JP3688636B2 - ハンドリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はハンドリング装置に関し、特にマイクロプレートを搬送するハンドリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
酵素免疫反応測定などにおいて、サンプル(人体又は動物の血液、尿など)に対する試薬処理を行う場合にはマイクロプレート(アッセイプレート)が利用される。マイクロプレートには多数のウエルが形成され、各ウエル内にサンプル及び試薬が注入され、これにより試薬処理がなされる。その試薬処理を促進するために、従来から、恒温槽として機能するインキュベータ(反応促進装置)が用いられる。
【0003】
インキュベータに対してマイクロプレートをセットする場合には、マイクロプレートを保持して搬送するハンドリング装置が用いられる。ハンドリング装置としては、例えば、マニピュレータのように複数のフィンガ(あるいは爪)によってマイクロプレートをその上方から覆い掴んで搬送するものがある。しかし、そのような搬送機構を用いると、マイクロプレートの上側に機構が存在するため、インキュベータへのマイクロプレートのセッテイング方法あるいはインキュベータ自体の構造に大きな制限が生じてしまう。
【0004】
本発明の目的は、処理装置に対して水平方向からマイクロプレートを差し込むことが容易なハンドリング装置を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、マイクロプレートの搬送動作を他の動作に利用できるようにすることにある。
【0006】
本発明の他の目的は、信頼性の高いハンドリング装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、マイクロプレートを処理装置に設けられた扉付き処理室内へ搬送するハンドリング装置において、両アームがX方向に伸長し且つ両アームが当該X方向と直交するY方向に離間して設けられ、前記搬送ライン上のマイクロプレートを前記Y方向の両側から挟んで保持する一対のアームと、前記一対のアームの基端側に連結され、当該一対のアームを前記処理室内へ搬送する搬送機構と、を含み、前記一対のアームの先端部は、前記扉に当接して前記扉を開く部材として機能し、前記一対のアームの上面は、マイクロプレート保持状態において当該マイクロプレートの上面よりも高い位置にあることを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、マイクロプレートが一対のアームによって保持される。搬送機構が一対のアームの基端側に連結されているため、一対のアームによって保持されたマイクロプレートの上側及び下側を開放空間とすることができる。よって、処理装置の側面に出入口が形成されているような場合においても、マイクロプレートを水平運動させて、その出入口に差し込むことができる。すなわち、その水平運動によって、処理装置の出入口に設けられた扉に対して一対のアームの先端部を当接させた上で、その扉を跳ね上げ動作させることができる。つまり、マイクロプレートを処理室内に搬送することができる。
【0009】
望ましくは、前記一対のアームの先端部は流線形状を有する。この構成によれば、より円滑に扉の跳ね上げ動作をさせることができる。
【0010】
望ましくは、前記搬送機構は、前記処理室の手前位置から前記一対のアームを前記X方向に前進運動させて前記処理室の内部でマイクロプレートを解放した後に前記一対のアームを前記X方向に後退運動させ、前記前進運動において、前記一対のアームの先端部により前記処理室の扉が奥側へ跳ね上げられ、かつ、その跳ね上げられた扉の下縁が前記一対のアームの上面に摺動当接してその跳ね上げ状態が維持され、前記後退運動により前記一対のアームが前記処理室から離脱した時に前記扉の跳ね上げ状態が解消されることを特徴とする。
【0011】
望ましくは、前記各アームには、前記マイクロプレートの下面側に差し込まれてそれを支持する複数の差込片が設けらる。
【0012】
望ましくは、前記複数の差込片の内の少なくとも1つにはそこに加わる荷重を検出するセンサが設けられる。
【0013】
望ましくは、前記一対のアームの基端側には、それらの間に臨んでストッパ部材が設けられる。
【0014】
望ましくは、前記ストッパ部材は、前記一対のアームが所定間隔より近づかないように制限する部材として機能する。望ましくは、前記ストッパ部材は前記収容室の出入口に当接可能な形状を有する。
【0015】
なお、上記ハンドリング装置は、マイクロプレートを利用する各種のシステムに搭載することができるが、以下に説明する酵素免疫反応測定装置を構成する各ユニット内に搭載するのが好適である(後述する図12及び図13などにはその一例が示されている)。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1には、本発明に係る酵素免疫反応測定システムの全体的な構成が斜視図として示されている。この酵素免疫反応測定システムは、人体や動物などから採取された血液や尿などのサンプルに対して抗原抗体反応測定を行うシステムであり、特に、大量のサンプルを処理できるシステムである。
【0018】
