JP3685375B2 - 燃焼装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
この発明は石油ファンヒーター等の家庭用暖房器具の燃焼装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来よりこの種のものに於いては、例えば特公平2−23767号公報に開示され図6に示す如く、バーナヘッドa外周に一端を気化筒bに連接したバーナヘッドリングcを備え、燃焼熱を燃油を気化させる為の熱として気化筒bにヒートバックすると共に、外方から供給される二次空気dを二次火炎eに案内して、二次火炎eを冷却して温度を下げることで、窒素酸化物の発生を低減するものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところでこの従来のものでは、二次火炎eが二次空気dによって急激にしかも多量に冷却される為に、窒素酸化物は確かに低減されるが、逆に窒素酸化物中の二酸化窒素の値が増加してしまうと言う問題点を有し、両方を同時に低減することが大変難しいものであった。
【0004】
【問題点を解決するための手段】
この発明はこの点に着目し上記欠点を解決する為、特にその構成を、加熱ヒーターを備え気化ガスと燃焼空気とを予混合する有底筒状の気化筒と、該気化筒からの混合気を周壁に設けた複数個の炎孔で燃焼させる有天筒状のバーナヘッドと、該バーナヘッドの周壁を覆い気化筒に気化熱をヒートバックすると共に、外周からの二次空気を案内するバーナヘッドリングとを備えたものに於いて、前記バーナヘッドリングの最上方炎孔より高い位置には、外方へ延びるフランジ部を設け、更にこのフランジ部には、複数個の孔或いは切り欠きで形成された二次空気供給部を備えたものである。
【0006】
更にこのフランジ部の二次空気供給部を、二次空気流入口の反対側にのみ形成したものである。
【0007】
又フランジ部の二次空気流入口側を他より長く延ばしたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
気化筒1内で予混合された混合気は、上方のバーナ6内に流入しここから周壁の炎孔7、8を介して噴出され、点火電極13で着火されて各炎孔7、8毎に一次火炎Aが形成され、そしてその外方に大きな二次火炎Bが形成され、この二次火炎Bは外周のバーナヘッドリング11に広がりを抑制されて上方に立ち上がることになり、この時バーナヘッドリング11は二次火炎Bと接して燃焼熱を気化筒1に良好にヒートバックするものである。
【0009】
又この時バーナヘッドリング11の外周下方から供給される二次空気Cは、上昇して二次火炎Bに向かうが、バーナヘッドリング11の最上方炎孔7より高い位置に形成されたフランジ部12に邪魔され、大きく迂回して供給されることになるので、二次火炎Bの上部にのみ供給され、急激に且つ多量に供給されることがないので、二酸化窒素を増やすことなく窒素酸化物全体の発生を低減出来るものであり、又強度的にもフランジ部12があることで、バーナヘッドリング11全体を強固とすることが出来るものである。
【0010】
更にフランジ部12には、複数個の二次空気供給部30を設けたので、二次火炎Bへの二次空気Cの供給は、下方部分とフランジ部12を迂回した上方部分とで行われ、窒素酸化物の低減効果が向上するものである。
【0011】
又この二次空気供給部30を二次空気流入口32とは反対側にのみ形成したり、該二次空気流入口32側のフランジ部12を他より長くすることで、二次空気Cの供給の片寄りを防止して、全周良好な火炎の状態を保持することが出来るものである。
【0012】
【実施例】
次にこの発明に係る燃焼装置を図面に示す一実施例で説明する。
1は有底筒状の気化筒で、上部周壁にはシーズヒーターから成る加熱ヒーター2が鋳込まれ、下部に備えたサーミスタから成る温度センサー3による通電制御で220℃〜250℃に保持され、該温度センサー3とは反対側の下部周壁にのぞませた噴霧ノズル4から供給される燃油を気化ガスとすると共に、送風口5から供給される燃焼空気とを予混合するものである。
【0013】
