JP3688577B2 - 周回衛星追尾アンテナの制御方法及び周回衛星追尾アンテナ装置 - Google Patents

周回衛星追尾アンテナの制御方法及び周回衛星追尾アンテナ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の周回衛星を追尾しつつ周回衛星との間でデータ通信を行うための周回衛星追尾アンテナの制御方法及び該方法に基づく制御システムを備えた周回衛星追尾アンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
人工衛星を追尾しつつ衛星との間でデータ通信を行うための追尾アンテナ装置としては、従来、自動車や船舶などの移動体に搭載され、放送衛星のような静止衛星からの電波を受信する移動体用衛星追尾アンテナ装置が実用化されている。このような衛星追尾アンテナ装置における追尾駆動機構は、方位角(AZ軸)駆動機構と仰角(EL軸)駆動機構との組み合わせで実現される構成が一般的である。
【0003】
静止衛星追尾アンテナ装置では、車両が走行中の地域の緯度や数十度程度の路面傾斜の変化に対応できればよいため、追尾範囲は比較的限られている。これに対し、低軌道周回衛星との間でデータ通信を行うための周回衛星追尾アンテナ装置では、地上側から見て各衛星が比較的短時間のうちに視野から外れてしまい、次々と対象とする衛星を切り換えていく必要から、広範囲にわたる追尾が必要となる。
【0004】
このような広範囲にわたってアンテナの追尾精度を確保するために、従来では駆動装置として高価な角度検出センサやアクチュエータが用いられているため、製造コストが高くなる、アンテナ装置全体のサイズ・重量が大きくなり、広い設置面積を必要とするという問題がある。従って、追尾精度を維持しつつ、いかにコストを低く抑え、小型軽量の衛星追尾アンテナ装置を実現するかが重要な課題の一つとなっている。
【0005】
一方、従来からアンテナの追尾精度を上げる追尾制御方法として、アンテナの受信電界強度(受信レベル)を利用したステップトラック法が知られている。ステップトラック法では、方位角(AZ軸)及び仰角(EL軸)に対して、それぞれ順にアンテナを基準位置から単位角度だけ変位させて前後の受信レベル比較を行う。受信レベルが増加すれば、変位後の点を新たな基準位置とし、受信レベルが減少すれば、反対側に同様に単位角だけ変位させて受信レベル比較を行い、受信レベルの高い側に順次基準位置を移動させる。このような動作をAZ軸及びEL各軸について繰り返し行うことで、アンテナを受信レベルが最大になる方向に調整する。
【0006】
この方法は単純ではあるが、追尾精度を高くしようとすると制御に時間がかかるという問題がある。また、受信波レベルの測定に際して、レベル検出分解能の精度や、受信波に含まれるレベル変動成分の影響を受けるといった問題があり、これらが追尾精度を高める上で大きな障害となっている。
【0007】
また、周回衛星追尾アンテナ装置の追尾対象としては、一般に複数の低軌道周回衛星が周回しているため、追尾アンテナ装置は二つのアンテナを備えており、通常追尾動作においてある一つのアンテナで捕捉していた衛星がその視野から消えてしまう前に、次に視野に入ってくる衛星を別のアンテナで捕捉する必要がある。従って、二つのアンテナを用いて、先に捕捉していた衛星との通信を確立しつつ、次の衛星との通信も一定時間同時に確立して、通信を途絶させることなく通信に使用する衛星を円滑に切り替えるための、いわゆるリポインティング動作及びハンドオーバ追尾動作といった機能が必要となるが、追尾精度を維持しつつ両機能を実現することは難しいのが実情である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の周回衛星追尾アンテナ装置では広範囲にわたってアンテナの追尾精度を確保しようとすると、アンテナ駆動装置に高価な角度検出センサやアクチュエータを必要とするために、製造コストが上昇し、アンテナ装置全体のサイズ・重量が増大するという問題点がある。また、周回衛星追尾アンテナの追尾制御技術の一つである受信レベルを利用した従来のステップトラック法では、追尾精度を上げようとすると制御の収束に時間がかかり、受信波レベルの測定に際してレベル検出分解能の精度や受信波のレベル変動成分の影響を受けるという問題点があった。さらに従来の技術では、十分な追尾精度を維持しつつ、周回衛星を用いた通信で必要なリポインティング動作及びハンドオーバ追尾動作の機能を実現することが難しいという問題点があった。
【0009】
本発明は、複数の低軌道周回衛星との間で高速なデータ通信を実現できるように、高価で複雑な駆動機構を用いることなく、低コストかつ小型で、広範囲な動作領域を満たし、追尾精度を向上させることができる周回衛星追尾アンテナの制御方法及び該制御方法に基づく制御システムを備えた周回衛星追尾アンテナ装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係る周回生成追尾アンテナの制御方法は、固定ベースと、電波を集束するための球体レンズと、前記球体レンズの中心を通る第1回転軸周りに回転可能に前記固定ベース上に取付けられた回転ベースと、前記回転ベースと共に前記第1回転軸周りに回転可能に設けられ、前記球体レンズの中心を通り前記第1回転軸と略直交する第2回転軸周りに回動可能なガイドレールと、周回衛星と通信を行うために設けられ、前記ガイドレールに沿って移動可能な複数の送受信モジュールを有するアンテナ部とを具備する周回衛星追尾アンテナの制御方法であって、前記アンテナ部が前記周回衛星を追尾するために与えられた目標軌道上の任意の点に測定軌道を生成するための測定軌道パラメータを含む制御パラメータを設定し、前記測定軌道パラメータに従って生成された前記測定軌道上における前記アンテナ部の受信レベルを測定し、測定された前記受信レベルに基づき、前記周回衛星に対する前記アンテナ部の追尾誤差を小さくするように前記送受信モジュールの位置及び姿勢を修正すべき方向と修正量を示す修正ベクトルを算出し、前記修正ベクトルに基づいて前記送受信モジュールの位置及び姿勢を修正すべく前記回転ベースの前記第1回転軸周りの角度、前記ガイドレールの前記第2回転軸周りの角度および前記送受信モジュールの前記ガイドレールに対する位置を制御し、前記回転ベース、前記ガイドレールまたは前記送受信モジュールの動作速度に応じて前記制御パラメータの少なくとも一部を変更することを特徴とする。
また、本発明に係る周回生成追尾アンテナの制御方法は、固定ベースと、前記固定ベース上に配置され、第1回転軸周りに回転可能な回転ベースと、前記回転ベースと共に前記第1回転軸周りに回転可能に設けられ、円弧状に湾曲し、前記回転ベース上に前記円弧の中心が前記第1回転軸上にくるように、かつ前記中心を通り前記第1回転軸に略垂直な第2回転軸回りに回動可能な支持レールと、前記支持レールと共に前記第1回転軸周りに回転可能および前記第2回転軸周りに回動可能に設けられ、前記第1回転軸及び前記第2回転軸に略垂直な第3回転軸周りに互いに独立して回動可能に設けられた複数のアンテナ部とを具備する周回衛星追尾アンテナの制御方法であって、前記アンテナ部が前記周回衛星を追尾するために与えられた目標軌道上の任意の点に測定軌道を生成するための測定軌道パラメータを含む制御パラメータを設定し、前記測定軌道パラメータに従って生成された前記測定軌道上における前記アンテナ部の受信レベルを測定し、前記受信レベル測定手段により測定された前記受信レベルに基づき、前記周回衛星に対する前記アンテナ部の追尾誤差を小さくするように前記送受信モジュールの位置及び姿勢を修正すべき方向と修正量を示す修正ベクトルを算出し、前記修正ベクトルに基づいて前記アンテナ部の位置及び姿勢を修正すべく前記回転ベースの前記第1回転軸周りの角度、前記支持レールの前記第2回転軸周りの角度および前記アンテナ部の前記第3回転軸周りの角度を制御することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る周空き衛星追尾アンテナ装置は、固定ベースと、電波を集束するための球体レンズと、前記球体レンズの中心を通る第1回転軸周りに回転可能に前記固定ベース上に取付けられた回転ベースと、前記回転ベースと共に前記第1回転軸周りに回転可能に設けられ、前記球体レンズの中心を通り前記第1回転軸と略直交する第2回転軸周りに回動可能なガイドレールと、周回衛星と通信を行うために設けられ、前記ガイドレールに沿って移動可能な複数の送受信モジュールを有するアンテナ部と、前記アンテナ部が前記周回衛星を追尾するために与えられた目標軌道上の任意の点に測定軌道を生成するための測定軌道パラメータを含む制御パラメータを設定する制御パラメータ設定手段と、前記測定軌道パラメータに従って生成された前記測定軌道上における前記アンテナ部の受信レベルを測定する受信レベル測定手段と、前記受信レベル測定手段により測定された前記受信レベルに基づき、前記周回衛星に対する前記アンテナ部の追尾誤差を小さくするように前記送受信モジュールの位置及び姿勢を修正すべき方向と修正量を示す修正ベクトルを算出する修正ベクトル計算手段と、前記修正ベクトルに基づいて前記送受信モジュールの位置及び姿勢を修正すべく前記回転ベースの前記第1回転軸周りの角度、前記ガイドレールの前記第2回転軸周りの角度および前記送受信モジュールの前記ガイドレールに対する位置を制御する制御手段とを具備し、前記制御パラメータ設定手段は、前記回転ベース、前記ガイドレールまたは前記送受信モジュールの動作速度に応じて前記制御パラメータの少なくとも一部を変更することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る周回衛星追尾アンテナ装置は、固定ベースと、前記固定ベース上に配置され、第1回転軸周りに回転可能な回転ベースと、前記回転ベースと共に前記第1回転軸周りに回転可能に設けられ、円弧状に湾曲し、前記回転ベース上に前記円弧の中心が前記第1回転軸上にくるように、かつ前記中心を通り前記第1回転軸に略垂直な第2回転軸回りに回動可能な支持レールと、前記支持レールと共に前記第1回転軸周りに回転可能および前記第2回転軸周りに回動可能に設けられ、前記第1回転軸及び前記第2回転軸に略垂直な第3回転軸周りに互いに独立して回動可能に設けられた複数のアンテナ部と、前記アンテナ部が前記周回衛星を追尾するために与えられた目標軌道上の任意の点に測定軌道を生成するための測定軌道パラメータを含む制御パラメータを設定する制御パラメータ設定手段と、前記測定軌道パラメータに従って生成された前記測定軌道上における前記アンテナ部の受信レベルを測定する受信レベル測定手段と、前記受信レベル測定手段により測定された前記受信レベルに基づき、前記周回衛星に対する前記アンテナ部の追尾誤差を小さくするように前記送受信モジュールの位置及び姿勢を修正すべき方向と修正量を示す修正ベクトルを算出する修正ベクトル計算手段と、前記修正ベクトルに基づいて前記アンテナ部の位置及び姿勢を修正すべく前記回転ベースの前記第1回転軸周りの角度、前記支持レールの前記第2回転軸周りの角度および前記アンテナ部の前記第3回転軸周りの角度を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1に、本発明に係る衛星追尾アンテナ装置全体の概略構成を示す。追尾対象が低軌道周回衛星の場合、衛星追尾アンテナ装置には二つのアンテナ系が備えられるが、図1では一組のアンテナ系とそれに対応する制御系の構成のみが示されている。
【0014】
アンテナ部1は、低軌道周回衛星との間でデータ通信を行うための送受信モジュールを有し、アンテナ駆動装置2によって方位角(AZ軸)と仰角(EL軸)及び送り角(FD軸)の方向に駆動される。アンテナ部1が有するAZ軸、EL軸及びFD軸を総称して動作軸という。アンテナ駆動装置2はアンテナ部1をこれらの3つの方向に駆動するための3つのステップモータ(以下、AZ軸駆動モータ、EL軸駆動モータ、FD軸駆動モータという)を備えており、これらのモータはモータ駆動回路3によって駆動される。アンテナ部1及びアンテナ駆動装置2の具体的な構成については、後に詳しく説明する。
【0015】
周回衛星へのデータ送信時には、送信データが変調回路を含む送信回路5によって高周波信号とされ、電力増幅器6を介してアンテナ部1の送受信モジュールに送られる。アンテナ部1から放射された電波は、アンテナ装置が追尾している周回衛星に向けて送信される。データの受信時には、周回衛星からの電波がアンテナ部1によって受信され、その受信信号(高周波信号)が低雑音増幅器7により増幅された後、復調回路を含む受信回路8を経て受信データが取り出される。
【0016】
低雑音増幅器7からの受信信号はレベル検出器9にも入力され、ここで受信レベル(受信電界強度)が検出されることによって、受信レベルに対応して電圧または電流が変化するような信号が出力される。受信レベル検出器9の出力信号はA/D変換器10によってサンプリングされ、ディジタル信号に変換された後、受信波フィードバック制御回路11に入力される。
【0017】
受信波フィードバック制御回路11は、追尾対象の周回衛星に対するアンテナ部1の追尾誤差をAZ軸、EL軸及びFD軸の各軸毎に検出する回路である。周回衛星からの電波は指向性を持っており、このような指向性を持つ電波がアンテナ部1で受信される場合、その受信レベルは図2に示されるように、アンテナ部1が周回衛星を正しく追尾しているとき最大となり、最大受信レベルが得られる方向を中心として、その方向から離れるほど、つまり追尾誤差が増大するに従って一様にレベルが低下する。また低軌道衛星とアンテナとの相対位置が変化すると、最大受信レベルも変化する。
【0018】
そこで、受信波フィードバック制御回路11では、後述するように受信レベル検出器9及びA/D変換器10を介してアンテナ部1の現在の指向状態(衛星を追尾するために予め計算された目標軌道上の送受信モジュールの位置及び姿勢)とその周辺の位置(測定軌道上の送受信モジュールの位置及び姿勢)での受信レベルが測定され、この受信レベルに基づき所定の制御アルゴリズムに従って、アンテナ部1の追尾誤差をアンテナ部1のAZ軸、EL軸及びFD軸毎に修正するための修正ベクトルが求められる。
【0019】
すなわち、受信波フィードバック制御回路11においては、測定軌道上のAZ軸、EL軸及びFD軸毎の追尾誤差に応じた修正ベクトルxが求められ、この修正ベクトルxのデータが加算器13によって目標軌道データ12中のAZ軸、EL軸及びFD軸の角度データに加算される。加算器13の出力データは、目標軌道データ12中のAZ軸、EL軸及びFD軸の角速度データと共に、コントローラ14に目標値として与えられ、コントローラ14ではこれらの目標値に従ってAZ軸、EL軸及びFD軸の各駆動モータに対する時計回りまたは反時計回りの速度指令データが生成される。受信波フィードバック制御回路11には、さらに記憶部15が接続されているが、これについては後述する。
【0020】
コントローラ14によって生成された速度指令データは、モータ駆動回路3に入力される。モータ駆動回路3では、入力された速度指令データに基づきアンテナ駆動装置2内のAZ軸、EL軸及びFD軸の各駆動モータ(ステップモータ)に供給すべき駆動パルスが生成される。これにより、アンテナ駆動装置2によってアンテナ部1は周回衛星を追尾するように指向位置、すなわち送受信モジュールの位置及び姿勢が制御される。
【0021】
図3は、受信波フィードバック制御回路11の内部構成を示している。受信波フィードバック制御回路11は、例えば加算器13及びコントローラ14と共にDSP(ディジタル信号処理装置)によって実現され、その内部処理はソフトウェアによって実行されるが、図3では分かり易くするため受信波フィードバック制御回路11の構成を機能的に表している。同図に示されるように、受信波フィードバック制御回路11は制御パラメータ設定部21、受信レベル測定部22及び修正ベクトル計算部23を有する。
【0022】
制御パラメータ設定部21では、前述した測定軌道を初めとする種々の制御パラメータが設定される。設定された制御パラメータのうち測定軌道のデータは受信レベル測定部22に与えられ、ここで測定軌道上の受信レベルが測定される。受信レベル測定部22の測定結果に基づいて、修正ベクトル計算部23で修正ベクトルxが計算される。この修正ベクトルxは、図1中に示した加算器13に入力され、目標軌道データ12中のAZ軸、EL軸及びFD軸の角速度データと加算されてコントローラ14に対する目標値が生成される。
【0023】
次に、図4に示すフローチャートを用いて受信波フィードバック制御回路11の処理手順を具体的に説明する。
まず最初に、図3に示した制御パラメータ設定部21によって、受信波フィードバック制御における測定軌道生成パラメータを初めとする制御パラメータを設定する(ステップS1)。本発明が対象とするような周回衛星追尾アンテナ装置においては、一般に追尾誤差の生じる方向が特定できない。そこで、本実施形態では目標軌道上の任意の点(追尾基準位置という)の周囲の受信レベルを一様に調べるために、例えば図5に示されるように測定軌道として目標軌道上の追尾基準位置を中心とする円軌道を設定する。
【0024】
測定軌道パラメータの一つである測定軌道の半径(測定半径)ri 目標軌道上の現在の点から測定軌道上の各測定点までの距離であり、通信中に受信レベル測定動作を行っても通信が確保される許容範囲内に設定される。具体的には、測定半径riは初期段階では制御パラメータ設定部21により、ステップS1で設定された修正制御の角度目標値rtに対して、ri t/2に設定される。また、測定半径riは受信レベル測定誤差の蓄積度合い、アンテナ部1の動作軸(AZ軸、EL軸及びFD軸)の駆動速度、及び要求される制御収束性に応じて可変であることが望ましい。ステップS1で設定される種々の制御パラメータの内容については、以降のステップS2〜S6の説明中で詳しく述べる。
【0025】
ステップS1で制御パラメータを設定した後、受信波フィードバック制御を開始する(ステップS2)。すなわち、ステップS2ではアンテナ部1の送受信モジュールを現目標値(目標軌道上の追尾基準位置)から、図5に示した測定軌道上の測定開始点X1へ移動させる。
