JP3686458B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置に関し、さらに詳しくは、印字ヘッドに充填されているインク等の液状体を他のインク等の液状体と入れ替えすることができるようにしたインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置は、印字ヘッドのノズルからインク滴を吐出して記録用紙等に印字するようにしたものである。この印字ヘッドは、例えば、図7に示す要部断面図のように、一面に多数のノズル130が配列形成されると共に、各ノズル130は上流側の加圧室131を介して共通液室132に連通されて構成されている。加圧室131の外部には圧電素子133が配設され、共通液室132の両端には外部に連通する第1の液連通部134と第2の液連通部135とが形成されている。
【0003】
このように構成された印字ヘッドへのインクの充填(いわゆる初期充填)は、第1の液連通部134に設けられた外部流路136にインクタンク137が接続され、ノズル130や共通液室132等に生じる毛細管現象を利用したりして行なわれる。インクの充填された印字ヘッドは、駆動信号が与えられて圧電素子133が駆動されると、加圧室131の一部を構成している図示していない振動板が振動することによって加圧室131が加圧され、これによりノズル130からインク滴が吐出されて記録用紙等に所定の印字を行なう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、印字ヘッドへのインクの充填は、上記のようにノズル130や共通液室132等に生じる毛細管現象を利用したりして行なわれているため、必要以上に時間がかかることになる。また、ノズル130は径がきわめて小さいことから印字ヘッドに一旦充填したインクを外部に排出するには更に時間がかかることになる。従って、印字ヘッドに一旦インクを充填すると、そのインクを他のインク等の液状体と入れ替えることはきわめて困難となる。
【0005】
そのため、例えば、記録用紙への印字に適したインクとOHP用の合成樹脂製シートへの印字に適したインクとが互いに入れ替えられるようにされているときわめて便利であるにもかかわらず、そのようなインクジェット記録装置は従来存在していなかった。
【0006】
従って、本発明は、印字ヘッドに充填されているインク等の液状体を他のインク等の液状体と入れ替えすることができるようにしたインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、請求項1に係るインクジェット記録装置は、一面に多数のノズルが配列形成されると共に、その各ノズルが加圧室を介して共通液室に連通され、その共通液室の両端に外部に連通する第1及び第2の液連通部が形成されてなる印字ヘッドを備え、この印字ヘッドに充填されている液状体を他の液状体と入れ替えすることができるようにしたものであって、液状体を納めた複数の液タンクと、この複数の液タンクを第1の液連通部側に択一的に接続する切り替え手段と、前記印字ヘッドに充填されている液状体を第2の液連通部側から外部に排出する排出手段と、前記液タンクの液状体を第1の液連通部側から共通液室に充填する第1の充填手段と、この第1の充填手段により充填された共通液室の液状体をその共通液室側からノズルに充填する第2の充填手段と、前記各手段の動作を制御する制御手段と、前記印字ヘッドとの間で相対移動して前記ノズル面を気密状に覆うキャップとが設けられ、前記切り替え手段が前記第1の液連通部側の流路に接続された流路選択弁からなり、前記排出手段及び前記第1の充填手段が前記第2の液連通部側の流路に接続された第1の吸引ポンプからなり、前記第2の充填手段が前記キャップとこのキャップに接続された第2の吸引ポンプとからなり、前記制御手段が、前記流路選択弁を作動させて所定の液タンクを第1の液連通部側の流路に接続すると共に、前記ノズル面を前記キャップで気密状に覆った状態で前記第1の吸引ポンプを作動させ、それにより印字ヘッドに充填されている液状体を第2の液連通部側から外部に排出し、かつ、前記液タンクの液状体を第1の液連通部側から印字ヘッドに引き込んで共通液室に充填し、その後に前記第1の吸引ポンプの作動を停止させると共に、前記ノズル面を前記キャップで気密状に覆った状態で前記第2の吸引ポンプを作動させ、それにより共通液室に充填した液状体をその共通液室から流し込んでノズルに充填することを特徴としている。
【0008】
この請求項1に係るインクジェット記録装置では、第1の流路選択弁により第1の液連通部側の流路に接続される液タンクが切り替えられて印字ヘッドに所定の液状体が供給できるようにされ、ノズル面がキャップにより気密状に覆われた状態とされる。この状態で、第2の液連通部側の流路に接続された第1の吸引ポンプにより印字ヘッドに充填されている液状体が第2の液連結部側から外部に排出されると共に、第1の液連通部側から液タンクの液状体が印字ヘッドに引き込まれ、共通液室に充填される。
【0009】
ここで、ノズル面はキャップにより気密状に覆われているので、ノズル面側から余分な空気が吸入されず、印字ヘッドに充填されている液状体が第2の液連通部側から確実に外部に排出され、液タンクの液状体が確実に共通液室に充填されることになる。この共通液室に充填された液状体は、ノズル面を気密状に覆っているキャップ内の空気が第2の吸引ポンプにより吸引されることにより共通液室からノズル側に流し込まれ、そのノズルに充填される。ノズルに残留していた液状体は、新たな液状体がノズルに充填されることによりノズル面側から排出され、その結果、印字ヘッドには新たな液状体が充填されることになる。
【0010】
また、請求項2に係るインクジェット記録装置は、請求項1に係るものにおいて、前記キャップが、内底面に形成された貫通孔を介して連通する共通吸引孔を有し、この共通吸引孔内に設けられた弾性体により付勢されることで前記貫通孔を閉じると共に、この共通吸引孔内が負圧にされることで前記弾性体の付勢力に抗して前記貫通孔を開ける弁体を備えたものであり、前記第2の吸引ポンプが、前記キャップの共通吸引孔に接続されたものであって、前記制御手段が、前記ノズル面を前記キャップで気密状に覆った状態で前記第2の吸引ポンプを作動させ、それにより前記共通吸引孔内を負圧にすることで前記弁体を開き、前記共通液室に充填した液状体をその共通液室から流し込んでノズルに充填することを特徴としている。
