JP3686196B2 - 光学部材の球面創成方法 - Google Patents

光学部材の球面創成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーブジェネレータを用いたレンズまたはレンズ成形型部材などの光学部材の球面創成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カーブジェネレータを用いた光学部材の球面創成方法には、日本オプトメカトロニクス協会発行の「光学素子加工技術」に所載の技術が開示されている。この技術を図11〜図14を用いて説明する。図11は一般的に知られたカーブジェネレータを用いた光学部材の球面創成方法の加工原理図、図12は砥石スピンドルの軸心を所定のスイベル角に設定した図、図13はワークスピンドルの軸心を砥石先端曲率半径の中心に合致させた図、図14はワークスピンドルをカップ型研削砥石に当接させて球面創成加工する図である。
【0003】
図11において、ワークスピンドル101は、その軸心たるワーク軸105を中心に低速回転する。ワークスピンドル101の先端には、光学ガラス等からなるワーク102を保持している。ワークスピンドル101は、ワーク軸105に平行なX軸および垂直なY軸の方向に、それぞれ矢印B、矢印Cに示すように移動自在に構成されている。砥石スピンドル103は、その軸心たるA軸を中心に高速回転する。砥石スピンドル103の先端には、カップ型研削砥石104が取着されている。カップ型研削砥石104の先端は、砥石中央径Dの環状をなし、その先端断面形状は砥石中央径D上に中心104aをもつ砥石先端曲率半径rの円弧状に形成されている。また、砥石スピンドル103のA軸上の原点Oを中心として、砥石スピンドル103は矢印Sの方向に旋回自在に構成されている。なお、X軸、Y軸およびA軸は原点Oを基準にした同一平面上に存在している。
【0004】
上記カーブジェネレータを用いて球面を創成するには、まず、スイベル角θを下記▲3▼式を用いて算出する。
sinθ=D/2(R±r)・・・▲3▼
但し、
θ:X軸とA軸とのなす角(以後「スイベル角」とよぶ)
D:カップ型研削砥石の砥石中央径
R:ワークに創成される球面の曲率半径
r:カップ型研削砥石の砥石先端曲率半径(+は凸面加工、−は凹面加工)
【0005】
目標とする球面の曲率半径をR0 として、カップ型研削工具の砥石中央径Dおよび先端曲率半径rを測定し、▲3▼式にそれぞれ代入してスイベル角θを求める。つぎに図12に示すように、砥石スピンドル3を,計算で求めたスイベル角θになるように旋回させる。さらに、図13に示すように、ワークスピンドル101のワーク軸105のY座標y1 とカップ型研削砥石104の砥石先端曲率半径rの中心104aのY座標y2 とが合致するように、ワークスピンドル101をY軸方向に移動する。さらにまた、図14に示すように、ワークスピンドル101を低速回転させながらX軸方向に移動して、高速回転するカップ型研削砥石104に近接させ、ワーク102が所定の厚さになるまで研削加工する。所定の厚さになったところで、ワークスピンドル101のX軸方向の移動を停止し、ワ−ク102を1回転以上させることにより、目標とする球面が得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上記従来技術には、つぎのような問題点があった。従来の加工条件の設定においては、砥石中央径Dと砥石先端曲率半径rとを測定し、その測定値を基に加工条件設定を行うが、一般に砥石先端は精度良く製作されていないので、砥石先端曲率半径rを精度良く測定することは困難である。また、砥石先端曲率半径rが精度良く製作されていたとしても、カップ型研削砥石は使用している間に先端形状が変化する。即ち、加工条件によって異なるものの、図15に示すように、(a)の円弧形状から(b)の尖った形状に移行する。このように変化した形状では、砥石先端曲率半径rを測定することはできないので、前記▲3▼式を用いる代わりに、新品の砥石でないかぎり、下記▲4▼式を用いた加工条件の設定を余儀なくされている。
sinθ=D11/(2R0 )・・・▲4▼
但し、
θ:スイベル角
11:概略の砥石中央径
0 :目標とする球面の曲率半径
従って、概略の砥石中央径D11は正確な数値を代入できないので、正しいスイベル角θを求めることができず、概略の球面創成加工を行って、熟練技術者による経験とカンとによって、最終的な加工条件の補正が行われていた。
