JP3688536B2 - 熱処理装置 - Google Patents
熱処理装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3688536B2 JP3688536B2 JP32766599A JP32766599A JP3688536B2 JP 3688536 B2 JP3688536 B2 JP 3688536B2 JP 32766599 A JP32766599 A JP 32766599A JP 32766599 A JP32766599 A JP 32766599A JP 3688536 B2 JP3688536 B2 JP 3688536B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- space
- flow path
- heat treatment
- gas
- processing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等の基板に対して熱処理を行う熱処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、基板の一種であるウエハの製造工程において、種々の熱処理が行われている。ウエハに対して熱処理を行う熱処理装置としては、例えば、光照射によってウエハの加熱を行う光照射型の熱処理装置(例えば、ランプアニール)が用いられている。
【0003】
図6は、従来の熱処理装置を示す側面図である。この熱処理装置は、光照射型の熱処理装置である。図6の熱処理装置においては、チャンバー101とカバー110とによって半密閉の空間である処理室130が形成されている。カバー110の上方には光の照射源たるランプ115が複数設けられている。カバー110は、透明の石英板を用いて構成されており、ランプ115からの光を処理室130内へ透過させることができる。
【0004】
処理室130内においては、熱処理の対象であるウエハWが均熱リング140に載置され、略水平姿勢にて保持されている。均熱リング140は、サセプタ145によって支持されている。そして、サセプタ145は、回転機構部146によって回転可能とされている。そなわち、回転機構部146がサセプタ145を回転させるのにともなって、ウエハWも処理室130内にて回転することとなるのである。
【0005】
また、処理室130内には、ガス導入部120が設けられている。ガス導入部120からは、アンモニアガス(NH3)、塩化水素ガス(HCl)のような活性なガスをウエハWの処理に使用される処理ガスとして処理室130内へ供給される。さらに、処理室130よりも下方であって、回転機構部146よりも上方には排出口150が形成されている。排出口150は装置外部に設けられている排出機構に接続されている。
【0006】
この熱処理装置においてウエハWの熱処理を行う際には、熱処理工程に応じてガス導入部120から処理室130内へ種々のガスが処理ガスとして供給される。供給されたガスは処理室130内に広がり、やがて隙間155を通って機構部空間156に流入する。機構部空間156に流入した処理ガスは排出口150から装置外部へ排出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ガス導入部120から処理室130内に処理ガスとして供給されるアンモニアガス(NH3)、塩化水素ガス(HCl)、水蒸気(H2O)、一酸化二窒素ガス(N2O)等は機械構造部分を腐食させる性質を有する腐食性のガスである。図6で示す従来の熱処理装置においては、これらの処理ガスが機構部空間156に流入することになるため、回転機構部146が腐食するおそれが生じる。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、第2空間に配置される駆動手段の腐食を防止できる熱処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、基板に熱処理を行う熱処理装置であって、基板に熱処理を行うための処理空間となる第1空間と、前記第1空間において基板を保持する保持手段と、前記保持手段を回転させる円環状の駆動機構部と、前記駆動機構部が配置される円環状の第2空間と、前記第1空間に処理ガスを供給するための処理ガス供給手段と、前記第2空間に沿って前記第1空間および前記第2空間を連通する円環状であり、前記第1空間および前記第2空間よりも細い連通部分から前記第1空間にある処理ガスを排出する排出手段と、前記連通部分において前記保持手段と前記駆動機構部とを連結させる円筒形状であり、かつ前記連通部分において前記第1空間から前記排出手段へ流れる処理ガスの流路を一旦内周側流路と外周側流路とに分岐させ、前記内周側流路に流れた処理ガスと前記外周側流路に流れた処理ガスとを合流させて前記排出手段へと導く連結手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の熱処理装置であって、前記第2空間へ不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段をさらに備え、前記排出手段は、前記連通部分から前記第2空間にある不活性ガスを排出することを特徴とするものである。