JP3685822B2 - エアドリル - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はエアドリルの冷却装置に係り、特に供給された圧縮エアでドリルを回転して被加工部材を穿孔するエアドリルに設けられ、ドリルを冷却するエアドリルの冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
工作機械の冷却集塵装置は、これまで種々のタイプのものが提案されている。
例えば、特開昭58−59746号公報にはドリルをフードで囲み、このドリルの中心に向けて四方から切削油ミストを噴射しドリルを冷却すると共に、フード内を吸引し切削油ミストや切粉を集塵ダストから排出する工作機械の冷却集塵装置が開示されている。
【0003】
また、特開平3−3713号公報に開示されたプリント基盤穴明機のプレッシャフットは、プレッシャフット内をホースを介して切粉吸引装置に連通してプレッシャフット内を負圧状態にすると共に、プレッシャフットの先端付近から圧縮空気をドリルの接線方向に向けて水平に噴射する。この圧縮空気は、プレッシャフット内でほぼ断熱状態で膨脹するので、温度が急激に低下してドリルを冷却すると同時に切粉を巻き込んで切粉吸引装置に排出する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一方、繊維強化プラスチック(以下CFRPと呼す)等の複合材は、高強度であるばかりでなく加工熱が素材に分散しにくい為、CFRP等の複合材に穴を開ける場合、刃物に加工熱が籠り、刃先が摩耗して短時間で切れ味が悪くなる。そして、CFRP等の複合材を穿孔する場合、従来の工作機械の冷却集塵装置のように切削油ミストを噴射しドリルを冷却する方法や、従来のプリント基盤穴明機のプレッシャフットのように圧縮空気の断熱膨脹で温度を低下する方法では、ドリルの冷却が十分に行われないという問題がある。また、従来の工作機械の冷却集塵装置やプリント基盤穴明機のプレッシャフットの場合は、切削油ミストや圧縮空気を導入する手段を新たに設ける必要があるために重量が増加するので、エアドリルのように手に持って使用するものに取り付けると重量が重くなり取扱いが困難になるという問題がある。
【0005】
したがって、本発明の目的は上記従来技術が有する問題を解消し、CFRP等の複合材の穿孔時にドリルを十分に冷却することができ、かつ、軽量化を図ることができるエアドリルの冷却装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する、請求項1に記載した手段は、
複合材の穿孔に用いる手持式のエアドリルであって、
供給された圧縮エアにより回転するドリルと、
この圧縮エアを排気するマフラーと、
穿孔により生じた切削切粉を吸塵する吸塵口が開口している、前記ドリルの周囲を閉塞するためのフードと、
前記マフラーの周囲を覆うように取り付けられて前記マフラーから排気された排気エアを取り込むエアアダプタと、
粉末冷媒としてのセチルアルコールを収納する、前記エアドリルの本体に固定された冷却タンクと、
前記エアアダプタと前記冷却タンクとを連通して前記排気エアを前記冷却タンクに案内するエア取込管と、
前記冷却タンク内で前記セチルアルコールと混合した前記排気エアを前記ドリルに向けて前記フードの内部に噴射するエア供給管と、
を備えることを特徴としている。
【0007】
【作用】
本発明によれば、マフラーから排気されて断熱膨脹作用で温度が低下した排気エアを、エア取込み手段で取り込こんで冷却タンク内に導く。
冷却タンク内に導かれた排気エアは、粉末冷媒と混合されて粉末冷媒による気化作用で冷却される。
そして、冷却タンク内で粉末冷媒と混合された混合エアはフード内に噴射される。
したがって、フード内のドリルは、断熱膨脹作用および気化作用で低温となった排気エアで冷却され、同時に、ドリルに付着した粉末冷媒で熱奪される。
これにより、ドリルは、低温化された排気エアと粉末冷媒とで二重に冷却される。
【0008】
【実施例】
以下本発明によるエアドリルの冷却装置を図を参照して説明する。
図1において、全体を符号1で示したエアドリルは、エアドリル本体2のグリップ部2aにエアホース3が取り付けられている。エアホース3は、図示しないエア供給源に連通されている。このエア供給源から供給された圧縮エアでドリル5に回転力が付与される。一方、この圧縮エアは、エアホース3を介してドリル本体2内のマフラー4まで案内され、マフラー4から排気される。ドリル5はスピンドル6(図2参照)の先端部に設けられ、スピンドル6はスピンドルスリーブ6aに回動自在に支持されている。スピンドルスリーブ6aはドリル本体2に固定されている。
