JP3684653B2 - ホログラム脆性シール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、層間の剥離により破壊されるホログラム画像を有するホログラム脆性シールに係り、とくにホログラムシールの剥離・貼り換えなどによる商品や物品の偽造、若しくは改竄、変造、すり替え等の不正行為を発見しやすく、また不正行為を抑止可能とする脆性ホログラムからなるホログラム脆性シールに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光の干渉を用いて立体画像を再生し得るホログラムの開発が進められ、このホログラムは高度な製造技術を要するとともに様々な形態、例えばラベル・シール、箔状に形成可能なことから、これを応用し偽造防止手段、真偽判別手段としてビデオカセット、コンパクトディスク、スポーツ用品、多様なブランド品、コンピュータ装置に用いられるROMボード等の一部にラベル、シール、箔状に加工したホログラムを貼着して使用されている。このホログラムは、一見して本物か否かが判り、しかも上述したように製造が困難であることから、広く利用されるようになってきた。このようなホログラムの一種としてレリーフホログラムがあり、物体からの光の波面に相当する干渉縞を凹凸模様として記録してなるもので、プレス技術により大量の複製が可能である。
【0003】
さらにラベル、シール、箔状に加工されたホログラムは、上述のような物品に貼着された後に剥がされ、悪用されることがないように基材とホログラム層、或いはこれらの間に設けられた剥離層と基材またはホログラム層で剥離するようにし、被着物から故意に剥離させた場合に少なくともホログラムの一部又は全体が破壊され、貼着されたラベル、シール、箔等に何らかの手が加えられたことが容易に判別できるようにしてなるものがあり、また実公平5−48210号公報に開示されるホログラム脆性シールのように、基材とホログラム形成層との間にパターン状の剥離層を形成しておき、このホログラム脆性シールの貼着後、このホログラムを端部から剥がそうとすると基材とホログラム形成層とが剥離するものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の全面破壊型のホログラム脆性シールは、剥がし方によってはホログラム層及び反射性薄膜層を破壊されることなく、ホログラムシール全体を完全に剥離させてしまう可能性がある。そのため、ホログラム層及び反射性薄膜層自体を破壊する方法として後者の方法が有力であるが、この方法ではホログラム脆性シールを貼着された状態で見るとホログラム層及び反射性薄膜層の上にパターン状の剥離層が設けられているため、そのパターンの存在を目視により判別でき、ホログラムの再生画像の見え方に影響を与えるだけでなく、偽造防止策の存在が明らかになってしまう問題を有する。
【0005】
そこで本発明は、不正な剥離行為によるホログラムシールの貼り替えを防止することが可能であり、とくに部分的に脆性破壊する層の存在を発見困難とし、層間剥離によって完全に再生不可能となるホログラム脆性シールを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決すべくなされたものであり、
請求項1に記載の発明は、透明性を有し、かつ部分的に表面処理を施し接着性を向上させてなる基材に、ホログラムパターンを有するホログラム形成層、反射性薄膜層、接着層を順次設けてなるホログラム脆性シールであり、ホログラム形成層と前記基材の接着強度が、基材の表面処理部分が基材の非処理部分より接着強度が大であることを特徴とするホログラム脆性シールである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のホログラム脆性シールにおいて、表面処理はコロナ処理、オゾン処理、プラズマ処理、電子線照射処理、酸化剤による表面の酸化処理のいずれかであることを特徴とするホログラム脆性シールである。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のホログラム脆性シールにおいて、ホログラム形成層と反射性薄膜層との間に、または反射性薄膜層と接着層との間に印刷部を設けてなることを特徴とするホログラム脆性シールである。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1、2、3にいずれかに記載のホログラム脆性シールにおいて、反射性薄膜層がホログラム形成層とは異なる屈折率を有する透過性薄膜層からなることを特徴とするホログラム脆性シールである。