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の熱処理装置であって、前記連結手段は、前記第1空間から前記排出手段へ流れる処理ガスの流路を前記内周側流路と前記外周側流路とに分岐させる第1スリットと、前記第1スリットにより分岐され、前記内周側流路を流れる処理ガスを前記外周側流路へ流して、前記内周側流路に流れた処理ガスと前記外周側流路に流れた処理ガスとを合流させる第2スリットと、を有することを特徴とするものである。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の熱処理装置であって、前記排出手段が、処理ガスを前記連通部分から排出する排出口を有しており、前記排出口から処理ガスを排出する際の第2スリットの位置が、前記排出口の位置と対応することを特徴とするものである。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の熱処理装置であって、前記連結手段が、上下方向に移動可能であり、前記排出手段が、処理ガスを前記連通部分から排出する排出口を有しており、前記第2スリットが、上側第2スリットと下側第2スリットとを有しており、前記連結手段が上側位置にある際には、前記排出口の位置と前記下側第2スリットの位置とが対応し、前記連結手段が下側位置にある際には、前記排出口の位置と前記上側第2スリットの位置とが対応することを特徴とするものである。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項3乃至請求項5のいずれかに記載の熱処理装置であって、前記連結手段が、前記連通部分において前記第2空間から前記排出手段へ流れる不活性ガスの流路を一旦内周側流路と外周側流路とに分岐させ、前記内周側流路に流れた不活性ガスと前記外周側流路に流れた不活性ガスとを合流させて前記排出手段へ導くことを特徴とするものである。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の熱処理装置であって、前記第2スリットが、分岐された前記内周側流路を流れる不活性ガスを前記外周側流路へ流して、前記内周側流路に流れた不活性ガスと前記外周側流路に流れた不活性ガスとを合流させて前記排出手段へ導くことを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明に係る熱処理装置を示す側面図である。この熱処理装置は、光照射によって、基板の一種であるウエハの加熱処理を行う光照射型の熱処理装置である。なお、図1は、ウエハWに対して熱処理を行っている状態の装置を示している。
【0018】
図1の熱処理装置においては、上部チャンバ11、パンチング板35およびウエハWによって囲まれた半密閉の空間である処理空間30(第1空間)が形成されている。ウエハWの熱処理は、この処理空間30において行われる。パンチング板35の上方には、透明の石英板を用いて構成されるカバー10が設けられ、さらにその上方には光の照射源たるランプ15が複数設けられている。パンチング板35も透明の石英板を用いて構成されており、ランプ15から射出された光はカバー10およびパンチング板35を透過して処理空間30内のウエハWに照射される。また、パンチング板35は複数の孔37を有している。
【0019】
熱処理の対象であるウエハWは、保持手段に相当する均熱リング40に載置され、所定の高さ位置に略水平姿勢にて保持されている。均熱リング40は、熱処理中のウエハWの端縁部の温度を補償して、ウエハWの温度の面内均一性を維持するための部材である。そして、均熱リング40は、連結手段に相当するサセプタ45によって支持されている。
【0020】
図3に示すように、均熱リング40とサセプタ45本体との間に、第1スリット45aが形成されている。さらに、第1スリット45aの下側には、上側第2スリット45bと下側第2スリット45cとがそれぞれ形成されている。なお、これらの第2スリット45b,45cは、長孔であるが、複数の丸孔でもよい。
【0021】
サセプタ45は、駆動部70および駆動機構部61によって、鉛直方向を軸として回転可能とされている。駆動部70は、ハウジング17の内部であって下部チャンバ12の下方に設けられており、モータ71と内ば歯車73とを備えている。モータ71の上方の回転軸にはピニンオン72が固設されており、ピニオン72は内ば歯車73と歯合している。したがって、モータ71の回転はピニオン72を介して内ば歯車73に伝達され、内ば歯車73を回転させる。
【0022】
駆動機構部61は、下部チャンバ12によって規定されるリング状の第2空間に相当する機構部空間に設けられており、内側部材62と外側部材63とベアリング64とを備えている。外側部材63は円環状の部材であって、下部チャンバ12に固設されている。内側部材62も円環状の部材であって、ベアリング64を介して外側部材63に対して回転自在に支持されている。サセプタ45は、この内側部材62に載置されている。
【0023】