6は前記気化筒1の上部開口に覆着した有天筒状のバーナヘッドで、周壁には上下2段に配列した炎孔7、8を有し、上段炎孔7は直径6〜7mmとし下段炎孔8はこれよりやや小径で直径5〜5.5mmとし、且つ全周に16個ずつ形成しており、又この炎孔7、8が形成された周壁の内外面にはそれぞれ密着して取り付けられた内、外金網9、10が備えられている。
【0014】
11は一端を気化筒1上端に連接し、バーナヘッド6外周に立設したバーナヘッドリングで、炎孔7、8で形成される一次火炎A及び二次火炎Bと接して、保炎及び気化筒1への気化熱のヒートバックを行うものであり、上端で最上方炎孔7よりは高い位置には、外方水平方向に全周5mm突出したフランジ部12を形成し、外方から流通する二次空気Cが急激且つ多量に二次火炎Bに供給されて、二酸化窒素の値が増加することを防止しながら窒素酸化物の発生を低減するものである。
【0015】
13はバーナヘッド6外周に備えられ該バーナヘッド6との間の放電で点火させる点火電極であり、対角線上の反対側には火炎の整流作用を利用して、フレーム電圧として点火及び燃焼状態を検知するフレームロッド14が備えられている。
【0016】
15は気化筒1とバーナヘッド6内とを仕切るラッパ状の第1集合板で、気化筒1内に垂下した部分で混合気を一旦集合させた後、第2集合板16との間で再び拡散してから集合させ、拡散と集合の繰り返しで混合を促進すると共に、混合気の流速を抑制するものであり、第1、第2集合板15、16は予め接合し一体成形されているものである。
【0017】
17は第2集合板16上に備えられた有天筒状の整流筒で、上方には複数個の整流孔18を有し、流入してくる混合気を整流しながらバーナヘッド6の炎孔7、8に案内するものである。
【0018】
19は気化筒1に燃焼空気を供給するターボファンから成る燃焼ファンで、吸込口20より吸引した室内空気を送風路21を介して送風口5より供給するものである。
【0019】
22は電磁ポンプ23によって圧送された燃油を気化筒1内に供給する送油管で、その先端には気化筒1内に突出した噴霧ノズル4が備えられている。
【0020】
24は送油管22の他端が接続する固定タンクで、カートリッジ式の給油タンク25から弁機構26を介して供給される燃油を一旦貯留するもので、燃油量を検知し所定量以下で給油を報知させるフロート式の給油検知手段27及び送油管22へのゴミの流入を阻止するフィルター筒28が備えられている。
【0021】
29は整流筒17外周に装着され上方まで延設された整流網で、該整流筒17より放出される混合気に最終的な整流を加えるものである。
【0022】
次にこの発明一実施例の作動について説明する。
今周知の運転操作することにより、加熱ヒーター2が通電され気化筒1を予め設定した気化可能温度まで昇温する。
【0023】
そして気化筒1が設定温度に達するとこれを温度センサー3が検知し、燃焼ファン19及び電磁ポンプ23及び点火電極13をそれぞれ作動させる。
【0024】
これによって、燃焼ファン19は送風路21を介して送風口5より燃焼空気を気化筒1内に供給すると共に、電磁ポンプ23の駆動で送油管22を介して噴霧ノズル4より燃油が気化筒1内に噴霧され、気化筒1内では燃油が瞬時に気化されて燃焼空気との予混合が行われる。
【0025】
そして、この混合気は第1、第2集合板15、16を通過し集合と拡散を繰り返しながら流速が抑えられた状態で、上方の整流筒17内に流入し、該整流筒17内で混合気は更に混合が十分促進され、整流孔18を通り整流した後、バーナヘッド6の炎孔7、8に供給され良好な燃焼が行われるものである。
【0026】
そして炎孔7、8で形成される一次火炎Aと二次火炎Bとは、外周のバーナヘッドリング11の保炎作用で大きく外方に広がることなく上方に案内されると共に、この保炎作用で温度上昇するバーナヘッドリング11の熱は、気化筒1にヒートバックされ気化熱に利用されるものである。
【0027】
