JP3687792B2 - 被加工材の排出装置 - Google Patents

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Description

【技術分野】
【0001】
この発明は被加工材の排出装置、詳しくはプレス加工により生じた被加工材(例えば製品、スクラップ)を排出する被加工材の排出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
第27図は、従来の被加工材の排出装置を示すその斜視図である。この排出装置は、プレス機の直下に配設されている。プレス機は、上下動自在に設けられた上金型1と、上金型1の下方に配設された下金型2とを備えている。下金型2は支持台9に固定され、上金型1には図示しない駆動手段が設けられている。
プレス機では、下金型2の上面に素材(例えば板材)を載置し、その後、駆動手段により上金型1を往復動させることで、素材がワーク3aにプレス加工されると同時に、スクラップ3bが排出される。
プレス機には、スクラップ3bを排出するため、従来、下金型2の直下に、排出方向に向かって徐々に下方傾斜した受け板を有するシュート(排出装置)30が設けられている。シュート30上に落下したスクラップ3bは、受け板の受け面(上面)に落下し、この受け面を滑って外部に排出される。
シュート30の傾斜角度を大きくすれば、スクラップ3bがシュート30の受け面を滑りやすくなり、外部へ排出されやすい。しかしながら、支持台9の下方に確保されるシュート30の収納スペースは高さ方向に大きくなる。そのため、例えばプレス機の下方にスペース的な余裕がない場合には、上金型1のストロークに影響を与えるという問題が生じる。
一方、シュート30の傾斜角度が小さい場合には、スクラップ3bがシュート30から外部に排出され難い。特に、質量が小さいスクラップ3bまたは摩擦係数が大きいスクラップ3bの場合、シュート30の傾斜面上にスクラップ3bが停滞し易い。スクラップ3bがスムーズに排出されなければ、溜まったスクラップ3bが下金型に付着し、上下金型が損傷したり、ワーク3aを傷つけるおそれがある。そこで、これを回避するため、プレス機を頻繁に停止し、シュート30からスクラップ3bを除去する必要があった。
また、スクラップ3bの停滞を解消する別の従来技術として、シュート30の受け面に上方から圧縮空気を吹き付け、スクラップ3bを吹き飛ばすエア突き付け方法も知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、エア吹き付け方式の場合、吹き付け装置の構成品としてエアガン、コンプレッサおよび電源などを必要とし、設備コスト、ランニングコストが高騰していた。また、エアの噴射により、微細なスクラップ3bが粉塵として周囲に飛散し、工場内の環境を悪化させるおそれがあった。しかも、飛散したスクラップ3bが周辺部位、特に金型に付着すると、上述したワーク3aの損傷、金型破損が発生するおそれもあった。
そこで、この発明は、エアの発生源を不要とした簡単な設備で、プレス機内のスペースを制限することなく、スクラップの飛散も防止して被加工材を排出することができる被加工材の排出装置を提供することを目的としている。
また、この発明は、プレス加工後のワークとスクラップとを分別した状態で排出・回収可能な被加工材の排出装置を提供することを目的としている。
さらに、この発明は、シュートの停止時、シュート上から一方向に向かって、被加工材を確実かつスムーズに排出することができる被加工材の排出装置を提供することを目的としている。
この発明は、シュートの薄肉化が可能で、排出装置の小型化および省スペース化を図ることができる被加工材の排出装置を提供することを目的としている。
この発明は、被加工材を上下に分離選別することができ、しかもそれらの排出方向を任意にすることができる被加工材の排出装置を提供することを目的としている。
この発明は、長期間にわたってシュートを往復動させても、操作部材とシュートとの連結部分が損傷し難い被加工材の排出装置を提供することを目的としている。
この発明は、操作部材とシュートとの連結部分の強度を高めることができる被加工材の排出装置を提供することを目的としている。
この発明は、カム本体から操作部材への入力をスムーズに行うことができる被加工材の排出装置を提供することを目的としている。
この発明は、被加工材を、安定してシュートからプレス加工装置の外部に排出することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に記載の発明は、下金型に対して上金型が昇降することにより素材をプレス加工するプレス加工装置に配備され、このプレス加工により生じた被加工材を排出する被加工材の排出装置において、このプレス加工により生じた被加工材を受け、略水平面内で往復動することにより、この被加工材を上記プレス加工装置の外部に排出するシュートと、上記上金型に取り付けられたカム本体と、このカム本体の下降によってカム本体の先端と係合して垂直面内で回動することにより、シュートを上記略水平面内の一方向に所定速度で往動させ、カム本体のさらなる下降によりこのカム本体の先端から脱合することによりこのシュートの往動を停止して被加工材を排出する操作部材と、上記シュートを上記往動とは反対方向へ復動するように付勢する弾性部材とを備えた被加工材の排出装置である。
請求項2に記載の発明は、下金型に対して上金型が昇降することにより素材をプレス加工するプレス加工装置に配備され、このプレス加工により生じた被加工材を排出する被加工材の排出装置において、このプレス加工により生じた被加工材を受け、略水平面内で往復動することにより、この被加工材を上記プレス加工装置の外部に排出するシュートと、上記上金型の昇降に応じてこのシュートを駆動する駆動手段とを備え、この駆動手段は、互いに当接して、上記上金型の下降をシュートの略水平面内での一方向への往動に変換するカム部材および従節部材と、これらのカム部材と従節部材との当接が解除されたとき、上記シュートが上記往動とは反対方向へ復動するように付勢する弾性部材とを備え、上記従節部材は、上記下金型に取り付けられる従節基体と、この従節基体に、従節用回動ピンを介して垂直面内で回動自在に設けられるとともに、上記従節基体との軸支部分の一側に入力突起が突設された操作部材と、この操作部材を、この操作部材の回動方向のうち、上記被加工材の排出側とは反対側に向かって付勢する従節用弾性部材とを有し、上記カム部材は、上記上金型に取り付けられる架台部と、この架台部に、カム用回動ピンを介して垂直面内で回動自在に吊下されたカム本体と、このカム本体を、カム本体の回動方向のうち、上記被加工材の排出側とは反対側に向かって付勢するカム用弾性部材とを有し、上記カム本体の元部には、上記操作部材の回動方向のうち、上記被加工材の排出側へのカム本体の回動を規制するストッパが設けられ、また上記カム本体の先端部には、上記入力突起に当接する入力ピンが、上記カム用回動ピンより、上位カム本体の回動方向のうち、上記被加工材の排出側とは反対側の偏心位置に配置されている被加工材の排出装置である。
請求項3に記載の発明は、上記シュートは受け板を有し、この受け板は、落下した上記被加工材を受ける受け面と、上記往復動時に被加工材が当接する当接面とを有し、上記受け面と当接面とが複数組連続して設けられることにより、受け板の受け面が階段状に形成された請求項1または請求項2に記載の被加工材の排出装置である。
請求項4に記載の発明は、上記受け面は、略水平面に対して所定角度だけ上に向かって傾斜した請求項3に記載の被加工材の排出装置である。
請求項5に記載の発明は、上記従節部材とシュートとの連結部分は、上記受け板の受け面と略同じ平面内に配置されている請求項3に記載の被加工材の排出装置である。
【0005】
これらの発明によれば、上金型の昇降により、素材が上金型と下金型との間でプレス加工され、被加工材(プレス製品およびまたはスクラップ)が生じる。この被加工材を下金型の下方に配置されたシュートが受ける。
