JP3684792B2 - エアー溜まり量検出装置及び循環温浴器 - Google Patents
エアー溜まり量検出装置及び循環温浴器 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、タンク内に溜まるエアー溜まり量を検知できるエアー溜まり検出装置、及び風呂の浴水を保温加熱しながら循環して浄化させることができ、浄化槽内に溜まるエアーを検知できる循環温浴器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、生活の快適さや便利さを追求して循環温浴器が普及しつつある。この循環温浴器は浴水を循環させ、浄化部で浴水をろ過して清浄化し、ヒーターを設けて浴水を保温加熱して多くは24時間いつでも入浴できるものである。
【0003】
そこで従来の循環温浴器について説明する。図6は、従来の循環温浴器の概略全体図である。図6において1は浴槽、2は循環ポンプ、3は浴槽1内の浴水を吸込口から循環ポンプ2により吸引して循環し浴槽1へ排出する循環水路、4は循環水路3に設けられた浴水を浄化する浄化槽である。5は浴槽1内に設けられたノズル部、6はノズル部5内に設けられた浴槽1内の浴水を吸い込む循環水路3の吸込口、7は循環して浄化した後の浴水を浴槽1に戻す循環水路3の吐出口である。8はノズル部5内に配置され、吸込口6から吸い込まれた浴水から毛髪や大きなゴミを取り除く粗ろ過フィルターであり、多孔質スポンジや糸巻きフィルター等からなる。11は浄化槽4に配設される麦飯石又は多孔質セラミックボール等のろ材、12はろ材11を充填するタンクである。13’はタンク12内に配設され循環する浴水を加熱保温用ヒーター、27はタンク12内に溜まるエアーを検知する水位検知装置であり、水位検知用の電極やフロートスイッチ等からなる。28はエアーを排出するエアー排出弁である。30はポンプ2や浄化槽4、加熱保温用ヒータ13’を収納した循環温浴器の本体である。
【0004】
この従来の循環温浴器における浴水の浄化について説明する。循環ポンプ2を運転すると、浴水は吸込口6から吸い込まれ、粗ろ過フィルター8で髪毛や糸くず等の大きなゴミが除去される。ここで粗ろ過された浴水は循環ポンプ2によって浄化槽4に送り込まれる。浄化槽4には内部にろ材11が充填されており、ろ材11には好気性浄化細菌が固定されているため、この好気性浄化細菌によって浴水中に溶け込んだ溶解性有機物や比較的小さな垢等のゴミが有機物分解されて浄化される。このろ過は微生物を利用しての浄化であるため生物ろ過と呼ばれる。浴水はこのようにして生物ろ過されるが、これと同時に、タンク12内に設けられた加熱保温用ヒーター13’で加熱され、一定の温度にまで昇温されて循環水路3を介して吐出口7から浴槽1内に戻される。
【0005】
ところで、浴水の循環中には好気性微生物の有機物分解によるガスが発生したり、吸込口からエアーを吸入したり、あるいは循環水路3から漏れ等により外部からエアーが混入することが起こるが、このエアーの混入があった場合には混入したエアーがタンク12内に溜まるため、タンク12内の水位を押し下げるようになる。この時、タンク12に設けられた水位検知装置27はエアー溜まりによる水位低下を検知し、エアー排出弁28の開放している。このようにして従来の循環温浴器は、タンク12内のエアーを外部に排出してタンク12内水位の復帰を行っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の循環温浴器では、タンク内に発生するエアー溜まりによる水位低下の検知をフロートスイッチや電極により行っていたため、タンク内の好気性浄化細菌の繁殖や髪毛等が付着することによってフロートスイッチが固着したり、電極が短絡したりして、誤動作し、高信頼性を確保するのが困難であった。
【0007】
さらには、このような状態になった循環温浴器の場合、前記タンク内に生じたエアー溜まりによって浄化のための好気性浄化細菌は気中にさらされ、その繁殖が大きく損なわれるものであった。場合によっては好気性浄化細菌が一部死滅して異臭を発生するということも起こるものであった。そして水位低下によってヒーターが空焚きされる可能性も否定できないものであった。
