JP3689080B2 - 半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置に関するものであり、特に強誘電体キャパシタを用いた半導体メモリの例えばセンスアンプの参照電位発生回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、低温における“0”読みと“1”読みの信号量分布のピーク間(peak to peak)の中点と、高温における“0”読みと“1”読みの信号量分布のピーク間の中点とは一致しており、センスアンプの参照電位に温度依存性をもたせる必要性はないと考えられていた。即ち、メモリセルからビット線へ読み出した電位に対する参照電位は温度によらず一定の値が与えられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、低温における“1”読みの信号量分布は裾をひく分布となっており、一方、高温における“1”読みの信号量分布は裾をひかない分布となっているため、裾から裾のウィンドウ(Window)の中点は高温になると高い値となることが看過されてきた。
【0004】
そこでこの発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、十分なセンスマージンを温度に依らず確保することが可能な強誘電体メモリを具備した半導体装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、この発明に係る半導体装置は、メモリセルが複数配列されたメモリセルアレイと、前記メモリセルに接続され、前記メモリセルから分極データが電荷の形で読み出される第1のビット線と、参照電位が供給される、前記第1のビット線と相補なる第2のビット線と、前記第1のビット線に読み出された前記電位の温度による変化を補償する温度依存性を持つ前記参照電位を発生する参照電位発生回路と、前記第1のビット線に読み出された前記電位と、前記第2のビット線に供給された前記参照電位とを比較増幅するセンスアンプとを具備し、前記参照電位発生回路は、前記センスアンプの前記参照電位を、温度が変動しても常に、“0”データを示す電位分布と“1”データを示す電位分布の両裾の中点となるように制御することを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。説明に際し、全図にわたり、共通する部分には共通する参照符号を付す。
【0007】
[第1の実施の形態]
まず、図1から図7を用いて、本発明の第1の実施の形態の半導体装置を説明する。
【0008】
図6は、低温及び高温における“0”読みと“1”読みの信号量分布を示したものである。これによれば、低温における“0”読みと“1”読みの信号量分布のピーク間の中点と、高温における“0”読みと“1”読みの信号量分布のピーク間の中点とは一致しているものの、低温における“1”読みは裾を引く分布となっており、一方、高温における“1”読みは裾をひかない分布となっているため、裾から裾のウィンドウの中点は高温になると高い値となる。
【0009】
また、図7は、温度が変動してもセンスアンプの参照電位は常にウィンドウの中点になるように、センスアンプの参照電位に温度依存性を持たせた図である。メモリセルからビット線へ読み出した電位に対するセンスアンプの参照電位には、この図7に示すように、高温になるほど高い電位を与え、その一方でその他の例えばDQ線のセンスアンプの参照電位には従来通り温度に依らず一定電位を保つように設計する。この様にすることで、ビット線の比較増幅及びその他の回路において、温度に依らず十分な動作マージンを確保することができる。
【0010】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電位を発生させるための電圧発生回路を示す図である。この電圧発生回路は、オペアンプOP1'、ダイオードD1'、D2'、抵抗R1'、R2'、R3'から構成され、これらが以下のように接続されている。前記オペアンプOP1'の正(+)入力端が、直列接続された抵抗R2'、ダイオードD2'を介して接地電位に接続され、さらに前記正(+)入力端が抵抗R3'を介して前記オペアンプOP1'の出力端に接続されている。前記オペアンプOP1'の負(−)入力端がダイオードD1'を介して接地電位に接続され、さらに前記負(−)入力端が抵抗R1'を介して前記オペアンプOP1'の出力端と抵抗R3'との接続点に接続されている。前記電圧発生回路は、読み出しに当たってセンスアンプの参照電位を発生させるための基準電位Vout'を発生する。電圧発生回路から発生される基準電位Vout'は、温度依存性を持ち、温度が高くなると電位が上昇する。
