JP3689888B2 - 卵黄より選択的にlgYおよびlgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法 - Google Patents
卵黄より選択的にlgYおよびlgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法 Download PDFInfo
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Description
本発明の背景1
本発明の分野本発明は、迅速な卵黄の分離及び浄化方法、特に鳥類(以下エビアン)の卵黄からのlgY(ΔFc)抗体の分離及び浄化方法、そして結果として得られる卵黄抗体に関するものである。より具体的に言うと、本発明は、不溶解性−非充填吸収体を使用し、水相と脂質相の好適な分離を目的とする吸収クロマトグラフィ法、そして卵黄抗体を微分沈殿させる塩析方法による、エビアン卵黄の卵黄抗体分離及び浄化方法に関するものである。また、本発明は、前記卵黄抗体の量的又は質的な免疫分析への使用、または関連する病因物質向けの薬剤成分の調合に使用することにも関連する。
【0002】
2 従来技術の説明
抗体は、多くの生物学的研究及び臨床外用薬品に幅広く使用されている。過度に免疫化された哺乳類から得た血しょう(Sera)は、ポリクロン抗体の最も一般的なソースである。そのような免疫血しょうから得た抗体は、「免疫グロブリン」と言う蛋白質のグループに属し、中でも免疫グロブリンG(lgG)は最多量ある。lgG分子は、二つのFab領域と一つのFc領域の三つドメインから成る。Fab部分は、主に抗原結合に関係している。Fc部分は抗原と結合する能力を持たないものの、補体修理やFc受容器官結合などという幾つかの生物学的活動を管理する役目をする。
【0003】
免疫診断の分野において、完全なlgG分子は、哺乳類から得た血しょうを含む検出システムと免疫検定に使用するのに好適ではない。lgG分子のFc領域は、Fc受容器官との結合能力があり、哺体システムを活性化し、哺乳類から得た血しょうにおけるリューマチ因子に反応するからである。lgG分子のFc領域の除去は、頻繁に障害となる要因の減少に導くこととなる。(E.Lamoyi,Methods in Enzymology 121:652−663(1986年))。
【0004】
免疫治療学において幾つか提案される抗体の使用は、細菌毒素中毒又は蛇毒液に侵された患者の治療(例えば米国特許第5,340,923及び5,601,823を参照)、そして子豚新生児には致命的な腸のコライバシローシス(colibacillosis)からの保護(例えばH.Brussow et al., J. Clin. Microbiol. 25:982 (1987)及びC.O.Tacket et al., New Eng. J. Med. 318:1240 (1998年)を参照)を含む。抗体分子のFc領域は、免疫グロブリンの最抗原部分として知られ(E.M.Akita et al., J. Immunol. Methods. 162:155−164(1993年))、Fc領域分裂の結果、F(ab’)2フラグメントが形成される。そのF(ab’)2形成は、免疫グロブリンのアレルギ起因に成り得るサイトの数をかなり減少させ、よって免疫グロブリンを与えられた人間又は動物に有益となる。
【0005】
最近、二価染色体のF(ab’)2抗体フラグメントは、免疫診断学テストにおいてより有効性があり(M.Muratsugu et al., J. Colloid Interface Sci 147:378 (1991年);及びJ.L.Ortega−Vinuesa et al., J.Immunol Methods 90:29 (1996年)、そして哺乳類血しょうを含む免疫分析物の発生に、母体lgGより適していると証明されている。
【0006】
しかしF(ab’)2抗体フラグメントは、予想に反して臨床免疫診断セットに幅広く使用されていない。これは商業的にlgGのペプシン消化とそれに続くクロマトグラフィ法による浄化から造られ、F(ab’)2フラグメントの大生産の難しさと費用的効果の無さに起因すると思われる。
【0007】
カモと、カモの系統発生論的に近似系統にある類と、例えばカメのような爬虫類とは、三種類の血しょう免疫グロブリンを有する。それら三種とは、高分子免疫グロブリンlgM(カモの800kDa)と夫々の沈降係数7.8S(カモの180kDA)と5.7S(カモの130kDA)を有した少量の分子量の二つのアイソフォームである。(E.R.Unanue et al. J.Exp.Med. 121:697−714(1965年);H.M.Grey, J. Immunol 98:811−819(1967年);B.Zimmerman et al., Biochemistry 10:482−448(1971)。エビアンlgGは、卵黄に存在するため度々lgYと呼ばれる。5.7S lgYは、短重チェーンから組成され、構成上そして抗原形成上7.8S lgY(図1)のF(ab’)2フラグメントに似ている。そしてこの事実はlgY(7.8S lgYと同量)とlgY(ΔFc)(5.7S lgYと同量)の学名が、lgYのアイソフォームを象徴する事につながる(K.E.Magor et al., J. Immunol. 149:2627−2633(1992年))。
【0008】
感染した鳥または実験用に免疫化された鳥の研究においては、カモの抗体は、抗原に対応する結合活動を犠牲せず、補体結合とFcレセプタ結合を含めて、生物学的効果機能に数的に欠けていると証明された。(G.W.Litman et al., Immunochemistry 10:323 (1973年);T.E.Toth et al., Avian Dis. 25:17−28(1981年))。カモの抗体反応の質的な主要成分であるlgY(ΔFc)抗体のFc−同等領域の明らかな不足に起因するものである。
