JP3688929B2 - 金属加工屑を原料とする塊成化物の保管方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄鋼の機械加工工程で発生する金属加工屑の再資源化を目的とする塊成化処理技術のうち、特に塊成化物に成型後の成品についての防災上・安全上の取扱いに関する。ここで、従来廃棄物として埋立処理されてきた金属加工屑には、その発生原因から金属研削屑または金属研磨屑があり、また形状的には長径3mm以下の粒状金属加工屑と、長径3mm以下の範囲の金属加工屑が互いに絡まりあって形成される長径100mm以下の綿状研削屑とがある。本発明ではこれらを総称して金属加工屑という。
【0002】
【従来の技術】
近年、金属スクラップの再資源化が地球資源の保護及び地球環境保護の点からも注目されている。鉄鋼においても、塊状の鉄鋼スクラップの再資源化は著しく進展している。また、鉄鋼製造工程において大量に発生する鉄鉱石粉、転炉OGダスト、焼結返鉱粉、還元鉄粉、磁選粉等の取扱いが容易でない種々の粉状の鉄分ついても再資源化が進んでいる。
【0003】
粉状の鉄分を再資源化する技術としては、特公開62−158812号公報が開示されている。この発明は、金属粉体を樹脂バンイダーで固めてブリケットとし、高炉、転炉、電気炉等に投入する方法であり、鉄粉と粉炭などの粉状粒子をカルボキシ・メチルセルロース(CMC)や、ポリビニル・アルコール(PVA)などの特殊なバインダーを用いて、高速混練してブリケット化する方法である。
【0004】
また、特開平9−241766号公報には、鉄分を有効に回収すべく、高炉・転炉・電気炉等に投入する金属粉体を原料とするブリケットの製造方法が開示されている。この発明は、製鉄工程等で発生する鉄鉱石粉等の粉状の鉄分に熱可塑性の廃プラスチックをバインダーとして添加してブリケットに製造する方法である。
【0005】
一方、鉄鋼の機械加工工程においても大量の金属加工屑が発生する。これらの金属加工屑は、加工時に使用する切削油、研磨油及び水分を多量に含有し、また加工屑は粒径の小さい微粒を多く含有するため、その貯蔵、輸送、処理などの取扱いに際して、油分・水分の漏出や微粉ダストの飛散など、環境上また衛生上好ましいものではなかった。また金属加工屑のうち、特に、長径3mm以下の範囲の金属加工屑が互いに絡まりあって形成されている長径100mm以下の綿状の金属加工屑は、その形状・性状ゆえにそのままでは再利用が困難であり、これまでは廃棄物として埋立処理されていた。
【0006】
本発明者らは、多量の鉄分を含むこの綿状金属加工屑についても鉄資源の有効利用という点から鋭意研究を進め、金属加工屑の脱水・脱油方法、形状を綿状から粒状への変化を促進する方法及びバインダーとしての廃プラスチックの形状・粒径等を調整する方法により、金属加工屑を塊成化して再資源化を可能とする発明を既に完成させた。
【0007】
しかしながら、この塊成化成型品は酸化・発熱し易く、これに起因して成品が粉化・崩壊するなど、塊成化成型品の歩留まり・品質低下の問題が起こるおそれがある。また、場合によっては、異常発熱を生じ防災・保安上の問題を生じるおそれがある。このような課題については、これまでその解決方法は開示されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、塊成化成型品の酸化・発熱し易い特性を改良して、その粉化・崩壊を防止して歩留まりの向上と品質の維持を図るとともに、塊成化成型品の保管中に発生するおそれのある異常発熱を防止して防災・保安上の対策を講じることを解決すべき課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この課題解決に向けて、本発明者らは鋭意研究した結果、以下の発明を完成するに至った。
発明の第1の態様は、下記の工程を備えた下記の工程を備えた金属加工屑を原料とする塊成化物の保管方法である。