ここで、内ば歯車73の上端部と内側部材62の下端部には、互いに極性の異なる磁石が内臓されている。したがって、内ば歯車73の上端部と内側部材62の下端部との間には磁力による引力が発生し、内ば歯車73が回転すると、それに連動して内側部材62も回転し、内側部材62上に載置されているサセプタ45、均熱リング40およびウエハWも鉛直方向を軸として回転する。すなわち、ウエハWは、駆動部70によって駆動機構部61を介して回転駆動されるのであり、駆動機構部61はウエハWを回転駆動させるために使用されるものであると言える。
【0024】
また、図1の熱処理装置は、上部チャンバ11内および下部チャンバ12内に支持部50を備えている。支持部50の上部には、複数の支持ピン55を有しているとともに、図示を省略している昇降機構によって鉛直方向に昇降可能とされている。支持部部50が上昇すると、支持ピン55がウエハWの裏面に当接し、均熱リング40からウエハWを突き上げる。逆に、支持部50が下降すると、支持ピン55に載置されていたウエハWが均熱リング40に渡される。支持部50の昇降は、主としてウエハWの搬出入のために行われる。すなわち、装置外部とのウエハWの受け渡しは支持部50が上昇して行われ、ウエハWの処理中は図1に示すように、支持部50が下降して均熱リング40にそのウエハWを渡している。
【0025】
また、熱処理装置には、処理ガス供給手段に相当するガス導入部20および不活性ガス供給手段に相当する機構部供給口25が設けられている。ガス導入部20からは複数の種類のガス、すなわち、アンモニアガス(NH3)、塩化水素ガス(HCl)、水蒸気(H2O)、一酸化二窒素ガス(N2O)等の腐食性の処理ガスを熱処理工程や目的に応じて導入することができる。ガス導入部20から導入された処理ガスはカバー10とパンチング板35との間の空間に流れ、パンチング板35に設けられた複数の孔37から処理空間30内に供給される。このときに、複数の孔37のそれぞれからは鉛直方向下向きのガス流が処理空間30内に流入し、処理空間30内にてダウンフローが形成される。すなわち、複数の孔37を有するパンチング板35は、鉛直方向に沿った均一な処理ガス流であるダウンフローを形成するために、処理空間30に処理ガスを供給するためのシャワーノズルとしての機能を果たしている。
【0026】
一方、機構部供給口25は、窒素ガスのような不活性ガスを機構部空間60に供給することができる不活性ガス供給手段としての機能を果たしている。機構部供給口25からは、主として駆動機構部61のベアリング64の周辺に向けて窒素ガスが供給される。
【0027】
ガス導入部20には、そのガス供給量を調節するバルブが設けられている(図示省略)。これにより、ガス導入部20は、パンチング板35から処理空間30へ流入するガス供給量を可変としている。また、機構部供給口25にも図示を省略するガス供供給量調節バルブが設けられている。これにより、機構部供給口25は、機構部空間60へ供給する窒素ガスの量を可変としている。ガス導入部20および機構部供給口25からのガスの供給量は、後述する制御部28(図2省略)によって調整される。
【0028】
また、本実施の形態の熱処理装置は、上部チャンバ11の側部に排出口80を設けている。処理空間30と機構部空間60とは相互に気体が流通可能に連通されており、排出口80は、その連通部分90からガスの排出を行う。排出口80からのガスの排出の態様についてはさらに後述する。
【0029】
また、この熱処理装置は、ハウジング17および下部チャンバ12を一体的に昇降させることができる。すなわち、モータ18がその回転軸の雄ねじ19を回転させると、雄ねじ19に螺合しているハウジング17が昇降し、それにともなって下部チャンバ12も昇降する。上部チャンバ11と下部チャンバ12との間には伸縮自在のジャバラ13が設けられており、下部チャンバ12が上昇したときにはジャバラ13が収縮し、下部チャンバ12が下降したときにはジャバラ13が伸張する。つまり、下部チャンバ12は、上部チャンバ11に対して接近するように上昇し、上部チャンバ11から離間するように下降するのである。
【0030】
ハウジング17および下部チャンバ12が一体的に昇降するのにともなって、それらに付随して設けられている駆動部70、駆動機構部61、支持部50、サセプタ45および均熱リング40も同時に昇降する。なお、上部チャンバ11、カバー10およびパンチング板35は昇降しない。また、支持部50は、下部チャンバ12とともに昇降する場合の他に、独自の昇降機構によって下部チャンバ12に対して相対的に昇降することができる。
【0031】
以上、本実施の形態の熱処理装置の全体構成について説明したが、次に、この熱処理装置における処理ガスおよび不活性ガスの供給・排出について説明する。図2は、熱処理装置における処理ガスおよび不活性ガスの供給・排出について説明するための図であり、図1の一部を拡大したものである。
【0032】
