JP3689738B2 - コリオリ式流量計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動するU字状流路中の流体により発生するコリオリの力の作用によるねじり振動を検出することによって、流体の質量流量を測定するコリオリ式質流量計において、特に、流路を形成する管路の振動を円滑に行わせることにより計測精度を向上することができるようにしたコリオリ式流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】
流体の質量流量を計測する手段として、例えば特開平2000−111380号公報、特開平2001−174307号公報等に示されるように、振動する流路中の流体により発生するコリオリの力の作用を種々の手段で検出することにより質量流量を計測するコリオリ式流量計が知られている。これは、配管内を流れる流体が回転運動させられた場合には、流れの速度ベクトルと回転の角速度ベクトルのベクトル積に比例するコリオリの力を受けるが、この慣性力によって生じる配管の弾性変形を何らかの方法で検出して質量流量を計測するものである。このようなコリオリ式流量計は従来より種々の方式が提案されているが、例えば図8の模式図に示すようなU字管を用いたコリオリ式流量計が広く用いられている。
【0003】
図8に示すコリオリ式流量計においては、柔軟な可撓性の材料からなるU字管41の基端部がが壁体42に支持され、入り口43から出口44に向けて流体が流れている。U字管41の先端における曲管部45には図示実施例では支持板46を固定し、その下面には下方に向けて永久磁石47を固定している。この永久磁石47は図中上下方向に着磁されており、基台48上にはこの永久磁石47の下端面に対向して電磁石49を配置し、この電磁コイル49に正と負の電流を交互に供給することによりU字管41の先端を振動させている。
【0004】
U字管41の両側の直管部50、51にはその外側の側面に各々永久磁石52、53を固定しており、永久磁石52の側端面に対向して、基台48に固定された支持板54にコイルで形成したピックアップ55を配置している。同様に永久磁石53の側端面に対向して、基台48に固定された支持板56に前記ピックアップ55と同様のピックアップ57を配置している。
【0005】
上記装置において、U字管41内に流体を流した状態で電磁コイル49を作動し、前記のように曲管部45を下方に移動させるとU字管が微小な回転を生じる。流体はU字管に沿って図中矢印方向に流れているため、左右の配管で流れの方向が逆であり、直管部50にはコリオリの力として図中下方に力を生じ、直管部51には図中上方に力を生じる。逆に曲管部45を上方に移動させると、直管部50には上方に力を生じ、直管部51には下方に力を生じる。そのため、コリオリの力はU字管をねじる方向に働く。なお、この原理については既に詳細に解明され、種々の論文に発表されていると共に、既にこの原理を用いた流量計が製造されているので、上記装置の詳細な作動原理の説明は省略する。
【0006】
上記作用によりこのU字管41は例えば図9に示すような動きを行い、特に左右の直管部については図10(a)の作動状態模式図に示すような動きをなす。即ち、U字管41の内部に前記のように流体が流れている状態で、その先端を上下に振動させると、例えば図10左欄に示すように、U字管先端の曲管部が白抜き矢印のように下方に移動するとき、図中右側の直管部50は下方への力を生じているのに対して直管部51は上方への力を生じているので左側の直管部51は右側の直管部より遅れて下方に移動する。逆に同図右欄に示すように、U字管先端が上方に移動するとき、図中右側の直管部50は上方への力を生じているのに対して直管部51は下方への力を生じているので左側の直管部51は右側の直管部より遅れて上方に移動し、以降同様の作動を繰り返す。
【0007】
U字管41の先端における曲管部45の振動により、各直管部が上記のような相対的移動を行うため、図8及び図9に示すような各直管部に設けた永久磁石52、53も同様の移動を行う。それにより、この移動を検出する左右のピックアップ55、57からの検出信号は図10(b)に示すような位相差をもった信号となり、この位相差時間τは管内を流れる質量流量が大きいほど大きくなるため、この位相差時間を検出することにより質量流量を測定することができる。
【0008】