(a)金属加工屑とバインダーを混合・混錬し、所定の形状に成型した塊成化物を山積みする工程と、
(b)前記山積みした塊成化成型品を50℃以下に冷却する工程。
【0010】
発明の第2の態様は、前記成型した塊成化物から発生する5mm以下の成品粉を篩い分け除去して50℃以下に冷却することを特徴とする金属加工屑を原料とする塊成化物の保管方法である。
【0011】
発明の第3から第4の態様は、前記バインダーに関する発明である。即ち、発明の第3の態様は前記バインダーが低軟化点温度を有すること、発明の第4の態様は前記バインダーの粒子径が1mm以下であることをそれぞれ特徴とする金属加工屑を原料とする塊成化物の保管方法である。
【0012】
発明の第5の態様は、前記成型した塊成化物の形状が直径30mm以上の大粒ブリケットであることを特徴とする金属加工屑を原料とする塊成化物の保管方法である。
【0013】
発明の第6の態様は、前記山積みした塊成化成型品の積山の高さを1.5m以内に制限すること、発明の第7の態様は前記山積みした塊成化成型品の冷却を、50℃以下の冷却空気の吹き付け・吹込みにより行うこと、発明の第8の態様は前記山積みした塊成化成型品の50℃以下の冷却を、当該成型品に50℃以下の冷却空気の吹き付け・吹込みを行いつつ転置、移動、混合、展延、分割を含む攪拌操作を行うことをそれぞれ特徴とする金属加工屑を原料とする塊成化物の保管方法である。
【0014】
また、発明の第9の態様は、前記バインダーが撥水性であることを特徴とする、発明の第10の態様は、前記山積みした塊成化成型品の冷却を50℃以下の低温水の吹き付けにより行うことをそれぞれ特徴とする金属加工屑を原料とする塊成化物の保管方法である。
【0015】
【発明の実施形態】
本発明の実施形態を図1により説明する。
まず、金属加工屑について、塊成化するための予備処理を行う。すなわち、機械加工工場や圧延ミルなどにおいて発生する長径(加工屑は一般に長径と短径があるが、長径を基準とする)3mm以下の範囲の粒状金属加工屑(以下粒状品という)2に対して、まず含まれている油分を含む水分の脱水・脱油4を行なう。
【0016】
一方、長径3mm以下の範囲の金属加工屑が互いに絡まりあって形成されている長径100mm以下の綿状金属加工屑(以下綿状品ともいう)6は、含まれている油分を含む水分の脱水・脱油8を行なった後分断・解砕10する。分断・解砕は例えばケージミルやハンマーミルにより行うことができる。
【0017】
次に、分断・解砕した綿状金属加工屑10と粒状金属加工屑6を混合12し、大気中に山積み13し、次いで山積みした加工屑の酸化、自己発熱作用による形態・性状の変化過程を制御して異常発熱と焼結・固化を防止しつつ、乾燥・養生14を促進する。
【0018】
かかる予備処理を行った金属加工屑を原料として、これにバインダーとしてのプラスチック17を配合16し、金属加工屑とプラスチックを混錬18し、所定の形状に成形20を行って成品22としての塊成化成型品を得る。塊成化成型品は高炉等の再資源化プロセスに払い出される間、成品ヤードに山積み24される。
【0019】
山積みされた成型品は、成型直後の段階において発生する又は山積みした成型品のハンドリング中に発生する成品粉を除去するため篩い分け26される。更に、山積みした塊成化成型品の積山の温度を低下させるべく、或いは積山の放熱を行うため、積山の強制冷却28を行う。
【0020】
金属加工屑とプラスチックを混錬すると、金属加工屑同士の接触摩擦熱により、混合原料の温度が上昇する。プラスチックとしてポリエチレン廃プラスチックを使用した例を図2に示す。約10分間程度の混錬により原料温度は上昇し、これに伴なって、原料中の水分の蒸発とプラスチックの軟化が起こり、塊成化物の成型性が向上する。混錬終了後直ちに成型を行うが、成型直後の塊成化成型品の温度は、約140℃程度に達する。
【0021】