図1に示されるように、本実施形態に係る酵素免疫反応測定システムは、前処理ユニット(開始分注ユニット)10、第1反応処理ユニット12、第2反応処理ユニット14、第3反応処理ユニット16、呈色反応処理ユニット18及び測定処理ユニット20を有している。前処理ユニット10を上流側として、そこから下流側にかけて複数の処理工程が実行され、各処理工程ごとにユニットが設けられている。ちなみに、Y方向は後述するアッセイプレート(マイクロプレート)が流される搬送ライン方向であり、それに直交する水平方向としてX方向が定義されている。各ユニットにおいては、装置の前面側から、試薬容器の交換や試薬の補充などのようなメンテナンス作業がなされる。ちなみにZ方向は垂直方向である。なお、前処理ユニット10においては、必要に応じて、その裏面側から、そのようなメンテナンス作業を行うこともできる。
【0019】
図1には示されていないが、図示される各種のユニットの他、本実施形態においては、最後のユニットとして排出スタッカが設けられており、一連の処理工程を経た後のアッセイプレートがその排出スタッカに積み上げ収納される。また、各ユニット10〜20は、図示されていない制御部によって制御されており、その制御部としては例えばコンピュータなどを用いることができる。そのようなコンピュータは各ユニットとは別体に設けられ、あるいはいずれかのユニット内に設けられる。
【0020】
図1に示すシステム構成は一例であって、酵素免疫反応測定を構成する各処理工程の内容に応じて様々なシステム構成を採用することができる。
【0021】
図2には、本実施形態に係る酵素免疫反応測定に含まれる一連の工程がフローチャートとして示されている。ちなみに、符号10Aは、図1に示した前処理ユニット10が担当する工程を示しており、符号12Aは、図1に示した第1反応処理ユニット12が担当する工程を示しており、符号14Aは、図1に示した第2反応処理ユニット14が担当する工程を示しており、符号16Aは、図1に示した第3反応処理ユニット16が担当する工程を示しており、符号18Aは、図1に示した呈色反応処理ユニット18が担当する工程を示しており、符号20Aは、図1に示した測定処理ユニット20が担当する工程を示している。また、符号22Aは、上記の排出スタッカにおける動作を示している。
【0022】
図2において、まずS101においては、アッセイプレートに対して具体的には、アッセイプレートに形成された各ウエルに対して、サンプルが分注される。本実施形態においては、アッセイプレートにおける各ウエルの底面にあらかじめ試薬の固相が形成されており、各ウエルに対してサンプルを分注すると、その分注タイミングをもって試薬反応が開始される。よって、ここで実行される前処理は反応開始分注に相当する。ちなみに、分注される各サンプル(元検体)は、ユーザーによってセットされるマイクロプレートの各ウエル内に収容されている。つまり、そのようなマイクロプレートの各ウエルからサンプルが吸引され、その吸引されたサンプルがアッセイプレートの1又は複数のウエルに吐出される(コピー分注)。全てのウエルに対するサンプルの分注がなされたアッセイプレートは、前処理ユニット10から後続する各ユニットへ段階的に流される。なお、このS101の工程を先頭の第1反応処理ユニット12において実行させることも可能である。
【0023】
S102〜S104の各工程は、第1反応処理ユニット12において実行される。攪拌処理S102は、攪拌装置にアッセイプレートをセットし、そのアッセイプレート自体を周期的に水平運動させることにより、各ウエル内におけるサンプル及び試薬を攪拌するものである。インキュベーション処理S103は、インキュベータ内にアッセイプレートを搬送、収容し、例えばその状態で所定温度まで加温して所定時間放置することにより試薬反応を促進する処理である。洗浄処理104は、アッセイプレートの各ウエルについて洗浄液を利用して洗浄を行うものであり、これによって試薬などが含まれた残液が洗い流される。
【0024】
S105〜S108は、第2反応処理ユニット14によって実行されるものである。それらの各工程S105〜S108と上述した第1反応処理ユニット12における各工程S102〜S104とを対比すると、大きく違うのは、第2反応処理ユニット14においては分注処理S105が含まれているということである。それ以外の各工程については、第1反応処理ユニット12における各工程と基本的に同一であるが、試薬については基本的に各反応工程ごとに異なるものが利用され、また攪拌やインキュベーション処理などについてもそれぞれの工程ごとに定められた条件の下でその内容が実行されている。
【0025】
S109〜S112の各工程は、第3反応処理ユニット16によって実施されるものである。それらの各工程は第2反応処理ユニット14における各工程S105〜S108に相当している。ただし、上述のように試薬については別のものが利用され、また、各種の処理条件についてはそれぞれ固有のものが設定されている。
【0026】
S113〜S115の各工程は、呈色反応処理ユニット18によって実施されるものである。S113の分注処理では、アッセイプレートの各ウエル内に呈色反応を行うための呈色反応試薬が分注される。攪拌処理S114及びインキュべーション処理S115については、それぞれのユニット12,14,16において実施されたものと同様である。ただし、この呈色反応処理ユニット18においては、洗浄処理は設けられていない。これは呈色反応結果をそのまま維持・保存するためである。
【0027】