実際の装置においては、配管径は6mm〜600mm、流量範囲は0kg/h〜680000kg/h、密度計測の場合は0kg/m〜3000kg/mの範囲、使用温度範囲は−240℃〜204℃、使用圧力範囲は0.12MPa〜39.3MPa、計測器重量は8kg〜635kg、消費電力は約18W、要部の材質はステンレス鋼、ハステロイC、チタニウム、ジルコニウム等が用いられる。このようなコリオリ式流量計において、U字管がねじれる角度は0.01度以下である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記の装置においては、計測対象の流体を通す配管をそのままばねとして振動させる構造を採用しており、この場合、質量流量に対する変位量の感度を上げるためには配管の曲げもしくはねじれ剛性をできるだけ小さくする必要がある。そのため配管を長くしたり、配管の薄肉化、形状を曲げやすくするなどの工夫がなされてきたが、流体を通す配管を振動体にしているために限界があった。
【0010】
このようなコリオリ式流量計において、前記U字管の先端を振動させる振動数は100Hzとすると1周期は10msとなり、この流量計において最大流量時の位相差時間τは通常60μs以上とされ、60μsのときには最小流量時の位相差時間はレンジを100:1にとると600nsとなる。この最小流量時において不確かさ0.4%で計測するためには12ns以下の時間分解能が必要となる。
【0011】
このように微小な時間分解能が必要であるのに対して、前記のように計測対象の流体を流す配管をそのままばねとして用いると、位相差時間の時間分解能や信号に乗るノイズレベルが相対的に大きくなる。そのためゼロ流量時での信号が相対的に大きくなり、ゼロ点安定性誤差が大きくなってしまう。また、配管を弾性体として曲げているので、流体に対して均一に理想的な回転振動を与えられない。更に流体温度の影響を受けやすい為、配管のばね定数などの温度補正が必要になる。且つ、精度向上のためにコリオリ力を発生する直管部を長くすると、装置が大型化する問題もあった。
【0012】
したがって本発明は、流体が流れる管路の弾性に影響されることなく、感度を飛躍的に向上させ、流量計測の精度を向上させると共に、従来問題であったコリオリ質量流量計のゼロ安定性誤差を相対的に小さくすることができる、且つ小型化が可能な装置を提供することを主たる目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、振動軸線を中心に外部から強制振動可能な強制振動フレームと、前記強制振動フレームの振動軸線に対して直交する軸線上の回転軸を中心に振動可能に支持すると共に、流体流路を備えたコリオリ振動フレームと、コリオリ振動フレームの振動を検出する振動検出手段とを備え、前記コリオリ振動フレームの流体流路は、その出入り口を前記強制振動フレームの振動軸線とコリオリ振動フレームの回転軸の軸線との交点に近接した位置に配置し、前記コリオリ振動フレームの回転軸の軸線を挟んだ対称位置に該軸線と平行な流路を配置し、該平行な流路の流体が互いに逆向きに流れるように流体流路を形成したことを特徴とするコリオリ式流量計としたものである。
【0014】
また、請求項2に係る発明は、前記強制振動フレームを振動軸線から片持ち式に振動するフレームとしたものである。
【0015】
また、請求項3に係る発明は、前記強制振動フレームを振動軸線から互いに対称的に延びるフレームとしたものである。
【0016】
また、請求項4に係る発明は、前記振動検出手段を磁石と該磁石の磁気を検出する磁気検出装置としたものである。
【0017】
また、請求項5に係る発明は、前記振動検出手段をレーザドップラー干渉計としたものである。
【0018】
また、請求項6に係る発明は、前記振動検出手段を光ファイバーを用いた検出装置としたものである。
【0019】
また、請求項7に係る発明は、前記コリオリ振動フレームへの流体流路を前記強制振動フレームの振動軸線を含む軸、及びコリオリ振動フレームの回転軸の中に形成したものである。
【0020】
また、請求項7に係る発明は、前記流量計において、コリオリ振動フレームの振動を抑制する振動抑制手段と、前記振動検出手段で検出した振動に応じ前記振動抑制手段によって該振動を抑制するように制御する制御手段と、前記振動を抑制する信号により流体流量を演算する流量演算部とを備えたものである