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のホログラム脆性シールにおいて、表面処理してなる部分は文字・マーク・模様などホログラム脆性シールが剥離状態にあったことを表す特定の情報であることを特徴とするホログラム脆性シールである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は本発明のホログラム脆性シール1の構成を示す断面図であり、図2は基材にマスクを積層した状態を示す平面図であり、図3は部分的な表面処理を施した基材の状態を示す平面図であり、図4は(a)が図1のホログラム脆性シールの本発明のホログラム脆性シールを被着材10に貼付した状態を示す断面図であり、(B)が図1のホログラム脆性シール1を被着材10から剥離させた状態を示す断面図であり、図4は他の実施例のホログラム脆性シール11の構成を示す断面図である。
【0012】
図1に示すホログラム脆性シール1は、基材2に部分的な表面処理を行い、その処理部分3を接着性を向上させてなり、その面にホログラム形成層5が形成されている。このホログラム形成層5は、基材2とは反対側の面にホログラム画像が形成されたホログラム形成面12を有しており、さらにこのホログラム形成面12には反射性薄膜層6が蒸着、スパッタリング等により形成されている。なお、ホログラム形成層5の表面に形成されるホログラムパターンは、公知の種々のホログラムを用いることができる。例えばレリーフ型ホログラムは、それを構成する微細な凹凸パターンが形成されたニッケル製のプレス版をホログラム形成層5上に加熱押圧することにより形成することが可能であり、あるいはまた微細な凹凸パターンが形成された金型内に樹脂を充填し形成することが可能である。さらに、他の種類のホログラムとしては、レインボーホログラムや二光束干渉もしくは電子ビーム(EB)による回折格子(グレーティング)からなる微細凹凸形状を有するグレーティングホログラム等が適用可能である。さらに反射性薄膜層6上には接着層7が形成されている。
【0013】
ここで、基材2は、例えば厚さ25μmの透明なポリエチレンテレフタレートフィルムである。他にポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン等の合成樹脂、天然樹脂、紙、合成紙などを単独で又は組合わせた複合体が使用可能であり、また透明或いはホログラムの認識を阻害しない程度の半透明のものを用いることができ、本発明のホログラム脆性シールの用途や使用環境などに応じて適宜選択することができる。
【0014】
この基材2の表面処理面3は、コロナ処理、プラズマ処理、電子線照射処理、酸化剤による表面の酸化処理等のいずれかから選択され、これらの処理のうち、基材2の表面の改質処理では、基材2の表面に、−OH、=Oなどの官能基を付与し、これにより基材表面の表面張力を促し、塗れ性、接着力が向上するものである。また多孔化、粗面化などの表面処理によっても接着性を非処理面と異なるようにすることができる。このような表面処理は接着面、すなわち基材の処理部分とホログラム形成層との接着力が、非処理部分とホログラム形成層との接着力よりも大きく、かつホログラム脆性シールの接着層と被着材との接着力よりも大きいことが望ましく、脆性シールとしての機能を満たすには、基材、ホログラム形成層、接着剤の材質、特性にもよるが、塗れ指数として50dyn/cm以上、もしくは非処理部分と処理部分との塗れ指数の差が10dyn/cm以上であることが好ましい。
【0015】
このように図3に示される、例えば○形状で示すような基材2面に接着性の異なる領域(処理部分3)が生成されるため、この領域は他の領域(非処理部分4)とホログラム形成層5との接着強度に差を生ずる。この処理部分3はシールを被貼着材から剥離させたときに文字・マークなどのメッセージ・情報を表すように設けることもでき、その形状は任意であるが、ホログラム脆性シールを不正に剥離した状態であることが明確に判別できるようにすることが必要である。このように図2に示すように、基材2に処理部分3に相当する形状のパターン状に孔を設けたマスク9を基材2上に載置し、このマスク9を介して、例えばコロナ放電によりコロナ処理(出力200w/m2 ,速度10m/min)を行い、基材2面に接着性の異なる領域(処理部分3)を生成した。この処理部分3は、基材2が、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂である場合には、その表面の塗れ指数が54dyn/cmで、非処理部分4は38dyn/cmであることから、塗れ性が向上したことが確認できる。この処理により塗れ指数50dyne/cm以上に改質されることが望ましい。
