禁止されるので、蓄熱時間帯になる前における蓄熱部への無駄な蓄熱を回避することでエネルギー効率の向上を図ることができる。
本実施形態の蓄熱システム(本蓄熱システム)は、詳細については後述するが、図1に示すように、氷蓄熱槽20(蓄熱部の一例)と、その氷蓄熱槽20に蓄熱される冷熱を発生可能な蓄熱用冷凍機50(蓄熱用熱源部の一例)と、氷蓄熱槽20に蓄熱された冷熱を空調装置2(熱需要部の一例)に供給される冷水W(熱媒体の一例)に放出可能な熱交換器45,47(放熱部の一例)と、を備えた氷蓄熱システムとして構成されている。そして、本蓄熱システムの運転を制御する運転制御装置60(運転制御部の一例)は、詳細については後述するが、夜間などの所定の蓄熱時間帯(例えば22:00~8:00)において蓄熱用冷凍機50を作動させて当該蓄熱用冷凍機50が発生した冷熱を氷蓄熱槽20に蓄熱させる蓄熱運転を実行すると共に、当該蓄熱時間帯以外の昼間などの放熱時間帯(例えば8:00~22:00)において氷蓄熱槽20に蓄熱された冷熱を熱交換器45,47から冷水Wに放熱させる放熱運転を実行する。
尚、蓄熱用冷凍機50としては、あらゆる形式の冷凍機を利用可能であるが、例えば、遠心式ターボコンプレッサで冷媒ガスを圧縮する圧縮式冷凍回路を採用したターボ冷凍機を好適に採用することができる。
また、運転制御装置60は、例えば冷水Wの戻り温度や循環流量等の計測結果に基づいて空調装置2の空調負荷(熱負荷)を判定可能に構成されており、例えば氷蓄熱槽20の槽内温度や水位等の計測結果に基づいて氷蓄熱槽20の残氷量を蓄熱残量として判定可能に構成されている。
空調装置2との間で冷水Wを循環させる冷水循環経路では、冷却後の冷水Wを複数の空調装置2に対して分流させる冷水往ヘッダ10と、複数の空調装置2から還流されてきた冷水Wを合流させる冷水還ヘッダ11とが設けられている。
これら冷水往ヘッダ10と冷水還ヘッダ11との間には、複数の温調用冷水流路12(温調用熱媒体流路の一例)の夫々と、優先放熱用冷水流路15(優先放熱用熱媒体流路の一例)とが、互いに並列状態で接続されている。
そして、運転制御装置60は、空調装置2の空調負荷(熱負荷)に基づいて複数の温調用冷凍機51のうちの作動台数を決定し、当該決定した作動台数分の温調用冷凍機51を作動させる台数制御を実行するように構成されている。
尚、温調用冷凍機51としては、あらゆる形式の冷凍機を利用可能であるが、例えば、空気や井戸水を熱源として冷熱を発生する圧縮式或いは吸収式の冷凍機を好適に採用することができる。
尚、優先放熱用熱交換器47の放熱容量(放熱可能な熱量)は、夫々の温調用熱交換器45の放熱容量よりも十分に大きいものとされており、例えば全ての温調用熱交換器45の合計放熱容量に略相当するものとされている。
氷蓄熱槽20との間でブラインBを循環させるブライン循環経路では、ブライン流出部20Aを通じて氷蓄熱槽20から流出するブラインBが通流する第1ブライン流路21と、ブライン流入部20Bを通じて氷蓄熱槽20に流入するブラインBが通流する第2ブライン流路22とが設けられている。また、第2ブライン流路22における氷蓄熱槽20のブライン流入部20B近傍の流路部分22Aには、当該ブライン流入部20Bに向けてブラインBを送水可能なブラインポンプ23と、当該流路部分22AでのブラインBの通流を断続可能な開閉制御弁24とが配置されており、これらブラインポンプ23及び開閉制御弁24は運転制御装置60により作動制御される。
