JP3689006B2 - ブロー成型用金型 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パリソン内にエアを注入するためのブローニードルの打ち込み口を側方に備えたブロー成型用金型に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
ブロー成型法においては、パリソン内にエアを注入するためのブローニードルの打ち込み口が金型の側方に設けられる（特開２０００−１０２９７１号公報参照）。このブローニードルの打ち込み位置は、ブローニードルを打ち込むことで開いた孔を後加工で塞いだりする必要がなくなることから、ブロー成型された製品に後付けする付属部品の取付部に設定されることが一般的である。
【０００３】
一方、付属部品の取付部は、二次加工を容易化するために、ブロー成型された製品の外面に突出する凸部として形成されることが一般的である。これは金型側から見ると、金型の内面に形成された凹部ということになる。つまり従来の金型構造によると、ブローニードルは、金型内面に設けられた凹部の底面から金型内に差し込まれた上でパリソンに打ち込まれることとなっていた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、ブローニードルからパリソン内にエアを注入すると、エア圧で膨張したパリソンは、先ず金型内面における凹部の周囲に密接した後に凹部内に入り込むこととなるが、この際、凹部の内面に沿ってパリソンが延びて行くと、ブローニードルが突き破った孔が広がってしまい、その隙間からエアが漏出するため、凹部の内面に対してパリソンが均一に密接できなくなることがあり得た。このようにして発生する形状不良や肉厚の不均一は、特に付属部品の取付部にシール性を要求されるものの場合は、シール不良を引き起こす原因となるので好ましいことではない。
【０００５】
本発明は、このような従来技術の問題点を解消すべく案出されたものであり、その主な目的は、ブローニードルによって開けられた孔の周囲に形状不良や肉厚の不均一が生じ難くなるように改良されたブロー成型用金型を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、パリソン（８）内にエアを注入するためのブローニードル（６）の打ち込み口を側方に備えたブロー成型用金型（１）を、ブローニードルの挿通孔（ガイド孔７）を備えた凸部（ブローニードルガイド３）をその内面に設け、該凸部の頂面（５）に、該頂面の周囲よりも早くパリソンが密接するようにしてなることを特徴とするものとした。
【０００７】
このようにすれば、パリソンのブローニードル打ち込み部が、凸部の頂面にてバックアップされた形になる。そのため、ブローニードル打ち込み面の位置が安定し、打ち込み孔が広がらずに済む。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下に、添付の図面を参照して本発明について詳細に説明する。
【０００９】
図１は、本発明によるブロー成型用金型のブローニードル打ち込み口が設けられた部分の断面図である。図１において、金型１の内面の適所には、有底円筒状をなす凹所２が形成されている。この凹所２の底面には、円錐台形をなすブローニードルガイド３のベースが、ビス４を用いて固定されている。このブローニードルガイド３により、凹所２の底面には、凹所２の開口内周縁部が接する金型１の内面より内方へ突出する平坦な頂面５を有する凸部が形成されている。
【００１０】
ブローニードルガイド３の中心には、金型１の外側からブローニードル６を挿通するガイド孔７が貫設されている。
【００１１】
このガイド孔７からブローニードル６を金型１内に差し込み、且つ金型１内に供給されたパリソン８にその先端を打ち込み、パリソン８内にエアを注入すると、膨張したパリソン８は、先ずブローニードルガイド３の平坦な頂面５に密接する。これにより、未だ延びきらずに肉厚が比較的大きな段階でブローニードル６の打ち込み面の位置が規定されるので、エア圧によりパリソン８が更に膨張しても、ブローニードルガイド３の頂面５に密接した部分の薄肉化の進行が緩やかになる。その結果、打ち込み孔が広がらずに済む上に、打ち込み孔の背面がブローニードルガイド３の頂面５でバックアップされているので、エアの漏出が防止される。
【００１２】
そして最終的には、凹所２の底面を含む内周面から、ブローニードルガイド３の外周面にかけて、パリソン８が均一に密接する。
【００１３】
自己保形性が確保できる程度に冷却固化した段階で製品を型抜きすると、打ち込み孔は製品の外面に突出した部分９の中心に位置することとなるが、この突出部９のある位置に付属部品の取付口を設けるものとすれば、突出部９は切除されることとなるので、完成品に何ら悪影響を及ぼすことの無いものとすることができる。
【００１４】
なお、上記は、金型１の内面に形成した凹所２の底面に、凸部としてのブローニードルガイド３を設けるものとしたが、本発明はこれに限定されず、要は、パリソン８に於けるブローニードル６の打ち込まれる面がその周囲よりも早く金型１の内面に密接するようにされていれば良く、仕上がり製品の形状に合わせた適宜な変形態様で実施することができる。また、凸部の頂面５も、平坦なものに限らず、例えば球面を呈するものであっても良い。
【００１５】
【発明の効果】
以上詳述した通り本発明によれば、ブローニードルを打ち込むことで孔を開けられた部分がブローニードルガイド（凸部）の頂面でバックアップされるため、パリソンが過度に薄肉化するなどして打ち込み孔が広がることが防止される。またブローニードルガイドに沿う部分の肉厚が安定化するので、二次加工までの冷却行程での収縮変形が不均一となることが抑制される。従って本発明により、付属部品取り付け部などの形状精度を良好に保つ上に多大な効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明が適用されたブロー成型用金型の要部断面図
【符号の説明】
１ 金型
２ 凹所
３ ブローニードルガイド
４ ビス
５ 頂面
６ ブローニードル
７ ガイド孔
８ パリソン
９ 突出部

Claims (1)

1. パリソン内にエアを注入するためのブローニードルの打ち込み口を側方に備えたブロー成型用金型であって、
   ブローニードルの挿通孔を備えた凸部を当該金型の内面に設け、該凸部の頂面に、該頂面の周囲よりも早くパリソンが密接するようにしてなることを特徴とするブロー成型用金型。

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