【0016】
また、マスク9の材料は、上記ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂の他に、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン等の合成樹脂、天然樹脂などがあり、図3に示すようにシート又はフィルムに基材2の処理部分3に相当する形状のパターン状に孔を設けてなるものである。なお、上記以外で、処理部分3に適した表面物性となるように基材2の部分的な表面処理が可能な手法であれば用いることができる。
【0017】
また、ホログラム形成層5は、とくにレリーフ型ホログラムとする場合には、エンボス成型性が良好であり、プレスムラが生じ難く、明るい再生像が得られ、基材2との剥離性が良好であり、かつ基材2の処理部分3との接着性(剥離し難い)が良好である樹脂が要求され、以下の配合比からなる組成物が部分的に表面処理された基材2面上にグラビアコーティング法により塗布され、乾燥温度100℃、厚さ1.0μmで形成される。
○ホログラム形成層構成材料
アクリル樹脂 …20部
メチルエチルケトン …40部
トルエン …40部
さらにホログラム形成層5のホログラム形成面12は、ホログラム画像を形成したプレス版の版面温度を130℃として、上記の組成物からなるホログラム形成層5に対して加熱押圧(プレス加工)することにより形成される。
【0018】
なお、ホログラム形成層5としては、他に塩化ゴム系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、セルロース樹脂、塩素化プロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などの熱可塑性樹脂とこれらにオイルシリコン、脂肪族アミド、ステアリン酸亜鉛を添加したものがある。また不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレートなどの熱硬化性樹脂あるいはこれらの混合物、さらにはラジカル重合性不飽和基を有する熱成型性材料などが使用可能であり、また、上記以外のものでも、ホログラム画像を形成可能な安定性を有する材料であれば使用可能である。
【0019】
反射性薄膜層6は入射光線を反射する層であり、厚さ100nmのAlが真空蒸着法等の公知の形成手段により形成される。他に反射性薄膜層6には銀、金、スズ、窒化チタン(TiNx)等の光反射性に優れた薄膜が使用可能であり、厚さ10〜1000nmである。また、反射性薄膜層6は透過性薄膜層とすることも可能である。すなわち、反射性薄膜に透明性を有する反射性薄膜としてホログラム形成層とは異なる屈折率を有する透過性薄膜層を設けたものである。この透過性薄膜層は、光透過性を示すとともにホログラム形成層との屈折率差から界面での光反射を生じ、ホログラム形成面12のホログラム画像の再生に利用されている。例えば、厚さ50nmのZnSからなる薄膜層として真空蒸着法等の蒸着手段により形成される。これによれば、ホログラムの剥離による脆性破壊と、ホログラムの再生が被貼着体の下地のデザイン、模様、文字等の画像や色などとともに基材2から目視することができ、一層装飾性の向上を図ることができる。
【0020】
なお、透過性薄膜層としては、ホログラム形成層(屈折率n=1.3〜1.6)2よりも屈折率の高いことが装飾性の向上に好ましく、例えば次の表1に示す無機材料が使用可能である。
【0021】
【表1】
【0022】
また、このような透過性薄膜層を形成する方法としては、真空蒸着法の他にスパッタリング法、イオンプレーティング法等の成膜手段が適用可能であり、膜厚としては10nm〜1000nmの範囲にあることが好ましい。
【0023】
接着層7としては、以下の配合比からなる組成物がグラビア法により、乾燥温度110℃、厚さ20μmで形成される。
アクリル系粘着剤 …30部
メチルエチルケトン …35部
トルエン …35部
なお、接着層7としては、他にも、反射性薄膜層5を変質させたり冒すものでなければ、通常用いられるものでよく、接着成分としては、ブチルゴム系、天然ゴム系、シリコン系、ポリイソブチル系、が挙げられるがその限りでは無い。また、アルキルメタクリレート、ビニルエステル、アクリルニトリル、スチレン、ビニルモノマー等が挙げられる凝集成分、不飽和カルボン酸、ヒドロキシル基含有モノマー、アクリルニトリル等に代表される改質成分や重合開始剤、可塑剤、硬化剤、硬化促進剤、酸化防止剤等の添加剤を必要に応じて添加できる。