S116〜S118の各工程は、測定処理ユニット20によって実施されるものである。ここで、分注処理S116は、アッセイプレートの各ウエル内に反応停止試薬を分注するものである。攪拌処理S117は、各ユニット12,14、16、18において実施されたものと同様である。比色(測定)処理S118は、呈色反応結果を光学的に測定する工程であり、これによって抗体抗原反応の結果を観察することが可能となる。この測定処理ユニット20においては、洗浄処理は実施されない。
【0028】
S119においては、排出スタッカに測定終了後の各アッセイプレートが積み上げられる。そして一連の処理が完了する。
【0029】
ところで、従来システムにおいては、上述した各反応処理と同様の内容の処理が共通の処理装置によって実施されていた。すなわち、各反応処理工程において、分注処理は同一の分注装置によって実施され、このことは、攪拌処理、インキュベーション処理及び洗浄処理についても同様であった。これに対し、本実施形態のシステムにおいては、それぞれの反応処理工程において、それぞれの処理単位が専属の装置によって実施されており、各反応処理工程間において装置の競合は生じない。その結果、大量のサンプルを極めて効率的かつ迅速に処理することが可能となる。
【0030】
次に、図3を用いて、図2に示した酵素免疫反応測定を構成する各工程を遂行する装置について説明する。
【0031】
前処理ユニット10は、プレート送り機構30、分注機構32、ステージ送り機構34、プレート要素検出器36、搬送ライン38などを有している。それらについては後に図4〜図6などを用いて説明する。
【0032】
第2及び第3反応処理ユニット14,16は、搬送ライン40、第1ハンドリング機構42、分注機構44、ステージ送り機構46、第2ハンドリング機構48、攪拌機構50、インキュベータ52、第3ハンドリング機構56、洗浄機構58などを有している。ちなみに、第1反応処理ユニット12は、それらの構成の内で、第1ハンドリング機構42、分注機構44及びステージ送り機構46を除外したものに相当する。また、呈色反応処理ユニット18は、それらの構成の内で、第3ハンドリング機構56及び洗浄機構58を除外したものに相当する。第2及び第3反応処理ユニット14,16の詳細な構成については、後に図7〜図14などを用いて説明する。
【0033】
測定処理ユニット20は、搬送ライン60、第1ハンドリング機構62、分注機構64、ステージ送り機構66、第4ハンドリング機構68、測定器70などを有している。ここで、第1ハンドリング機構62、分注機構64及びステージ送り機構66は、第2及び第3反応処理ユニット14,16における第1ハンドリング機構42、分注機構44及びステージ送り機構46に相当するものである。第4ハンドリング機構68は、光学的な測定を行う測定器70に対してアッセイプレートを搬送するための機構であり、第2ハンドリング機構48に類似した機構である。排出スタッカ22は、上述したように各処理工程を経たアッセイプレートを積み上げる装置である。
【0034】
ホストコントローラ24は、例えばコンピュータなどによって構成され、そのホストコントローラ24には入力器26及び表示器28が接続されている。ここで、入力器26を用いてユーザーはホストコントローラ24に対して各種の条件やデータを入力することができる。もちろん、外部のコンピュータからネットワークを介してそのようなデータをホストコントローラ24へ与えることも可能である。
【0035】
本実施形態において、ホストコントローラ24は、スケジューラーとして機能しており、基本サイクル時間を例えば5分とし、その5分単位で各装置の処理が遂行されるようにそれぞれの装置の動作制御を行っている。但し、インキュベータ52においては、反応促進処理にある程度の時間を要することから、数倍の基本サイクル時間がそこに割り当てられる。本実施形態においては、インキュベータ52が複数の収容室を有し、それぞれの収容室に時間差をもって複数のアッセイプレートを収容し、そこにおいて反応促進処理(恒温処理)を行うことができる。
【0036】
ちなみに、サンプルによっては、図2に示した全部の工程を実施することなく、一部の工程の実施が省略される場合もある。ホストコントローラ24は、そのようなサンプルごとの処理内容を考慮し、全体のタイムシーケンスを制御しており、特に、前処理ユニット10におけるアッセイプレートへの分注タイミングを管理している。
【0037】
図3に示す構成から明らかなように、各ユニット全体として、同一の処理内容を行う装置が重複して設けられており、それぞれが並列稼動することによって各処理工程が円滑に実施されている。
【0038】
次に、図4には、前処理ユニット10の具体的な構成例が概念図として示されている。この前処理ユニット10は、マイクロプレートからアッセイプレートへのサンプル分注に着目して、それをコピー分注ユニットと称することもできる。
【0039】
図4において、符号100は前処理ユニットの前面を表している。またY方向は上述したようにアッセイプレートの主たる搬送方向である。これらは各図において同じである。
【0040】
プレート送り機構30は、第1送り機構72と第2送り機構74とからなる。第1送り機構72はスタッカ76、第1搬送路78及びスタッカ80を有している。すなわち、スタッカ76には複数枚のマイクロプレートが積層収納され、そのスタッカ76からホストコントローラ24によって選択されたマイクロプレートが搬送路78に順次送り出される。そして、分注エリア98Bにおいて、そのマイクロプレートに対してサンプルの吸引が段階的に行われ、サンプルの吸引がなされた後のマイクロプレートがスタッカ80によって積層収納される。ちなみに、第1ラベルリーダー77は、各マイクロプレートの側面に貼付けられたバーコードラベルを光学的に読み取るための装置である。