【0011】
図2は、温度に依存しない基準電位を発生させるための電圧発生回路を示す図である。この電圧発生回路は、オペアンプOP1、ダイオードD1、D2、抵抗R1、R2、R3から構成され、温度に依存しない基準電位Voutを発生する。
【0012】
図1及び図2によって発生した基準電位Vout'、Voutは、図3Aに示す参照電位発生回路11と、図3Bに示す電位発生回路12にそれぞれ入力される。参照電位発生回路11は、温度に依存するビット線センスアンプの参照電位Vrefを発生する。電位発生回路12は、温度に依存しないその他の電位、例えばプレート線に供給されるプレート駆動電位や、DQ線センスアンプの参照電位を発生する。
【0013】
尚、図4は図3Aに示した参照電位発生回路11、及び図3Bに示した電位発生回路12より電位供給を受ける強誘電体メモリの主要部を示す概念図である。
【0014】
図4に示すように、強誘電体メモリは、強誘電体キャパシタC0の両電極をそれぞれMOSトランジスタTr0のソース及びプレート線Pl0に接続し、前記MOSトランジスタTr0のゲートをワード線WL0に接続し、さらに前記MOSトランジスタTr0のドレインをビット線に接続したメモリセルが複数配列されたメモリセルアレイ13を有する。さらに、前記強誘電体メモリは、センスアンプ(S/A)14、センスアンプ用の参照電位供給回路15、DQ線センスアンプ(DQ S/A)16、及びDQ線センスアンプ用の参照電位供給回路17、参照電位発生回路11、及びプレート線電位発生回路12から構成される。
【0015】
前記センスアンプ14は、ビット線とこれと相補なる/ビット線の電位を比較増幅し、参照電位発生回路11は前記/ビット線に供給される温度依存性を持つ参照電位を発生する。プレート線電位発生回路12は、プレート線Pl0、Pl1に供給される温度依存性のないプレート駆動電位を発生する。さらに、DQ線センスアンプ16は、DQ線とこれと相補なる/DQ線の電位を比較増幅する。
【0016】
まず、図2において、3種類の抵抗R1、R2、R3の組み合わせとオペアンプOP1の組み合わせから温度に依存しない基準電位Voutの発生方法を示す。続いて、図7から抽出した温度依存性を持つように、図1において温度に依存する基準電位Vout'を発生させる方法を示す。
【0017】
図2においてダイオードD1、D2の面積をそれぞれArea1、Area2とする。それぞれのダイオードD1、D2を流れる電流I1とI2は、
I1=Is・exp{q・VBE1/(k・T)} …(1)
I2=Is・exp{q・VBE2/(k・T)} …(2)
またここで、R3=R1・(Area1/Area2) とすることで、
V-=V+ であることより、
R1・I1=R3・I2 …(3)
ln(I1/I2)=ln(Area1/Area2)={q/(k・T)}・(VBE1-VBE2) …(4)
Vout-VBE1=I1・R1 …(5)
Vout-VBE2=I2・(R2+R3) …(6)
(3)と(5)を利用して、
Vout-VBE1=I2・R3 …(7)
であることから、
I2=(Vout-VBE1)/R3 …(8)
I2=(Vout-VBE2)/(R2+R3) …(9)
(8)及び(9)より、
Vout=(R2+R3)/R2・VBE1-(R3/R2)・VBE2 …(10)
(3)と(10)より、
ここで、VBE1の温度依存性、すなわち単位温度当たりの電圧変化量をΔVBE/ΔTとすると、温度依存性をなくす条件は、
(R3/R2)・(k/q)・ln(I1/I2)= -ΔVBE/ΔT …(12)
又、k、q、およびΔVBE/ΔTの値は以下に示す通りである。なお、ΔVBE/ΔTとしては一般的に知られている値を記載した。
【0018】
k=1.38×10−23 J/K …(13)
q=1.602×10−19 C …(14)
ΔVBE/ΔT≒ −2mV/K …(15)
従って、
であり、右辺に(13)、(14)、(15)を代入すると、23.2となる。
【0019】
以上より、抵抗R2とR3は抵抗Rlを用いて表すことができる。尚、抵抗R1は回路に許容される消費電流によって決定される。
【0020】