上金型が所定位置まで下降した時、駆動手段がシュートを駆動し、シュートを略水平面内で往復動させる。すなわち、シュートは、所定の速度で一方向に往動し、いったん停止後、逆方向に復動する。シュートの停止時、被加工材にはシュートの動きにより所定の力が作用する。この力は、被加工材とシュートとの間に作用する摩擦により被加工材に作用する上記力とは反対方向に力より大きい。その結果、被加工材はシュートからプレス加工装置の外部に排出される。
この発明では、下金型の下方に駆動手段の駆動により上金型の昇降に応じて略水平面内で往復動するシュートを配置した。しかも、シュートの駆動(動き)とともに被加工材に作用するその動き方向の力が、シュートがその後停止した時の被加工材とシュートとの間に作用する摩擦に基づいて上記とは反対方向に被加工材に作用する力より大きくなるようにした。これにより、エアの発生源を不要とした簡単な設備で、プレス機内のスペースを制限することなく、スクラップの飛散も防止して被加工材を排出することができる。
素材の種類は限定されない。例えば、各種の金属板、各種の合成樹脂板などを採用することができる。
被加工材とは、プレス加工されて得られた製品(例えば一定形状に打ち抜かれた板片)の他、プレス加工時に排出されるスクラップを含む。
下金型および上金型は、ヒータを内蔵した加熱式の金型でもよい。また、ヒータを有しない金型でもよい。
シュートの素材、形状、大きさは限定されない。例えば、平面視して矩形状を有する受け板を有するシュートでもよい。
駆動手段の構造は限定されない。例えば、ばね力によりシュートを駆動するものでもよい。また、空気圧源、水圧源または油圧源を有する駆動手段でもよい。
駆動手段が、シュートが停止した時の被加工材とシュートとの間に作用する摩擦に基づく力より大となるようにシュートを駆動するとは、シュートの一方向への所定速度での動きが停止したとき被加工材に作用する慣性力が、そのとき被加工材とシュートとの摩擦により一方向とは逆方向に被加工材に作用する力に比べて大きくなるよう駆動することをいう。したがって、シュートが停止されると、シュート上の被加工材はシュートの駆動方向(被加工材の排出方向)に移動する。
上記発明によれば、駆動手段は、上金型の昇降によるシュートの駆動開始時、そのシュートの水平面内での動きにより被加工材に作用するシュートの動く方向に向かう力が、被加工材とシュートとの摩擦に基づいて被加工材に作用する上記シュートの動く方向とは反対方向に向かう水平方向の力より大となるようにシュートを駆動する。その結果、シュートが水平面内で動くのに対して、被加工材は元の位置に残されることとなる。その結果、シュートに対して(シュート内を)被加工材は水平面内で上記反対方向に所定距離だけ移動したこととなる。
上記発明によれば、上金型が所定位置まで下降した時、カム部材が従節部材に当接する。当接の結果、従節部材は、弾性部材の弾性力に抗してシュートを所定の速度で一方向に往動させる。そして、カム部材と従節部材との当接が解除された時、弾性部材の弾性力によってシュートが逆方向に復動し、停止する。この結果、シュート停止時、シュート上の被加工材は、その動きによる慣性力によりプレス加工装置の外部に排出される。
または、シュートの往動(復動)開始時、シュートのみが動いて被加工材は停止している。このシュートの動きによって、被加工材は外部に排出される。
このように、駆動手段として弾性部材を有したカム装置を採用したので、簡単な構造で正確にシュートを駆動することができる。
カム部材および従節部材の種類は限定されない。各種の平面カム装置のカム部材および従節部材、各種の立体カム装置のカム部材および従節部材を採用することができる。カム部材は上金型に直接連結することもできるが、上金型を支持するスライドに直接取り付けることもできる。従節部材も、カム部材の取付け部材に対応して、下金型またはボルスター(下金型支持部材)に取付けることができる。
弾性部材の素材、種類は限定されない。例えば、各種の金属ばね、各種の樹脂ばねを採用することができる。また、ゴム製弾性体、発泡合成樹脂製のスポンジなどを採用することができる。
上記発明によれば、下金型から落下した被加工材を受け板の受け面により受け止める。その後、シュートが往復動するとき、受け板の当接面に被加工材が当接する。この当接面に当接して被加工材は、当接面側への移動が規制される。その結果、シュートの停止により被加工材はシュートからプレス加工装置の外部に排出される。
または、シュートの往動開始あるいは復動開始において被加工材が当接面に当接してその移動を規制されて相対的に移動し、外部に排出される。
受け板での受け面と当接面との組み数は、単数または複数であれば限定されない。
上記発明によれば、上記シュートが複数回往復動すると、被加工材は各受け面上を排出方向に進む。受け面が上に向かって傾斜していても被加工材はシュートの動きにより確実に排出される。
その際、当接面の高さを異ならすことができ、この場合は、大きいサイズの被加工材(例えばワーク)は、主に高い当接面に当接して排出方向に進む。一方、小さいサイズの被加工材(例えばスクラップ)は、主に低い受け面に当接して排出方向に移動する。そして、最終的にはシュートから排出される。
高さが異なる当接面は、2種類以上であればよい。例えば、最低の高さの当接面を基準にして、その2倍の当接面と3倍の当接面との3種類でもよい。
高さが異なる当接面の配列順は限定されない。
また、受け面の排出方向の長さを異ならせることができ、この場合で被加工材が各受け面上を排出方向に進む際、大きいサイズの被加工材は、長さ(当接面の間隔)の長い受け面で受ける。一方、小さいサイズの被加工材は、長さの短い受け面で受ける。そして、最終的にはシュートから排出される。
シュート長さ方向の長さが異なる受け面は、2種類以上であればよい。例えば、シュート長さ方向の長さが最短の受け面を基準にして、その2倍の受け面と3倍の受け面との3種類でもよい。シュート長さ方向の長さが異なる受け面の配列順は限定されない。
上記受け面と当接面とは、複数組連続して設けられている。そのため、シュートが複数回往復動すると、被加工材は各受け面上を排出方向に進み、最終的には排出される。また、各受け面はシュートの往復動面に対して所定角度だけ上に向かって傾斜している。そのため、階段状を有するシュートの受け板の厚み(高さ)を小さくすることができる。
受け面の傾斜角度は限定されない。
上記発明によれば、シュートを駆動手段により往復動させる。この際、従節部材とシュートとの連結部分は、受け板の受け面と略同じ平面内に配置されている。この連結部分には、引張荷重および圧縮荷重が作用する。仮に、受け板の一部分に突片を設け、ここに連結部分を配置すると、シュートの往復動時、突片の元部に剪断荷重が作用することになる。同じ大きさの荷重を作用させても、引張荷重および圧縮荷重であれば、剪断荷重の場合に比べて連結部分に対する損傷の度合いが小さくなる。そのため、長期間にわたってシュートを往復動させても、従節部材とシュートとの連結部分が損傷し難くなる。
操作部材とシュートとの連結部分の形状、大きさは限定されない。受け板の受け面と略同じ平面内に配置されていればよい。
上記従節部材とシュートとの連結部分に、この連結部分を補強する補強部材を設けてもよい。
補強部材により、従節部材とシュートとの連結部分が補強され、その強度が高められる。これにより、この連結部分がより以上に損傷し難くなる。
補強部材の素材、形状、大きさは限定されない。要は、この連結部分を補強可能であればよい。
上記請求項2に記載の発明によれば、上金型が所定位置まで下降した時、カム本体の入力ピンが操作部材の入力突起に当接する。さらに上金型が下降すると、入力ピンによる入力突起への押圧力が高まって行く。これにより、カム用弾性部材の弾性力に抗して、垂設状態のカム本体が上金型の外方に向かって徐々に回動するとともに、操作部材が、従節用弾性部材の弾性力に抗して被加工材の排出側へ回動する。その結果、シュートが一方向に往動させられる。