【0008】
そこで本発明はこのような従来の問題を解決するもので、タンク内に発生するエアー溜まり量を確実に検知し、好気性浄化細菌の繁殖に影響されず、毛髪による固着や短絡等による誤動作のない信頼性の高いエアー溜まり量検出装置を提供することを目的とする。
【0009】
また本発明は、エアー溜まり量検出手段を用いたことにより常に浄化能力の安定した、安全性の高い循環温浴器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明のエアー溜まり量検出装置は、タンク内の水に浸かって該水を加熱することができる発熱部と該発熱部からの熱が伝熱される伝熱部が設けられたヒーターと、前記タンク内の水の温度を検知する湯温検知部と、前記伝熱部に設けられ伝熱温度を検知することができるヒーター温度検知部と、前記湯温検知部が検知した水の温度と前記伝熱温度との差から前記タンク内に生じたエアー量が所定量を越えたことを算出するとともに、前記ヒーターを制御することができるエアー溜まり量制御部を備えたことを特徴とする。
【0011】
これにより、タンク内に発生するエアー溜まり量を確実に検知し、好気性浄化細菌の繁殖に影響されず、毛髪による固着や短絡等による誤動作のない信頼性の高いエアー溜まり量検出装置を提供することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載された発明は、タンク内に設置され、前記タンク内の水に浸かって該水を加熱することができる発熱部及び該発熱部からの熱が伝熱される伝熱部が設けられたヒーターと、前記タンク内の水の温度を検知する湯温検知部と、前記伝熱部に設けられ伝熱温度を検知することができるヒーター温度検知部と、前記湯温検知部が検知した水の温度と前記伝熱温度との差から前記タンク内に生じたエアー量が所定量を越えたことを算出するとともに、前記ヒーターを制御することができるエアー溜まり量制御部を備えたことを特徴とするエアー溜まり量検出装置であるから、タンク内に繁殖する細菌や毛髪等による固着による誤動作のない確実なエアー溜まり検出を行うことができる。
【0013】
請求項2に記載された発明は、タンク内に設置され、前記タンク内の水に浸かって該水を加熱することができる発熱部と該発熱部からの熱が伝熱される伝熱部が設けられたヒーターと、前記伝熱部に設けられ伝熱温度を検知することができるヒーター温度検知部と、前記伝熱温度の温度上昇率から前記タンク内に生じたエアー量が所定量を越えたことを算出するとともに、前記ヒーターを制御することができるエアー溜まり量制御部を備えたことを特徴とするエアー溜まり量検出装置であるから、ヒーター温度検知部1つでも、タンク内に繁殖する細菌や毛髪等による固着による誤動作のない確実なエアー溜まり検出を行うことができる。
【0014】
請求項3に記載された発明は、前記ヒーターが電熱線からなる発熱部を有しているから、エアー溜まり量制御部によるヒーターの制御がきわめて容易である。
【0015】
請求項4に記載された発明は、前記伝熱部が前記電熱線への通電線もしくは該通電線の保持部であるから、簡単な構成で正確な伝熱温度を検知することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、前記エアー溜まり量制御部は所定のタイミングに前記ヒーターへ通電してエアー量を算出するから、所定のタイミングにヒーターへ通電して、タンク内のエアー溜まり量を監視することができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、前記発熱部が電熱線の巻き線を始めた位置が、エアー溜まりを検知する水位であるから、エアー溜まりを検知する水位の設定が容易であり、エアー溜まりが少ないときでも検出感度をよくすることができる。
【0018】
請求項7に記載された発明は、浴槽から浴水を吸引して戻す循環水路と、前記循環水路に設けられ浴水を循環できる循環ポンプと、前記循環水路に設けられ前記循環ポンプによって循環される浴水をろ材により浄化する浄化槽を備えた循環温浴器であって、前記浄化槽には請求項1〜6のいずれかに記載のエアー溜まり量検出装置が設けられ、請求項1〜6のいずれかに記載のエアー溜まり量検出装置のヒーターによって循環される浴水が加熱されることを特徴とする循環温浴器であるから、浄化槽でのエアー溜まりによる浄化能力低下のない安定した性能を示すことができる。