【0011】
この請求項2に係るインクジェット記録装置では、第2の吸引ポンプが作動して共通吸引孔内が負圧にされることで弁体が弾性体の付勢力に抗して開くことになり、これにより 共通液室に充填した液状体がその共通液室からノズルに流れ込み、新たな液状体がノズルに充填されることになる
【0012】
また、請求項3に係るインクジェット記録装置は、一面に多数のノズルが配列形成されると共に、その各ノズルが加圧室を介して共通液室に連通され、その共通液室の両端に外部に連通する第1及び第2の液連通部が形成されてなる印字ヘッドを備え、この印字ヘッドに充填されている液状体を他の液状体と入れ替えすることができるようにしたものであって、液状体を納めた複数の液タンクと、この複数の液タンクを前記第1の液連通部側に択一的に接続する切り替え手段と、前記印字ヘッドに充填されている液状体を第2の液連通部側から外部に排出する排出手段と、前記液タンクの液状体を第1の液連通部側から共通液室に充填する第1の充填手段と、この第1の充填手段により充填された共通液室の液状体をその共通液室側からノズルに充填する第2の充填手段と、前記各手段の動作を制御する制御手段と、前記第2の液連通部側の流路に接続された正逆駆動可能なポンプとを有し、前記切り替え手段が、前記第1の液連通部側の流路に接続され、かつ、その流路を前記いずれの液タンクとも接続せずに閉じた状態にすることができるようにされた流路選択弁からなり、前記排出手段及び前記第1の充填手段が、正駆動する前記ポンプからなり、前記第2の充填手段が、逆駆動する前記ポンプからなり、前記制御手段が、前記流路選択弁を作動させて所定の液タンクを第1の液連通部側の流路に接続すると共に、前記ポンプを正駆動させ、それにより印字ヘッドに充填されている液状体を第2の液連通部側から外部に排出し、かつ、所定の液タンクの液状体を第1の液連通部側から印字ヘッドに引き込んで共通液室に充填し、その後に前記流路選択弁を作動させて第1の液連通部側の流路を閉じると共に、前記ポンプを逆駆動させ、それにより共通液室に充填した液状体をその共通液室に流し込んでノズルに充填することを特徴としている。
【0013】
この請求項3に係るインクジェット記録装置では、第1の流路選択弁により第1の液連通部側の流路に接続される液タンクが切り替えられて印字ヘッドに所定の液状体が供給できるようにされる。この状態で、第2の液連通部側の流路に接続された正逆駆動可能なポンプが正駆動されることにより印字ヘッドに充填されている液状体が第2の液連結部側から外部に排出されると共に、第1の液連通部側から液タンクの液状体が印字ヘッドに引き込まれ、共通液室に充填される。この共通液室に充填された液状体は、正逆駆動可能なポンプが逆駆動されることにより共通液室からノズル側に流し込まれ、そのノズルに充填される。ノズル内に残留していた液状体は新たな液状体がノズルに充填されることによりノズル面側から排出され、その結果、印字ヘッドには新たな液状体が充填されることになる。
【0014】
また、請求項4に係るインクジェット記録装置は、請求項に係るものにおいて、前記印字ヘッドとの間で相対移動して前記ノズル面を気密状に覆うキャップが設けられ、前記制御手段が、そのノズル面をキャップで気密状に覆った状態で前記ポンプを正駆動させ、それにより印字ヘッドに充填されている液状体を第2の液連通部側から外部に排出し、かつ、前記液タンクの液状体を第1の液連通部側から印字ヘッドに引込んで共通液室に充填することを特徴としている。
【0015】
この請求項4に係るインクジェット記録装置では、ノズル面を気密状に覆った状態でポンプを正駆動させるので、ノズル面側から余分な空気が吸入されず、その結果、印字ヘッドに充填されている液状体が第2の液連通部側から確実に外部に排出されると共に、前記液タンクの液状体が確実に共通液室に充填される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るインクジェット記録装置の実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1は、インクジェット記録装置の正面図である。この図において、インクジェット記録装置は、用紙搬送部1、印字部2、キャッピング部3、給紙部4及び用紙排出部5を備えている。
【0018】
用紙搬送部1は、支持軸6、7に結合された対向配置されている一対のベルトローラ8、9に搬送ベルト10が架け渡されて構成され、一方のベルトローラ8の支持軸6と係合する駆動モータ11の回転駆動により搬送ベルト10が矢印方向に回転するようになっている。この用紙搬送部1は、搬送ベルト10上に載せられた後述する記録用紙を図面上右側から左側に、すなわち、上流側から下流側に移送する。上記支持軸6、7は、対向配置された図示していない一組の支持板に回動可能に支持されている。
【0019】
印字部2は、用紙搬送部1の上部に配置されたブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの4色の印字ヘッド13、14、15、16を備えて構成されており、その中央部近傍において支持体17により一体に支持されている。この支持体17には、雌ねじからなる貫通孔18の形成された支持部19が一体に形成され、この支持部19の貫通孔18に雄ねじからなる駆動軸20が貫通されている。
【0020】
この駆動軸20の一端は図示していない支持板に固定された駆動モータ21に直結され、その他端は図示していない支持板に回動可能に支持されている。この駆動モータ21が回転駆動されると、駆動軸20が回転して各印字ヘッド13、14、15、16が用紙搬送部1に対して上下方向に移動する。なお、支持部19には、駆動軸20と平行配置された図示していないガイドを兼ねる支持軸が貫通しており、駆動軸20の回転によって各印字ヘッド13、14、15、16が共回りしないようになっている。