このとき、カム本体の先端部は、入力ピンからの入力が作用する前の垂設状態(自然状態)において、上金型の内方への回動がストッパによって規制されている。入力ピンは垂設状態のカム用回動ピンの直下より、上金型の外方位置に偏在している。これにより、入力ピンが入力突起に当接した時、カム本体には移動方向(垂下方向)から偏在した位置より負荷が作用する。その結果、カム本体には、常にカム用回動ピンを中心とした回動力が作用する。よって、カム本体からの操作部材への入力が円滑化する。そのため、例えば入力ピンをカム用回動ピンの直下に配置したとき、カム本体が回動しないことで発生し易い、入力ピンおよび入力突起の座窟を回避することができる。
従節基体、架台部、操作部材の素材、形状、大きさは限定されない。
入力突起は、操作部材と一体的に形成してもよいし、別体で形成してもよい。
従節用弾性部材およびカム用弾性部材としては、例えば各種の金属ばね、各種の樹脂ばねを採用することができる。また、ゴム製弾性体、発泡合成樹脂製のスポンジなどを採用することができる。
ストッパは架台部に設けてもよい。また、カム本体に設けてもよい。
カム用回動ピンの直下から、入力ピンまでの最端長さは限定されない。
なお、上記シュートは、常に一定速度で駆動することもできる。例えばカムによる往動を上金型の下降速度により決定し、ばねによる復動はばね力により決定する。復動速度が往動速度より大きくすることができる。
例えばシュートの停止時、被加工材とシュートとの間に作用する摩擦に基づく被加工材を静止しようとする力より大きい力が、駆動手段によりシュートに作用される。このとき、シュートの移動速度は、常時一定である。その結果、被加工材を、安定してシュートからプレス加工装置の外部に排出することができる。
シュートの駆動速度は限定されない。要は、シュートの停止時、被加工材の慣性力がその静止摩擦力より大きくなる程度に、駆動手段によりシュートに作用される速度であればよい。
また、上記駆動手段は、上記シュートの被加工材の排出側に設けることができる。または、上記シュートの被加工材の排出側とは反対側に設けることができる。
駆動手段をシュートの被加工材の排出側に設けた場合、駆動手段はシュートを排出側に引き出すプル型となる。また、駆動手段をシュートの被加工材の排出側とは反対側に設けた場合、駆動手段はシュートを排出側に押し出すプッシュ型となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、この発明の実施例を図面を参照して説明する。まず、第1の実施例を説明する。
第1図〜第9図において、Aは第1の実施例に係る被加工材の排出装置(以下、排出装置)で、この排出装置Aは、素材(例えば所定形状の鋼板材)からワーク3aをプレス成形するプレス機Bの下方に配置され、プレス加工により生じたスクラップ(被加工材)3bを排出する装置である。
まず、プレス機Bの構成を詳細に説明する。プレス機Bは、支持台9に固定される下金型2と、下金型2の上方に上下動自在に配設された上金型1とを備えている。支持台9は、基台12の上面に平行に離間配置された1対の側壁14を介して立設されている。支持台9の中央部には、支持台9の上下両面を貫通し、平面視して矩形状を有した開口部29が形成されている。支持台9の開口部29の周囲には、下金型2が取り付けられている。下金型2は平面視して矩形状を有している。下金型2には、開口部29との対峙部分の周囲に、素材を位置決めする4本の位置決めピン28が着脱自在に取り付けられている。
上金型1は、図示しない駆動源により、所定の速度、所定のストロークで上下に駆動される。したがって、下金型2に載置された素材は、上金型1の往復動によりワーク3aにプレス加工され、その一部がスクラップ3bとなる。
また、上金型1の側方には、上金型1と一体的に上下動する板状のカム部材15が垂下されている。カム部材15の下端部は、その下端に向かうほど徐々に幅が狭くなっている。
次に、上記排出装置Aを詳細に説明する。
排出装置Aは、下金型2の直下に配設され、プレス加工により生じたスクラップ3bを受けるシュート7と、シュート7を略水平面内で、スクラップ3bの排出方向とその反対方向とに往復動させるレバー4と、レバー4を常に側壁14側に付勢するコイルばね5とを備えている。
シュート7は、水平な基台12上に配置された2本の平行なレール6を介して、往復動自在に支持されている。両レール6は、基台12の上面の側壁14間に配置されている。そのため、シュート7も両側壁14間に配置されている。下金型2の下方に画成された排出装置Aの収納スペースの高さ(基台12から支持台9までの高さ)は、側壁14の高さによって決定される。
シュート7は大略長箱形状を有している。具体的にシュート7は、金属板を階段状に加工した平面視して所定の幅と長さとを有する略矩形の受け板71と、受け板71の幅方向の両端に所定高さに起立して固着された一対のサイド板72とを有している。なお、受け板71の長手方向の両端は開放されている。
階段形状を有する受け板71は、水平なレール6に対して所定角度だけスクラップ3bの排出方向(第9図のX1方向)に上方傾斜した複数の受け面17と、各受け面17の上側端と、隣接する受け面17の下側端とをそれぞれ垂直に連結する複数の当接面16とを有している。すなわち、受け面17と当接面16とが交互に屈曲・形成され、受け板71の長さ方向の一端側に、上記スクラップ3bを排出可能としている。
レバー4(従節部材)は、長尺な幅が狭い金属平板である。レバー4は、ブラケット11を介して、その元部が軸線方向が垂直なピン10を支点にして基台12上に揺動自在に軸支されている。レバー4は、シュート7のスクラップ3bの排出側とは反対側に配置されている。レバー4の元部付近と、ブラケット11側の側壁14との間には、上記コイルばね5が横架されている。コイルばね5のばね力により、レバー4は、常時、両側壁14のスクラップ3bの排出側とは反対側の端部に押し付けられている。また、レバー4の元部を除く部分の幅方向の中間部には、一定ピッチで合計5つの長孔8がそれぞれ形成されている。各長孔8の長さ方向は、レバー4の長さ方向である。
レバー4の元部側から3つ目の長孔8には、シュート7の受け板71の下面に突設されたピン19が遊挿されている。したがって、レバー4をピン10を中心にして水平面内で回動させると、シュート7は、レール6上で、その長さ方向に向かって往復動する。5つの長孔8のうち、ピン19が挿入される長孔8は、レール6間でのシュート7の位置を変更する場合、または、レール6間に複数のシュート7を配置する場合などにおいて、適宜変更できる。上記ブラケット11と、ブラケット11が固定された基台12の部分とには、平面視して矩形状を有した貫通孔31が同軸的に形成されている。この貫通孔31の形成位置は、上記カム部材15の直下である。そのため、上金型1の下降時には、カム部材15の下端部が貫通孔31に遊挿される。
レバー4の元部側で、上記貫通孔31に近接した位置には、軸線がレバー4の長さ方向と平行なピン32を中心にして、上下方向に揺動自在なレバー作用部材18が設けられている。レバー作用部材18は金属製の薄板からなり、レバー4をその幅方向から跨るように、軸線方向が水平なピン32を中心にして上下方向に所定角度だけ揺動自在に設けられている。ピン32は、レバー4の元部側で、貫通孔31とは反対側の端部上に離間配置された1対の突片4a間に軸支されている。レバー作用部材18の先端は上記貫通孔31に対峙して設けられ、第9図に示すように、貫通孔31に上記カム部材15の先端部(下端部)が遊挿されたとき、カム部材15の先端カム面が当接されるように構成されている。カム部材15の下端部は先細り形状で、カム部材15の所定高さ位置には、所定深さの切り欠き25が形成されている そのため、下降したカム部材15がレバー作用部材18に当接し、レバー作用部材18を押圧すると、レバー4はコイルばね5のばね力に抗して、コイルばね5の付勢側とは反対側に向かって所定角度だけ回動する。これにより、シュート7は、長孔8に挿入されたピン19を介して、スクラップ3bの排出側とは反対側に徐々に引っ張られる。その後、カム部材15が所定高さ位置まで下降した時、コイルばね5のばね力により、レバー作用部材18が切り欠き25に入り込む。それと同時に、レバー4はスクラップ3bの排出側に高速度で回動する。その際、長孔8に挿入されたピン19を介して、シュート7もスクラップ3bの排出側に移動する。このとき、シュート7の移動速度は、シュート7上のスクラップ3bに作用される力が、シュート7がその後停止した時のスクラップ3bとシュート7との間に作用する摩擦力よりも大きくなる速度である。その結果、スクラップ3bは慣性力によりシュート7の長さ方向の開放端から、プレス加工装置の外部(回収箱13)に排出される。