【0021】
また、請求項8に係る発明は、前記振動抑制手段が磁気駆動装置であり、前記制御手段が前記磁気駆動装置への通電量を制御し、前記流量演算部が前記制御手段による通電量の信号により流体流量を測定するようにしたものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は本発明のコリオリ式流量計の第1実施例を示している。この実施例においては片側振動式のコリオリ式流量計の例を示しており、口形の強制振動用フレーム1における第1側壁2の両端に支軸3、4を設け、支軸3は電磁駆動装置5により振動自在に支持され、支軸4は支柱6により軸受状態で支持されている。電磁駆動装置5はこの支軸3を図中矢印P方向に振動させ、それにより第1側壁2を含む強制振動用フレーム1が片持ち式に振動可能となっている。特に、この電磁駆動装置は外部からの電流調整により、理想的な正弦波の振動を行うことができるようにする。
【0023】
強制振動用フレーム1内にはコリオリ振動フレーム7が、第1側壁2とこの第1側壁2に対向する第2側壁9で支持された回転軸8により振動自在に支持されている。コリオリ振動フレーム7には、図示実施例においては支軸3、4にできる限り近く位置させるため、第1側壁2側で回転軸8に近接した位置に流入口10と流出口11を形成し、この流入口10と流出口11を連通するようにその内部に各側面に沿って流体流路12を形成している。また、流入口10には可撓管14を接続しており、流出口11には可撓管16を接続し、それにより可撓管14から流量を測定する流体を導入し、コリオリ振動フレーム7内の流体流路12を通し、可撓管16から排出するようにしている。
【0024】
強制振動用フレーム1の第3側壁17の内面には第1ピックアップ18を設け、強制振動用フレーム1の第4側壁19の内面には第2ピックアップ20を設けると共に、前記第1ピックアップ18が対向するコリオリ振動フレーム7の第1側面21には第1永久磁石22を固定し、前記第2ピックアップ20が対向するコリオリ振動フレーム7の第2側面23には第2永久磁石24を固定している。また、コリオリ振動フレーム7は強制振動用フレーム1との間に設けたスプリング25により、常時初期位置に戻るように軽く付勢しており、このばね定数は任意に設定することができる。
【0025】
上記のような基本的な構成からなるコリオリ式流量計においては、前記のように流体が流れるとき、上記図8〜図10に示した従来技術と同様に、コリオリ振動フレーム7の第1側面21に沿った第1側面流路26と、コリオリ振動フレーム7において第1側面流路26とは反対側に位置するの第2側面23に沿った第2側面流路27を流れる流体のコリオリの力により、強制振動用フレーム1の振動方向Pに応じて互いに逆向きに力を生じ、それによりコリオリ振動フレーム7は振動方向Qに振動する。
【0026】
このときの作用は前記図8〜図10に示す従来のものと同様であり、第1ピックアップ18と第2ピックアップ20からの流体流量に応じた図10(b)に示すような信号位相差を検出することにより、質量流量を計測することができる。なお、コリオリ振動フレーム7の振動の状態、即ちコリオリ振動フレーム7の角速度を検出するには、前記のような永久磁石とピックアップの組み合わせによる検出手段を用いるほか、例えばレーザドップラー干渉計や、光ファイバーを用いた計測装置として光ファイバージャイロ、光ファイバー変位計、光ファイバー歪計等、種々の手段を採用することができる。
【0027】
上記装置においては流体流路をコリオリ振動フレーム7内に形成し、そのコリオリ振動フレーム7を強制振動用フレーム1に回転軸8で回転自在に支持しているので、この回転軸8をベアリングにより円滑に回転できるように支持することにより、正確な正弦波に沿って振動を与えることができ、正確な流量測定を行うことができる。
【0028】
また、コリオリ振動フレーム7はこれを振動自在に支持する強制振動用フレーム1を介して図中Q方向に振動され、この部分においても軸受により円滑に支持することにより、従来の可撓管の振動のような管の素材の影響を受けることが無くなる。また前記P方向の強制振動とは機構上分離して振動するので、互いに各作動の影響を受けることなく、確実な作動を行うことができる。
【0029】