本実施の形態の熱処理装置においては、制御部20の制御により複数の孔37を有するパンチング板35から処理空間30に矢印A11にて示すように処理ガスが供給されると同時に、機構部供給口25から機構部空間60に矢印A21にて示すように不活性ガスが供給される。そして、処理空間30と機構部空間60との連通部分90から処理ガスおよび不活性ガスの排出が行われるように、排出口80が設けられているため、処理空間30に供給された処理ガスは矢印A12にて示すように連通部分90へ流れていく。図2に示すように、この連通部分90は、サセプタ45により外周側流路(外側流路)90aと内周側流路(内側流路)90bとに区分けされている。そして、サセプタ45に形成された第1スリット45aにより矢印A12の処理ガスの流れは、矢印A13と矢印A14とに分離され、矢印A13の処理ガスは、外周側流路90aを下方向に流れていき、矢印A14の処理ガスは、内周側流路90bを下方向に流れていく。さらに、下側第2スリット45cにおいて内周側流路90bを下方向に流れていた処理ガス(矢印A14)が外周側流路90aへ流れて、矢印A13の処理ガスと矢印A14の処理ガスが外周側流路90aで合流し、排出口80から熱処理装置外へ排出される。
【0033】
一方、機構部空間60に供給された不活性ガス(矢印A21)は、第3スリット45dにより矢印A21の不活性ガスの流れは、矢印A22と矢印A23とに分離され、矢印A22の処理ガスは、外周側流路90aを上方向に流れていき、矢印A23の処理ガスは、内周側流路90b側へと流れていく。さらに、下側第2スリット45cの位置から内周側流路90bを上方向に流れていた不活性ガス(矢印A24)が外周側流路90aへ流れて、矢印A22の不活性ガスと矢印A24の不活性ガスとが外周側流路90aで合流し、排出口80から熱処理装置外へ排出される。
【0034】
このとき、処理空間30からの処理ガスと機構部空間60からの不活性ガスとが排出口80に対応する外周側流路90aにて合流し、排出口80から排出されるのである。
【0035】
したがって、腐食性の処理ガスが機構部空間60に流入することがなくなるため、機構部61の腐食を防止することができる。また、機構部空間60には駆動機構部61(特に、ベアリング64)からパーティクルが発生することもあるが、機構部空間60からの不活性ガスが処理空間30に流入することもないため、パーティクルのウエハWへの付着を防止することもできる。
【0036】
特に、連通部分90は、処理空間30や機構部空間60よりも細く、さらにサセプタ45により外周側流路90aと内周側流路90bとに分けており、その結果、流体抵抗が大きくなり、処理空間30から処理ガスが排出口80を回避して機構部空間60に流入することが防止され、機構部空間60から不活性ガスが排出口80を回避して処理空間30へ流入することも防止される。よって、駆動機構部61の腐食を確実に防止することができる。
【0037】
また、図2に示すように、排出口80と連通部分90との接続部分は排出案内部81を設けている。排出案内部81は、気体の通過方向に垂直な気体通過可能面積が排出口80よりも大きくなっている。すなわち、排出口80から連通部分90に向けて気体通過面積が大きくなるように排出案内部81は形成されている。このため、処理空間30からの処理ガスおよび機構部空間60からの不活性ガスは、排出案内部81を経てより円滑に排出口80から排出されることとなる。その結果、駆動機構部61の腐食をより確実に防止することができるのである。
【0038】
ところで、本実施の形態の熱処理装置においては、上述のように下部チャンバ12を昇降させることができる。下部チャンバ12が昇降すると、それに付随して設けられている各部材もの同時に昇降するため、処理空間30および機構部空間60の容積が変化する。すなわち、処理空間30および機構部空間60の容積は可変とされている。そして、本実施の形態の熱処理装置においては、下部チャンバ12が停止しているときと昇降動作を行っているときとで、異なるガス給排気を行っており、以下の順で説明する。
【0039】
まず、ウエハWに対して光照射による熱処理を行っているとき(図1の状態のとき)は、下部チャンバ12が停止しており、処理空間30および機構部空間60の容積も変化することはない。このときには、パンチング板35から処理空間30に供給する処理ガスの供給量(α1/min.)と機構部供給口25から機構部空間60に供給する不活性ガスの供給量(α1/min.)とを実質的に等量にしている。これは、下部チャンバ12が停止していることを認識した制御部28がガス導入部20および機構部供給口25を制御することによって行われるものである。
【0040】
仮に、例えば、処理空間30に供給される処理ガスの供給量の方が機構部空間60に供給される不活性ガスの供給量よりも多いとすると、機構部空間60の内圧よりも処理空間30の内圧の方が高くなり、処理空間30から処理ガスが連通部分90を通り抜けて機構部空間60に流入する恐れもある。処理空間30に供給される処理ガスの供給量と機構部空間60に供給される不活性ガスの供給量とを実質的に等量にすれば、機構部空間60の内圧と処理空間30の内圧とは略等しくなる。そして、処理ガスおよび不活性ガスの双方とも下側第2スリット45cを介して、内周側流路90bから外周側流路90cへ流れ、確実に排出口80から排出される。したがって、駆動機構部61の腐食をより確実に防止することができる。
【0041】