【0041】
第2送り機構74は、スタッカ82、第2搬送路84を有している。スタッカ82には複数枚の未使用のアッセイプレートがセットされる。そして、そこから1枚ずつアッセイプレートが第2搬送路84へ送り出される。
【0042】
その途中における分注エリア98Bにおいては、各ウエル内にサンプルが吐出される。第2ラベルリーダー83はアッセイプレートの側面に貼付けられたバーコードラベルを光学的に読み取るための装置である。
【0043】
第1搬送路78及び第2搬送路84の途中には、図3に示したプレート要素検出器36をなすセンサ36A,36Bがそれぞれ設けられている。それらのセンサはそれぞれの上方を通過する物体の有無を検知するセンサである。
【0044】
搬送ライン38は、分注完了後のアッセイプレートを次の第1反応処理ユニット12へ送り出す機構である。
【0045】
ステージ送り機構34は、この構成例において第1送り機構86と第2送り機構88とからなる。それぞれの送り機構86,88は、ステージ90を図においてX方向にスライド運動させる機構である。ここで、そのX方向の内で中央部すなわちノズル移動経路98付近が装着エリア98Aであり、その装着エリア98AからX方向の両端に外れたエリアが退避エリアである。各ステージ90上には1又は複数のチップラック92がセットされており、各チップラック92には複数本のノズルチップ(ディスポーザブルチップ)が保持されている。そして、第1送り機構86及び第2送り機構88のそれぞれの作用により、ノズル移動経路98の直下に装着対象となるチップ列が位置決めされることになる。
【0046】
分注機構32は、ノズル基部を搬送する搬送機構94とノズル列96とによって構成されている。ノズル列96はY方向に並んだ例えば8固のノズルによって構成される。搬送機構94はノズル基部をノズル移動経路98に沿ってすなわちY方向に往復運動させるための機構である。
【0047】
各ノズルは、金属製のノズル基部とその先端に装着されるノズルチップとによって構成される。最初に、ノズル基部の列が装着エリア98Aに位置決めされ、ノズル基部の列を下方へ移動させることによって、ノズルチップの列がノズル基部の列に装着される。すなわち、これによって8本のノズルが構成される。その後、ノズル列96は、分注エリア98Bに搬送され、まず最初に第1送り機構72によって位置決めされたマイクロプレートに対して吸引動作が実行される。具体的には、マイクロプレートの特定のウエル列に対して吸引が実行される。一方、第2送り機構74によって、アッセイプレートが分注エリア98B内に位置決めされ、吸引後のノズル列96がそのアッセイプレートの上方に位置決めされ、そこからノズル列を下方に引き下ろして、各ノズルからのサンプルが各ウエル内に吐出される。その後、図示されていないチップ取り外し機構によって各ノズル基部からノズルチップが取り外され、再び上記同様の工程が繰り返されることになる。その場合において、ステージ送り機構34及びプレート送り機構30は、ノズル移動経路98の直下に、対象となるチップ列あるいはウエル列が位置決めされるように、ステップ送り動作を行っている。
【0048】
図5には、上述したアッセイプレート102の構成例が示されている。図5において、紙面左上方向がプレート送り方向として示されている。
【0049】
フレームとしての枠体103には、複数のプレート要素104がはめ込まれている。このプレート要素104は、Y方向に整列した複数のウエル106を有するものであり、図5に示すプレート要素104はストリップである。複数のプレート要素104はX方向に整列している。図5に示す例では、各ウエル106の底面には試薬層としての固相が形成されている。仮に、このようなストリップ分割の構成を採用しない場合、全ウエルを使用しない時に、その使用しないウエルについては高価な試薬が無駄になってしまう。しかしながら、このようなストリップ分割の構成を採用することによって、必要個数のストリップのみを枠体103に組み込み、そして酵素免疫反応測定を行える。このことは公知である。
【0050】
しかし、枠体103への各プレート要素104のはめ込みは通常手作業によって行われるため、必要なプレート要素104がはめ込まれないまま前処理ユニット10に誤ってセットされてしまう可能性がある。そこで、本実施形態においては、図4に示したように搬送路84にセンサ36Bが設けられている。そのセンサ36Bが形成する光ビーム106によって物体検知を行い、その結果に基づいてプレート要素の有無の判定を行っている。これは、マイクロプレートについても同様であり、搬送路78上にはセンサ36Aが設けられており、そのセンサ36Aが形成する光ビーム106によって、プレート要素の有無の判定を行っている。
【0051】
ここで、光ビーム106の照射ポイントは、各ウエル106の底面106Aの中央部であるのが望ましい。その理由は、アッセイプレート102のタイプによっては、その底面106Aが凸球面状に形成されており、光ビーム106の照射位置が中央からずれると有効な反射を得られない可能性があるからである。
【0052】
また、本実施形態においてはプレート要素104としてストリップの検出を行ったが、各ウエルごとに分割可能になっている場合には、ウエル部材ごとに存在の有無を検知するようにしてもよい。