【0009】
それゆえ、F(ab’)2フラグメントの形態的かつ機能的類似体のようなlgY(ΔFc)抗体は、抗体を生産する約束された方法が見つかり、抗体の活動に適した物質的必要条件が認識できれば、免疫学的使用において多大な利益となると思われる。
【0010】
エビアン卵黄抗体は、リサーチと哺乳類の抗体と同様の臨床に有効な特性を開示するとレポートされている(例えば、米国特許第5,340,923,5,585,098,5,601,823,5,976,519を参照)。産卵鶏より取ることが出来る卵黄は、過度に免疫化された哺乳類血しょうに比べて安価で、より便利で、取り扱いが安全である。より重要なことに、卵黄抗体は、現代の動物保護規定の厳密な試験に耐え得るものである(A.Polson et al., Immunol. Commun. 9:475 (1980年);とB.Gottstein et al.)。これらの事実は、卵黄を抗体の市販用ソースとして使用する可能性を提案する事実である。しかし、脂肪酸、コレステロール、レシチンのような卵黄の脂質濃い物質は、卵黄抗体の分離を面倒で困難な作業にする。この点については、様々な努力がされた。例えば、細菌培養基、ぺクチン(1989年2月8日に発行された特開昭64−38098号)、デキストラン硫酸塩(J.C.Jensenius et al., J. Immunol. Methods 46:63 (1981年))、天然ゴム(H.Hatta et al., J. Food Science 53:425 (1988年))、そしてポリエチレン・グリコール(PEG)(A.Polson et al., Immunol. Invest. 14:323(1985年);A.Polsonの所有する米国特許第4,550,019も参照)などを含む水で溶解可能な沈殿剤は、主に脂質と卵黄小胞子の非水性バイオ分子(bio−molecules)を沈殿させ、それにより、卵黄抗体が豊富な水で溶解可能な相を収穫する。A.Hassl et alは、疎水性相互作用クロマトグラフィとゲルろ過クロマトグラフィを含む2ステップ・クロマトグラフィを、更にPEG−浄化分留から卵黄抗体を分離するために開発した(A.Hassl and H.Aspock, J. Immunol. Methods 100:225 (1988年))。
【0011】
Akita et al.は、卵黄を多量の水で希薄して結果的上澄み液をゲルろ過クロマトグラフィ及び、又はイオン交換クロマトグラフィさせ、卵黄抗体を鳥の卵から抽出するlgY分離の改良方法を説明した。(E.M.Akitaet al., J. Immunol. Methods. 160:207 (1993年);と E.M.Akita and S.Nakai, J. Food Sci. 57:629 (1993))。
【0012】
しかし、これら全ての研究と特許は、lgY(ΔFc)抗体の浄化のみというよりもエビアン卵からの(少なくともlgYとzlgY(ΔFc)を含む)卵黄抗体の全集団の分離に集中している。更にlgY(ΔFc)抗体は、カモ、ガチョウを含むガンカモ科(Order Anseriformes)所属の鳥にのみ存在し、ガンカモ科鳥の卵黄の脂質量は鶏や七面鳥のようなキジ科の鳥のものより濃く、上記説明の従来の方法には有効なlgY(ΔFc)抗体浄化の提案については触れていない。
【0013】
そのため、望ましいlgY(ΔFc)抗体をエビアン卵抗体プール(antibody pool)から簡単に分離し、同時にlgY(ΔFc)抗体の活動を維持する、迅速で、費用効果性があり、生産率の高い方法に対する必要性が存在する。事実上、浄化したlgY(ΔFc)抗体は、様々な免疫診断と免疫治療に使用される新しいタイプのF(ab’)2抗体として活動することもある。
【0014】
本発明の要約
前述のように、卵黄抗体の産業的な必要条件を満たすために、大量なリサーチが実施されてきた。エビアン卵黄から卵黄抗体をうまく分離することは、非水溶解−非充填吸収体を使用する吸着クロマトグラフィ法、そして/又は簡単な卵黄抗体の別のアイソフォームを分化させる塩析方法により容易に遂行できることは今日偶然発見された。本発明の方法によると、高度浄化した卵黄抗体、より明確には高度浄化したlgY(ΔFc)は、経済的に優れた方法で容易に収穫でき、即座にすぐにでも広く多様に免疫学的使用ができる。
【0015】
従って、本発明の目的は、(1)家禽雌鶏の卵より卵黄の水留分を取得し、(2)水留分及び沈殿分を得るために21%(W/V)以下の濃度の(NH 4 ) 2 S0 4 で水留分を塩析することによって、ステップ(1)の水留分からの抗体の第一アイソフォームの大部分を取得し、(3)31%(W/V)の(NH 4 ) 2 S0 4 または16%(W/V)のNa 2 SO 4 でステップ(2)の結果得られる水留分を調整することによって、ステップ(2)の結果として得られる水留分から抗体の第二アイソフォームの大部分を塩析して行う、卵黄より選択的にlgYおよびlgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法を提供することにある。
【0016】
本発明のその他の目的は、吸収性物質を使い、普通卵黄に存在する脂質とカゼイン類物質の大部分を除去し卵黄から抗体を分離する方法を提供することである。
【0017】