次に、下部チャンバ12が昇降動作を行っている場合について説明する。本実施の形態の熱処理装置においては、主としてウエハWの搬入・搬出を行うときに、図1で示す状態よりも、下部チャンバ12が下降した状態となる。なお、この状態のときには、支持部50が上昇してウエハWの裏面を突き上げるように支持する。
【0042】
下部チャンバ12が下降しても上部チャンバ11は不動であるため、処理空間30および機構部空間60とともにその容積が増大する。本実施の形態の熱処理装置において、機構部空間60よりも処理空間30の方がその増大量が大きい。ここで、下部チャンバ12が下降している過程での単位時間当たりの処理空間30の容積変化率V1l/min.とし、機構部空間60の容積変化率をV2l/min.とする(但し、V1>V2)。このときには、パンチング板35から処理空間30へ供給される処理ガスの供給量をV1l/min.増加させてα+V1l/min.とし、機構部供給口25から機構部空間60へ供給される不活性ガスの供給量をV2l/min.増加させてα+V2l/min.とする。なお、下部チャンバ12が下降している場合には、処理ガスおよび不活性ガスの排出の際には、上側第2スリット45bが使用される。
【0043】
次に、下部チャンバ12が上昇しているときには、処理空間30および機構部空間60ともにその容積が減少する。このときには、パンチング板35から処理空間30に供給する処理ガスの供給量をV1l/min.減少させてα−V1l/min.とし、機構部供給口25から機構部空間60に供給する不活性ガスの供給量をV2l/min.減少させてα−V1l/min.とする。すなわち、処理空間30および機構部空間60のそれぞれの容積変動分を補償するように処理ガスおよび不活性ガスの供給量を増減させているのである。これらのガス供給量の増減は、下部チャンバ12が昇降を始めてから行うようにしてもよいし、昇降を始める少し前から行うようにしてもよい。
【0044】
このようにすれば、上述した下部チャンバ12が停止している場合と同様に、機構部空間60の内圧と処理空間30の内圧とが略等しくなり、それぞれの空間に存在するガスが異なる空間に流入することはなくなり、処理ガスおよび不活性ガスの双方ともに確実に排出口80から排出される。したがって、駆動機構部61の腐食をより確実に防止することができる。
【0045】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記の例に限定されるものではない。例えば、上記実施の形態においては、排出口80と連通部分90との接続部分に形成された排出案内部81の形状を段差形状としていたが、この形状に限定されるのものではなく、図4に示すような形状にしてもよい。図4に示す排出案内部81の形状は連通部分90に向けて広がるようなテーパ形状である。このようにしても、処理空間30から処理ガスおよび機構部空間60からの不活性ガスは、排出案内部81を経て円滑に排出口81から排気されることとなる。換言すれば、排出案内部81は、気体の通過方向に垂直な気体通過可能面積が排出口80から連通部分に向けて大きくなるように形成されていればよいのである。
【0046】
また、上記の実施の形態においては、駆動機構部61がウエハWを回転駆動させるのに使用されるものであったが、これに限らず、例えば、ウエハWを昇降駆動させるのに使用されているものであってもよい。
【0047】
また、上位の実施の形態においては、処理空間30および機構部空間60のそれぞれの容積変動分を補償するように処理ガスおよび不活性ガスの供給量を増減させていたが、それらの容積変動分を必ずしも厳密に補償する必要はない。すなわち、処理空間30および機構部空間60のそれぞれの容積が変動したときに、その容積変動に応じて処理ガスおよび不活性ガスの供給量を増減させ、少なくとも処理空間30から機構部空間60への処理ガスの流入および機構部空間60から処理空間30への不活性ガスの流入を防止できるようにすればよい。
【0048】
また、上部チャンバ11に排出口80を設ける態様については種々の形態をとることができる。図5は、上部チャンバ11に排出口80を設ける種々の形態を示す図である。図5(a)に示す態様では、円筒状の排出口80を上部チャンバ11の外周方向に沿って一列かの20から30個程度設けられている。また、図5(b)に示す態様では、円筒状の排出口80を上部チャンバ11の外周方向に沿って二列に設けている。また、図5(c)に示す態様では、スリット状の排出口80を上部チャンバ11の外周方向に沿って設けている。また、図5(d)に示す態様では、スリット形状の排出口80を上部チャンバ11の外周方向に沿って間欠的に設けている。さらに、図5(e)に示す態様では、長尺形状の排出口80を設けるようにしている。このように、排出口80としては種々の態様が採用可能であるが、円滑な排気を行うために上部チャンバ11の外周方向にそって均一に開口を有するような形態が望ましい。
【0049】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、円環状の連通部分において保持手段と駆動機構部とを連結させる円筒形状の連結手段が、連通部分において処理空間である第1空間から排出手段へ流れる処理ガスの流路を一旦内周側流路と外周側流路とに分岐させ、内周側流路に流れた処理ガスと外周側流路に流れた処理ガスとを合流させて排出しているので、第2空間に配置される駆動機構部の腐食を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱処理装置を示す側面図である。