次に、成型品は、高炉等に溶解原料として払い出されるまでの間、成品ヤードに山積みされるが、成型直後の高温状態に起因して成型品の一部が粉化・崩壊し、約10%程度の発生粉が存在する。一方、山積みの間に塊成化成型品は放置冷却され温度が低下するが、放置中またはこの間のハンドリング中に特に発生粉が酸化して発熱・温度上昇を生じ、成型品の粉化・崩壊が促進する。発熱が著しい場合には、成型品の取扱い中に異常発熱を起し、火災を発生させるなど防災保安上大きな課題を抱えている。
【0022】
異常発熱は、塊成化成型品がその取扱い中に接触・摩擦を起しこれにより塊成化成型品の一部が粉砕・微粉化すること、およびフレッシュな金属表面が現出し酸化され易い状態になることに起因すると考えられる。すなわち、接触により生ずる摩擦熱は、塊成化成型品の温度を上昇させ、粉化・崩壊を促進する。また、発生した微粉末は放熱を抑制するため、塊成化成型品の冷却が不十分となる。成型品は、高炉等へ払い出すまでの間、ヤードに山積み貯蔵されるが、発熱が放熱を上回ると積山全体の温度が上昇し燃焼につながるおそれがある。一方、接触に伴う発熱を抑えるために、成型した塊成化成型品に散水等して冷却する処理は、塊成化成型品の水分含有量を増加させるので好ましくない。
【0023】
従って、塊成化成型品の酸化・発熱に伴う防災・保安上の課題を解決するためには、塊成化成型品の温度と水分を所定の管理値以下となるように冷却・乾燥を行うこと、塊成化成型品を山積みする際に発熱・粉化等が生じないようにすること等の対策が重要である。
【0024】
本発明者等はこの点に関して、研究を進めた結果、以下の知見を得た。
第1の知見は、塊成化成型品の温度を50℃以下に管理すれば、酸化反応速度は著しく減少し、酸化・発熱を抑制することができることである。これには、金属加工屑とバインダーの混錬に際して、(イ)混錬物自体の温度を下げること、(ロ)放熱量が発熱量を上回るように定常的な保守を行うこと、例えば成型品を貯蔵・山積みする際に積山の高さを制限することや外部からの強制冷却を行うこと等により実現できる。
【0025】
第2の知見は、金属の酸化には温度・酸素(空気)・水分が影響することから、塊成化成型品や崩壊してできた金属粉末粒子と酸素、水分との接触を遮断することができれば、酸化・発熱を抑制できることである。これには、バインダーの材質選定が有効である。
【0026】
第3の知見は、酸化反応は塊成化成型品および粉化物の表面で進行することから、塊成化成型品の比表面積を小さくすることおよび粉化物の発生量を減少させるか発生した粉化物を除去することにより、酸化・発熱を抑制できることである。従って、成型品の形状は極力大粒のブリケットとすることが望ましい。また、発生した粉化物を除去する工程、粉化物の発生を抑えるべく成型品の温度を低下すること工程が必要となる。
【0027】
こうした知見を基に、以下の方法を実現した。
まず、積山の温度上昇の直接原因となる成型品が崩壊した粉化物の篩い分け除去である。これについて、積山を移動させる際に、(イ)篩い分けを行わなかった場合、(ロ)5mm以下の粉体を篩い分け除去した場合、及び(ハ)15mm以下の粒状物を篩い分け除去した場合について、再度山積みした後の積山の温度上昇を調査した。
【0028】
図3に示すように、篩い分けを行わなかった場合には積山には微細な粉体が多く含まれるため、積山の温度は、約2日間放置した後、急激に温度上昇が生じている。一方、5mm以下の粉体を篩い分け除去した場合には、積山の温度はほぼ一定であり、発熱と放熱がバランスしていることがうかがえる。また、15mm以下の粒状物を篩い分け除去した場合には、積山の温度は、時間の経過と共に減少しており、放熱量の方が大きいことがわかる。
【0029】
これより、篩分けした粒状物の発生量をある程度抑えつつ発熱を防止するには、5mm以下の粉化物を篩い分け除去することが有効である。なお、篩い分けは、山積みした成型品を後述する積山の冷却管理を目的として山を移動させる際に行うのが望ましいが、成型直後の冷却時等に行なっても効果は認められる。
【0030】