【0053】
図6には、プレート送り機構30の構成例が斜視図として示されている。プレート送り機構30は、第1送り機構72及び第2送り機構74によって構成されている。第1送り機構72は、第1駆動モータ72A及び第1案内機構72Bを有している。第1案内機構72Bはマイクロプレートを図中左方(−X方向)に搬送する機構であり、その途中には上方をマイクロプレートが通過するセンサ36Aが設けられている。また、第2送り機構74は、第1駆動モータ74Aと第2案内機構74Bとを有している。第2案内機構74Bはアッセイプレート112を図中左方(−X方向)に搬送する機構である。その途中にはセンサ36Bが設けられている。
【0054】
第1送り機構72及び第2送り機構74は、プレート要素104ごとにステップ送りをしている。
【0055】
本実施形態においては、センサ36A,36Bは、図4に示したノズル移動経路98の直前に設定されており、すなわち分注の直前ステップにおいてプレート要素104の存在が確認されている。これによって、プレート要素104が装着されていない場合に、誤って分注がなされてしまうことを未然に防止することができる。
【0056】
図15には、搬送対象の構成の良否を判定するための動作がフローチャートとして示されている。S201では、ホストコントローラ24(図3参照)に登録された登録データを参照し、搬送対象すなわちマイクロプレートあるいはアッセイプレートを構成しているプレート要素が認識される。
【0057】
S202では、上述したステップ送りの過程において、センサ36Aまたは36Bによってプレート要素の有無が検出される。S203では、登録データと検出結果とを照合し、そこで本来プレート要素があるべきなのに存在していない場合には、S204でエラー処理が実行される。一方、本来あるべきプレート要素が実際に検出された場合には、S205において次のプレート要素があるか否かが判断され、ある場合にはS202からの各工程が繰り返し実行される。すなわちステップ送りに伴って各段階において検出及び照合が実行される。また、S206では、次のマイクロプレートあるいはアッセイプレートが存在していれば、S201からの各工程が繰り返し実行されることになる。図15に示した動作例においては、ホストコントローラ24に登録されたデータに基づいて照合を行ったが、そのような照合を行うことなく単にプレートの要素の有無を検知し、それを表示するようにしてもよい。いずれにしても、上記構成を採用することにより、プレート要素の構成が不良が判定された場合には適切なエラー処理を実行し、誤った分注などを未然に回避することができる。
【0058】
次に、図7を用いて第2及び第3反応処理ユニット14,16の具体的な構成例について説明する。
【0059】
搬送ライン40はユニット内搬送ラインとして機能するものであり、アッセイプレートをY方向に段階的に搬送する。その搬送ライン40上には、分注のための第1停止位置、攪拌及びインキュベーションのための第2停止位置及び洗浄のための第3停止位置が設定されている。そしてそれぞれの位置において、第1ハンドリング機構42、第2ハンドリング機構48、第3ハンドリング機構56によりアッセイプレートの搬送がなされる。
【0060】
分注機構44は、ノズル基部を搬送する搬送機構111とノズル列とによって構成されている。ノズル列114は、本実施形態においてY方向に整列した8本のノズルによって構成される。各ノズルはノズル基部及びその先端に着脱自在に装着されるノズルチップによって構成される。搬送機構111は、X方向に伸長した2つのレール110A,110Bと、それらのレール110A,110Bに跨ってX方向に往復駆動されるアーム112とを有している。これによりノズル列114をX方向及び垂直方向に自在に搬送することができる。レール110A,110Bに挟まれているエリアが装着/吸引エリアである。その両側は退避エリアである。
【0061】
ステージ送り機構46は、図においてY方向にスライド運動する2つのステージを有している。各ステージには、それぞれ複合ラック116が着脱自在にセットされている。一方の複合ラック116が装着/吸引エリアに位置決めされている状態では、他方の複合ラック116が退避エリアに位置決めされている。複合ラックの交換は退避エリアにおいて行うことができる。
【0062】
装着/吸引エリアにおいて、ノズル基部の列に対してノズルチップの列が装着され、それによってノズル列114が構成される。そのノズル列によって試薬が吸引され、その試薬がアッセイプレートのウエル列に対して吐出される。ここで、当然のこととして、ノズル列のピッチはウエルのピッチに合わせられている。
【0063】
図7において、ステージ送り機構46の中央部分が装着/吸引エリアであり、その左側及び右側がそれぞれ退避エリアである。一方の複合ラック116が装着/吸引エリアにおいて試薬やノズルチップが利用されている場合には、他方の複合ラック116が退避エリアに位置決めされ、そのエリア上において、それが使用されるまで待機される。退避エリアの複合ラック116は、必要に応じて、交換され、また、試薬やノズルチップの補充を行える。システム全体を停止させることなく、そのような作業を行えるという利点がある。
【0064】
複合ラック116は容器ラック124及びチップラック126を有している。それらについては後に図8などを用いて詳述する。
【0065】