上記実施例においては、可撓管を流入孔及び流出口に直接接続することにより、コリオリ振動フレーム7の振動に対して外部に固定された流体管路の影響を与えることがないようにしているが、そのほか、回転可能な接続部を備えた配管継ぎ手により接続することにより、更に外部の影響を減少させることができる。また、上記実施例においては、コリオリ振動フレーム7内に流体流路を形成した例を示したが、例えば平板上に前記コリオリ振動フレーム7内の流体流路と同様の形状に配管を固定し、この配管に対して可撓管、或いは前記のような配管継ぎ手により外部から流体を供給するようにしても良い。
【0030】
本発明の他の実施例を図3及び図4に示している。このコリオリ式流量計においては、強制振動用フレーム31の第1側壁32とこれに対向する第2側壁33の中心位置に回転軸34、35を固定しており、強制振動用フレーム31内にはコリオリ振動フレーム36を強制振動用フレームの第3側壁37とこれに対向する第4側壁38に対して回転自在に設けた回転軸39によって振動自在に支持している。また、回転軸34を電磁駆動装置40により前記実施例における電磁駆動装置5と同様に図中矢印P方向に振動することができるようにし、それにより強制振動用フレーム31を回転軸34、35を中心に左右対照的に振動できるようにしている。この強制振動用フレーム36も前記実施例と同様に強制振動用フレームの第1側壁32とコリオリ振動フレーム36の第1側壁間にスプリング49を配置し、コリオリ振動フレーム36を初期位置に戻す方向に軽く付勢している。
【0031】
このコリオリ振動フレーム36において最も全ての振動が少ない位置である中心位置には、流入口41と流出口42を設け、コリオリ振動フレーム36内にはこの流入口41から流出口42に向けて図示するようにコリオリ振動フレーム36の側縁に沿った流体流路43を形成している。この流体流路43のうち、コリオリ振動フレーム36の第1側面44に沿った第1側面流路45と、第1側面44の逆側の第2側面46に沿った第2側面流路47を流れる流体により、前記従来例と同様に、また前記実施例と同様に電磁駆動装置40による強制振動用フレームの振動方向Pに対応してコリオリの力が発生し、図中Q方向に振動する。
【0032】
それにより、第1側面44に固定した永久磁石48と対向して第1側壁32の内側に設けた第1ピックアップ50と、第2側面45に固定した永久磁石51と対向して第2側壁33の内側に設けた第2ピックアップ52の各信号の位相差を前記と同様に検出することにより、この流路を流れる流体の質量流量を測定することができる。
【0033】
図5には更に他の実施例を示している。同図に示すコリオリ式流量計においては、強制振動用フレーム61の第1側壁62に固定した支軸63と、それに対向する第2側壁64に固定した支軸65は中空となっており、流体を外部からこの流量計に導入し、また外部に排出することができるようになっている。また、この支軸を前記各実施例と同様に電磁装置等により図中矢印P方向に強制的に振動を行わせている。この振動は支柱66及び67における軸受68及び69により、円滑に回転できるように支持している。
【0034】
強制振動用フレーム61内には、第3側壁70と第4側壁71に対して前記実施例と同様にコリオリ振動フレーム72を回転軸74及び75により振動自在に支持しており、この回転軸74の中空部を介して、図示実施例においては支軸63の中空部から導入した流体を、フレームの第1側壁62と第3側壁70内に形成した流入流路76を介して、コリオリ振動フレーム72内の導入流路77に導くようにしている。
【0035】
コリオリ振動フレーム72の流体流路77は、種々の態様で形成することができるが、少なくともコリオリ振動フレーム72の第1側面78に沿って形成した第1側面流路80と、この第1側面78の反対側に位置する第2側面81に沿った第2側面流路82を、互いに逆方向に流れるように形成する。図示実施例においては、前記回転軸74の中空部から導入流路83により第1側面流路80へ導き、次いで連通路79により第2側面流路82に導き、更にこれを前記連通路79の高さ方向ですれ違うように形成した導出流路84によって回転軸75の中空部を経て、強制振動用フレーム61の流体流路に排出するようにしている。また、上記のようにしてコリオリ振動フレーム72から強制振動フレーム61に排出された流体は、更に第4側壁71及び第1側壁62に形成した排出流路85から支軸65の中空部を介して外部に排出している。