R3=(I1/I2)・R1=(Areal/Area2)・R1 [ohm] …(17)
R2=R3・1n(Area1/Area2)/(q/k)・(-ΔVBE/ΔT) [ohm] …(18)
続いて、図7より抽出した参照電位Vrefの温度依存性を発生させるために、図1の回路の基準電位Vout'に温度依存性を持たせる方法について述べる。
【0021】
参照電位Vrefの温度依存性が R[mV/度]とすると、図1における基準電位Vout'としてもたせるべき温度依存性 X[mV/度]は、
X=R・(Vout'/Vref) [mV/度] …(19)
となる。
【0022】
図1においてVout'が +X[mV/度]の温度特性を持つためには、
(R3'/R2')・(k/q)・ln(I1'/I2')={(-ΔVBE/ΔT)+X}/1000 …(20)
従って、
なお、Area1'、Area2'はそれぞれダイオードD1'、D2'の面積を示す。
【0023】
最終的に、
R3'=(I1'/I2')・R1'=(Area1'/Area2')・R1' …(22)
R2'=R3'・(k/q)・ln(Areal'/Area2')/{(X-ΔVBE/ΔT)/1000}…(23)
以上の手順に従い、ダイオードD1'、D2'の面積比に従ってR3'をまず決め、続いて図7より抽出した温度係数に従ってR2'を決めてやれば良い。尚、R1'は回路に許容される消費電流によって決定される。
【0024】
以上により、第1の実施の形態では、センスアンプに用いられる参照電位に温度依存性を持たせることにより、温度に依らず十分なセンスマージンを確保することが可能である。
【0025】
また、図5は前記第1の実施の形態の変形例の強誘電体メモリの主要部を示す概念図である。この強誘電体メモリは、メモリセルアレイ18を除いて、図4に示した強誘電体メモリの構成と同様の構成を有する。よってここでは、メモリセルアレイ18の構成のみを以下に述べる。
【0026】
図5に示すように、強誘電体キャパシタC0の両電極をそれぞれ第1のMOSトランジスタTr0のソースとドレインに接続し、この第1のMOSトランジスタTr0のゲートをワード線WL0に接続したメモリセルが構成される。このメモリセルを複数個直列に接続し、この直列接続された複数個のメモリセルの一方の端にはプレート線Pl0を、他方の端にはブロック選択用の第2のMOSトランジスタBS0を介してビット線に接続されたメモリセルブロックが構成され、さらにこのメモリセルブロックを複数個配置したメモリセルアレイ18が構成されている。
【0027】
このように構成された変形例でも、図4に示した強誘電体メモリと同様に、温度に依らず十分なセンスマージンを確保することができる。
【0028】
[第2の実施の形態]
図8から図13および図2を用いて本発明の第2の実施の形態の半導体装置を説明する。
【0029】
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る電圧発生回路を示す図である。この電圧発生回路は、オペアンプOP1"、ダイオードD1"、D2"、抵抗R1"、R2"、R3"から構成され、これらが以下のように接続されている。前記オペアンプOP1"の正(+)入力端が、直列接続された抵抗R2"、ダイオードD2"を介して接地電位に接続され、さらに前記正(+)入力端が抵抗R3"を介して前記オペアンプOP1"の出力端に接続されている。前記オペアンプOP1"の負(−)入力端がダイオードD1"を介して接地電位に接続され、さらに前記負(−)入力端が抵抗R1"を介して前記オペアンプOP1"の出力端と抵抗R3"との接続点に接続されている。前記電圧発生回路は、強誘電体キャパシタの両電極間に印加する電圧に温度依存性をもたせる回路である。
【0030】
図8及び図2に示した回路よって発生した基準電位は、それぞれ図9(a)に示すプレート線電位発生回路21、及び図9(b)に示すその他の電位発生回路22に入力される。プレート線電位発生回路21は、温度に依存するプレート駆動電位Vplを発生し、電位発生回路22は温度に依存しないその他の電位を発生する。
【0031】
尚、図10は図9(a)に示したプレート線電位発生回路21、及び図9(b)に示した電位発生回路22より電位供給を受ける第2の実施の形態の強誘電体メモリの主要部を示す概念図である。ここでは、電位発生回路22として、例えばセンスアンプの参照電位を発生する参照電位発生回路22を示す。
【0032】