次に、プレス機Bの動作を説明する。
図示しない駆動源により、上金型1が上死点と下死点との間を所定速度で昇降する。このとき、素材が位置決めされた下金型2上に上金型1が下降し、両金型1,2が協働して、素材が所定形状にプレス加工される。これにより、ワーク3aが成形されるとともに、不要なスクラップ3b(切り屑、切粉など)が発生する。ワーク3aは自動または手動で下金型2から取り出される。次の素材を下金型2に供給する際には、同じく自動または手動で素材が供給される。
一方、スクラップ3bは、下金型2の開口部29を通って、シュート7の受け面17に落下する。このとき、シュート7は下金型2の開口部29の直下に配置される(第1図)。
次に、第1図〜第8図を参照して、被加工材の排出装置Aの作動について説明する。
上金型1が下降し、下金型2と協働してワーク3aをプレス加工した時、シュート7は第2図に示す基本位置に配置されている。この基本位置では、コイルばね5のばね力により、レバー4が側壁(ストッパ)14に当接している。この状態で、シュート7はその複数の受け面17でスクラップ3bをそれぞれ受けることになる。
上金型1がさらに下降すると、それに伴いカム部材15もさらに下降し、カム部材15の下端部がレバー作用部材18に当接する。第3図はカム部材15が下降し、レバー作用部材18に当接した状態を示す。
引き続き、上金型1およびカム部材15が下降すると、カム部材15のカム面がレバー作用部材18に徐々に押し付けられる。これにより、コイルばね5のばね力に抗して、レバー4がピン10を中心にして、コイルばね5の付勢側とは反対側に向かって所定角度だけ回動して行く(第4図)。その結果、シュート7は、長孔8に挿入されたピン19を介して、スクラップ3bの排出側とは反対側の方向(X2方向)に、所定距離だけ徐々に引っ張られる。第4図はシュート7が基本位置から一方向に移動した往動位置にある状態を示す。このとき、コイルばね5は最大長まで引き伸ばされている。シュート7の移動速度はカム部材15の下降速度に基づく。すなわち、レバー4においては、ピン10が支点で、レバー作用部材18のカム当接部分が力点で、シュート7の長孔8に挿入されたピン19が作用点となる関係にある。よって、カム部材15によるレバー4の回動力は、増幅されてシュート7に伝達されることとなる。シュート7の動く距離は、カム部材15によるレバー作用部材18の動く距離よりも長くなる。
第5図は、カム部材15が下降してレバー作用部材18を付勢するときのこれらの係合状態を示す。このとき、シュート7は、第4図に示す位置にある。
その後、上金型1が下死点位置まで下降すると、カム部材15とレバー作用部材18との係合は以下の通りとなる。すなわち、第7図に示すように、カム部材15が下死点位置に達した時、切り欠き25にレバー作用部材18が挿入される。その結果、第4図のシュート7は往動位置から、第6図の基本位置まで所定の速度で戻る。これは、レバー4がコイルばね5のばね力により付勢されているためである。シュート7のスライドは、レバー4の側壁14への当接により終了する。この時、各受け面17上に載置されたスクラップ3bには、シュート7の動きにより所定の力が作用し、この力はスクラップ3bとシュート7の受け面17との間に作用する摩擦力より大きい。そのため、スクラップ3bは慣性力によりシュート7からプレス加工装置の外部(回収箱13)に排出される。
その後、上金型1が上昇すると、カム部材15も上昇する。その際、第8図に示すように、所定高さ位置までカム部材15が上昇した時、切り欠き25面がレバー作用部材18の下方に屈曲した先端部に当接する。これにより、ピン32を中心にしてレバー作用部材18を垂直面内で上側に所定角度だけ回動させる。よって、カム部材15の上昇に対してレバー作用部材18が障害となることはない。なお、レバー作用部材18は、図示しないピンに係止した小さいコイルばねのばね力により、元のレバー4に跨った位置に戻るように構成されている。
このように、上金型1およびカム部材15の一体的な昇降が繰り返されるとき、シュート7は、この昇降動作に同期して水平面での往復動を繰り返す。
その場合、シュート7の往復動に際してシュート7の当接面16にスクラップ3bが当接する。当接面16に当接したスクラップ3bは、当接面16側への移動を規制される。よって、シュート7が複数回往復動すると、スクラップ3bは各受け面17上を排出方向に進み(第9図)、最終的にはプレス加工装置Aの外部に排出され、回収箱13に回収される。
【0007】
次に、第10図〜第13図を参照し、この発明の第2の実施例を説明する。第2の実施例の被加工材の排出装置A1は、第1の実施例の排出装置Aに、以下の変更を加えたものである。
すなわち、レバー4をカム部材15により直接駆動するのではなく、間接的に駆動するようにした例である。第10図に示すように、基台12上には、レバー4の元部側に近接するシュート7と並行した位置に、カム装置26を設けている。
第11図に示すように、カム装置26は、基台12上に固定された本体部と、レバー4を駆動するスライダ21と、スライダ21と当接してレバー4を回動させるカム20と、スライダ21のリターンばね27とを有している。カム20は大略三角形である。その第1頂点部分37が、ピン33を介して、カム装置26の本体上部に軸支されている。スライダ21は、カム20の第2頂点部分38が当接して略水平面内をスライド自在に本体部に支持されている。リターンばね27は、常時、スライダ21を所定の力でカム20側方向に付勢している。
一方、カム20の第3頂点部分39の直上には、上金型1に垂下されたカム部材15が配置されている。カム部材15の下端部には、上記カム20の第3頂点部分39に当接し、これを押圧する蒲鉾形のカム板材22が、垂直面内で回動自在に軸支されている。カム板材22は、第11図中での反時計回りの回動が受け面36により規制されている。カム板材22は、第11図中での時計回りの回動は自由となっている。すなわち、カム部材15の下端部でカム板材22の取付部には、所定の大きさの切り欠き開口35が形成され、この切り欠き開口35に受け面36が形成されている。
次に、第10図〜第13図を参照し、第2の実施例に係る被加工材の排出装置A1の作動を説明する。上金型1が上昇した状態では、レバー4は第10図に示す停止状態(一点鎖線)にあり、シュート7は基本位置にある。
この状態から上金型1が下降し、下金型2と協働して素材をプレス加工する。このとき発生したスクラップ3bは、シュート7の各受け面17に落下する。
さらに、上金型1が下降するとカム部材15も下降し、カム板材22がカム20の第3頂点部分39に当接する(第11図)。
カム部材15がさらに下降すると、カム板材22がピン33を中心として、カム20を図中の反時計回り方向に所定角度だけ回動させる(第12図)。その結果、スライダ21は、リターンばね27のばね力に抗してレバー4側の方向(C方向)に所定ストロークだけ突出する。これにより、レバー4はピン10を中心にして、スクラップ3bの排出側とは反対側となるY方向(第10図中の時計回り方向)に、所定角度だけ回動する。その結果、シュート7は、X2方向に所定距離だけ移動する。第10図において、レバー4の実線の位置は、シュート7の基本位置から一方向に移動した往動位置にある状態を示す。