図7において、攪拌装置50は載置されたアッセイプレートを水平方向に周期運動させることにより各ウエル内において試薬とサンプルとを攪拌する装置である。インキュベータ(反応促進装置)52は、上下方向に並んだ複数の収容室を有しており、各収容室内にはそれぞれアッセイプレートが所定時間だけ収納される。そしてその収納状態で所定温度下において反応促進処理がなされる。
【0066】
第1ハンドリング機構42及び第3ハンドリング機構56は、上方からアッセイプレートを複数のフィンガあるいは爪部材によってつかむ機構である。それに対し、第2ハンドリング機構48は、水平方向に伸長した一対のアームによってアッセイプレートを挟んで保持する機構である。これについては後に図12などを用いて詳述する。
【0067】
第2ハンドリング機構48は、第2停止位置にあるアッセイプレートを保持し、それを最初に攪拌装置50にセットし、攪拌終了後、アッセイプレートをインキュベータ52に送り込む。反応促進処理が終了した後、アッセイプレートは第2ハンドリング機構48によってインキュベータ52から引き出され、第2停止位置へ戻される。そして、その第2停止位置から第3停止位置へ送られる。
【0068】
第3ハンドリング機構56は、第3停止位置と洗浄位置との間でアッセイプレートを搬送する機構である。洗浄機構58は、本実施形態において、一度に8個のウエルに対して洗浄を行うことができるように、8個のノズルからなるノズル列を有しており、またそのノズル列を搬送する機構を有している。
【0069】
図8は、複合ラック116の上面図である。図9は複合ラック116の斜視図である。
【0070】
複合ラック116はステージ118に対して着脱自在にセットされるものである。このステージ118は複合ラック116のトレイとして機能し、図8において複合ラック116はステージ118にセットされている。ステージ送り機構46は、例えばY方向に伸びた2つのレール120A,120Bを有し、ステージ118をY方向に往復運動させる。
【0071】
複合ラック116は容器ラック124及びチップラック126を有している。容器ラック124は、図9に示されるようにX方向に並んだ複数のスリット136を有しており、各スリット136には試薬容器127が差込収容される。本実施形態においては、例えば15個の試薬容器をX方向に並べて配設することができる。各試薬容器127に収容される試薬は基本的には別の試薬であるが、同一の試薬であってもよい。
【0072】
チップラック126はマトリクス状に形成されたチップ孔アレイ128を有している。チップ孔アレイ128は多数のチップ孔131によって構成される。
【0073】
ここで、ノズル列を構成するノズルの本数nと、試薬容器127の個数mと、一定のマージンの数k×n(但し、kは1以上の整数)とに基づいて、チップ孔アレイ128が作製されている。すなわち、各試薬ごとにノズル列を構成するノズルの本数分だけノズルチップを消費し、チップ装着エラーなどの発生回数はマージンの数以下であるという前提に基づくものである。具体的には、n×(m+k)個のチップ孔が形成されている。
【0074】
チップ孔アレイ128は2つのサブアレイ130に分離されており、スペースの活用が図られている。図8において、サブアレイ130として、8個×10列のチップ孔が作製されている。試薬容器の個数は15であるので、本実施形態ではマージンは5回である。
【0075】
また、容器ラック124の方がチップラック126よりも吐出エリアに近い側に設定されている。分注対象となる試薬が切り替わるまでは、同じノズルチップが繰り返し使用されるので、このような設定の方がノズルの移動量を全体として少なくできるからである。また、複合ラック116のX方向の両端に取手137が形成され、それらの取手137をもって複合ラック116を容易に交換することができる。つまり、本実施形態の複合ラック116は、容器ラック124及びチップラック126を一体的に形成したので、1つの交換作業によって2種類のラックを同時にセッティングすることができ、そのためのスライド機構も1つにすることができるという利点がある。
【0076】
図10及び図11には、試薬容器127の一例が示されている。図10(A)は試薬容器127の正面図であり、図10(B)は試薬容器127の側面図である。図11は試薬容器127の斜視図である。試薬容器127は、ノズル列方向に伸長した形態を有しており、その開口幅W1はノズル列114の幅W2よりも大きい。すなわちノズル列114の全体を試薬容器127に差し込んで、試薬142の吸引を同時に行うことができる。試薬容器127の底壁127Aは先細のテーパー状に形成されており試薬142が少なくなった場合においても、そのテーパー状の底面に集められる試薬142を余すことなく吸引することが可能である。
【0077】
図12は図7に示した第2ハンドリング機構48の斜視図である。この第2ハンドリング機構48は、一対のアーム142,144と、開閉駆動部148と、ストッパ168と、アームベース146とを有しており、それらはアームベース146に連結された搬送機構によってZ方向及びX方向に搬送される。ただし、当該搬送機構については図示省略されている。
【0078】
