JP3686766B2 - 偏心コレット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フライス盤、旋盤加工においてミーリングチャックを介して切削工具を保持する際に用いるコレットに関し、特に、スローアウェイドリル又はボーリング工具用の偏心コレットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、特にフライス盤加工において、機械の主軸に取付けるアーバーの先端にコレット又はスリーブに組み合わされた切削工具を保持する機構が用いられている。
【0003】
また最近では、旋盤加工の領域でも偏心スリーブにより芯高調整できるようにした切削工具の保持機構が用いられるようになってきた。
【0004】
上記コレットやスリーブを用いる目的は、異なるシャンク径の工具を同一のアーバーに取りつけることを可能とすることであり、したがって、肉厚の異なるものを幾つも準備して用いる。通常、コレットやスリーブは円筒体から構成され、円周面に開口を設け側面からのボルトにより切削工具を保持するサイドロック方式のスリーブや、円周面の軸方向に延びるスリットを設け、ミーリングチャックによる締付でもって内径を小さくし、切削工具を締着保持するミーリングチャック方式のコレットがあった。
【0005】
ところで、内径加工においては加工量の調整のための偏心(フライス盤加工)や芯高調整(旋盤加工)をする場合があり、従来より様々な機構が採用されてきた。例えば、複雑な偏心機構を備えた従来のファインボーリングヘッドの場合、微調整は可能であるが高価であるため使用分野が限定されていた。これに対して、偏心スリーブでは側面方向からのボルト止めの可能な構造にしか用いることができず、フライス加工のような工具回転方式でよく使用されるミーリングチャック付のアーバーには、弾性変形不能により(スリットを備えていない)使用不可であった。
【0006】
なお、スローアウェイドリルをミーリングチャック付のアーバーにて用いる場合には、偏心させて加工するという考えがなく、後工程でエンドミルにより円弧補正を行うことにより加工径を調整することが行われてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はミーリングチャック付のアーバーを用いる構造においても切削工具の把持力が安定し、且つ、簡単に加工径調整ができ、しかも、旋盤加工にも用いることができるようシャンクにフラット面を有するスローアウェイドリルやエンドミルによる加工において、液漏れなく刃先への切削油の供給が可能とすることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明は、軸方向の先端に切刃を有し、該切刃と略平行になるように形成されたフラット面をシャンクの側面の一部に有する切削工具を、該切削工具のシャンクを嵌合穴内に挿入すべく前端にフランジを備えた円筒体をなし且つ機械の主軸に係合するアーバーのミリングチャックにて上記切削工具を締着可能とするべく前端から延びる2個のスリットと後端から延びる2個のスリットをそれぞれ円周方向90°毎交互に穿設し、外径の中心軸に対して内径の中心軸が偏心したコレットに取り付ける際の切削工具の取付構造であって、前記コレットおよび該コレットに取り付けられた前記切削工具を先端側から見て、前記前端から延びる2個のスリットの位置が水平になるように配置したとき、前記切刃が前記内径の中心軸の偏心方向に対して時計回りに0〜90度の範囲に配設され、かつ、前記フラット面が前記偏心方向に対して反時計回りに0〜90度の範囲に配設されるか、又は前記切刃が前記内径の中心軸の偏心方向に対して反時計回りに0〜90度の範囲に配設され、かつ、前記フラット面が前記偏心方向に対して時計回りに0〜90度の範囲に配設されており、さらに、前端から延びる2個のスリットが、前記シャンクの側面のうち、フラット面以外の側面と対向していることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図により説明する。
【0010】
図1は、スローアウェイドリルとしての切削工具2のシャンク2aを嵌合穴1d内に組み合わせた偏心コレット1と該偏心コレット1を締着するミーリングチャック3付のアーバー4を示す斜視図であり、該アーバー4は不図示の機械主軸に取りつられる。
【0011】
上記偏心コレット1は円筒体をなし、円筒体の前端にフランジ1aを備えるとともに、前端から延び長さAを有するスリット1bと後端から延び長さBを有するスリット1cが穿設されてなる。アーバー4のミーリングチャック3内にこの偏心コレット1を挿入し、前記ミーリングチャック3を締めつけると、偏心コレット1は前記スリット1b、1cにより内径縮小し、その結果、切削工具2を把持するよう構成されている。
【0012】
なお、図1に示すスリット1a、1bのそれぞれの長さA、BとしてはA>1.1Bの関係を充たすことが好ましい。A≦1.1Bとなるよう設定してしまうと、切削工具2の挿入がスムーズに行かず、作業性が悪くなるという問題がある。
【0013】
また、前記切削工具2は、スローアウェイチップ5の切刃5aと水平にフラット面2bが形成されており、多くのスローアウェイドリルがそのような構成で、且つ、後述する基準点を上記フラット面2bの中心軸上に設けた構造となっている。
【0014】
図2は、前記偏心コレット1を単独で示す斜視図で、(a)は前側からの斜視図であり、(b)が後側からの斜視図である。同図に示すように前端から延びるスリット1bと後端から延びるスリット1cとが円周方向交互に、各2個、計4個のスリット1b、1cが円周方向90°毎に設けられている。このようにスリットを前後交互に設けることにより切削工具2のシャンク2aの長手方向に沿ってほぼ均一な把持力を作用させ、切削工具2を安定的、強固に把持することができる。
【0015】