【図2】図1に示す熱処理装置における処理ガスおよび不活性ガスの供給・排出について説明するための図である。
【図3】サセプタの側面図である。
【図4】排出案内部の他の形状を示す図である。
【図5】上部チャンバに排出口を設ける種々の態様を示す図である。
【図6】従来の熱処理装置を示す側面図である。
【符号の説明】
11 上部チャンバ
12 下部チャンバ
15 ランプ
20 ガス導入部
25 機構部供給口
30 処理空間(第1空間)
45 サセプタ
45a 第1スリット
45b 上側第2スリット
45c 下側第2スリット
45d 第3スリット
60 機構部空間(第2空間)
61 駆動機構部
70 駆動部
80 排出口
90 連通部分
90a 外周側流路
90b 内周側流路
A11 処理ガスの流れ
A12 処理ガスの流れ
A13 処理ガスの流れ
A14 処理ガスの流れ
A21 不活性ガスの流れ
A22 不活性ガスの流れ
A23 不活性ガスの流れ
A24 不活性ガスの流れ
Claims (7)
- 基板に熱処理を行う熱処理装置であって、
基板に熱処理を行うための処理空間となる第1空間と、
前記第1空間において基板を保持する保持手段と、
前記保持手段を回転させる円環状の駆動機構部と、
前記駆動機構部が配置される円環状の第2空間と、
前記第1空間に処理ガスを供給するための処理ガス供給手段と、
前記第2空間に沿って前記第1空間および前記第2空間を連通する円環状であり、前記第1空間および前記第2空間よりも細い連通部分から前記第1空間にある処理ガスを排出する排出手段と、
前記連通部分において前記保持手段と前記駆動機構部とを連結させる円筒形状であり、かつ前記連通部分において前記第1空間から前記排出手段へ流れる処理ガスの流路を一旦内周側流路と外周側流路とに分岐させ、前記内周側流路に流れた処理ガスと前記外周側流路に流れた処理ガスとを合流させて前記排出手段へと導く連結手段と、
を備えたことを特徴とする熱処理装置。 - 請求項1に記載の熱処理装置であって、
前記第2空間へ不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段をさらに備え、
前記排出手段は、前記連通部分から前記第2空間にある不活性ガスを排出することを特徴とする熱処理装置。 - 請求項1または請求項2に記載の熱処理装置であって、
前記連結手段は、
前記第1空間から前記排出手段へ流れる処理ガスの流路を前記内周側流路と前記外周側流路とに分岐させる第1スリットと、
前記第1スリットにより分岐され、前記内周側流路を前記連通部分おいて流れる処理ガスを前記外周側流路へ流して、前記内周側流路に流れた処理ガスと前記外周側流路に流れた処理ガスとを合流させる第2スリットと、
を有することを特徴とする熱処理装置。 - 請求項3に記載の熱処理装置であって、
前記排出手段は、処理ガスを前記連通部分から排出する排出口を有しており、
前記排出口から処理ガスを排出する際の第2スリットの位置は、前記排出口の位置と対応することを特徴とする熱処理装置。 - 請求項3に記載の熱処理装置であって、
前記連結手段は、上下方向に移動可能であり、
前記排出手段は、処理ガスを前記連通部分から排出する排出口を有しており、
前記第2スリットは、上側第2スリットと下側第2スリットとを有しており、
前記連結手段が上側位置にある際には、前記排出口の位置と前記下側第2スリットの位置とが対応し、前記連結手段が下側位置にある際には、前記排出口の位置と前記上側第2スリットの位置とが対応することを特徴とする熱処理装置。 - 請求項3乃至請求項5のいずれかに記載の熱処理装置であって、
前記連結手段は、前記連通部分において前記第2空間から前記排出手段へ流れる不活性ガスの流路を一旦内周側流路と外周側流路とに分岐させ、前記内周側流路に流れた不活性ガスと前記外周側流路に流れた不活性ガスとを合流させて前記排出手段へと導くことを特徴とする熱処理装置。 - 請求項6に記載の熱処理装置であって、
前記第2スリットは、分岐された前記内周側流路を流れる不活性ガスを前記外周側流路へ流して、前記内周側流路に流れた不活性ガスと前記外周側流路に流れた不活性ガスとを合流させて前記排出手段へと導くことを特徴とする熱処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32766599A JP3688536B2 (ja) | 1999-11-18 | 1999-11-18 | 熱処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32766599A JP3688536B2 (ja) | 1999-11-18 | 1999-11-18 | 熱処理装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001144026A JP2001144026A (ja) | 2001-05-25 |
JP3688536B2 true JP3688536B2 (ja) | 2005-08-31 |