【0024】
図4には、塩化ビニルやアクリルやポリカーボネートやABS等からなるプラスチックカードの被着材10の表面に貼着した状態(a)と被着材10からホログラム脆性シール1を強制的に剥離させたときにホログラム脆性シール1が破壊される様子(b)を模式的に示したものである。これによれば、ホログラム形成層3が基材2の表面処理を施した処理部分3からは剥離せず、非処理部分4から剥離するため、上記したようにホログラム脆性シール1が強制的に剥離されたことが一目で判り、被着材10の剥離面に剥離されたホログラム形成層5、反射性薄膜層6の一部が残り、ホログラム脆性シール1は再生不可能な状態となる。このため、剥離後、元に戻すことは困難となり不正行為の発見が容易となり、またその抑止効果も有する。
【0025】
以下、本発明の他の実施例について述べるが、各図中の同一構成の箇所については、同一の番号を使用した。
図5は本発明の他の実施例によるホログラム脆性シール11であり、ホログラム形成層5と反射性薄膜層6の間に印刷部8を形成したものであり、ホログラム脆性シール11の上面から印刷部8を視認できるものである。この印刷部8は、例えば以下の配合比からなるインキ組成物がグラビア印刷法により、乾燥温度110℃、厚さ1.0μmで形成される。
ポリエステル樹脂 …25部
カーボンブラック … 8部
メチルエチルケトン …70部
トルエン …30部
【0026】
この印刷部8は、文字やマーク等の図柄を印刷したものであり、ホログラム脆性シールの用途に応じて、任意に設けることができる。印刷方式としては、グラビア印刷の他に、オフセットやシルクスクリーン印刷等の方法がある。
【0027】
また、印刷部8は光透過可能な透明性を有する反射性薄膜層6を用いる場合には、反射性薄膜層6の下層に設けることができる。また、ホログラム脆性シールに設けることなく、被着材10の貼付面に印刷を施すようにしてもよい。
【0028】
本発明によれば、基材を部分的にその表面をコロナ処理、オゾン処理、プラズマ処理、電子線照射処理、酸化剤による表面の酸化処理等による表面処理を行うことで、基材面に接着性の異なる領域(処理部分)が生成されるため、他の領域(非処理部分)とは、ホログラム形成層との接着に差を有する。この処理部分と非処理部分により基材の屈折率、厚みに変化のない脆性パターンを付与することが可能で、基材の平滑性が保て、形成されるホログラム画像の外部からの見え方に、脆性パターンは影響を与えることがなく、かつ脆性パターンの存在を外部から視認することが極めて困難となり、より装飾効果を減じることなく、高い偽造防止性を有する。
【0029】
また、印刷部の形成は、ホログラム脆性シールの装飾性を高める効果があるのに加えて、剥離によりホログラムと同様に部分的に破壊されるため、偽造防止性が向上する。
【0030】
また、反射性薄膜層をホログラム形成層とは異なる屈折率を有する透過性薄膜層とすることによって被貼着物の下地のデザイン、模様、文字等の画像や色などを損なうことなく、一層装飾性の向上を図ることができるとともに高い偽造防止を有する。
【0031】
【実施例】
以下、本発明の具体的な実施例を挙げ、詳細に説明する。
【0032】
<実施例>
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムを基材とし、これに○形状の孔をパターン状に複数個形成したポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムからなるマスクを積層し、コロナ処理装置を用いて、出力200W/m2 ,速度10m/minの処理条件により、基材表面に放電照射しコロナ処理を行った。これにより、基材の処理部分の塗れ指数は54dyne/cmであり、基材のマスクされた非処理部分の塗れ指数は38dyne/cmとなり、塗れ性が向上した。
この表面処理を部分的に施した基材面に下記の組成からなる構成材料をグラビアコーティング法により塗布し乾燥温度100℃で、厚さ1.0μmのホログラム形成層を設けた。さらにその表面にレリーフ型ホログラムを構成する微細な凹凸パターンが形成されたニッケル製のプレス版を用いて加熱押圧(130℃、4kg/m2 )することによりホログラムパターンを形成した。
○ホログラム形成層構成材料
アクリル樹脂 …20部