【0009】
また、エアドリル本体2にはスピンドルスリーブ6aに平行となるようにピストンスリーブ7が伸縮自在に支持されている。ピストンスリーブ7の先端部にはテンプレートフット8が固定され、テンプレートフット8は穴8b(図2参照)を介してスピンドルスリーブ6aに慴動自在に支持されている。図2に示すように、テンプレートフット8にはフード部8aが形成され、スピンドル6およびドリル5は穴8bを介してフード部8a内に嵌入されている。テンプレートフット8には吸塵アダプタ9がねじ10、10等を介して固定され、吸塵アダプタ9の吸塵口9aはフード部8a内に開口している。これにより、ドリル5で穿孔する際に生じる切削切粉が吸塵口9aを介して吸塵アダプタ9に導かれ、吸塵アダプタ9を介して図示しない吸塵装置に回収される。なお、吸塵アダプタ9はアルミニューム材で形成されている。
【0010】
図1に示したエアドリルの冷却装置は、エア取込み手段11、冷却タンク12およびエア供給管13を備えている。エア取込み手段11はエアアダプタ14を有し、エアアダプタ14はプラスチック等の合成樹脂で円筒形状に形成されている。エアアダプタ14はマフラー4の外周を覆うようにマフラー4に嵌め込まれている。エアアダプタ14の周面には穴14aが形成され、マフラー4は穴14aを介して排気を行う。
【0011】
エアアダプタ14の周面にはナット15を介してエアコック16が取り付けられ、エアアダプタ14内とエアコック16が連通されている。エアコック16にはエア取込み管17の一端が取り付けられ、エア取込み管17の他端は後述する冷却タンク12の左端部に取り付けられている。これにより、エアアダプタ14内のマフラー4はエアコック16、エア取込み管17を介して冷却タンク12内に連通される。なお、エア取込み管17は、ビニール製のチューブで直径が8.0mmに形成され、断熱効果がある。
【0012】
前述した冷却タンク12は、透明のプラスッチック材で円筒状に形成され、冷却タンク12内にはセチルアルコール等の粉末冷媒18が収納されている。このように、冷却タンク12を透明なプラスッチック材で形成したので粉末冷媒18の残量を目視で容易に知ることができる。冷却タンク12はタンクストッパ19を介してエアドリル本体2の上部に横向きに固定されている。
【0013】
すなわち、タンクストッパ19は略U字状に形成され、一端部がねじ20、20でエアドリル本体2の上部に固定されている。また、タンクストッパ19には冷却タンク12が外周にねじ21aおよびナット21bを介して取り付けられている。これにより、上述したように冷却タンク12はタンクストッパ19を介してエアドリル本体2の上部に横向きに固定される。
【0014】
冷却タンク12の右端部にはエア供給管13の左端部が連通され、エア供給管13の右端部は吸塵アダプタ9に形成された噴射口9bに連通されている。噴射口9bはフード部8a内に開口している。したがって、冷却タンク12はエア供給管13を介して、フード部8a内に連通されている。なお、エア供給管13は、ビニール製のチューブで直径が6.5mmに形成され、断熱効果がある。このように、エア供給管13の内径(6.5mm)はエア取込み管17の内径(8.0mm)より小さく設定されているので、混合エアはフード部8a内に圧縮噴射される。
【0015】
次に前記のように構成された本発明によるエアドリルの冷却装置の作用を説明する。
まず、テンプレートフット8をCFRP30(図2参照)の表面に当接してフード部8a内を密封し、エアドリル1を作動して圧縮エアでドリル5を回転する。これにより、CFRP30がドリル5で穿孔される。一方、エアドリル1の作動と同時に、圧縮エアがマフラー4から排気されて断熱膨脹作用で温度が低下する。この排気エアはエアアダプタ14に充填され、エアコック16で適宜調圧され、エア取込み管17を介して冷却タンク12内に案内される。冷却タンク12内に案内された排気エアはセチルアルコール等の粉末冷媒18と混合され、粉末冷媒18の気化作用で温度が低下する。なお、一般に図示しないエア供給源から供給される圧縮エアの温度は22゜C程度であり、マフラー4から排気された排気エアの温度は断熱膨脹作用で16゜C程度まで低下する。そして、冷却タンク12内で冷却された混合エアの温度は気化作用で10゜C程度まで低下する。
