JP3868131B2 - バックバイアス回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のトランジスタにより構成される半導体装置に対して、そのトランジスタのしきい値電圧を補正するためのバックバイアス電圧を印加するバックバイアス回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、複数のトランジスタにより構成される半導体装置において、その半導体装置が形成されている基板に対して、その基板上のトランジスタのしきい値電圧を補正するために、バックバイアス電圧を印加するバックバイアス回路が広く使用されている。
【0003】
このようなバックバイアス回路を備えた半導体装置においては、半導体基板上にゲート電極を形成する前に、この半導体基板の表面に不純物を拡散し、または注入することにより、半導体装置を構成するトランジスタのしきい値電圧が決定されている。
【0004】
なお、上記の半導体基板上には、バックバイアス回路のジェネレーターが設けられ、バックバイアス電圧が所定の電圧になるように、バックバイアス回路の動作を制御する検知回路が設けられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記のような従来のバックバイアス回路を備えた半導体装置においては、その基板上にゲート電極を形成する前にトランジスタのしきい値電圧が決定されるため、ゲート電極の寸法のばらつき及び熱履歴のばらつきによるトランジスタのしきい値電圧の変動がおこる。この際に、バックバイアス電圧が前記所定の電圧に固定されている場合、このしきい値電圧の変動を補正することができないという問題がある。
【0006】
したがって、上記のようなしきい値電圧の変動に対する補正ができないため、その変動に応じてバックバイアス電圧を変更することができず、半導体装置の製造歩留まりを悪化させると共に、トランジスタ特性が目的のものにならず、設計のとおりの性能の半導体チップを製造することが困難となるという問題点を有していた。
【0007】
本発明は、上記従来の問題点を解決するもので、半導体装置において、トランジスタのしきい値電圧の変動に応じてバックバイアス電圧を変更することができ、半導体装置の製造歩留まりを向上させることができると共に、トランジスタ特性を目的のものにし、設計のとおりの性能の半導体チップを製造することができるバックバイアス回路を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明のバックバイアス回路は、しきい値電圧の変動に応じてバックバイアス電圧を変更する機能を有し、トランジスタのしきい値電圧に比例する電圧と、バックバイアス電圧に比例する電圧との差を検知し、バックバイアス発生回路を制御することで、ゲート電極寸法のばらつき、不純物注入のばらつき、および熱履歴のばらつき等により、しきい値電圧が変動しても、それを検知してバックバイアス電圧を制御して変更し、トランジスタのしきい値電圧を補正することを特徴とする。
【0010】
また、電源電圧に関係なくバックバイアス電圧は一定であるので、電源電圧が低い電圧となった際にもバックバイアス電圧は一定とし、リーク電流の増加を抑えることを特徴とする。
【0011】
特に、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)のデータ保持特性の悪化を防止することを特徴とする。
以上により、半導体装置において、トランジスタのしきい値電圧の変動に応じてバックバイアス電圧を変更することができ、半導体装置の製造歩留まりを向上させることができると共に、トランジスタ特性を目的のものにし、設計のとおりの性能の半導体チップを製造することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載のバックバイアス回路は、複数のトランジスタにより構成される半導体装置に対して、そのトランジスタのしきい値電圧を補正するためのバックバイアス電圧を印加するバックバイアス回路であって、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ内でチャージポンプ回路によって構成され前記バックバイアス電圧を出力するバックバイアス発生回路と、前記バックバイアス発生回路からのバックバイアス電圧を検知して、その電圧に応じて前記バックバイアス発生回路の動作のオン・オフを制御する検知回路とで構成し、前記検知回路を、一端が接地電位である接地電極からなる接地ノードに接続された電流源と、前記電流源の他端が接続され、その電流源と等しい電流を第1の基準電位ノードおよび第2の基準電位ノードに流すカレントミラー回路と、前記第1の基準電位ノードと接地ノードとの間に接続された1個または複数個の基準トランジスタと、前記第2の基準電位ノードとバックバイアス電圧が入力されるノードとの間に接続された抵抗素子と、前記第1および第2の基準電位ノードの電圧がそれぞれ入力される第1および第2の入力端子を有し、それらの電圧差に基づいて、前記バックバイアス発生回路の動作のオン・オフ制御用の制御信号を出力する差動増幅器とで構成し、前記バックバイアス発生回路から出力されるバックバイアス電圧は、前記ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ内のメモリセルを構成するトランジスタの基板に供給され、かつ前記基準トランジスタを、前記メモリセルを構成するトランジスタと同じ構造となるように構成する。
