JP3686344B2 - チッププラグの溶接装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービン動翼等の内部に、同動翼を冷却する冷却媒体通路を形成する際に、同冷却媒体通路の翼外周側先端面をプラグするチッププラグの溶接装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高温の作動ガスに晒されるガスタービンの翼は、材料の耐熱性能を維持すべく冷却が必要であり、そのため翼の内部にその長手方向に延びて空気等の冷却媒体を流す冷却通路を形成している。
【0003】
この冷却通路は前記した様に翼の長手方向に延びると共に、翼の幅方向に複数条並置され、隣接するものが翼端で連通して冷却媒体を折り返す様にした、1条又は複数条のサーペンタイン形状に形成されている。
【0004】
翼の鋳造過程において、翼端には中子を支持する部材の貫通に必要な孔が生じるが、ここにプラグ(蓋)をすることにより翼端で折り返して連続する通路が形成されることになる。
【0005】
ここで前記プラグは小判型に形成され、前記翼のチップ側端部で小判型に穿設された加工孔に嵌装され、その嵌装線に沿った形状となる様に予め設定された溶接軌跡に従ってNC制御等により溶接ヘッドを移動させ、レーザ溶接等により小判型に溶接を行ってプラグを固着し、前記冷却媒体通路を密閉する様にしている。
【0006】
この際、従来の装置においては、前記加工孔に嵌装されたプラグの外形をカメラ撮影して取り込み画像の画像データを得、この取り込み画像の画像データとの間で前記溶接軌跡として予め設定されたマスター画像を対比させるパターンマッチング手法を採用していた。
【0007】
すなわち、前記加工孔の配置は、タービンに設置される個々の翼毎に、更に同一の翼でも翼自体の捩れ、及び翼の断面形状の変化等により、翼の幅方向で異なる位置に形成される冷却通路に対応するもの毎に微妙なずれがあり、カメラ撮影された画像データは各加工孔それぞれの基準に対する傾きが個々に異なっているので、通常はマスター画像の溶接軌跡とそのまま一致せずに個々にずれが生じている。
【0008】
従って、このような従来の装置では、前記マスター画像、又は取り込み画像の傾きを幾通りも変えてマッチングを繰り返し行い、前記カメラ撮影された画像データとそれぞれの溶接軌跡が出来るだけ合致するものを探して溶接加工を行う様にしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記したように取り込み画像に対して最もマッチングする位置を選ぶべく、マスター画像を小刻みに幾通りも任意角回転させる場合には、変化させる刻みを細かくすれば精度は上がるが、多大な労力と工数がかかる作業となり、処理時間がかかることになる。
【0010】
しかもその精度については、前記変化させる刻みの回転ピッチを決める回転角の精度により上限を抑えられ、それ以上に精度を上げることは出来ないという決定的な制約を受けるものである。
【0011】
本発明は、このような従来の装置における不具合点を解消し、翼の外周側先端面におけるチッププラグの溶接に際してマスター画像による溶接軌跡の位置決めが迅速、正確に行え、かつ工数を低減をして作業効率を向上し、更に品質向上にも寄与するチッププラグの溶接装置を提供することを課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記した課題を解決すべくなされたもので、その第1の手段として、翼内部に形成される冷却媒体通路の翼外周側先端面にチッププラグを溶接し、同冷却媒体通路の先端側をプラグするチッププラグの溶接装置において、前記チッププラグを撮影するカメラ装置と、前記チッププラグの外周形状に相当する予め設定された溶接軌跡に沿って移動する溶接ヘッドを備えて前記チッププラグを翼の外周側先端面に溶接する溶接装置と、前記カメラ装置の撮影データに基づき前記チッププラグの基準位置に対する傾きと中心位置を計算し、予め設定された前記溶接軌跡をこの傾きと中心位置で補正して、これに追従して変化させる様に溶接ヘッドを制御する制御装置を設け、同制御装置において、前記カメラ装置の撮影データに基づき計算されて変化される前記溶接軌跡は、撮影されたチッププラグの長辺の傾きと中心位置を画像処理にて認識することにより決定されるチッププラグの溶接装置を提供するものである。
【0013】