【0019】
請求項8に記載された発明は、請求項1〜6のいずれかに記載のエアー溜まり量検出装置のエアー溜まり量制御部が、所定のエアー溜まり量を検知すると前記ヒーターへの通電を停止することを特徴とする請求項7記載の循環温浴器であるから、エアー溜まりによるヒーターの空焚きを防止することができる。
【0020】
請求項9に記載された発明は、請求項1〜6のいずれかに記載のエアー溜まり量検出装置のエアー溜まり量制御部が、所定のエアー溜まり量を検知するとタンクに設けたエアー抜き弁によりエアーを排出することを特徴とする請求項7に記載の循環温浴器であるから、エアーを確実にタンク外に排出させ、エアー溜まりを解消することができる。
【0021】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載のエアー溜まり量検出装置のエアー溜まり量制御部が、所定のエアー溜まり量を検知すると逆洗運転を行うことを特徴とする請求項7に記載の循環温浴器であるから、所定のエアー溜まり量を検知すると逆洗運転を行うことによりタンク内のエアーを排出を行うことを特徴としたものであり、エアー排出用の弁を設けることなくエアー溜まりを解消することができる。
【0022】
請求項11に記載された発明は、請求項1〜6のいずれかに記載のエアー溜まり量検出装置のエアー溜まり量制御部が、所定時間内に所定回数のエアー溜まりを繰り返し検知すると循環温浴器の運転を停止することを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の循環温浴器であるから、機器不具合によるエアー混入を検知し、機器停止することができる。
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図1〜図5を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の循環温浴器の概略構成図、図2は図1のエアー溜まり検知装置の詳細図、図3は図1の循環温浴器の循環運転モードにおける浴水の流れ図、図4は本発明の実施の形態1におけるエアー溜まり量と温度検知変化図、図5は図1の循環温浴器の逆洗運転モードにおける浴水の流れ図である。
【0024】
図1及び図2において、1は浴槽、2は循環ポンプ、3は循環水路、4は浄化槽である。12は浄化槽4を構成するタンクであり、11はタンク12内に装填されるろ材、13は浄化槽4内に設けられ、浴水を加熱することができる加熱昇温用ヒーター、14はタンク12内のエアー溜まり量検出装置である。ろ材11は本実施の形態1ではセラミックボールであるが、麦飯石、活性炭でもよい。粒径としては本実施の形態1のように逆洗を行う場合5μm〜200μm程度が望ましいが、ろ過性能や寿命また逆洗を行う,行わないなどの仕様に応じて適宜粒径を決めるのがよい。
【0025】
図2に基づいてこのエアー溜まり量検出装置14をより詳細に説明すると、20は加熱昇温用ヒーター13の電熱線の巻き線開始位置であり、21は巻き線された加熱昇温用ヒーター13の発熱部である。この巻き線開始位置をエアー溜まりを検知する水位とすれば、エアー溜まりを検知する水位の設定が容易であり、エアー溜まりが小さいときでも検出感度をよくすることができる。22はヒーター端子上に取付けられた取付板、23は取付板22に取付けられたサーミスタ等のヒーター温度検知部である。また、24は循環する浴水の温度を検知するサーミスタ等の湯温検知部、25はヒーター温度検知部23が検出した後記する伝熱温度と前記湯温検知部24が検出した温度との温度差を算出し、所定の設定エアー溜まり量になったことを示すエアー溜まり量制御部を示す。29は加熱昇温用ヒーター13の発熱部21への通電線である。32は発熱部21から熱を伝えるための伝熱部である。本実施の形態1においては、通電線29と取付板22とが本発明の伝熱部32を構成するが、通電線29を保持する保持部がある場合はこれも伝熱部32を構成する要素となりえるものである。このように伝熱部32にヒーター温度検知部23を設けていることにより、簡単な構成で正確な伝熱温度を検知することができ、エアー溜まりが形成されたのを確実に検知することができる。