【0021】
また、印字部2の各印字ヘッド13、14、15、16は、用紙搬送部1に対向する側の面に多数のノズル23、24、25、26がそれぞれ配列形成されると共に、各ノズル23、24、25、26はその上部の加圧室27、28、29、30を介して共通液室31、32、33、34にそれぞれ連通され、加圧室27、28、29、30の外部に圧電素子35、36、37、38が取り付けられて構成されている。このように構成されている印字ヘッド13、14、15、16は、駆動信号が与えられて圧電素子35、36、37、38が駆動すると、加圧室27、28、29、30の一部を構成している図示していない振動板が振動して加圧室27、28、29、30内部のインクを加圧し、それによってインク滴がノズル23、24、25、26から外部に吐出され、用紙搬送部1上に給送された記録用紙等の被記録媒体に所定の印字を行なう。
【0022】
また、上記印字ヘッド13、14、15、16は、例えば、被記録媒体が記録用紙の場合、その幅(図では、紙面を貫く方向)が用紙搬送部1上に給送された記録用紙の移送方向と直交する方向である紙幅と略同様の値を有しており、印字ヘッド13、14、15、16が固定されたままで記録用紙の紙幅間の印字を行ない、記録用紙が上流側から下流側に向かって移送されることにより紙面全体に印字を行なうようになっている。
【0023】
また、用紙搬送部1の下部には、例えば記録用紙への印字に適した4色のインクを蓄えた液タンク40、41、42、43を有する第1のインクカートリッジ44と、例えばOHP用の合成樹脂製シートへの印字に適した4色のインクを蓄えた液タンク45、46、47、48を有する第2のインクカートリッジ49とが上下2段に配置され、各色のインクはパイプからなる外部流路を介して各印字ヘッド13、14、15、16に供給されるようになっている。この第1及び第2のインクカートリッジ44、45は、各カートリッジ単位で印字ヘッド13、14、15、16への接続が切り替えられるようになっている。この各印字ヘッド13、14、15、16に対するインクの供給は、具体的には図2のような構成でなされている。
【0024】
この図2は、図1に示す印字ヘッド13のA−A線における拡大断面図であり、第1のインクカートリッジ44の液タンク40、第2のインクカートリッジ49の液タンク45等は便宜上図1とは異なる位置に示している。この図2において、印字ヘッド13の共通液室31の両端には外部に連通する第1の液連通部51と第2の液連通部52が形成され、この第1の液連通部51にはパイプからなる第1の外部流路53が設けられ、この第1の外部流路53には切り替え手段の一例である第1の流路選択弁54が接続されている。この流路選択弁54には、第1の接続流路55を介して液タンク40が接続され、第2の接続流路56を介して液タンク45が接続されている。この第1の流路選択弁54は電磁的に動作するようにされ、液タンク40又は液タンク45を択一的に第1の外部流路53に接続するようになっている。
【0025】
また、第2の液連通部52にはパイプからなる第2の外部流路57が接続され、この第2の外部流路57には切り替え手段の一例としての第2の流路選択弁59が接続され、この第2の流路選択弁59と第2の液連通部52との間には第1の吸引ポンプ60が接続されている。
【0026】
上記第2の流路選択弁59には、第3の接続流路61を介して各印字ヘッド13、14、15、16で共用される廃液タンク62が接続され、第4の接続流路63を介して液タンク40が接続され、第5の接続流路64を介して液タンク45が接続されている。ただし、第4の接続流路63と第5の接続流路64の液タンク側はインク液の存在しない箇所に接続されている。上記第2の流路選択弁59は電磁的に動作するようにされ、廃液タンク62、液タンク40又は液タンク45を択一的に第2の外部流路57に接続するようになっている。上記廃液タンク62は、図1に示すように第1及び第2のインクカートリッジ44、49と並んで用紙搬送部1の下部に配設されている。なお、この図2は印字ヘッド13についてのものであるが、他の印字ヘッド14、15、16についても印字ヘッド13と全く同様の構成とされている。従って、以下の説明においては、図2にしか示されていない構成部分については、便宜上、印字ヘッド13以外の印字ヘッドに関しても同一の符号が付与されているものとする。
【0027】
キャッピング部3は、印字部2を構成する印字ヘッド13、14、15、16のノズル23、24、25、26面側とそれぞれ気密状に嵌合する大きさのキャップ70、71、72、73を備えて構成されている。これらのキャップ70、71、72、73は、そのホームポジションである用紙搬送部1の下流側に配置されている。各キャップ70、71、72、73の内底面には、それぞれ貫通孔74、75、76、77が形成されている。これらの各貫通孔74、75、76、77は、底部に形成されている共通吸引孔78に連通しており、この共通吸引孔78は底面側に取り付けられている柔軟性を有する合成樹脂製のパイプ79を介して用紙搬送部1の下部に設けられている上記廃液タンク62に接続されている。上記パイプ79の途中には第2の吸引ポンプ80が取り付けられている。
【0028】
また、各貫通孔74、75、76、77には、その下部にそれらの貫通孔74、75、76、77を開閉する弁体81、82、83、84がそれぞれ弾性力の小さいバネ等からなる弾性体85、86、87、88により付勢された状態で取り付けられている。なお、各キャップ70、71、72、73内の印字ヘッド13、14、15、16との嵌合部分には、必要に応じて気密性を良好にするためのゴムライニング等が施される。
【0029】
上記のように構成されたキャップ70、71、72、73には図示していない支持板に取り付けられている対向配置された一対のプーリ89、90に架け渡されたタイミングベルト91が取り付けられ、一方のプーリ89には駆動モータ92が取り付けられており、この駆動モータ92が回転駆動することによってタイミングベルト91が回転し、それによってキャップ70、71、72、73が印字部2側に移動するようになっている。