【0026】
アンテナ部1の送受信モジュールが目標軌道上から測定軌道上に移ったり、逆に測定軌道から元の位置に戻るのに要する時間(遷移時間という)Txは、制御パラメータ設定部21によりステップS1で予め設定される。この遷移時間Txは、アンテナ駆動装置2の許容速度(例えば、ステップモータの回転速度)、ステップモータの出力トルクなど諸性能によって制限される。このことは、他の制御パラメータについても同様である。また、遷移時間Txを後述する受信レベルの測定時間間隔Tgと等しいか、Tgの定数倍に設定することで、アンテナ部1の送受信モジュールが受信レベル測定点を通過する時間と測定軌道上を移動する動作とを無理なく同期させることができ、制御の収束性を高めることが可能となる。
【0027】
次に、受信レベルの測定を開始する(ステップS3)。このステップS3においては、測定開始点X1から次の代表測定点X2との間の領域Y1の平均受信レベルを代表測定点X2における受信レベルm2とする。この受信レベルの測定条件として、制御パラメータ設定部21によりステップS1で分解能、受信レベルの測定時間間隔Tg及びノイズ1ρが設定される。ノイズ1ρとは、ノイズが正規分布していると仮定した場合、そのノイズノ大きさを表すのに用いられる統計的表現であり、例えば1ρ:0.19dBと表記した場合、1ρに対応するのが0.19dBということである。言い換えると、±0.19dBの範囲のノイズが発生する確率が約68%という意味である。
【0028】
そして、ステップS3と同様の処理を全ての代表測定点Xi(i=1,2,…n)について行うことにより、受信レベル測定を終了する。すなわち、領域Yi-1の平均受信レベルと次の領域Yiの平均受信レベルとの平均を代表測定点Xiの受信レベルmiとする受信レベル測定動作を、全てのX1からXnまでの全ての代表測定点iについて行う(ステップS4)。
【0029】
ここで、代表測定点Xiは測定軌道中のある区間内で受信レベル測定部22によって測定された受信レベルを平均するなどの統計処理を行うことで得られたレベルを当該区間の代表受信レベルとし、その代表受信レベルの受信地点と仮定した地点である。この代表測定点Xiの数nが多いほど、最適点の位置を細かく判断でき、また平均値をとるなどの統計処理は、分解能やノイズに対して、見かけ上、分解能が上がる、ノイズ成分が低減されるなど、適切点の判断に対する信頼性が向上する。しかし、測定点が多いほど測定開始から、適切点を判断してアンテナ部1の位置・姿勢を修正するまでの時間がかかるので、これら信頼性と処理時間の両者を考慮して適当なnを設定することが望ましい。
【0030】
受信レベルの測定時間間隔Tgは、隣接する代表測定点Xi間をアンテナ部1の送受信モジュールが移動する時間である。受信レベル測定部22による受信レベル測定点と代表測定点が一致する場合、この測定時間間隔Tgは受信レベル測定部22のサンプリング間隔、すなわち受信波フィードバック制御回路11の前段に設けられたA/D変換器10に与えるサンプリングクロックの周期(サンプリング周期)に等しい。この測定時間間隔Tgが小さいほど、短時間でより多くの受信レベル情報を得ることができ、制御性能が増加する。
【0031】
次に、こうして測定された測定軌道上のn個の代表測定点Xiにおける受信レベルmiに基づいて、アンテナ部1における送受信モジュールの位置及び姿勢の修正すべき方向及び量を表す修正ベクトルxを計算する(ステップS5)。すなわち、測定軌道中心座標系における各代表測定点Xiの位置ベクトルをPiとおけば、これと各代表測定点Xiにおける受信レベルをmiとの積miiが測定軌道中心から見た受信レベル分布を表す。これに受信レベル測定分解能及び収束安定性を考慮した重みwiを加えて、送受信モジュールの位置及び姿勢の修正すべき方向及び修正量を表す修正ベクトルxを次式に従って計算する。
【0032】
【数1】
Figure 0003688577
【0033】
式(1)のようにmi,pi,wiの積を加算することで、目標軌道上の追尾基準位置周囲の受信レベル状況を総合的に判断できる。重みwiは、受信レベル測定結果を修正制御に反映させる際に設定者の意図を組み込む働きをするパラメータである。一般に、各制御パラメータが相関関係を持っている場合、あるパラメータの優先度を他のパラメータの優先度に対して任意に設定するための値、または任意のパラメータの関数を重みという。ここでは、分解能と受信レベルとの非線形性を考慮して重みwiは設定される。受信レベルの大きさと、最大受信レベルの点から受信レベル測定点までの距離とは線形関係ではなく、これに分解能が加わると、遠い地点ほど単位分解能当たりの角度誤差の変化率が大きくなる。
【0034】
そこで、受信レベル測定部22で測定された受信レベルによって最大受信レベルの点より遠い点と判断された受信レベル測定点での受信レベルに対しては、重みwiをより大きくすることで収束性を高める。また中心付近で十分許容範囲内であれば、それ以上不必要に振動や騒音、消費電力を増やさないように重みwiを小さくするか、またはゼロにすることで対応できる。このように重みwiを受信レベルやその統計的処理結果に従って変えることで、より高い収束性を得ることができる。
【0035】
次に、ステップS5で計算された修正ベクトルxに対して、|x|≦rmaxの処理を施した後、実際にアンテナ部1の軌道を修正する(ステップS6)。ここでrmaxは最大修正量であり、制御周期T当たりの修正可能な量の最大値であり、ステップ修正ベクトルxがrmaxを超えても、xの大きさはrmaxと見なされるようにする。この最大修正量rmaxは他の各パラメータによって制限を受けるが、逆にこのrmaxの値を調節することにより、制御的な安定性を得ることができる。
【0036】
このように|x|≦rmaxに制限された修正ベクトルxのデータを図1中に示した加算器13で目標軌道データ12中の角度データに加えることによって、コントローラ14、モータ駆動回路3及びアンテナ駆動装置2を介してアンテナ部1における送受信モジュールの位置及び姿勢を修正制御する。この修正制御は、制御パラメータ設定部21によりのステップS1で設定されたT>nTgなる制御周期で行われる。
【0037】
制御パラメータ設定部21では、上述したパラメータの他に、エラー蓄積率e及びエラー回復率ηが設定される。ここで、エラーとは衛星に対する追尾誤差である。エラー蓄積率eは本発明に基づく受信レベルに従った送受信モジュールの位置及び姿勢の修正を行わない場合の単位時間当たりのエラー蓄積量であり、アンテナ装置の製造誤差などにより生じる。追尾誤差の修正制御は、エラー回復率ηがこの値を上回るか、またはある設定した時間内にエラー量が許容される範囲を超えないように設定する。
【0038】
エラー回復率ηは、制御パラメータを設定したことにより定まる単位時間当たりのエラー修正量である。ここでは、修正ベクトルxに応じたアンテナ部1の送受信モジュールの移動時間(修正ベクトルxに応じて位置及び姿勢が変化するのに要する時間であり、先の遷移時間と同じ)をTとし、修正後から次の受信レベル測定開始までの時間をTp、現目標起動上の点から測定軌道上の点へ移動する時間とその逆を移動する時間の和をTrとすれば、上述した制御周期TはT=Tr+nT+T+Tpとなり、エラー回復率ηは次のように定義される。
η=|x|/T (2)
このエラー回復率ηが次式のようにエラー蓄積率e以上となるように、各制御パラメータは設定される。
η≧e (3)
なお、時間Tpはエラー回復率ηを上げたいときには0に設定すればよく、通常追尾動作のようにエラー蓄積率eが小さいときは、式(1)を満たす範囲である時間に設定され、消費電力、騒音、振動の低下やパワーコントロールや受信レポートとの同期の調整に使われる。
【0039】
受信レベル測定中に周回衛星の送信電力制御(パワーコントロール)が行われると、アンテナ装置側で受信レベルの変動が発生する。このパワーコントロールによる受信レベル変動により制御収束性が損なわれないように、制御周期Tはパワーコントロール及びそのための受信レベルレポートと同期をとる値に設定される。
【0040】
図6に、以上説明した受信レベルに基づく受信波フィードバック制御アルゴリズム(受信波レベルに基づくアンテナ部1の送受信モジュールの位置及び姿勢の修正制御アルゴリズム)の検証実験を行った結果を示す。図6(a)(b)は、それぞれ分解能が十分に高い受信レベル測定系及び分解能の粗い受信レベル測定系を仮定して、制御パラメータを設定した場合の追尾誤差(角度誤差)の収束の様子を示している。横軸及び縦軸は、それぞれAZ軸及びEL軸方向の角度誤差である。この実験結果から、分解能が粗くとも、制御パラメータの調整により収束性を容易に確保できることが明らかである。
【0041】
次に、本発明の他の実施形態について幾つか説明する。なお、以下の実施形態においては、基本的な構成は第1の実施形態と同様であるので、第1の実施形態との相違点のみ説明する。