従って本発明は、(a) 家禽雌鳥の卵の卵黄より非水生物分子(bio−molecules)及び卵・顆粒を除去し、これにより卵黄抗体を有する水混和性留分を獲得し、(b) 水混和性留分が、通常卵黄中に存在する水混和性脂肪物質を吸収可能な非水解性−非帯電吸収体(water insoluble non-chargede absorbent)を有効量含む固定相を通過し、(c) 水留分として使用するために固定相を流通した溶液を収集し、(d)卵黄抗体を前記ステップ(c)の流通溶液より回収するといったステップを含む、卵黄より選択的にIgYおよびIgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法を提供することにある。
【0018】
本発明は、(a)家禽雌鳥の卵の卵黄より非水生物分子(bio−molecules)及び卵黄顆粒を除去し、これにより卵黄抗体を有する水混和性留分を獲得し、(b)水混和性留分が、通常卵黄中に存在する水混和性脂肪物質を吸収可能な非水解性−非帯電吸収体(water insoluble non-chargede absorbent)を有効量含む固定相を通過し、(c)固定相を流通して溶出液を取得し、(d)卵黄抗体を前記ステップ(c)の溶出液より回収するといったステップを含む、卵黄より選択的にIgYおよびIgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法を提供することにある。
【0019】
本発明の方法によると、多量の卵黄抗体の選択アイソフォーム、より明確には、lgY(ΔFc)抗体が、多様な産業外用薬に利用でき、経済的かつ能率的に、そして時間節約可能な方法で獲得できる。
【0020】
生産されたlgY(ΔFc)抗体の臨床と研究における使用方法を提供するのは、本発明のやはりもう一つの目的である。本発明は、費用効率が良く準備が簡単な上、本発明によるとlgY(ΔFc)抗体は、補体システムと哺乳類血しょうのリューマチ要因に対して無活動という利点を持ち、哺乳類lgGに対し相互反応が弱く、よって、哺乳類血しょうを含む免疫的分析物での使用には、障害も最少で特に適している。当業者にとってlgY(ΔFc)抗体が単独臨床用試薬、研究、そしてその他の使用、又は有効な成分として市販用セットに入れるなどの形で存在できることは評価されるであろう。
【0021】
本発明のもう一つの明確な目的は、本発明の方法で獲得したlgY(ΔFc)抗体を含む、病因学薬剤の免疫分析物としての試薬を提供することである。
【0022】
本発明の詳細な説明鳥の血しょう及び卵中には、卵黄抗体が豊富に存在する。しかし前記のように、卵から集められた抗体が、経済的にも好まれる。卵を産む雌鳥は、lgYとlgY(ΔFc)のアイソフォーム両方を血しょうから卵黄へ移し変える。原則として、カモの卵は、卵黄の中に各々約1〜4ミリグラムのlgY/mlそして約3〜12ミリグラムのlgY( Fc)/mlを含有し、そのため単独の卵の総合的抗体量は15〜80ミリグラムのlgYと45〜240ミリグラムのlgY(ΔFc)と予測される。生産された多量の卵黄は、如何なる場合でも、鳥から安全に得られる血しょう量を遥かに越える。それに加えて、卵黄抗体の摘出は、多額な投資をせず、大きなスケールで行うことができる。本発明によれば、卵黄から抗体を効率的に分離する方法が提供され、その方法においては、単独でも、他の方法と共にでも使用可能な「吸着クロマトグラフィ」又は「微分塩析」と言われる方法が分離において欠かせないステップとなる。
【0023】
ここで使われる「吸着クロマトグラフィ」は、固定相を使い、流動相から好適な溶質を選択的に吸収し、凝縮することを含む分離方法のタイプであると定義される。本発明の一面において、非水溶解で無充填の吸収体は、固定相において、卵黄に普段存在する水と混合可能な脂質不純物を止める有効な成分として働く。
【0024】
本発明による「吸着クロマトグラフィ」は、望ましくは部分浄化方法が先行し、その部分浄化方法では大部分の非水性バイオ分子及び大きな小胞子、そして望ましくは卵黄内の大部分の不適切な蛋白質を除去する。このような目的を効果的に達成する従来の方法は全て本発明においても有効利用可能であり、典型的には水性バッファ又は水を抗体の豊富な水性相を得るために使用、そしてPEG、デキストラン硫酸塩、又はアルギン酸ナトリウム、カラゲナン、キサンタン・ガム等の天然ゴムを使用し、不適当な物質を共同沈降する。
【0025】
本発明の好適な実施例では、まず卵黄が卵白から分離され、その後蒸留水で洗われ、出来る限りの卵白を除去する。卵黄をカプセルする卵黄膜に穴が開き、分離された卵黄留分がその後、効果的な量の水性バッファ又は水で、卵黄懸濁の形成のために希釈される。好適には、集収された卵黄は、水性バッファ又は蒸留水により、量的に2パートから、大体40パートに希釈化し、より好適には、卵黄一つにつき量的に5パートから30パートに希釈化する。pH値は、部分浄化の段階において決定的な要素である(E.M.Akita to S.Nakai, J. Food Sci, 57:629 (1993年))。卵黄抗体の最適な回収の為に、pHは約5〜7の範囲内に定められることが望ましい。このステップの温度は、約0度〜60度の範囲内が望ましい。卵黄の懸澱液は、同類の混合物を作るために穏やかに攪拌され、そしてその後、水相及び非水相作りに十分な期間そのまま放置される。脂肪蛋白質、燐脂質、ステロール、そしてそれと同等な非水性バイオ分子を含む非水溶解物質は、その後遠心分離により水性卵黄懸澱液から除去される。結果として得られる上澄み液を含んだ抗体は、その後傾斜、吸収、又はその他の当業者に周知な方法により粘着沈殿剤から分離される。一般的に、こうして獲得した水溶性留分の脂質含量は、依然としてその後の操作に不利になる程多い。本発明によると、非水溶解の非充填吸収体を含む変動相は、大部分の水溶性物質に残留する水溶性脂質物質を吸着するのに十分な量の水溶性留分で培養する。適した吸収体は、これらに限定されてはないが、フューム・シリカ、無定形珪酸、二酸化珪酸、シリカ・ゲル、珪酸塩、珪藻土、酸性白土、滑石、アルミナ、活性炭、酸化アルミニウム、酸化チタン、そしてその他の物質的に脂質吸収可能な合成物、または天然荒壁土などを含む。