【0013】
請求項2に記載のバックバイアス回路は、請求項1に記載のバックバイアス回路であって、所定の製造条件で、所定の電圧のバックバイアス電圧を出力し、バックバイアス発生回路から出力されるバックバイアス電圧の絶対値が、製造条件のばらつきにより、構成されるトランジスタのしきい値電圧に逆比例するように構成する。
【0023】
以上の構成によると、しきい値電圧の変動に応じてバックバイアス電圧を変更する機能を有し、トランジスタのしきい値電圧に比例する電圧と、バックバイアス電圧に比例する電圧との差を検知し、バックバイアス発生回路を制御することで、ゲート電極寸法のばらつき、不純物注入のばらつき、および熱履歴のばらつき等により、しきい値電圧が変動しても、それを検知してバックバイアス電圧を制御して変更し、トランジスタのしきい値電圧を補正する。
【0025】
また、電源電圧に関係なくバックバイアス電圧は一定であるので、電源電圧が低い電圧となった際にもバックバイアス電圧は一定とし、リーク電流の増加を抑える。
【0026】
特に、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)のデータ保持特性の悪化を防止する。
以下、本発明の実施の形態を示すバックバイアス回路について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0027】
図1は本発明の実施の形態のバックバイアス回路の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、このバックバイアス回路10は、バックバイアス発生回路11と検知回路12とで構成される。バックバイアス発生回路11の出力ノードは、半導体装置の半導体基板に接続され、バックバイアス電圧VBBを出力する。また、バックバイアス発生回路11には、その動作・停止を制御する制御信号GEが入力される。検知回路12は、上記のバックバイアス電圧VBBが入力され制御信号GEを出力する。
【0028】
図2は本発明の実施の形態のバックバイアス回路10における検知回路12の一構成例を示す回路図である。図2において、検知回路12は、カレントミラー型に接続されたPチャネルトランジスタT1〜T3と、電流源20と、基準電位発生用負荷21と、トリミング可能な抵抗22と、差動増幅器23と、インバータ24、25とを含む。
【0029】
PチャネルトランジスタT1は、ゲートとドレインが電流源20に接続され、基板とソースが電源電圧VDDに接続されるPチャネルMOSFETで構成される。
【0030】
PチャネルトランジスタT2は、PチャネルトランジスタT1とカレントミラー回路を構成するように、ゲートがPチャネルトランジスタT1のゲートに接続され、基板とソースが電源電圧VDDに接続され、ドレインはノード(第1の基準電位ノード)Vref1に接続されるPチャネルMOSFETで構成される。
【0031】
PチャネルトランジスタT3は、PチャネルトランジスタT1とカレントミラー回路を構成するように、ゲートがPチャネルトランジスタT1のゲートに接続され、基板とソースが電源電圧VDDに接続され、ドレインはノード(第2の基準電位ノード)Vref2に接続されるPチャネルMOSFETで構成される。
【0032】
基準電位発生用負荷21は、ノードVref1と接地電位である接地電極との間にダイオード接続されたNチャネルトランジスタ(NチャネルMOSFET)T4、T5で構成される。これらNチャネルトランジスタT4、T5は、バックバイアス電圧VBBが印加されるトランジスタと同じ構造および同じ工程で製造される。ただし、NチャネルトランジスタT4、T5の基板には接地電位の電圧が印加される。ここではダイオード接続されるNチャネルトランジスタとして、NチャネルMOSFETを2個用いたものを示しているが、1個のみであってもよいし、3個以上の直列接続であってもよい。
【0033】
抵抗22は、例えばポリシリコン抵抗やシリサイド抵抗などで構成される。抵抗22は、ノードVref2とバックバイアス電圧VBBのノードとの間に接続される。この抵抗22の抵抗値は所望の抵抗値Rに設定される。また、抵抗22は、複数の抵抗素子と並列に接続されたフューズ素子からなる単位が複数直列に接続され、周知技術であるレーザートリミングなどの方法により上記のフューズ素子を切断して所望の抵抗値Rに設定される構成であってもよい。