【0042】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態として、追尾誤差の生じる方向(生じやすい方向)に応じて測定軌道を生成するように測定軌道パラメータを設定する例に対説明する。本発明においては、受信レベルに基づいてアンテナ部1の追尾誤差をアンテナ部1の動作軸(AZ軸、EL軸及びFD軸)毎に求めたり、あるいは所定の基準座標軸を基準として求めるようにしてもよい。その場合、例えば図7に示すようにアンテナ部1のそれぞれの動作軸毎に、その軸の方向にアンテナ部1の送受信モジュールを動かすような測定軌道を与える測定軌道パラメータをパラメータ設定部21で設定し、その測定軌道上で受信レベルを測定すればよい。他の制御パラメータの設定については、第1の実施形態と同様である。
【0043】
アンテナ部1の動作軸の構成によっては、必ずしも測定軌道が目標軌道と直交する必要はなく、また数本の測定軌道が存在しても構わない。また、アンテナ部1の動作軸に合わせるだけでなく、追尾誤差の生じる方向が見積もれる場合、あるいは追尾誤差を修正したい方向が定まっている場合にも、その方向に測定軌道を設定して、受信レベルを測定することで対応できる。さらに、これらの測定軌道と第1の実施形態の円形などの曲線の測定軌道と組み合わせ、追尾誤差を一様に収束させたい方向と、特に修正したい方向について追尾誤差を同時に見積もることも可能となる。
【0044】
(第3の実施形態)
アンテナ部1の同一動作軸においても、その動作速度の違いによって先のエラー蓄積率e(追尾誤差の蓄積度合い)は異なってくる。本実施形態では、動作軸の動作速度を基に、パラメータ設定部21で設定される制御パラメータを変更して制御性能を高める例について述べる。
【0045】
第1の実施形態において、測定時間間隔Tgを短くするか、受信レベル測定点の数nを減らすかで制御周期Tを小さくでき、エラー回復率ηを上げることができることは明らかである。受信レベル検出部9を含めて受信レベル測定部22の性能がよく、分解能やノイズの影響が少ない場合はこの方法でよいが、そうでない場合に信頼性のある統計処理を行うには、安易にこれら二つのパラメータTg,nを変更しない方がよく、代わりに最大修正量rmaxと重みwiを変更することでエラー回復率ηを上げることができる。具体的には、最大修正量rmaxを大きくし、かつ許容範囲限界周辺での修正量が最大修正量rmaxとなるように重みwiを変更することで、エラー回復能力を最大限発揮できるようにする。
【0046】
また、このようなパラメータ変更は動作速度の速い範囲で行われ、その後のエラー蓄積率eの小さい動作速度の遅い範囲では十分収束できるので、動作速度が速い区間におけるエラー回復率ηは次の動作速度でエラーが回復できる範囲αに修正できればよい。この場合、先の式(3)に代えて次式が満たされるようにすればよい。
η≧e−α (4)
図8(a)(b)に、本発明に基づく受信波フィードバック制御を行なわない従来の場合と本実施形態に基づく受信波フィードバック制御を行った場合の追尾誤差(AZ軸方向またはEL軸方向の角度誤差)の時間的変化を実験により検証した結果を示す。これらの結果から、従来の場合はエラー蓄積率eが大きくなるに従って追尾誤差の収束性が悪化するのに対して、本実施形態によるとエラー蓄積率eに応じて、すなわちアンテナ部1の動作軸の動作速度に応じて制御パラメータを変えることで、追尾誤差の収束性を確保できることが分かる。
【0047】
(第4の実施形態)
一般に、低軌道周回衛星は昇降を繰り返すので、複数の衛星が複数の軌道上に用意されており、長時間にわたり通信を維持するために周回衛星追尾アンテナ装置では通信相手の衛星を次々と切り換えてゆく。このため、一つの衛星を追尾している「通常追尾動作」に対して、複数の衛星を同時に追尾する「ハンドオーバ追尾動作」を行うことによって、通信を途絶えさせることなく通信相手の衛星を切り換えることが行われる。また、アンテナ部1の後述する具体的な実施形態で述べるように、複数のアンテナ部に共通の動作軸が存在する構成では、通常追尾動作から「リポインティング動作」と呼ばれる比較的速い動作によってハンドオーバ追尾動作へ移行する方法が採られる。
【0048】
本発明に基づく受信波フィードバック制御を用いた周回衛星追尾アンテナ装置では、受信レベルを測定するための測定軌道を生成する際にアンテナ部1のどの動作軸を選択して駆動するかは、アンテナ装置の動作状態、必要自由度に合わせた動作軸数などに基づいて決定される。通常追尾動作とハンドオーバ追尾動作との切り換え時には、通信状態(受信状態)となるアンテナ部の数が変化するので、測定軌道生成に使用する動作軸を切り換える必要がある。その場合、非受信状態のアンテナ部のみに寄与する動作軸は測定軌道の生成に使用せず、受信状態となっているアンテナ部に寄与する動作軸を測定軌道の生成に使用する。もちろん、二つのアンテナ部が同時に通信動作を行うハンドオーバ追尾動作時には、全ての動作軸がそれぞれの測定軌道の生成に使用されることは言うまでもない。
【0049】
一方、アンテナ装置が一つの周回衛星と通信を行っている場合、測定軌道の生成は2つの動作軸で行うことができる場合があり、消費電力・振動・騒音の低減や、第2の実施形態で説明したような測定軌道の作成意図によっては、このような状態が選択され得る。この場合、非受信状態にあるアンテナ部における送受信モジュールの位置を把握しておき、次のハンドオーバ追尾動作につなげる軌道をリポインティング動作に付加させる。非受信状態のアンテナ部における送受信モジュールの位置を把握しておかないと、測定軌道の生成に使用していない動作軸に起因する誤差を測定軌道の生成に使用している他の動作軸が吸収してしまう。このような状態は冗長系となるから、ハンドオーバ追尾動作時の非冗長系との整合性がなくなる。
【0050】
図9に、本実施形態においてハンドオーバ追尾動作時にアンテナ部の全ての動作軸を測定軌道生成に使用し、二つのアンテナ部に対して同時に受信波フィードバック制御を施した場合の追尾誤差(角度誤差)の収束の様子を示す。図9(a)は第1のアンテナ部、図9(b)は第2のアンテナ部の結果であり、いずれも上側の図は本発明に基づく受信波フィードバック制御を行なわない従来の場合、下側の図は本実施形態に基づく受信波フィードバック制御を行った場合である。また、各図とも横軸及び縦軸は、それぞれAZ軸及びEL軸方向の角度誤差である。これらの結果から、アンテナ部の動作軸切り換え後でも、二つのアンテナ部の追尾誤差が許容範囲内に収束されていることが分かる。
【0051】
(第5の実施形態)
測定した受信レベルに含まれるノイズについても、分解能と同様に統計的処理により見かけ上その大きさを小さくすることができ、追尾誤差修正制御の収束性を上げることができる。統計処理は受信レベル測定点の数を増やすことで、位置的広がりにおいてその信頼性を増すことができるが、以前測定した結果を反映させることで、各測定点の受信レベル測定及び修正ベクトル計算において時間軸にもその信頼性を高めることができる。
【0052】
(第6の実施形態)
周回衛星追尾アンテナ装置の全構造体において、各部の剛性は位置決めに影響を与える。すなわち、アンテナ部1における送受信モジュールの位置及び姿勢によって構造体の各部にたわみが生じ、このたわみによってアンテナ部1の追尾誤差修正制御による位置決めが影響を受ける。本実施形態では、このたわみを予め見積もってパラメータ化しておき、このパラメータをアンテナ部1の追尾誤差修正制御に反映させることでたわみ補償を行い、たわみの影響を軽減した制御を行う方法を開示する。
【0053】
ここでは、具体的に後述するアンテナ部1の具体的構造に関する実施形態において使用されるガイドレールのたわみ量がアンテナ部の送受信モジュールの位置によって変化し、それを見積もることでアンテナ部1の位置決め補償(たわみ補償)を行った例を示す。アンテナ部1における送受信モジュールの位置θFDにおけるたわみ量yiは、その位置におけるねじれ角をθi、ガイドレール半径をRとすれば、
yi=RsinθFD sinθi (5)
となる。この式(5)により得られたたわみ量yiをアンテナ部1の動作軸の角度補正データ、この例ではEL軸の角度補正データに変換することで、補償角を得る。
【0054】
図10は、こうして得られたたわみ量(EL角)を予め目標軌道データ12のうちの角度データに加えることよりたわみ補償を行い、アンテナ部1の位置及び姿勢を制御した結果を示している。アンテナ構造体の剛性のような予め見積もれる量に関しては、その量を補正する方向に制御量を加えることで、それに起因する誤差を修正することができ、制御の負担を軽減することが可能となる。
【0055】
(第7の実施形態)
次に、本発明の第7の実施形態として、周回衛星追尾アンテナ装置の設置誤差についても第1の実施形態で説明した受信波フィードバック制御による修正制御アルゴリズムによって修正する方法を述べる。
【0056】
本実施形態では、周回衛星追尾アンテナ装置を所定の位置に設置後、特定の周回衛星を追尾させるように制御し、追尾誤差の修正量と本来の目標軌道との差をアンテナ装置の設置誤差及び製造誤差によるものとして、図1中の記憶部15に登録しておく。この作業においては、アンテナ部1の動作において冗長自由度が存在しないように動作軸を選択し、第4の実施形態のような制御を行う場合は二つの衛星を同時に追尾させる。