そして、カム部材15のさらなる下降により、カム板材22はカム20から離反する(第13図に仮想線で示す)。すなわち、上金型1が下死点位置まで下降した時、カム部材15は二点鎖線位置に配置され、カム板材22とカム20との当接が解除される。その結果、リターンばね27のばね力によりスライダ21が引っ込み、スライダ21がカム装置26の本体部のストッパ34に当接する。こうして、スライダ21の先端がレバー4の元部側の側面から外れる。その結果、コイルばね5のばね力により、レバー4はY方向とは反対方向に所定速度で回動し、側壁14に当接して停止する。一方、シュート7はレバー4とともにX2方向とは反対方向にレール6上を滑動し、レバー4の側壁14への当接によって停止する(第10図中の二点鎖線)。その結果、シュート7の受け面17に落下したスクラップ3bは、第1の実施例の場合と同じように、所定の慣性力が作用し、外部に排出される。
また、第13図に示すように、その後、上金型1と一体的にカム部材15が上昇すると、カム板材22の湾曲した上側面が、カム20の第3頂点部分39に下方から当接する。このときの係合状態を第13図に示す。この図に示すように、カム板材22は矢印方向(図中時計回り方向)に回動する。そのため、カム部材15の上昇の妨げとはならない。
以上の結果、第2の実施例の排出装置A1では、カム装置26を使用して間接的にレバー4を駆動するようにしたので、カム部材15の取り付け位置の変更の自由度を増すことができる。
【0008】
次に、第14図および第15図を参照し、この発明の第3の実施例を説明する。
第3の実施例の被加工材の排出装置A2は、第1の実施例の排出装置Aに対し、以下の変更を加えたものである。
すなわち、第14図に示すように、シュート7の下方に、略水平方向に往復動する下側シュート7Lを配置する。下側シュート7Lの駆動手段は、図示しないが上側のシュート7のレバー4に連動し、下側シュート7Lを上側のシュート7と同期させて略水平方向に往復動させる構成としている。また、第15図に示すように、この場合の上側のシュート7の各受け面17には、例えばスクラップ3bより大きく、ワーク3aよりも小さい貫通孔23が多数形成されている。貫通孔23の形状は、例えば円形または長円形状である。また、これらのシュート7は、その受け面17がシュート7が往復動する略水平面に対して、所定角度だけ上方に向かって傾斜したものを使用している。
したがって、この被加工材の排出装置A2では、貫通孔23より小さいサイズのスクラップ3bは、上側のシュート7の貫通孔23を通過して下側シュート7Lの受け面17に落下する。その後、下側シュート7Lの往復動により、スクラップ3bはプレス加工装置Bの外部に排出される。また、プレス加工により生じたワーク3aは、上側のシュート7で受け止められ、プレス加工装置Bの外部に排出される。
以上の結果、この被加工材の排出装置A2では、ワーク3aとスクラップ3bとに選別して排出することができる。
その他の構成、作用、効果は、第1の実施例と同様であるので説明を省略する。
【0009】
次に、第16図を参照し、この発明の第4の実施例を説明する。
第16図に示すように、第4の実施例の被加工材の排出装置A3は、上記第3の実施例の被加工材の排出装置A2のシュート7の受け面17に、貫通孔23に代えてスクラップ3bより大きい網目24を形成した例である。
網目24より小さいサイズのスクラップ3bは、上側のシュート7の網目24を通って下側シュート7Lの受け面17に落下する。その後、下側シュート7Lの往復動により外部に排出される。また、網目24より大きいサイズのワーク3aおよびスクラップ3bは上側のシュート7で受け止められ、同様に外部に排出される。
その他の構成、作用、効果は、第3の実施例と同様であるので説明を省略する。
【0010】
次に、第17図〜第22図を参照し、この発明の第5の実施例を説明する。
第17図〜第22図に示すように、第5の実施例の被加工材の排出装置A4は、第1の実施例の排出装置Aに、以下の変更を加えたものである。
すなわち、シュート7をレバー4を介してカム部材15により駆動するのではなく、シュート7をカム装置40を介して駆動するようにした例である。
カム装置40は、上金型1の側面にねじ止めなどにより固定されたカム部材41と、カム部材41の直下で下金型2の側面に固定された従節部材42とを備えている。なお、カム部材41を上金型1が固定されるスライドに、従節部材42を下金型2が固定されるボルスターの対応位置にそれぞれ固定してもよい。これにより、金型の変更に対応することが容易となる。
まず、カム部材41を詳細に説明する。
カム部材41は、上金型1のスクラップ3bの排出側の端部に、側面視して台形状の架台部43を有している。架台部43の元部の両側には、1対の羽根片43bが一体形成されている。両羽根片43bには、ピン孔43cがそれぞれ形成されている。ピン孔43cにピンを挿入して、架台部43が上金型1に固定されている。架台部43の先側の下隅部には、短尺なカム本体軸支部分43aが下方に向かって突出している。カム本体軸支部分43aには、カム用回動ピン44を介して、水平方向に離間した1対のリンク部材45を有するカム本体46が、垂直面内で回動自在に軸支されている。互いに平行な2枚のリンク部材45を、ピン44とピン47とで一体化してカム本体46が構成されている。
カムの入力操作を行うためのカム本体46の停止位置(基準位置)は、両リンク部材45が垂直となる位置である。リンク部材45の先端部(下端部)間には、水平な入力ピン47が横架されている。カム本体46における入力ピン47の形成位置は、カム用回動ピン44の直下位置より、若干スクラップ3bの排出側とは反対側になる偏心位置である。
カム用回動ピン44には、カム本体46の回動方向のうち、スクラップ3bの排出側にカム本体46の先端部を常時付勢するコイルばね48(カム用弾性部材)が外装されている。コイルばね48は、一端部が架台部43に固定され、他端部が一方のリンク部材45に固定されている。カム本体46の元部(上端部)のスクラップ3bの排出側(第17図中左側)には、停止位置のカム本体46の先端部が、スクラップ3bの排出側とは反対側に回動することを規制するストッパ49が設けられている。ストッパ49は、各リンク部材45から直角に内方に折り曲げられてわずかに突出し、カム本体軸支部分43aに掛止自在となっている。
次に、従節部材42を詳細に説明する。
従節部材42は、下金型2のスクラップ3bの排出側の端部に、側面して略ピストルのグリップ形状を有したケーシング(従節基体)50を備えている。ケーシング50の上部には、上面から上端外側面にかけて、上側の開口部が形成されている。また、ケーシング50の下部にも、下面から下金型2側の面の下端部分にかけて、下側の開口部が形成されている。さらに、ケーシング50の背板51(スクラップ3bの排出側の板)は、その高さ方向の中間部に、両側方向に突出した1対の羽根片50aが突出している。両羽根片50aには孔部50bがそれぞれ形成され、両孔部50bを介して、従節部材42が下金型2にボルト止めされる。ケーシング50の両側板50dの下端部には、水平なシュート7Aの長さ方向に長い長孔50cがそれぞれ形成されている。
ケーシング50の両側板の上部間には、水平な従節用回動ピン52が軸支されている。従節用回動ピン52の両端部付近には、シュート7Aを往復動させる1対の操作部材53の元部がそれぞれ挿着されている(回動自在に支持されている)。また、従節用回動ピン52の中間部には、第19図および第20図に示すコア材(スペーサ)80の上部が、ピン孔80aを介して軸支されている。コア材80およびシュート7Aの詳細については後述する。
両操作部材53は金属製の小板で、側面視して略ハンマー形状を有している(第17図参照)。各操作部材53の下端部、すなわちハンマーの柄部分の下端部には、後述するシュート7Aの連結ピン54を掛止する二股形状のシュート掛合子53aが配設されている。連結ピン54の長さ方向の中間部には、金属製の単尺な円筒形状を有するブッシュ54aが外挿されている。両操作部材53の元部には、そのスクラップ3bの排出側とは反対側の端部に、入力突起53bが一体形成されている。また、両操作部材53の元部のうち、スクラップ3bの排出側とは反対側の下隅部間に、上側小ピン55が固着状態で横架されている。また両操作部材53の下端部には小ピン55Aが固着状態で横架されている。一方、コア材80の下端部の下金型側の面には、1対のねじ孔80bが配設され、両ねじ孔80bを介して、1対の下側小ピン56が突設されている。