【0030】
給紙部4は、第1及び第2のインクカートリッジ44、49の下部に配置された所定サイズの記録用紙を収納した給紙カセット93と、給紙カセット93内の記録用紙を用紙搬送部1に給送するガイド板94と、給紙カセット93の用紙出口上部に配置された給紙ローラ95と、ガイド板94の上流側と下流側とに配置された搬送ローラ対96、97とから構成されている。上記給紙ローラ95は、図示していない支持板に固定された駆動モータ98により回転駆動され、上記搬送ローラ対96、97は、図示していない支持板に固定された駆動モータ99により回転駆動される。なお、給紙部4は、実際にはサイズの異なる記録用紙を収納した複数の給紙カセットを有しており、それに応じて給紙ローラ、ガイド板、搬送ローラ対がそれぞれ設けられているが、ここでは図示を省略している。このように構成された給紙部4は、給紙ローラ95によって給紙カセット93から記録用紙を1枚づつ取り出すとともに、その記録用紙を上流側の搬送ローラ対96によってガイド板94に導き、下流側の搬送ローラ対97によって用紙搬送部1に給送する。
【0031】
用紙排出部5は、用紙搬送部1の下流側に配置されたガイド板101と、このガイド板101の途中に設けられた搬送ローラ対102と、ガイド板101の出口側に設けられた排紙ローラ対103と、この排紙ローラ対103の下流側に設けられた排紙トレイ104とから構成されている。このように構成された用紙排出部5は、ガイド板101に用紙搬送部1から記録用紙が給送され、この記録用紙を搬送ローラ対102で下流側に給送し、排紙ローラ対103によって排紙トレイ104上に排出する。上記搬送ローラ対102及び排紙ローラ対103は、図示していない支持板に固定された駆動モータ105により回転駆動される。
【0032】
図3は、上記のように構成されたインクジェット記録装置の主要な制御構成を示すブロック図である。上記インクジェット記録装置は、パソコン等の外部装置から入力される操作信号及び画像信号に基づいて印字動作が行なわれるようになっている。
【0033】
制御部110はCPU111、記憶部112、インターフェース(I/F)部113等から構成され、CPU111の内部クロックに同期してそれらの動作が制御されるようになっている。
【0034】
CPU111は、記録制御部114、機構制御部115等の制御機能を有し、これらの記録制御部114と機構制御部115とは互いに同期して制御動作を行なうようになっている。また、CPU111は、図1には示していない操作部に設けられたモード切り替えボタン等からなるモード切り替え手段116によって切り替えられた液入替えモード及び印字モードにおける制御動作を行なう。液入替えモードとは印字ヘッドへのインク等の液入替え動作を行なうものであり、印字モードとは記録用紙等に所定の印字動作を行なうものである。
【0035】
記憶部112は、上記インクジェット記録装置の動作を制御するプログラムが格納されたROMや一時的にデータを保管するRAM等から構成されており、上記CPU111はこのROMに格納された制御プログラムに基づいて装置全体の動作を制御する。
【0036】
インターフェース部113は、パソコン等の外部装置から入力されるデータを受信するもので、画像信号を記録制御部114に、用紙サイズ等の操作信号を機構制御部115にそれぞれ出力するようになっている。
【0037】
記録制御部114は、入力された画像信号を各色成分に応じて印字部2を構成している印字ヘッド13、14、15、16の各駆動回路117、118、119、120にシリアル送信する。
【0038】
各駆動回路117、118、119、120は、それぞれラッチ部を有すると共に、各印字ヘッド13、14、15、16内適所に配置されており、送信された例えば記録用紙1ライン分の画像信号を一旦ラッチし、パラレル信号に変換する。
【0039】
また、記録制御部114は、駆動回路117、118、119、120で変換されたパラレル信号を印字ヘッド13、14、15、16の対応する圧電素子35、36、37、38にパルス駆動信号として出力し、ノズル23、24、25、26からのインク滴の吐出を制御する。上記1ライン分の画像信号は、所定周期で順次伝送され、これによって2次元の画像の印字がおこなわれる。
【0040】
機構制御部115は、インクジェット記録装置の所定の構成部材の適所に設けられている図1には示していない位置検知センサ等の各種センサ等からなる検知手段121から入力された操作信号に基づき、駆動回路122を介して用紙搬送部1の駆動モータ11、印字部2の駆動モータ21、印字部2の第1の流路選択弁54、印字部2の第2の流路選択弁59、印字部2の第1の吸引ポンプ60、キャッピング部3の第2の吸引ポンプ80、キャッピング部3の駆動モータ92、給紙ローラ95の駆動モータ98、搬送ローラ対96、97の駆動モータ99、搬送ローラ対102と排紙ローラ対103の駆動モータ105等を駆動するものである。上記駆動回路122は、電源部、トランジスタ等の電子部品等で構成されている。
【0041】
上記のように構成されたインクジェット記録装置は次のように動作する。まず、印字ヘッド13、14、15、16に充填されている例えばOHP用の合成樹脂製シートへの印字に適したインクを記録用紙への印字に適したインクに入れ替える場合の液入替え動作について説明する。いま、モード切り替え手段116により液入替えモードにセットされると、図1に示す状態にあるインクジェット記録装置は、図4に示すように、印字部2の印字ヘッド13、14、15、16が用紙搬送部1の搬送ベルト10から離間して上部側に移動すると共に、キャッピング部3のキャップ70、71、72、73が印字ヘッド13、14、15、16の下部位置に移動し、その後、印字ヘッド13、14、15、16が下部側に移動してキャップ70、71、72、73と嵌合する。このとき、キャップ70、71、72、73は印字ヘッド13、14、15、16のノズル23、24、25、26面を気密状に覆った状態となる。