【0026】
ところで発熱部21からの発熱があっても、タンク12内にエアー溜まりが形成されていないときには、ヒーター温度検知部23が検知する発熱部21から伝わった熱による伝熱温度は、発熱部21の発熱した直接の温度でなく、伝熱部32を伝わってヒーター温度検知部23に到達するまで周囲の浴水で熱交換(冷却)された温度で、これはほぼ湯温である。また、湯温検知部24はタンク12内の浴水の湯温を検知するから、エアー溜まりが形成されていないという条件のときには、ヒーター温度検知部23の検知した伝熱温度と湯温検知部24が検知した浴水の温度の差をエアー溜まり制御部25が算出するとほぼ0となる。
【0027】
これに対して、タンク内にエアー溜まりが形成されている場合は、発熱部21の端部がエアー溜まり内に露出され、この部分は周囲の浴水と熱交換することなく空中にあってヒーター温度検知部23に到達するから、エアー溜まり量制御部25が算出する伝熱温度と浴水の温度との差は急速に大きくなっていくものである。本発明はこのような発熱部21の状態の2つの場合の差を利用してエアー溜まりを検出するものである。なお、この点に関しては後述する。
【0028】
31は循環ポンプ2や加熱昇温用ヒーター13へ給電する電源部、26はマイクロコンピュターから構成される電源制御部で、電源部31を制御して循環ポンプ2や加熱昇温用ヒーター13へ行う通電等を制御するものである。また、エアー溜まり量制御部25はエアーが溜まった場合電源制御部26の制御に優先して電源部31の制御を行って加熱昇温用ヒーター13を制御するようになっている。
【0029】
また、図1において5は浴槽1内に配設されたノズル部である。6は循環水路3に設けられた浴水の吸込口であり、7は循環水路3に設けられた浴水の吐出口で浴槽1内に浴水を噴出させるための噴出ノズルとなっている。8はノズル部5内に設けられた粗ろ過フィルターで、この場合糸巻きフィルターであり、浴水中の毛髪等や大きなゴミをろ過し、浴水中の不純物を除去できるものである。9は第1流路切り替え弁、10は第2流路切り替え弁であり、以下述べるモードに応じて流路を切り替えることができる。また、30は循環ポンプ2や浄化槽4、エアー溜まり量制御部25、電源制御部26等を収納する本体である。
【0030】
そこで本実施の形態1における循環温浴器の動作について説明する。循環温浴器の動作は、基本的に(1)循環運転モード、(2)逆洗運転モード、の2つのモードからなる。まず図3を用いて(1)循環運転モードの説明をすると、このモードにおいては浴槽1中の浴水は吸込口6から循環ポンプ2によって吸引され、粗ろ過フィルター8で大きなゴミや不純物が取り除かれる。この粗ろ過フィルター8は着脱自在で、定期的に取り外してこれに付着している毛髪等を除去、もしくは交換することで循環水量の低下を防ぐことができる。その後、循環ポンプ2から吐出された浴水は、第一流路切り替え弁9,第2流路切り替え弁10を経て浄化槽4に導かれる。浄化槽4内で浴水は、タンク12内のろ材11に固定された好気性浄化細菌により溶解性有機物や比較的小さな垢等のゴミは有機物分解して浄化される。ただ、浄化方法はこのような生物ろ過に限らず、電解凝集等の物理ろ過であってもよい。
【0031】
ところで、電源部31は電源制御部26からの指令に基づいて加熱昇温用ヒーター13に通電し、浴槽1内の浴水の保温のほか、タンク12内のエアー溜まり量を検出するため発熱させる。なお、加熱昇温用ヒーター13はエアー溜まり量を検出するため、所定のタイミングで加熱されるが、循環温浴器が浴水の保温を行うときに、このタイミングを利用して同時にエアー溜まり量を検知してもよい。すなわち、タンク12には湯温検知部24が設けられており、検出した温度を電源制御部26へフィードバックして保温するから、浴水温度が所定の温度より下がったのを検知したタイミングでエアー溜まり検出をすればよい。保温動作により所定温度に加熱された浴水は循環水路3を通ってノズル部5に戻り、吐出口7から浴槽1内に噴出される。
【0032】