【0007】
また例えば、ワークがレンズの場合に、レンズの加工品質には、球面の曲率半径、レンズ中心部に創成される削り残しの突起(以下ヘソとよぶ)の有無、および中肉の厚さの3項目が挙げられるが、前記2項目(球面の曲率半径、レンズ中心部のヘソの有無)の補正をそれぞれ行うと他の項目に影響する。そのため、熟練技術者といえども、1項目の補正を行い、目標とするレンズの球面を創成するためには、数回〜数十回の補正による試し加工を行うこととなり、長時間を要していた。
【0008】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、請求項1、2または3に係る発明の課題は、カップ型研削砥石の磨耗状況に影響されず、熟練技術者でなくても、短時間で正確な加工条件設定が行える光学部材の球面創成方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1、2または3に係る発明は、カーブジェネレータのワーク軸上に光学部材用素材を保持して回転させ、これを回転するカップ型研削砥石に当接させて球面を創成する光学部材の球面創成方法において、前記カップ型研削砥石の真の砥石有効径D0 を、初期加工時のスイベル角θ1 、並びに初期加工した光学部材用素材の曲率半径R1 およびヘソ径Hのそれぞれの値から計算で求め、この真の砥石有効径D0 の値を基に加工条件の補正を行うことを特徴とする。
【0010】
請求項1、2または3に係る発明の作用では、カップ型研削砥石の真の砥石有効径D0 を、初期加工時のスイベル角θ1 、並びに初期加工した光学部材用素材の曲率半径R1 およびヘソ径Hのそれぞれの値から計算で求め、この真の砥石有効径D0 の値を基に加工条件の補正を行うことにより、カップ型研削砥石の磨耗を直接測定する必要がなく、正確な補正を行うことができる。
請求項2に係る発明の作用では、上記作用に加え、真の砥石有効径D0 は、下記▲1▼式にて求められるので、迅速な計算が可能となる。
0 =2|R1 |sin〔θ1 −sin-1{H/(2|R1 |)}〕・・▲1▼
但し、
θ1 :初期加工時のスイベル角
1 :スイベル角θ1 で加工された球面の曲率半径(凸面は+、凹面は−)
H:スイベル角θ1 で加工された球面のヘソ径(外ヘソは+、内ヘソは−)
請求項3に係る発明の作用では、上記作用に加え、加工条件の補正のうち、補正後のスイベル角θ0 を下記▲2▼式にて求められるので、迅速な計算が可能となる。
θ0 =sin-1{D0 /(2|R0 |)}・・・▲2▼
但し、
0 :真の砥石有効径
0 :目標とする球面の曲率半径
【0011】
【発明の実施の形態】
図1〜図8は発明の実施の形態を示し、図1はカーブジェネレータの平面図、図2はNC装置による球面創成加工法のフローチャート、図3はスイベル台の初期のスイベル角を設定した図、図4は砥石先端とワーク軸を略合致させた図、図5は手動モードによる初期の球面創成加工の図、図6はヘソの種類を示す図、図7はワークの測定図、図8は自動モードによる球面創成加工の図である。まず、本発明の実施の形態に用いるカーブジェネレータについて説明する。
【0012】
図1において、図示を省略した基台上には、Yスライド台1がYモータ2の駆動によりY軸方向に移動自在に配設されている。Yスライド台1上には、ワークヘッド3が配設され、Xモータ4の駆動によりX軸方向に移動自在となっている。ワークヘッド3には、ワークスピンドル5が装備され、図示を省略したモータの駆動によりワークスピンドル5の軸心たるワーク軸8を中心に低速回転する。ワークスピンドル5の先端には、光学ガラスからなる光学部材用素材としてのワーク7を保持したチャック6が取着されている。
【0013】
また、前記基台上には、旋回モータ10の駆動により原点Oを中心として旋回するスイベル台9が配設されている。スイベル台9上には、砥石ヘッド11が配設され、砥石ヘッド11には、砥石スピンドル12が装備されている。砥石スピンドル12は図示を省略したモータの駆動により研磨スピンドル12の軸心たる砥石軸13を中心に高速回転する。砥石スピンドル12の先端には、カップ型研削砥石14が取着されている。カップ型研削砥石14は、砥石先端が磨耗しているので、真の砥石有効径D0 は測定できないため、概略砥石径D1 が測定されている。なお、図1において原点Oを基準として、ワーク軸8に平行なX軸と、ワーク軸8に垂直なY軸とが設定され、X軸、Y軸、ワーク軸8および砥石軸13は同一平面上に存在する。また、砥石軸13と原点Oとの距離Wが存在し、カーブジェネレータ固有の値を有している。