すなわち、同第1の手段によれば、カメラ装置によりチッププラグを撮影し、制御装置においてこの撮影データに基づいて同チッププラグの基準位置に対する傾きと中心位置を計算し、その結果に追従させて予め設定された溶接軌跡の傾きと中心位置を変位、補正させ、同溶接軌跡に沿って溶接ヘッドを移動させてチッププラグの溶接を行うが、前記制御装置においては、前記カメラ装置により撮影された例えば小判型のチッププラグにおける小判形状の長辺の基準位置に対する傾きを計算して同チッププラグの傾きを決め、また、同小判形状の中心位置により同チッププラグの位置を把握し、予め設定された溶接軌跡を画像処理にてこれに追従変位させることにより、同溶接軌跡をカメラ装置で撮影されたチッププラグの外形に迅速に適合させ、翼外周側先端面に対するチッププラグの溶接が適切に行われるものである。
【0016】
また、本発明は第の手段として、翼内部に形成される冷却媒体通路の翼外周側先端面にチッププラグを溶接し、同冷却媒体通路の先端側をプラグするチッププラグの溶接装置において、前記チッププラグを撮影するカメラ装置と、前記チッププラグの外周形状に相当する予め設定された溶接軌跡に沿って移動する溶接ヘッドを備えて前記チッププラグを翼の外周側先端面に溶接する溶接装置と、前記カメラ装置の撮影データに基づき前記チッププラグの基準位置に対する傾きと中心位置を計算し、予め設定された前記溶接軌跡をこの傾きと中心位置で補正して、これに追従して変化させる様に溶接ヘッドを制御する制御装置を設け、同制御装置において、前記カメラ装置の撮影データに基づき計算されて変化される前記溶接軌跡は、撮影されたチッププラグの横中心および縦中心に認識のための補助線として描かれたけがき線の傾きと、同縦・横中心のけがき線の交差する中心位置を画像処理にて認識することにより決定されるチッププラグの溶接装置を提供するものである。
【0017】
すなわち同第の手段によれば、カメラ装置によりチッププラグを撮影し、制御装置においてこの撮影データに基づいて同チッププラグの基準位置に対する傾きと中心位置を計算し、その結果に追従させて予め設定された溶接軌跡の傾きと中心位置を変位、補正させ、同溶接軌跡に沿って溶接ヘッドを移動させてチッププラグの溶接を行うが、同制御装置においては、前記カメラ装置により撮影された例えば小判型のチッププラグ自体の製作時に補助線として記載されたけがき線の傾きを計算して同チッププラグの傾きを決め、また、同けがき線の縦・横が交差する中心位置により同チッププラグの位置を把握し、予め設定された溶接軌跡を画像処理にてこれに追従変位させることにより、同溶接軌跡をカメラ装置で撮影されたチッププラグの外形に迅速に適合させ、翼外周側先端面に対するチッププラグの溶接が適切に行われるものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1乃至図4に基づいて説明する。
図1は本実施の形態に係るチッププラグの溶接装置の全貌を概略的に説明する説明図、図2は要部の変形例を示し、(a)は部分正面図、(b)は部分側面図、図3は本実施の形態におけるチッププラグの認識手順の一例を(a)〜(c)に順序立てて示す説明図、図4は図3に対応する他の例を(a)〜(d)に順序立てて示す説明図である。
【0019】
すなわち、本実施の形態において、1は回転テーブルで、図示省略の駆動装置により間歇的に一定の角度回転される構造であり、その上面には前記間歇回転の角度に合わせた角度間隔に複数の固着具2が設けられ、且つ、各固着具2にはそれぞれ翼3がチップ側に当たる先端面3aを上に向けて固着されている。
【0020】
4は溶接ヘッド駆動装置で、前記回転テーブル1の外周に近接して配置され、後述する溶接ヘッド5を主要構成とする溶接装置を支持してこれを3次元的に移動可能とするX軸走行部4X、Y軸走行部4Y、及びZ軸走行部4Zを備えて構成されている。
【0021】
同溶接ヘッド駆動装置4に支持された前記溶接ヘッド5は、例えばレーザ溶接機の溶接ヘッドでよく、その先端を前記翼3の先端面3aと対峙して移動可能に構成されている。
【0022】
また、同溶接ヘッド5の側方には若干のオフセット距離をおいて、前記翼3の先端面3aを視界に入れるカメラ装置6と、その対向側には前記翼3の先端面3aの冷却孔に嵌装されるチッププラグを押圧可能のチップ押さえ装置7が配置されている。
【0023】
8は溶接操作装置で、前記溶接ヘッド5が例えばレーザ溶接機の場合には、レーザ発振器等を含んでおり、溶接線材としてYAGファイバー9等を前記溶接ヘッド5に供給する。
