JP3687158B2 - トピードカーの耐火物壁冷却方法 - Google Patents
トピードカーの耐火物壁冷却方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トピードカーの炉体鉄皮内側にライニングされた高温の耐火物壁を修理するための冷却方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高炉で製造した溶銑を転炉に搬送するトピードカーは、炉体鉄皮の内側に耐火物をライニングした耐火物壁構造になっている。一般に、耐火物壁は高級粘土質耐火物が用いられているが、耐火物壁は高温の溶銑やスラグと接触しているため、損傷が激しい。このため損傷の少ない初期には、損傷部等の部分修理を繰り返しながらトピードカーの運転が行われているが、耐火物壁の損傷が大きくなったら耐火物壁を全面的に解体し修理が行われている。
【0003】
ところで、トピードカーの耐火物壁を修理するためには、高温の耐火物壁にエアー吹き込み用チューブから供給する冷却用空気を吹き付けたり、冷却用ミストを吹き付けて、耐火物壁を冷却することが行われていた。たとえば、特開昭55−82710号公報に、トピードカーの耐火物壁を自然および強制空気冷却したのち、炉口が下方に位置するように炉体を反転し、炉口もしくはランス口から炉壁付着物や耐火物を除去するものが開示されている。しかし、耐火物壁を自然もしくは強制空気冷却するだけでは長時間を必要とするため、トピードカーの耐火物壁を修理するために長期間掛かりトピードカーの使用回転率が悪くなる。冷却用ミストでは水滴を吹き付けるので冷却能力が大きいが、ある程度温度が下がると耐火物壁が水に濡れてしまうので耐火物に悪影響を及ぼすことになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、トピードカーの耐火物壁をまず冷却用ミストで冷却し、次にエアー吹き込み用チューブにより冷却用空気を吹き付けて強制空冷し、最後に自然空冷する方法を採用して耐火物壁を水で濡らすことなく冷却する方法が行われている。しかしながら、この方法では、ミスト冷却に16時間、強制冷却に8時間、自然空冷に48時間を要し、合計冷却時間72時間(3日)となり、トピードカーの耐火物壁修理のトータル所要日数が依然として長く、トピードカーの回転率も悪くなる。
【0005】
本発明は、前記従来技術の問題点を解消し、トピードカーの炉体鉄皮内側にライニングされた高温の耐火物壁を水で濡らすことなく短時間で冷却することができるトピードカーの耐火物壁冷却方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、炉体内の雰囲気ガスを強制的に排気させることによって冷却能力を高めることに着目し、種々検討した結果により達成されたものである。
前記目的を達成するための請求項1記載の本発明は、トピードカーの炉体鉄皮内側にライニングされた高温の耐火物壁を修理するために冷却する方法において、前記トピードカーの炉口に排気用煙突を着脱可能にセットすると共にこの排気用煙突を介してエアー吹き込み用チューブをトピードカーの内部に挿入し、エアー吹き込み用チューブの炉内部をL型に曲げて耐火物壁に臨ませ、このエアー吹き込み用チューブに冷却用空気を供給して当該エアー吹き込み用チューブの炉内部分に設けた多数の吹き出し口から耐火物壁の全面に向け吹きつける一方、前記耐火物壁を冷却した炉内の雰囲気ガスを排気用煙突のドラフト力により排気用煙突を介して炉外に排気しつつ冷却することを特徴とするトピードカーの耐火物壁冷却方法である。
【0007】
請求項2記載の本発明は、排気用煙突のドラフト力に代えて、排気用煙突の出口部分に設けた排気用ファンを用いて炉内の雰囲気ガスをファン吸引力により排気用煙突を介して炉外に排気することを特徴とする請求項1記載のトピードカーの耐火物壁冷却方法である。