これら第1ブライン流路21と第2ブライン流路22との間には、バイパスブライン流路26と、複数の温調用ブライン流路29の夫々と、優先放熱用ブライン流路32とが、互いに並列状態で接続されている。
また、夫々の温調用冷水流路12には、上述した温調用熱交換器45が配置されている。
また、優先放熱用ブライン流路32には、上述した優先放熱用熱交換器47が配置されている。
第1蓄熱用ブライン流路35には、第2ブライン流路22側から蓄熱用冷凍機50に向けてブラインBを送水可能なブラインポンプ36と、当該ブライン流路35でのブラインBの通流を断続可能な開閉制御弁37とが配置されており、これらブラインポンプ36及び開閉制御弁37は運転制御装置60により作動制御される。
第2蓄熱用ブライン流路39には、当該ブライン流路39でのブラインBの通流を断続可能な開閉制御弁40が配置されており、一方、第3蓄熱用ブライン流路42には、当該ブライン流路42でのブラインBの通流を断続可能な開閉制御弁43が配置されており、これら開閉制御弁40,43の夫々は運転制御装置60により作動制御される。
運転制御装置60により実行される蓄熱運転の運転状態を図1に示す。
蓄熱運転は、その実行を判断するための制御フローの詳細については後述するが、蓄熱用冷凍機50を作動させて当該蓄熱用冷凍機50が発生した冷熱を前記氷蓄熱槽20に蓄熱させる運転である。
すると、ブライン循環経路では、蓄熱用冷凍機50で氷点下の所定の蓄熱用温度(例えば-5℃)に冷却されたブラインBが、第1蓄熱用ブライン流路35、及び第3蓄熱用ブライン流路42を順に通流して、ブライン流入部20Bから氷蓄熱槽20に流入する。そして、氷蓄熱槽20では、ブラインBとの熱交換により内部の貯留水が冷却されて凍る形態で冷熱が蓄熱される。氷蓄熱槽20のブライン流出部20Aから流出したブラインBは、第1ブライン流路21、バイパスブライン流路26、第2ブライン流路22、第1蓄熱用ブライン流路35を順に通流して蓄熱用冷凍機50に戻される。
つまり、蓄熱運転では、蓄熱用冷凍機50が発生した冷熱が氷蓄熱槽20に蓄熱されることになる。
すると、冷水循環経路では、空調装置2との間で循環する冷水Wが、作動中の温調用冷凍機51が配置された温調用冷水流路12を通流することで、当該温調用冷凍機51により所定の第1温調用温度に冷却される。
つまり、蓄熱運転では、温調用冷凍機51により所定の第1温調用温度(例えば7℃)に冷却された冷水Wが空調装置2に供給されることになる。
このとき、温調用ブライン流路29では開閉制御弁30が閉鎖されてブラインBの通流が停止されていることから、温調用冷水流路12を通流して温調用冷凍機51で第1温調温度に冷却された冷水Wは、温調用熱交換器45を通流する際に冷却されることなく、そのまま空調装置2に供給される。
運転制御装置60により実行される通常放熱運転の運転状態を図2に示す。
通常放熱運転は、その実行を判断するための制御フローの詳細については後述するが、温調用冷凍機51を作動させた状態で温調用冷水流路12に冷水Wを通流させて温調用冷凍機51と温調用熱交換器45とで冷水Wを冷却する形態で、氷蓄熱槽20に蓄熱された冷熱を温調用熱交換器45から冷水Wに放熱させる放熱運転である。