【0016】
冷却タンク12内で冷却された排気エアと粉末冷媒18との混合エアは、エア供給管13を介して噴射口9bからドリル5に向けてフード部8a内に噴射される。
これにより、フード8a内には、断熱膨脹作用および粉末冷媒18の気化作用の2つの作用で温度が低下した排気エアと、排気エアと混合された粉末冷媒18が充填される。
そして、粉末冷媒18はドリル5に付着して熱奪することによりドリル5を冷却する。 したがって、加工熱の籠ったドリル5は排気エアと粉末冷媒18とで二重に冷却される。
【0017】
なお、フード部8a内に充填された混合エアは、ドリル5で穿孔する際に生じた切削切粉とともに吸塵口9aを介して吸塵アダプタ9に導かれ、吸塵アダプタ9を介して図示しない吸塵装置に回収される。これにより、人体および作業環境の安全が図られる。
【0018】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によるエアドリルによれば、マフラーから排気されて断熱膨脹作用で温度が低下した排気エアを、エア取込み手段で取り込こんで冷却タンク内に導く。
冷却タンク内に導かれた排気エアは、粉末冷媒と混合されて粉末冷媒による気化作用で冷却される。
そして、冷却タンク内で粉末冷媒と混合された混合エアはフード内に噴射される。
したがって、フード内のドリルは、断熱膨脹作用および気化作用で低温となった排気エアで冷却され、同時に、ドリルに付着した粉末冷媒で熱奪される。
これにより、ドリルは、低温化された排気エアと粉末冷媒とで二重に冷却される。
【0019】
したがって、CFRP等の複合材の穿孔時にドリルを十分に冷却することができる。
これにより、ドリルの寿命が、従来のエアドリルの場合と比較してCFRPの穿孔時で75パーセント延長した。
また、エアドリルから排出された圧縮エアを冷却タンク内の粉末冷媒で冷却するので冷却タンクの重量増加を最小限に抑えて、使い勝手のよい冷却装置付きエアドリルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるエアドリルの冷却装置をエアドリルに装着した状態を示した斜視図。
【図2】本発明によるエアドリルの冷却装置の要部を拡大して示した要部拡大図。
【図3】図1の断面A−A線に沿って縦方向に切断した状態を示したA−A線の縦断面。
【符号の説明】
1 エアドリル
4 マフラー
5 ドリル
8a フード
9a 吸塵口
9b 噴射口
10 ねじ
11 圧縮エア取込み手段
12 冷却タンク
13 エア供給管
18 冷却冷媒
30 CFRP(被加工部材)
Claims (5)
- 複合材の穿孔に用いる手持式のエアドリルであって、
供給された圧縮エアにより回転するドリルと、
この圧縮エアを排気するマフラーと、
穿孔により生じた切削切粉を吸塵する吸塵口が開口している、前記ドリルの周囲を閉塞するためのフードと、
前記マフラーの周囲を覆うように取り付けられて前記マフラーから排気された排気エアを取り込むエアアダプタと、
粉末状のセチルアルコールを収納する、前記エアドリルの本体に固定された冷却タンクと、
前記エアアダプタと前記冷却タンクとを連通して前記排気エアを前記冷却タンクに案内するエア取込管と、
前記冷却タンク内で前記粉末状のセチルアルコールと混合した前記排気エアを前記ドリルに向けて前記フードの内部に噴射するエア供給管と、
を備えることを特徴とするエアドリル。 - 前記エア取込み管は、前記エア供給管よりも内径が大きく設定されていることを特徴とする請求項1に記載したエアドリル。
- 前記エア取込管およびエア供給管がビニール製のチューブであることを特徴とする請求項1に記載したエアドリル。
- 前記エアアダプタがプラスチック製であることを特徴とする請求項1に記載したエアドリル。
- 前記冷却タンクが透明なプラスチック材から形成されていることを特徴とする請求項1に記載したエアドリル。
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JP21011594A JP3685822B2 (ja) | 1994-09-02 | 1994-09-02 | エアドリル |
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-
1994
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