請求項3記載の本発明は、エアー吹き込み用チューブの炉内部分に設けた多数の吹き出し口にそれぞれスプレーノズルを取り付け、冷却初期にはこのスプレーノズルから冷却用ミストを耐火物壁に向け吹き付け、次にこのスプレーノズルを前記吹き出し口に切り換え、当該吹き出し口から冷却用空気を吹き付けて冷却することを特徴とする請求項1または2記載のトピードカーの耐火物壁冷却方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明では、トピードカーの炉体内に常温の冷却用空気を絶えず吹き込んで耐火物壁を冷却すると共に、炉口部にセットした排気用煙突からドラフト力により炉内の雰囲気ガスを排気するので排気能力が高まり、耐火物壁の冷却能力がアップするため冷却所要時間が短くなる。また、排気用煙突に設けた排気用ファンの排気力により炉内の雰囲気ガスを排気すれば、排気能力をより高めることができる。さらに、冷却初期にのみ多数の吹き出し口に取り付けたスプレーノズルから冷却用ミストを吹き付ければ、耐火物壁を水で濡らすことなく冷却能力を高めることができる。
【0009】
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、高炉で製造した溶銑を転炉に搬送するトピードカー1は、炉体鉄皮2の内側に耐火物壁3でライニングされた構造であり、車輪5を介してレール6上を走行する台車4にトラニオン軸受け8により傾転自在に支持されている。
【0010】
本発明では、修理のため修理場に移送されたトピードカー1の炉口7に排気用煙突9を着脱可能にセットすると共にこの排気用煙突9を介して2本のエアー吹き込み用チューブ10をトピードカー1の内部に挿入し、エアー吹き込み用チューブ10の炉内部をL型に曲げて耐火物壁3に臨ませる。エアー吹き込み用チューブ10の炉内部には吹き出し口11が多数設けてあり、これら吹き出し口11は耐火物壁3の全面に対向するように配設されている。
【0011】
トピードカー1の耐火物壁3を冷却する際には、2本のエアー吹き込み用チューブ10に常温の冷却用空気を供給し、多数の吹き出し口11から冷却用空気を耐火物壁3の全面に向けて吹き付け冷却を行う。このようにして耐火物壁3を冷却しながら炉内の雰囲気ガスを排気用煙突9のドラフト力により排気用煙突9を介して炉外に迅速に排気する。この時、多数の吹き出し口11から吹き出した空気は、耐火物壁3の冷却により加熱された炉内の雰囲気ガスとなり、排気用煙突9のドラフト力により炉内雰囲気ガスは強制的に排出されるので、排気能力が高まり冷却効率が向上することになる。
【0012】
このようなトピードカー1の耐火物壁3に対する冷却作業は、炉内に作業員が入って耐火物壁3の解体や修理を行うことができる目安となる炉内の温度が60℃になるまで継続する。
図2は、本発明の他の実施態様を示しており、排気用煙突9の出口部に排気用ファン12を設けた場合を示している。その他の構成は図1と同様である。この場合にも、2本のエアー吹き込み用チューブ10に常温の冷却用空気を供給し、多数の吹き出し口11から冷却用空気を耐火物壁3の全面に向けて吹き付けて冷却しながら、炉内の雰囲気ガスを排気用ファン12の強力なファン吸引力により排気用煙突9を介して炉外に排出する。このため炉内雰囲気ガスはより強力に吸引されるので、排気能力が一層高まりさらに冷却能力が高まることになる。
【0013】
なお、エアー吹き込み用チューブ10に設けた多数の吹き出し口11にそれぞれスプレーノズル(図示せず)を連続的に切り換え自在に取り付け、冷却初期にはスプレーノズルから冷却用ミストを耐火物壁3に向けて吹き付けて水ミストにより冷却を強化する。そして水ミストにより耐火物壁3が濡れるようになる前にスプレーノズルを吹き出し口11に切り換え、引き続いて吹き出し口11から冷却用空気を吹き付けるようにすれば冷却能力を向上させることができ、冷却時間の短縮が達成される。
【0014】
【実施例】
排気用煙突9としてトピードカー1の炉口7に合わせて寸法が長径2000×短径1000×高さ5000mmとしたものを用い、その出口部に排気用ファン12を配備して炉口にセットした。排気用煙突9を介して、吹き出し口11にスプレーノズルを取り付けてあるエアー吹き込み用チューブ10をトピードカー1の内部に挿入し、冷却初期にこのエアー吹き込み用チューブ10に冷却用ミストを供給しスプレーノズルから耐火物壁3に水ミストを吹き付けて12時間冷却した。次にスプレーノズルを吹き出し口11に切り換え、吹き出し口11から常温の冷却空気を耐火物壁3に向けて吹き付け36時間冷却した。この冷却中に炉内の雰囲気ガスを排気用ファン12によって吸引し排気用煙突9を介して強制的に排気した。本発明法では、合計冷却時間48時間で炉内を60℃まで冷却することができた。
【0015】
排気用煙突9を用いない従来法による場合、エアー吹き込み用チューブ10にまず冷却用ミストを供給しスプレーノズルから耐火物壁3に水ミストを吹き付けて16時間冷却した。次にスプレーノズルを吹き出し口11に切り換えて吹き出し口11から常温の冷却用空気を耐火物壁3に向けて吹き付け8時間冷却した。さらに自然冷却を48時間継続した。この冷却中に炉内の雰囲気ガスは、トピードカー1の炉口7から自然放出により排出された。従来法では、合計冷却時間72時間で炉内を60℃まで冷却することができた。
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば、トピードカーの炉内に挿入されたエアー吹き込み用チューブから供給された冷却用空気や冷却用ミストは、トピードカーの耐火物壁を冷却した後、炉内の雰囲気ガスは排気用煙突のドラフト力や排気用ファンの吸引力により滞留することなく排気用煙突を介して強制的に排出されるので炉内耐火物壁の冷却能力を大幅に高めることができる。このため、トピードカーの耐火物壁を修理するための期間を短縮することが可能となり、トピードカーの使用回転率を高めることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトピードカーの耐火物壁冷却状態を示す縦断面図である。
【図2】本発明に係るトピードカーの耐火物壁冷却状態の他の態様を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 トピードカー
2 炉体鉄皮
3 耐火物壁
4 台車
5 車輪
6 レール
7 炉口
8 トラニオン軸受け
9 排気用煙突
10 エアー吹き込み用チューブ
11 吹き出し口
12 排気用ファン
Claims (3)
- トピードカーの炉体鉄皮内側にライニングされた高温の耐火物壁を修理するために冷却する方法において、前記トピードカーの炉口に排気用煙突を着脱可能にセットすると共にこの排気用煙突を介してエアー吹き込み用チューブをトピードカーの内部に挿入し、エアー吹き込み用チューブの炉内部をL型に曲げて耐火物壁に臨ませ、このエアー吹き込み用チューブに冷却用空気を供給して当該エアー吹き込み用チューブの炉内部分に設けた多数の吹き出し口から耐火物壁の全面に向け吹き付ける一方、前記耐火物壁を冷却した炉内の雰囲気ガスを排気用煙突のドラフト力により排気用煙突を介して炉外に排気しつつ冷却することを特徴とするトピードカーの耐火物壁冷却方法。
- 排気用煙突のドラフト力に代えて、排気用煙突の出口部分に設けた排気用ファンを用いて炉内の雰囲気ガスをファン吸引力により排気用煙突を介して炉外に排気することを特徴とする請求項1記載のトピードカーの耐火物壁冷却方法。
- エアー吹き込み用チューブの炉内部分に設けた多数の吹き出し口にそれぞれスプレーノズルを取り付け、冷却初期にはこのスプレーノズルから冷却用ミストを耐火物壁に向け吹き付け、次にこのスプレーノズルを前記吹き出し口に切り換え、当該吹き出し口から冷却用空気を吹き付けて冷却することを特徴とする請求項1または2記載のトピードカーの耐火物壁冷却方法。
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JP31197095A JP3687158B2 (ja) | 1995-11-30 | 1995-11-30 | トピードカーの耐火物壁冷却方法 |
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JPH09157723A JPH09157723A (ja) | 1997-06-17 |
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Family Applications (1)
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Country | Link |
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Families Citing this family (1)
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-
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