【0024】
また、10は制御装置で、前記溶接ヘッド駆動装置4に隣接して配置され、前記カメラ装置6により撮影された撮影データを図示省略の経路で伝送され、また、前記チッププラグの外周形状に相当する溶接軌跡の情報を予め設定されており、同溶接軌跡と撮影データのパターンマッチング等画像処理を行い、結果を溶接ヘッド駆動装置4に出力して溶接ヘッド5をの移動を制御するものである。
【0025】
なお、前記においては、溶接ヘッド5とカメラ装置6については、両者間に若干のオフセット距離をおいて設けるとして説明したが、この両者、更にこれにチップ押さえ装置7を加えて構成の変形例として、例えば図2に示した様に溶接ヘッド5とカメラ装置6がオフセットせずに同軸上に配列し、その側方にチップ押さえ装置7を配置する構造を採用することもできる。
【0026】
すなわち、図2では溶接ヘッド5の例えば溶接レーザ光軸とカメラ装置6の光軸とは90°交差している様に見えるが、カメラ装置6の光軸系に図示省略のミラーを調節自在に組み入れ、溶接レーザ光軸と同軸で機能可能に構成し、カメラ装置6による画像の撮影と、溶接時とで溶接ヘッド5をオフセット移動せず同位置作動させる様にすることもできる。
【0027】
前記の様に構成された本実施の形態においては、翼3の先端面3aに形成された複数の冷却孔にはそれぞれチッププラグが嵌装され、かつ、必要に応じて仮付け溶接され、その状態で複数の翼3が固着具2でハブ側を固着されて回転テーブル1の上に支持される。
【0028】
溶接ヘッド駆動装置4に近い位置の翼3の先端面3aに配設された複数のチッププラグのうち、所定のチッププラグの上方からカメラ装置6によりチッププラグを撮影し、その情報を制御装置10に伝送して、一定の基準に対するチッププラグの傾きを計算する。
【0029】
制御装置10には、チッププラグの形状に合わせた溶接軌跡、即ち、前記先端面3aの冷却孔に嵌装されたチッププラグ嵌装線に従って溶接が行われる様に設定された溶接軌跡が予め記録されているが、一定の基準に対するこの溶接軌跡の傾きは前記撮影されたチッププラグの傾きに追従する様に変化調節される。
【0030】
この結果制御装置10で調節された溶接軌跡は、カメラ装置6で撮影され現実のチッププラグの形状に合致し、この溶接軌跡に沿って溶接ヘッド5が移動されて所期のチッププラグ溶接が実行されることになる。
【0031】
なお、一つの翼3における先端面3a中の一つのチッププラグの溶接が終了したら、同一先端面3a中で隣接する次のものが同様にして溶接され、同一先端面3a中の全てのチッププラグの溶接が終了したら回転テーブル1を1ピッチ回転させて次位の翼3のものを同様にして溶接する。
【0032】
すなわち、溶接ヘッド5の移動経路である溶接軌跡は、カメラ装置6で撮影されたチッププラグの外形に迅速に適合され、翼外周側先端面においてチッププラグの溶接を、迅速、且つ適切に行うことが出来る。
【0033】
ここで、前記制御装置10において計算され、画像処理されるカメラ装置6で撮影されたチッププラグの傾きに関して説明すると、その1例として図3に(a)〜(c)で順序立てて示す様に、2辺が平行な小判型のチッププラグ30において、平行な2辺により傾き角度を求め、また、2辺の中心線及び、その中心線が交わる両端辺の中央を求めて同チッププラグ30の中心位置を求める手法がある。
【0034】
前記2辺を交差する方向をy方向、これに直行する方向をx方向とし、カメラ装置6をy方向に走査すると輝度レベルの変化値によりチッププラグ30と交差する点として30a、30b及び30c、30dが求められるので、y方向の中央位置として点30aと点30cの間、及び点30bと30dの間に図3(a)の様に点30e、点30fを求める。
【0035】
前記の様にして求まった2点のy座標中央位置の差とy方向に走査したときのx方向の差、即ち、図3(b)におけるy/xによりチッププラグ30の傾き角度を求めることができる。
【0036】
更に、前記y方向の中央位置の点30e及び点30fを結ぶ中央線上で、前記小判型のチッププラグ30の曲線側の辺の中央点30g、30hを求め、図3(c)の様にこの2点間の中央位置をチッププラグの中央位置の点30iとして求めることができる。
【0037】
これらの計算、画像処理は前記制御装置10で行い、かくして求められた傾きy/x、及び中心点30iに従って、予め設定されている溶接軌跡の傾き及び中心位置をこれに合致する様に前記制御装置10で調整し、かつその指令を溶接ヘッド駆動装置4に与え、溶接ヘッド5の移動を制御することになる。
【0038】
更にもう一つの例として、図4(a)〜(d)で順序立てて示す様に、2辺が平行な小判型のチッププラグ30において、同チッププラグ30を加工するとき補助線として描かれた十字けがき線の位置を求めることにより、チッププラグ30の傾き角度及び中心位置を求める手法がある。
【0039】
前記図3の例と同様に、前記2辺を交差する方向をy方向、これに直行する方向をx方向とし、カメラ装置6をy方向に走査すると輝度レベルの変化値により水平方向のけがき線30mと交差する点として図4(a)の様に点30j、点30kを求める。
【0040】
前記の様にして求まった2点のy座標中央位置の差とy方向に走査したときのx方向の差、即ち、図4(b)におけるy/xにより水平方向のけがき線30mの傾き、即ちチッププラグ30の傾き角度を求めることができる。
【0041】
同様にしてカメラ装置6をx方向に走査して、輝度レベルの変化値により垂直方向のけがき線30nと交差する点として図4(c)の様に点30p、点30qを求め、同垂直方向のけがき線30nの傾きy/xを求める。
【0042】
以上により求められた2つのけがき線30mと30nの交点を求め、図4(d)に示す様にそれを中心座標位置、即ちチッププラグ30の中央位置の点30iとし、また、同チッププラグ30の傾きも得られることになる。
【0043】
図3の例と同様にこれらの計算、画像処理は前記制御装置10で行い、かくして求められた傾きy/x、及び中心点30iに従って、予め設定されている溶接軌跡の傾き及び中心位置をこれに合致する様に前記制御装置10で調整し、かつその指令を溶接ヘッド駆動装置4に与え、溶接ヘッド5の移動を制御することになる。
【0044】
以上、本発明を図示の実施の形態について説明したが、本発明はかかる実施の形態に限定されず、本発明の範囲内でその具体的構造に種々の変更を加えてよいことはいうまでもない。
【0045】
例えば、本実施の形態においてチッププラグ30を溶接する翼は、単に翼3と記載したのみであり、翼の冷却構造上この翼3は多くの場合動翼となることが想定されるものの、これは動翼に限定されることなく、翼構造の設計条件如何により静翼についても適用されるものであることは勿論である。
【0046】
【発明の効果】
以上、本出願の請求項1に記載の発明によれば、翼内部に形成される冷却媒体通路の翼外周側先端面にチッププラグを溶接し、同冷却媒体通路の先端側をプラグするチッププラグの溶接装置において、前記チッププラグを撮影するカメラ装置と、前記チッププラグの外周形状に相当する予め設定された溶接軌跡に沿って移動する溶接ヘッドを備えて前記チッププラグを翼の外周側先端面に溶接する溶接装置と、前記カメラ装置の撮影データに基づき前記チッププラグの基準位置に対する傾きと中心位置を計算し、予め設定された前記溶接軌跡をこの傾きと中心位置で補正して、これに追従して変化させる様に溶接ヘッドを制御する制御装置を設け、同制御装置において、前記カメラ装置の撮影データに基づき計算されて変化される前記溶接軌跡は、撮影されたチッププラグの長辺の傾きと中心位置を画像処理にて認識することにより決定される様にしてチッププラグの溶接装置を構成しているので、カメラ装置によりチッププラグを撮影し、制御装置においてこの撮影データに基づいて同チッププラグの基準位置に対する傾きと中心位置を計算し、その結果に追従させて予め設定された溶接軌跡の傾きと中心位置を変位、補正させ、同溶接軌跡に沿って溶接ヘッドを移動させてチッププラグの溶接を行うが、前記制御装置においては、前記カメラ装置により撮影された例えば小判型のチッププラグにおける小判形状の長辺の基準位置に対する傾きを計算して同チッププラグの傾きを決め、また、その中心位置により同チッププラグの位置を把握し、予め設定された溶接軌跡を画像処理にてこれに追従変化させることにより、同溶接軌跡をカメラ装置で撮影されたチッププラグの外形に迅速に適合させ、翼外周側先端面に対するチッププラグの溶接が適切に行われ、以て作業効率及び品質向上に寄与する好適なチッププラグの溶接装置を得ることが出来たものである。
【0048】