【0036】
一方、図5(b)に示すように、コリオリ振動フレーム72の下面における前記第1側面78側に第1永久磁石86を固定し、同様に前記第2側面81側に第2永久磁石87を固定している。また、前記永久磁石86に対向して第1電磁コイル88を配置し、同様に永久磁石87に対向して第2電磁コイル89を配置している。更に、コリオリ振動フレーム72の上面における振動中心線上には第1角速度センサ90を固定し、コリオリ振動フレームの振動に対応した信号を出力することができるようにし、強制振動フレーム61の第2側壁64の下部中心位置には第2角速度センサ91を固定し、強制振動フレーム61の振動に対応した信号を出力することができるようにしている。
【0037】
上記のようなコリオリ式流量計において、実際に流量を測定するに際しては、例えば図6に示すような機能ブロックの構成により流量の演算を行うことができる。即ち、図中電磁駆動装置92により振動している強制振動フレーム61に固定された第2角速度センサ91の信号を入力する強制振動フレーム角速度検出部93は、強制振動フレーム61の振動の状態を検出し、電磁コイル通電タイミング制御部94に出力する。なお、強制振動フレーム61の振動の状態を検出するにはそのほか、例えばこの強制振動フレームを振動させる電磁駆動装置92の作動、或いは駆動電流を検出する等、種々の手段で検出することもできる。
【0038】
電磁コイル通電タイミング制御部94においては、第1電磁コイル88と第2電磁コイル89への通電により、コリオリ振動フレーム72中の流体流路を流れる流体によって発生するコリオリ力でコリオリ振動フレームが振動しようとする方向とは逆方向に、即ち前記コリオリ力が図中下方向に作用する側の電磁コイルに対して、そのコリオリ力の発生と同期するタイミングで上方向に反発するように通電を行うよう制御する。
【0039】
電磁コイル通電量演算部96では、コリオリ振動板72の振動を検出する第1角速度センサ90の信号に基づくコリオリ振動フレーム角速度検出部95から信号を入力し、コリオリ振動フレーム72の振幅が大きいほど各電磁コイルへの通電量が大きくなるように、即ち流体のコリオリの力を電磁コイルの通電によって打ち消すのに必要な通電量を演算する。
【0040】
電磁コイル通電出力部97においては、前記電磁コイル通電タイミング制御部94の通電タイミング信号を入力することにより、第1電磁コイル88と第2電磁コイル89のいずれかに対して所定のタイミングで通電を開始し、また電磁コイル通電量演算部96の通電量信号を入力することにより、通電する電磁コイルに対する通電量の信号、即ち通電信号のゲインに対応する信号を入力して、各電磁コイルに対し通電出力制御を行う。また、電磁コイル通電量演算部96で演算した通電量の信号、即ち通電信号のゲインを流量演算部98に出力し、流量演算部98においては前記のようにして求めたコリオリの力に対応する流体の質量流量を演算する。
【0041】
上記のような機能ブロックからなる装置においては、いわゆるゼロ位法により流体の質量流量を測定しているものであるが、その際には例えば図7に示す作動フローにより順に作動させることができる。即ち、最初強制振動フレームを所定周期で振動させ(ステップS1)、次いでその強制振動フレームの角速度を検出する。この角速度の検出に際しては、前記のように第2角速度センサ91の他、レーザドップラー干渉計、光ファイバジャイロ等の各種光ファイバを用いた計測装置、あるいは強制振動フレームの振動用電磁装置の駆動電流等、種々の手段により検出することができる。
【0042】
次いでこのようにして検出した強制振動フレームの角速度の変化により強制振動フレームの振動波形を作成する(ステップS3)。次いで、強制振動フレームの振動波形に同期してコリオリ振動フレームを制振する方向に、アクティブ制振用電磁コイルを駆動する(ステップS4)。その後、このようにして制振作動されているコリオリ振動フレームの角速度を検出し(ステップS5)、コリオリ振動フレームの振動がゼロになるアクティブ振動用電磁コイルのゲインを演算し出力する(ステップS6)。この出力は前記図6に示すように、電磁コイル通電出力部7から電磁コイル88或いは電磁コイル89に通電調整量として出力する。また、これを図6の流量演算部にも出力し、前記電磁コイルのゲインによりコリオリの力を求め、流体の質量流量を演算する(ステップS7)。