前記強誘電体メモリは、プレート線電位発生回路21、及び参照電位発生回路22を有する。プレート線電位発生回路21は、プレート線Pl0、Pl1に供給される温度依存性を持つプレート駆動電位を発生する。参照電位発生回路22は前記/ビット線に供給される温度依存性を持たない参照電位を発生する。その他の構成は、図4に示した強誘電体メモリが持つ構成と同様である。
【0033】
また、図11は、前記第2の実施の形態の変形例の強誘電体メモリの主要部を示す概念図である。
【0034】
前記強誘電体メモリも、前記プレート線電位発生回路21、及び参照電位発生回路22を有する。プレート線電位発生回路21は、プレート線Pl0、Pl1に供給される温度依存性を持つプレート駆動電位を発生する。参照電位発生回路22は前記/ビット線に供給される温度依存性を持たない参照電位を発生する。メモリセルアレイ18を除くその他の構成は図10に示した構成と同様であり、メモリセルアレイ18の構成は、図5に示したメモリセルアレイ18の構成と同様である。
【0035】
図12は、図8に示した回路を用いた結果、高温と低温でウィンドウの中点が一致した信号量分布を示す。図10及び図11に示した強誘電体メモリでは、図8に示した回路を含むプレート線電位発生回路を用いることにより、高温と低温での“0”読みと“1”読みにおけるウィンドウの中点が一致する。
【0036】
この実施の形態では、センスアンプの参照電位を温度に依らず一定とする代わりに、図13に示すようにプレートを駆動する電位に温度依存性をもたせる。これによって、プレート駆動電位Vplを、低温では高い電位とし、高温では低い電位とすることにより、信号量分布の裾から裾の中点を揃えることで、センスアンプでは温度に依らない一定の参照電位で対応できるようにしている。この結果、センスアンプにおいて十分なセンスマージンを確保することができる。
【0037】
以下に、図13より抽出したプレート駆動電位Vplの温度依存性を発生させる方法について述べる。
【0038】
プレート駆動電位Vplの温度依存性が−P[mV/度]とすると、図8におけるVout"としてもたせるべき温度依存性−Y[mV/度]は、
-Y= -P・(Vout"/Vpl)[mV/度] …(24)
となる。また図8におけるVout"として、-Y[mV/度]の温度特性を持たせるためには、
(R3"/R2")・(k/q)・ln(I1"/I2")=(-Y-ΔVBE/ΔT)/1000 …(25)
従って、
なお、Area1"、Area2"はそれぞれダイオードD1"、D2"の面積を示す。
【0039】
最終的に、
R3"=(I1"/I2")・R1"=(Area1"/Area2")・R1" …(27)
R2"=R3"・(k/q)・1n(Areal"/Area2")/{(-Y-ΔVBE/ΔT)/1000}…(28)
以上の手順に従い、ダイオードD1"、D2"の面積比に従ってR3"をまず決め、続いて温度係数に従ってR2"を決めてやれば良い。尚、Rl"は回路に許容される消費電流によって決定される。
【0040】
以上により、第2の実施の形態では、プレート線を駆動するプレート駆動電位に温度依存性を持たせることにより、温度に依らず十分なセンスマージンを確保することが可能である。
【0041】
次に、図14から図17を用いて低温の“1”読みの信号量分布のみ裾を引く分布となる理由を説明する。強誘電体のエネルギーは、分極の関数として以下のように表現される。通常、近似的に4次までの関数として表されることが多いが、実際には6次、8次といった偶数の高次項もある。
【0042】
F(Pr)=A+B・Pr2+C・Pr4+D・Pr6+E・Pr8 …(29)
図14は、上記の式(29)においてエネルギーがPrの8次の関数であると考えた場合で、かつ低温での状態を示す。安定状態の最も深い谷の内側に、準安定状態の浅い谷がある。低温であるため熱的揺らぎが小さいことより、電位(Potentia1)障壁を越えて前記準安定状態は安定状態へ遷移することができず、そのままの位置を保つ。従って、安定状態以外の準安定状態に存在している分極の分布が顕著にみられることになる(分極のばらつきが大きい状態)。
【0043】
これに対し、図15は、上記の式(29)においてエネルギーがPrの8次の関数であると考えた場合で、かつ高温での状態を示す。図15に示す状態では、熱的揺らぎが大きくなった上に、電位障壁が低くなったために準安定状態から安定状態へ遷移することができる。従って、準安定状態として存在することができなくなる結果、一つの安定状態に収斂することになる(分極のばらつきが小さい状態)。