【0042】
次いで、印字ヘッド13、14、15、16の第1の流路選択弁54がそれぞれ液タンク45、46、47、48側から液タンク40、41、42、43側に切り替えられて液タンク40、41、42、43が第1の外部流路53に接続されると共に、第2の流路選択弁59がそれぞれ液タンク45、46、47、48側から廃液タンク62側に切り替えられて廃液タンク62が第2の外部流路57に接続される。この状態で第1の吸引ポンプ60が回転して印字ヘッド13、14、15、16に充填されているインクが第1の吸引ポンプ60の吸引力により第2の液連通部52側から外部に排出されると共に、液タンク40、41、42、43内に納められているインクが第1の液連通部51側から印字ヘッド13、14、15、16に引き込まれ、共通液室31、32、33、34に充填される。上記外部に排出されたインクは第3の接続流路61を経由して廃液タンク62に納められる。
【0043】
なお、上記のように第1の吸引ポンプ60が回転するとき、ノズル23、24、25、26面が非気密状態になっているとノズル23、24、25、26から空気が吸いこまれて第1の液連通部51側からのインクの引込みが悪くなるが、この実施形態ではノズル23、24、25、26面をキャップ70、71、72、73が気密状に覆っているのでノズル23、24、25、26面が気密状態になりインクの引込みが確実に行なわれる。
【0044】
上記第1の吸引ポンプ60の回転が続いて印字ヘッド13、14、15、16に引き込まれたインクが第2の流路選択弁59を経由して第3の接続流路61内に達すると、第3の接続流路61内に設置されているセンサを含んで構成された検知装置からの出力により第2の流路選択弁59が切り替えられ、第2の外部流路57には第4の接続流路63を介して液タンク40、41、42、43が接続される。これにより印字ヘッド13、14、15、16と液タンク40、41、42、43との間に閉じた循環路が形成される。これにより第2の外部流路57をオーバーフローして第5の接続流路63に達したインクは外部に洩れることなく液タンク40、41、42、43に戻されることになる。
【0045】
上記第3の接続流路61内に設置されているセンサを含んで構成された検知装置は、例えば印字ヘッド13、14、15、16に充填されていたインクが第3の接続流路61内に達したときにセンサがそれを検知し、印字ヘッド13、14、15、16に充填されていたインクがすべて廃液タンク62に排出されるのに要する時間が経過したときに第2の流路選択弁59の切り替え信号が出力されるようになっている。この切り替え信号により、第2の流路選択弁59は第1の流路選択弁54と同じ液タンク40、41、42、43に接続される。
【0046】
上記第2の流路選択弁59が切り替わると同時に第1の吸引ポンプ60は回転を停止し、キャップ70、71、72、73に接続されている第2の吸引ポンプ80が回転する。第2の吸引ポンプ80が回転すると、その吸引力でキャップ70、71、72、73の弁体81、82、83、84が弾性体85、86、87、88の弾性力に抗して下側に移動し、ノズル23、24、25、26面側が第1及び第2の液連通部側に比べて負圧状態となるようにされる。これにより共通液室31、32、33、34に充填されたインクは共通液室31、32、33、34からノズル23、24、25、26側に流し込まれ、そのノズル23、24、25、26に充填される。第2の液連通部側から外部に排出されずにノズル23、24、25、26に残留していたインクはノズル23、24、25、26面側から外部に排出される。その結果、印字ヘッド13、14、15、16には新たなインクが充填されてインクの入替えが終了する。
【0047】
上記のようにして印字ヘッドへのインクの入替えが終了すると、インクジェット記録装置は記録用紙への印字を行なうことが可能となる。ここで、モード切り替え手段116により印字モードにセットされると、インクジェット記録装置は図1に示す初期状態にセットされる。この状態でパソコン等の外部装置からの操作信号に基づき搬送ローラ対96、97、102及び排紙ロータ対103が回転すると共に、用紙搬送部1の搬送ベルト10が回転する。また、同時に給紙部4の給紙ローラ95が回転して給紙カセット93から記録用紙が送り出され、この記録用紙は搬送ローラ対96、97によってガイド94を介して用紙搬送部1に給送される。なお、上記搬送ローラ対97は、クラッチ等を介して駆動が制御され、印字ヘッド13、14、15、16の印字動作と同期をとって記録用紙を用紙搬送部1に給送する。
【0048】
用紙搬送部1に給送された記録用紙は、搬送ベルト10によって下流側に移送され、印字部2の各印字ヘッド13、14、15、16は、この移送途中のシートに対し、外部装置から送信されてきた画像信号に基づいてカラー印字を行なう。画像が単色の場合には、例えば、ブラックの印字ヘッド13により単色の印字が行なわれる。印字の終了した記録用紙は、搬送ベルト10によって用紙排出部5のガイド101に給送され、搬送ローラ対102及び排紙ローラ対103により排紙トレイ104に排出される。
【0049】
外部装置からの画像信号等の送信が終了して記録用紙への印字が終了すると、インクジェット記録装置は上記図4に示す液入替えモードのときと同じ状態となる。すなわち、印字ヘッド13、14、15、16は用紙搬送部1から離間して上部側に移動すると共に、キャップ70、71、72、73が印字ヘッド13、14、15、16の下部位置に移動し、その後、印字ヘッド13、14、15、16が下部側に移動してキャップ70、71、72、73と嵌合する。その後、この状態でキャッピング部3の第2の吸引ポンプ80が作動し、ノズル23、24、25、26からインクを強制的に吸引し、インク吐出回復動作が行なわれる。このインク吐出回復動作は、ノズルの目詰まりの有無に関係なく行なわれ、印字動作の途中であっても適宜上記と同様の動作により実施される。
【0050】