このように循環運転モードでは、微小な懸濁物質まで浴水から除去し、浴槽1内の温度を入浴可能な所定の温度に保って、24時間いつでも利用できる状態にするものである。
【0033】
続いて図5を用いて(2)逆洗運転モードの説明をする。この逆洗運転モードは浄化槽4での流れを循環運転モード時とは逆の方向に流し、浄化槽4でろ過された有機物をはじめとする懸濁物質やゴミを本体30外に排出して、ろ材11を再生するモードである。所定のタイミングがくると電源制御部26は第1流路切り替え弁9と第2流路切り替え弁10を切り替えて、図5に示すような流路を形成する。循環ポンプ2によって吸い込まれた浴水は、第1流路切り替え弁9を経て、循環運転モード時の方向とは逆に浄化槽4に流入することになる。浄化槽4に導かれた浴水はろ材11を巻き上げて流れ、その際内部に溜められた懸濁物質を洗い流して第2流路切り替え弁10を介して逆洗水排出路から排出する。この動作によりろ材11の再生を行うことがきる。
【0034】
さて本実施の形態1の循環温浴器の浄化槽4において、本発明の特徴であるエアー溜まりが発生したときの動作について、図2,図4を用いて詳述する。図4に示すように、タンク12内にエアー溜まりのない通常の場合には、湯温検知部24で検知する水の温度と、ヒーター温度検知部23で検知する伝熱温度は、いずれも浴水温度にほぼ等しく、同様な温度変化を示すことは上記した通りである。
【0035】
しかし、循環運転時に配管途中からの漏れが生じたり、吸込口6からのエアー吸込み等があった場合にはタンク12内にエアー溜まりが発生してしまうし、またこうした事故以外でも、浄化槽4内には好気性浄化菌が繁殖しているため、この好気性浄化細菌が有機物を分解することで炭酸ガスを排出し、このガスによって徐々にタンク12内にエアー溜まりが進行する。このようなエアー溜まりの進行に伴いタンク12内の水位が次第に押し下げられ、発熱部21が露出されるようになる。この状態で加熱昇温用ヒーター13の発熱部21を発熱させると、循環運転中の湯温検知部24に検知される温度は湯温であるが、ヒーター温度検知部23に検知される温度(伝熱部32を介しての伝熱温度)は、予め設定された所定の水位(本実施の形態1の場合、加熱昇温用ヒーター13の発熱部21の電熱線巻き線開始位置)を超えて水位が低下した場合には、発熱部21の露出によるヒーター加熱により、湯温検知部24に検知される浴水温度と比較して大きく上昇する。この上昇速度はエアー溜まりの進行速度の大きさに従って異なり、エアー溜まりの進行の早い場合には温度上昇の傾きが大きくなり、逆の場合には傾きが小さくなるものである。
【0036】
本実施の形態1におけるエアー溜まり量検知装置14は、タンク12が容量:3000cc、内径:φ200mmであって、加熱昇温用ヒーター13は熱容量:600W、ヒーター巻き線開始位置はタンク12内の上部から10mm下方としているが、このときのエアー溜まり量Q(cc)と、ヒーター巻き線開始位置を超えてからのヒーター温度検知部23に検知される伝熱温度と湯温検知部24が検知した循環水の温度の差ΔT(℃)との関係は、実験によればほぼ比例関係を示し、本実施の形態1では次の関係式となる。
【0037】
Q=20×ΔT
但し、ΔT:ヒーター温度検知装置に検知される温度差(℃)
Q:タンク内に発生するエアー溜まり量(cc)
そして上記関係式によれば、本実施の形態1では、エアー溜まり量制御部25が算出する温度差ΔT(℃)が10℃を検知したとき、エアー溜まり量Q(cc)が設定エアー溜まり量200(cc)を越えたと判断されるから、エアー溜まり量制御部25の指令により電源部31からの加熱昇温用ヒーター13への通電が停止される。その後、タンク12内のエアーを排出することを目的に前記した逆洗運転モードを行う。なお、逆洗モードを用いない場合には、所定温度差ΔT(℃)を検知したとき、エアー排出弁等を用いてエアー溜まりを解消する制御を行ってもよい。また、加熱昇温用ヒーター13を浴水の加熱保温用ヒーター13’と別体にしてそれぞれを設けるのもよいが、両者を兼用してエアー溜まり検知と保温の2つに用いるのも構成をシンプルにすることができ適当である。さらに、本動作におけるエアー溜まり量検知が所定時間(60分)内に所定回数(3回)繰り返された場合、システムを停止する制御を行えば安全性がさらに徹底できる。また、急激に温度上昇が起こり、エアー溜まり量制御部25が算出する温度差ΔT(℃)が20℃を検知した場合、安全をみて、エアー溜まり量制御部25からの指令で加熱昇温用ヒーター13への通電を停止するとともに、機器異常としてシステムを停止するのがさらに望ましい。