【0014】
Yモータ2、Xモータ4および旋回モータ10は、NC装置15に電気的に接続されており、これらのモータは図2に示すフローチャートにより制御される。NC装置15には、通常の球面創成加工プログラムと補正計算プログラムとが記憶されている。この補正計算プログラムは、式(a)でカップ型研削砥石14の真の砥石有効径D0 、式(b)でワーク7を目標とする球面の曲率半径R0 に加工できるスイベル角θ0 、式(d)でカップ型研削砥石14に対するYスライド台1のY方向のスパークアウトY座標Y0 (真の砥石有効径D0 と砥石先端部Eとが交差する位置)、式(f)でワーク7の中肉測定値T1 と中肉目標値T0 との差ΔT、式(g)で砥石軸13のスイベル角を補正することによるワーク7の中肉変化量ΔTθ、式(h)でワーク7の中肉目標値T0 を加工できるカップ型研削砥石14に対するワークヘッド3のX方向のスパークアウトX座標X0 (真の砥石有効径D0 と砥石先端部Eとが交差する位置)をそれぞれ求めている。なお、Yモータ2、Xモータ4および旋回モータ10は、手動モードで制御することもできるようになっている。
【0015】
上述のカーブジェネレータを用いて、レンズの凸球面を創成加工する場合について説明する。まず、カップ型研削砥石14の概略砥石径D1 を測定する。つぎに下記▲5▼式に概略砥石径D1 および球面の目標曲率半径R0 を代入して、初期スイベル角θ1 (スイベル角:砥石軸13とワーク軸8とのなす角)を求める。
θ1 =sin-1{D1 /(2|R0 |)}・・・▲5▼
つぎに、図3に示すように、スイベル角がθ1 になるように、スイベル台9を手動モードで旋回する。さらに、図4に示すように、カップ型研削砥石14の砥石先端部Eとワーク軸8とが目分量で合致するように、Yスライド台1を手動モードで移動する。
【0016】
つぎに、図示を省略したモータを駆動させ、ワークスピンドル5と砥石スピンドル12とを回転させる。さらに、ワークヘッド3を手動モードで、X軸の正方向へゆっくり移動させ、球面創成加工を行う。図5に示すように、ワーク7がワーク軸8に相当する球面の中心まで加工されたところでワークヘッド3の送りを止める。このときの送りは、ワーク7が削り過ぎによる不良とならないように、厚さが中肉目標値T0 より厚い位置で停止させる。この状態で、ワーク7が1回転以上するまで待機してから、ワークヘッド3のX座標を初期位置(図4のX座標)に戻す。
【0017】
ここで、球面創成加工されたワーク7の曲率半径R1 、中心にできるヘソ径H、および中肉T1 を測定する。それぞれの測定方法は以下の通りである。
(1)曲率半径R1 の測定
簡易球面計を使用して、マスターレンズとの比較により計算で求める。
(2)ヘソ径Hの測定
ノギスまたは工具顕微鏡などを用いて測定する。但し、ヘソには、図6(a)に示すように、ワーク7の回転軸がカップ型研削砥石14の外側にあるために発生する外へソと、図6(b)に示すように、内側にあるために発生する内へソがある。計算上では、外へソの径Hは正(+)として、内へソの径Hは負(−)として扱う。なお、内へソと外へソとの見分けは、ワーク7の球面の加工跡から判断する。
(3)中肉T1 の測定
図7(a)に示すように、ヘソが無い場合は、ワーク7の回転軸上を、ヘソがある場合は、ヘソ径Hの円周上でワーク7の回転軸と平行な方向に測定する。
【0018】
つぎに、測定した曲率半径R1 、ヘソ径H、中肉T1 と、目標とする球面の曲率半径R0 、中肉目標値T0 、初期スイベル角θ1 、ワークヘッドの初期スパークアウトX座標X1 、および初期スパークアウトY座標Y1 の値をNC装置に入力する。手動モードから自動モードに切り替えて、図2に示したフローチャートのプログラムを走らせ、図8に示すように、球面創成加工を行う。
【0019】
球面創成加工後、再度、ワーク7の球面曲率半径、ヘソ径および中肉を測定し、目標どおりの球面が創成されたか否か確認する。このワーク7の球面は、真の砥石有効径D0 を基に求められた加工条件で球面創成加工されているので、殆どの場合、目標どおりの形状に球面創成されているが、微妙に目標値とずれている項目があれば、その項目のみ、測定値を再度入力し、再補正を行う。補正が完了し、連続加工に入った後でも、カップ型研削砥石の磨耗や、温度変化による影響から、ワークの球面形状が変化する可能性があるので、定期的に上記3項目(曲率半径R、ヘソ径H、中肉T)を測定し、測定値が目標値とずれたときのみ、その測定値を入力し、補正を行う。