すると、ブライン循環経路では、氷蓄熱槽20で蓄熱により所定の蓄熱温度(例えば2℃)に冷却されてブライン流出部20Aから流出したブラインBが、第1ブライン流路21から温調用ブライン流路29に流入し、当該温調用ブライン流路29に配置された温調用熱交換器45を通流した後に、第2ブライン流路22からブライン流入部20Bを通じて氷蓄熱槽20に戻される。同時に、冷水循環経路では、空調装置2との間で循環する冷水Wが、温調用冷水流路12を通流することで、当該温調用冷水流路12に設けられた温調用冷凍機51で第1温調用温度に冷却され、更に温調用熱交換器45でブラインBとの熱交換により上記第1温調用温度よりも低い所定の第2温温調温度に冷却される。
つまり、この通常放熱運転では、温調用冷凍機51で発生される冷熱と温調用熱交換器45で放熱される氷蓄熱槽20の冷熱との両方で、空調装置2との間で循環される冷水Wが比較的低めの第2温調用温度(例えば5℃)に冷却されることになる。
運転制御装置60により実行される優先放熱運転の運転状態を図3に示す。
優先放熱運転は、その実行を判断するための制御フローの詳細については後述するが、温調用冷凍機51を停止した状態で氷蓄熱槽20の蓄熱を熱交換器47から冷水Wに放熱させる放熱運転である。
すると、ブライン循環経路では、氷蓄熱槽20で蓄熱により所定の蓄熱温度(例えば2℃)に冷却されてブライン流出部20Aから流出したブラインBが、第1ブライン流路21から優先放熱用ブライン流路32に流入し、当該優先放熱用ブライン流路32に配置された優先放熱用熱交換器47を通流した後に、第2ブライン流路22からブライン流入部20Bを通じて氷蓄熱槽20に戻される。同時に、冷水循環経路では、空調装置2との間で循環する冷水Wが、優先放熱用冷水流路15を通流することで、当該優先放熱用冷水流路15に設けられた優先放熱用熱交換器47でブラインBとの熱交換により所定の第2温温調温度に冷却される。
つまり、この優先放熱運転では、優先放熱用熱交換器47で放熱される氷蓄熱槽20の冷熱のみで、空調装置2との間で循環される冷水Wが比較的低めの第2温調用温度(例えば5℃)に冷却されることになる。
運転制御装置60により実行される熱源部温調運転の運転状態を図4に示す。
熱源部温調運転は、その実行を判断するための制御フローの詳細については後述するが、温調用冷凍機51を作動させた状態で温調用冷水流路12に冷水Wを通流させて温調用冷凍機51で冷水Wを冷却する運転である。
すると、ブライン循環経路では、氷蓄熱槽20に対するブラインBの循環が停止される。同時に、冷水循環経路では、空調装置2との間で循環する冷水Wが、温調用冷水流路12を通流することで、当該温調用冷水流路12に設けられた温調用冷凍機51で第1温調用温度に冷却される。
つまり、この通常放熱運転では、温調用冷凍機51により所定の第1温調用温度(例えば7℃)に冷却された冷水Wが空調装置2に供給されることになる。
このとき、温調用ブライン流路29では開閉制御弁30が閉鎖されてブラインBの通流が停止されていることから、温調用冷水流路12を通流して温調用冷凍機51で第1温調温度に冷却された冷水Wは、温調用熱交換器45を通流する際に冷却されることなく、そのまま空調装置2に供給される。
運転制御装置60により実行される蓄放熱運転の運転状態を図5に示す。
蓄放熱運転は、その実行を判断するための制御フローの詳細については後述するが、蓄熱用冷凍機50を作動させて当該蓄熱用冷凍機50が発生した冷熱を氷蓄熱槽20に蓄熱させながら氷蓄熱槽20に蓄熱された冷熱を温調用熱交換器45から冷水Wに放熱させる運転である。
すると、ブライン循環経路では、氷蓄熱槽20で蓄熱により所定の蓄熱温度(例えば2℃)に冷却されてブライン流出部20Aから流出したブラインBが、第1ブライン流路21で、蓄熱用冷凍機50で氷点下の所定の蓄熱用温度(例えば-5℃)に冷却されたブラインBと合流する。そして、その合流後の非常に低温のブラインBが、第1ブライン流路21から温調用ブライン流路29に流入し、当該温調用ブライン流路29に配置された温調用熱交換器45を通流した後に、第2ブライン流路22からブライン流入部20Bを通じて氷蓄熱槽20に戻される。同時に、冷水循環経路では、空調装置2との間で循環する冷水Wが、温調用冷水流路12を通流することで、当該温調用冷水流路12に設けられた温調用冷凍機51で第1温調用温度に冷却され、更に温調用熱交換器45でブラインBとの熱交換により上記第1温調用温度よりも低い所定の第2温温調温度に冷却される。また、温調用熱交換器45を通過した後のブラインBには冷熱が余った状態となっているため、その冷熱が氷蓄熱槽20に蓄熱されることになる。
つまり、この蓄放熱運転では、蓄熱用冷凍機50が発生した冷熱が氷蓄熱槽20に蓄熱されながら、温調用冷凍機51で発生される冷熱と温調用熱交換器45で放熱される氷蓄熱槽20の冷熱とで、空調装置2との間で循環される冷水Wが比較的低めの第2温調用温度(例えば5℃)に冷却されることになる。
運転制御装置60により実行される増強放熱運転の運転状態を図6に示す。
増強放熱運転は、その実行を判断するための制御フローの詳細については後述するが、優先放熱用冷水流路15に冷水Wを通流させて氷蓄熱槽20に蓄熱された冷熱を優先放熱用熱交換器47から冷水Wに放熱させながら温調用冷凍機51を作動させた状態で温調用冷水流路12に冷水Wを通流させて温調用冷凍機51と温調用熱交換器45とで前記冷水Wを冷却する運転である。
すると、ブライン循環経路では、氷蓄熱槽20で蓄熱により所定の蓄熱温度(例えば2℃)に冷却されてブライン流出部20Aから流出したブラインBが、第1ブライン流路21で、蓄熱用冷凍機50で氷点下の所定の蓄熱用温度(例えば-5℃)に冷却されたブラインBと合流する。そして、その合流後のブラインBが、第1ブライン流路21から温調用ブライン流路29及び優先放熱用ブライン流路32に流入し、当該温調用ブライン流路29に配置された温調用熱交換器45及び当該優先放熱用ブライン流路32に配置された優先放熱用熱交換器47を通流した後に、第2ブライン流路22からブライン流入部20Bを通じて氷蓄熱槽20に戻される。同時に、冷水循環経路では、空調装置2との間で循環する冷水Wが、温調用冷水流路12及び優先放熱用冷水流路15を通流する。そして、温調用冷水流路12を通流する冷水Wは、当該温調用冷水流路12に設けられた温調用冷凍機51で冷却され、更に温調用熱交換器45でブラインBとの熱交換により冷却される。一方、優先放熱用冷水流路15を通流する冷水Wは、当該優先放熱用冷水流路15に設けられた優先放熱用熱交換器47でブラインBとの熱交換により冷却される。
つまり、この増強放熱運転では、温調用冷凍機51で発生される冷熱と温調用熱交換器45及び優先放熱用熱交換器47で放熱される氷蓄熱槽20の冷熱とで、空調装置2との間で循環される冷水Wが比較的低めの第2温調用温度(例えば5℃)に冷却されることになる。
図7を参照して、蓄熱時間帯における制御フローの詳細について説明する。
本実施形態において、蓄熱時間帯は、電力料金が割安となる夜間の時間帯であって、例えば22:00~8:00の時間帯とされている。そして、この制御フローは、蓄熱時間帯が終了(ステップ#14のyes)するまでの間繰り返し実行される。
蓄熱時間帯の制御フローでは、上述した熱源部温調運転が実行(ステップ#11)されて、空調負荷(熱負荷)が比較的低い空調装置2に対して、温調用冷凍機51のみで冷却された比較的高めの第1温調用温度(例えば7℃)の冷水Wが供給される。
同時に、氷蓄熱槽20の蓄熱残量が最大蓄熱残量Amaxに到達する(ステップ#12のyes)までの間は、上述した蓄熱運転が実行されて(ステップ#13)、蓄熱用冷凍機50が発生した冷熱が氷蓄熱槽20に蓄熱される。
即ち、蓄熱時間帯では、氷蓄熱槽20への冷熱の蓄熱を割安な電力を用いて積極的に行いながら、空調装置2の比較的小さい空調負荷を割安な電力で作動する温調用冷凍機51が発生した冷熱のみで賄うことができる。
図8を参照して、放熱時間帯における制御フローの詳細について説明する。
本実施形態において、放熱時間帯は、空調装置2の空調負荷が比較的高めとなる昼間などの上記蓄熱時間帯以外の時間帯であって、例えば8:00~22:00とされている。そして、この制御フローは、放熱時間帯が終了(ステップ#41のyes)するまでの間繰り返し実行される。
放熱時間帯のフローでは、先ず、特定時刻(例えば18:00)以降か否かが判定され(ステップ#21)、当該ステップ#21にて特定時刻以降であると判定(ステップ#21のyes)された場合には、当該特定時刻における氷蓄熱槽20の蓄熱残量が所定の第1蓄熱残量A1以上であるか否かが判定される(ステップ#31)。
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
12 温調用冷水流路(温調用熱媒体流路)
15 優先放熱用冷水流路(優先放熱用熱媒体流路)
20 氷蓄熱槽(蓄熱部)
45 温調用熱交換器(放熱部、温調用放熱部)
47 優先放熱用熱交換器(放熱部、優先放熱用放熱部)
50 蓄熱用冷凍機(蓄熱用熱源部)
51 温調用冷凍機(温調用熱源部)
60 運転制御装置(運転制御部)
A1 第1蓄熱残量
A2 第2蓄熱残量
B ブライン
W 冷水(熱媒体)
Claims (5)
- 蓄熱部と、前記蓄熱部に蓄熱される熱を発生可能な蓄熱用熱源部と、前記蓄熱部の蓄熱を熱需要部に供給される熱媒体に放出可能な放熱部と、を備え、
所定の蓄熱時間帯において前記蓄熱用熱源部を作動させて当該蓄熱用熱源部の発生熱を前記蓄熱部に蓄熱させる蓄熱運転を実行すると共に、当該蓄熱時間帯以外の放熱時間帯において前記蓄熱部の蓄熱を前記放熱部から前記熱媒体に放熱させる放熱運転を実行する運転制御部を備えた蓄熱システムであって、
前記熱媒体が通流可能な温調用熱媒体流路に、前記熱媒体を温調可能な温調用熱源部と前記放熱部としての温調用放熱部とが直列配置され、
前記運転制御部が、前記放熱時間帯において、前記放熱運転として、前記温調用熱源部を作動させた状態で前記温調用熱媒体流路に熱媒体を通流させて前記温調用熱源部と前記温調用放熱部とで前記熱媒体を温調する通常放熱運転を実行すると共に、所定の特定時刻に前記蓄熱部の蓄熱残量が所定の第1蓄熱残量以上である場合には前記温調用熱源部を停止した状態で前記蓄熱部の蓄熱を前記放熱部から前記熱媒体に放熱させる優先放熱運転を実行し、
前記温調用熱媒体流路に対して並列状態で接続されて前記熱媒体が通流可能な優先放熱用熱媒体流路に、前記放熱部としての優先放熱用放熱部が配置され、
前記運転制御部が、前記優先放熱運転において、前記優先放熱用熱媒体流路に前記熱媒体を通流させて前記蓄熱部の蓄熱を前記優先放熱用放熱部から前記熱媒体に放熱させる蓄熱システム。 - 前記優先放熱用放熱部は、前記温調用放熱部よりも大きい放熱容量を有している請求項1に記載の蓄熱システム。