本発明に係るインクジェット記録装置は上記のように構成され作動するが、次のような種々の変形が可能である。例えば、上記の実施形態では、印字ヘッドに充填されている液状体を排出する排出手段及び液タンクの液状体を第1の液連通部側から引き込んで共通液室に充填する第1の充填手段として第1の吸引ポンプ60を用い、共通液室31、32、33、34の液状体をその共通液室31、32、33、34からノズル23、24、25、26面側に流し込んでそのノズル23、24、25、26に充填する第2の充填手段として第2の吸引ポンプ80を用いているが、図5に示すように、上記第1の吸引ポンプ60に代えて第2の外部流路57に正逆駆動可能なポンプ125を接続することによりより、このポンプ125で第1の吸引ポンプ60と第2の吸引ポンプ80とを兼ねるようにすることができる。
【0051】
なお、この図5は、上記図2に対応するもので印字ヘッド13についてのものであるが、他の印字ヘッド14、15、16についても全く同様の構成とされている。従って、上記図2の場合と同様に以下の説明においては、図5にしか示されていない構成部分については、便宜上、印字ヘッド13以外の印字ヘッドに関しても同一の符号が付与されているものとする。
【0052】
すなわち、このポンプ125を、印字ヘッド13、14、15、16に充填されているインクを外部に排出し、液タンク40、41、42、43(又は、液タンク45、46、47、48)のインクを印字ヘッド13、14、15、16に引き込む方向に駆動(この方向を正駆動と呼ぶ。)させることによって第1の吸引ポンプ60と同じ機能を持たせる。また、それとは逆方向に駆動(この方向を逆駆動と呼ぶ。)させることによって第2の吸引ポンプ80と同じ機能を持たせる。このポンプ125の正駆動と逆駆動の切り替えは、図2に示す場合と同様に第3の接続流路61内に設けたセンサを含んで構成される検知装置からの出力信号によりなされる。
【0053】
なお、ポンプ125を逆駆動させるときには、同時に第1の外部流路53に接続されている流路選択弁54を切り替えて第1の外部流路53を閉じた状態にする。第1の流路選択弁54に第1の外部流路53を閉じる機能を備えていない場合は、第1の流路選択弁54よりも第1の液連通部51側に別の切り替え弁を設けておき、この切り替え弁にて第1の外部流路53を閉じるようにすればよい。この場合、この切り替え弁を含めて第1の流路選択弁54とする。
【0054】
この状態でポンプ125を逆駆動させると、第2の液連通部52側には印字ヘッド13、14、15、16に引き込んだインクを第1の液連通部側に押し返す方向の圧力がかかる。ところが、第1の外部流路53は上記のように閉じられているため、印字ヘッド13、14、15、16に引き込まれて共通液室に充填されたインクはノズル23、24、25、26側に流れ込みそのノズルに充填される。上記ポンプ125は、第1の吸引ポンプ60等と同様にCPU111等で制御され、図3に示す駆動回路122により駆動されることになる。
【0055】
なお、上記ポンプ125は、第1及び第2の吸引ポンプ60、80と同様に、図4に示すように印字ヘッド13、14、15、16のノズル23、24、25、26面をキャップ70、71、72、73で覆った状態で作動する。この場合、ポンプ125が逆駆動すると、キャップ70、71、72、73内の圧力は外部に比べて高くなるため、弁体81、82、83、84は弾性体85、86、87、88の弾性力に抗して下部に移動する。その結果、ノズル23、24、25、26面が非気密状態となり、共通液室31、32、33、34に充填されたインクはノズル23、24、25、26面へ確実に流れ込むことになる。
【0056】
また、キャップ70、71、72、73の弁体81、82、83、84は、上記のように弾性体85、86、87、88の弾性力で制御するのではなく、第2の吸引ポンプ80の作動やポンプ125の逆駆動作動に同期させて電磁的に作動させるようにしてもよい。また、弁体81、82、83、84をなくすこともでき、この場合はキャップ70、71、72、73を印字ヘッド13、14、15、16に対して相対的に移動させて印字ヘッド13、14、15、16との間に隙間を形成し、それによってノズル23、24、25、26面を非気密状態にすればよい。
【0057】
また、上記図5に示す構成においては、印字ヘッド13、14、15、16と液タンク40、41、42、43(又は、液タンク45、46、47、48)との間で循環路を形成しておらず、このようにした場合は図2に示す構成の第2の流路選択弁59は不要となる。このように循環路を形成しない構成は図2に示す構成の場合にも採用することができ、逆に、図2に示す循環路を形成する構成を図5に示す構成に採用することもできる。
【0058】
また、上記の実施形態では、第1の吸引ポンプ60又は正逆駆動可能なポンプ125により印字ヘッド13、14、15、16に充填されているインクを第2の液連通部52側から排出するとき、第1の流路選択弁54は液タンク40、41、42、43(又は液タンク45、46、47、48)を第1の外部流路53に接続した状態となっているため、印字ヘッド13、14、15、16に充填されているインクの排出と、液タンク40、41、42、43(又は液タンク45、46、47、48)のインクの第1の液連通部51側からの引込みとが同時に行なわれることになる。しかし、液タンク40、41、42、43(又は液タンク45、46、47、48)のインクの第1の液連通部51側からの引込みを印字ヘッド13、14、15、16に充填されているインクを排出した後に行なうようにすることもできる。この場合、例えば、第1の流路選択弁54に第1の外部流路53を大気中に開口させることのできる構造のものを用い、印字ヘッド13、14、15、16に充填されているインクを排出するときには第1の外部流路53を大気中に開口した状態としておけばよい。
【0059】