上側小ピン55の両端部と、両下側小ピン56との間には、2本の細長いコイルばね(従節用弾性部材)57がそれぞれ架け渡されている。両コイルばね57のばね力により、両操作部材53の元部のうち、スクラップ3bの排出側の縁部が、ケーシング50の背板51の内面に押し付けられる。このとき、両シュート掛合子53aは、ケーシング50内のスクラップ3bの排出側とは反対側にそれぞれ配置されている。両シュート掛合子53aは連結ピン54に曲面を介して摺接している。曲面同士の接触によりそれらの接触面積が増え、この摺接面に作用する応力を小さくすることができる。
次に、第19図および第20図を参照して、コア材80を詳細に説明する。
コア材80は縦長な鋼製の鋳物体である。コア材80の上部には、後述する膨出部80c側の面にピン孔80aの内壁面まで連通するグリース注入孔80eが形成されている。コア材80は長尺な胴部を有し、その胴部の背板51側の面に、略全長にわたって背板51に当接する縦長な当接突片81が一体形成されている。コア材80の上端部は背板51側に90度湾曲し、その先端部に正面視して矩形状を有したウレタンゴム製の緩衝材82が固着されている。また、コア材80の下端部には、当接突片81とは反対側に膨出部80cが突設されている。膨出部80cには、後述するケーシング50の長孔50cと同形状の長孔80dが形成されている。前記ブッシュ54aの長さは、膨出部80cの厚みより若干短い。
コア材80を、ピン孔80aを介して従節用回動ピン52に挿着すると、緩衝材82が背板51の上端部の内面に当接されるとともに、当接突片81の先端面が背板51の中央部一帯に当接される。このとき、ケーシング50の長孔50cに膨出部80cの長孔80dが合致される。ブッシュ54aと長孔50c,80dとの摺接部分、従節用回動ピン52とコア材80、両操作部材53との軸支部分などには、潤滑剤であるグリース(例えば商品名「モリブデン」)が注入され、それぞれの部分の摺動および回動が円滑化されている。特に、コア材80のピン孔80aには、注入孔80eからグリースが注入される。
次に、第17図および第22図を参照して、シュート7Aを詳細に説明する。
排出装置A4で利用されるシュート7Aの特徴は、操作部材53との連結部分が、受け板71の受け面17と略同じ平面内に配置された点である。
以下、シュート7Aの構造を具体的に説明する。
シュート7Aのスクラップ3bの排出側とは反対側の端部には、その幅方向の中間部に、平面視して矩形状を有する切欠部7aが形成されている。ケーシング50は、その下端部が切欠部7aに収納される。切欠部7aのシュート幅方向の両縁には、1対の平行な連結突片(連結部分)58が上方に向かって対向配置される。両連結突片58のスクラップ3bの排出側とは反対側の端部には、1対の連結孔58aがそれぞれ穿設されている。両連結孔58aの仮想中心点Pは、受け板71の受け面17と略同じ平面内に配置されている。両連結孔58aには、短尺な連結ピン54が挿着される。連結ピン54の両端部付近は、前記操作部材53のシュート掛合子53aに掛止されている。また、連結ピン54の両端部は、ケーシング50の長孔50cに、ゆとりをもってそれぞれ挿入されている。
両連結突片58は、シュート7Aの長さ方向に長い1対の補強板片(補強部材)59により補強されている。両補強板片59は、シュート7Aのスクラップ3bの排出側とは反対側の端部が膨出され、両膨出部分に前記連結孔58aと同じ直径の連結孔59aがそれぞれ形成されている。また、補強板片59の膨出部分を除く上縁部には、シュート7Aの切欠部形成部分の下面に溶接される屈曲部59bが一体形成されている。この屈曲部59bの屈曲方向は、連結突起58を補強した際、切欠部7bの形成部の裏面に当接可能な方向である。
シュート7Aの当接面16と受け面17とは、受け板71の金型によるプレス成形で同時に形成されている。そのため、当接面16と受け面17との連結部分には、シュート7Aの幅方向に延びた多数本の油抜き用のスリットSが形成される。スクラップ3bに付着した油は、これらのスリットSを通して下方に排出される。この第5の実施例では、スリットSが、受け板71の幅方向の全長に渡って形成されていない。これらのスリットSを受け板71の幅方向の全長にわたって形成すれば、油抜きの効果が高まる。
次に、第17図〜第22図を参照し、第5の実施例に係る被加工材の排出装置A4の作動を説明する。上金型1が上昇した状態では、カム本体46は停止位置にあり、シュート7Aは基本位置にある。
この状態から上金型1が所定速度で下降し、下金型2と協働して素材をプレス加工する。このとき発生したスクラップ3bは、シュート7Aの各受け面17に落下する。
さらに、上金型1が下降するとカム部材41も下降し、カム本体46の先端部の入力ピン47が、従節部材42の両入力突起53bに当接する。これにより、2本のコイルばね57のばね力に抗して、両操作部材53が従節用回動ピン52を中心にして第17図中時計回り方向(第17図の実線矢印方向)に所定角度だけ所定速度で回動する。このとき、カム本体46は両入力突起53bの回動に伴い、コイルばね48のばね力に抗して、カム用回動ピン44を中心に図中反時計回り方向(第17図の矢印方向)に所定角度だけ回動しながら下降する。これにより、両操作部材53が図中時計回り方向に所定速度で回動し、連結ピン54を介して、シュート7Aがスクラップ3bの排出側に高速で往動する。その結果、シュート7Aの受け面17に落下したスクラップ3bには、所定の慣性力が作用し、停止時、この慣性力が静止摩擦力にうち勝ち、スクラップ3bはシュート7A上を排出方向に運ばれ、やがて外部に排出される。ところで、両操作部材53の回動に伴うコイルばね57の伸長により、コア材80の当接突片81の下端部が背板51に強く押し付けられる。これにより、緩衝材82が若干背板51から離反する。第17図において、カム本体46、操作部材53および両入力突起53bの各二点鎖線の位置は、シュート7Aの基本位置から一方向に移動した往動位置にある状態を示す。
そして、上金型1の下降に伴うカム部材41のさらなる下降により、入力ピン47は、コイルばね48のばね力に抗して、カム用回動ピン44を中心としたさらなる図中反時計回り方向の回動を行い、最終的に両入力突起53bを乗り越える。すなわち、上金型1が下死点位置に達した時、入力ピン47と両入力突起53bとの当接が解除される。その瞬間、ブッシュ54aが長孔80dのスクラップ3bの搬出側の内壁に衝突する直前に、両操作部材53は2本のコイルばね57のばね力により図中反時計回り方向に往動より高速度で反対方向に回動する。これにより、両操作部材53の元部のうち、スクラップ3bの排出側の縁部が、ケーシング50の背板51の内面に当接してその回動が停止する。このときの衝撃力の大部分は、従節用回動ピン52に軸支されたコア材80の緩衝材82が受け、その衝撃力を低減(緩和)させる。しかも、連結ピン54に外挿されたブッシュ54aが、長孔80dのスクラップ3bの搬出側とは反対側の内壁に衝突する。これにより、両シュート掛合子53aが受ける衝撃力が低減される。その結果、長期にわたって排出装置A4を使用しても、両操作部材53が破損し難い。このとき、連結ピン54は、コア材80の長孔80dのうち、スクラップ3bの排出側とは反対側の内壁に衝突せず、若干の隙間が形成される。両シュート掛合子53aは、ケーシング50内のスクラップ3bの排出側とは反対側にそれぞれ戻る。これに伴い、シュート7Aは連結ピン54とともにスクラップ3bの排出側とは反対側に所定の高速度(往動より高速度)で復動する。
その後、上金型1を上昇させることでカム本体46は引き上げられる。そして、最終的に入力ピン47が両入力突起53bから外れ、上金型1が上死点まで戻る。