一対のアーム142,144は、アッセイプレートの左右端を挟んで保持するための部材である。各アーム142,144はアーム本体150を有している。アーム本体150の先端部150Aは丸みを帯びた流線形状を有している。アーム本体150の基端部150Bに開閉駆動部148が取り付けられている。開閉駆動部148の駆動軸148Aは2つの基端部150Bを貫通しており、アーム本体150間の距離を可変させることができる。すなわち、開閉駆動部148によって、2つのアーム142,144を開閉運動させることができる。
【0079】
ただし、一対のアーム142,144がストッパ168の側面(外側面)に当接する間隔が最小間隔とされ、それ以上、一対のアーム142,144の間隔を狭めることはできない。
【0080】
アームベース146には、上記のストッパ168が設けられている。このストッパ168は、インキュベータの収容室内に各アーム142,144を差し込んだ場合において、その収容室の出入口に当接する前面168Aを有している。したがって、ストッパ168をばねなどによって支持し、X方向に弾性付勢させてもよい。
【0081】
アーム本体150には、金具152,154が設けられている。各金具152,154の下縁は内側方向に屈曲しており、すなわち、保持されるアッセイプレートの下側に回り込む支持片152A,154Aが形成されている。支持片152A,154Aは、アッセイプレートをその下側から支えるための部材である。支持片152A,154Aの支えと、2つのアーム本体150の内側面150Cの挟み込みとの協働によってアッセイプレートがしっかりと保持される。
【0082】
本実施形態においては、各金具152,154に、加わる荷重を検知するためのセンサ162,164が設けられている。すなわち各金具152,154はスプリングなどの弾性部材160によって垂直方向に若干可動するように支持されており、荷重が加わった場合の金具152,154の動きが、マイクロスイッチなどのセンサ162,164によって検知される。これによってそれらの金具152,154にマイクロプレートが載せられたことを確実に検知することが可能となる。もちろん、そのようなセンサは各種の可動部位に設けられているが、図12においてはそれらが図示省略されている。
【0083】
図13を用いて、第2ハンドリング機構48の作用を説明する。アッセイプレート102が第2ハンドリング機構48によって保持される。
【0084】
インキュベータ52は、上下方向に形成された複数の収容室170を有する。各収容室170においては温度が一定に制御され、これによって反応促進のための恒温制御がなされている。各収容室170の前面側には、扉172が設けられている。その扉172の上縁にはヒンジ174が設けられ、そのヒンジ174を回動中心として、扉172は揺動運動する。具体的には、その扉172が垂直に垂れ下がった状態から、少なくとも奥側には跳ね上げることができるように構成されている。したがって、アッセイプレート102を2つのアーム本体150によって挟み込んだ状態で、それを収容室170の手前側に位置決めし、それらのアーム本体150を水平方向に前進運動させることにより、扉172を奥側に跳ね上げつつ、アッセイプレート102を収容室170の内部に差し入れることが可能である。
【0085】
先端部150Aは流線形状を有しているため、そこに扉172の前面が当接した場合、円滑にそれを奥側に跳ね上げることが可能である。そして跳ね上げられた扉172の下縁が上面150Eによって支持されることにより、その跳ね上げ状態が維持される。収容室170内の所定位置まで進入した段階で、2つのアームが開かれ、その位置にアッセイプレート102が留置される。その後、その開いたアーム本体150が収容室170から引き出される。すると、今まで上面150Eによって支持されていた扉172は揺動運動をして垂直に垂れ下がる。その結果、収容室170からの放熱を効果的に防止することが可能である。
【0086】
なお、収容室170内からアッセイプレート102を取り出す場合には、2つのアーム本体150が差し込まれて、2つのアーム本体150の間にアッセイプレート102が挟まれた後、収容室170から引き出される。
【0087】
したがって、収容室170の扉172を揺動運動可能とし、第2ハンドリング機構48のアーム本体150を差し込み可能とすることにより、一連のアームの動きの中で、扉172の開閉運動を行わせることが可能となる。
【0088】
なお、ストッパ168の前面168Aが各収容室170の出入口の外面に当接したときが、アッセイプレート102が留置される所定位置であるようにしてもよい。
【0089】
図14には第2ハンドリング機構48の変形例が示されている。
【0090】
搬送ライン40は、水平板としての支持板176と、その左右端に巻回された一対の搬送ベルトとによって構成されている。搬送ベルト178は、送り側を示しており、搬送ベルト180は、帰り側を示している。すなわち支持板176の上面より、搬送ベルト178の厚み分だけ少なくともアッセイプレート102は浮き上がっている。しかも、アッセイプレート102にはその両端側にやや下方に突出した脚部が形成されており、その結果、アッセイプレート102の下面側にはその両端部を除いて支持板176の表面との間に隙間が形成される。その隙間に支持片152,154が差し込まれる。
【0091】
この図14に示す変形例では、アーム本体150の内側面150Cに押さえ板182が設けられる。この押さえ板182は、支持片152,154上にアッセイプレート102が載せられた場合において、そのアッセイプレート102の上面レベルに合わせた高さに形成されている。この押さえ板182は、アッセイプレート102の上方への逃げを防止するものである。すなわち、この変形例は、アッセイプレート102の保持をさらに確実にするためのものである。