次に、バインダーとして用いるプラスチックの最適化を検討した。
すなわち、バインダーとして、水分を吸収し易い性質のものに比して水を撥く性質を有するプラスチック、例えばPDA(脱れきアスファルト)やPVA(ポリヴイニールアルコール)を使用することにより、塊成化成型品に対して冷却水を用いた散水冷却が可能となる。また、低軟化点を有するバインダーを使用すれば、成型に際しての温度低下が可能となり、成型後の成品温度を低い温度に維持することが可能となる。
【0031】
また、バインダーが同一のプラスチックの場合には、その粒子径が小さいほど軟化点は低下するため、成型温度を下げることができる。これは、プラスチックの粒子径が小さいほど、粒子表面から粒子内部への伝熱が促進され、粒子表面部の成型温度を低くすることができるからである。実験により、バインダー粒子径が1mm以下にすると、粒子表面と中心部の昇温速度の差は極めて小さくなることが判明した。
【0032】
次に、塊成化成型品の形状を極力大粒のブリケットとすることにより、成型品の表面で進行する酸化反応を抑えることができる。これに関して成型品のサイズと積山の酸化・発熱挙動を調査した。実験では、篩を用いて成型品のサイズを整え、(イ)粉状物と5mm以下の粒の混合、(ロ)5から20mmの粒、(ハ)20から30mmの粒、(ニ)30mm以上の粒に分けて、高さ一定の3m3の積山を作りその山の温度上昇を調査した。
【0033】
図4に一例として、成型品ブリケットの大きさが5から20mmの中粒の積山と30mm以上の大粒の積山における、積山の温度の経時変化を示す。直径30mm以上の大粒では酸化に伴う異常発熱がほとんど生じていないが、5から20mmの中粒では発熱が生じている。従って、成型に際しては、塊成化物の形状を30mm以上の粒とするのが良い。
【0034】
一方、山積みした塊成化成型品を直接冷却することにより、発熱を抑制することが可能となる。これには、山積みした塊成化成型品の積山の高さを制限すること、山積みした塊成化成型品に低温水を吹き付けること又は冷却空気を吹き付け・吹込みを行うこと、これらの処理を行いながら積山の転置、移動、混合、展延、分割を含む攪拌操作を行うことより行うことができる。
【0035】
まず、積山の高さの制限について、積山の大きさと発熱の関係を図5に示す。積山の高さが2.5mの場合には、放熱量が少ないため、時間の経過と共に積山の温度が上昇する。しかし、積山の高さが1.5m以内の場合には放熱効果が顕著になり、温度上昇を軽減することができる。
【0036】
山積みした塊成化成型品を直接水冷する場合は、成型品中の金属加工屑に水分が付着しないように、撥水性バインダーを用いた場合に適用できる。また、成型品の積山に冷却空気を直接吹き付け・吹込みを行う場合は、撥水性バインダーを使用しない場合にも適用可能である。この際に、転置、移動、混合、展延、分割を含む攪拌操作を行いながら、成型品に冷却空気の吹き付け・吹込みを行うと、その効果が一層向上する。
【0037】
【実施例】
図6として示す表1に本発明の実施例の条件を示す。
実施例1及び2は、機械加工工場で発生した長径3mm以下の粒状品及び綿状品の金属加工屑を原料とした。いずれも脱水・脱油した後、綿状品金属加工屑は、更に繊維の絡まりをケージミルにより分断・解砕をおこなった。その後綿状品の割合を70%として、両加工屑を混合し乾燥・養生した。この間、混合した加工屑原料に対して、定期的にショベルによって掻き揚げ操作を3日から7日間実施した。この操作により、繊維状の形状を呈する綿状品は、酸化を受け弱い外力で分断し易くなるため、ショベルの掻き揚げによる落下衝撃力や掻き揚げの攪拌作用により、綿状品形状は多くが粒状品形状に変化し、最終的な加工屑中の綿状品の比率は30%以下に減少した。
【0038】