【0057】
アンテナ部1における送受信モジュールの位置及び姿勢によって、その動作範囲をいくつかの領域に分割し、それぞれの領域に送受信モジュールがあるときの修正量を領域毎に見積もる。この修正量の見積もり作業は、分割された個々の領域に対して行われるので、比較的短時間で作業が完了する。送受信モジュールの位置及び姿勢がそれぞれの領域にあるときに、その領域に対応した修正量によって目標値を変更する。これによりエラー蓄積率を抑えることができる。
【0058】
このようにエラー蓄積率eを低く設定できるということは、式(3)よりエラー回復率ηを低く設定できることに等しい。従って、エラー回復率ηが低くなる分だけ、アンテナ装置の駆動において厳しいパラメータを設定する必要がなくなり、振動や騒音及び消費電力を抑えた動作が実現できる。
【0059】
(第8の実施形態)
本発明に基づくアンテナ部の修正制御によって修正された結果を比較的長期的にみて判断し、その後の制御に反映させることでエラー蓄積率を抑えることができる。具体的には、修正ベクトルxの時間的に変化するデータを記憶部15に蓄積しておき、修正ベクトルxの傾向を調べる。具体的には、第7の実施形態よりさらに細かく送受信モジュールの動作範囲を分割し、ある期間それぞれの領域において判断された修正ベクトルxの傾向を解析する。この解析の結果、修正ベクトルxの傾向に変化が見られないときは、さらに領域を細かく分割する。このような長期的判断には、メンテナンス者が定期的に貯えられたデータをもとに補正する方法、アンテナ装置が自動的に判断する方法がある。また、管理局が判断した結果をダウンロードするという形式をとることもできる。これにより、長期的に安定した通信状態を確保することが可能となる。
【0060】
(第9の実施形態)
次に、図1中に示したアンテナ部1の具体例について説明する。図11及び図12は、本実施形態によるアンテナ部の構成を示す一部切断した斜視図及び部分断面図である。アンテナ部111は、略円形の固定ベース112と、第1回転軸Y(AZ軸)周りに回転可能に固定ベース112上に取り付けられた略円形の回転ベース113と、第1回転軸Y上に中心がくるように配置された球レンズ114とを備えている。
【0061】
固定ベース112は、地面あるいは建物上に固定される基台1121に周面側から中央に向かう数本のアーム1122を形成し、各アームの先端にプーリによるベアリング1123を取り付けて構成される。また、基台1121には回転ベース113を回転駆動するためのステップモータ(AZ軸駆動モータ)115と、一対の自走型送受信モジュール116,117の給電及び位置駆動制御を行う給電駆動制御装置118が載置される。AZ軸駆動モータ115は回転軸を図中上方に向けて取り付けられ、その回転軸にはローラ119が取り付けられる。
【0062】
回転ベース113は、円筒状の支持体1131の底部にベアリング1123と勘合し、回転ベース113全体を回転自在に支持する突円部1132が一体形成され、周面にはモータ115の回転軸に取り付けられたローラ119と当接して、ローラ119の回転により回転ベース113全体を回転させるための突円部1133が一体形成される。さらに、支持体1131の側面には第1回転軸Yを中心として対向する位置に一対のアーム1134、1135が一体形成される。これらのアーム1134、1135は、支持体1131から球体レンズ114の周面に沿って延設されたU字形状であり、その先端部は球体レンズ114の中心を通り、第1回転軸Yとは垂直な第2回転軸X上に位置する。
【0063】
アーム1134、1135の各先端部には、それぞれ第2回転軸X(EL軸)上に貫通孔が形成される。これらの貫通孔には、ガイドレール120の両端部に固定された支持ピン121,122が挿通される。ガイドレール120は、球体レンズ114の中心から一定の距離となるように半円弧状に形成され、支持ピン121,122が一対のアーム1134,1135の貫通孔に挿通されることによって第2回転軸X(EL軸)上で回動自在に軸支される。
【0064】
ガイドレール120の一方の端部に固定された支持ピン121は、アーム1134の貫通孔に挿通され、その端部にワッシャリング123が装着されて抜き出されないように処理され、他方の端部に固定された支持ピン122は、アーム1135の貫通孔に挿通され、その端部にプーリ124が装着される。また、アーム1135の貫通孔を形成した下方には、その貫通孔と平行してもう一つの貫通孔が形成され、この貫通孔に回転軸を挿通させた状態で、ステップモータ(EL軸駆動モータ125)が装着される。
【0065】
EL軸駆動モータ125の回転軸先端には、プーリ124より径小のプーリ126が装着され、プーリ124、126間にベルト127がかけられている。これにより、EL軸駆動モータ125の回転はプーリ126、ベルト127及びプーリ124を介して支持ピン122に減速されて伝達され、ガイドレール120を第2回転軸X(EL軸)回りに回動させる。
【0066】
ガイドレール120には、一対の自走型送受信モジュール116,117が自走自在に装着される。自走機構には、ステップモータ(FD軸駆動モータ)が使用される。各送受信モジュール116,117は、それぞれカールコード128、129によって給電駆動制御装置118に接続され、当該制御装置118からの駆動制御信号に応じてガイドレール120上を自走し、指定位置で停止する。送受信モジュール116,117には、ビーム方向が球体レンズ114の中心方向に向くようにアンテナ素子130、131が装着され、給電駆動制御装置118からの給電により、球体レンズ114の中心点方向に電波を放射し、その方向からの電波を受信する。
【0067】
以上のような構造物に対し、その周囲全体は椀型のレドーム133で覆われ、そのレドーム133の底部は基台1121の周縁部と接合される。このレドーム133は、電波透過性を有するとともに熱伝導率の低い材質、例えば樹脂によって構成される。また、レドーム133と球体レンズ114の上側との間には、発泡材層134が配置される。
【0068】
ここで球体レンズ114は、球状誘電体レンズとも呼ばれ、同心の球面に誘電体が積層されて構成され、これを通過する略平行な電波を一点に集束させることができるものである。図13は、球体レンズ114の作用を示す概略図である。図13に示す例の場合、球体レンズ114は4層構造であるが、誘電体の層数はこれに限定されない。また一般に、積層される誘電体の各誘電率は、外側にいくほど低くなっている。このように各層の誘電率が異なることになり、透過電波を光学系レンズと同じように屈折させることができる。各層には、例えばポリスチレン(発泡スチロール)等による発泡材が使用され、その発泡率を変えることで誘電率を変化させている。
【0069】
給電駆動制御装置118は、屋内に設置されるホスト装置135に接続され、このホスト装置135から衛星の位置に関する情報と共に、衛星との通信が不能となる領域、他の通信用電波等による妨害波が存在する領域に関するマスキング情報が入力される。
【0070】
このアンテナ部111と図1との対応を説明すると、ホスト装置135には図1中に示したアンテナ部1及びアンテナ駆動装置2以外の構成要素が含まれている。また、AZ軸駆動モータ115とEL軸駆動モータ125及び自走型送受信モジュール116,117内のFD軸駆動モータは、図1中に示したアンテナ駆動装置2内に含まれる。
【0071】
以下、図14を用いてアンテナ部111の作用を説明する。図14は、自走式送受信モジュール116,117の位置決め制御の概略を示す斜視図である。 まず、多数の周回衛星の中から選択された通信可能な2つの衛星141,142の大まかな位置s1,s2の情報がホスト装置135から制御装置118に入力される。制御装置118は、2つの衛星141,142の位置s1,s2から球体レンズ114の中心を通って延びる線上に2つの自走型送受信モジュール116,117の各々を配置するために、送受信モジュール116,117(より詳細には、これらの送受信モジュール116,117に搭載されているアンテナ素子130、131)の配置されるベき2つの位置P1,P2を演算する。
【0072】
次に、制御装置118は送受信モジュール116,117の配置されるべき2つの位置P1,P2と球体レンズ114の中心Oとを含む第1仮想平面Sと、球体レンズ114の中心Oを通り、回転ベース113の第1回転軸Yと直交する第2仮想平面Hとの交線上に第2回転軸Xが配置されるように、EL軸駆動モータ115を駆動して回転ベース113を回転させる。
【0073】
回転ベース113の回転に続いて、あるいは回転ベース113の回転と同時に給電駆動制御装置118はEL軸駆動モータ125を駆動させ、ガイドレール120を第2回転軸周りに回転させて、ガイドレール120を位置P1,P2に重ね合わせる。
【0074】
EL軸駆動モータ125の駆動に続いて、あるいはEL軸駆動モータ125の駆動と同時に、制御装置118は自走式送受信モジュール116,117をガイドレール120上で自走させ、位置P1,P2に移動させる。これにより自走式送受信モジュール116,117の初期位置決めが達成される。