【0034】
差動増幅器23は、ノードVref1およびノードVref2を−端子および+端子への入力とし、出力が波形整形用のインバータ24に入力される。バッファ用のインバータ25は、その入力がインバータ24の出力に接続され、出力は制御信号GEのノードに接続される構成をとる。ここでは一例としてインバータ24、25を用いて2段接続としたが、さらにインバータを多数接続して構成してもよいし、インバータを省略して差動増幅器23の出力が制御信号GEのノードに直接接続される構成であってもよい。
【0035】
図3は図2内の電流源20の構成を示す回路図である。この電流源20は、基本的には、カレントミラー型に接続されたPチャネルトランジスタ(PチャネルMOSFET)31、35の組と、Nチャネルトランジスタ(NチャネルMOSFET)36、37、39の組と、抵抗38とからなる。
【0036】
また、電流源20は、基板とソースが電源電圧VDDに接続されゲートとドレインがノード32に接続されたPチャネルトランジスタ31と、基板とソースがノード33に接続されゲートがノード32に接続されドレインがノード34に接続されたPチャネルトランジスタ35と、ソースとゲートがノード34に接続されドレインが接地電極に接地されたNチャネルトランジスタ36と、ソースがノード32に接続されゲートがノード34に接続されドレインが接地電極に接地されたNチャネルトランジスタ37と、電源電圧VDDとノード33との間に接続された抵抗38と、ゲートがノード34に接続されドレインが接地電極に接地されソースが出力電流Iaを受けるNチャネルトランジスタ39とを含む。
【0037】
図4は図1内のバックバイアス発生回路11の一構成例を示す回路図である。本回路は、制御信号GEによりバックバイアス発生動作の動作・停止を制御可能な構成をとる。このバックバイアス発生回路11は、リングオシレータ40と、インバータ41と、容量を形成するように接続された容量用トランジスタであるNチャネルトランジスタ(NチャネルMOSFET)42と、Nチャネルトランジスタ(NチャネルMOSFET)43、44とから構成される。
【0038】
リングオシレータ40は、制御信号GEがHレベル(ハイレベル)の場合に、一定周期のパルスを発生し、制御信号GEがLレベル(ローレベル)の場合は、パルスを停止する回路である。インバータ41は、リングオシレータ40の出力を受け、その出力波形を整形するためのバッファの役割を果たす。Nチャネルトランジスタ42は、ゲートがインバータ41の出力に接続され、ソースとドレインが短絡されて、Nチャネルトランジスタ43のゲートとソースおよびNチャネルトランジスタ44のソースに接続される。Nチャネルトランジスタ43のドレインは接地電極に接地され、Nチャネルトランジスタ44のドレインはバックバイアス電圧VBBを出力する。これらNチャネルトランジスタ42、43、44はチャージポンプ回路を構成する。
【0039】
図5は図2内の差動増幅器23の一構成例を示す回路図である。この差動増幅器23は、基本的には、Pチャネルトランジスタ(PチャネルMOSFET)50、51と、Nチャネルトランジスタ(NチャネルMOSFET)52、53と、電流制御用のNチャネルトランジスタ(NチャネルMOSFET)54とから構成される。
【0040】
また、この差動増幅器23は、カレントミラー型に配置されたPチャネルトランジスタ50、51と、それらのドレインに接続されたNチャネルトランジスタ52、53とで構成され、Nチャネルトランジスタ54を介して接地電極に接地される一般的な差動増幅器の構成をなす。
【0041】
次に、図2に示す検知回路12の動作説明を行うにあたり、先に簡単に図3に示す電流源20の動作について説明する。
図3において、Nチャネルトランジスタ(NチャネルMOSFET)36、37の寸法としきい値電圧Vtnが等しいとすれば、Nチャネルトランジスタ36、37は互いにカレントミラー回路を構成するから、これらNチャネルトランジスタ36、37に流れる電流Ioが、Pチャネルトランジスタ(PチャネルMOSFET)31、35にも流れる。Pチャネルトランジスタ31、35のしきい値電圧は等しくVtpとすれば、各トランジスタ31、35、36、37に流れる電流は、
Io=β31・(V32−VDD−Vtp)2
Io=β35・(V32−VDD+Io・R38−Vtp)2
Io=β36・(V34−Vtn)2
Io=β37・(V34−Vtn)2
で与えられる。ここでV32はノード32の電圧、V34はノード34の電圧、R38は抵抗38の抵抗値である。
【0042】
ここで、β36=β37から上式を変形して、