【0043】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成したので、流体が流れる管路の弾性に影響されることなく、感度を飛躍的に向上させ、流量計測の精度を向上させると共に、従来問題であったコリオリ質量流量計のゼロ安定性誤差を相対的に小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の斜視図である。
【図2】(a)は同実施例の平面図、(b)は(a)のA−A部分の断面図、(c)は(a)のB−B部分の断面図である。
【図3】本発明の他の実施例の斜視図である。
【図4】(a)は同実施例の平面図、(b)は(a)のA−A部分の断面図、(c)は(a)のB−B部分の断面図である。
【図5】本発明の更に他の実施例であり、(a)は主として流体流路を表す断面図、(b)はゼロ位法による流量演算手法を用いた構成を示す断面図である。
【図6】同実施例において流量を演算する手法を説明する機能ブロック図である。
【図7】同実施例においてゼロ位法による流量測定処理を行う作動フロー図である。
【図8】従来例の斜視図であり、コリオリ力により流量を測定する本発明の原理を示す図である。
【図9】(a)は同従来例の主要部の平面図であり、(b)は同側面図であり、(c)は同正面図である。
【図10】(a)は同従来例におけるU字管の振動サイクルを示す図であり、(b)はその振動サイクルにより生じるピックアップの信号検出波形である。
【符号の説明】
1 強制振動用フレーム
2 第1側壁
3、4 支軸
5 電磁駆動装置
6 支柱
7 コリオリ振動フレーム
9 第2側壁
8 回転軸
10 流入口
11 流出口
12 流体流路
14 可撓管
16 可撓管
17 第3側壁
18 第1ピックアップ
19 第4側壁
20 第2ピックアップ
21 第1側面
22 第1永久磁石
23 第2側面
24 第2永久磁石
25 スプリング
26 第1側面流路
27 第2側面流路

Claims (9)

  1. 振動軸線を中心に外部から強制振動可能な強制振動フレームと、
    前記強制振動フレームの振動軸線に対して直交する軸線上の回転軸を中心に振動可能に支持すると共に、流体流路を備えたコリオリ振動フレームと、
    コリオリ振動フレームの振動を検出する振動検出手段とを備え、
    前記コリオリ振動フレームの流体流路は、その出入り口を前記強制振動フレームの振動軸線とコリオリ振動フレームの回転軸の軸線との交点に近接した位置に配置し、前記コリオリ振動フレームの回転軸の軸線を挟んだ対称位置に該軸線と平行な流路を配置し、該平行な流路の流体が互いに逆向きに流れるように流体流路を形成したことを特徴とするコリオリ式流量計。
  2. 前記強制振動フレームは、振動軸線から片持ち式に振動するフレームであることを特徴とする請求項1記載のコリオリ式流量計。
  3. 前記強制振動フレームは、振動軸線から互いに対称的に延びるフレームであることを特徴とする請求項1記載のコリオリ式流量計。
  4. 前記振動検出手段は、磁石と該磁石の磁気を検出する磁気検出装置とからなることを特徴とする請求項1記載のコリオリ式流量計。
  5. 前記振動検出手段は、レーザドップラー干渉計であることを特徴とする請求項1記載のコリオリ式流量計。
  6. 前記振動検出手段は、光ファイバーを用いた検出装置であることを特徴とする請求項1記載のコリオリ式流量計。
  7. 前記コリオリ振動フレームへの流体流路は、前記強制振動フレームの振動軸線を含む軸、及びコリオリ振動フレームの回転軸の中に形成したことを特徴とする請求項1記載のコリオリ式流量計。
  8. コリオリ振動フレームの振動を抑制する振動抑制手段と、
    前記振動検出手段で検出した振動に応じ前記振動抑制手段によって該振動を抑制するように制御する制御手段と、
    前記振動を抑制する信号により流体流量を演算する流量演算部とを備えたことを特徴とする請求項1記載のコリオリ式流量計。
  9. 前記振動抑制手段は、磁気駆動装置であり、
    前記制御手段は、前記磁気駆動装置への通電量を制御し、
    前記流量演算部は、前記制御手段による通電量の信号により流体流量を演算することを特徴とする請求項8記載のコリオリ式流量計。
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