【0075】
2つの周回衛星141,142は、地平線(水平線)から現れて地平線(水平線)に沈むまで約10分という速さで、その軌道上を周回移動する。アンテナ部111は、このように比較的高速に位置を変える衛星141,142を以下のように追尾する。初期位置決めが達成された後、2つの衛星141,142のうち一方の衛星、例えば衛星141のより正確な位置(位置変化後の位置の意味を含む)が探索される(第1探索ステップ)。衛星141の位置探索は、例えば以下のように行われる。
【0076】
まず、EL軸駆動モータ125を双方向に微小量回転させて、ガイドレール120を第2回転軸X周りに微小に双方向に回転させると共に、ガイドレール120上で衛星に対応して位置決めされている自走式送受信モジュール116を双方向に微小距離移動させる。これにより、自走式送受信モジュール116は2次元の微小球面内を移動する。
【0077】
この微小球面内の移動の間に、衛星141と自走式送受信モジュール116との通信状態がより良好である地点Q1を探索する。通信状態の良否は、受信信号の強度などを監視することで判断することができる。地点Q1は、衛星141のより正確な位置から球体レンズ114の中心Oを通って延びる軸線上の位置に対応していると考えることができる。すなわち、地点Q1の探索によって衛星141のより正確な位置を知ることができる。
【0078】
次に、第1探索ステップで探索された一方の衛星141の位置と第1探索工程による位置変化探索前の他方の衛星142の位置とから球体レンズ114の中心Oを通って延びる各軸線上の位置が演算される。この場合、2つの位置Q1,P2が確認されることになる。
【0079】
そして、自走式送受信モジュール116,117が次に配置されるべき2つの位置Q1,P2と球体レンズ114の中心とを含む新たな第1仮想平面Sと、第2仮想平面Hとの交線上に第2回転軸Xが配置されるようにAZ軸駆動モータ115が駆動されて回転ベース113が回転される。
【0080】
回転ベース113の回転に続いて、または回転ベース113の回転と同時に、制御装置118はEL軸駆動用モータ125を駆動させ、ガイドレール120を第2回転軸X周りに回転させて位置Q1,P2に重ね合わせる。
【0081】
EL軸駆動モータ125の駆動に続いて、あるいはEL軸駆動モータ125の駆動と同時に、制御装置118は自走式送受信モジュール116,117をガイドレール120に沿って位置Q1,P2に移動させる。これにより自走式送受信モジュール117の位置P2を保存しつつ、もう一つの自走式送受信モジュール116の追尾位置決めが達成される。このような制御形態は非干渉制御と呼ばれる。
【0082】
自走式送受信モジュール116の追尾位置決めが達成された後、他方の衛星142のその時点のより正確な位置(位置変化後の位置の意味を含む)が探索される(第2探索ステップ)。この衛星142の位置探索は、最初の衛星141の位置探索と同様に行われる。第2探索ステップで探索された衛星142の位置と第2探索ステップによる位置探索前(第1探索ステップによる位置探索後)の最初の衛星141の位置とから、球体レンズ114の中心Oを通って延びる各軸線上の位置が演算される。この場合、2つの位置Q1,Q2が確認される。
【0083】
そして、自走式送受信モジュール116,117が次に配置されるべき2つの位置Q1,Q2と球体レンズ114の中心Oとを含む新たな第1仮想平面Sと、第2仮想平面Hとの交線上に第2回転軸Xが配置されるようにAZ軸駆動モータ115が駆動されて回転ベース113が回転される。
【0084】
AZ軸駆動モータ115による回転ベース113の回転に続いて、あるいは回転ベース113の回転と同時に、制御装置118はEL軸駆動モータ125を駆動させ、ガイドレール120を第2回転軸X周りに回転させて、ガイドレール120を位置Q1,Q2に重ね合わせる。
【0085】
EL軸駆動モータ125の駆動に続いて、あるいはEL軸駆動モータ125の駆動と同時に、制御装置118は自走式送受信モジュール116,117をガイドレール120に沿って位置Q1,Q2に移動させる。これにより、自走式送受信モジュール116の位置Q1を保存しつつ、すなわち、非干渉的に他方の自走式送受信モジュール117の追尾位置決めが達成される。
【0086】
以後、自走式送受信モジュール116と117の追尾位置決めを交互に連続に行っていくことで、2つの衛星141,142をほぼ連続的に追尾していくことが可能である。2つの衛星141,142が接近し追い越していく場合には、その追い越し時点で自走式送受信モジュール116,117間で追尾対象となる衛星を交換し合うことで、容易に追尾制御することが可能となる。
【0087】
このように位置決めされる自走式送受信モジュール116,117から電波が放射されると、放射電波は球体レンズ114の層状誘電体を順次通過することにより進行方向をほぼ平行に変換されて、平行電波として衛星141,142に送信される(図13参照)。一方、衛星141,142から平行に入射した電波は、球体レンズ114を通過することでその焦点位置に配置された自走式送受信モジュール116,117に向けて集束され、これらの送受信モジュール116,117によって効率よく受信される(図13参照)。
【0088】
このように本実施形態によるアンテナ部111は、1つの球体レンズ114に対向して2つの自走式送受信モジュール116,117が配置され、互いにその移動が干渉しないようになされているため、2つの周回衛星141,142を同時に追尾することができると共に、小さなスペースに設置することが可能であるという特徴を有するものである。
【0089】
(第10の実施形態)
次に、図1中に示したアンテナ部1のもう一つの具体例について説明する。図15〜図18は、本発明の一実施形態によるアンテナ装置211の概略構成図であり、図15は正面側の斜視図、図16は背面側の斜視図、図17(a)は正面図、図17(b)は側面図を示している。
【0090】
図15〜図17に示すように、アンテナ装置211は、設置個所に水平に固定される略円形の固定ベース212を備える。この固定ベース212の中央には鉛直方向に第1回転軸(AZ軸)を有する回転ベース213が配置される。この回転ベース213の上には、Z軸上に中心がくるように平板を一定の曲率で半円弧状に湾曲させた支持レール214が、その円弧中心軸をZ軸に垂直な第2回転軸(FD軸)として回動自在に載置される。
【0091】
支持レール214には、その真ん中の位置から円弧中心に延びる支持シャフト215が設けられ、さらにその円弧中心位置と支持レール214の両端との間で第1及び第2の回転シャフト216,217が互いに独立して回転自在に支持される。すなわち、支持シャフト215と回転シャフト216,217は、レール214の円弧中心で直角に交わっている。回転シャフト216,217はY軸に垂直な第3回転軸(EL軸)上にあり、図示しないステップモータ(EL軸駆動モータ)によって駆動される。
【0092】
第1及び第2の回転シャフト216,217には、支持レール214における円弧中心の両側にそれぞれ当該シャフト216,217に対して垂直な方向に指向性を有するようにパラボラアンテナ218,219が装着される。すなわち、これらのパラボラアンテナ218,219は、EL軸駆動モータにより駆動される回転シャフト216,217によって、互いに独立してEL軸回りに回動可能となっている。上記のようにして組み立てられた装置全体は、FD軸より上側を半球形状とした、断面が逆U字型のレドーム220で覆われる。
アンテナ部211のさらに各部の詳細について説明すると、まず、固定ベース212上の周縁部に、レギュレータ221及びプロセッサ222が載置される。また、中央部に配置される回転ベース213の近傍に、ステップモータ(AZ軸駆動モータ)223が配置される。
【0093】
図18は、回転ベース213のZ軸回転駆動機構及び支持レール214のY軸回動機構の詳細を示す拡大斜視図である。図18において、プーリ224と固定ベース212側のAZ軸駆動モータ223の回転軸とは、ベルト225によって連結されている。これによりAZ軸駆動モータ223の回転がプーリ224に伝わり、AZ軸回りに回転ベース213が回転するようになる。モータ223はプロセッサ222により駆動制御される。
【0094】
回転ベース213の上には基台226が載置され、この基台226の上には凹字型の支持具227が載置される。この支持具227には、支持レール214をその外面でスライド自在に支持する一対の外面支持ローラ228,229と、その内面周縁部でスライド自在に支持する4個の内面支持ローラ230,231,232,233と、その側面でスライド自在に支持する4個の側面支持ローラ234,235,236,237と、支持レール214の支持部下方に配置され、ワイヤー送り機構を構成する径大の送りローラ238及び一対のテンションローラ239,240とがそれぞれ回転自在に支持されている。
【0095】