Io=1/(R38 2・β31)・(1−(β31/β350.52
を得る。またNチャネルトランジスタ36と、Nチャネルトランジスタ(NチャネルMOSFET)39はカレントミラー回路を構成しているため、この回路は、Ioの定数倍の電流Iaを出力する。
【0043】
一方、この構成により、電流源20の出力する電流は、1/βに比例することが分かる。すなわち、図3に示す電流源20は、回路の動作温度が高い場合には電流が増加し、動作温度が低い場合には電流が減少するという特性を持つ。また電流源20の出力する電流Iaは、電源電圧VDDに依存しない特徴をも持つ。
【0044】
次に、図2に示す検知回路12の動作について説明する。
Pチャネルトランジスタ(PチャネルMOSFET)T1には電流Iaが流れる。カレントミラー型に接続されたPチャネルトランジスタ(PチャネルMOSFET)T2、T3には、それぞれのゲート長とゲート幅の比で決まる電流Ib、Icが流れる。
【0045】
ノードVref1の電圧値は、VBBバックバイアストランジスタ(NチャネルMOSFET)T4、T5のしきい値電圧をVt1とすると、2・Vt1の電圧となる。ノードVref2の電圧値は、抵抗22の抵抗値をR22とすると、R22・Ic+VBBの電圧となる。抵抗値R22は、バックバイアス電圧が所望の電位の時に、R22・Ic+VBB=2・Vt1となるように選ばれる。
【0046】
ノードVref2の電圧が、ノードVref1の電圧より高い場合には、差動増幅器23により制御信号GEがハイレベルにされ、バックバイアス発生回路11が動作状態となり、バックバイアス電圧VBBを負電位にする。そして、バックバイアス電圧VBBが負電位になり、ノードVref2の電圧がノードVref1の電圧より低い場合には、制御信号GEがローレベルにされ、バックバイアス発生回路11が停止状態となる。このようにして、バックバイアス電圧VBBは、所望の電位に設定される。
【0047】
仮に、バックバイアス電圧VBBが印加されるトランジスタ群のしきい値電圧が、不純物注入のばらつき、寸法のばらつき、熱履歴のばらつき等の影響で低くなった場合は、ノードVref1の電圧が低くなる。この場合、ノードVref2の電圧とノードVref1の電圧とが等しくなるバックバイアス電圧VBBは、バックバイアス電圧VBBが印加されるトランジスタ群のしきい値電圧が目的のとおりに製造された場合に比べ、深い負電圧に設定される。よって、バックバイアス効果により、バックバイアス電圧VBBが印加されるトランジスタ群のしきい値電圧を高くすることができ、目的のトランジスタ性能へ補正することができる。
【0048】
また仮に、バックバイアスが印加されるトランジスタ群のしきい値電圧が、不純物注入のばらつき、寸法のばらつき、熱履歴のばらつき等の影響で高くなった場合は、ノードVref1の電圧が高くなる。この場合、ノードVref2の電圧とノードVref1の電圧とが等しくなるバックバイアス電圧VBBは、バックバイアスが印加されるトランジスタ群のしきい値電圧が目的のとおりに製造された場合に比べ、浅い負電圧に設定される。よって、バックバイアス効果によりバックバイアスが印加されるトランジスタ群のしきい値電圧を低くすることができ、目的のトランジスタ性能へ補正することができる。
【0049】
また、基準電位発生用負荷21は、ダイオード接続されたトランジスタの1個の直列接続であってもよいし、3個以上の直列接続であってもよいことは先に述べたが、前者の場合、しきい値電圧の変動に対するバックバイアス電圧VBBのレベルの変動を少なく設定することができ、後者の場合は、しきい値電圧の変動に対するバックバイアス電圧VBBのレベルの変動を大きく設定することができる。
【0050】
一方、電流源20として図3に示した構成を用いた場合、チップの動作温度が増加した場合、電流Iaが増加することは先に述べたが、ミラー効果によりIcも同様に増加するので、結果として、ノードVref2の電位が高くなり、バックバイアス電圧は深い負電位に設定される。逆に温度が低い場合は、ノードVref2の電位が低くなり、バックバイアス電圧は浅い負電位に設定される。
【0051】
この回路を、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)に使用し、そのメモリセルを構成するトランジスタへのバックバイアス電圧の印加用として用いた場合、そのDRAMで問題となる高温動作でのデータ保持能力期間に関し、高温でバックバイアス電圧が深くなり、しきい値電圧が増加する効果があるので、リーク電流を抑え、データ保持能力期間を延長することが可能となる。
【0052】
また、この回路構成によれば、電源電圧VDDに依存せず電流Iaが一定であることは先に述べたが、ミラー効果によりIcも同様に一定であるので、結果として、電源電圧VDDに依存せず一定のバックバイアス電圧VBBを設定することができる。
【0053】