図3は、前記偏心コレット1を前端側(先端側)から見て、前端から延びる2個のスリットの位置が水平になるように配置したときの前面図である。同図に示すように偏心コレット1は外径の中心軸C1に対して内径の中心軸C2がXの方向(偏心方向X)に偏心している。また、前端に開口する2個のスリット1bは互いに水平配置となっているが、前記偏心方向Xに垂直な方向Yに対して傾きがα°となるように配置されている。
【0016】
そして、図4(a)に示す基準位置、すなわち切削工具2の基準点Dを偏心方向Xに合致せしめた状態の加工径を基準とし、切削工具2に対して偏心コレット1を右に回すと加工径が増大していき(同図(b))、左に回すと減少してゆく(同図(c))構成である。
【0017】
また、前記フランジ1a上に設けた不図示の調整目盛りを目安にして所定量の偏心を得る。これにより加工径を微調整し、その上で、前記ミーリングチャック3を締付ることにより所定の加工径による加工を可能とした。
【0019】
切削油を切削工具2の切刃に供給するためには、切削工具2の後端面から切削油を取り入れ、内部の油供給路を経由させて切刃に切削油を供給する。この時、スリット1bがシャンク2bの円周面により塞がれている場合は油漏れなく、切削油を切削工具2内に取り込むことができる。なお、このフラット面2bは、切削工具2を通常の旋盤に用いる際の取付用に設けられているものである。
【0020】
ところが、図4のように切削工具2に対して偏心コレット1を回動させた時に、スリット1bとフラット面2bが重なってしまうと油漏れが起こり、切削油の供給に不具合が生じてしまうので、スリット1bと前記切削工具2のフラット面2bが重ならないようにすることが肝要である。そのことに留意しながらスリット1bの配置を考えなければならない。
【0021】
そこで切削工具2に対する偏心コレット1の回動領域を検討する。基準(図4(a))に対して加工径を減ずる場合(図4(c))については、加工径の減少量が切刃の側方突出分を越えてしまうと、切削工具2と加工穴壁の干渉が生じてしまう。これに対して、基準(図4(a))に対して加工径を増大させる場合(同図(b))については、このような干渉による制限がない。したがって、加工径調整可能量は、基準に対して加工径が減少するように偏心方向と切刃の配置とを設定した場合の加工径の調整可能範囲より、加工径が増大するように偏心方向と切刃の配置とを設定した場合の加工径の調整可能範囲の方が大である。したがって、油漏れが起こらない範囲、すなわち前端から延びる2個のスリットが、フラット面と対向しないような範囲で最大限、加工径増大の方向の調整可能範囲を大きくする。
【0022】
なお、前記切削工具2としてスローアウェイチップ5の切刃5aとフラット面2bが水平に形成されてない場合には、フラット面2bに対してスリット1bを前記傾きα°で配置することで同様の作用、効果を達することができる。
【0023】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、前端にフランジを備え且つ外径の中心軸に対して内径の中心軸を偏心させた円筒体に、前端から延びる2個のスリットと後端から延びる2個のスリットをそれぞれ円周方向90°毎交互に穿設してなるようコレットを構成したので、ミーリングチャック付のアーバーを用いる構造において、切削工具の把持力が安定するとともに簡単に加工径の調整ができる。
【0024】
また、切刃が内径の中心軸の偏心方向に対して時計回りに0〜90度の範囲に配設され、かつ、フラット面が偏心方向に対して反時計回りに0〜90度の範囲に配設され、しかも前端から延びる2個のスリットが、シャンクの側面のうち、フラット面以外の側面と対向するように配置することで、加工径が増大する方向で、加工径の調整可能範囲が可級的最大となる。しかも、シャンクにフラット面を有するスローアウェイドリルやエンドミルによる加工において、刃先へ供給する切削油が液漏れするのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の偏心コレットの実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の偏心コレットを単独で示す斜視図で、(a)は前側からの斜視図であり、(b)が後側からの斜視図である。
【図3】上記偏心コレットの前面図である。
【図4】(a)〜(c)は上記偏心コレットの作用を説明するための前面図であり、それぞれ(a)は基準位置、(b)は偏心コレットを基準から右方向に回した状態で(c)は左に回した状態を示す。
【符号の説明】
1 偏心コレット
1a フランジ
1b スリット
1c スリット
2 切削工具
2b フラット面
3 ミーリングチャック
4 アーバー
5 スローアウェイチップ
5a 切刃
Claims (1)
- 軸方向の先端に切刃を有し、該切刃と略平行になるように形成されたフラット面をシャンクの側面の一部に有する切削工具を、
該切削工具のシャンクを嵌合穴内に挿入すべく前端にフランジを備えた円筒体をなし且つ機械の主軸に係合するアーバーのミリングチャックにて上記切削工具を締着可能とするべく前端から延びる2個のスリットと後端から延びる2個のスリットをそれぞれ円周方向90°毎交互に穿設し、外径の中心軸に対して内径の中心軸が偏心したコレットに取り付ける際の切削工具の取付構造であって、
前記コレットおよび該コレットに取り付けられた前記切削工具を先端側から見て、前記前端から延びる2個のスリットの位置が水平になるように配置したとき、
前記切刃が前記内径の中心軸の偏心方向に対して時計回りに0〜90度の範囲に配設され、かつ、前記フラット面が前記偏心方向に対して反時計回りに0〜90度の範囲に配設されるか、又は前記切刃が前記内径の中心軸の偏心方向に対して反時計回りに0〜90度の範囲に配設され、かつ、前記フラット面が前記偏心方向に対して時計回りに0〜90度の範囲に配設されており、
さらに、前端から延びる2個のスリットが、前記シャンクの側面のうち、フラット面以外の側面と対向していることを特徴とする切削工具の取付構造。
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