【0020】
本発明の実施の形態によれば、曲率半径、ヘソ、中肉の3つの補正が同時に正確に行え、カップ型研削砥石の磨耗による補正精度の悪化がないため、熟練技術者でなくても、短時間で正確な加工条件設定を行うことができる。
【0021】
【実施例】
つぎに、上述の発明の実施の形態に示した球面創成方法に基づいて、CADを用いた作図により、レンズの凸球面の補正精度を確認した実施例を説明する。図9〜図10は本実施例を示し、図9は初期加工を示す図、図10は加工条件補正後の球面創成加工を示す図である。
【0022】
本実施例は、図9に示す光学素材からなるワーク7を曲率半径R0 =17.372mm、中肉T0 =7.105mmの凸レンズに加工するものである。目標とする球面の曲率半径R0 =17.372と、初期加工時のスイベル角θ1 =38°とをNC装置15(図1参照)に入力しての初期加工における各軸のスパークアウト座標は、X1 =−9.713mm、Y1 =7.156mm、θ1 =38°である。初期加工にて創成されるレンズの形状は、曲率半径R1 =11.757mm、中肉T1 =9.219mm、ヘソ径H=2mm(内へソ)になる。この3つの値を作業者が測定して、NC装置15に入力したとすると、図2で示した補正計算プログラムの計算結果は、以下のようになる。
【0023】
〔入力値〕
W=4(カーブジェネレータの固有値)
0 =17.372
0 =7.105
1 =11.757
1 =9.219
H=−2(内へソにより−)
θ1 =38
1 =7.156
1 =−9.713
〔計算結果〕
θ0 =27.42
0 =3.411
0 =−6.713
【0024】
図10に示すように、上記計算結果のスパークアウト座標で球面創成加工をした結果では、曲率半径R0 =17.372mm、中肉T0 =7.105mmで、ヘソが出現しないレンズの凸球面を創成できることが分かり、1回の補正で目標どおりの球面を得ることが確認できた。
【0025】
なお、本発明の実施の形態では、曲率半径の測定を球面計により換算する計算式は、補正計算プログラムにはなく、別に行うものであったが、この計算プログラムに入れてもよい。この場合、曲率半径Rを入力する替わりに、球面計に表示されるマスターレンズとの球欠量の差を入力すればよいので、より作業者の負担が減り、工数削減になる。
【0026】
また、本発明の実施の形態では、スイベル角およびワーク軸のスパークアウト座標(θ、X、Y)を毎回入力するようにしていたが、各軸のスパークアウト座標は自動的にNC装置に入力できるようにしてもよい。この場合、作業者は補正したいときに、ワークの測定値(曲率半径R、ヘソ径H、中肉T)の3項目のみ入力すればよく、作業者の負担が減り工数削減になる。
【0027】
さらにまた、本発明の実施の形態では、レンズの凸球面を創成する場合について説明したが、凹球面を創成する場合にも同様に適用することができる。また、レンズの他、球面を有するプリズムなどの他の光学素子の球面創成加工にも適用することができる。さらに、プレスレンズやプラスチックレンズを成形するための成形型部材の球面創成加工にも適用することができる。
【0028】
なお、本発明は下記(1)に記載の発明を含むものである。
(1) 前記加工条件の補正を、下記に示すステップで行うことを特徴とする請求項1記載の光学部材の球面創成方法。
ステップ1) カップ型研削砥石の初期概略砥石径D1 を測定する。
ステップ2) 下記▲5▼式により求めたスイベル角θ1 で光学部材用素材の初期加工を行う。
θ1 =sin-1{D1 /(2|R0 |)}・・・▲5▼
但し、D1 :初期概略砥石径、R0 :目標の曲率半径
ステップ3) ステップ2で加工された光学部材用素材の球面の曲率半径R1 (凸面は+、凹面は−)とヘソ径H(外ヘソは+、内ヘソは−)を測定する。
ステップ4) 前記▲1▼式により、真の砥石有効径D0 を求める。
ステップ5) 前記▲2▼式により、目標の曲率半径R0 に創成加工できるスイベル角θ0 を求める。
ステップ6) スイベル角をθ0 にする。
ステップ7) 真の砥石有効径D0 とワーク軸が交差するように、ワーク軸または砥石軸を移動する。