なお、図4のバックバイアス発生回路11は、一般的なチャージポンプ回路であるので、ここでは、その動作についての説明は省略する。
【0054】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、しきい値電圧の変動に応じてバックバイアス電圧を変更する機能を有し、トランジスタのしきい値電圧に比例する電圧と、バックバイアス電圧に比例する電圧との差を検知し、バックバイアス発生回路を制御することで、ゲート電極寸法のばらつき、不純物注入のばらつき、および熱履歴のばらつき等により、しきい値電圧が変動しても、それを検知してバックバイアス電圧を制御して変更し、トランジスタのしきい値電圧を補正することができる。
【0056】
また、電源電圧に関係なくバックバイアス電圧は一定であるので、電源電圧が低い電圧となった際にもバックバイアス電圧は一定とし、リーク電流の増加を抑えることができる。
【0057】
特に、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)のデータ保持特性の悪化を防止することができる。
以上により、半導体装置において、トランジスタのしきい値電圧の変動に応じてバックバイアス電圧を変更することができ、半導体装置の製造歩留まりを向上させることができると共に、トランジスタ特性を目的のものにし、設計のとおりの性能の半導体チップを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のバックバイアス回路の構成を示すブロック図
【図2】同実施の形態のバックバイアス回路における検知回路の構成を示す回路図
【図3】同実施の形態のバックバイアス回路における電流源の構成を示す回路図
【図4】同実施の形態のバックバイアス回路におけるバックバイアス発生回路の構成を示す回路図
【図5】同実施の形態のバックバイアス回路における差動増幅器の構成を示す回路図
【符号の説明】
10 バックバイアス回路
11 バックバイアス発生回路
12 検知回路
20 電流源
21 基準電位発生用負荷
22 抵抗
23 差動増幅器
24 インバータ
25 インバータ
31、35 PチャネルMOSFET
32、33、34 ノード
36、37、39 NチャネルMOSFET
38 抵抗
40 リングオシレータ
41 インバータ
42 容量用トランジスタ
43、44 NチャネルMOSFET
50、51 PチャネルMOSFET
52、53、54 NチャネルMOSFET
GE 制御信号
T1、T2、T3 PチャネルMOSFET
T4、T5 VBBバックバイアスNチャネルMOSFET
VBB バックバイアス電圧

Claims (2)

  1. 複数のトランジスタにより構成される半導体装置に対して、そのトランジスタのしきい値電圧を補正するためのバックバイアス電圧を印加するバックバイアス回路であって、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ内でチャージポンプ回路によって構成され前記バックバイアス電圧を出力するバックバイアス発生回路と、前記バックバイアス発生回路からのバックバイアス電圧を検知して、その電圧に応じて前記バックバイアス発生回路の動作のオン・オフを制御する検知回路とで構成し、前記検知回路を、一端が接地電位である接地電極からなる接地ノードに接続された電流源と、前記電流源の他端が接続され、その電流源と等しい電流を第1の基準電位ノードおよび第2の基準電位ノードに流すカレントミラー回路と、前記第1の基準電位ノードと接地ノードとの間に接続された1個または複数個の基準トランジスタと、前記第2の基準電位ノードとバックバイアス電圧が入力されるノードとの間に接続された抵抗素子と、前記第1および第2の基準電位ノードの電圧がそれぞれ入力される第1および第2の入力端子を有し、それらの電圧差に基づいて、前記バックバイアス発生回路の動作のオン・オフ制御用の制御信号を出力する差動増幅器とで構成し、前記バックバイアス発生回路から出力されるバックバイアス電圧は、前記ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ内のメモリセルを構成するトランジスタの基板に供給され、かつ前記基準トランジスタを、前記メモリセルを構成するトランジスタと同じ構造となるように構成したことを特徴とするバックバイアス回路。
  2. 請求項1に記載のバックバイアス回路であって、所定の製造条件で、所定の電圧のバックバイアス電圧を出力し、バックバイアス発生回路から出力されるバックバイアス電圧の絶対値が、製造条件のばらつきにより、構成されるトランジスタのしきい値電圧に逆比例するように構成したことを特徴とするバックバイアス回路。
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