このように、シュート7Aを往復動させる際、両操作部材53とシュート7Aとの連結部分は、受け板71の受け面17と略同じ平面内に配置されている。そのため、この連結部分には、引張荷重および圧縮荷重が作用する。仮に、受け板71の一部分に突片を設け、ここに連結部分を配置すると、シュート7Aの往復動時、突片の元部に剪断荷重が作用することとなる。同じ大きさの荷重を作用させた場合、第5の実施例のような引張荷重および圧縮荷重であれば、剪断荷重の場合に比べて連結部分に対する損傷の度合いが軽減する。そのため、長期間にわたってシュート7Aを往復動させても、両操作部材53とシュート7Aとの連結部分は損傷し難い。
また、ここでは両補強板片59により、両操作部材53とシュート7Aとの連結部分を補強している。そのため、この連結部分の強度が高まる。よって、両操作部材53とシュート7Aとの連結部分がより以上に損傷し難くなる。
さらに、カム本体46の先端部は、入力ピン47からの入力が作用する前の停止位置において、スクラップ3bの排出側への回動がストッパ49によって規制されている。停止位置での入力ピン47はカム用回動ピン44の直下より、スクラップ3bの排出側とは反対側に偏在している。これにより、入力ピン47が両入力突起53bに当接した時、カム本体46にはその偏在した位置より負荷が作用する。その結果、カム本体46には、入力ピン47が両入力突起53bに当接中、常にカム用回動ピン44を中心とした回動力が作用する。よって、カム本体46からの両操作部材53への入力が円滑化する。そのため、例えば入力ピン47をカム用回動ピン44の直下に配置したとき、カム本体46が回動しないことで発生し易い、入力ピン47および両入力突起53bの座窟を回避することができる。
そして、上金型1の下降時、スクラップ3bとシュート7Aとの間に作用する摩擦力より大きい力が、カム装置40によりシュート7Aに作用される。このとき、シュート7Aの移動速度は、上金型1の下降速度により常時一定である。その結果、スクラップ3bを、安定してシュート7Aから外部に排出することができる。
また、このようにカム装置40をシュート7Aのスクラップ3bの排出側に設けた場合、カム装置40はシュート7Aを排出側に押し出すプッシュ型となる。
その他の構成、作用、効果は、第1の実施例と略同じであるので説明を省略する。
【0011】
次に、第23図を参照し、この発明の第6の実施例を説明する。
第23図に示すように、第6の実施例の被加工材の排出装置A5は、上記第5の実施例の被加工材の排出装置A4に組み込まれたカム装置60を、上金型1および下金型2のスクラップ3bの排出側に配置した例である。
具体的には、上金型1のスクラップ3bの排出側の端部に、カム部材41の架台部43が設けられる。また、従節部材42のケーシング50が、連結部材61を介して、下金型2のスクラップ3bの排出側の端部に連結されている。この場合、両入力突起53bは、ケーシング50のスクラップ3bの排出側とは反対側に配置される。そして、ケーシング50のスクラップ3bの排出側とは反対側の板の下端部には、切欠部が形成されている。
このように、カム装置60をシュート7Aのスクラップ3bの排出側に設けた場合、カム装置60はシュート7Aを搬出側に引き出すプル型となる。
以下、第23図および第24図を参照し、シュート7Bを説明する。シュート7Bの両側板72には、スクラップ3bの排出側の部分に跨がって、開口側が下向きの略コの字形状を有した連結ブラケット62が固定されている。連結ブラケット62の水平枠の中間部の両側には、連結ピン54が横架されるピン孔63a付きの1対の連結片63(この連結片は矩形よりも三角形としてその連結強度、特にシュート駆動方向に作用する力への対抗力を高めるとよい)が離間して突設されている。連結ブラケット62は、2枚の横向きZ形状を有した板片64同士を、小板65により裏側から連結して作製されている。
その他の構成、作用、効果は、第5の実施例から推測できる範囲であるので説明を省略する。
【0012】
次に、第25図および第26図を参照し、この発明の第7の実施例を説明する。
第25図および第26図に示すように、第7の実施例の被加工材の排出装置A6は、上記第5の実施例の被加工材の排出装置A4のシュート7A、または、上記第6の実施例の被加工材の排出装置A5のシュート7Bに代えて、長尺で先部が折り畳み自在となったシュート7Cを採用した例である。すなわち、シュート7Cは、シュート本体74と、シュート本体74の先端部に1対の回動ピン76を介して軸支されるシュート先部75とを有している。両回動ピン76は、シュート本体74の両側板72の先端部の受け板71側と、対応するシュート先部の両側板72の元部の受け板71側とにそれぞれ配設されている。シュート先部75の元部側では、両側板72の上部が斜めに切欠されている。この切欠部付近には、シュート7B内側に向かって突出した凸部77が配設されている(第25図)。一方、両凸部77が掛止される凹部78が、シュート本体74の先端部の両側板72の上部に配設されている。シュート先部75を回動ピン76を中心にして垂直面内で回動して立ち上げ、シュート7Cを折り畳む(第26図)。このとき、対応する凸部77と凹部78とが掛合し、シュート7Cの折り畳み状態が維持される。
このように、シュート7Cを折り畳み自在としたので、スクラップ3bの排出路であるシュート7Cを長くしても、被加工材の排出装置A6の不使用時にシュート7Cが邪魔になり難い。
なお、シュートの駆動用カム機構はシュートの幅方向両側に一対配置することもできる。シュート下面にブラケット片を突設し、これに水平なロッドを挿通して駆動する構成とすることができる。要は、シュート受け面とカム部材との連結位置を近く位置させることで、補強効果をより高めることができる。
その他の構成、作用、効果は、第5の実施例から推測できる範囲であるので説明を省略する。
【0013】
この発明はプレス加工に限られず、切削加工、研削加工、レーザ加工、その他の加工においても適用できることはいうまでもない。この場合、切削加工などにおいてはその加工動作に応じて例えばリンク機構などを介してシュートが往復動する構成とする。
この発明により、以下の効果を奏することができる。
(1)シュートの動きにより与えられた被加工材に作用する力が、シュートがその後停止した時の被加工材とシュートとの間に作用する摩擦力より大きい駆動手段を有するようにした。これにより、エアの発生源などを不要とすることができる。
(2)下金型の下方に、駆動手段の駆動により上金型の昇降に応じて略水平面内で往復動するシュートを配置した。これにより、簡単な設備で、プレス機内のスペースを制限することなく、被加工材を排出することができる。しかも、上金型の垂直方向の動きを、駆動手段によりシュートの水平方向の往復動に変換することができる。また、プレス加工装置の駆動源と被加工材の排出装置の駆動源とを共通化することができる。さらに、プレス加工と同時に効率よく被加工材を排出することができる。
(3)駆動手段として弾性部材を有したカム装置を採用した場合には、簡単な構造で正確にシュートを駆動することができる。
(4)シュートに、受け面と当接面とを形成した場合には、プレス加工で生じた被加工材はシュートの当接面に当接してその当接面側への移動が規制される。その結果、シュートの停止により、シュート上から一方向に向かって、被加工材を確実かつスムーズに排出することができる。
(5)受け面と当接面とは、複数組連続して設けられるとともに、各受け面は上記水平面に対して所定角度だけ傾斜した場合には、シュートを薄肉に形成でき、排出装置の小型化や省スペース化が図られる。これにより、プレス加工装置自体のストロークなどの自由度が増す。さらに、スクラップ排出方向に対して逆勾配を有する傾斜面方向に対しても排出が可能となる。
(6)シュートを上下2段とし、上側の受け面に貫通孔または網目を形成した場合には、被加工材を上下に分離選別することができる。また、それらの排出方向を任意にすることができる。