【0044】
次に、低温の場合において、強誘電体キャパシタにわずかに電位を加えた場合のエネルギー曲線を図16に示す。“0”読みの場合では、準安定状態と安定状態を仕切る障壁が低くなるために、準安定状態は安定状態にすぐに収斂するのに対し、“1”読みの場合では両者を仕切る障壁はむしろ高くなるため、遷移がおこるまでより深い谷の方に収斂せず、ばらつきが残ったまま遷移が起こると考えられる。図16に対応するヒステリシス曲線を用いた動作点解析を図17に示す。“1”読みではばらつきが残ったまま遷移が起こるために、ビット線電位にばらつきが生じていることがわかる。
【0045】
以上説明したように、従来の半導体メモリでは、従来より低温における“0”読みと“1”読みの信号量分布から求めたウィンドウの中点と、高温における“0”読みと“1”読みの信号量分布から求めたウィンドウの中点とを比較すると、高温になると中点の位置は高い値となる。従って、本発明の実施の形態の半導体メモリでは、強誘電体キャパシタからビット線に読み出す際のセンスアンプの参照電位も温度が高くなるに従って高くなる依存性を持たせる。また、低温における“0”読みと“1”読みの信号量分布から求めたウィンドウの中点と、高温における“0”読みと“1”読みの信号量分布から求めたウィンドウの中点とが一致するように、プレート線に供給するプレート駆動電位に温度が高くなるに従って電位が低くなる温度依存性を持たせる。これにより、センスアンプにおいて温度に依らず十分なセンスマージンを確保することが可能である。
【0046】
また、前述した各実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、各実施の形態において開示した複数の構成要件の適宜な組み合わせにより、種々の段階の発明を抽出することも可能である。
【0047】
【発明の効果】
以上述べたようにこの発明によれば、十分なセンスマージンを温度に依らず確保することが可能な強誘電体メモリを具備した半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電位を発生させるための電圧発生回路を示した回路図である。
【図2】温度依存性を持たない従来例としての電圧発生回路を示した回路図である。
【図3】(a)は温度に依存するセンスアンプの参照電位を発生する参照電位発生回路を示した回路図であり、(b)は温度に依存しない電位を発生する電位発生回路を示した回路図である。
【図4】前記第1の実施の形態の強誘電体キャパシタを記憶素子として用いた場合の半導体メモリの主要部を示す概念図である。
【図5】前記第1の実施の形態の変形例の半導体メモリの主要部を示す概念図である。
【図6】低温及び高温における“0”読みと“1”読みの信号量分布を示したグラフである。
【図7】ウィンドウの中点を温度に依らず一定とするためのセンスアンプの参照電位の温度依存性を示したグラフである。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る強誘電体キャパシタの両電極間に印加する電圧に温度依存性をもたせる電圧発生回路を示した回路図である。
【図9】(a)は温度に依存するプレート駆動電位を発生するプレート線電位発生回路を示した回路図であり、(b)は温度に依存しない電位を発生する電位発生回路を示した回路図である。
【図10】前記第2の実施の形態の半導体メモリの主要部を示す概念図である。
【図11】前記第2の実施の形態の変形例の半導体メモリの主要部を示す概念図である。
【図12】図8の回路を用いた結果、高温と低温でウィンドウの中点を一致させた信号量分布を示すグラフである。
【図13】ウィンドウの中点を温度に依らず一定とするためのプレート駆動電位の温度依存性を示したグラフである。
【図14】強誘電体キャパシタのエネルギーが近似的に分極量の8次の関数であると考えた場合の低温で両電極間に電圧が印加されていない状態でのエネルギー曲線を示すグラフである。
【図15】強誘電体キャパシタのエネルギーが近似的に分極量の6次の関数であると考えた場合の高温で両電極間に電圧が印加されていない状態でのエネルギー曲線を示すグラフである。
【図16】低温の場合において強誘電体キャパシタの両電極間にわずかに電圧を印加した場合のエネルギー曲線を示すグラフである。
【図17】図16に示した場合におけるヒステリシス曲線を示すグラフである。