メチルエチルケトン …40部
トルエン …40部
【0033】
次に反射性薄膜層として、ZnS(屈折率2.3)を真空蒸着法により膜厚50nmに形成した。この反射性薄膜層上に下記組成からなる接着材料をグラビアコーティング法により塗布し接着層を形成し、ホログラム脆性シールを作製した。
【0034】
このようにして作製されたホログラム脆性シールを塩化ビニルシートからなる被着材に貼着し、50mm幅、300mm/minにおいて180度剥離の測定条件により、各層における剥離強度を測定した。その結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】
このように、各層は▲1▼>▲3▼>▲2▼の順に剥離強度が大きく、被着材に貼着したホログラム脆性シールを剥離した場合には、各層の剥離強度の違いから生じる層間剥離により、図4に示すようなホログラム脆性シールが破壊されるものである。基材の表面処理により部分的に接着性を改善することにより、各層間における剥離強度が異なるようにし、剥離時に異なる層間で剥離が生じるため、ホログラム脆性シールの再生を極めて困難とすることができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ホログラム脆性シールを貼着した後に、剥離する場合、基材の表面処理を行った処理部分と表面処理を行わない非処理部分との剥離強度に差を有し、接着層との接着力の差から脆性パターンの通りにホログラム脆性シールの層間剥離が生じるため、ホログラム脆性シールが破壊される。また、このホログラム脆性シールを表側から見ても、部分的な剥離効果をもたらす脆性パターンが基材の表面処理により形成されるため、その存在の目視による確認が非常に困難であることから、不正防止効果および装飾効果を向上させることができる。
【0038】
また、反射性薄膜層をホログラム形成層とは異なる屈折率を有する透過性薄膜層とすることによって被着材の下地のデザイン、模様、文字等の画像や色などを損なうことなく、一層の装飾効果を向上を図ることができる。
【0039】
さらには、印刷部を設けることにより装飾性を高めることができ、かつ剥離行為に対して、ホログラムと同じく部分的に破壊されることにより、より一層の不正防止効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のホログラム脆性シールの実施例の構成を示す断面図である。
【図2】基材にマスクを積層した状態を示す平面図である。
【図3】部分的な表面処理を施した基材の状態を示す平面図である。
【図4】(a)は図1のホログラム脆性シールの本発明のホログラム脆性シールを被着材10に貼付した状態を示す断面図であり、(B)は図1のホログラム脆性シール1を被着材10から剥離させた状態を示す断面図である。
【図5】他の実施例のホログラム脆性シール11の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1、11 ホログラム脆性シール
2 基材
3 処理部分
4 非処理部分
5 ホログラム形成層
6 反射性薄膜層
7 接着層
8 印刷部
9 マスク
10 被着材
12 ホログラム形成面
Claims (5)
- 透明性を有し、かつ部分的に表面処理を施し接着性を向上させてなる基材に、ホログラムパターンを有するホログラム形成層、反射性薄膜層、接着層を順次設けてなるホログラム脆性シールであり、前記ホログラム形成層と前記基材の接着強度が、基材の表面処理部分が基材の非処理部分より接着強度が大であることを特徴とするホログラム脆性シール。
- 前記表面処理はコロナ処理、オゾン処理、プラズマ処理、電子線照射処理、酸化剤による表面の酸化処理のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のホログラム脆性シール。
- 前記ホログラム形成層と前記反射性薄膜層との間に、または前記反射性薄膜層と前記接着層との間に印刷部を設けてなることを特徴とする請求項1にホログラム脆性シール。
- 前記反射性薄膜層が前記ホログラム形成層とは異なる屈折率を有する透過性薄膜層からなることを特徴とする請求項1、2、3のいずれかに記載のホログラム脆性シール。
- 前記表面処理してなる部分は文字・マーク・模様などホログラム脆性シールが剥離状態にあったことを表す特定の情報であることを特徴とする請求項1にホログラム脆性シール。
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