また、上記の実施形態では、液状体がインクとインクの同種の場合の入替えについて説明しているが、インクと溶媒のような異種の液状体を入れ替えるようにすることもできる。すなわち、図6において、液タンク40はインクの納められたもので、液タンク127は溶媒が納められたものである。ここでいう溶媒とは、水、アルコール、水とアルコールの混合物、水とアルコールとグリコールの混合物等をいう。この図6は印字ヘッド13についてのものであるが、他の印字ヘッド14、15、16についても同様の構成とされる。従って、上記図2及び図5の場合と同様に以下の説明においては、図6にしか示されていない構成部分については、便宜上、印字ヘッド13以外の印字ヘッドに関しても同一の符号が付与されているものとする。なお、溶媒を納めた液タンク127については各印字ヘッド13、14、15、16について共用することができる。
【0060】
この図6に示す構成では、各印字ヘッド13、14、15、16の第1の流路選択弁54の切り替えによって液タンク40、41、42、43又は液タンク127が第1の外部流路53に択一的に接続されるようになっている。また、第2の流路選択弁59の切り替えによって液タンク40、41、42、43又は廃液タンク62が第2の外部流路57に択一的に接続されるようになっており、印字ヘッド13、14、15、16と液タンク40、41、42、43とは循環路を形成している。
【0061】
ただし、図5に示すように循環路を形成しないようにすることもでき、こうした場合は第2の流路選択弁59は不要となる。この図6に示す構成の場合も、インクと溶媒との入替えは上記と同様の第1及び第2の流路選択弁54、59、第1の吸引ポンプ60等の作動により行なわれる。このようなインクと溶媒との入替えは図5に示す正逆駆動可能なポンプ125を用いる構成によっても行なうことができる。
【0062】
上記構成により、印字ヘッド13、14、15、16に充填されているインクを溶媒と入れ替えると、インクジェット記録装置を使用しないときに生じるノズル23、24、25、26の目詰まりを防止することができる。すなわち、インクジェット記録装置を使用しないときは、従来であれば上記図4に示すような状態でノズル23、24、25、26面をキャップ70、71、72、73で覆うことにより、ノズル23、24、25、26内のインク中の水分の蒸発を抑えてインクが凝固するのを遅らせるようにしていたが、単にキャップ70、71、72、73で覆うだけではインクの凝固を完全に防ぐことは不可能であった。
【0063】
ところが、インクを溶媒と入れ替えると、ノズル23、24、25、26内にはインクが存在しないため、仮に溶媒が蒸発してもノズル23、24、25、26には目詰まりが全く生じないことになる。インクジェット記録装置を使用するときには、印字ヘッドに充填されている溶媒をインクと入れ替えるようにするだけでよい。このようなインクと溶媒との入替えは、インクジェット記録装置のメイン電源をOFFにしたときに自動的にインクが溶媒と入れ替えられ、メイン電源をONにしたときに自動的に溶媒がインクと入れ替えられるようにすることもできる。
【0064】
また、上記の実施形態では、用紙搬送部1の搬送ベルト10、給紙部4の給紙ローラ95と搬送ローラ対96、97、用紙排出部5の搬送ローラ対102と排紙ローラ対103をそれぞれ異なる駆動モータ11、98、99、105で回転しているが、例えば、給紙ローラ95以外は同じ駆動モータで回転するようにしたり、すべてを1つの駆動モータで回転するようにし、適宜クラッチで駆動を切り替えるようにしたりすることもできる。
【0065】
さらに、上記の実施形態では印字ヘッド13、14、15、16の移動を用紙搬送部1上における昇降動作だけとし、キャップ70、71、72、73を印字部2側に移動する構成としているが、キャップ70、71、72、73をホームポジションにおける昇降動作だけとし、印字動作の終了時等に印字ヘッド13、14、15、16をキャップ70、71、72、73側に移動させるような構成としてもよい。
【0066】
さらには、印字部2は、単色の印字のみでよい場合は印字ヘッド1個のみで構成することができる。また、印字ヘッド13、14、15、16のインク吐出回復動作は、上記実施形態では第2の吸引ポンプ80で行なっているが、第2の外部流路52に設けたポンプ125を第1の外部流路53を閉じた状態で逆駆動させて行なうようにすることもできる。また、上記インクジェット記録装置は、ファクシミリとしての機能や複写機としての機能を有していてもよい。
【0067】
【発明の効果】
以上のように、請求項1乃至の発明によれば、流路選択弁を作動させて所定の液タンクを第1の液連通部側の流路に接続すると共に、ノズル面をキャップで気密状に覆った状態で第1の吸引ポンプを作動させ、それにより印字ヘッドに充填されている液状体を第2の液連通部側から外部に排出し、かつ、液タンクの液状体を第1の液連通部側から印字ヘッドに引き込んで共通液室に充填し、その後に第1の吸引ポンプの作動を停止させると共に、ノズル面をキャップで気密状に覆った状態で第2の吸引ポンプを作動させ、それにより共通液室に充填した液状体をその共通液室から流し込んでノズルに充填するようにしているので、印字ヘッドに充填されている液状体を他の液状体と確実に入れ替えることができるようになる。
【0068】
また、請求項3乃至4の発明によれば、流路選択弁を作動させて所定の液タンクを第1の液連通部側の流路に接続すると共に、ポンプを正駆動させ、それにより印字ヘッドに充填されている液状体を第2の液連通部側から外部に排出し、かつ、所定の液タンクの液状体を第1の液連通部側から印字ヘッドに引き込んで共通液室に充填し、その後に流路選択弁を作動させて第1の液連通部側の流路を閉じると共に、ポンプを逆駆動させ、それにより共通液室に充填した液状体をその共通液室に流し込んでノズルに充填するようにしているので、印字ヘッドに充填されている液状体を他の液状体と確実に入れ替えることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るインクジェット記録装置の正面図である。
【図2】 図1に示すインクジェット記録装置のA−A線断面図である。
【図3】 図1に示すインクジェット記録装置の制御構成を説明するブロック図である。
【図4】 図1に示すインクジェット記録装置の動作を説明するためのインクジェット記録装置の正面図である。
【図5】 本発明のインクジェット記録装置の他の実施形態における図2に対応する断面図である。