特に好適な吸収体は、フューム・シリカ、二酸化珪酸、珪藻土である。水溶性留分への吸収率は、選択された吸収体の特質により広範囲に変わる。フューム・シリカが本過程に使用された場合、0.1%以上の重量を増やすことが望ましく、より好適には、処理する水溶性留分の分量に基づき0.3〜5%の重量を増やすことが望ましい。吸収体が二酸化珪酸若しくは珪藻土の場合、本発明の吸収クロマトグラフィは、好適には1%以上の重量、より好適には処理する水溶性留分の分量に基づき3〜20%の範囲で行われる。本発明による吸収クロマトグラフィは、吸収体を用いる水溶性留分のバッチ・トリートメント、または吸収体が詰められたクロマトグラフィ・コラム上に水溶性留分を流すなど、吸収体の表面に保持される脂質物質量が十分である限り如何なる従来の方法においても実施可能である。処理中の反応時間と反応温度は、その結果に致命的な影響を及ぼすことはなく、4〜30度の反応温度と10〜60分の反応時間は、通常実行可能である。吸収法は、必要であれば、各々新しい吸収体で何度か繰り返すことも可能であるが、通常は一度の作業十分である。この方法により、脂質と大体の脂質でない物質は、二つの不混和性相にうまく分離できる。
【0026】
免疫グロブリンを取得するよう選択された吸収体の能力により、卵黄抗体は、固定相から溶離した溶離物またはここで固定相を通過する溶液の意味で表される「流動液」から回収できる。本文の好適な実施例に表されたように、卵黄抗体はフューム・シリカ若しくは二酸化珪酸が吸収体として使用された時、卵黄抗体が大抵固定相に存在するのに対して、珪藻土は90%以上の抗体を流動液に残すこととなる。卵黄抗体を溶離する特殊方法の選択は当業者によって決定される。一般的に、pHが4未満または8よりも大きい値で緩衝した溶出液、またはカオトロピック試薬を含む溶出液は、脂質物質を固定相から十分に解離せずに、固定相から抗体を溶離するために本発明に利用でき、これによって抗体を含む溶離液が形成される。ここで使用されたように、「溶離液」という用語は、固定相からの溶離液によって解かれた望ましい物質を含む液体を示す。「カオトロピック試薬」または「カオトロープ」という用語は、抗体分子のような蛋白質分子において配座変化を誘導可能な薬品で、そのため蛋白質変性剤としてよく知られている。本発明によると、結合抗体の大部分は、適度の濃縮度の(1>M)カオトロピック試薬を含む如何なる中性緩衝を用いてうまく溶離できる。多くの用例において、溶離後にカオトロープを除去することが、天然蛋白の構成を復元することとなる。
【0027】
ここに記したものに限定される訳ではないが、有用な溶出液は、グリシン−HCl0.1M,pH2.3;グリシン−HCl0.1M,pH10.0;グアニン−HCl6M,pH3.0;塩化カリウム3.0M;ヨウ化カリウム5M;塩化マグネシウム3.5M;アンモニウム/ナトリウム/チオシアン酸カリウム1〜3M、そしてウレア6M等が含まれる。しかしながら、収集された抗体の活量に関しては、20mM MESバファ(pH5.8)または20mMトリス(ヒドロキシメチル)−アミノメチルで緩衝したチオシアン酸ナトリウム3Mなどのような、適度のイオン強度を持ち、カオトロープを含んだに中性pHバッファが、本発明を実践するにはより適している。収集された抗体の活動状態は、例えばイオン強度が低いこと、カオトロープを含まないことや、弱い酸性バッファなどに対して広範囲に透析をすることにより容易に回復することができる。本発明の一つの特徴として、抗体で濃縮した溶離液または流動液は、その後卵黄抗体アイソフォームを分離するための微分塩析工程にさらすこともできる。本文中において「塩析」という用語は、蛋白質科学の分野においては共通な意味を持ち、蛋白質の溶解度を減少させるために混合物またはプロダクション・バッチに追加される不変性塩を示し、蛋白質の沈殿または凝結を導く。「微分塩析」という用語は、加塩または塩の濃度を変えることにより、二つ以上の蛋白質が混合物から微分沈殿または凝結される塩析方法を意味する。本発明では、微分塩析をする蛋白質は、卵黄抗体アイソフォームであり、例えば、lgYとlgY(ΔFc)である。卵黄抗体の沈殿に有用な不変性塩の例は、下記に限定しないが、NaCl、Na2SO4、(NH4)2SO4、KCl、CaCl2、そしてMgSO4である。好適には、不変性塩はNa2SO4か(NH4)2SO4、そして(NH4)SO4が最も好適である。卵黄抗体アイソフォームの微分沈殿の塩分濃度は、塩のタイプにより異なり、そして当業者の行う簡単なテストを通じて決定できる。本発明の好適な実施例で(NH4)2SO4が使われるとすると、lgYが処理された溶離液か流動液の21%(w/v)以下の塩濃度で塩析され、lgY(ΔFc)は処理された溶離液か流動液の約31%(w/v)の塩濃度に上昇する。二つの抗体アイソフォームの沈殿順序も、塩の選択により異なることも認識できる。この作業において二以上の塩の組み合わせ、例えば、まず一つの塩で最初のアイソフォームを沈殿し、それに次いで二番目のアイソフォームを別の塩で沈殿することも可能である。本発明の微分沈殿方法は、例えば、lgYとlgY(ΔFc)の両方で構成された卵黄抗体の全個体群からの望ましいlgY(ΔFc)抗体の本質的分離といった本発明の主な目的を大いに達成することとなる。より高い純度での抗体獲得が望ましいとしたら、沈殿した抗体を適したバッファ・システムに再溶解し、例えば、ゲルろ過クロマトグラフィ、疎水性相互作用クロマトグラフィ、イオン交換クロマトグラフィ、イムノアフィニティ・クロマトグラフィ等の追加的浄化手段を行えばよい。本文で使われている用語「イムノアフィニティ浄化法」または「イムノアフィニティ・クロマトグラフィ」は、特定の抗原用の抗体の結合特性に基づいた分離方法を示している。即ち、ある特定の状態の下で特定の抗原に結合した抗体が、その状態の下に解けた抗体から分離する。本発明は、無関連な蛋白質を排除するための、イムノアフィニティ浄化の使用を意図したもので、特に非抗原結合免疫グロブリンを除去するものである。