【0038】
(実施の形態2)
本実施の形態2においては、エアー溜まり量をヒーター温度検知部23の検知する伝熱温度をもとに、エアー溜まり量制御部25が算出する温度上昇率θ(℃/min)でエアー溜まり量Q(cc)を判断するものである。エアー溜まり量制御部25が行うエアー溜まり量Q(cc)の算出方法が異なることを除いて、実施の形態2と実施の形態1とでは基本的に相違するところはないので、詳細な説明は実施の形態に譲り、特徴部分である温度上昇率θ(℃/min)でエアー溜まり量Q(cc)を判断するエアー溜まり量制御部25について説明する。
【0039】
本実施の形態2におけるエアー溜まり量検出装置14は、実施の形態1と同様、タンク12が容量:3000cc、内径:φ200mmであって、加熱昇温用ヒーター13は熱容量:600W、ヒーター巻き線開始位置をタンク12内の上部から10mm下方としているが、このときのエアー溜まり量Q(cc)と、ヒーター巻き線開始位置を超えてからのヒーター温度検知部に検知される温度上昇θ(℃/min)の関係は、実験によれば次の式で表される。
【0040】
Q=60×θ
但し、θ:ヒーター温度検知装置に検知される1分間の温度上昇率(℃/min)
Q:タンク内に発生するエアー溜まり量(cc)
温度上昇率θ(℃/min)は、本実施の形態2においてはヒーター温度検知部23に検知される20秒間の温度上昇値を、エアー溜まり量制御部25が1分間の温度上昇値に換算することにより算出するものである。エアー溜まり量制御部25には計時手段としてタイマーが内蔵されている。湯温検知部24はエアー量検知にはとくに必要ないが、湯温の制御や温度上昇を始める点を確実に知るために設けた方がよい。
【0041】
そして本実施の形態2では、エアー溜まり量制御部25が算出する温度上昇率θ(℃/min)が3.3℃/minとなると、エアー溜まり量制御部25からの指令で電源部31からの加熱昇温用ヒーター13への通電を停止する。その後、検知したタンク12内のエアー溜まり量を排出することを目的に逆洗運転モードを行う。なお、逆洗モードを用いない場合、温度上昇率θ(℃/min)が所定の値になり、エアー溜まり量Q(cc)が所定の値、例えば200(cc)を越えたと算出されたとき、エアー排出弁等を用いてエアー溜まりを解消する制御を行ってもよい。さらに、本動作におけるエアー溜まり量検知が所定時間(60分)内に所定回数(3回)繰り返された場合、システムを停止する制御を行うのが適当である。また、急激に温度上昇が起こり、エアー溜まり量制御部25が算出するヒーター温度検知部23に検知される1秒間の温度上昇率θが10℃/minを越えたら、エアー溜まり量制御部25からの指令で加熱昇温用ヒーター13への通電を停止すると同時に機器異常としてシステム停止を行うのがさらに適当である。
【0042】
【発明の効果】
以上のように本発明のエアー溜まり量検出装置によれば、タンク内に繁殖する好気性浄化細菌の繁殖や浴水中の毛髪等のゴミの付着に影響されず、タンク内に発生するエアー溜まりを確実に検知することができる。また、エアー溜まり量検出装置を設けた浄化槽を備えた循環温浴器は、タンク内に充填されるろ材に固定される好気性浄化細菌の繁殖を安定させ、常に安定した浄化能力を保つことが可能となり、さらに空焚きの危険性の無い信頼性の高い循環温浴器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の循環温浴器の概略全体図
【図2】図1のエアー溜まり検知装置の詳細図
【図3】図1の循環温浴器の循環運転モードにおける浴水の流れ図
【図4】本発明の実施形態1におけるエアー溜まり検知時のエアー溜まり量と温度検知変化図
【図5】図1の循環温浴器の逆洗運転モードにおける浴水の流れ図
【図6】従来の循環温浴器の概略全体図
【符号の説明】
1 浴槽