【図6】 本発明のインクジェット記録装置の別の実施形態における図2及び図5に対応する断面図である。
【図7】 従来のインクジェット記録装置の印字ヘッドの要部断面図である。
【符号の説明】
1 用紙搬送部
2 印字部
3 キャッピング部
4 給紙部
5 用紙排出部
13、14、15、16 印字ヘッド
23、24、25、26 ノズル
40、41、42、43 液タンク
45、46、47、48 液タンク
51 第1の液連通部
52 第2の液連通部
53 第1の外部流路
54 切り替え手段(第1の流路選択弁)
57 第2の外部流路
59 切り替え手段(第2の流路選択弁)
60 第1の吸引ポンプ
62 廃液タンク
70、71、72、73 キャップ
80 第2の吸引ポンプ
125 正逆駆動可能なポンプ

Claims (4)

  1. 一面に多数のノズルが配列形成されると共に、その各ノズルが加圧室を介して共通液室に連通され、その共通液室の両端に外部に連通する第1及び第2の液連通部が形成されてなる印字ヘッドを備え、この印字ヘッドに充填されている液状体を他の液状体と入れ替えすることができるようにしたインクジェット記録装置であって、
    液状体を納めた複数の液タンクと、この複数の液タンクを第1の液連通部側に択一的に接続する切り替え手段と、前記印字ヘッドに充填されている液状体を第2の液連通部側から外部に排出する排出手段と、前記液タンクの液状体を第1の液連通部側から共通液室に充填する第1の充填手段と、この第1の充填手段により充填された共通液室の液状体をその共通液室側からノズルに充填する第2の充填手段と、前記各手段の動作を制御する制御手段と、前記印字ヘッドとの間で相対移動して前記ノズル面を気密状に覆うキャップとが設けられ、
    前記切り替え手段は前記第1の液連通部側の流路に接続された流路選択弁からなり、前記排出手段及び前記第1の充填手段は前記第2の液連通部側の流路に接続された第1の吸引ポンプからなり、前記第2の充填手段は前記キャップとこのキャップに接続された第2の吸引ポンプとからなり、前記制御手段は、前記流路選択弁を作動させて所定の液タンクを第1の液連通部側の流路に接続すると共に、前記ノズル面を前記キャップで気密状に覆った状態で前記第1の吸引ポンプを作動させ、それにより印字ヘッドに充填されている液状体を第2の液連通部側から外部に排出し、かつ、前記液タンクの液状体を第1の液連通部側から印字ヘッドに引き込んで共通液室に充填し、その後に前記第1の吸引ポンプの作動を停止させると共に、前記ノズル面を前記キャップで気密状に覆った状態で前記第2の吸引ポンプを作動させ、それにより共通液室に充填した液状体をその共通液室から流し込んでノズルに充填することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 請求項1記載のインクジェット記録装置において、前記キャップは、内底面に形成された貫通孔を介して連通する共通吸引孔を有し、この共通吸引孔内に設けられた弾性体により付勢されることで前記貫通孔を閉じると共に、この共通吸引孔内が負圧にされることで前記弾性体の付勢力に抗して前記貫通孔を開ける弁体を備えたものであり、前記第2の吸引ポンプは、前記キャップの共通吸引孔に接続されたものであって、前記制御手段は、前記ノズル面を前記キャップで気密状に覆った状態で前記第2の吸引ポンプを作動させ、それにより前記共通吸引孔内を負圧にすることで前記弁体を開き、前記共通液室に充填した液状体をその共通液室から流し込んでノズルに充填することを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 一面に多数のノズルが配列形成されると共に、その各ノズルが加圧室を介して共通液室に連通され、その共通液室の両端に外部に連通する第1及び第2の液連通部が形成されてなる印字ヘッドを備え、この印字ヘッドに充填されている液状体を他の液状体と入れ替えすることができるようにしたインクジェット記録装置であって、
    液状体を納めた複数の液タンクと、この複数の液タンクを前記第1の液連通部側に択一的に接続する切り替え手段と、前記印字ヘッドに充填されている液状体を第2の液連通部側から外部に排出する排出手段と、前記液タンクの液状体を第1の液連通部側から共通液室に充填する第1の充填手段と、この第1の充填手段により充填された共通液室の液状体をその共通液室側からノズルに充填する第2の充填手段と、前記各手段の動作を制御する制御手段と、前記第2の液連通部側の流路に接続された正逆駆動可能なポンプとを有し、
    前記切り替え手段は、前記第1の液連通部側の流路に接続され、かつ、その流路を前記いずれの液タンクとも接続せずに閉じた状態にすることができるようにされた流路選択弁からなり、前記排出手段及び前記第1の充填手段は、正駆動する前記ポンプからなり、前記第2の充填手段は、逆駆動する前記ポンプからなり、前記制御手段は、前記流路選択弁を作動させて所定の液タンクを第1の液連通部側の流路に接続すると共に、前記ポンプを正駆動させ、それにより印字ヘッドに充填されている液状体を第2の液連通部側から外部に排出し、かつ、所定の液タンクの液状体を第1の液連通部側から印字ヘッドに引き込んで共通液室に充填し、その後に前記流路選択弁を作動させて第1の液連通部側の流路を閉じると共に、前記ポンプを逆駆動させ、それにより共通液室に充填した液状体をその共通液室に流し込んでノズルに充填することを特徴とするインクジェット記録装置。
  4. 請求項記載のインクジェット記録装置において、前記印字ヘッドとの間で相対移動して前記ノズル面を気密状に覆うキャップが設けられ、前記制御手段は、そのノズル面をキャップで気密状に覆った状態で前記ポンプを正駆動させ、それにより印字ヘッドに充填されている液状体を第2の液連通部側から外部に排出し、かつ、前記液タンクの液状体を第1の液連通部側から印字ヘッドに引込んで共通液室に充填することを特徴とするインクジェット記録装置。
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