【0028】
本発明によるとイムノアフィニティ浄化は、不溶解サポートに固定した抗原より成る「抗原マトリックス」を使用して実施されている。サポートのタイプに関しては、本発明のイムノアフィニティ浄化においては重大ではない。抗原の共有アッタチメントに適した従来のサポート・マテリアルで、望ましい抗体とその上に固定された抗原の相互作用への介入物が有用である。普通、そのサポートは、ファーマシア(PHARMACIA)より購入可能なCNBr活性化セファローズ4B等のような、架橋アガロースか架橋デキストランより構成されている。微分塩析で浄化された抗体は「結合バッファ」に溶解し、固定抗原の免疫複合剤と卵黄抗体が形成されるように、抗原マトリックスの上に適用する。抗原−抗体相互作用へ介挿されたバッファ・システムと、望ましい結合状態を維持するのに効果のあるバッファ・システムは、何れも本発明において有用である。好ましくは、結合バッファは、燐酸塩バッファ、MES(2−[N−モルホリン]エタンスルホン酸)バッファ、そしてビズ−トリス・バッファで成るグループの中から選択するが、中でも20mM濃度のMESバッファが最も好適である。
【0029】
好適にはイムノアフィニティ浄化は、弱酸でかつイオン強度の低い環境で行われる。例えば、pHの範囲が4〜7以内でかつイオン強度が50mMより低い環境である。より好適には、抗体は、固定した抗原と5〜6のpH範囲、最適には5.6〜5.8の範囲内での相互作用を許容する。卵黄抗体は、抗原マトリックスからカオトロピック塩またはpHが4より低いか8よりも高いことで解離できる。収集した抗体の活動は、例えば、イオン強度が低く、カオトロープを含まない、弱酸バッファに対する大量透析などにより復活できる。
【0030】
本発明におけるlgY(ΔFc)浄化によると、補体システムを活性化せず、また哺乳類の血しょうのリューマチの要因にも結びつかない。lgY(ΔFc)と哺乳類lgG間での免疫学的な相互反応は重要ではない。それゆえ、本発明は臨床用と研究用にも適した新しいタイプの抗体を提供することとなる。
【0031】
また本発明は、本発明に基づき準備されたlgY(ΔFc)抗体の、広く多様な臨床的かつ研究的使用を提供するものである。例えば、本発明は(それは家禽、家畜、そしてコンパニオン・アニマルを含む)動物または患者を本発明のlgY(ΔFc)抗体を治療用量与え、免疫化する方法を提供するものである。本発明は、細菌、天然、組換型またはペプチド合成物病原体、真菌、原生動物、線虫、等のような微生物を含む様々な病因作用物、そして天然、組換型またはペプチド合成物アレルゲン、毒素、毒液、ホルモン、またはその他の免疫反応を惹起できる免疫原等の蛋白または非蛋白物質から保護するものである。好ましくは、浄化したlgY(ΔFc)抗体は、水、含塩物等のような薬学的許容担体と共に与える。
【0032】
本発明のlgY(ΔFc)抗体は、重要な病因物質の検知にも有用であり、例えば、大腸菌やゲルトネル菌等のような病原性又は非病原性生物、そしてその他の細菌生物;天然、組換型、またはエストロゲン、プロゲステロン、放射性サイロキシン等のペプチド合成物ホルモン;主な組織適合複合抗原等;天然、組換型、またはアルファ・フェトプロティン、前立腺用抗原やその様なペプチド合成物腫瘍マーカー;C−反応蛋白質、フェリチン等の疾病状態マーカー;流体、組織、細胞エキス等の身体内の例などで、人間や動物から派生している。
【0033】
本発明に従い獲得したlgY(ΔFc)抗体を使い、病因物質は当業者に周知な方法を使って、量的または質的に検知することができる。例えば、オクタロニ法(MO)、一元放射状免疫拡散法(SRID)、免疫電気泳動法(IEP)、放射免疫測定法(RIA)、エリザ法(ELISA)、ウエスタン・ブロット法(WB)、比濁分析免疫測定法、酵素免疫測定法、比濁分析免疫測定法、化学発光分析免疫測定法、免疫金測定法、又は免疫クロマトグラフィ測定法などである。
【0034】
本発明のlgY(ΔFc)抗体はバイオチップとバイオセンサでの使用にも適応できる。
【0035】
本発明の好適な実施例以下の例を表示は本発明の説明を目的としたものであり、本発明の範囲を限定する目的で開示された訳ではない。
【0036】
例1:特定抗体生産の刺激のための免疫方法生後16週間の12羽の家屋内カモ(Anas platyrhynchosvar. domestica)が、夫々抗体と卵の生産のために収容された。カモはまず、リン酸緩衝液における人間C−反応蛋白質(CRP;人間腹水から浄化されたもの)1〜5mg/mlであって、同量のフロイント完全アジュバントによってpH7.5で乳化されたものを皮下注射される。使用された抗原の濃度は普通1〜5mg/mlの範囲である。最初の注射の後、若い雌鳥は、三つの1〜5mg/mlの抗体の追加注射を毎二週間おきに受ける。一週間後、卵が収集され始め、ラベルを着けられ、抗体の抽出と浄化作業をされるまで摂氏4度下に保存される。追加免疫方法(ブースタ方法)が、本実験中、毎四週間繰り返される。毎ブースタ注射の七日後、血液が収集される。各々の血液サンプルは遠心分離され、その結果の血しょうが集められる。
【0037】
例2:カモの卵黄からの抗体抽出例1の過免疫カモが産んだ卵より収集された卵黄は、蒸留水の弱い噴射で綿密に洗い、蛋白腺を除去する。卵黄量の測定した後、その測定卵黄量の十倍の蒸留水と綿密に混ぜる。前記混合物は、摂氏4度下に最低二時間保たれた後、日立製CR−22Fの遠心分離機の中に、速度10,000rpmで一時間遠心分離される。青白い上澄み液と半固体可撓性層が遠心分離機の管内に形成される。