基台226あるいは支持具227には、送りローラ238を回転させるステップモータ(FD軸駆動モータ)241が固定されている。内面ローラ230,231,232,233は、支持レール214の支持シャフト215の端部、回転シャフト216,217の支持部が支持レール214の回動に伴ってぶつからないような長さとする。
【0096】
図19は、上記ワイヤー送り機構の構成を示す側面図である。ワイヤー242の両端は支持レール214の両端部で固定され、送りローラ238に複数回螺旋状に巻き付けられ、一対のテンションローラ239,240によって支持ローラ214の外方向に押し出す状態で支持されている。すなわち、テンションローラ239,240の作用により、ワイヤー242が外面支持ローラ228,229に絡まないようにすることができ、また送りローラ238への巻き付け締め具合を均一に保つことができる。この状態で送りローラ238をFD軸駆動モータ241により正逆方向に回転させることで、支持レール214をFD軸回りの正逆方向に回動させることができる。FD軸駆動モータ241は、プロセッサ222により駆動制御される。
【0097】
ワイヤー242の両端部には、バックラッシュ機構として引っ張りばね等の引っ張り応力を有する弾性材2421,2422を介在させておく。これにより、ワイヤー242の延びを吸収することができ、さらに送りローラ238への巻き付け締め具合を維持することができる。弾性材2421,2422は、いずれか一方だけでもよい。
【0098】
第1のパラボラアンテ218の構造とそのX軸回りの回動機構の構成を説明すると、第1のパラボラアンテナ218は、第1の回転シャフト216に取付基板251を装着固定し、この取付基板251の一方面にリフレクタ(反射鏡)252の裏面を接合し、他方面にアップコンバータ253、ダウンコンバータ254、冷却ユニット(ヒートシンク、ファン等)255を取り付け、リフレクタ252のセンタ鉛直方向の焦点にホーン(一次放射器)256を配置した構造となっている。リフレクタ252は、開口面積を最大限に確保するため、X軸方向とは垂直な方向に長軸をもつ楕円形状とする。アップコンバータ253及びダウンコンバータ254は図示しない複合ケーブルによってレギュレータ221に接続され、当該レギュレータ221との間で給電及び信号の送受が行われる。
【0099】
アップコンバータ253の出力端には送信用帯域フィルタ257が接合され、ダウンコンバータ254の入力端には受信用帯域フィルタ258が接合される。各フィルタ257,258はT型結合器259で結合され、この結合器259とホーン256が導波管260によって結合される。
【0100】
このとき、ホーン256がリフレクタ252のセンタ鉛直方向の焦点に位置するように、導波管260を適宜接曲させることにより、導波管260がホーン256のステーとして機能するため、新たにホーン256を支持するステーを設ける必要がない。但し、導波管260は電波放射面内で影となり、ブロッキングの要因となるため、その表面に電波吸収材を貼り付けておき、あるいは塗布しておき、導波管260による電波の不要輻射を抑制して良好なサイドローブ特性を確保する。
【0101】
尚、導波管260を背面から前面に引き出す際に、その引き出し箇所をリフレクタ252の長軸から支持レール214の中心側に傾けた位置にしておくと、レドーム220内のデッドスペースを有効利用することができる。
【0102】
上記構造による第1のパラボラアンテナ218におけるX軸回りの回動機構は、以下のような構造となっている。まず、回転シャフト216の支持シャフト215側に半円盤状のセクターギヤ277を装着し、支持シャフト215にX軸駆動モータ278を装着し、このX軸駆動モータ278の回転シャフトにピニオンギヤを取り付け、このピニオンギヤをセクターギヤ277に噛み合わせる。これにより、X軸駆動モータ278の回転が減速して回転シャフト216に伝達され、この回転シャフト216に固定された第1のパラボラアンテナ218を略180度、正逆方向に回動させることができる。X軸駆動モータ278はプロセッサ222により駆動制御される。
【0103】
第2のパラボラアンテナ219の構造とそのX軸回りの回動機構の構造は、第1のパラボラアンテナ218の場合と全く同じである。すなわち、第2のパラボラアンテナ19は、取付基板264、リフレクタ265、アップコンバータ266、ダウンコンバータ267、冷却ユニット268、ホーン269、送信用帯域フィルタ270、受信用帯域フィルタ271、T型結合器272、導波管273を備える。また、そのX軸回りの回動機構は、セクターギヤ274、X軸駆動モータ275、ピニオンギヤ276で構成される。X軸駆動モータ275はプロセッサ222により駆動制御される。
【0104】
以上の構成により、第1及び第2のパラボラアンテナ218,219は、回転シャフト216,217によるX軸、支持レール214によるY軸、回転ベース213によるZ軸の3軸回りに回転あるいは回動可能であり、しかも第1のパラボラアンテナ218と第2のパラボラアンテナ219とで互いに独立して回動可能であることから、各回転・回動機構のモータをプロセッサ222によって駆動制御することにより、各パラボラアンテナ218,219をそれぞれ全く軌道の異なる2つの衛星に指向させ追尾させることができる。
【0105】
上述した構成のアンテナ部211と図1との対応を説明すると、AZ軸駆動モータ223と、回転シャフト216,217に連結された図示しないEL軸駆動モータ及びFD軸駆動モータ241は、図1中に示したアンテナ駆動装置2内に含まれる。プロセッサ222には、図1中に示したアンテナ部1及びアンテナ駆動装置2以外の構成要素が含まれている。
【0106】
(その他の実施形態)
本発明に基づく修正制御アルゴリズムは、低軌道衛星追尾アンテナ装置に限らず、またアンテナの動作形態、受信対象によらず適用できる。例えば、静止衛星からの電波を受信するアンテナ装置の必要時または定期的な位置及び姿勢の修正にも応用できる。これにより自動的に迅速に修正が行われ、それにかかるコスト削減と共に、より安定した受信状態を保証できる。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば高価で複雑な駆動機構を用いることなく、低コストかつ小型で、広範囲な動作領域を満たし、追尾精度を向上させることができ、複数の低軌道周回衛星との間で高速なデータ通信を実現することが可能となる。より具体的には、衛星追尾アンテナ装置の位置姿勢制御において制御パラメータをアンテナ装置の制御目標、動作状況、誤差要因に応じて設定し、周囲受信レベルを測定し総合的に判断することで、常に許容範囲内に収束した受信レベルを維持できる。また、本発明はアンテナ装置の低コスト化に伴い生じる剛性の低下や検出分解能の低下、さらには受信レベルのノイズに対して位置及び姿勢制御の収束性を維持できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る衛星追尾アンテナ装置の概略構成を示す図
【図2】衛星追尾アンテナ装置におけるアンテナ部の追尾誤差と受信レベルとの関係を示す図
【図3】同実施形態における受信波フィードバック制御回路の構成を示すブロック図
【図4】同実施形態における受信波フィードバック制御の処理の流れを示すフローチャート
【図5】同実施形態における測定軌道と受信レベル測定及び修正ベクトルについて説明する図
【図6】同実施形態における受信波フィードバック制御による追尾誤差修正の検証実験結果を受信レベル測定部の分解能が細かい場合と粗い場合について示す図
【図7】本発明の第2の実施形態における測定軌道の説明図
【図8】本発明の第3の実施形態における駆動速度によるエラー蓄積率の違いを考慮した受信波フィードバック制御による追尾誤差の時間的変化についての検証実験結果を受信波フィードバック制御を行わない場合と比較して示す図
【図9】本発明の第4の実施形態に係る受信波フィードバック制御により二つのアンテナ部を同時に制御した場合の追尾誤差修正の検証実験結果を受信波フィードバック制御を行わない場合と比較して示す図
【図10】本発明の第6の実施形態6に係るアンテナ部の位置によって生じるアンテナ構造体のたわみを補償して受信波フィードバック制御を行った場合のたわみ補償についての検証実験結果を示す図
【図11】本発明の第9の実施形態に係るアンテナ部の構成を示す斜視図
【図12】同実施形態に係るアンテナ部の部分断面図
【図13】同実施形態で用いる球体レンズの作用を示す概略図
【図14】同実施形態で用いる自走給電装置の位置決め制御の概略を示す斜視図
【図15】本発明の第10の実施形態に係るアンテナ部の概略構成を示す斜視図
【図16】同実施形態に係るアンテナ部の背面側の斜視図
【図17】同実施形態に係るアンテナの正面図及び側面図
【図18】同実施形態で用いる回転ベースのZ軸回転駆動機構及び支持レールのY軸回動機構の詳細を示す拡大斜視図
【図19】同実施形態で用いるワイヤー送り機構の構成を示す側方断面図及びワイヤー送り部分を拡大して示す斜視図
【符号の説明】
1…アンテナ部
2…アンテナ駆動装置
3…モータ駆動回路
4…送受切替器
5…送信回路
6…電力増幅器
7…低雑音増幅器