【符号の説明】
11…参照電位発生回路
12…電位発生回路
13…メモリセルアレイ
14…センスアンプ(S/A)
15…センスアンプ用の参照電位供給回路
16…DQ線センスアンプ(DQ S/A)
17…DQ線センスアンプ用の参照電位供給回路
18…メモリセルアレイ
21…プレート線電位発生回路
22…電位発生回路
Area1…ダイオードD1の面積
Area2…ダイオードD2の面積
BS0…MOSトランジスタ
C0…強誘電体キャパシタ
D1、D2、D1'、D2'…ダイオード…ダイオード
OP1、OP1'…オペアンプ
Pl0、Pl1…プレート線
R1、R2、R3、R1'、R2'、R3'…抵抗
Tr0…MOSトランジスタ
Vout、Vout'、…基準電位
Vref…参照電位
WL0、WL1…ワード線
Claims (14)
- メモリセルが複数配列されたメモリセルアレイと、
前記メモリセルに接続され、前記メモリセルから読み出した電位が供給される第1のビット線と、
参照電位が供給される、前記第1のビット線と相補なる第2のビット線と、
前記第1のビット線に読み出された前記電位の温度による変化を補償する温度依存性を持つ前記参照電位を発生する参照電位発生回路と、
前記第1のビット線に読み出された前記電位と、前記第2のビット線に供給された前記参照電位とを比較増幅するセンスアンプとを具備し、
前記参照電位発生回路は、前記センスアンプの前記参照電位を、温度が変動しても常に、“0”データを示す電位分布と“1”データを示す電位分布の両裾の中点となるように制御することを特徴とする半導体装置。 - 前記メモリセルは、強誘電体キャパシタとMOSトランジスタを有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
- 前記強誘電体キャパシタの両電極はそれぞれ前記MOSトランジスタのソース及びプレート線に接続され、前記MOSトランジスタのゲートはワード線に接続され、前記MOSトランジスタのドレインはビット線に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
- 前記メモリセルアレイは、強誘電体キャパシタの両電極をそれぞれ第1のMOSトランジスタのソースとドレインに接続し、このMOSトランジスタのゲートをワード線に接続してなるメモリセルを複数個直列に接続し、この直列接続のメモリセルの一方の端にはプレート線を、他方の端にはブロック選択用の第2のMOSトランジスタを介してビット線に接続した構成を有することを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
- 前記プレート線に供給されるプレート線電位を発生するプレート線電位発生回路をさらに具備し、前記プレート線電位発生回路は、メモリセルからの読み出しに当たり、温度依存性を持たない一定のプレート線電位を発生することを特徴とする請求項3または4に記載の半導体装置。
- 前記参照電位発生回路が発生する前記参照電位は、温度が高くなるにつれて電位が高くなる依存性を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
- 前記参照電位発生回路は、温度依存性Xを持つ基準電位を発生する電位発生回路を有し、前記電位発生回路は、オペアンプ、第1、第2ダイオード、及び第1、第2、第3抵抗を含み、前記オペアンプの正入力端が、直列接続された前記第2抵抗、第2ダイオードを介して接地電位に接続され、前記正入力端が第3抵抗を介して前記オペアンプの出力端に接続され、前記オペアンプの負入力端が前記第1ダイオードを介して接地電位に接続され、前記負入力端が前記第1抵抗を介して前記オペアンプの出力端と前記第3抵抗との接続点に接続された回路であり、
前記電位発生回路が発生する前記基準電圧に前記温度依存性Xを持たせるために、前記電位発生回路に許容される消費電流によって抵抗値R1'が決定され、前記抵抗値R1'に従って式(A)により抵抗値R3'が決定され、前記基準電位の前記温度依存性Xと前記抵抗値R3'に従って式(B)により抵抗値R2'が決定されることを特徴とする請求項1、3、4のいずれか1つに記載の半導体装置。
R3'=(Area1'/Area2')・R1' …(A)
R2'=R3'・(k/q)・ln(Areal'/Area2')/{(X-ΔVBE/ΔT)/1000}…(B)