又バーナヘッド6後方に備えられた温風放出用の対流ファン(図示せず)から供給される送風の一部が二次空気Cとして供給され、この二次空気Cは外方のバーナヘッドリング11に案内され、二次火炎Bに供給されるが、この時バーナヘッドリング11の最上方炎孔7より高い位置のフランジ部12に邪魔されて一旦外方を迂回して供給されるので、二次火炎Bの上部にのみ流速を抑制された状態で供給されることとなって、従来のように急激に且つ多量に供給されることがなく、二次空気Cの供給で燃焼温度を下げて窒素酸化物の発生を低減しながら、二酸化窒素の発生も抑制することが出来、良好な燃焼を得ることが出来るものである。
【0028】
しかも、フランジ部12によって燃焼炎に晒され変形しやすいバーナヘッドリング11が補強されることとなって、変形に強い強固なバーナヘッドリング11とすることも出来るものである。
【0029】
次に図3〜図5に示す他の実施例について、同一部分には同一符号を付して説明すれば、先ず図3はバーナヘッドリング11のフランジ部12を、所定間隔で切り欠いて二次空気供給部30を形成し、この二次空気供給部30を介して二次火炎Bの下部に直接二次空気Cを供給することで、窒素酸化物と二酸化窒素の低減をバランス良く、しかも効率的に行えるようにしたものであり、二次空気供給部30は切り欠きでなく複数個の孔で構成しても良いものである。
【0030】
又図4は、バーナヘッドリング11の外周を覆う炎筒31後方下部に形成された二次空気流入口32から、対流ファンの送風の一部が二次空気Cとして供給されるので、これとは反対側の前方側にのみ二次空気供給部30を形成したものであり、これによって二次空気Cの供給が後方に片寄ることを防止して、バランスの取れた火炎形成で窒素酸化物及び二酸化窒素の低減も全周均一で良好に行うことが出来るものである。
【0031】
更に図5は、二次空気流入口32側であるフランジ部12の後方側を他より長く延ばすことで、上記の効果を得ようとするものである。
【0032】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、極めて簡単な構成で、窒素酸化物と二酸化窒素の発生量を低減し、安心して使用出来る燃焼装置を提供出来るものである。
【0033】
又フランジ部に複数の二次空気供給部を形成することで、窒素酸化物と二酸化窒素の低減をバランス良く、しかも効率的に行えるものである。
【0034】
更に二次空気供給部を二次空気流入口側と反対側にのみ形成することで、二次空気供給の片寄りを防止して、バランスの取れた火炎形成と窒素酸化物及び二酸化窒素の低減が全周均一で良好に行えるものである。
【0035】
又フランジ部の二次空気流入口側を他より長く延ばしたことで、上記同様にバランスの取れた火炎形成と窒素酸化物及び二酸化窒素の低減の均一化を計ることが出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例を付した燃焼装置の概略構成図。
【図2】同要部半分の断面図。
【図3】第2の実施例を示すバーナヘッドリングの斜視図。
【図4】第3の実施例を示す平面の説明図。
【図5】第4の実施例を示す平面の説明図。
【図6】従来例を示す要部半分の説明図。
【符号の説明】
1 気化筒
2 加熱ヒーター
6 バーナヘッド
7、8 炎孔
11 バーナヘッドリング
12 フランジ部
30 二次空気供給部
32 二次空気流入口

Claims (3)

  1. 加熱ヒーターを備え気化ガスと燃焼空気とを予混合する有底筒状の気化筒と、該気化筒からの混合気を周壁に設けた複数個の炎孔で燃焼させる有天筒状のバーナヘッドと、該バーナヘッドの周壁を覆い気化筒に気化熱をヒートバックすると共に、外周からの二次空気を案内するバーナヘッドリングとを備えたものに於いて、前記バーナヘッドリングの最上方炎孔より高い位置には、外方へ延びるフランジ部を設け、更にこのフランジ部には、複数個の孔或いは切り欠きで形成された二次空気供給部を備えた事を特徴とする燃焼装置。
  2. 上記フランジ部の二次空気供給部には、二次空気流入口の反対側にのみ形成した事を特徴とする請求項記載の燃焼装置。
  3. 上記フランジ部は、二次空気流入口側を長く延ばした事を特徴とする請求項1記載の燃焼装置。
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