(7)操作部材とシュートとの連結部分を、受け板の受け面と略同じ平面内に配置した場合には、シュートの往復動時、シュートと操作部材との連結部分には、剪断荷重ではなく、引張荷重および圧縮荷重が作用する。そのため、長期間にわたってシュートを往復動させても、操作部材とシュートとの連結部分が損傷し難い。
(8)操作部材とシュートとの連結部分を補強部材により補強した場合には、連結部分の強度が高められる。これにより、この連結部分の損傷がさらに抑制される。
(9)カム本体の先端部の上金型の内方への回動をストッパにより規制し、垂設状態のカム用回動ピンの直下より上金型の外方位置に入力ピンを偏在させた場合には、カム本体に対して、常時、カム用回動ピンを中心とした回動力が作用する。これにより、カム本体から操作部材への入力をスムーズに行うことができる。
(10)シュートの移動速度は常時一定で、しかもシュートの停止時、被加工材とシュートとの間に作用する摩擦力より大きい力が、駆動手段によりシュートに作用される。その結果、被加工材を、安定してシュートからプレス加工装置の外部に排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1図は、この発明の第1の実施例に係る被加工材の排出装置の主要部を示すその斜視図である。
【図2】第2図は、この発明の第1の実施例に係る被加工材の排出装置のシュートが基本位置に位置する状態を示すその平面図である。
【図3】第3図は、この発明の第1の実施例に係る被加工材の排出装置にてカム部材が下降しレバー作用部材に当接した状態を示す第2図のS1―S1線に沿う拡大断面図である。
【図4】第4図は、この発明の第1の実施例に係る被加工材の排出装置においてシュートが基本位置から一方向に移動した往動位置にある状態を示す平面図である。
【図5】第5図は、この発明の第1の実施例に係る被加工材の排出装置でカム部材が下降してレバー作用部材を付勢するときのこれらの係合状態を示す第4図のS2―S2線に沿う拡大断面図である。
【図6】第6図は、この発明の第1の実施例に係る被加工材の排出装置でシュートが往動位置から基本位置に戻った状態を示す平面図である。
【図7】第7図は、カム部材が下死点位置まで下降した状態を示す第6図のS3―S3線に沿う拡大断面図である。
【図8】第8図は、所定高さ位置までカム部材が上昇した状態を示す第6図のS3―S3線に沿う拡大断面図である。
【図9】第9図は、この発明の第1の実施例に係る被加工材の排出装置のシュートを示すその側面図である。
【図10】第10図は、この発明の第2の実施例に係る被加工材の排出装置の要部の平面図である。
【図11】第11図は、この発明の第2の実施例に係る被加工材の排出装置のカム板材がカム装置のカムを当接した状態を示す断面図である。
【図12】第12図は、この発明の第2の実施例に係る被加工材の排出装置のカム板材がカム装置のカムを押圧した状態を示す断面図である。
【図13】第13図は、この発明の第2の実施例に係る被加工材の排出装置のカム部材が下降してカムを付勢するときのこれらの係合状態を示す断面図である。
【図14】第14図は、この発明の第3の実施例に係る被加工材の排出装置の側面図である。
【図15】第15図は、第14図で示すD部の拡大斜視図である。
【図16】第16図は、この発明の第4の実施例に係る被加工材の排出装置の第15図と同様のシュートのステップ部を示す拡大斜視図である。
【図17】第17図は、この発明の第5の実施例に係る被加工材の排出装置の主要部を示す側面図である。
【図18】第18図は、この発明の第5の実施例に係る被加工材の排出装置の主要部を示す正面図である。
【図19】第19図は、この発明の第5の実施例に係る被加工材の排出装置の従節部材に組み込まれたコア材の側面図である。
【図20】第20図は、この発明の第5の実施例に係る被加工材の排出装置の従節部材に組み込まれたコア材の正面図である。
【図21】第21図は、この発明の第5の実施例に係る被加工材の排出装置の従節部材の斜視図である。
【図22】第22図は、この発明の第5の実施例に係る被加工材の排出装置のシュートの主要部を示す斜視図である。
【図23】第23図は、この発明の第6の実施例に係る被加工材の排出装置の主要部を示す側面図である。
【図24】第24図は、この発明の第6の実施例に係る被加工材の排出装置のシュートの主要部を示す斜視図である。
【図25】第25図は、この発明の第7の実施例に係る被加工材の排出装置のシュートの使用状態を示す側面図である。
【図26】第26図は、この発明の第7の実施例に係る被加工材の排出装置のシュートの折り畳み状態を示す側面図である。
【図27】第27図は、従来の被加工材の排出装置の斜視図である。

Claims (5)

  1. 下金型に対して上金型が昇降することにより素材をプレス加工するプレス加工装置に配備され、このプレス加工により生じた被加工材を排出する被加工材の排出装置において、
    このプレス加工により生じた被加工材を受け、略水平面内で往復動することにより、この被加工材を上記プレス加工装置の外部に排出するシュートと、
    上記上金型に取り付けられたカム本体と、
    このカム本体の下降によってカム本体の先端と係合して垂直面内で回動することにより、シュートを上記略水平面内の一方向に所定速度で往動させ、カム本体のさらなる下降によりこのカム本体の先端から脱合することによりこのシュートの往動を停止して被加工材を排出する操作部材と、
    上記シュートを上記往動とは反対方向へ復動するように付勢する弾性部材とを備えた被加工材の排出装置
  2. 下金型に対して上金型が昇降することにより素材をプレス加工するプレス加工装置に配備され、このプレス加工により生じた被加工材を排出する被加工材の排出装置において、
    このプレス加工により生じた被加工材を受け、略水平面内で往復動することにより、この被加工材を上記プレス加工装置の外部に排出するシュートと、
    上記上金型の昇降に応じてこのシュートを駆動する駆動手段とを備え、
    この駆動手段は、互いに当接して、上記上金型の下降をシュートの略水平面内での一方向への往動に変換するカム部材および従節部材と、これらのカム部材と従節部材との当接が解除されたとき、上記シュートが上記往動とは反対方向へ復動するように付勢する弾性部材とを備え、
    上記従節部材は、上記下金型に取り付けられる従節基体と、この従節基体に、従節用回動ピンを介して垂直面内で回動自在に設けられるとともに、上記従節基体との軸支部分の一側に入力突起が突設された操作部材と、この操作部材を、この操作部材の回動方向のうち、上記被加工材の排出側とは反対側に向かって付勢する従節用弾性部材とを有し、
    上記カム部材は、上記上金型に取り付けられる架台部と、この架台部に、カム用回動ピンを介して垂直面内で回動自在に吊下されたカム本体と、このカム本体を、カム本体の回動方向のうち、上記被加工材の排出側とは反対側に向かって付勢するカム用弾性部材とを有し、
    上記カム本体の元部には、上記操作部材の回動方向のうち、上記被加工材の排出側へのカム本体の回動を規制するストッパが設けられ、また上記カム本体の先端部には、上記入力突起に当接する入力ピンが、上記カム用回動ピンより、上位カム本体の回動方向のうち、上記被加工材の排出側とは反対側の偏心位置に配置されている被加工材の排出装置。
  3. 上記シュートは受け板を有し、この受け板は、落下した上記被加工材を受ける受け面と、上記往復動時に被加工材が当接する当接面とを有し、上記受け面と当接面とが複数組連続して設けられることにより、受け板の受け面が階段状に形成された請求の範囲第1項または第2項に記載の被加工材の排出装置。
  4. 上記受け面は、略水平面に対して所定角度だけ上に向かって傾斜した請求の範囲第3項に記載の被加工材の排出装置。
  5. 上記従節部材とシュートとの連結部分は、上記受け板の受け面と略同じ平面内に配置されている請求の範囲第3項に記載の被加工材の排出装置。
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