ステップ8) ステップ2で加工された光学部材用素材の中肉測定値T1 と中肉目標値T0 との差ΔT=T0 −T1 を求める。
ステップ9) ステップ6で、スイベル角をθ1 からθ0 に変化させ、ステップ7でワーク軸または砥石軸を移動したことにより、中肉が変化する量ΔTθを求める。
ステップ10) 中肉目標値T0 に加工するためのワーク切り込み座標X0 を下記▲6▼式により求める。
0 =X1 +ΔTθ−ΔT・・・▲6▼
但し、X1 :初期加工でのワーク切り込み座標
ステップ11) ワークの切り込み座標がX0 になるまで切り込み加工する。
ステップ12) 目標とする球面形状に加工されているか確認する。ずれている項目があれば、ステップ4に戻り、再度補正する。
このようなステップ1〜12によって作業を進めることにより、請求項1の効果に加え、NC装置による自動モード作業を容易に推進することができる。
【0029】
【発明の効果】
請求項1、2または3に係る発明によれば、カップ型研削砥石の磨耗を直接測定する必要がなく、正確な補正を行うことができるので、カップ型研削砥石の磨耗による補正精度の悪化がなく、熟練技術者でなくても、短時間で正確な加工条件設定を行うことができる。
請求項2に係る発明によれば、上記効果に加え、真の砥石有効径の迅速な計算が可能となるので、NC装置による自動モード作業が容易となる。
請求項3に係る発明によれば、上記効果に加え、補正後のスイベル角の迅速な計算が可能となるので、NC装置による自動モード作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態のカーブジェネレータの平面図である。
【図2】発明の実施の形態のNC装置による球面創成加工法のフローチャートである。
【図3】発明の実施の形態のスイベル台の初期のスイベル角を設定した図である。
【図4】発明の実施の形態の砥石先端とワーク軸を略合致させた図である。
【図5】発明の実施の形態の手動モードによる初期の球面創成加工の図である。
【図6】発明の実施の形態のヘソの種類を示す図である。
【図7】発明の実施の形態のワークの測定図である。
【図8】発明の実施の形態の自動モードによる球面創成加工の図である。
【図9】実施例の初期加工を示す図である。
【図10】実施例の加工条件補正後の球面創成加工を示す図である。
【図11】従来技術の一般的に知られたカーブジェネレータを用いた光学部材の球面創成方法の加工原理図である。
【図12】従来技術の砥石スピンドルの軸心を所定のスイベル角に設定した図である。
【図13】従来技術のワークスピンドルの軸心を砥石先端曲率半径の中心に合致させた図である。
【図14】従来技術のワークスピンドルをカップ型研削砥石に当接させて球面創成加工する図である。
【図15】従来技術のカップ型研削砥石の先端の磨耗状況を示す図である。
【符号の説明】
7 ワーク
8 ワーク軸
14 カップ型研削砥石
θ1 スイベル角
1 曲率半径
H ヘソ径

Claims (3)

  1. カーブジェネレータのワーク軸上に光学部材用素材を保持して回転させ、これを回転するカップ型研削砥石に当接させて球面を創成する光学部材の球面創成方法において、
    前記カップ型研削砥石の真の砥石有効径D0 を、初期加工時のスイベル角θ1 、並びに初期加工した光学部材用素材の曲率半径R1 およびヘソ径Hのそれぞれの値から計算で求め、この真の砥石有効径D0 の値を基に加工条件の補正を行うことを特徴とする光学部材の球面創成方法。
  2. 前記真の砥石有効径D0 は、下記▲1▼式にて求めることを特徴とする請求項1記載の光学部材の球面創成方法。
    0 =2|R1 |sin〔θ1 −sin-1{H/(2|R1 |)}〕・・▲1▼
    但し、
    θ1 :初期加工時のスイベル角
    1 :スイベル角θ1 で加工された球面の曲率半径(凸面は+、凹面は−)
    H:スイベル角θ1 で加工された球面のヘソ径(外ヘソは+、内ヘソは−)
  3. 前記加工条件の補正のうち、補正後のスイベル角θ0 を下記▲2▼式にて求めることを特徴とする請求項1記載の光学部材の球面創成方法。
    θ0 =sin-1{D0 /(2|R0 |)}・・・▲2▼
    但し、
    0 :真の砥石有効径
    0 :目標とする球面の曲率半径
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