なお、Area1'、Area2'はそれぞれ第1、第2ダイオードの面積、また、R1'、R2'、R3'はそれぞれ第1、第2、第3抵抗の抵抗値、さらに、k=1.38×10−23 J/K、q=1.602×10−19 C、ΔVBE/ΔT≒ −2mV/K(一般的な値) である。 - メモリセルが複数配列されたメモリセルアレイと、
前記メモリセルに接続され、前記メモリセルから読み出した電位が供給される第1のビット線と、
参照電位が供給される、前記第1のビット線と相補なる第2のビット線と、
前記第1のビット線に読み出された前記電位と、前記第2のビット線に供給された前記参照電位とを比較増幅するセンスアンプと、
前記メモリセルに接続され、プレート線電位が供給されるプレート線と、
前記プレート線に供給されるプレート線電位を発生するプレート線電位発生回路とを具備し、
前記プレート線電位発生回路は、前記ビット線に読み出された“0”データを示す電位分布と“1”データを示す電位分布の両裾の中点が温度依存性を持たないように、前記プレート線電位を制御することを特徴とする半導体装置。 - 前記メモリセルは、強誘電体キャパシタとMOSトランジスタを有することを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
- 前記強誘電体キャパシタの両電極はそれぞれ前記MOSトランジスタのソース及び前記プレート線に接続され、前記MOSトランジスタのゲートはワード線に接続され、前記MOSトランジスタのドレインはビット線に接続されていることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置。
- 前記メモリセルアレイは、強誘電体キャパシタの両電極をそれぞれ第1のMOSトランジスタのソースとドレインに接続し、このMOSトランジスタのゲートをワード線に接続してなるメモリセルを複数個直列に接続し、この直列接続のメモリセルの一方の端には前記プレート線を、他方の端にはブロック選択用の第2のMOSトランジスタを介してビット線に接続した構成を有することを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
- 前記第2のビット線に供給される前記参照電位を発生する参照電位発生回路をさらに具備し、前記参照電位発生回路は、メモリセルからの読み出しに当たり、温度依存性を持たない一定の前記参照電位を発生することを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
- 前記プレート線電位発生回路が発生する前記プレート線電位は、温度が高くなるにつれて電位が低くなる依存性を有することを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
- 前記プレート線電位発生回路は、温度依存性Yを持つ基準電位を発生する電位発生回路を有し、前記電位発生回路は、オペアンプ、第1、第2ダイオード、及び第1、第2、第3抵抗を含み、前記オペアンプの正入力端が直列接続された前記第2抵抗、第2ダイオードを介して接地電位に接続され、前記正入力端が第3抵抗を介して前記オペアンプの出力端に接続され、前記オペアンプの負入力端が前記第1ダイオードを介して接地電位に接続され、前記負入力端が前記第1抵抗を介して前記オペアンプの出力端と前記第3抵抗との接続点に接続された回路であり、
前記電位発生回路が発生する前記基準電圧に前記温度依存性Yを持たせるために、前記電位発生回路に許容される消費電流によって抵抗値R1"が決定され、前記抵抗値R1"に従って式(C)により抵抗値R3"が決定され、前記基準電位の前記温度依存性Yと前記抵抗値R3"に従って式(D)により抵抗値R2"が決定されることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1つに記載の半導体装置。
R3"=(Area1"/Area2")・R1" …(C)
R2"=R3"・(k/q)・1n(Areal"/Area2")/{(-Y-ΔVBE/ΔT)/1000}…(D)
なお、Area1'、Area2'はそれぞれ第1、第2ダイオードの面積、また、R1'、R2'、R3'はそれぞれ第1、第2、第3抵抗の抵抗値、さらに、k=1.38×10−23 J/K、q=1.602×10−19 C、ΔVBE/ΔT ≒ −2mV/K(一般的な値) である。
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