【0038】
例3:吸収体による治療例1で用意された粗抽出液に吸収体の一つが加えられる:2%(w/v)の(シグマより購入した)フューム・シリカ、3%(w/v)の二酸化珪酸(シグマ)、(リセット社より購入した)3%(w/v)のシーライト・ジアトミン、又は5%(w/v)のシーライト・ジアトミン・ハイフロセル(セリット社)。結果の懸濁液を、摂氏4度下で60分間静かに攪拌して培養する。培養完成後の吸収体は、日立製CR−22F遠心分離機を使い、摂氏4度で速度20,000rpmで沈殿され、その上澄み液とペレットは別々に収穫される。前記上澄み液から夫々取られた10μのサンプルは、非還元ドデシル硫化ナトリウム・ポリアクリルアミド・ゲル電気泳動(SDS−PAGE)にさらされる。
【0039】
図1のように、吸収体により吸収された抗体量に関しては、フューム・シリカが最大限の吸収活動をし、流動液中に残された抗体は無に近い。二酸化珪酸は、多孔度が低いため(粗放表面積が少なく構成されるから)だと思われるが、フューム・シリカに比べて免疫グロブリンに対して僅かに弱い親和力を示した。それとは逆に、どちらのタイプの珪藻土をもっても、獲得された抗体は10%以下である。
【0040】
例4:卵黄抗体の微分塩析例3におけるフューム・シリカ・ペレットは、その上に束縛された抗体を溶離するために、2.5Mのチサシアン酸ナトリウム(pH7.5)で処理される。その結果の溶出液は、初めに溶出液量の21%(w/v)の濃度の硫酸アンモニウムで第一沈殿させられ、次に追加の31%(w/v)の濃度の硫酸アンモニウムで第二沈殿が行われる。沈殿した抗体物は、リン酸塩緩衝液(PBS)の中で再溶解される。8%の非還元アクリレアミド・ゲルのSDS−PAG分析が実施される。それには、例2(レーン1)の2237μgの粗抽出液、例3(レーン2)の10μlの収穫された流動液、(レーン3)のフューム・シリカ・ペレットからの1122.25μgの溶出液、そして第一及び第二沈殿ステップから収穫した153μgと372.85μgの抗体物(各々レーン4とレーン5)がロードされている。その結果は、表2に表れている。再生と浄化の
パーセントは、ゲルの濃度をスキャンして測定され、それは表1に要約されている。
【0041】
【表1】
【0042】
表1に示されているように、結果として得られたlgY(ΔFc)抗体は、96%より高い浄化値を持ち、約76%の収量(72.05mg/119.8mgx100%)で再生される。より重要なのは、この浄化案は、望ましいlgY(ΔFc)抗体を、主にlgYとlgY(ΔFc)の両方から組成する全卵黄抗体から本質的に分離するよう導くことである。
【0043】
例5:卵黄抗体のイムノアフィニティ浄化脂質を引き寄せそして抗体を拒絶する珪藻土の能力を利用し、例2において用意された粗抽出液は、粗抽出液注入量をベースに10%の重さのシーライト・アトミンと共に濾過コラム上へ注入される。コラムを流動している溶液は、収集され、そして溶液中の流動液量の21%(w/v)の硫酸アンモニウムと共に第一沈殿される。沈殿された抗体は収集され、そして上澄み液は二分される。上澄み液の一部は、約31%の濃度の硫酸アンモニウムと共に沈殿され、上澄み液の他部は16(w/v)の硫酸ナトリウムと共に沈殿される。沈殿抗体物は、PBSの中で再溶解される。8%の非還元アクルレアミド・ゲルにおいてSDS−PAGE分析が行われ、そこでは、例2(レーン1)の粗抽出液2012.5μg、1678μgのシーライト・ジアトミンの濾過(レーン2)から集められた流動液、94.9μgの第一沈殿ステップで(レーン3)集められた溶出液、そして31%の硫酸アンモニウムと16%の硫酸ナトリウムが(レーン4−5)による第二沈殿ステップから集められた抗体物がロードされている。その結果は図3に表れている。回復と浄化のパーセントは、ゲルの濃度をスキャンして測定することによって決定され、表2に要約されている。
【0044】
【表2】
【0045】
表2に示されているように、結果として得られたlgY(ΔFc)抗体は、(硫酸ナトリウムが第二沈殿ステップに使用された時)約77%、(硫酸アンモニウムが第二沈殿ステップに使用された時)約69%の浄化率といったどちらも高率で各々回収される。
【0046】
例6:卵黄抗体のイムノアフィニティ浄化C−反応蛋白(CRP)溶液が、濃度5mg/mlでpH8.5の0.1Mの炭酸緩衝液の中に用意される。ファーマシアから購入したCNBr反応セファローズ4Bは、最初にマトリックス量で十倍の冷却されたHCI1mMで洗浄され、マトリックス量で二倍のCRP溶液と共に摂氏4度下で一夜反応させる。抗原マトリックスは、1対1の比例値の20mMのTris−HCl(pH8.5)中のエタノールアミン溶液0.5M中に二時間摂氏4度下に保留する。その後抗原マトリックスは、アジ化ナトリウム0.02%を含むPBSで洗浄され摂氏4度下で保管される。
【0047】
例4において21%(w/v)の硫酸アンモニウムで沈殿させられたカモの抗体と抗原マトリックスが使用されている。1mlの抗原マトリックスは、従来のコロムに詰められ、20mMのMES(2−[N−モルホリノ]エタンスルホン酸)バッファ(pH5.8)に侵される。抗原マトリックスは、同じ結合緩衝液に調合された抗体0.25mlとの反応を許容する。抗原マトリックスは、溶出液に蛋白質が殆ど無くなるまで結合緩衝液で洗浄される。結合抗体は、直ちに6Mのグアニジン−HClで溶離され、従ってその光学密度が、完全透析後280nmで測定される。分析SDS−PAGEは、図4に示され、アフィニティ浄化された抗体が、主にゲル上の単独バンドにより表されるlgY(ΔFc)抗体によって構成されているのが示されている。
【0048】