Family
ID=18201611
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32766599A Expired - Fee Related JP3688536B2 (ja) | 1999-11-18 | 1999-11-18 | 熱処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3688536B2 (ja) |
-
1999
- 1999-11-18 JP JP32766599A patent/JP3688536B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001144026A (ja) | 2001-05-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5117856B2 (ja) | 基板処理装置、冷却ガス供給ノズルおよび半導体装置の製造方法 | |
KR20020091746A (ko) | 매엽식 기판세정방법 및 매엽식 기판세정장치 | |
JP2021072450A (ja) | 支持ユニット、これを含む基板処理装置、及びこれを利用する基板処理方法 | |
JP5303984B2 (ja) | 成膜装置及び成膜方法 | |
US20030136341A1 (en) | Wafer lift pin for manufacturing a semiconductor device | |
JP2016152264A (ja) | 基板保持機構及びこれを用いた基板処理装置 | |
US20190271077A1 (en) | Film deposition method and film deposition apparatus | |
CN109478500B (zh) | 基板处理方法及基板处理装置 | |
JP4516318B2 (ja) | 基板処理装置および半導体装置の製造方法 | |
US20200312631A1 (en) | Reaction tube and method of manufacturing semiconductor device | |
JP3688536B2 (ja) | 熱処理装置 | |
KR20180027357A (ko) | 기판 세정 장치 및 그것을 구비하는 기판 처리 장치 | |
JP4282539B2 (ja) | 基板処理装置および半導体装置の製造方法 | |
JPH05335239A (ja) | 成膜装置 | |
JP2001035797A (ja) | 基板処理装置 | |
JP3732358B2 (ja) | 熱処理装置 | |
KR20110024091A (ko) | 기판처리장치 | |
JP7275087B2 (ja) | 基板処理装置及び方法 | |
JP2001015481A (ja) | エッチング装置 | |
JP2002299273A (ja) | 半導体基板用熱処理装置 | |
JP2002343708A (ja) | 基板処理装置および熱処理方法 | |
KR20090071003A (ko) | 원자층 증착 장치 | |
KR20100045072A (ko) | 복수기판 처리장치 | |
JP4440182B2 (ja) | 熱処理装置 | |
JP4516838B2 (ja) | 基板処理装置および半導体装置の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040601 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040825 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050322 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050511 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050607 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050608 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080617 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090617 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090617 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090617 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100617 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100617 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |