JP3686841B2 - 洗濯乾燥機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗濯乾燥機に関する。
【0002】
【従来の技術】
外枠内に外槽を防振機構を介して設置し、この外槽内に洗濯兼脱水槽と撹拌翼設けた電気洗濯機において、脱水工程後に洗濯兼脱水槽内に空気を循環させて該洗濯兼脱水槽内の洗濯物を乾燥させるように構成した洗濯乾燥機が提案されている。
【0003】
この洗濯乾燥機は、外枠の上部に循環ファンと加熱手段(ヒータ)を設置し、外槽の下部に形成した吸い込み口から吸い込んた空気を前記循環ファンに導く風路において冷却除湿し、ヒータで加熱した後に吹き出し口から洗濯兼脱水槽の上部開口に吹き込む構成である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の洗濯乾燥機は、洗濯,脱水および乾燥工程において、外槽が振動(揺動)して外枠との相対位置関係が変動することから、循環風路は、吸い込み口および吹き出し口に対して振動吸収部材(ゴムの蛇腹ホース)を介して接続する構成であり、温風に曝されたゴムや蛇腹内に堆積した糸屑などから異臭が発生する。
【0005】
また、枠体の上部に設置した循環ファンは、洗濯乾燥機の背丈を高めることになり、洗濯乾燥機自体が大型化して価格が大幅に増加すると共に、梱包や輸送の費用が増加する。
【0006】
本発明の1つの目的は、循環空気の熱によって発生する異臭を軽減することができる洗濯乾燥機を提案することにある。
【0007】
本発明の更に他の目的は、洗濯乾燥機の背丈の増加を防止することにある。
【0008】
本発明の更に他の目的は、循環風路における冷却除湿効果を高めることにより、乾燥効率の良い洗濯乾燥機を提案することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、外槽の下部に設けた吸い出し口から該外槽の後側と後枠板の間に位置して伸びる循環風路の途中に冷却除湿手段と循環ファンと加熱ヒータを設け、前記循環風路の吹き込み口部を前記外槽内の洗濯兼脱水槽の上部開口に臨んで開口するように設置することにより、前記外槽から吸い出して循環風路内で冷却除湿した循環空気を加熱した後に前記外槽内の洗濯兼脱水槽内に吹き込むように構成した洗濯乾燥機において、
前記循環風路は、外槽の下部の吸い出し口から該外槽の後側に沿って上方向に伸びる上昇風路部と、この上昇風路部の上部から下方向に折り返して伸びて前記外槽の下側に設置された循環ファンの吸い込み口に接続される下降風路部と、この循環ファンの吐出口から上方向に前記吹き込み口部まで伸びる吹き出し風路部とを備え、
この循環風路における前記上昇風路部内に冷却除湿手段を設けて循環空気を冷却除湿し、前記吹き込み口部内に設けた加熱ヒータによって循環空気を加熱してその吹き込み口から前記洗濯兼脱水槽内に吹き込むように構成したことを特徴とし、更に具体的には、
前記吹き込み口から洗濯兼脱水槽内への循環空気の吹き込みは、洗濯兼脱水槽の内壁面付近に向けて該洗濯兼脱水槽の回転方向に対して逆向きに吹き込むようにしたことを特徴とし、
外槽の下部の吸い出し口から上方に伸びる前記循環風路における上昇風路部を外槽の後側の後枠板の最も近付く部位に位置するように配置し、その風路の断面形状を横幅広の略長方形に形成したことを特徴とし、
前記循環風路の上部の折り返し部に糸屑フィルタを挿脱可能に装着したことを特徴とし、
前記循環風路の上部の折り返し部を洗濯工程における洗濯水位よりも高い位置に設けたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明になる洗濯乾燥機の一実施の形態を示す模式図である。
【0012】
この実施の形態における洗濯乾燥機は、四角筒状の外枠1の内側に有底円筒状の外槽2を防振機構(図示省略)によって懸垂するように支持し、この外槽2の内側には、側壁に多数の脱水穴3aを形成した有底円筒状の洗濯兼脱水槽3と攪拌翼4を設け、外槽2の下側に設置した回転駆動装置5によって攪拌翼4を繰り返し正転および逆転させる。脱水穴3aは、後述する循環空気の吹き抜けを防止して洗濯物の乾燥を効率的に行うために、洗濯兼脱水槽3の側壁の下部領域に設け、中間部領域と上部領域は省略するか少なくすると良い。また、攪拌翼4には、通気穴4aを設ける。外槽2の底部は、排水電磁弁6を介して排水パイプ7に接続する。
【0013】
外枠1の上部開口1aはヒンジ8aによって外枠1に取り付けた外蓋8によって開閉し、外槽2の上部開口2aは、ヒンジ9aによって外槽2に取り付けた内蓋9によって開閉する。
【0014】
そして、この洗濯乾燥機は、外蓋8および内蓋9を開放して洗濯兼脱水槽3内に洗濯物を投入し、内蓋9および外蓋8を閉じ、外槽2内に給水電磁弁(図示省略)によって給水して回転駆動装置5を運転して攪拌翼4を繰り返し正転および逆転させることによって洗濯物を攪拌して洗濯し、排水電磁弁6を開いて排水し、洗濯兼脱水槽3を高速回転させることによって脱水する。
【0015】
外槽2内の乾燥空気を循環させて循環空気を生成する循環風路は、外槽2の側壁の下部に設けた吸い出し口2bと、この吸い出し口2bに接続されて該吸い出し口2bから上方に向かって伸びて洗濯水の進入を止める上昇風路部(部材)10と、洗濯工程における外槽2の水位よりも高い位置に設置されて前記上昇上昇風路部10を上昇してきた循環空気を折り返す上部折り返し部(部材)11と、この上部折り返し部11から外槽2の下側に向かって伸びる下降風路部(部材)12と、外槽2の下側の空間に配置されて前記下降風路部12から循環空気を吸い込む循環ファン13と、この循環ファン13の吐出口から外槽2の上部開口に向かって伸びる吹き出し風路部(部材)14と、この吹き出し風路部14の上部に接続されて循環空気を外槽2の上部開口2aから洗濯兼脱水槽2内に吹き込む吹き込み口部(部材)15を備える。この循環風路における上昇風路部10は、洗濯工程における外槽2内の洗濯水が循環ファン13に進入するのを止めるように機能する。また、循環ファン13と該循環ファン13に対する風路部材の接続部は、循環風路における下部折り返し部を構成する。
【0016】
この循環風路は、上昇風路部10内の上部に冷却散水部16を備え、上部折り返し部11内に糸屑フィルタ17を備え、吹き込み口部15内に加熱ヒータ(PTCヒータ)18を備える。
【0017】
これらの各循環風路部材は、外槽2の後側に位置させて該外槽2の側壁に取り付けて実装する。
【0018】
そして、これらの循環風路部材は、洗濯後に電磁排水弁6を開いて外槽2内の洗濯水を排水し、洗濯兼脱水槽3を高速回転させて脱水した後に低速回転(50〜200rpm)させた状態で、循環ファン13を運転することによって、外槽2および洗濯兼脱水槽3内の空気を吸い出し口2bから吸い込み、上昇風路部10内を上昇する過程において冷却散水部16から該上昇風路部10内に供給される冷却水によって冷却除湿し、上部折り返し部11内の糸屑フィルタ17によって糸屑を捕集する。上昇風路部10内に供給された冷却水は、この上昇風路部10内の内壁面に沿って該内壁面を流下しながら該内壁面および循環空気を冷却し、外槽2内に流入した後に電磁排水弁6を通して排水する。その後、冷却除湿した空気は、下降風路部12を通して循環ファン13に吸い込み、この循環ファン13から吹き出し風路部14を通して吹き込み口部15に送り込み、加熱ヒータ18によって加熱して洗濯兼脱水槽3内の内壁面付近にむけて該洗濯兼脱水槽3の回転方向に対して逆向きに吹き込むことにより循環させながら、前記上昇風路部10内において冷却除湿することによって洗濯物を乾燥させる。
【0019】
図2〜図5は、前述した洗濯乾燥機の具体的な構成を示すもので、図2は洗濯乾燥機の縦断側面図、図3は外枠の後枠板を切り欠いて循環風路部を示す洗濯乾燥機の背面図、図4は、上カバーを外して外槽と循環風路部を示す洗濯乾燥機の上面図、図5は洗濯乾燥機の下面図である。図1の説明と重複する説明は省略する。
【0020】
回転駆動装置5は、可逆型の駆動電動機5aと電磁操作クラッチ5bと減速機構5cと中心出力軸5dと外側出力軸5eを備え、電磁操作クラッチ5bを断モードとすることによって駆動電動機5aの回転力を減速機構5cと中心出力軸5dを介して攪拌翼4に伝達して該攪拌翼4を正逆回転させ、電磁操作クラッチ5bを続モードとすることによって駆動電動機5aの回転力を外側出力軸5eを介して外槽2に伝達して該外槽2を高速回転させて脱水する構成である。
【0021】
循環風路における上昇風路部(部材)10は、円筒状の外槽2の最後位部、すなわち、外枠1の後枠板1bに最も近付く部位に位置するように外槽2に沿わせて該外槽2の側壁に取り付ける。この上昇風路部10は、外槽2と後枠板1bの間の狭隘な空間に配置するために好適なように、奥行きを狭くし、横幅を広げた長方形の風路断面形状に形成する。このように幅広の略長方形の風路断面形状の上昇風路部10は、壁面が広くなるので循環空気冷却壁面が増加することから循環空気の冷却除湿に好適である。
【0022】
下降風路部(部材)12は、前記上昇風路部(部材)10の横隣に位置するように該上昇風路部10の側面に沿わせて外槽2の側壁に取り付ける。この位置は、外槽2の湾曲によって後枠板1aから離れるので、風路断面形状は、奥行きを広げて幅を狭くした略正方形状に形成することにより、循環風路の横幅の広がりを抑制するように構成する。
【0023】
吹き出し風路部(部材)14は、前記上昇風路部(部材)10の反対側の横隣に位置するように該上昇風路部10の側面に沿わせて外槽2の側壁に取り付ける。この位置は、外槽2の湾曲によって後枠板1aから離れるので、風路断面形状は、奥行きを広げて幅を狭くした略正方形状に形成することにより、循環風路の横幅の広がりを抑制するように構成する。
【0024】
このように外槽2の後側の側壁に沿って沿って該側壁に取り付けた循環風路部材10,12,14は、後側の側壁を後枠板1bの内側に一定の間隔で沿った直線形状に形成し、前側の側壁を外槽2の円筒状の外壁面に沿った湾曲形状に形成する。
【0025】
上昇風路部材10と下降風路部材12の上端部を連通させる上部折り返し部材11は、外槽2の上面の後部に位置させ、糸屑フィルタ17を外枠1の上部開口1aから水平方向に挿脱可能に収納する。
【0026】
また、吹き込み口部15は、外槽2の上面の後部に伸び、加熱ヒータ18を内蔵し、加熱した循環空気を洗濯兼脱水槽3の回転方向に対して逆方向に向け、且つ該洗濯兼脱水槽3内の上部の脱水穴3aを省略した(少ない)部分の内側に向けて吹き込むように開口させる。
【0027】
循環ファン13は、遠心羽根車13aと該遠心羽根車13aを回転させる駆動電動機13bを備え、外槽2の底部の下側に取り付けることによって、外枠1内において外槽2の下側に形成される空間に前記駆動装置5と並べるように配置する。下降風路部材12は、下端部が内側に折れ曲がって前記遠心羽根車13aの吸い込み口13cに対向するように開口させる。この下降風路部材12の下端部にはドレン排出口12aを設ける。そして、遠心羽根車13aの外周に対向する吐出口13dに吹き出し風路部材14の下端を接続する。
【0028】
このように構成した洗濯乾燥機は、外槽2および洗濯兼脱水槽3内の空気を循環させる循環風路を構成する部材10,11,12,13,14,15を外槽2に取り付けて実装しているので、その途中に蛇腹ホースのような振動吸収部材を介在させる必要性がなくなり、循環空気の熱による異臭の発生を軽減することができる。
【0029】
また、吹き込み口部15から洗濯兼脱水槽3内への循環空気の吹き込みは、洗濯兼脱水槽3内の脱水穴3aを省略した上部領域の内壁面付近に向けて該洗濯兼脱水槽3の回転方向に対して逆向きに吹き込むようにしたので、循環空気の吹き抜けを軽減して乾燥効率を高めることができる。
【0030】
更に、嵩張る循環ファン13を外槽2の下側に形成される空間内に設置するようにしたので、乾燥洗濯機の背丈の増加を抑制することができ、洗濯乾燥機自体の大型化による価格の増加を軽減すると共に、梱包や輸送の費用の増加を軽減することができる。
【0031】
更に、循環風路を構成する上昇風路部10と下降風路部12と吹き出し風路部14を外槽2の後側と枠体1の後枠板1bの間の空間に合理的に配置したことにより、上昇風路部10における冷却除湿効果を高めることができる。
【0032】
更に、この上昇風路部10内に冷却水を供給して冷却する水冷方式においては、冷却水を外槽2と排水電磁弁6を通して排水することができるので、冷却水の排水処理が容易となり、室内への放熱も低減することができる。
【0033】
更に、糸屑フィルタ17は、外槽2の上部に位置させて設けた上部折り返し部11に外枠1の上部開口1aから挿脱自在に装着したことから、取り扱いが容易である。
【0034】