本明細書に引用された全ての特許と参照文献は、ここに全て本明細書に引用されるものとする。引用文献と不一致が生じた場合は、定義を含む本明細書記載事項が優先される。本発明は、前記の特定の実施例に関して記述する一方、当業者にとって自明な様々な改良や変更が、本発明の精神とスコープからは外れない範囲で行われることが可能であると認知されるべきである。
【図面の簡単な説明】
前記のそしてその他の本発明の目的及び特質は、下記の好適な実施例と添付図面の説明を参考することにより明確となる。
【図1】SDS−PAGE分析の図で、4つの抗体取得能力を持つ吸収体が示されている:そこでレーン1は、部分的に浄化した抗体抽出液;レーン2は、2%のフューム・シリカ(FUMED SILICA)を流通中の液体;レーン3は、3%の二酸化シリカを流通中の液体;レーン4は、3%のシーライト珪藻土(CELITE DIATOMITE)を流通中の液体;レーン5は、3%のシーライト珪藻土ハイフロセル(CELITE DIATOMITE FYFLO-CEL)を流通中の液体;レーン6は、5%のシーライト珪藻土ハイフロセルを流通中の液体;
【図2】ヒューム・シリカを吸収体として、8%のSDSポリアクリルアミド・ゲル(POLYACRYLAMIDE GEL)に通した、浄化した卵黄抗体の電気泳動の結果図:そこでレーン1は、部分的に浄化した抗体抽出液;レーン2は、2%のフューム・シリカに流通中の液体;レーン3は、フユーム・シリカ・ペレットからの溶離物;レーン4は、第一沈殿ステップにおいて21%(w/v)硫酸アンモニウムを用いて沈殿した抗体生成物;レーン5は、第二沈殿ステップにおいて31%(w/v)硫酸アンモニウムを用いて沈殿した抗体生成物;
【図3】シーライト・ジアトミンを吸収体として、8%のSDSポリアクリルアミド・ゲルに通した、浄化した卵黄抗体の電気泳動の結果図;レーン1は、部分的に浄化した抗体抽出液;レーン2は、シーライト・ジアトミン濾液;レーン3は、第一沈殿ステップにおいて21%(w/v)硫酸アンモニウムを用いて沈殿した抗体生成物;レーン4は、第二沈殿ステップにおいて31%(w/v)硫酸アンモニウムを用いて沈殿した抗体生成物;レーン5は、第二沈殿ステップにおいて16%(w/v)硫酸ナトリウムを用いて沈殿した抗体生成物;そして、
【図4】シーライト・ジアトミンを吸収体として、8%のSDSポリアクリルアミド・ゲルに通した、浄化した卵黄抗体の電気泳動の結果図;Mは分子ウェイト・マーカー;レーン1は、部分的に浄化した卵黄抗体エキス;レーン2は、2%のフューム・シリカ流通中の液体;レーン3は、ヒューム・シリカ・ペレットからの溶離物;レーン4は、21%(w/v)硫酸アンモニウムを用いて沈殿した抗体生成物;レーン5は、生体親和性クロマトグラフィにより浄化された抗体生成物。
Claims (17)
- (1)家禽雌鶏の卵より卵黄の水留分を取得し、
(2)水留分及び沈殿分を得るために21%(W/V)以下の濃度の(NH4)2S04で水留分を塩析することによって、ステップ(1)の水留分からの抗体の第一アイソフォームの大部分を取得し、
(3)31%(W/V)の(NH4)2S04または16%(W/V)のNa2SO4でステップ(2)の結果得られる水留分を調整することによって、ステップ(2)の結果として得られる水留分から抗体の第二アイソフォームの大部分を塩析して行う、
卵黄より選択的にlgYおよびlgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法。 - 請求項1に記載の卵黄より選択的にIgYおよびIgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法において、
抗体の第一アイソフォームがlgYであり、
第二アイソフォームがlgY(ΔFc)であることを特徴とする、
卵黄より選択的にIgYおよびIgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法。 - 請求項1に記載の卵黄より選択的にIgYおよびIgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法において、
ステップ(1)の水留分が、
(a) 家禽雌鳥の卵の卵黄より非水生物分子(bio−molecules)及び卵黄顆粒を除去し、これにより卵黄抗体を有する水混和性留分を獲得し、
(b) 水混和性留分が、通常中に存在する水混和性脂肪物質を吸収可能な非水解性−非帯電吸収体(water insoluble non-chargede absorbent)を有効量含む固定相を通過し、
(c) 水留分として使用するために固定相を流通した溶液を収集する、といったステップを含む前処理から取得できることを特徴とする、
卵黄より選択的にIgYおよびIgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法。 - 請求項3に記載の卵黄より選択的にIgYおよびIgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法において、
除去ステップである(a)が、
水性緩衝液と水から構成されたグループより選択された有効量の希薄作用物でもって卵黄を希薄化し、
その後その結果得られる希薄卵黄を分離処理することにより、
非水生物分子(bio−molecules)及び卵黄顆粒(granules)を除去することを含むことを特徴とする、
卵黄より選択的にIgYおよびIgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法。 - 請求項4に記載の卵黄より選択的にIgYおよびIgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法において、
前記希薄作用物の有効量は、卵黄の1部につき量にして5〜30部分の範囲であることを特徴とする、