2 循環ポンプ
3 循環水路
4 浄化槽
5 ノズル部
6 吸込口
7 吐出口
8 粗ろ過フィルター
9 第1流路切り替え弁
10 第2流路切り替え弁
11 ろ材
12 タンク
13 加熱昇温用ヒーター
13’ 加熱保温用ヒーター
14 エアー溜まり量検出装置
20 ヒーター巻き線開始位置
21 発熱部
22 取付板
23 ヒーター温度検知部
24 湯温検知部
25 エアー溜まり量制御部
26 電源制御部
27 水位検知装置
28 エアー排出弁
29 通電線
30 本体
31 電源部
32 伝熱部
Claims (11)
- タンク内に設置され、前記タンク内の水に浸かって該水を加熱することができる発熱部及び該発熱部からの熱が伝熱される伝熱部が設けられたヒーターと、前記タンク内の水の温度を検知する湯温検知部と、前記伝熱部に設けられ伝熱温度を検知することができるヒーター温度検知部と、前記湯温検知部が検知した水の温度と前記伝熱温度との差から前記タンク内に生じたエアー量が所定量を越えたことを算出するとともに、前記ヒーターを制御することができるエアー溜まり量制御部を備えたことを特徴とするエアー溜まり量検出装置。
- タンク内に設置され、前記タンク内の水に浸かって該水を加熱することができる発熱部及び該発熱部からの熱が伝熱される伝熱部が設けられたヒーターと、前記伝熱部に設けられ伝熱温度を検知することができるヒーター温度検知部と、前記伝熱温度の温度上昇率から前記タンク内に生じたエアー量が所定量を越えたことを算出するとともに、前記ヒーターを制御することができるエアー溜まり量制御部を備えたことを特徴とするエアー溜まり量検出装置。
- 前記ヒーターが電熱線からなる発熱部を有していることを特徴とする請求項1または2記載のエアー溜まり量検出装置。
- 前記伝熱部が前記電熱線への通電線もしくは該通電線の保持部であることを特徴とする請求項3記載のエアー溜まり量検出装置。
- 前記エアー溜まり量制御部は所定のタイミングに前記ヒーターへ通電してエアー量を算出することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のエアー量溜まり検出装置。
- 前記発熱部が電熱線の巻き線を始めた位置が、エアー溜まりを検知する水位であることを特徴とする請求項3記載のエアー溜まり量検出装置。
- 浴槽から浴水を吸引して戻す循環水路と、前記循環水路に設けられ浴水を循環できる循環ポンプと、前記循環水路に設けられ前記循環ポンプによって循環される浴水をろ材により浄化する浄化槽を備えた循環温浴器であって、前記浄化槽には請求項1〜6のいずれかに記載のエアー溜まり量検出装置が設けられ、請求項1〜6のいずれかに記載のエアー溜まり量検出装置のヒーターによって循環される浴水が加熱されることを特徴とする循環温浴器。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のエアー溜まり量検出装置のエアー溜まり量制御部が、所定のエアー溜まり量を検知すると前記ヒーターへの通電を停止することを特徴とする請求項7記載の循環温浴器。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のエアー溜まり量検出装置のエアー溜まり量制御部が、所定のエアー溜まり量を検知するとタンクに設けたエアー抜き弁によりエアーを排出することを特徴とする請求項7に記載の循環温浴器。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のエアー溜まり量検出装置のエアー溜まり量制御部が、所定のエアー溜まり量を検知すると逆洗運転を行うことを特徴とする請求項7に記載の循環温浴器。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のエアー溜まり量検出装置のエアー溜まり量制御部が、所定時間内に所定回数のエアー溜まりを繰り返し検知すると循環温浴器の運転を停止することを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の循環温浴器。
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