- 前記運転制御部が、前記放熱時間帯において、前記熱需要部での熱負荷が高負荷域にある場合には、前記優先放熱用熱媒体流路に前記熱媒体を通流させて前記蓄熱部の蓄熱を前記優先放熱用放熱部から前記熱媒体に放熱させながら前記温調用熱源部を作動させた状態で前記温調用熱媒体流路に熱媒体を通流させて前記温調用熱源部と前記温調用放熱部とで前記熱媒体を温調する増強放熱運転を実行する請求項1又は2に記載の蓄熱システム。
- 蓄熱部と、前記蓄熱部に蓄熱される熱を発生可能な蓄熱用熱源部と、前記蓄熱部の蓄熱を熱需要部に供給される熱媒体に放出可能な放熱部と、を備え、
所定の蓄熱時間帯において前記蓄熱用熱源部を作動させて当該蓄熱用熱源部の発生熱を前記蓄熱部に蓄熱させる蓄熱運転を実行すると共に、当該蓄熱時間帯以外の放熱時間帯において前記蓄熱部の蓄熱を前記放熱部から前記熱媒体に放熱させる放熱運転を実行する運転制御部を備えた蓄熱システムであって、
前記熱媒体が通流可能な温調用熱媒体流路に、前記熱媒体を温調可能な温調用熱源部と前記放熱部としての温調用放熱部とが直列配置され、
前記運転制御部が、前記放熱時間帯において、前記放熱運転として、前記温調用熱源部を作動させた状態で前記温調用熱媒体流路に熱媒体を通流させて前記温調用熱源部と前記温調用放熱部とで前記熱媒体を温調する通常放熱運転を実行すると共に、所定の特定時刻に前記蓄熱部の蓄熱残量が所定の第1蓄熱残量以上である場合には前記温調用熱源部を停止した状態で前記蓄熱部の蓄熱を前記放熱部から前記熱媒体に放熱させる優先放熱運転を実行し、
前記運転制御部が、前記放熱時間帯において、前記優先放熱運転を実行して前記蓄熱部の蓄熱残量が前記第1蓄熱残量よりも少ない所定の第2蓄熱残量以下となった場合には、前記温調用熱源部を作動させた状態で前記温調用熱媒体流路に熱媒体を通流させて前記温調用熱源部で前記熱媒体を温調する熱源部温調運転を実行する蓄熱システム。 - 蓄熱部と、前記蓄熱部に蓄熱される熱を発生可能な蓄熱用熱源部と、前記蓄熱部の蓄熱を熱需要部に供給される熱媒体に放出可能な放熱部と、を備え、
所定の蓄熱時間帯において前記蓄熱用熱源部を作動させて当該蓄熱用熱源部の発生熱を前記蓄熱部に蓄熱させる蓄熱運転を実行すると共に、当該蓄熱時間帯以外の放熱時間帯において前記蓄熱部の蓄熱を前記放熱部から前記熱媒体に放熱させる放熱運転を実行する運転制御部を備えた蓄熱システムであって、
前記熱媒体が通流可能な温調用熱媒体流路に、前記熱媒体を温調可能な温調用熱源部と前記放熱部としての温調用放熱部とが直列配置され、
前記運転制御部が、前記放熱時間帯において、前記放熱運転として、前記温調用熱源部を作動させた状態で前記温調用熱媒体流路に熱媒体を通流させて前記温調用熱源部と前記温調用放熱部とで前記熱媒体を温調する通常放熱運転を実行すると共に、所定の特定時刻に前記蓄熱部の蓄熱残量が所定の第1蓄熱残量以上である場合には前記温調用熱源部を停止した状態で前記蓄熱部の蓄熱を前記放熱部から前記熱媒体に放熱させる優先放熱運転を実行し、
前記運転制御部が、前記放熱時間帯において、前記特定時刻よりも前に前記蓄熱部の蓄熱残量が前記第1蓄熱残量よりも少ない所定の第2蓄熱残量以下となった場合には、前記蓄熱用熱源部を作動させて当該蓄熱用熱源部の発生熱を前記蓄熱部に蓄熱させながら前記蓄熱部の蓄熱を前記放熱部から前記熱媒体に放熱させる蓄放熱運転を実行すると共に、前記特定時刻以降は当該蓄放熱運転の実行を禁止する蓄熱システム。
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