また、請求項に記載の発明によれば、翼内部に形成される冷却媒体通路の翼外周側先端面にチッププラグを溶接し、同冷却媒体通路の先端側をプラグするチッププラグの溶接装置において、前記チッププラグを撮影するカメラ装置と、前記チッププラグの外周形状に相当する予め設定された溶接軌跡に沿って移動する溶接ヘッドを備えて前記チッププラグを翼の外周側先端面に溶接する溶接装置と、前記カメラ装置の撮影データに基づき前記チッププラグの基準位置に対する傾きと中心位置を計算し、予め設定された前記溶接軌跡をこの傾きと中心位置で補正して、これに追従して変化させる様に溶接ヘッドを制御する制御装置を設け、同制御装置において、前記カメラ装置の撮影データに基づき計算されて変化される前記溶接軌跡は、撮影されたチッププラグの横中心および縦中心に認識のための補助線として描かれたけがき線の傾きと、同縦・横中心のけがき線の交差する中心位置を画像処理にて認識することにより決定される様にしてチッププラグの溶接装置を構成しているので、カメラ装置によりチッププラグを撮影し、制御装置においてこの撮影データに基づいて同チッププラグの基準位置に対する傾きと中心位置を計算し、その結果に追従させて予め設定された溶接軌跡の傾きと中心位置を変位、補正させ、同溶接軌跡に沿って溶接ヘッドを移動させてチッププラグの溶接を行うが、同制御装置においては、前記カメラ装置により撮影された例えば小判型のチッププラグ自体の製作時に補助線として記載されたけがき線の傾きを計算して同チッププラグの傾きを決め、また、同けがき線の縦・横が交差する中心位置により同チッププラグの位置を把握し、予め設定された溶接軌跡を画像処理にてこれに追従変化させることにより、同溶接軌跡をカメラ装置で撮影されたチッププラグの外形に迅速に適合させ、翼外周側先端面に対するチッププラグの溶接が適切に行われ、以て作業効率及び品質向上に寄与する好適なチッププラグの溶接装置を得ることが出来たものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係るチッププラグの溶接装置の全貌を概略的に説明する説明図である。
【図2】要部の変形例を示し、(a)は部分正面図、(b)は部分側面図である。
【図3】本実施の形態におけるチッププラグの認識手順の一例を(a)〜(c)に順序立てて示す説明図である。
【図4】図4は図3に対応する他の例を(a)〜(d)に順序立てて示す説明図である。
【符号の説明】
1 回転テーブル
2 固着具
3 翼
3a 先端面
4 溶接ヘッド駆動装置
4X X軸走行部
4Y Y軸走行部
4Z Z軸走行部
5 溶接ヘッド
6 カメラ装置
7 チップ押さえ装置
8 溶接操作装置
9 YAGファイバー
10 制御装置
30 チッププラグ

Claims (2)

  1. 翼内部に形成される冷却媒体通路の翼外周側先端面にチッププラグを溶接し、同冷却媒体通路の先端側をプラグするチッププラグの溶接装置において、前記チッププラグを撮影するカメラ装置と、前記チッププラグの外周形状に相当する予め設定された溶接軌跡に沿って移動する溶接ヘッドを備えて前記チッププラグを翼の外周側先端面に溶接する溶接装置と、前記カメラ装置の撮影データに基づき前記チッププラグの基準位置に対する傾きと中心位置を計算し、予め設定された前記溶接軌跡をこの傾きと中心位置で補正して、これに追従して変化させる様に溶接ヘッドを制御する制御装置を設け、同制御装置において、前記カメラ装置の撮影データに基づき計算されて変化される前記溶接軌跡は、撮影されたチッププラグの長辺の傾きと中心位置を画像処理にて認識することにより決定されることを特徴とするチッププラグの溶接装置。
  2. 翼内部に形成される冷却媒体通路の翼外周側先端面にチッププラグを溶接し、同冷却媒体通路の先端側をプラグするチッププラグの溶接装置において、前記チッププラグを撮影するカメラ装置と、前記チッププラグの外周形状に相当する予め設定された溶接軌跡に沿って移動する溶接ヘッドを備えて前記チッププラグを翼の外周側先端面に溶接する溶接装置と、前記カメラ装置の撮影データに基づき前記チッププラグの基準位置に対する傾きと中心位置を計算し、予め設定された前記溶接軌跡をこの傾きと中心位置で補正して、これに追従して変化させる様に溶接ヘッドを制御する制御装置を設け、同制御装置において、前記カメラ装置の撮影データに基づき計算されて変化される前記溶接軌跡は、撮影されたチッププラグの横中心および縦中心に認識のための補助線として描かれたけがき線の傾きと、同縦・横中心のけがき線の交差する中心位置を画像処理にて認識することにより決定されることを特徴とするチッププラグの溶接装置。
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