8…受信回路
9…受信レベル検出器
10…A/D変換器
11…受信波フィードバック制御回路
12…目標軌道データ
13…加算器
14…コントローラ
15…記憶部

Claims (10)

  1. 固定ベースと、電波を集束するための球体レンズと、前記球体レンズの中心を通る第1回転軸周りに回転可能に前記固定ベース上に取付けられた回転ベースと、前記回転ベースと共に前記第1回転軸周りに回転可能に設けられ、前記球体レンズの中心を通り前記第1回転軸と略直交する第2回転軸周りに回動可能なガイドレールと、周回衛星と通信を行うために設けられ、前記ガイドレールに沿って移動可能な複数の送受信モジュールを有するアンテナ部とを具備する周回衛星追尾アンテナの制御方法であって、
    前記アンテナ部が前記周回衛星を追尾するために与えられた目標軌道上の任意の点に測定軌道を生成するための測定軌道パラメータを含む制御パラメータを設定し、
    前記測定軌道パラメータに従って生成された前記測定軌道上における前記アンテナ部の受信レベルを測定し、
    測定された前記受信レベルに基づき、前記周回衛星に対する前記アンテナ部の追尾誤差を小さくするように前記送受信モジュールの位置及び姿勢を修正すべき方向と修正量を示す修正ベクトルを算出し、
    前記修正ベクトルに基づいて前記送受信モジュールの位置及び姿勢を修正すべく前記回転ベースの前記第1回転軸周りの角度、前記ガイドレールの前記第2回転軸周りの角度および前記送受信モジュールの前記ガイドレールに対する位置を制御し、
    前記回転ベース、前記ガイドレールまたは前記送受信モジュールの動作速度に応じて前記制御パラメータの少なくとも一部を変更することを特徴とする周回衛星追尾アンテナの制御方法。
  2. 固定ベースと、前記固定ベース上に配置され、第1回転軸周りに回転可能な回転ベースと、前記回転ベースと共に前記第1回転軸周りに回転可能に設けられ、円弧状に湾曲し、前記回転ベース上に前記円弧の中心が前記第1回転軸上にくるように、かつ前記中心を通り前記第1回転軸に略垂直な第2回転軸回りに回動可能な支持レールと、前記支持レールと共に前記第1回転軸周りに回転可能および前記第2回転軸周りに回動可能に設けられ、前記第1回転軸及び前記第2回転軸に略垂直な第3回転軸周りに互いに独立して回動可能に設けられた複数のアンテナ部とを具備する周回衛星追尾アンテナの制御方法であって、
    前記アンテナ部が前記周回衛星を追尾するために与えられた目標軌道上の任意の点に測定軌道を生成するための測定軌道パラメータを含む制御パラメータを設定し、
    前記測定軌道パラメータに従って生成された前記測定軌道上における前記アンテナ部の受信レベルを測定し、
    前記受信レベル測定手段により測定された前記受信レベルに基づき、前記周回衛星に対する前記アンテナ部の追尾誤差を小さくするように前記送受信モジュールの位置及び姿勢を修正すべき方向と修正量を示す修正ベクトルを算出し、
    前記修正ベクトルに基づいて前記アンテナ部の位置及び姿勢を修正すべく前記回転ベースの前記第1回転軸周りの角度、前記支持レールの前記第2回転軸周りの角度および前記アンテナ部の前記第3回転軸周りの角度を制御することを特徴とする周回衛星追尾アンテナの制御方法。
  3. 固定ベースと、
    電波を集束するための球体レンズと、
    前記球体レンズの中心を通る第1回転軸周りに回転可能に前記固定ベース上に取付けられた回転ベースと、
    前記回転ベースと共に前記第1回転軸周りに回転可能に設けられ、前記球体レンズの中心を通り前記第1回転軸と略直交する第2回転軸周りに回動可能なガイドレールと、
    周回衛星と通信を行うために設けられ、前記ガイドレールに沿って移動可能な複数の送受信モジュールを有するアンテナ部と、
    前記アンテナ部が前記周回衛星を追尾するために与えられた目標軌道上の任意の点に測 定軌道を生成するための測定軌道パラメータを含む制御パラメータを設定する制御パラメータ設定手段と、
    前記測定軌道パラメータに従って生成された前記測定軌道上における前記アンテナ部の受信レベルを測定する受信レベル測定手段と、
    前記受信レベル測定手段により測定された前記受信レベルに基づき、前記周回衛星に対する前記アンテナ部の追尾誤差を小さくするように前記送受信モジュールの位置及び姿勢を修正すべき方向と修正量を示す修正ベクトルを算出する修正ベクトル計算手段と、
    前記修正ベクトルに基づいて前記送受信モジュールの位置及び姿勢を修正すべく前記回転ベースの前記第1回転軸周りの角度、前記ガイドレールの前記第2回転軸周りの角度および前記送受信モジュールの前記ガイドレールに対する位置を制御する制御手段とを具備し、
    前記制御パラメータ設定手段は、前記回転ベース、前記ガイドレールまたは前記送受信モジュールの動作速度に応じて前記制御パラメータの少なくとも一部を変更することを特徴とする周回衛星追尾アンテナ装置。
  4. 固定ベースと、
    前記固定ベース上に配置され、第1回転軸周りに回転可能な回転ベースと、
    前記回転ベースと共に前記第1回転軸周りに回転可能に設けられ、円弧状に湾曲し、前記回転ベース上に前記円弧の中心が前記第1回転軸上にくるように、かつ前記中心を通り前記第1回転軸に略垂直な第2回転軸回りに回動可能な支持レールと、
    前記支持レールと共に前記第1回転軸周りに回転可能および前記第2回転軸周りに回動可能に設けられ、前記第1回転軸及び前記第2回転軸に略垂直な第3回転軸周りに互いに独立して回動可能に設けられた複数のアンテナ部と、
    前記アンテナ部が前記周回衛星を追尾するために与えられた目標軌道上の任意の点に測定軌道を生成するための測定軌道パラメータを含む制御パラメータを設定する制御パラメータ設定手段と、
    前記測定軌道パラメータに従って生成された前記測定軌道上における前記アンテナ部の受信レベルを測定する受信レベル測定手段と、
    前記受信レベル測定手段により測定された前記受信レベルに基づき、前記周回衛星に対する前記アンテナ部の追尾誤差を小さくするように前記送受信モジュールの位置及び姿勢を修正すべき方向と修正量を示す修正ベクトルを算出する修正ベクトル計算手段と、
    前記修正ベクトルに基づいて前記アンテナ部の位置及び姿勢を修正すべく前記回転ベースの前記第1回転軸周りの角度、前記支持レールの前記第2回転軸周りの角度および前記アンテナ部の前記第3回転軸周りの角度を制御する制御手段とを有することを特徴とする周回衛星追尾アンテナ装置。
  5. 前記制御パラメータ設定手段は、前記回転ベース、前記支持レールまたは前記アンテナ部の動作速度に応じて前記制御パラメータの少なくとも一部を変更することを特徴とする請求項記載の周回衛星追尾アンテナ装置。
  6. 前記制御手段は、前記目標軌道のデータに前記修正ベクトルのデータを加算することにより、前記送受信モジュールの位置及び姿勢を修正すべく前記アンテナ駆動手段を制御するように構成されることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項記載の周回衛星追尾アンテナ装置。
  7. 前記受信レベル測定手段は、前記測定軌道上に設定した複数の代表測定点の受信レベルを求めるように構成され、
    前記制御パラメータ設定手段は、前記制御パラメータとしてさらに前記受信レベル測定手段により測定される前記各代表点の受信レベルの非線形性を補償するための重みを設定するように構成され、
    前記修正ベクトル計算手段は、前記各代表測定点の受信レベルと位置ベクトルと前記重みとの積を加算することにより前記修正ベクトルを算出するように構成されることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項記載の周回衛星追尾アンテナ装置。
  8. 前記制御パラメータ設定手段は、前記アンテナ部の前記追尾誤差が生じる方向に応じて前記測定軌道を生成すべく前記測定軌道生成パラメータを設定するように構成されることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項記載の周回衛星追尾アンテナ装置。
  9. 前記制御パラメータ設定手段は、前記アンテナ部の送受信動作状態に応じて前記アンテナ部の前記測定軌道の生成に使用される動作軸を選択すべく前記測定軌道生成パラメータを設定するように構成されることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項記載の周回衛星追尾アンテナ装置。
  10. 前記衛星追尾アンテナ装置の設置後に前記周回衛星を追尾したときの前記追尾誤差を当該衛星追尾アンテナ装置の設置誤差及び製造誤差のデータとして予め記憶保持した記憶手段と、該記憶手段に記憶保持されたデータによって前記目標軌道のデータを補正する手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項記載の周回衛星追尾アンテナ駆動装置。
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