次に、この加工屑原料に、撥水性廃プラスチックとして、ポリエチレンをバインダーとして2.5%添加し、高速攪拌機で両者を混練・昇温した。混錬した成型原料は、ロール成形により、ブリケットに加工した。なお、実施例1ではバインダーの軟化点温度は125℃であり、実施例2では、バインダーの軟化温度を低減すべく廃プラスチックの長径を1mm以下に調整したため、軟化点温度は110℃に低下した。また、実施例1では、ブリケットの直径を20mm以上の中粒とし、実施例2では直径30mm以上の大粒とした。これらの塊成化物成型品は、圧潰強度が高くまた成型品の歩留まりも90%を超え良好であった。
【0039】
これらの成型品を山積みしたが、実施例1では積山に空気を吹き付けつつ窒素ガスを吹込むことにより、また実施例2では積山に冷却水をノズルから散水することにより、冷却を行った。このような塊成化物を保管する方法により、金属加工屑を原料とする塊成化物について、異常発熱を完全に防止することができた。
【0040】
実施例3から5は、本発明の保管方法を、保管中に異常発熱を起し易い他の金属原料の塊成化処理に適用したものである。すなわち、実施例3及び4は、転炉で発生するOGダストを原料とする塊成化物の場合であり、また実施例5は、フェロマンガンを原料とする塊成化物の例である。本発明の塊成化物の保管方法は、これらの金属加工屑以外を原料とする場合においても、異常発熱を防止することができる。
【0041】
【発明の効果】
本発明の塊成化物の保管方法を適用することにより、金属加工屑を原料として塊成化物として再資源化するに際して、保管中における塊成化物の異常発熱等の問題を完全に防止することができるので、防災保安上の利点が大きい。従って、従来廃棄物として埋立処理されてきた金属加工屑を、高炉、転炉、電気炉等の溶解金属資源として再利用できるので、金属資源の有効利用、環境保全への貢献の観点で効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様のフロー図である。
【図2】塊成化処理中における金属加工屑とバインダーとの混合物の温度変化、塊成化物を山積みした後の積山の温度変化及び積山から発生する粉体の比率の変化を示す図である。
【図3】粉体を篩い分けした場合の積山の温度変化を示す図である。
【図4】積山の温度変化に及ぼす塊成化物ブリケットの大きさの影響を示す図である。
【図5】積山の温度変化に及ぼす積山の大きさの影響を示す図である。
【図6】表1に示す本発明の実施例の条件を示す図である。
【符号の説明】
2 粒状金属加工屑(原料金属加工屑)
4 脱水・脱油工程
6 綿状金属加工屑(原料金属加工屑)
8 脱水・脱油工程
10 解砕・分断工程
12 混合工程
13 混合金属加工屑の山積み工程
14 乾燥・養生工程
16 バインダー配合工程
17 バインダー(廃プラスチック)選択工程
18 混錬工程
20 成形工程
22 成品
24 成品ヤードに山積みする工程
26 成品粉除去の篩い分け工程
28 積山を強制冷却する工程
Claims (4)
- 下記の工程を備えた金属加工屑を原料とする塊成化物の保管方法。
(a)金属加工屑とバインダを混合・混錬し、直径30mm以上の大粒ブリケットに成型した塊成化物を山積みする工程と、
(b)前記山積みした塊成化成型品の積山の高さを1.5m以内とする工程と、
(c)前記山積みした塊成化成型品を50℃以下に冷却する工程と、
(d)前記成型した塊成化物から発生する5mm以下の成品粉を篩い分け除去する工程。 - 前記バインダの粒子径が1mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の金属加工屑を原料とする塊成化物の保管方法。
- 請求項1に記載の前記バインダがPDA(脱れきアスファルト)又はPVA(ポリヴィニールアルコール)であることを特徴とする金属加工屑を原料とする塊成化物の保管方法。
- 請求項2に記載の前記バインダがプラスチック又は廃プラスチックであることを特徴とする金属加工屑を原料とする塊成化物の保管方法。
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