卵黄より選択的にIgYおよびIgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法。 - 請求項3に記載の卵黄より選択的にIgYおよびIgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法において、
前記吸収体が、
フュームされたシリカと、二酸化シリカと、珪藻土とを含むグループより選択されることを特徴とする、
卵黄より選択的にIgYおよびIgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法。 - 請求項3に記載の卵黄より選択的にIgYおよびIgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法において、
水留分として使用する溶出液を取得する為、
固定相を溶出させるステップを含んだことを特徴とする、
卵黄より選択的にIgYおよびIgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法。 - 請求項7に記載の卵黄より選択的にIgYおよびIgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法において、
溶出液が
カオトロピック塩により固定相から溶出されることを特徴とする、
卵黄より選択的にIgYおよびIgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法。 - 請求項8に記載の卵黄より選択的にIgYおよびIgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法において、
カオトロピック塩は、4Mグアニジン−HClと1−3Mチオシアン酸塩を含むグループより選択されることを特徴とする、
卵黄より選択的にIgYおよびIgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法。 - 請求項7に記載の卵黄より選択的にIgYおよびIgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法において、
溶出液が4より低いか8より高いpH値で固定相から溶離されることを特徴とする、
卵黄より選択的にIgYおよびIgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法。 - 請求項1に記載の卵黄より選択的にIgYおよびIgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法において、
ゲルろ過クロマトグラフィと、疎水性相互作用クロマトグラフィと、イオン交換クロマトグラフィと、イムノ−アフィニティ・クロマトグラフィとより成るグループから選択された一回以上の精製方法が続くことを特徴とする、
卵黄より選択的にIgYおよびIgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法。 - 請求項11に記載の卵黄より選択的にIgYおよびIgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法において、
精製方法は、
イムノ−アフィニティ・クロマトグラフィであることを特徴とする、
卵黄より選択的にIgYおよびIgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法。 - 請求項12に記載の卵黄より選択的にIgYおよびIgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法において、
イムノ−アフィニティ・クロマトグラフィは、
pH4〜7及び50mMより低いイオン強度で実施されることを特徴とする、
卵黄より選択的にIgYおよびIgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法。 - 請求項13に記載の卵黄より選択的にIgYおよびIgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法において、
イムノ−アフィニティ・クロマトグラフィは、pH5.6〜5.8で実施されることを特徴とする、
卵黄より選択的にIgYおよびIgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法。 - 請求項1に記載の卵黄より選択的にIgYおよびIgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法において、
卵黄は選ばれた抗原で免疫化された家禽雌鳥の卵から得られることを特徴とする、
卵黄より選択的にIgYおよびIgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法。 - 請求項15に記載の卵黄より選択的にIgYおよびIgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法において、
家禽雌鳥はガンカモ科であることを特徴とする、
卵黄より選択的にIgYおよびIgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法。 - 請求項16に記載の卵黄より選択的にIgYおよびIgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法において、
家禽雌鳥はカモであることを特徴とする、
卵黄より選択的にIgYおよびIgY(ΔFc)抗体アイソフォームを分離する方法。
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