【0092】
なお、第1反応処理ユニット12及び呈色反応処理ユニット18は、第2及び第3反応処理ユニット14,16の全体構成のうち、第1ハンドリング機構42,分注機構44,ステージ送り機構46を除いた構成であるので、その説明を省略する。また、測定処理ユニット20は、測定器を除いて、各構成要素が第2及び第3ユニット14,16で説明した構成要素に類似するため、その説明を省略する。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、処理装置に対して水平方向からマイクロプレートを差し込むことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る酵素免疫反応測定システムの全体構成を示す概略的な外観図である。
【図2】 酵素免疫反応測定における一連の工程を示すフローチャートである。
【図3】 本発明に係る酵素免疫反応測定システムの全体構成を示すブロック図である。
【図4】 前処理ユニットの構成例を示すブロック図である。
【図5】 アッセイプレート(マイクロプレート)の一例を示す斜視図である。
【図6】 前処理ユニットに設けられるプレート送り機構の一例を示す斜視図である。
【図7】 反応処理ユニットの構成例を示すブロック図である。
【図8】 複合ラックの一例を示す上面図である。
【図9】 ステージにセットされる複合ラックの一例を示す斜視図である。
【図10】 複合ラックに保持される試薬容器の一例を示す図である。
【図11】 試薬容器の一例を示す斜視図である。
【図12】 反応処理ユニットに設けられる第2ハンドリング機構の構成例を示す斜視図である。
【図13】 第2ハンドリング機構の動作例を説明するための図である。
【図14】 第2ハンドリング機構の変形例を説明するための図である。
【図15】 プレート要素検出時の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 前処理ユニット、12 第1反応処理ユニット、14 第2反応処理ユニット、16 第3反応処理ユニット、18 呈色反応処理ユニット、20 測定処理ユニット、24 ホストコントローラ、30 プレート送り機構、32,44,64 分注機構、34,46,66 ステージ送り機構、36 プレート要素検出器、38,40,60 搬送ライン、42,62 第1ハンドリング機構、48 第2ハンドリング機構(一対のアームを利用したハンドリング装置)、52 インキュベータ、56 第3ハンドリング機構、58 洗浄機構、68第4ハンドリング機構、102 アッセイプレート(マイクロプレート)、116 複合ラック、142,144 アーム。

Claims (8)

  1. マイクロプレートを処理装置に設けられた扉付き処理室内へ搬送するハンドリング装置において、
    両アームがX方向に伸長し且つ両アームが当該X方向と直交するY方向に離間して設けられ、前記搬送ライン上のマイクロプレートを前記Y方向の両側から挟んで保持する一対のアームと、
    前記一対のアームの基端側に連結され、当該一対のアームを前記処理室内へ搬送する搬送機構と、
    を含み、
    前記一対のアームの先端部は、前記扉に当接して当該扉を開く部材として機能し、
    前記一対のアームの上面は、マイクロプレート保持状態において当該マイクロプレートの上面よりも高い位置にあることを特徴とするハンドリング装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記一対のアームの先端部は流線形状を有することを特徴とするハンドリング装置。
  3. 請求項1記載の装置において、
    前記搬送機構は、前記処理室の手前位置から前記一対のアームを前記X方向に前進運動させて前記処理室の内部でマイクロプレートを解放した後に前記一対のアームを前記X方向に後退運動させ、
    前記前進運動において、前記一対のアームの先端部により前記処理室の扉が奥側へ跳ね上げられ、かつ、その跳ね上げられた扉の下縁が前記一対のアームの上面に摺動当接してその跳ね上げ状態が維持され、
    前記後退運動により前記一対のアームが前記処理室から離脱した時に前記扉の跳ね上げ状態が解消されることを特徴とするハンドリング装置。
  4. 請求項1記載の装置において、
    前記各アームには、前記マイクロプレートの下面側に差し込まれてそれを支持する複数の差込片が設けられたことを特徴とするハンドリング装置。
  5. 請求項4記載の装置において、
    前記複数の差込片の内の少なくとも1つにはそこに加わる荷重を検出するセンサが設けられたことを特徴とするハンドリング装置。
  6. 請求項1記載の装置において、
    前記一対のアームの基端側には、それらの間に臨んでストッパ部材が設けられたことを特徴とするハンドリング装置。
  7. 請求項6記載の装置において、
    前記ストッパ部材は、前記一対のアームが所定間隔より近づかないように制限する部材として機能することを特徴とするハンドリング装置。
  8. 請求項6記載の装置において、
    前記ストッパ部材は前記処理室の出入口に当接可能な形状を有することを特徴とするハンドリング装置。
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