また、この循環風路の上部折り返し部11を洗濯工程における洗濯水位よりも高い位置に設けたことにより、洗濯水が循環ファン13に流入するのを防止することができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、循環空気の熱によって発生する異臭を軽減することができ、洗濯乾燥機の背丈の増加を防止することができ、循環風路における冷却除湿効果を高めることにより、乾燥効率の良い洗濯乾燥機を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる洗濯乾燥機の一実施の形態を示す模式図である。
【図2】本発明になる洗濯乾燥機の縦断側面図である。
【図3】図2に示した洗濯乾燥機の外枠の後枠板を切り欠いて循環風路部を示す背面図である。
【図4】図2に示した洗濯乾燥機の上カバーを外して外槽と循環風路部を示す洗濯乾燥機の上面図である。
【図5】図2に示した洗濯乾燥機の下面図である。
【符号の説明】
1…外枠、1a…上部開口、2…外槽、2a…上部開口、2b…吸いだし口、3…洗濯兼脱水槽、3a…脱水穴、4…攪拌翼、5…回転駆動装置、6…排水電磁弁、10…上昇風路部(部材)、11…上部折り返し部(部材)、12…下降風路部(部材)、13…循環ファン、14…吹き出し風路部(部材)、15…吹き出し口部(部材)、16…冷却散水部、17…糸屑フィルタ、18…加熱ヒータ。
Claims (5)
- 外槽の下部に設けた吸い出し口から該外槽の後側と後枠板の間に位置して伸びる循環風路の途中に冷却除湿手段と循環ファンと加熱ヒータを設け、前記循環風路の吹き込み口部を前記外槽内の洗濯兼脱水槽の上部開口に臨んで開口するように設置することにより、前記外槽から吸い出して循環風路内で冷却除湿した循環空気を加熱した後に前記外槽内の洗濯兼脱水槽内に吹き込むように構成した洗濯乾燥機において、
前記循環風路は、外槽の下部の吸い出し口から該外槽の後側に沿って上方向に伸びる上昇風路部と、この上昇風路部の上部から下方向に折り返して伸びて前記外槽の下側に設置された循環ファンの吸い込み口に接続される下降風路部と、この循環ファンの吐出口から上方向に前記吹き込み口部まで伸びる吹き出し風路部とを備え、
この循環風路における前記上昇風路部内に冷却除湿手段を設けて循環空気を冷却除湿し、前記吹き込み口部内に設けた加熱ヒータによって循環空気を加熱してその吹き込み口から前記洗濯兼脱水槽内に吹き込むように構成したことを特徴とする洗濯乾燥機。 - 請求項1において、前記吹き込み口部から洗濯兼脱水槽内への循環空気の吹き込みは、洗濯兼脱水槽の内壁面付近に向けて該洗濯兼脱水槽の回転方向に対して逆向きに吹き込むようにしたことを特徴とする洗濯乾燥機。
- 請求項1において、外槽の下部の吸い出し口から上方に伸びる前記循環風路における上昇風路部を外槽の後側の後枠板の最も近付く部位に位置するように配置し、その風路の断面形状を横幅広の略長方形に形成したことを特徴とする洗濯乾燥機。
- 請求項1において、前記循環風路の上部の折り返し部に糸屑フィルタを挿脱可能に装着したことを特徴とする洗濯乾燥機。
- 請求項1において、前記循環風路の上部の折り返し部を洗濯工程における洗濯水位よりも高い位置に設けたことを特徴とする洗濯乾燥機。
Priority Applications (1)
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JP2001099384A JP3686841B2 (ja) | 2001-03-30 | 2001-03-30 | 洗濯乾燥機 |
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JP2001099384A Expired - Lifetime JP3686841B2 (ja) | 2001-03-30 | 2001-03-30 | 洗濯乾燥機 |
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-
2001
- 2001-03-30 JP JP2001099384A patent/JP3686841B2/ja not_active Expired - Lifetime
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